(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本発明の実施形態による、1つのリッジのドーピングされていない部分又は軽度にドーピングされた部分によって分離される、ドーピングされた領域を有する太陽電池の一部分の断面図を例示する。
【0006】
【
図2】本発明の実施形態による、相互に隣接するドーピングされた領域を有する太陽電池の一部分の断面図を例示する。
【0007】
【
図3】本発明の実施形態による、複数の溝の表面の下方ではなく表面に形成されるドーピングされた領域を有する太陽電池の一部分の断面図を例示する。
【0008】
【
図4】本発明の実施形態による、太陽電池を製造する方法における操作を表すフローチャートである。
【0009】
【
図5A】本発明の実施形態による、
図4のフローチャートの操作402に対応する太陽電池の製造における段階の断面図を例示する。
【0010】
【
図5B】本発明の実施形態による、太陽電池の製造における段階の断面図を例示する。
【0011】
【
図5C】本発明の実施形態による、
図4のフローチャートの操作404及び406に対応する太陽電池の製造における段階の断面図を例示する。
【0012】
【
図5D】本発明の実施形態による、太陽電池の製造における段階の断面図を例示する。
【0013】
【
図5E】本発明の実施形態による、
図4のフローチャートの操作408に対応する太陽電池の製造における段階の断面図を例示する。
【0014】
【
図5F】本発明の実施形態による、太陽電池の製造における段階の断面図を例示する。
【0015】
【
図6】本発明の実施形態による、太陽電池を製造する別の方法の操作を表すフローチャートである。
【0016】
【
図7A】本発明の実施形態による、
図6のフローチャートの操作602に対応する太陽電池の製造における段階の断面図を例示する。
【0017】
【
図7B】本発明の実施形態による、
図6のフローチャートの操作604に対応する太陽電池の製造における段階の断面図を例示する。
【0018】
【
図7C】本発明の実施形態による、太陽電池の製造における段階の断面図を例示する。
【0019】
【
図7D】本発明の実施形態による、
図6のフローチャートの操作606に対応する太陽電池の製造における段階の断面図を例示する。
【0020】
【
図7E】本発明の実施形態による、
図6のフローチャートの操作608に対応する太陽電池の製造における段階の断面図を例示する。
【0021】
【
図7F】本発明の実施形態による、太陽電池の製造における段階の断面図を例示する。
【0022】
【
図8A】本発明の別の実施形態による、太陽電池の製造における様々な段階の断面図を例示する。
【
図8B】本発明の別の実施形態による、太陽電池の製造における様々な段階の断面図を例示する。
【
図8C】本発明の別の実施形態による、太陽電池の製造における様々な段階の断面図を例示する。
【
図8D】本発明の別の実施形態による、太陽電池の製造における様々な段階の断面図を例示する。
【
図8E】本発明の別の実施形態による、太陽電池の製造における様々な段階の断面図を例示する。
【
図8F】本発明の別の実施形態による、太陽電池の製造における様々な段階の断面図を例示する。
【0023】
【
図9A】本発明の別の実施形態による、太陽電池を製造するための、複数の溝及び複数のリッジを伴う基板の製造における様々な段階の断面図を例示する。
【
図9B】本発明の別の実施形態による、太陽電池を製造するための、複数の溝及び複数のリッジを伴う基板の製造における様々な段階の断面図を例示する。
【
図9C】本発明の別の実施形態による、太陽電池を製造するための、複数の溝及び複数のリッジを伴う基板の製造における様々な段階の断面図を例示する。
【
図9D】本発明の別の実施形態による、太陽電池を製造するための、複数の溝及び複数のリッジを伴う基板の製造における様々な段階の断面図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
リッジによって分離されるドーピングされた溝領域を伴う太陽電池が本明細書に記載される。以下の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、特定のプロセスフロー操作などの多数の特定の詳細が記載される。これらの特定の詳細を使用することなく、本発明の実施形態を実践することができる点が、当業者には明らかとなるであろう。他の場合には、本発明の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、続く金属接触部形成技術などの周知の製造技術は、詳細に記載されない。更には、図に示される様々な実施形態は、例示的な表示であって、必ずしも一定のスケールで描写されるものではないことを理解するべきである。
