(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表側に遊技領域が形成されると共に、裏側に装置が配された遊技盤と、前記遊技盤が着脱可能に取り付けられると共に、取り付けられた前記遊技盤に配された装置に電力を供給する電力供給手段が配された遊技枠とを備える弾球遊技機において、
前記遊技盤は、当該遊技盤に配された装置への電力供給を行うための遊技盤側コネクタを備え、
前記遊技枠は、前記遊技盤が当該遊技枠に取り付けられた際に、該遊技盤が備える前記遊技盤側コネクタに接続される遊技枠側コネクタを備え、
前記弾球遊技機は、前記遊技盤が前記遊技枠に取り付けられているか否かを検出する検出手段を備え、
前記電力供給手段は、
前記弾球遊技機への電力供給の開始時において、前記検出手段により、前記遊技盤が前記遊技枠に取り付けられていることが検出されている場合には、接続状態である前記遊技枠側コネクタ及び前記遊技盤側コネクタを介して、前記遊技枠に取り付けられた前記遊技盤に配された装置への電力の供給を開始し、前記検出手段により、前記遊技盤が前記遊技枠に取り付けられていることが検出されていない場合には、前記遊技盤に配された装置への電力の供給を開始せず、
前記遊技盤に配された装置への電力の供給中に、前記検出手段により、前記遊技盤が前記遊技枠に取り付けられていないことが検出されると、前記遊技盤に配された装置への電力供給を停止し、
前記遊技盤に配された装置への電力供給を停止した後、前記弾球遊技機への電源供給が停止されるまでの間は、前記検出手段により前記遊技盤が前記遊技枠に取り付けられていることが検出されても、前記遊技盤に配された装置への電力供給を再開せず、前記遊技盤に配された装置への電力供給を行うには、前記弾球遊技機への電力供給を停止した後、前記弾球遊技機への電力供給を再開する必要があるようにしたこと、
を特徴とする弾球遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0027】
[第1実施形態]
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に記載されているように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。
【0028】
外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ11を介して、前枠(意匠枠)20および内枠が開閉可能に設けられている。前枠20の枠内には板ガラスが嵌め込まれており、板ガラスの奥には、内枠に保持された遊技盤40が設けられている。
【0029】
前枠20の上部には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプや遊技の異常を報知するLED類を備えた装飾部24が設けられている。また、前枠20の上部の左右両側位置にはスピーカ56が設けられ、遊技中は、これらのこれらから各種音声が出力される。
【0030】
前枠20の下半部には、賞球や貸し球として払い出された遊技球を、遊技盤40の遊技領域へ向けての発射待ちの遊技球として貯留する上皿21と下皿22とが一体に形成されている。上皿21には、向かって右側に貸出ボタン25,精算ボタン26、及び、残高表示装置27が設けられている。また、中央には、演出ボタン28及びジョグダイヤル29が設けられている。
【0031】
下皿22は、上皿21から溢れた遊技球を受ける構成となっており、球抜きレバーの操作により、下皿22に溜まった遊技球を遊技施設に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0032】
下皿22に向かって右側には、発射ハンドル23が設けられ、該発射ハンドル23を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿21から供給された遊技球が遊技盤40の遊技領域に向けて発射される。
【0033】
なお、発射ハンドル23の上方には、前枠20及び内枠30を外枠10にロックするシリンダ錠が設けられており、該シリンダ錠に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作すると、内枠が開放され、反時計回りに操作すると、前枠20が開放される。
【0034】
また、
図2に記載されているように、遊技盤40には、外レール40aと内レール40bとによって囲まれた略円形の遊技領域41が形成されている。遊技領域41には、その中央部に表示枠飾りたるセンターケース43(装飾役物)が装着され、その内部には、大型の演出図柄表示装置84が設置されている。演出図柄表示装置84に向かって左側には、普通図柄作動ゲート47が設置されており、普通図柄作動ゲート47を遊技球が通過すると、普通図柄(普図)の当否抽選用の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づいて普通図柄抽選が行なわれる。
【0035】
演出図柄表示装置84の直下位置には、遊技球の入球により特別図柄(以下、単に特図という)の当否抽選の起因となる第1,第2始動口44,45が設置されている。第2始動口45は、普図の当否抽選が当選したときに開放される普通電動役物として構成されている。第1,第2始動口44,45へ遊技球が入球すると、複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数は特図の保留記憶として記憶される。そして、これらの乱数に基づいて特図の大当り抽選が行われる。
【0036】
第1,第2始動口44,45の下方位置には、特図の当否抽選に当選し、大当り遊技が行われる際に開放される特別電動役物からなる大入賞口46が設置されている。
また、第1,第2始動口44,45の両側には、複数の一般入賞口48が設置されている。また、遊技盤40における向かって右下の領域(遊技領域41の外側の領域)には、8個のLEDからなる第1特図表示装置52及び第2特図表示装置53と、7セグのLEDからなる第1特図保留数表示装置54及び第2特図保留数表示装置55と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置50と、7セグのLEDからなる普図保留数表示装置51が設置されている。
【0037】
また、遊技領域41には多数の遊技釘が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
図3は、前枠20の無い状態における内枠30と、これに組付けた遊技盤40とを示す概略正面図である。遊技盤40を支持する枠状体である内枠30は、金属フレームからなる左縦枠部30c(図の左側),右縦枠部30d(図の右側)と、これらの上端間および下端間にそれぞれ架設された上枠部30aと下枠部30bとを備え、その外形寸法は外枠10の枠内寸法に合わせてあり、外枠10に対してヒンジ11により開閉可能である。
【0038】
内枠30には、上部の左右両端のコーナー部内に左右一対のスピーカ56が設けられている。これらのスピーカ56はボックス型のパッシブスピーカである。
内枠30は、その枠内に組付けた遊技盤40における向かって左側の側縁(左側縁)の上下位置を、左縦枠部30cの上下に設けられた係合手段たる係合部31により係合保持すると共に、上枠部30aおよび下枠部30bに設けられたロック部32により、右縦枠部30d寄りの位置で、遊技盤40の上縁および下縁をロックする。
【0039】
内枠30の下枠部30bは、その上下幅が広く、下枠部30bのほぼ中央位置には、遊技盤40へ向けて遊技球を発射する発射装置57が設置されている。なお、発射装置57の設置位置に応じ、上皿21は、その左右幅方向の中央より遊技球を取り込んで発射装置57へ送るように構成されている。
