(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る遊技機と、操作スイッチ装置の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
【0014】
[遊技機]
遊技者が操作する操作スイッチ装置を備える遊技機には、スロットマシン、パチンコ機、パロットなど様々な種類があるが、本実施形態では、本発明をスロットマシンに適用した場合について説明する。
【0015】
本実施形態のスロットマシンは、複数のリールを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得できる回胴式遊技機として構成されており、遊技者により操作される操作スイッチ装置として、リールの回転を停止する停止スイッチ装置が備えられ、この停止スイッチ装置を正面側から見たときに、遊技者により操作される操作ボタンの周囲に位置する透明な押釦ホルダを通して、内部に配置された発光素子が視認不能となるように、この発光素子から放射された光を所定の方向に反射させた後に、押釦ホルダの発光面に伝播させる構成となっている。
以下、本実施形態に係るスロットマシンについて詳述する。
【0016】
図1、
図2に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、メダル投入口2から実際に投入されるメダルの数(例えば、3枚)、又は内部的に記憶されたクレジットメダルからベットボタン2aの操作によって信号形式で投入されるメダルの数(例えば、3枚)に応じてゲーム開始可能な状態となり、この状態でスタートレバー3が操作(始動操作)されると、複数のリール4(4a〜4c)が回転を開始するとともに、それぞれのリール4(4a〜4c)に対応する停止スイッチ装置10の操作ボタン21(21a〜21c)が押下操作されると、スタートレバー3の操作タイミングで行われる抽選処理の抽選結果に応じた図柄の組合せで停止するように各リール4(4a〜4c)が停止制御され、停止した図柄の組合せに基づいて入賞の有無が判定され、判定結果に応じてメダル払出装置5からメダルが払い出されるという、通常のスロットマシン遊技を実現可能な構成を備えている。
【0017】
このようなスロットマシン遊技を実現可能なスロットマシン1においては、各リール4(4a〜4c)の回転を停止させる停止スイッチ装置10が、操作スイッチ装置として、スロットマシン1の本体を構成する前扉1aの前面中程に設けられている。
停止スイッチ装置10には、遊技者によって押圧操作される操作ボタン21(21a〜21c)が設けられており、これら操作ボタン21(21a〜21c)が押圧操作されると、この操作が主制御部6で検出されて、各リール4(4a〜4c)の回転を停止させる制御が行われる。
【0018】
この停止スイッチ装置10においては、操作ボタン21を操作方向に移動可能に収納する押釦ホルダ23と、この押釦ホルダ23の背後に設けられてこの押釦ホルダ23を照明する発光素子32が配置されており、発光素子32が点灯し、押釦ホルダ23を照明すると、操作ボタン21を操作面211の前方から見たときに、この操作面211の周囲に位置する押釦ホルダ23の前方露出面である点灯部236が明るく光るようになっている。
ところが、この押釦ホルダ23は、透明又は半透明の部材で形成されているため、この押釦ホルダ23を点灯部236の前方から見たときに、この点灯部236を通して発光素子32が見えてしまうことがあり、装飾効果や演出効果が低下する要因となっていた。
【0019】
本発明の実施形態に係る停止スイッチ装置10は、その押釦ホルダ23を通して発光素子32が見える事態を防止するために、この押釦ホルダ23の側面にV字状の溝部238を凹設するとともに、操作ボタン21の軸部213の周囲に反射部材25を設ける構成とした。そして、発光素子32から放射された光をその溝部238で反射させ、この反射した光を反射部材25の表面で反射させて押釦ホルダ23の点灯部236を照明するようにした。これにより、押釦ホルダ23を通して発光素子32を視認不能とすることができ、装飾効果や演出効果の低下を抑制しつつ、その点灯部236を点灯可能な構成となっている。
以下、本実施形態の停止スイッチ装置10について、
図3〜
図9を参照して説明する。
【0020】
[停止スイッチ装置]
これらの図に示すように、停止スイッチ装置10は、遊技者により押圧操作される複数の操作ボタン21(21a〜21c)と、これら操作ボタン21(21a〜21c)を押圧方向への移動可能に収容する押釦ホルダ23と、この押釦ホルダ23の奥側に配置される透光カラー板24と、押釦ホルダ23の内部に配置される反射部材25と、この反射部材25の内部から押釦ホルダ23の外部に亘って装着される凵の字状の接地用軸受26とにより構成された押釦スイッチユニット20(20a〜20c)を備え、さらに、
図4に示すように、前面カバー11、装飾プレート15、ケーシング12、制御ユニット30、蓋部材13などを備えて構成されている。
なお、操作ボタン21(21a〜21c)のように、同一の構造を有する構成部品が複数設けられるものについては、それぞれに異なる識別子(a,b,c)を付して別体の構成部品であることを明示するとともに、それら別体の構成部品に共通する機能や構造を説明する場合などには、その識別子を適宜省略する。
また、ここでは、停止スイッチ装置10を構成する各部品の構造について、先に説明し、その後に、本発明の特徴について説明する。
【0021】
操作ボタン21は、押圧操作を受け付け可能な可動部であって、
図6等に示すように、遊技者による押圧操作を直接受け付ける操作面211を有した円板状の操作受付部212と、この操作受付部212である円板状の一方の円形面(裏側面)の中央部分から直交外方に向かって突出形成された円柱形状(例えば、径の細い丸棒状)の軸部213とを有する、側方視での形状が略T字状の可動部材である。
【0022】
この操作ボタン21は、例えば、導電性の材料を用いて形成することができる。また、導電性の材料としては、例えば、鉄などの金属を選択することができる。
ここで、鉄で形成された操作ボタン21は、ある程度の自重を有しているので、この操作ボタン21を押圧操作したときに、この押圧に対向する応力が、操作した手に加わり、遊技者は、操作したという実感を受けることができる。
また、操作ボタン21の自重は、重力方向にかかるものであり、操作した手に対しては、操作ボタン21からの応力と、この操作ボタン21を背後から付勢するバネ22の復元力が加わるようになっている。ただし、これら応力や復元力は、それほど大きな力ではないため、遊技者がこの操作ボタン21を多数回操作した場合でも、その操作した手に疲労を感じることがほとんどないようになっている。
【0023】
押釦ホルダ23は、操作ボタン21をその押圧方向に移動可能に収容する収納部材であって、透明又は半透明の材料(例えば、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)など)を用いて形成されており、肉厚の円筒形状に形成されている。
この押釦ホルダ23に対しては、円筒形状の一方の開口である前面側開口232に操作ボタン21が挿入され、他方の開口である背面側開口234が形成されている背面233に円板状の透光カラー板24が重ね合わされる。
【0024】
透光カラー板24は、所定の色に着色された合成樹脂製で板状の着色部材であって、透明又は半透明の材料で形成されている。また、透光カラー板24は、外形が押釦ホルダ23の背面233の外形と同じ円形に形成されており、かつ、この透光カラー板24の円形の直径が押釦ホルダ23の背面233の直径とほぼ同じ長さとなっている。このため、この透光カラー板24の一方の円形面を押釦ホルダ23の背面233に接触するように、この透光カラー板24を押釦ホルダ23の背面233に重ね合わせると、この透光カラー板24の外周と押釦ホルダ23の背面233の外周が一致した状態で併設されるようになっている。