【0025】
複数のリッジによって分離されるドーピングされた溝領域を伴う太陽電池が本明細書に開示される。一実施形態では、太陽電池は、複数の溝及び複数のリッジを伴う表面を有する基板を含む。複数の溝のうちの第1の溝内に、第1の導電性型の第1のドーピングされた領域が配置される。第1の導電性型と反対の第2の導電性型の第2のドーピングされた領域が溝の第2の溝内に、配置される。第1の溝及び第2の溝は、複数のリッジのうちの1つのリッジによって分離される。
【0026】
また、太陽電池を製造する方法も本明細書に開示される。一実施形態では、本方法は、基板の表面に複数の溝及び複数のリッジを有するパターンを形成する工程を含む。第1の導電性型の第1のドーパントインク組成物が、複数の溝のうちの第1の溝に供給される。反対の導電性型の第2の導電性型の第2のドーパントインク組成物が、1つの溝の第2の溝に供給され、第1の溝及び第2の溝は、複数のリッジのうちの1つのリッジによって分離される。次いで、第1のドーパントインク組成物及び第2のドーパントインク組成物からのドーパントは、基板に向かってドライブする。別の実施形態では、本方法は、基板の表面に複数の溝及び複数のリッジを有するパターンを形成する工程を含む。第1の導電性型のドーパントインク組成物が、複数の溝のうちの第1の溝に供給される。反対の導電性型の第2の導電性型の固体状態のドーパント源が、複数の溝の第2の溝内及び第1の溝内のドーパントインク組成物の上方に形成される。第1の溝及び第2の溝は、リッジのうちの1つのリッジによって分離される。次いで、固体状態のドーパント源及びドーパントインク組成物からのドーパントは、基板に向かってドライブする。
【0027】
溶媒ベースのインクジェットインクは、インクジェットプリントヘッドの粘度要件(例えば、約5〜20センチポアズ)を満たすために、一般に、約50%を超える溶媒及び添加物を含有する。そのような溶媒及び添加物の高い割合は、可変の、又は複雑な乾燥動力学をもたらす場合がある。例えば、乾燥動力学は、特定のインクジェット用途にとって、形状忠実性を困難なものにする場合がある。そのような問題に対処するために、グラフィックアート業界は、接触するとインクジェット滴下を吸収する、吸収性基板を開発した。この手法では、色を生じさせる成分は、溶媒が蒸発している間に動くことができない。
【0028】
電子機器用途に溶媒ベースのインクジェットインクを使用することによって、追加の課題がもたらされる場合がある。例えば、電子機器用途のための基板は、一般に、吸収性ではなく(例えば、シリコン基板は、吸収性ではない場合がある)、したがって、グラフィック解決策は、電子機器用途に容易に適合されない場合がある。更に、印刷される材料は、電子機器用途では、エッチングマスク、ドーピング源、金属化、印刷シリコンなどを含む、グラフィックアート用途より高度な機能を有するため、典型的に、厚さ制御は、十分に制御される必要があり得る、追加のアウトプットパラメータになる。厚さは、動力学的蒸発作用のため、形状画定より制御するのが困難であり得る。厚さ及び形状画定の全体的欠如は、太陽電池に使用されるような粗い表面上に印刷する際、更に悪化し得る。例えば、流体沈着プロセスは、一般に、特に低粘度での平坦化である。
【0029】
電子機器用途におけるインクジェットプロセスの被膜厚さ及び形状画定を制御するために実施されてきた、より功を奏している戦略のうちの1つは、予めパターン形成された溝又はウェルを使用することである。例えば、この手法は、ディスプレイ業界において、インクジェットプロセスを用いてカラーフィルタを製造するために使用されている。カラーインクは、フォトリソグラフィ技術を使用してパターン形成される複数の溝又は複数のウェルに沈着される。インクジェット技術は、噴射されるインクの量を精密に制御するために使用され得るため、フィルタ材料の量もまた、精密に制御され得る。フォトリソグラフィパターン形成プロセスによって、溝又はウェルの体積もまた精密に制御されるため、既知の体積を所与として、最終的な被膜厚さが精密に制御され得る。
【0030】
本発明の1つ以上の実施形態によると、複数の溝又は複数のウェルは、裏面電極型太陽電池の製造において、厚さ制御及び形状制御のために使用される。広くは、パターン形成ステップは、電池の表面に溝又はトレンチを画定するために使用されてもよく、例えば、下位層に複数の溝又は複数のトレンチをエッチングする、湿式エッチング操作が続く。一実施形態では、次いで、続くドーピング操作のために、複数の溝又は複数のウェル内にドーパントインク組成物が分注される。