【0040】
パチンコ機1の裏面側には、
図4,5に記載されているように、内枠30の上枠部30aの裏面に、左右のスピーカ56を避けて球タンク61が設けられている。球タンク61は、遊技施設の島設備(図示無し)から供給される遊技球を受ける構成で、浅い容器状に形成されている。
【0041】
球タンク61に貯留された遊技球は、遊技球供給通路を経て、賞球又は貸し球として上皿21に払い出される。遊技球供給通路は、払い出す遊技球を計数すると共に、払出量を制御する払出装置63が設けられている。
【0042】
遊技盤40の裏面は、合成樹脂のカバー部材42で被覆されている。カバー部材42は、遊技盤40に固着されてその裏面外周を囲む外周部を備え、外周部の後部開口を着脱可能に塞ぐように設置されている。そして、カバー部材42及びその外周部の内部には、遊技盤40の裏面に、遊技全般の制御を司る主制御装置80や、演出図柄表示装置84や、該演出図柄表示装置84を制御する演出図柄制御装置83や、音声,ランプ類の制御を司るサブ統合制御装置82等が設置されている(
図6参照)。また、遊技盤40を貫通する第1,第2始動口44,45や、大入賞口46等の可動役物や、センターケース43、普通図柄表示装置50等の装飾役物の部品類が設置されている。
【0043】
また、内枠30の下枠部30bの裏面には、電源基板64や、払出装置63を制御する払出制御装置81(
図6)や、その他の構成部品が設置されている。なお、電源基板64の側面には、パチンコ機1への電源をオン/オフする電源スイッチ64aが設けられている。
【0044】
また、内枠30および遊技盤40における右縦枠部30d付近には、内枠30側に設けられた電源基板64や払出制御装置81と、遊技盤40側に設けられた主制御装置80とを電気的に接続するコネクタ部70が設けられている。コネクタ部70には、主制御装置80に電力を供給するための電源端子や、主制御装置80と、内枠30に設けられた払出制御装置81等の装置との間で各種信号の送受信を行うための端子等が設けられている。
【0045】
(2)電気的構成について
次に、パチンコ機1の電気的構成について説明する。このパチンコ機1は、
図6のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板64等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置83,サブ統合制御装置82のいずれもCPU,ROM,RAM,入力ポート,出力ポート等を備えている。また、発射装置57,電源基板64にはCPU,ROM,RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射装置57等にCPU,ROM,RAM等を設けてもよい。
【0046】
主制御装置80には、第1始動口44に入球した遊技球を検出する第1始動口SW44a、第2始動口45に入球した遊技球を検出する第2始動口SW45a、普通図柄作動ゲート47に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW47a、大入賞口46に入球した遊技球を計数するための第1カウントSW46a、一般入賞口48に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW48a等からの検出信号が入力される。
【0047】
主制御装置80は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置82に出力する。
【0048】
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板67を介して接続されている第1特図表示装置52,第2特図表示装置53,第1特図保留数表示装置54,第2特図保留数表示装置55,普通図柄表示装置50,普図保留数表示装置51の表示を制御する。
【0049】
さらに、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド46bを制御することで大入賞口46の開閉を制御し、普電役物ソレノイド45bを制御することで第2始動口45の開閉を制御する。
【0050】
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されるほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板60に出力されてホールコンピュータ3に送られる。
また、主制御装置80と払出制御装置81とは、盤枠配線中継端子板85を介して双方向通信が可能である。
【0051】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ36を稼働させて賞球を払い出させる。第1実施形態においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW37の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも、主制御装置80と払出制御装置81に払出SW37の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0052】
なお、払出制御装置81は、ガラス枠閉鎖SW33,内枠閉鎖SW34,球切れSW35,払出SW37,満杯SW38からの信号が入力され、満杯SW38により下皿22が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW35により球タンク61に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ36を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW38,球切れSW35も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ36の駆動を再開させる。
【0053】
また、払出制御装置81は、CRユニット端子板69を介してCRユニット2と交信することで払出モータ36を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW37に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板69は、残高表示装置27とも双方向通信可能に接続されており、残高表示装置27には、遊技球の貸出しを要求するための貸出ボタン25、精算を要求するための精算ボタン26が設けられている。
【0054】
また、払出制御装置81は、外部接続端子板60を介して賞球に関する情報、枠(内枠30,前枠20)の開閉状態を示す情報等をホールコンピュータ3に送信するほか、発射装置57に対して発射停止信号を送信する。
【0055】
なお、第1実施形態は遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射装置57は、発射モータ57cを制御して、遊技領域41に遊技球を発射させる。
【0056】
なお、発射装置57には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル23からの回動量信号、タッチSW57bからのタッチ信号、発射停止SW57aから発射停止信号が入力される。
【0057】