【0025】
また、透光カラー板24の円形面の中央には、一方の円形面から他方の円形面に向かって貫通した貫通孔241が形成されており、この貫通孔241に円筒形状の反射部材25が嵌入される。
反射部材25は、不透明の材料で形成された本発明の反射部であって、円筒形状に形成された本体部251を有し、この本体部251の一方の開口側の周縁には、外方に向かって突出した凸部252が形成されている。この反射部材25を透光カラー板24の貫通孔241に嵌入する場合は、この反射部材25のうち凸部252が形成されていない方の開口側を透光カラー板24の貫通孔241に挿入し、当該反射部材25の本体部251を透光カラー板24の貫通孔241に挿通させ、反射部材25の凸部252が透光カラー板24の貫通孔241の周囲の縁部に係止することによって、当該反射部材25がその貫通孔241の内部で位置決めされた状態で嵌入される。
【0026】
透光カラー板24の貫通孔241に嵌入された反射部材25に対しては、円筒形状の軸受部261を有する軸受部材である接地用軸受26の当該軸受部261が、その反射部材25である円筒形状の中空内部に嵌入される。
接地用軸受26は、円筒形状に形成された軸受部261の外周の直径が、反射部材25である円筒形状の内径とほぼ同じ長さとなっている。このため、接地用軸受26の軸受部261は、反射部材25の円筒形状の中空内部に嵌入可能となっている。
【0027】
また、接地用軸受26の軸受部261の一方の開口側の周縁には、外方に向かって突出したL字状の被係止部262が形成されており、押釦ホルダ23の背面233に突設された鉤状の係止部235に係止する。具体的に、押釦ホルダ23の背面233には、先端鉤状の係止部235が突設されており、この押釦ホルダ23の背面233に透光カラー板24を重ね合わせると、押釦ホルダ23の係止部235がその透光カラー板24の貫通孔241に挿通されて、この透光カラー板24の背面から露出する。この透光カラー板24の貫通孔241に反射部材25を嵌入し、この反射部材25の円筒形状内部に接地用軸受26の軸受部261を嵌入したときに、この接地用軸受26の被係止部262が、透光カラー板24の貫通孔241から露出した鉤状の係止部235に係止する。これにより、当該接地用軸受26の軸受部261が反射部材25の円筒形状の内部に嵌入された状態で固定されるようになっている(
図5(ii)参照)。
【0028】
さらに、このようにして透光カラー板24と反射部材25と接地用軸受26が取り付けられた押釦ホルダ23の前面側開口232に対しては、操作ボタン21が、軸部213から挿入され、この軸部213が、押釦ホルダ23の中空内部に位置する接地用軸受26の軸受部261の円筒形状中空部に摺動可能に挿入される。そして、その軸部213の端部が、接地用軸受26の軸受部261の他方の開口から外方に露出するとともに、この操作ボタン21の操作受付部212が、押釦ホルダ23の前面側開口232を閉塞するところまで挿入される。
【0029】
また、押釦ホルダ23の前面側開口232に対して操作ボタン21を挿入する際、この操作ボタン21の軸部213の周囲には、付勢部材であるコイル状のバネ22が挿入される。バネ22は、一方の端面が、押釦ホルダ23の背面233側の開口234を塞いでいる透光カラー板24に当接し、他方の端面が、操作ボタン21の操作受付部212の背面に当接する。これにより、操作ボタン21は、押釦ホルダ23の内部で、押圧操作された方向に移動する際、バネ22により操作方向とは反対の方向に付勢される。このため、操作ボタン21を操作方向に押していた力を解除すると、バネ22による付勢により、操作ボタン21は、押圧操作が行われる前の位置まで押し戻される。
【0030】
さらに、操作ボタン21の軸部213は、この先端が、接地用軸受26の軸受部261の他方の開口から露出しているが、この軸部213の周面における先端の近傍には、周方向に溝部214が形成されており、この溝部214には、例えばE型の止め輪27が圧入される。
操作ボタン21が押圧操作されたとき、止め輪27は、接地用軸受26の軸受部261の他方の開口から離間する。一方、操作ボタン21の押圧操作が解除されたとき、止め輪27は、接地用軸受26の軸受部261の他方の開口の周囲の面に当接する。これにより、操作ボタン21は、押圧されていない状態においては、バネ22による付勢により押圧方向とは反対の方向に付勢されつつ、止め輪27が接地用軸受26の軸受部261の他方の開口の周囲の面に当接することで、押釦ホルダ23及び接地用軸受26から脱抜不能となっている。
【0031】
また、このように操作ボタン21を押圧操作したときには、この操作ボタン21の軸部213が接地用軸受26の軸受部261の中空内部で摺動する。接地用軸受26は、POM(ポリオキシメチレン)などの合成樹脂で形成されているので、操作ボタン21の軸部213が摺動するときの摩擦抵抗が、非常に小さいものとなっている。このため、操作ボタン21を操作したときの往復動作をスムースに行うことができ、これにより操作性を向上させることができる。
しかも、接地用軸受26は、POMなどの導電性の樹脂材を用いて形成されていることから、操作ボタン21の軸部213と当該接地用軸受26の軸受部261との嵌合精度が高くなっている。これにより、この嵌合部分におけるガタツキがなくなり、操作ボタン21を押圧したときの操作性がスムースになり、遊技者が長時間遊技を行った場合でも、操作している手に疲労がたまりにくいようになっている。
【0032】
このような構造により、操作ボタン21とバネ22と押釦ホルダ23と透光カラー板24と反射部材25と接地用軸受26と止め輪27は、これらが一体化するように互いに組み合わされてユニット化され、一つの押釦スイッチユニット20として構成される(
図5(i)、(ii)参照)。
そして、この押釦スイッチユニット20は、停止スイッチ装置10のケース部材であるケーシング12に形成された凹部121に収納される。
【0033】
ケーシング12は、
図4、
図8に示すように、中空直方体状の箱型部材であって、その前面122には、押釦スイッチユニット20の外形(押釦ホルダ23に透光カラー板24、反射部材25、接地用軸受26等が組み込まれたときの押釦ユニットスイッチ20の外形)と略同じ形状で凹設された凹部121が、押釦スイッチユニット20の数と同数(本実施形態においては、三つ)形成されている。
【0034】
また、ケーシング12の前面122には、当該ケーシング12の内部に向かって凹設された有底穴1221が一又は二以上形成されている。この有底穴1221には、板状の前面カバー11の裏面に突設されたガイドボス112が挿入される。
さらに、ケーシング12の凹部121に押釦スイッチユニット20を嵌合し、薄板状で所定の文字や絵柄等が施された装飾プレート15をそのケーシング12の前面122に重ね合わせた状態で、前面カバー11のガイドボス112をケーシング12の有底穴1221に挿入すると、その前面カバー11に形成された円形の貫通孔である開口111に、操作ボタン21の操作受付部212の操作面211と、この操作面211及び操作受付部212の周囲に位置する押釦ホルダ23の環状の点灯部236が嵌合されて、これらが当該停止スイッチ装置10の前方に向かって当該開口111から露出した状態となる(
図3参照)。
【0035】
ケーシング12の背面123には、この背面123の略全体に開口124が形成されており、この開口124を覆うように、この開口124の外形又は背面123の外形と略同じ形状に形成された板状の蓋部材13が取り付けられる。
蓋部材13には、操作ボタン21が操作されたことを検知するためのセンサ31などを内包した制御ユニット30が取り付けられる。
【0036】
制御ユニット30は、操作ボタン21が押圧操作されたことを検知する機能と、押釦ホルダ23の点灯部236を照明する機能と、を実行する電子部品の集合ユニットであって、