【0031】
1つのそのような実施形態では、上記のドーピング手法は、1つのパターン形成プロセス操作のみの追加によって達成される。実施例では、ウェハ表面から約10〜15μmの、汚染されて破壊されたシリコンを除去するために、損傷除去エッチングが既に必要である場合がある、供給元からの到着ウェハが使用される。実施形態では、損傷除去エッチングの前に、ウェハ表面に、パターン形成操作、例えば、スクリーン印刷エッチングマスクの形成が施される。一実施形態では、パターン形成操作は、n型の複数のフィンガー及び複数のパッド並びにp型の複数のフィンガー及び複数のパッドのこれら両方の型のフィンガー及びパッドのための溝又はウェルの位置を決定する。パターン形成操作に続き、ウェハに、適所に置かれたマスクを用いて実施されるような損傷除去エッチング操作が施される。しかしながら、パターン形成マスクの下のシリコンを除去するために、損傷エッチング、インクストリップ、及び次いで最終的な損傷エッチングを続けて実施する必要があり得る。
【0032】
実施形態では、基板の表面に溝又はウェルを製造するために、水平エッチングツールが使用される。そのようなツールは、洗浄水のより効率的な利用のために、標準的なバッチプロセスエッチャーより安価である場合がある。更に、n型フィンガー及びp型フィンガーは、同一の操作でパターン形成されてもよいため、フィンガー間の距離が最小化され得る。対照的に、n型領域及びp型領域が2つの別個の操作でパターン形成される従来の手法では、2つの必須の別個のパターンの整合間に、公差累加が生じる場合がある。したがって、従来の手法では、典型的に、どれくらい接近してパターンが離間されるかを決定するために、最小設計ルールが適用されてもよい。したがって、実施形態では、同一の操作でn型領域及びp型領域をパターン形成することによって、例えば、複数の溝又は複数のウェルを同一の操作で形成することによって、公差累加が生じず、設計ルールを違反することができる。一実施形態では、n型領域とp型領域との間の距離を最小化することによって、それから製造される太陽電池の全体効率が増加する。性能向上は、標準的な設計ルールを用いて行われるプロセスと比較して、プロセスフローのコスト/プロセスフローワットを低下し得、恐らく、1つの溝又は1つのウェルパターン形成操作を追加することに関連する、任意の追加のコストをもたらす。実施形態では、ウェハの表面の粗さが溝又はトレンチの底部に模擬されないように、溝又はウェルの底部を平滑化する工程が追加で実施される。そのような場合、また、例えば、損傷エッチングツールで実施されるような湿式エッチング研磨技術も、複数の溝又は複数のウェルのエッチング中に組み込まれてもよい。
【0033】
ドーパントインクは、太陽電池製造(及び恐らく、より一般に、半導体構造製造)において、基板を選択的にドーピングする手段として液体沈着方法を使用することを可能にし得る。そのような液体沈着方法は、典型的に、有毒ガス供給及び排出システムに加えて、高価な炉及び真空チャンバを必要とする、典型的な蒸気相ドーパント沈着技術と比較して、コスト削減をもたらし得る。本発明の実施形態は、種々の太陽電池技術プラットフォームで実現されてもよい。一実施形態では、ドーパントインク組成物は、p型ドーパント源又はn型ドーパント源のいずれかとして使用される。別の実施形態では、ドーパントインク組成物は、p型ドーパント源及びn型ドーパント源のうちの1つ又はこれら両方の型のドーパント源として使用される。実施形態では、ドーパントインクは、受容ウェハ若しくは基板の表面のエッチングされた溝又はウェルによって受容される。一実施形態では、ドーパントインクは、架橋可能なシロキサンと、溶媒と、p型(シリコンに対して)ドーパント源又はn型(シリコンに対して)ドーパント源と、を含む。実施形態では、ドーピングされた領域が、裏面電極型太陽電池の最終的な製造への前駆体として、ウェハ若しくは基板、又はその上に形成された半導体層に形成される。
【0034】
本発明の態様では、複数の溝及び複数のリッジの中でドーピングされた領域を有する、太陽電池が提供される。第1の実施例として、
図1は、本発明の実施形態による、1つのリッジのドーピングされていない部分又は軽度にドーピングされた部分によって分離される、ドーピングされた領域を有する太陽電池の一部分の断面図を例示する。
【0035】