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル23を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル23を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW57aを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射装置57に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル23を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0058】
サブ統合制御装置82は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置83に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
【0059】
そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ56からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって装飾部24を制御する。
【0060】
また、サブ統合制御装置82には、演出ボタン28,ジョグダイヤル29が接続されており、遊技者が演出ボタン28,ジョグダイヤル29を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置82に入力される。
【0061】
サブ統合制御装置82と演出図柄制御装置83とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置83は、サブ統合制御装置82から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置82が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置84を制御して、演出図柄の変動表示(図柄変動)等の演出画面を表示させる。
【0062】
(3)コネクタ部について
図4,5,7に記載されているように、内枠30及び遊技盤40の裏面の右縦枠部30d付近には、内枠30側に設けられた電源基板64や払出制御装置81と、遊技盤40側に設けられた主制御装置80とを電気的に接続するコネクタ部70が設けられている。コネクタ部70は、内枠30側のドロワコネクタ71と、遊技盤40側のドロワコネクタ72とから構成され、内枠30に遊技盤40を組付けたときにこれらが接続される構成となっている。
【0063】
図7(
図3のA−A断面図を用いた説明図)に記載されているように、遊技盤40の内枠30の組付け作業では、内枠30の枠内にその前方より遊技盤40が組み付けられる。まず、遊技盤40の左側縁を、内枠30の左縦枠部30c側の枠内に斜め前方より挿入し、内枠30に対して遊技盤40が斜めの状態で、左側縁を左縦枠部30cに係合せしめる(
図7(a),(b))。この係合は係合部31によりなされ、係合の後、係合した部位を回動中心として、遊技盤40の右側縁を、矢印G方向に押し込み(内枠30の右縦枠部30d側の枠内へ押し込み)、ロック部32によりロックせしめる(
図7(c),(d))。
【0064】
図8は、係合部31により、内枠30の左縦枠部30cに遊技盤40の左側縁を係合させる作業を示す。係合部31には、左縦枠部30cの枠内面から突出し、断面がほぼV字形に屈曲形成したバネ材31aと、該バネ材31aよりも後方位置で遊技盤40の裏面に当接せしめる当接突起31bが設けられている。
【0065】
遊技盤40の左側縁を、係合部31のバネ材31aと当接突起31bとの間に斜めに挿入すると、左側縁に設けられた係合溝にバネ材31aが嵌合される(
図8(a),(b))。そして、遊技盤40の右側縁を押し込むことで、バネ材31aの先端を係合溝内に当接せしめると共に、当接突起31bを遊技盤40の裏面に当接させ、バネ材31aと当接突起31bとで、遊技盤40の左側縁を前後に挟み付けて係合保持する(
図8(c))。
【0066】
一方、
図7に示すように、コネクタ部70は、内枠30の右縦枠部30dから後方へこれを延長するように延び、且つ、枠内側へ屈曲せしめた断面ほぼL字形の金属厚板からなる支持部73を備える。支持部73の後面は、遊技球供給通路の後面とほぼ同等の後方位置に形成されている。支持部73の内面側には、遊技盤40の組付け作業における押し込み時に、遊技盤40の右側縁側の移動軌跡(矢印G)の延長線とほぼ直交するように設けられ、パチンコ機1の横幅方向(組付けられた遊技盤40の横幅方向)に対して所定の角度で傾斜する取付面74が設けられている。そして、取付面74には、移動軌跡に向かうように(横幅方向に対して傾斜状に)内枠30側のドロワコネクタ71が複数(一例として3つ)設置されている。
【0067】
なお、移動軌跡Gは、遊技盤40の左側縁側を内枠30の左縦枠部30cに係合せしめた係合部31を回転中心とする円弧状の軌跡となっている。
内枠30側のドロワコネクタ71に対応して、遊技盤40の裏面には、カバー部材42の外周部からなる断面ほぼL字形の支持部75の後面に、内枠30側の取付面74と同様な傾斜状の取付面76が設けられている。そして、取付面76には、盤枠配線中継端子板85が設置固定され、盤枠配線中継端子板85には、複数の遊技盤40側のドロワコネクタ72が、遊技盤40の裏面から後方へ離間した位置に設けられている。
【0068】
また、
図9,10 に示すように、内枠30側のドロワコネクタ71はオス型で、長方形状のベース部71aの中央に、接続凸部71bを備える。接続凸部71bには、その両端に角柱状のガイド部71cが立設され、両ガイド部71c間に複数の接続端子が並設されている。両ガイド部71cは、先端が該接続端子より突出しており、ガイド部71cの先端は、先細りのテーパー状となっている。
【0069】
また、ドロワコネクタ71には、ベース部71aの両端に、取付マウント部材71dが設けられている。これら取付マウント部材71dは、ドロワコネクタ71を、上下左右に若干移動できるフローティイング状態で支持部73に取付けるものである。これら取付マウント部材71dにねじ部材Nを貫通せしめて支持部73の取付面74に締結することで、ドロワコネクタ71は、取付面74沿いに上下左右に移動可能に取付けられている(
図10の矢印x,y方向)。なお、ドロワコネクタ71は、長手方向が縦向きになるように取付面74に取付けられている。
【0070】
一方、遊技盤40側のドロワコネクタ72は、メス型で、ベース部72aに、内枠30側のドロワコネクタ71の接続凸部71bが嵌入される接続凹部72bが形成されている。ドロワコネクタ72は、内枠30側のドロワコネクタ71に対応して、遊技盤40側の支持部75の取付面76に、これと平行に設けられた盤枠配線中継端子板85に締結固定されている。
【0071】
内枠30側のドロワコネクタ71及び遊技盤40側のドロワコネクタ72は、遊技盤40の裏面から後方へ離した位置で接続するように構成したので、遊技盤40の右側縁側の裏面スペースを確保できる。
【0072】
また、両ドロワコネクタ71,72は、内枠30への遊技盤40の組付け作業の押し込みにより、遊技盤40が内枠30の所定の位置に配されるのに伴って接続されるため、作業手間がかからない。
【0073】
また、両ドロワコネクタ71,72は、互いに遊技盤40の移動軌跡Gに沿う方向に設けられていると共に、内枠30側のドロワコネクタ71は、上下左右に移動可能に取り付けられており、さらに、両ドロワコネクタ71,72は、長手方向が縦向きになるように設けられている。
【0074】
このため、両ドロワコネクタ71,72間に位置ズレがあっても、この位置ズレが吸収、修正され、ドロワコネクタ71の接続凸部71bがドロワコネクタ72の接続凹部72bに嵌入する際に、こじれや異常な荷重が生じず、スムーズな接続ができる。なお、接続凸部71bを接続凹部72bに嵌入する際、接続凸部71bの両ガイド部71cの先端テーパーが、接続凸部71bを接続凹部72bにスムーズに嵌入案内する。