図9に示すように、赤外線などの所定の波長の光を検知光として放射する赤外線LEDなどの投光素子311と、その検知光を受光するフォトトランジスタなどの受光素子312と、可視光を放射するLEDなどの発光素子32と、これら投光素子311と受光素子312と発光素子32が実装された基板33と、これら投光素子311と受光素子312と発光素子32と基板33とが収納される収納部材としてのユニットケース35と、ユニットケース35の裏面356の開口を閉塞する蓋部36とを有している。
【0037】
ユニットケース35は、裏面356に開口を有する中空厚板状の基部351と、この基部351の上面352から立設されるとともに上面を有する矩形で筒状の矩形筒状部353と、同じく基部351の上面352から立設されるとともに上面部355が開口した円筒形状の円筒部354とを有して形成されている。
矩形筒状部353は、基部351の上面352からは二つ立設されており、一方には投光素子311が収納され、他方には、受光素子312が収納される。また、これら矩形筒状部353のそれぞれの筒状中空内部は、基部351の中空と連通している。
円筒部354は、基部351の上面352からは複数(本実施形態においては、四つ)立設されており、これら複数の円筒部354のそれぞれの中空内部は、基部351の中空と連通している。また、円筒部354は、基板33上に配置された発光素子32の配置位置に対応した位置に形成されており、発光素子32から放射された光が、円筒部354の中空内部を伝播するようになっている。
【0038】
このような形状を有するユニットケース35に対しては、投光素子311と受光素子312と発光素子32と基板33が、次の手順で収納される。
投光素子311と受光素子312と発光素子32が実装された基板33のその実装面331がユニットケース35の裏面356の開口に対向するような向きで、これらユニットケース35と当該基板33とを配置し、その裏面356の開口に対して当該基板33を挿入する。この挿入に際しては、その基板33に実装された投光素子311を一の矩形筒状部353に収納し、受光素子312を他の一の矩形筒状部353に収納し、複数の発光素子32を複数の円筒部354のそれぞれに対応させながら、基板33を基部351の内部に収納する。そして、その収納の完了後、ユニットケース35の裏面356の開口に蓋部36を嵌合して当該開口を閉塞する。これにより、投光素子311と受光素子312と発光素子32と基板33がユニットケース35に収納されるとともに、それら投光素子311等がユニットケース35及び蓋部36により完全に覆い隠された状態となり、これらが一つのユニットとして構成される。
【0039】
制御ユニット30において、投光素子311、受光素子312、発光素子32は、それぞれ次のように動作する。
一の矩形筒状部353に収納された投光素子311から放射された検知光が、他の一の矩形筒状部353に収納された受光素子312で受光されると、受光素子312は、検知光を受光していることを示す検知信号を主制御部6へ出力する。主制御部6は、入力した検知信号にもとづいて、操作ボタン21が操作されていないものと判断する。
また、投光素子311が収納された一の矩形筒状部353と受光素子312が収納された他の一の矩形筒状部353との間に操作ボタン21の軸部213が遮光片として進入して投光素子311から放射された検知光の伝播経路(光軸)が遮光されると、受光素子312がその検知光を受光しなくなり、受光素子312は、検知光を受光していないことを示す検知信号を主制御部6へ出力する。主制御部6は、入力した検知信号にもとづいて、操作ボタン21が操作されたものと判断する。(又は、検知光を受光していない受光素子312からは検知信号が出力されなくなり、主制御部6は、受光素子312から検知信号が送られてこないことをもって、操作ボタン21が操作されたものと判断する。)
【0040】
さらに、発光素子32から放射された照明光は、対応する円筒部354の中空内部を伝播し、この円筒部354の上面部355の開口に嵌合された透明又は半透明の蓋部材37から外方へ向かってその伝播方向に放出され、押釦ホルダ23の点灯部236や装飾プレート15をその背面から照明可能な方向へ伝播する。
なお、押釦ホルダ23の点灯部236に光を照射して点灯させるための発光素子32を第一発光素子321とし、装飾プレート15に光を照射してその一部を点灯させるための発光素子32を第二発光素子322とする。
また、発光素子32は、可視光を外部に向かって放射する電子素子であるが、本実施形態においては、発光素子32としてLEDを用いることとする。
LEDには、その外観形状として砲弾型とチップ型があるが、停止スイッチ装置10に用いるLEDとしては、いずれのタイプを用いることもできる。ただし、
図9〜
図11においては、チップ型のLEDを発光素子32として使用した場合の制御ユニット30又は停止スイッチ装置10の構成を図示している。
【0041】
これら、投光素子311と受光素子312と第一発光素子321は、基板33において、次のように配置されている。
この基板33において投光素子311等が実装されている面である実装面331を直交上方から見た場合、対向配置された投光素子311と受光素子312との間の中間点を中心とする円周上に、複数の第一発光素子321が配置されている。具体的に、投光素子311から放射された光の伝播経路(光軸)よりも上方に第一発光素子321が二つ配置され、下方に第一発光素子321が一つ配置されている。
また、投光素子311と受光素子312との間の中間点と中心として第一発光素子321が配置される円の直径は、押釦ホルダ23の点灯部236の直径と同一又は近似した長さとなっている。
【0042】
さらに、投光素子311等が実装された基板33がユニットケース35に収納されると、このユニット化された制御ユニット30は、蓋部材13の内側面131に形成された取付凹部132に嵌合される。取付凹部132は、蓋部材13の内側面131において、制御ユニット30のユニットケース35の外周形状と略同じ形状で凹設された部分である。この取付凹部132に取り付けた制御ユニット30は、ユニットケース35の矩形筒状部353と円筒部354が、それぞれ蓋部材13の内側面131から直交方向に延伸した状態となる。
そして、このように制御ユニット30が取り付けられた蓋部材13をケーシング12の背面123の開口124に装着し、そのケーシング12の凹部121に押釦スイッチユニット20を収容すると、制御ユニット30の円筒部354(第一発光素子321に対応した円筒部354)の延伸方向前方に、押釦ホルダ23の点灯部236が位置するようになる。
このような構成においては、第一発光素子321から放射された光が、円筒部354の中空内部を伝播し、この円筒部354の延伸方向に向かって伝播して、蓋部材37を透過し、押釦ホルダ23の内部を透過して、この押釦ホルダ23の点灯部236を背後から照明可能な方向へ伝播する。
【0043】
なお、制御ユニット30においては、基板33の裏面332(投光素子311等が立設されている実装面331とは反対側の面)にコネクタ34が配設されている。
コネクタ34は、基板33の裏面332に装着された状態で、基板33を介して投光素子311と受光素子312と発光素子32のそれぞれに配線を通して接続されるとともに、外部からは、投光素子311に電流を流すための配線と、受光素子312から出力された検知信号を通すための配線と、発光素子32に電流を流して発光させるための配線が接続される。
このコネクタ34は、ユニットケース35に基板33が収納され、そのユニットケース35の裏面356の開口に蓋部36が閉塞されたとき、この蓋部36の中央に形成された開口361に挿通されて外部に露出するようになっている。
【0044】
また、この制御ユニット30が蓋部材13の内側面131に凹設された取付凹部132に取り付けられると、その制御ユニット30の蓋部36の開口361から外部に露出したコネクタ34が、蓋部材13の取付凹部132の凹状底部に穿設された挿通孔133に挿通される。この挿通孔133にコネクタ34を挿通しながら、当該制御ユニット30を取付凹部132に嵌合し、取付凹部132の側部に形成された鉤状部134を制御ユニット30のユニットケース35に係止することで、制御ユニット30を取付凹部132に固定することができる。