図1を参照すると、太陽電池100の一部分は、複数の溝106及び複数のリッジ108を伴う表面104を有する基板102を含む。第1の導電性型の第1のドーピングされた領域110が、複数の溝のうちの第1の溝106A内に配置される。第1の導電性型と反対の第2の導電性型の第2のドーピングされた領域112が、複数の溝のうちの第2の溝106B内に配置される。複数の第1の溝106A及び複数の第2の溝106Bは、それぞれ、複数のリッジのうちの1つのリッジ108Aによって分離される。
【0036】
実施形態では、溝は、ドーパントインクの受容溝又はウェルとしての機能を果たすように形成される。溝は、例えば、自然な表面の凹陥とは対照的に、意図的特徴として形成されてもよい。一実施形態では、溝は、湿式エッチング又は乾式エッチングプロセスによってエッチングされる。溝の底部の表面は、テクスチャ化されてもよく、又は滑らかであってもよい。「溝」という用語によって示唆される幾何学的制限は、なくてもよい。例えば、一実施形態では、溝は、平面図の視点から、フィンガー又はドットである。実施形態では、溝は、約5〜10μmの範囲の深さを有する。特定の実施例では、溝深さは、精密な量のドーパントインクを受容するように寸法決定される。
【0037】
実施形態では、基板102は、シリコン基板、例えば、n型にドーピングされたシリコン基板である。実施形態では、基板自体のドーピング濃度は、第1のドーピングされた領域110及び第2のドーピングされた領域112のドーピング濃度より少なくとも1〜2桁小さい。したがって、そのような一実施形態では、第1の溝106A及び第2の溝106Bを分離する1つのリッジ108Aは、基板から軽度にドーピングされた領域114を含む。しかしながら、別の実施形態では、領域114は、ドーピングされていない、又は無視できるほどにしかドーピングされていない。第1のドーピングされた領域110及び第2のドーピングされた領域112は、それぞれ、n型及びp型にドーピングされてもよく、又はそれぞれ、p型及びn型にドーピングされてもよい。
【0038】
再び
図1を参照すると、1つの実施形態では、第1のドーピングされた領域110は、1つのリッジの第1の側から1つのリッジ108A内に一定量だけ延在し、第2のドーピングされた領域112が、該リッジの第2の側から1つのリッジ108Aに一定量とほぼ同一量だけ延在する。特定の例示的な実施形態では、領域のそれぞれが延在する量は、約1マイクロメートルである。一実施形態では、ドーピングされていない又は軽度にドーピングされた領域114は、第1のドーピングされた領域110及び第2のドーピングされた領域112が該1つのリッジ内に延在する部分の上方それぞれを、1つのリッジの第1の側から1つのリッジの第2の側まで延在する。特定の実施形態では、ドーピングされていない又は軽度にドーピングされた領域114は、
図1に描写されるように、第1のドーピングされた領域110のリッジ108A内に延在する部分と第2のドーピングされた領域112の1つのリッジ108Aに延在する部分との間に更に配置される。
【0039】
第2の実施例として、
図2は、本発明の実施形態による、相互と隣接するドーピングされた領域を有する太陽電池の一部分の断面図を例示する。
【0040】
図2を参照すると、太陽電池200の一部分は、複数の溝206及びリッジ208を伴う表面204を有する基板202を含む。第1の導電性型の第1のドーピングされた領域210が、複数の溝のうちの第1の溝206A内に配置される。第1の導電性型と反対の第2の導電性型の第2のドーピングされた領域212が、複数の溝のうちの第2の溝206B内に配置される。第1の溝206A及び第2の溝206Bは、それぞれ、リッジ208Aのうちの1つのリッジによって分離される。しかしながら、
図1とは対照的に、複数の第1の溝206A及び複数の第2の溝206Bを分離する1つのリッジ208Aは、それぞれ、第1のドーピングされた領域210と連続し、第2のドーピングされた領域212と隣接する、第1の導電性型のドーパントを含む。つまり、第1のドーピングされた領域210は、ドーピングされていない又は軽度にドーピングされた領域が1つのリッジ208A内に残らないように、1つのリッジ208Aを通って延在する。しかしながら、そのような一実施形態では、
図1と同様に、第2のドーピングされた領域212は、
図2に描写されるように、1つのリッジ208A内に一定量だけ延在する。
【0041】
したがって、
図1及び
図2の両方を参照すると、第1のドーピングされた領域(110又は210)は、1つの第1の溝(106A又は206A)の表面の下方の基板(102又は202)の一部分に配置され、1つの第2のドーピングされた領域(112又は212)は、第2の溝(106B又は206B)の表面の下方の基板(102又は202)の別の部分に配置される。対照的に、及び第3の実施例として、