【0075】
(4)電源基板について
第1実施形態では、内枠30側に設けられた電源基板64から遊技盤40側に設けられた主制御装置80に電力が供給されると共に、さらに、電力供給を受けた主制御装置80から、遊技盤40側に設けられた、サブ統合制御装置82等の他の装置に電力が供給される。また、電源基板64は、内枠側に設けられた、払出制御装置81等の他の装置に電力を供給する(
図11参照)。
【0076】
また、電源基板64には、内枠30に遊技盤40が取り付けられた状態(取付状態)か否かを判定する状態確認スイッチ77が接続されており、該状態確認スイッチ77は、遊技盤40の取り付けにより押下され、オン状態となると共に、取り外しにより押下が解除され、オフ状態となる。電源基板64は、該状態確認スイッチ77がオン状態である場合には遊技盤40側(主制御装置80等)に電力を供給し、オフ状態である場合には、電力を供給しない構成となっている。
【0077】
なお、電源基板64にはCPU,ROM,RAM等が設けられておらず、ハード的な構成により(専用回路を用いた構成により)、状態確認スイッチ77の状態に応じて、遊技盤40側に電力供給をするか否かが切り替えられる。
【0078】
具体的には、電源基板64における、遊技盤40側への電源ライン上には、トランジスタやリレー等のスイッチング素子を用いたスイッチング回路64bが設けられており、該スイッチング回路64bには、状態確認スイッチ77の状態を示す信号が入力される。
【0079】
そして、該信号が、状態確認スイッチ77がオン状態であることを示している場合には、該スイッチング回路64bはオンとなり、電源ラインが導通されて遊技盤40側への電力供給がなされる。一方、該信号が、状態確認スイッチ77がオフ状態であることを示している場合には、該スイッチング回路64bはオフとなり、電源ラインが遮断されて遊技盤40側への電力供給が停止される。
【0080】
この状態確認スイッチ77は、内枠30側のドロワコネクタ71に隣接して設けられており(
図7参照)、内枠30への遊技盤40の組付けが完了した状態になるとオン状態となり、それ以外の状態ではオフ状態となる。このため、内枠30から遊技盤40を取り外す作業が開始されると、直ちに状態確認スイッチ77がオフ状態となり、遊技盤40側への電力供給が停止する構成となっており、これにより、遊技盤40の取り外し作業中に、コネクタ部70の電源端子が他の端子に接触し、ショートが発生することを防ぐことができる。
【0081】
なお、状態確認スイッチ77の配置位置はこれに限定されることは無く、例えば、係合部31やロック部32等、内枠30と遊技盤40とが当接する箇所に配置することができる。しかし、状態確認スイッチ77は、遊技盤40の取り外し作業の開始時に、直ちにオン状態からオフ状態に変化させることができる位置,態様で配置することが望ましい。
【0082】
また、例えば、複数の状態確認スイッチ77を、内枠30と遊技盤40とが当接する複数の箇所に配置し、電源基板64は、取付状態中、いずれか一つの状態確認スイッチ77の状態が変化すると、直ちに主制御装置80への電力供給を停止する構成としても良い。
【0083】
また、例えば、電源基板64から主制御装置80への電源ライン上に状態確認スイッチ77を設け、状態確認スイッチ77がオン状態の場合には電源ラインを導通させ、オフ状態の場合には電源ラインを遮断させる構成としても良い。これにより、上記スイッチング回路64bを設けること無く、状態確認スイッチ77により直接的に電源ラインの導通,遮断を切り替えることができる。
【0084】
また、これ以外にも、電源基板64は、上述したスイッチング回路等により、電源投入時に、状態確認スイッチ77がオン状態である場合には遊技盤40側に電力を供給すると共に、オフ状態である場合には電力を供給しない構成としても良い。さらに、上述したスイッチング回路等により、電源投入中、遊技盤40が内枠30から取り外され、状態確認スイッチ77の状態がオフ状態になると、遊技盤40側への電力供給を停止し、以後、遊技盤40を取り付けても、遊技盤40側への電力供給が再開されないという構成にしても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0085】
[動作の説明]
次に、第1実施形態のパチンコ機1の動作について説明する。パチンコ機1は、一例として、第1,第2始動口44,45への入賞により保留記憶された乱数により大当り抽選が行われると共に、大当り抽選で当選すると、予め定められた特図が停止表示される。そして、停止表示された特図に応じたラウンド数の大当り遊技が行われると共に、大当り遊技後には、該特図に応じて、確変状態や時短状態に移行する。無論、これに限定されることは無く、パチンコ機1は、例えば、所謂羽根モノのパチンコ機として構成されていても良い。以下では、第1実施形態のパチンコ機1の動作について、詳しく説明する。
【0086】
(1)メインルーチンについて
まず、パチンコ機1の主制御装置80におけるメインルーチンについて、
図12に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。
【0087】
S10では、主制御装置80は、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:Yes)、S20に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S10:No)、S15に処理を移行する。
【0088】
S15では、主制御装置80は、CPUやI/O等の初期設定を行い、S80に処理を移行する。
一方、S10で肯定判定が得られた場合には、主制御装置80は、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数の更新(S45)を行う。
【0089】
そして、主制御装置80は、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理と(S50)、始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理と(S55)、大当り抽選で当選した際に、遊技者に所定の遊技価値を付与する大当り遊技を行うための大当り遊技処理(S60)を行う。また、遊技球の普通図柄作動ゲート47の通過に起因して普通図柄抽選等を行う普図当否判定処理と(S65)、普通電動役物(第2始動口45)を開放することで普図遊技を行う普図遊技処理と(S67)、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理と(S70)、サブ統合制御装置82等にデータ及びコマンドを送信し、また、ホールコンピュータ3等に各種情報を送信する各出力処理と(S75)を行う。
【0090】
また、S80では、主制御装置80は、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
(2)始動口入賞確認処理について
次に、第1,第2始動口44,45への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶等を行う始動口入賞確認処理について、
図13に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理からコールされるサブルーチンとして構成されている。
【0091】
S100では、主制御装置80は、第1始動口SW44aの検出信号と、第2始動口SW45aの検出信号とに基づき、第1始動口44或いは第2始動口45への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S100:Yes)、S105に処理を移行し、否定判定の場合は(S100:No)、本処理を終了する。