【0045】
さらに、蓋部材13の所定箇所には、ネジ141を挿通するための円形のネジ挿通孔135が一又は二以上穿設されており、ケーシング12の背面123の開口124を閉塞する位置に蓋部材13を装着した後、この蓋部材13のネジ挿通孔135にネジ141を挿入し、このネジ141をケーシング12の有底穴1221の底部に形成された孔に挿入し、さらに、この有底穴1221に嵌合された前面カバー11のガイドボス112に形成された雌ネジ(図示せず)に螺入することで、当該蓋部材13をケーシング12の背面123に螺着固定することができ、さらに、前面カバー11を、ケーシング12の前面122に螺着固定することができる。
【0046】
また、制御ユニット30が取り付けられた蓋部材13をケーシング12の背面123の開口124に装着し、このケーシング12の凹部121に押釦スイッチユニット20を収容すると、制御ユニット30内の第一発光素子321と押釦スイッチユニット20の押釦ホルダ23との間には、ケーシング12(凹部121の底部125)と透光カラー板24が位置するようになるが、ケーシング12の凹部121の底部125には、第一発光素子321から押釦ホルダ23に向かって光が伝播する経路と交差する部分に光通過用開口126が形成されているためにその光を通過させることができ、また、透光カラー板24は、透明又は半透明の材料で形成されているために、その光が透過可能となっている。よって、第一発光素子321から放射された光は、ケーシング12の光通過用開口126を通過し、透光カラー板24を透過して、押釦ホルダ23を照明することができる。
なお、第二発光素子322から放射された光は、ケーシング12の前面122に形成された凹部の底部に形成されている装飾点灯用開口1261(
図8参照)を通過して、装飾プレート15の所定箇所を照明することができる。
【0047】
さらに、ケーシング12の凹部121においては、その凹部121の底部125の中央部分に軸部用開口127が形成されており、その凹部121に嵌入された押釦スイッチユニット20の操作ボタン21が押圧操作されたときに、この操作ボタン21の軸部213がその軸部用開口127を通るようになっている。また、その操作ボタン21の操作を検知するためのセンサ31は、基板33に実装され、ユニットケース35に収納された状態で、凹部121の底部125を介して、押釦スイッチユニット20の透光カラー板24と対向配置される。これにより、この透光カラー板24の中央から突出した操作ボタン21の軸部213の端部は、当該操作ボタン21が押圧操作されたときに、ケーシング12の凹部121の軸部用開口127を通って、センサ31における投光素子311と受光素子312との間に進入することができる。
【0048】
ここまで、本実施形態の停止スイッチ装置10の構成について説明したが、以上のような構成を備えた停止スイッチ装置10は、次に挙げる特徴を備えている。
(1)押釦ホルダ23における溝部238の形成と反射部材25の配置
(2)反射部材25の表面での乱反射により押釦ホルダ23の点灯部236を全体的に一様に発光させる
(3)透光カラー板24による特定色の点灯
(4)不正行為防止対策
(5)組み立て容易
これらの特徴について、以下順に説明する。
【0049】
(1)押釦ホルダ23における溝部238の形成と反射部材25の配置
本実施形態の停止スイッチ装置10においては、
図7、
図10等に示すように、円筒形状である押釦ホルダ23の外周面237において、その周方向に沿ってV字状に溝部238が凹設されている。また、
図10に示すように、操作ボタン21の軸部213の周囲には、円筒形状の反射部材25が配置されている。
このような構成とすることにより、第一発光素子321から放射された光が直線的に伝播して押釦ホルダ23の点灯部236に直接到達するのではなく、その光が、押釦ホルダ23の溝部238にて反射し、反射部材25の表面で反射し、このように光の伝播経路を変えた後に、この光を押釦ホルダ23の点灯部236に到達させるようにしている。これにより、その押釦ホルダ23を前方から見た場合に、点灯部236を通して第一発光素子321を視認不能としつつ、その点灯部236を点灯可能な構造となっている。
このような構造を実現するための主要な構成である押釦ホルダ23の溝部238と反射部材25の構造について、さらに詳細に説明する。
【0050】
溝部238は、押釦ホルダ23の外周面237から、当該押釦ホルダ23の内部に向かう方向に、V字状に凹設された部分である。
また、溝部238は、この溝部238が形成された押釦ホルダ23において、背面側開口234の周囲に位置する入射部2331と、前面側開口232の周囲に位置する点灯部236との間に形成されている。別言すれば、この溝部238が形成されていない押釦ホルダ23を想定した場合において、第一発光素子321から放射された光が入射部2331で入射し、当該押釦ホルダ23の内部を伝播して点灯部236に到達するときの、当該光の伝播経路上に、その溝部238が形成されている。
【0051】
さらに、溝部238の深さ(押釦ホルダ23の外周面237から溝部238の深奥部までの深さ)は、押釦ホルダ23の点灯部236の幅(環状である点灯部236の外周と内周との間隔)よりも長くなっている。すなわち、押釦ホルダ23を点灯部236の有する前面231側から見たときに、当該押釦ホルダ23の外周面237の径は、環状である点灯部236の外周の径とほぼ同じか、あるいはこれよりも長くなっており、溝部238の深奥部の径は、点灯部236の内周の径とほぼ同じか、あるいはこれよりも短くなっている。換言すれば、当該押釦ホルダ23を前面231側から見たときに、当該押釦ホルダ23の外周面237が点灯部236の外周とほぼ同じ位置にあるか、あるいはこれよりも外側に位置しており、溝部238の深奥部が点灯部236の内周とほぼ同じ位置にあるか、あるいはこれよりも内側に位置している。
このため、当該押釦ホルダ23を前面231側から見たときに、点灯部236の全体が溝部238と重なった状態となっている。
【0052】
このような形状の溝部238が形成された押釦ホルダ23は、押釦スイッチユニット20の一部品として組み込まれ、ケーシング12の凹部121に収納され、このケーシング12の背面123側に配置された制御ユニット30の第一発光素子321から放射された光によって、照明されるようになっている。
【0053】
このときの光の伝播経路は、
図10に示すような経路を辿る。
すなわち、第一発光素子321から放射された光は、ユニットケース35の円筒部354の中空内部を伝播し、その円筒部354の上面部355に嵌合された蓋部材37を透過し、ケーシング12の光通過用開口126を通過し、透光カラー板24を透過して、押釦ホルダ23における背面側開口234の周囲に位置する部分(押釦ホルダ23の背面233における背面側開口234以外の部分)である入射部2331に入射する。
この入射部2331に入射した光は、押釦ホルダ23の内部を伝播し、溝部238の一方の斜面(押釦ホルダ23の背面233側に位置する斜面である、本発明の第一反射部を構成する第一傾斜面2381)に達すると、この第一傾斜面2381で反射して、当該押釦ホルダ23の内側面239に向かって伝播する。そして、この光は、内側面239を界面として屈折し、この内側面239と反射部材25との間の空間内で、反射部材25の表面に向かって伝播する。
【0054】
反射部材25は、本発明の第二反射部を構成する部材であって、不透明の材料で形成されるとともに、反射効率が高い色、例えば、白色の材料で形成されている。これにより、反射部材25は、表面に入射した光のほとんどを反射する。