図3は、本発明の実施形態による、複数の溝の表面の下方ではなく表面に形成されるドーピングされた領域を有する太陽電池の一部分の断面図を例示する。
【0042】
図3を参照すると、太陽電池300の一部分は、複数の溝306及びリッジ308を伴う表面304を有する基板302を含む。半導体層320は、複数の溝306のそれぞれの中に配置される。一実施形態では、半導体層320は、
図3に描写されるように、それぞれの溝306の少なくとも一部分と共形であるが、複数の溝306の間では不連続である。第1の導電性型の第1のドーピングされた領域310が、複数の溝のうちの第1の溝306A内に配置される。具体的に、第1のドーピングされた領域310は、半導体層320の第1の溝306A内に配置される部分に配置される。第1の導電性型と反対の第2の導電性型の第2のドーピングされた領域312が、複数の溝の第2の溝306B内に配置される。具体的に、第2のドーピングされた領域312は、半導体層320の第2の溝306B内に配置される部分に配置される。更に、第1の溝306A及び第2の溝306Bは、それぞれ、
図3に描写されるように、複数のリッジのうちの1つのリッジ308Aによって分離される。
【0043】
再び
図3を参照すると、半導体層320と基板302との間に、二酸化シリコンの層などの薄い誘電体層322が含まれている。示されるように、薄い誘電体層322は、パターン形成されておらず、したがって、グローバル層である。しかしながら、薄い誘電体層322は、半導体層320のパターンと同様に、溝306内のみに存在し、複数のリッジ308の上表面には沿わないようにパターン形成されてもよいことが理解される。更に、不動態化酸化物層が、半導体層320及び薄い誘電体層322の上に配置されるように含まれてもよい。
【0044】
一実施形態では、半導体層320は、大量のシリコン原子を含む。そのような一実施形態では、半導体層320は、多結晶シリコン又は非晶質シリコンで構成され、流体沈着(例えば、印刷など)又は沈着及びエッチングプロセスのいずれかによって形成される。特定の実施形態では、基板302は、n型シリコンなどのシリコンで構成され、半導体層は、多結晶シリコンで構成され、第1のドーピングされた領域310は、シリコンのためのn型ドーパントを含み、第2のドーピングされた領域312は、シリコンのためのp型ドーパントを有する。
【0045】
本発明の別の態様では、太陽電池は、基板の表面に形成される溝内に配置される半導体層に、ドーピングされた領域を形成することによって製造されてもよい。例えば、
図4は、本発明の実施形態による、太陽電池を製造する方法における操作を表すフローチャート400である。
図5A〜
図5Fは、本発明の実施形態による、フローチャート400の操作に対応する、太陽電池の製造における様々な過程の断面図を示す。
【0046】
フローチャート400の操作402及び対応する
図5Aを参照すると、太陽電池を製造する方法は、基板502の表面504に複数の溝506及び複数のリッジ508を有するパターンを形成する工程を含む。
【0047】
一実施形態では、パターンを形成する工程は、最初に、損傷したシリコン表面をエポキシ又はフォトレジストマスクでマスクすることを含む。次いで、マスクのパターンは、例えば、アルカリ性湿式エッチングプロセスなどのエッチングプロセスによって、基板の表面に転写される。一実施形態では、基板の表面にパターンを形成する工程は、第1のドーパントインク組成物を供給する工程の前に、例えば、HF/硝酸などの湿式エッチングプロセスを用いて、複数の溝のうちのそれぞれの底部の粗さを低減することを含む。別の実施形態では、基板の表面にパターンを形成する工程は、第1のドーパントインク組成物を供給する工程の前に、例えば、水酸化カリウムに基づくアルカリ性エッチングなどの湿式エッチングプロセスを用いて、複数の溝のうちのそれぞれの底部の粗さを増加させる、又はテクスチャ化することを含む。例示的なプロセスが、
図9A〜
図9Dと関連して以下に記載される。
【0048】
図5Bを参照すると、一実施形態では、基板502の複数の溝506のうちのそれぞれの溝の中に、半導体層520及び薄い誘電体層522が形成される。半導体層520及び薄い誘電体層522は、
図3の半導体層320及び薄い誘電体層322と関連して記載される材料で構成されてもよい。
【0049】
フローチャート400の操作404及び対応する
図5Cを参照すると、本方法はまた、第1の導電性型の第1のドーパントインク組成物530を複数の溝のうちの第1の溝506Aに供給する工程も含む。フローチャート400の操作406及び再び