【0092】
S105では、主制御装置80は、入賞が生じた始動口に対応する特図についての保留記憶の数が、最大値(一例として4)に達しているか否かを判定する。そして、最大値に達している場合には(S105:Yes)、S110に処理を移行し、最大値に達していない場合には(S105:No)、本処理を終了する。
【0093】
S110では、主制御装置80は、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される図柄(当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、図柄演出において、リーチとなった後に外れを示す演出図柄を停止表示させる演出を行うか否かを決定すると共に、該演出の態様(リーチの態様)を決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして、抽出した乱数を、入賞が生じた始動口に対応する特図についての保留記憶として記憶し、S115に処理を移行する。
【0094】
S115では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数が特定値(現在の遊技状態における大当り抽選で当りとなる値)であるか否かを判定すると共に、該保留記憶に係るリーチ判定用乱数等に基づき、現在の遊技状態における図柄演出でリーチとなるか否かと、該図柄演出でのリーチの態様を判定する先読み判定を行う。そして、先読み判定の結果と、先読み判定が行われた保留記憶に対応する特図の種類(第1特図であるか第2特図であるか)を示す先読みコマンドを生成し、サブ統合制御装置82に送信する(S120)。
【0095】
なお、先読みコマンドを受信したサブ統合制御装置82は、該先読みコマンドに対応する保留記憶が消化されるまで、該先読みコマンドが示す先読み判定結果を保存する。
続くS125では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に対応する特図について、何個の保留記憶が生じているかを示す保留数コマンドを生成し、サブ統合制御装置82に送信する。なお、第1特図に対応する保留数コマンドを第1保留数コマンド、第2特図に対応する保留数コマンドを第2保留数コマンドとする。その後、主制御装置80は、本処理を終了する。
【0096】
また、各特図に対応する保留記憶の数と、該保留記憶についての先読み判定の結果とを示す一つのコマンドを生成し、該コマンドを、先読みコマンドや保留数コマンドに替えて用いても良い。
【0097】
(3)当否判定処理について
次に、保留記憶に係る大当り決定用乱数により大当り抽選を行う当否判定処理について、
図14〜17のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。
【0098】
まず、
図14に関して、S200では、主制御装置80は、特別電動役物の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S200:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S200:No)、S205に処理を移行する。
【0099】
S205では、主制御装置80は、第1特図或いは第2特図の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S205:Yes)、
図16のS285に処理を移行し、否定判定の場合には(S205:No)、S210に処理を移行する。
【0100】
S210では、主制御装置80は、第1特図或いは第2特図の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S210:Yes)、
図17のS295に処理を移行し、否定判定の場合には(S210:No)、
図15のS215に処理を移行する。
【0101】
続いて
図15に関して、S215では、主制御装置80は、第2保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S215:Yes)、S220に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S215:No)、S225に処理を移行する。
【0102】
S220では、主制御装置80は、第2保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第2保留記憶を選択し、S235に処理を移行する。
S225では、主制御装置80は、第1保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S225:Yes)、S230に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S225:No)、本処理を終了する。
【0103】
S230では、主制御装置80は、第1保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第1保留記憶を選択し、S235に処理を移行する。
S235では、主制御装置80は、確変状態であることを示す確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S235:Yes)、S240に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S235:No)、S245に処理を移行する。
【0104】
S240では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態に対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)に基づき、大当り抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S250に処理を移行する。
【0105】
一方、S245では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態でない場合に対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)に基づき、大当り抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S250に処理を移行する。
【0106】
なお、S215〜S245の処理から明らかなように、第1実施形態では、第1保留記憶と第2保留記憶が存在する場合には、第2保留記憶から先に消化される。
S250では、主制御装置80は、大当り抽選で当ったか否かを判定し、肯定判定の場合には(S250:Yes)、S255に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S250:No)、S270に処理を移行する。
【0107】
S255では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき当り図柄を決定する。そして、S260に処理を移行する。
S260では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定し、S265に処理を移行する。
【0108】
S265では、主制御装置80は、当り図柄に応じて、大当り遊技のラウンド数や、大当り遊技後に確変状態や時短状態となるか否かを設定すると共に、確変状態や時短状態の継続回数を設定し、S280に処理を移行する。
【0109】