押釦ホルダ23の内側面239を界面として屈折し、この押釦ホルダ23の内側面239と反射部材25との間の空間を伝播した光は、反射部材25の表面で反射すると、押釦ホルダ23の内側面239に到達する。そして、この光は、内側面239を界面として屈折して押釦ホルダ23の内部を伝播し、溝部238の他方の斜面(押釦ホルダ23の前面231側に位置する斜面である、本発明の第三反射部を構成する第二傾斜面2382)に達すると、この第二斜面面2382で反射して点灯部236に到達し、この点灯部236を照明し、この点灯部236を点灯させる。
このように、反射部材25で反射した光は、間接的に(又は反射した方向によっては直接的に)押釦ホルダ23の点灯部236に到達することから、反射部材25は、入射した光を押釦ホルダ23の点灯部236に到達可能な方向へ反射する部材となっている。
【0055】
そして、このように、第一発光素子321から放射された光は、点灯部236に向かって直線的に伝播してこの点灯部236を照明するのではなく、溝部238の第一傾斜面2381で反射し、内側面239を界面として屈折し、反射部材25で反射し、内側面239を界面として屈折し、溝部238の第二傾斜面2382で反射した後に、点灯部236を照明する。
つまり、第一発光素子321から放射された光が点灯部236に到達するまでの伝播経路は、直線ではなく、反射や屈折によって伝播方向が変化した経路を辿る。このことから、点灯部236をその前方から視認したときに、第一発光素子321から放射された光が、その視認している目に直接到達しないことから、この視認によって第一発光素子321が直接見えないようになっている。
【0056】
このように点灯部236を通して第一発光素子321が視認不能となっている原理について、さらに説明する。人間は、視覚的に物体を認識する場合には、その物体の表面で反射した光を自身の目に入射し、その物体の像を目の中の網膜上に結像することによって、その物体を視覚的に認識できるようになっている。本実施形態の停止スイッチ装置10においては、第一発光素子321から放射された光の伝播経路上に溝部238が形成されているために、その第一発光素子321から放射された光が直接人間の目に到達しない。また、第一発光素子321が点灯していない場合でも、この第一発光素子321で反射した光が直接人間の目に到達しない。このため、人間は、点灯部236を見たときに、この点灯部236を通して第一発光素子321を見ることができないようになっている。
しかも、押釦ホルダ23を前面231側から見たときに、点灯部236の全体が溝部238と重なっているため、第一発光素子321から放射された光又は第一発光素子321で反射した光のうち、点灯部236に到達しようとする光のすべてが溝部238で反射するので、その点灯部236を通して第一発光素子321が見えないようになっている。これにより、停止スイッチ装置10の装飾的美観を維持できる。
【0057】
また、押釦ホルダ23の溝部238で反射した光は、内側面239を界面として屈折した後に、反射部材25に到達するが、反射部材25の表面では、当該光が乱反射して拡散する。
この反射部材25の表面で光が乱反射する理由は、第一に、この反射部材25の表面が、鏡面加工されておらず、人が見てもわからない程度の細かな凹凸がその表面にランダムに形成されていることと、第二に、この反射部材25が円筒形状であるために、この反射部材25の表面形状が曲面であることが挙げられる。
これらを理由として、反射部材25の表面では、光が乱反射する。そして、このように反射部材25の表面で反射した光は、押釦ホルダ23の内側面239に入射し、溝部238の第二傾斜面2382で反射するが、点灯部236に対しては、様々な角度で照射するので、この点灯部236を一様に発光させることができ、この点灯部236における明るさのムラを抑制できる。
【0058】
なお、
図10に示す押釦スイッチユニット20の断面図においては、第一発光素子321から放射された光の伝播経路が一本のみ図示されているが、実際の光の伝播経路は、図示した経路に特定されない。例えば、第一発光素子321からは、放射状に光が放射されるので、押釦ホルダ23の溝部238の第一傾斜面2381では、この第一傾斜面2381の全体において、その放射光が反射される。また、反射部材25の表面では、入射した光が乱反射して拡散するので、この拡散した光は、押釦ホルダ23の内側面239のほぼ全体に入射する。そして、このように内側面239に入射した光のうち、溝部238の第二傾斜面2382に到達した光が、この第二傾斜面2382で反射して、点灯部236に到達し、この点灯部236を一様に発光させる。
【0059】
反射部材25は、入射した光を反射可能な材料を用いて形成することができる。
入射した光を反射可能な材料としては、所定の合成樹脂であって、反射率の高いものを挙げることができる。合成樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリブテン−1(PB−1)、ブタジエン樹脂(BDR)、エチレン・テトラシクロドデセン・コポリマー(E/TD)、ポリスチレン(PS)、AS樹脂(アクリロニトリル・スチレン樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、フッ素樹脂(FR)、ポリメタクリルスチレン(MS)、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアリルサルホン(PASF)、ポリアリレート(PAR)、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル(HBP)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエステルカーボネート(PPC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ酢酸ビニル(酢酸ビニル樹脂)、フェノール樹脂(フェノール・ホルムアルデヒド樹脂)、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステルなどを挙げることができる。
また、反射部材25は、光を反射可能な色で形成することができる。光を反射可能な色としては、白色又はこれに近い色を挙げることができる。
【0060】
なお、
図10においては、操作ボタン21の軸部213の周囲に反射部材25を設ける構成としているが、この反射部材25を設ける構成に代えて、例えば、
図11に示すように、接地用軸受26の軸受部261の表面に、入射した光を反射する機能を有した塗料などのコーティング部28を反射部として塗布する構成とすることができる。
この構成によれば、押釦ホルダ23の内側面239を界面として屈折した光が、コーティング部28で反射して押釦ホルダ23の内側面239に到達し、この内側面239を界面として屈折し、溝部238の第二傾斜面2382で反射した後に、点灯部236を照明するようになる。つまり、コーティング部28は、反射部材25と同様、入射した光を押釦ホルダ23の点灯部236に到達可能な方向へ反射することができる。
そして、この場合でも、第一発光素子321から放射された光が、反射や屈折によって伝播方向を変えながら点灯部236に到達するので、この点灯部236をその前方から見たときに、第一発光素子321が見えないようになっている。
【0061】
このコーティング部28は、例えば、入射した光を反射可能な材料で形成することができる。具体的には、例えば、特開2012−092289に開示されている「水性塗料組成物」、特開2008−266652に開示されている「高反射性塗料と塗装金属板」などを用いることができる。
また、コーティング部28は、光を反射可能な色で形成することができる。光を反射可能な色としては、白色又はこれに近い色を挙げることができる。
【0062】
このように、反射部材25に代えてコーティング部28を設けることにより、反射部材25を省略できるとともに、接地用軸受26の軸受部261に光反射機能を持たせることができる。