図5Cを参照すると、本方法はまた、第2の反対の導電性型の第2のドーパントインク組成物532を複数の溝のうちの第2の溝506Bに供給する工程も含む。第1の溝506A及び第2の溝506Bは、それぞれ、複数のリッジのうちの1つのリッジ508Aによって分離される。実施形態では、第1のドーパントインク組成物530は、p型ドーパントを含み、第2のドーパントインク組成物532は、n型ドーパントを含む。別の実施形態では、第1のドーパントインク組成物530は、n型ドーパントを含み、第2のドーパントインク組成物532は、p型ドーパントを含む。
【0050】
図5Dを参照すると、一実施形態では、第1のドーパントインク組成物530及び第2のドーパントインク組成物532の体積は、操作408と関連して以下により詳細に記載されるように、減少した体積領域530'及び532'を提供するように減少される。
【0051】
フローチャート400の操作408及び対応する
図5Eを参照すると、本方法はまた、第1のドーパントインク組成物530及び第2のドーパントインク組成物532(又は減少した体積領域530'及び532')からのドーパントを基板502に向かってドライブする工程も含む。具体的に、一実施形態では、第1のドーパントインク組成物530及び第2のドーパントインク組成物532からのドーパントをドライブする工程は、
図5Eに描写されるように、半導体層520の第1の溝506A内に配置される部分に、第1の導電性型の第1のドーピングされた領域510を形成することと、半導体層520の第2の溝506B内に配置される部分に、第2の導電性型の第2のドーピングされた領域512を形成することと、を含む。あるいは、半導体層520を含まない実施形態では、第1のドーパントインク組成物530及び第2のドーパントインク組成物532からのドーパントをドライブする工程は、第1の溝506Aの表面の下方の基板502の一部分に、第1の導電性型の第1のドーピングされた領域を形成することと、第2の溝506Bの表面の下方の基板502の別の部分に、第2の導電性型の第2のドーピングされた領域を形成することと、を含む。
【0052】
実施形態では、第1のドーパントインク組成物530を供給する工程、第2のドーパントインク組成物532を供給する工程、又はこれら両方の工程が、インクジェット、スクリーン印刷、ブレーディング、ピペットによる移送、スピンコーティング及びエッチング、グラビア印刷、又はスロットダイコーティングなどであるが、これらに限定されない、技術を使用することを含む。実施形態では、第1のドーパントインク組成物530及び第2のドーパントインク組成物532からのドーパントをドライブする前に、第1のドーパントインク組成物530及び第2のドーパントインク組成物532は、例えば、第1のドーパントインク組成物530及び第2のドーパントインク組成物532のシロキサン種の大部分を架橋させるために硬化される。そのような一実施形態では、硬化させる工程は、熱によらないプロセスを使用することによって実施される。そのような別の実施形態では、硬化させる工程は、ベーキングプロセスを使用することによって実施される。特定の実施形態では、ベーキングプロセスを実施する工程は、第1のドーパントインク組成物530及び第2のドーパントインク組成物532のそれぞれの有機溶媒の大部分を除去する。
【0053】
溶媒除去は、インクの体積の減少をもたらし得る。例えば、特定の実施形態では、ベーキングプロセスは、
図5D及び
図5Eに描写されるように、例えば、減少した体積領域530'及び532'を提供するように、第1のドーパントインク組成物530及び第2のドーパントインク組成物532の体積を、約1.1〜10分の1の範囲で減少させる。実施形態では、ベーキングプロセスは、約100〜400℃の範囲の温度に加熱する工程を含み、硬化された第1のドーパントインク組成物及び第2のドーパントインク組成物からのドーパントをドライブする工程は、約850〜1050℃の範囲の温度に加熱することを含む。
【0054】
図5Fを参照すると、半導体層520のドーピングされていない部分は、例えば、湿式エッチングプロセスによって、ドーパントインク組成物530'及び532'と共に除去される。
図5Fに示される構造は、次いで、裏面電極型太陽電池を製造するために使用されてもよい。
【0055】
本発明の別の態様では、太陽電池は、第1の導電性型のドーパントインク組成物から及び第2の導電性型の固体状態のドーパント源からドーピングされた領域を形成する工程によって製造されてもよい。例えば、
図6は、本発明の実施形態による、太陽電池を製造する方法の操作を表すフローチャート600である。
図7A〜7Fは、本発明の実施形態による、フローチャート600の操作に対応する、太陽電池の製造における様々なステージの断面図を示す。