一方、S250で否定判定が得られた場合に移行する(すなわち、大当り抽選で外れた際に移行する)S270では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係るリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定し、S275に処理を移行する。なお、この特別図柄の変動時間に応じて、大当り抽選で外れる場合の図柄演出の態様(リーチとなるかノーマル外れ(リーチとなることなく外れる図柄演出)となるか等)が決定される。
【0110】
S275では、主制御装置80は、確変状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)や、時短状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(時短回数)を示すカウンタの更新等を行い、S280に処理を移行する。
【0111】
S280では、主制御装置80は、サブ統合制御装置82に対し、大当り抽選後の第1保留記憶の数を示す第1保留数コマンドと、大当り抽選後の第2保留記憶の数を示す第2保留数コマンドとを送信する。また、消化した保留記憶に対応する特図の変動表示を開始すると共に、サブ統合制御装置82に対し特別図柄の変動時間等を示す変動開始コマンドを送信することで図柄演出を開始させる。さらに、サブ統合制御装置82に対し、停止表示させる演出図柄を指示する(大当りになる場合であれば、S255で決定された当り図柄に対応する演出図柄が指定される)図柄指定コマンドを送信し、本処理を終了する。
【0112】
続いて
図16に関して、第1特図或いは第2特図の変動表示中に移行するS285では、主制御装置80は、特図の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S285:Yes)、S290に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S285:No)、本処理を終了する。
【0113】
S290では、主制御装置80は、特図の変動表示を終了し、特図の確定図柄を表示させると共に、サブ統合制御装置82に対し演出図柄の確定表示を行わせる図柄確定コマンドを送信し、本処理を終了する。
【0114】
続いて
図17に関して、特図の確定表示中に移行するS295では、主制御装置80は、特図の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S295:Yes)、S300に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S295:No)、本処理を終了する。
【0115】
S300では、主制御装置80は、特図の確定表示を終了し、S305に処理を移行する。
S305では、主制御装置80は、確定表示されていた特図が大当り時のものであるかを判定し、肯定判定の場合には(S305:Yes)、S315に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S305:No)、S350に処理を移行する。
【0116】
S315では、主制御装置80は、確変状態であることを示す確変フラグを参照すると共に、確変フラグが1である場合には確変フラグをクリアし(S320)、その後、S325に処理を移行する。
【0117】
S325では、主制御装置80は、時短状態であることを示す時短フラグを参照すると共に、時短フラグが1である場合には時短フラグをクリアし(S330)、その後、S335に処理を移行する。
【0118】
そして、主制御装置80は、条件装置作動開始処理(S335),役物連続作動装置作動開始処理(S340),大当り開始演出処理(S345)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンドをサブ統合制御装置82に送信する等して大当り遊技を開始し、本処理を終了する。
【0119】
一方、S305にて否定判定が得られた場合に移行するS350では、主制御装置80は、確変フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S350:Yes)、確変状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)を参照する(S355)。そして、該残り回数が0である場合には(S355:Yes)、確変フラグをクリアし(S360)、S365に処理を移行する。
【0120】
S365では、主制御装置80は、時短フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S365:Yes)、時短状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(時短回数)を参照する(S370)。そして、該残り回数が0である場合には(S370:Yes)、時短フラグをクリアし(S375)、S380に処理を移行する。
【0121】
S380では、主制御装置80は、サブ統合制御装置82に対し、現在の遊技状態を通知する状態指定コマンドを送信する状態指定コマンド送信処理を実行し、本処理を終了する。
【0122】
(4)大当り遊技処理について
次に、大当り遊技の進行を制御する大当り遊技処理について、
図18〜20のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。
【0123】
S400では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S400:Yes)、S405に処理を移行し、否定判定の場合には(S400:No)、本処理を終了する。
【0124】
S405では、主制御装置80は、大入賞口46の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S405:Yes)、
図19のS450に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S405:No)、S410に処理を移行する。
【0125】
S410では、主制御装置80は、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S410:Yes)、
図19のS470に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S410:No)、S415に処理を移行する。
【0126】
S415では、主制御装置80は、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S415:Yes)、
図20のS500に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S415:No)、S420に処理を移行する。
【0127】
S420では、主制御装置80は、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S420:Yes)、S425に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S420:No)、本処理を終了する。
【0128】
S425では、主制御装置80は、大入賞口46を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
続いて
図19に関して、大入賞口46の開放中に移行するS450では、主制御装置80は、大入賞口46に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S450:Yes)、S460に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S450:No)、S455に処理を移行する。