なお、接地用軸受26は、その材料として導電性材料であるPOMを使用することを想定している。そして、このPOMは、一般に黒色の材料であるため、反射率が低いものとなっている。ただし、上述したコーティング部28を接地用軸受26の軸受部261の表面に設けることにより、接地用軸受26の軸受部261に光反射機能を持たせることができる。
【0063】
さらに、溝部238は、
図7等においては、第一傾斜面2381と第二傾斜面2382とのなす角が約90°となっているが、この角度は、90°に限るものではなく、発光素子32の配置位置や押釦ホルダ23の厚み、点灯部236の幅等の種々の要件に応じて適宜変更可能である。
しかも、
図7等においては、第一傾斜面2381の傾斜方向の長さと第二傾斜面2382の傾斜方向の長さがいずれも同じ長さとなっているが、これらの長さは、同じ長さとすることに限るものではなく、上述した種々の要件に応じて適宜変更可能である。
【0064】
溝部238として形成可能な形状の例を、
図12(i)〜(vi)に示す。
図12(i)は、第一発光素子321から放射されて溝部238の第一傾斜面2381に入射する光の入射方向c1と、第一傾斜面2381の法線方向n1とのなす角度である入射角θ1が、45°よりも大きくなるように、第一傾斜面2381の角度を設定したものである。
第一発光素子321から放射された光は、押釦ホルダ23の入射部2331で入射すると、溝部238の第一傾斜面2381で反射するが、この第一傾斜面2381における入射角θ1が小さいときは、第一発光素子321から放射された光の一部が反射部材25に到達しなくなり、点灯部236に達する光量が減少するので、この点灯部236を明るく点灯させることができなくなる。
そこで、第一傾斜面2381における入射角θ1が大きくなるように、第一傾斜面2381の角度を設定する。これにより、第一発光素子321から放射された光の多くを反射部材25に到達させることができ、点灯部236を明るく点灯させることができる。
【0065】
図12(ii)は、反射部材25で反射した後に溝部238の第二傾斜面2382に入射する光の入射方向c2と、第二傾斜面2382の法線方向n2とのなす角度である入射角θ2が、45°よりも大きくなるように、第二傾斜面2382の角度を設定したものである。
反射部材25で反射した光は、押釦ホルダ23の内側面239で屈折して押釦ホルダ23内を伝播すると、溝部238の第二傾斜面2382で反射するが、この第二傾斜面2382における入射角θ2が小さいときは、この第二傾斜面2382で反射した光の一部が点灯部236に到達しなくなり、この点灯部236に達する光量が減少するので、この点灯部236を明るく点灯させることができなくなる。
そこで、第二傾斜面2382における入射角θ2が大きくなるように、第二傾斜面2382の角度を設定することにより、この第二傾斜面2382で反射した光の多くを点灯部236に到達させることができ、この点灯部236を明るく点灯させることができる。
【0066】
図12(iii)は、第一傾斜面2381における入射角θ1が大きくなるように第一傾斜面2381の角度を設定するとともに、第二傾斜面2382における入射角θ2が大きくなるように第二傾斜面2382の角度を設定したものである。
これにより、点灯部236に達する光量を増加させることができるので、この点灯部236を明るく点灯させることができる。
【0067】
図12(iv)は、第一傾斜面2381における入射角θ1が大きくなるように第一傾斜面2381の角度を設定するとともに、第二傾斜面2382を省略したものである。
反射部材25の表面は、入射した光を乱反射させる。乱反射した光は、押釦ホルダ23の構造上、第二傾斜面2382に到達することなく、直接点灯部236に到達するものもあれば、押釦ホルダ23の外周面237(第二傾斜面2382と点灯部236との間の外周面237)で反射して点灯部236に到達するものもある。
このような状況から、第二傾斜面2382は、反射部材25の表面で乱反射した光の一部のみを反射して点灯部236に到達させるものとなっている。
そこで、溝部238の構造として、第一傾斜面2381のみを設けて第二傾斜面2382を省略する構造とする。この場合でも、反射部材25の表面で乱反射した光を点灯部236に到達させて、この点灯部236を明るく点灯させることができる。
ただし、第二傾斜面2382は、反射部材25の表面で乱反射した光を点灯部236に対して効率的に到達させるための傾斜面であるので、溝部238の構造として、第二傾斜面2382を設ける構造とすることが望ましい。
【0068】
図12(v)は、溝部238又は第二傾斜面2382を複数設けたものである。
このような形状の場合でも、点灯部236に達する光量を増加させることができるので、この点灯部236を明るく点灯させることができる。
なお、
図12(v)においては、V字状の溝部が複数形成されているために、傾斜面も複数(同図においては、四つ)形成されているが、同図における一番下の傾斜面のみ(複数の傾斜面のうち押釦ホルダ23の背面233に最も近いところに位置する傾斜面のみ)を第一傾斜面2381とし、他の傾斜面を第二傾斜面2382としている。これは、第一発光素子321から放射された光が反射するのが、一番下の傾斜面のみであり、他の傾斜面では、反射部材25の表面で乱反射した光を反射するからである。
【0069】
図12(vi)は、溝部238の断面形状を、V字状ではなく、台形としたものである。つまり、溝部238において、第一傾斜面2381と第二傾斜面2382との間を離間させた形状とすることができる。
このような形状の場合でも、第一発光素子321で放射された光を反射又は屈折させて点灯部236に到達させることができるので、押釦ホルダ23を前方から視認したときに、点灯部236を通して第一発光素子321が視認できないようになる。また、点灯部236に達する光量を増加させることができるので、この点灯部236を明るく点灯させることができる。
【0070】
また、
図7や
図12等に示す押釦ホルダ23においては、溝部238が溝状に形成されており、第一傾斜面2381と第二傾斜面2382との間が空間となっている。
この場合、第一傾斜面2381においては、第一発光素子321から放射された光のすべてが反射するのではなく、その空間内を伝播する光も存在する。また、第二傾斜面2382においては、反射部材25又はコーティング部28で反射して押釦ホルダ23の内側面239で入射した光のすべてが反射するのではなく、その空間内を伝播する光も存在する。
そこで、その空間を伝播する光を減少させて、第一傾斜面2381と第二傾斜面2382における反射効率を高めるために、
図13に示すように、その空間に充填部材2383を設ける構成とすることができる。
充填部材2383は、例えば、表面の反射率が高い材料を用いることができる。また、不透明の材料や白色の材料を充填部材2383として用いることもできる。これにより、第一傾斜面2381と第二傾斜面2382との間の空間における光の伝播がなくなるので、この溝部238における反射効率を高めることができる。
【0071】
(2)反射部材25の表面での乱反射により押釦ホルダ23の点灯部236を全体的に一様に発光させる
「(1)押釦ホルダ23における溝部238の形成と反射部材25の配置」でも説明したように、本実施形態の停止スイッチ装置10においては、第一発光素子321から放射された光が溝部238で反射するときや反射部材25で反射するときに拡散することから、点灯部236を一様に発光させることができる。
この効果は、特許文献1との相違として挙げることができる。
特許文献1に記載のスイッチ装置では、発光素子として砲弾型のLEDを使用しており、その砲弾型の頂部の法線方向が、押釦ホルダの点灯部に向く方向ではなく、操作ボタンの軸部に向く方向となっている。このため、このスイッチ装置では、押釦ホルダの点灯部をその前方から見たときに、砲弾型のLEDの側面が見える状態となっている。そうすると、押釦ホルダの点灯部をその前方から見たときに、砲弾型の頂部付近では、光が放射されるために、点灯部の当該部分が明るく発光するが、砲弾型の末端部付近では、光が放射されないために、点灯部の当該部分が暗くなる。これにより、点灯部では、明るさにムラができてしまう。