【0056】
フローチャート600の操作602及び対応する
図7Aを参照すると、太陽電池を製造する方法は、基板702の表面704に複数の溝706及複数のびリッジ708を有するパターンを形成する工程を含む。パターン形成された基板を形成するために、フローチャート400の操作402と関連して上述されるものと同様の手法が使用されてもよい。例えば、一実施形態では、基板702の表面にパターンを形成する工程は、複数の溝706のそれぞれの底部の粗さを低減することを含む。
【0057】
フローチャート600の操作604及び対応する
図7Bを参照すると、本方法はまた、第1の導電性型のドーパントインク組成物730を複数の溝のうちの第1の溝706A又は複数の溝のうちの第1のセットに供給する工程も含む。ドーパントインク組成物は、p型又はn型であってもよく、上述されるドーパントインク組成物と同様又は同一の組成物を有してもよい。更に、ドーパントインク組成物は、上述される手法と同様に供給されてもよい。
【0058】
図7Cを参照すると、一実施形態では、操作706と関連して以下により詳細に記載されるように、減少した体積領域730'を提供するために、ドーパントインク組成物730の体積が減少される。
【0059】
フローチャート600の操作606及び対応する
図7Dを参照すると、本方法はまた、複数の溝の第2の溝706B内又は溝の第2のセット内に、第2の反対の導電性型の固体状態のドーパント源740を形成する工程も含む。第1の溝706A及び第2の溝706Bは、それぞれ、複数のリッジのうちの1つのリッジ708Aによって分離される。一実施形態では、固体状態のドーパント源740は、基板702の上方に全面的に沈着され、第1の溝706A内にドーパントインク組成物730(又は減少した体積領域730')の上方に更に配置される。一実施形態では、固体状態のドーパント源を形成する工程は、ホウ素シリカガラス(BSG)又はリンシリカガラス(PSG)などであるが、これらに限定されない、材料層を形成することを含む。いずれの場合でも、導電性型(例えば、n型又はp型)は、ドーパントインク組成物730の導電性型と反対になるように選択される。
【0060】
一実施形態では、固体状態のドーパント源740を形成する前に、ドーパントインク組成物730は、例えば、ドーパントインク組成物のシロキサン種の大部分を架橋させるために硬化される。そのような一実施形態では、硬化させる工程は、熱によらないプロセスを使用することによって実施される。しかしながら、別の実施形態では、硬化させる工程は、ベーキングプロセスを使用して実施される。そのような特定の実施形態では、ベーキングプロセスを実施することは、ドーパントインク組成物の有機溶媒の大部分を除去する。溶媒除去は、ドーパントインク組成物の体積の減少をもたらし得る。例えば、特定の実施形態では、ベーキングプロセスは、
図7C〜
図7Eに描写されるように、例えば、減少した体積領域730'を提供するように、ドーパントインク組成物730の体積を、約1.1〜10分の1の範囲で減少させる。一実施形態では、ベーキングプロセスは、約100〜400℃の範囲の温度に加熱する工程を含む。
【0061】
フローチャート600の操作608及び対応する
図7Eを参照すると、本方法はまた、ドーパントインク組成物730(又は減少した体積領域730')及び固体状態のドーパント源740からのドーパントを基板702に向かってドライブする工程も含む。具体的に、一実施形態では、ドーパントをドライブする工程は、
図7Eに描写されるように、第1の溝706Aの表面の下方の基板702の一部分に、第1の導電性型の第1のドーピングされた領域710を形成することと、第2の溝706Bの表面の下方の基板702の別の部分に、第2の導電性型の第2のドーピングされた領域712を形成することと、を含む。一実施形態では、固体状態のドーパント源740が、全面的に沈着されるため、第2の導電性型の第3のドーピングされた領域712Aが、第1の溝706A及び第2の溝706Bを分離する1つのリッジにそれぞれ形成される。第3のドーピングされた領域712Aは、第2のドーピングされた領域712と連続し、それと本質的に同一のドーパント濃度レベルを有する。一実施形態では、硬化されたドーパントインク組成物730又は730'及び固体状態のドーパント源740からのドーパントをドライブする工程は、約850〜1050℃の範囲の温度に加熱することを含む。
【0062】
図7Fを参照すると、固体状態のドーパント源740は、例えば、湿式エッチングプロセスによって、ドーパントインク組成物730'と共に除去される。