【0129】
S455では、主制御装置80は、大入賞口46の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S455:Yes)、S460に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S455:No)、本処理を終了する。
【0130】
S460では、主制御装置80は、大入賞口46を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S465に処理を移行する。
S465では、主制御装置80は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。
【0131】
一方、各ラウンドのインターバル中に移行するS470では、主制御装置80は、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S470:Yes)、S475に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S470:No)、本処理を終了する。
【0132】
S475では、主制御装置80は、大当り遊技の最終ラウンドか否かを判定し、肯定判定の場合には(S475:Yes)、S480に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S475:No)、S485に処理を移行する。
【0133】
S480では、主制御装置80は、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S485では、主制御装置80は、大入賞口46を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
【0134】
続いて
図20に関して、大当り遊技の終了演出中に移行するS500では、主制御装置80は、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S505に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S500:No)、本処理を終了する。
【0135】
続くS505,S510では、主制御装置80は、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S515に処理を移行する。
S515では、主制御装置80は、大当り遊技後に確変状態に移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S515:Yes)、確変状態中に実行可能な大当り抽選の回数(確変回数)を設定すると共に(S520)、確変フラグをセットし(S525)、S530に処理を移行する。
【0136】
S530では、主制御装置80は、大当り遊技後に時短状態に移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S530:Yes)、時短状態中に実行可能な大当り抽選の回数(時短回数)を設定すると共に(S535)、時短フラグをセットし(S540)、S545に処理を移行する。
【0137】
S545,S550では、主制御装置80は、サブ統合制御装置82に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、大当り遊技終了後の遊技状態を通知する状態指定コマンドを送信する状態指定コマンド送信処理とを実行し、本処理を終了する。
【0138】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態のパチンコ機1は、第1実施形態と略同一の構成を有しており、また、第1実施形態と同様にして遊技が行われるが、内枠30側から遊技盤40側の装置への電力供給の形態が相違している。
【0139】
すなわち、第1実施形態では、電源基板64から、コネクタ部70を介して遊技盤40に設けられた主制御装置80等に電力が供給される構成となっている。一方、第2実施形態では、
図21に記載されているように、電源基板64から電力供給を受けた払出制御装置81が、コネクタ部70を介して、遊技盤40に設けられた主制御装置80等に電力を供給する構成となっている。
【0140】
そして、第2実施形態では、第1実施形態と同様の状態確認スイッチ77が払出制御装置81に接続されており、払出制御装置81は、状態確認スイッチ77の状態に応じて、遊技盤40側への電力供給状態を切り替える。
【0141】
すなわち、払出制御装置81のCPU81aは、状態確認スイッチ77の状態を監視し、該状態に応じて電力供給をするか否かを切り替える電力供給制御処理を行う。以下では、
図22に記載のフローチャートを用いて、電力供給制御処理について詳しく説明する。なお、本処理は、払出制御装置81のCPU81aにて周期的に実行される。
【0142】
S600では、払出制御装置81のCPU81aは、状態確認スイッチ77からの信号に基づき、状態確認スイッチ77がオフ状態か否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S600:Yes)、S605に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S600:No)、S620に処理を移行する。
【0143】
S605では、CPU81aは、主制御装置80等への電力供給が停止されていることを示す停止フラグがオフか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S605:Yes)、S610に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S605:No)、本処理を終了する。
【0144】
S610では、CPU81aは、主制御装置80等への電力供給を停止する電力供給停止処理を実行し、S615に処理を移行する。電力供給停止処理では、CPU81aは、トランジスタやリレー等のスイッチング素子を用いたスイッチング回路に対し制御信号を出力し、該スイッチング回路をオフ状態とすることで、遊技盤40側への電力供給を停止させる。
【0145】
S615では、CPU81aは、停止フラグをオンに設定し、本処理を終了する。
一方、状態確認スイッチ77がオン状態である場合に移行するS620では、CPU81aは、停止フラグがオンか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S620:Yes)、S625に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S620:No)、本処理を終了する。
【0146】
S625では、CPU81aは、主制御装置80等への電力供給を開始する電力供給開始処理を実行し、S630に処理を移行する。電力供給開始処理では、CPU81aは、上記スイッチング回路に対し制御信号を出力し、該スイッチング回路をオン状態とすることで、遊技盤40側への電力供給を開始させる。
【0147】
S630では、CPU81aは、停止フラグをオフに設定し、本処理を終了する。
[変形例]
次に、第2実施形態の変形例について説明する。該変形例においても、払出制御装置81のCPU81aにて状態確認スイッチ77の状態が監視され、該状態に基づき遊技盤40側に電力供給をするか否かが切り替えられる。しかし、一旦遊技盤40が内枠30から取り外され、状態確認スイッチ77の状態がオフ状態になると、以後、遊技盤40を取り付けても、パチンコ機1の電源が再投入されないと、遊技盤40側への電力供給が再開されないという点において相違する。以下では、変形例における払出制御装置81の処理について詳しく説明する。