【0072】
これに対し、本発明の停止スイッチ装置10では、発光素子32としてチップ型のLEDを使用することを想定しており、このチップ型のLEDの光放射面の直交方向が、押釦ホルダ23の点灯部236に向く方向となっている。
そして、第一発光素子321から放射された光は、溝部238で反射するときや反射部材25で反射するときに拡散することから、点灯部236を一様に発光させることができ、明るさのムラを抑制できる。
【0073】
(3)透光カラー板24による特定色の点灯
本実施形態の停止スイッチ装置10においては、操作ボタン21の周囲に位置する押釦ホルダ23の点灯部236を特定の色で発光させるために、第一発光素子321から放射された光の伝播経路上に、その特定の色で着色された透光カラー板24を配置する構成とした。
【0074】
第一発光素子321から放射された光は、
図10に示す伝播経路を辿る。すなわち、第一発光素子321から放射された光は、ユニットケース35の円筒部354の中空内部を伝播し、ケーシング12の光通過用開口126を通過し、透光カラー板24を透過して、押釦ホルダ23の入射部2331に入射する。
このように、第一発光素子321から放射された光は、透光カラー板24を透過することから、押釦ホルダ23の点灯部236をその透光カラー板24の色で発光させることができ、カラー光による発光演出が可能となる。
【0075】
また、その色は、透光カラー板24の色で決めることができるので、光を放射する第一発光素子321自体は、安価な白色LEDを用いることができる。これにより、第一発光素子321として高価なカラーLEDを用いる必要がないので、コスト高を抑えることができる。
なお、透光カラー板24の色は、赤色、青色、黄色など、発色演出の効果を想定して、任意に決めることができる。
また、透光カラー板24の色は、一色のみとすることができ、あるいは、複数色とすることもできる。複数色とする場合は、円板状の透光カラー板24を角度ごとに色分けすることができる。
さらに、透光カラー板24は、独立した部材であるため、この透光カラー板24を入れ替えることにより、押釦ホルダ23の点灯部236の発光色を、所望の色に自由に変えることができる。
【0076】
(4)不正行為防止対策
本実施形態の停止スイッチ装置10は、スロットマシン1に取り付けられる装置であるが、このスロットマシン1に対しては、メダルなどの遊技媒体を不正に払い出させる不正行為が発生することがある。
その中で、停止スイッチ装置10を対象とした不正行為には、次のようなものがある。例えば、静電気を発生可能な小型の器具、具体的には電子ライターなどを操作ボタン21の方に向けて静電気を発生させて電圧を印加し、停止スイッチ装置10の内部に配置された基板33に大きな放電電流を流し、さらに、この基板33に接続されたハーネスを通じて主制御基板や副制御基板に放電電流を流して、それら主制御基板等の誤動作を誘発して、遊技媒体であるメダルを不正に払い出させるという不正行為がある。ここで、主制御基板等の誤動作には、例えば、現在の遊技状態が出玉率の変動する遊技状態ではないにもかかわらず通常よりも出玉率が高いものとして制御プログラムを動作させるものや、クレジットが満タンではないにもかかわらず満タンであるものと誤認識させるものなどがあり、いずれの場合もメダルが不正に払い出されて遊技ホールの損失につながることから、遊技場業界における大きな問題となっていた。
【0077】
そこで、本実施形態の停止スイッチ装置10においては、そのような静電気を用いた不正行為に対応した構成を備えている。その具体的な構成として、次の二つが挙げられる。
(4−1)押釦スイッチユニット20の接地
(4−2)発光素子32とセンサ31のユニット化
これらの構成について、順に説明する。
【0078】
(4−1)押釦スイッチユニット20の接地
本実施形態の停止スイッチ装置10においては、押釦スイッチユニット20の接地用軸受26において、軸受部261の側面端部から外方にL字状(軸受部261の側面端部から直交外方に延伸するとともに、この延伸端部から直交方向に延伸したL字形状)の外接部263が突設されている。そして、この外接部263を有する接地用軸受26を押釦スイッチユニット20に組み込み、この押釦スイッチユニット20をケーシング12の凹部121に収容すると、ケーシング12の凹部121と上面(側部128)との間に形成された切欠部129から外接部263が露出し、スロットマシン1の前扉1aに接触して接地される。これにより、操作ボタン21の近傍で発生した静電気による放電電流がケーシング12の内部に設けられた基板33に流れて当該基板33が破壊するなどの被害を防止できる。
【0079】
この構成及び効果について、さらに詳述する。
押釦スイッチユニット20の接地用軸受26は、導電性の樹脂(例えば、ポリオキシメチレン(POM))を材料として形成されている。
押釦スイッチユニット20の組み立てに際し、押釦ホルダ23の背面233に透光カラー板24を重ね合わせ、この透光カラー板24の貫通孔241に反射部材25を嵌入し、この反射部材25の中空内部に接地用軸受26の軸受部261を嵌入すると、この接地用軸受26の外接部263が、押釦ホルダ23の外周面237の外方に位置するようになる(
図5(i)、(ii)参照)。
そして、これら接地用軸受26等で構成される押釦スイッチユニット20をケーシング12の凹部121に嵌入すると、その接地用軸受26の外接部263は、操作ボタン21が押圧操作される方向に対して直交方向(
図3、
図4、
図10等においては、上方向)に向かって突設された状態となり、凹部121の内面から当該ケーシング12の側部128に亘って切り欠き形成されている外接部係合部である切欠部129に嵌合する。このとき、外接部263の一部は、その切欠部129から外方に突き出した状態となる。
【0080】
さらに、この停止スイッチ装置10を遊技機1の前扉1aに取り付けると、その接地用軸受26の外接部263が前扉1aに接触する。具体的には、次のような構造となる。
前扉1aの中央部分には矩形の開口部(図示せず)が形成されており、この開口部に対して、停止スイッチ装置10が嵌合される。このとき、停止スイッチ装置10は、前扉1aの前面側からその開口部に向かって嵌合されるとともに、ケーシング12の背面123とその開口部とを対向配置した後、この向きでその開口部に嵌合される。そして、前扉1aの裏面側にそのケーシング12が露出すると、前面カバー11の端部に形成されたボス113の雌ねじに対し、ネジ(図示せず)などの螺着部材を、その前扉1aの開口部の周囲の縁部を介して螺入することで、この停止スイッチ装置10が前扉1aに螺着固定される。
このような手順で前扉1aの開口部に停止スイッチ装置10が嵌合されるが、その前扉1aの開口部の周囲の縁部には、金属メッキが施されており、停止スイッチ装置10のケーシング12の上面から露出した接地用軸受26の外接部263が、その金属メッキに接触する。その金属メッキは、スロットマシン1の前扉1a又は筐体1bに設けられたアース線に接続されており、これにより、接地されている。このため、その金属メッキに外接部263が接触することで、この外接部263が形成されている接地用軸受26の全体が接地された状態となる。
【0081】
このような構造を有することにより、操作ボタン21の近傍で発生した静電気にもとづく放電電流を、接地用軸受26の外接部263を介して、スロットマシン1の前扉1a又は筐体1bに接続されたアース線に向けて逃がすことができる。
このため、その静電気による放電電流が停止スイッチ装置10の内部に設けられた基板33に流れて操作回路を破壊するなどの悪影響を防止できる。
【0082】
また、不正行為による静電気の発生に限らず、例えば、遊技者が操作ボタン21を操作したときに、当該遊技者に帯電していた静電気が、操作ボタン21と押釦ホルダ23との間に進入することも起こり得る。ただし、この場合も、接地用軸受26の外接部263が確実に接地されるために、静電気に起因する放電電流が基板33に実装された操作回路に流れて破壊するといった事態を回避できる。