【0148】
(1)電源投入処理について
まず、パチンコ機1の電源投入時に、状態確認スイッチ77の状態に応じて遊技盤40側への電力供給を開始する電源投入処理について、
図23に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、払出制御装置81への電力供給開始時に実行される。
【0149】
S700では、払出制御装置81のCPU81aは、状態確認スイッチ77からの信号に基づき、状態確認スイッチ77がオフ状態か否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S700:Yes)、S705に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S700:No)、本処理を終了する。
【0150】
S705では、CPU81aは、遊技盤40側への電力供給が停止されていることを示す停止フラグがオンか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S705:Yes)、S710に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S705:No)、本処理を終了する。なお、停止フラグは、払出制御装置81の電力供給開始時の初期化処理にてオンに設定されており、本ステップは、通常は肯定判定となる。
【0151】
S710では、CPU81aは、遊技盤40側への電力供給を開始する電力供給開始処理を実行し、S715に処理を移行する。
S715では、CPU81aは、停止フラグをオフに設定し、本処理を終了する。
【0152】
(2)電力供給制御処理について
次に、パチンコ機1の動作中に、状態確認スイッチ77の状態に応じて遊技盤40側への電力供給を停止する電力供給制御処理について、
図24に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、払出制御装置81にて周期的に実行される。
【0153】
S800では、払出制御装置81のCPU81aは、状態確認スイッチ77からの信号に基づき、状態確認スイッチ77がオフ状態か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S800:Yes)、S805に処理を移行する。一方、否定判定が得られた場合には(S800:No)、本処理を終了し、これにより、パチンコ機1に電力が供給されている状態で、再び遊技盤40が内枠30に取り付けられたとしても、遊技盤40側への電力供給は行われない。このため、遊技盤40側への電力供給を再開させるためには、パチンコ機1の電源スイッチ64aをオフした後に再度オンし、パチンコ機1への電力供給を一旦停止させた後に再開させる必要がある。
【0154】
S805では、CPU81aは、停止フラグがオフか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S805:Yes)、S810に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S805:No)、本処理を終了する。
【0155】
S810では、CPU81aは、遊技盤40側への電力供給を停止する電力供給停止処理を実行し、S815に処理を移行する。
S815では、CPU81aは、停止フラグをオンに設定し、本処理を終了する。
【0156】
[効果]
第1,第2実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤40を内枠30に取り付けるのに伴いコネクタ部70が接続されると共に、遊技盤40を内枠30から取り外すのに伴い、コネクタ部70の接続が解除される。このため、遊技盤40の取り付け,取り外しに応じて、遊技盤40側の装置と内枠30側の装置との間の電気的接続が完了或いは解除され、遊技盤40を取り替える面換えの作業を容易に行うことができる。
【0157】
また、内枠30から遊技盤40を取り外すと、電源基板64等から遊技盤40側の主制御装置80への電力供給が停止される。このため、遊技盤40の取り付け,取り外しの際、仮にコネクタ部70に設けられた電源端子が他の端子に接触したとしても、ショートが生じることは無く、パチンコ機1の電源を入れた状態で容易且つ安全に面換えを行うことができる。
【0158】
[他の実施形態]
(1)第1,第2実施形態では、電源基板64や払出制御装置81は、状態確認スイッチ77がオフ状態である場合(内枠30から遊技盤40が取り外された場合)には、遊技盤40側への電力供給を停止する構成となっている。しかし、電源基板64等は、遊技盤40側への電力供給の停止に替えて、例えば、電源基板64に設けられた電源スイッチ64aを強制的にオフ状態にする等して、当該パチンコ機1への電力供給が停止された状態としても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0159】
(2)第2実施形態では、払出制御装置81のCPU81aは、状態確認スイッチ77の状態に応じて遊技盤40側への電力供給を行うか否かを切り替える。しかしながら、このほかにも、CPU81aは、例えば、内枠30側のドロワコネクタ71の端子の電圧レベルを監視し、該電圧レベルに基づき、内枠30に遊技盤40が完全に取り付けられた状態か否かを判定すると共に、該判定結果に応じて、遊技盤40側への電力供給状態を切り替えても良い。
【0160】
具体的には、上記電圧レベルが、内枠30側のドロワコネクタ71と遊技盤40側のドロワコネクタ72が非接続となったことを示している場合や、不安定になった場合には、遊技盤40が完全に取り付けられた状態で無いとみなし、遊技盤40側への電力供給を停止しても良い。
【0161】
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
(3)第1実施形態では、電源基板64は、ハード的な構成により、状態確認スイッチ77の状態に応じて遊技盤40側への電力供給を行うか否かを切り替える。しかしながら、例えば、電源基板64にCPU等を設け、該CPUにて、第2実施形態や、その変形例や、上記(2)における払出制御装置81と同様の処理を行うことで、状態確認スイッチ77の状態に応じて遊技盤40側への電力供給状態を切り替えても良い。
【0162】
無論、第2実施形態の払出制御装置81において、第1実施形態の電源基板64と同様のハード的な構成により、状態確認スイッチ77の状態に応じて遊技盤40側への電力供給状態を切り替えても良い。
【0163】
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
(4)また、第1,第2実施形態では内枠30側のドロワコネクタ71のみを上下左右に移動可能としたが、遊技盤40側のドロワコネクタ72を移動可能としてもよく、更には両ドロワコネクタ71,72を移動可能としても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0164】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0165】
第1,第2実施形態の内枠30が遊技枠に、ドロワコネクタ71が遊技枠側コネクタ、ドロワコネクタ72が遊技盤側コネクタに、状態確認スイッチ77が検出手段に相当する。
【0166】
また、第1実施形態の電源基板64,第2実施形態の払出制御装置81が、電力供給手段に相当する。