【0083】
(4−2)発光素子とセンサのユニット化
本実施形態の停止スイッチ装置10においては、センサ31等がユニットケース35に収納されており、外部からのアクセスが不能な状態となっているので、当該停止スイッチ装置10を対象とする不正行為を効果的に防止できる。
例えば、センサ31等が実装された基板33は、それらセンサ31等とともに、一のユニットケース35の内部に収納されている。このことから、ケーシング12と操作ボタン21との隙間と基板33との間には、ユニットケース35が介在して、それら隙間と基板33との間が連通していない構造となっている。つまり、基板33は、ケーシング12と操作ボタン21との隙間からはアクセス不能となっている。よって、電子ライターなどを用いて操作面211の外部又はケーシング12と操作ボタン21との隙間で静電気を発生させる不正行為が行われた場合、その静電気は、ユニットケース35により遮蔽されて、基板33に到達することができない。このため、その静電気の衝撃に伴って放電電流が流れて基板33が破壊されるといった事態を防止できる。また、基板33から主制御基板に放電電流が流れて不正にメダルが払い出されるといった事態を回避できる。
【0084】
また、静電気を発生させて停止スイッチ装置10の基板33やスロットマシン1内の主制御基板に放電電流を流す不正行為には、上述した電子ライターを使用したものの他に、例えば、停止ボタン21と押釦ホルダ23との隙間にリード線を挿入し、このリード線の先端から静電気を発生させる不正行為がある。ただし、このようにリード線を用いて不正行為が行われた場合でも、ケーシング12と操作ボタン21との隙間から挿入されたリード線の先端が、ユニットケース35の矩形筒状部353又は円筒部354のいずれかに必ず当接し、基板33に到達できない。このことから、そのリード線の先端から発生した静電気の影響を受けて基板33が破壊されるといった事態を防止できる。また、基板33から主制御基板に放電電流が流れて不正にメダルが払い出されるといった事態を回避できる。
【0085】
(5)組み立て容易
本実施形態の停止スイッチ装置10は、構造が比較的シンプルであるため、組み立てが容易となっている。
例えば、押釦スイッチユニット20は、操作ボタン21とバネ22と押釦ホルダ23と接地用軸受26とを互いに軸方向に組み合わせることで係合し、操作ボタン21の溝部214に止め輪27を圧入することで、組み立てが完了する。
また、停止スイッチ装置10は、押釦スイッチユニット20をケーシング12の凹部121に収納し、このケーシング12の前面122に前面カバー11を装着し、蓋部材13に制御ユニット30を取り付けて、この蓋部材13をケーシング12の背面123に装着することで、組み立てが完了する。
このように、停止スイッチ装置10は、組み立てが簡易であるので、組み立て作業の軽減を図ることができる。
【0086】
以上説明したように、本実施形態の操作スイッチ装置及び遊技機によれば、停止スイッチ装置をその前方から視認したときに、透光体を通してLEDが見えないので、当該停止スイッチ装置の外観上の美観の維持を図ることができる。
また、透光体の発光面の明るさが均一になるので、発光演出の効果を向上させることができる。
一方、従来の操作スイッチ装置においては、以下のような問題があった。
既述したように、当該停止スイッチ装置においては、透光体の側面凹部に設けられたLEDを発光させることにより、操作ボタンの周囲に位置する透光体を点灯させることができる。ただし、この透光体は、透明な材料で形成されており、LEDは、この透光体の側面凹部に設けられている。このため、当該停止スイッチ装置において操作ボタンの有する側をこの前方から視認すると、この操作ボタンの周囲に位置する透明な透光体の露出部分を通して、LEDが見えてしまっていた。
透光体は、発光演出を行う機能とともに、停止スイッチ装置を装飾する機能も有している。このことから、この透光体の露出部分は、全体的に統一した色(白色なら白色)で均一に装飾されていることが望ましい。ところが、透光体を通してLEDが見えてしまうと、この部分だけが他とは違った色に見えてしまうため、透光体の色の統一が損なわれてしまって、当該透光体を視認したときの見栄えが悪くなる。そうすると、当該透光体の装飾機能が十分に発揮できなくなって、停止スイッチ装置の外観上の美観が損なわれてしまうという問題があった。
また、そのLEDが点灯している場合において、透光体をその前方から視認したとき、この透光体の露出部分においてLEDの見える箇所が最も明るく光り、このLEDから離れるにしたがってその明るさが次第に暗くなっていく。このため、透光体の露出部分である発光面が一様に発光せず、その明るさが不均一となって、演出効果に支障をきたすという問題があった。
本発明の操作スイッチ装置によれば、従来の操作スイッチ装置が改善すべきこのような問題の全部又は一部を解決することができる。
【0087】
以上、本発明の操作スイッチ装置及び遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る操作スイッチ装置及び遊技機は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、遊技機の例としてスロットマシンを挙げたが、パチンコ機やパロットなどの遊技機に本発明を適用することもできる。
【0088】
また、上述した実施形態では、操作スイッチ装置の例として、停止スイッチ装置を挙げたが、これに限るものではなく、例えば、スロットマシンに備えられるベットボタンやスタートレバー、パチンコ機に備えられるチャンスボタンや発射用ハンドルなどを操作スイッチ装置として本発明を適用することもできる。
なお、本発明を適用可能なスロットマシンのベットボタンには、一回の操作につき一枚のメダルを掛ける1ベットボタン(
図1に示す1ベットボタン2a1)と、一回のゲームに掛けられるメダルの最大枚数を、一回の操作で掛けるMAXベットボタン(
図1に示すMAXベットボタン2a2)がある。
【0089】
さらに、上述した実施形態では、押釦ホルダの形状を、底の無い円筒形状としたが、無底の円筒形状に限るものではなく、有底の円筒形状とすることができる。この場合、有底の円筒形状の開口に操作ボタンが収容され、有底の外側面に透光カラー板が併設される。そして、円筒形状である押釦ホルダの有底の中央部分に形成された貫通孔と透光カラー板の貫通孔に、反射部材と接地用軸受が挿入される。
【0090】
また、
図4、
図8、
図9に示した停止スイッチ装置においては、第一発光素子やこれに対応する円筒部をそれぞれ三つずつ設けた構成としているが、三つずつに限るものではなく、一つずつ又は複数ずつであってもよい。
さらに、上述した実施形態では、一つの接地用軸受に形成される外接部の数を一つとしたが、外接部の数は、一つに限るものではなく、二つ以上とすることができる。この場合、押釦スイッチユニットが収納されるケーシングの側部には、その外接部の数と同数の切欠部が、それら外接部に対応する位置に形成される。
また、上述した実施形態では、ケーシングの上面部を側部とし、この側部と凹部との間に切欠部を形成する構成としたが、この構成に限るものではなく、ケーシングの下面部や側面部を側部とし、この側部と凹部との間に切欠部を形成する構成とすることもできる。
【0091】
また、上述した実施形態では、操作ボタンの材質を金属製としたが、これに限るものではなく、例えば、導電性樹脂製であってもよい。
さらに、上述した実施形態では、接地用軸受の材質を導電性樹脂製としたが、これに限るものではなく、例えば、金属製であってもよい。また、接地用軸受は、金型内に予め金属部品を挿入しておき、この金属部品の周囲に樹脂を注入して、金属と樹脂とを一体化するインサート成型により成形したものであってもよい。
また、止め輪は、E型、C型、グリップのいずれであってもよい。