図7Fに示される構造は、次いで、裏面電極型太陽電池を製造するために使用されてもよい。
【0063】
本発明の別の態様では、太陽電池は、第1の導電性型のドーパントインク組成物を受容するためのみに位置付けられる溝を伴う基板に、ドーパントインク組成物からドーピングされた領域を形成することによって製造されてもよい。次いで、固体状態のドーパント源が、第2の導電性型のドーピングされた領域を形成するために、複数の溝の別個のセット内に沈着することなく使用されてもよい。例えば、
図8A〜
図8Fは、本発明の実施形態による、太陽電池の製造における様々な段階の断面図を例示する。
【0064】
図8Aを参照すると、太陽電池を製造する方法は、基板802の表面804に複数の溝806及び複数のリッジ808を有するパターンを形成する工程を含む。パターン形成された基板を形成するために、フローチャート400の操作402と関連して上述されるものと同様の手法が使用されてもよい。例えば、一実施形態では、基板802の表面にパターンを形成する工程は、複数の溝806のそれぞれの底部の粗さを低減することを含む。しかしながら、2つの異なる種類のドーパント源(例えば、n型及びp型、又はインク状態及び固体状態)を受容する複数の溝を提供する代わりに、1セットの複数の溝のみが提供され、必要とされる複数の溝の数を減らす。
【0065】
図8Bを参照すると、本方法はまた、第1の導電性型のドーパントインク組成物830を複数の溝806に供給する工程も含む。ドーパントインク組成物は、p型又はn型であってもよく、上述されるドーパントインク組成物と同様又は同一の組成物を有してもよい。更に、ドーパントインク組成物は、上述される手法と同様に供給されてもよい。
【0066】
図8Cを参照すると、一実施形態では、上記の他の実施形態と関連して記載されるように、減少した体積領域830'を提供するように、ドーパントインク組成物830の体積が減少される。
【0067】
図8Dを参照すると、本方法はまた、複数の溝の別個の専用セットではなく、基板802の上方及びドーパントインク組成物830(又は減少した体積領域830')の上方に、第2の反対の導電性型の固体状態のドーパント源840を形成する工程も含む。一実施形態では、固体状態のドーパント源840は、
図8Dに描写されるように、基板802の上方に全面的に沈着される。一実施形態では、固体状態のドーパント源を形成する工程は、ホウ素シリカガラス(BSG)又はリンシリカガラス(PSG)などであるが、これらに限定されない、材料層を形成することを含む。いずれの場合でも、導電性型(例えば、n型又はp型)は、ドーパントインク組成物830の導電性型と反対になるように選択される。
【0068】
一実施形態では、固体状態のドーパント源840を形成する前に、ドーパントインク組成物830は、例えば、ドーパントインク組成物のシロキサン種の大部分を架橋させるために硬化される。そのような一実施形態では、硬化させる工程は、熱によらないプロセスを使用することによって実施される。しかしながら、別の実施形態では、硬化させる工程は、ベーキングプロセスを使用して実施される。そのような特定の実施形態では、ベーキングプロセスを実施することは、ドーパントインク組成物の有機溶媒の大部分を除去する。溶媒除去は、ドーパントインク組成物の体積の減少をもたらし得る。例えば、特定の実施形態では、ベーキングプロセスは、
図8C〜
図8Eに描写されるように、例えば、減少した体積領域830'を提供するように、ドーパントインク組成物830の体積を、約1.1〜10分の1の範囲で減少させる。一実施形態では、ベーキングプロセスは、約100〜400℃の範囲の温度に加熱する工程を含む。
【0069】
図8Eを参照すると、本方法はまた、ドーパントインク組成物830(又は減少した体積領域830')及び固体状態のドーパント源840からのドーパントを基板802に向かってドライブする工程も含む。具体的に、一実施形態では、ドーパントをドライブする工程は、
図8Eに描写されるように、溝806の表面の下方の基板802の一部分に、第1の導電性型の第1のドーピングされた領域810を形成することと、部分810間の基板802の別の部分に、第2の導電性型の第2のドーピングされた領域812を形成することと、を含む。一実施形態では、硬化されたドーパントインク組成物830又は830'、及び固体状態のドーパント源840からのドーパントをドライブする工程は、約850〜1050℃の範囲の温度に加熱することを含む。
【0070】
図8Fを参照すると、固体状態のドーパント源840は、例えば、湿式エッチングプロセスによって、ドーパントインク組成物830'と共に除去される。
図8Fに示される構造は、次いで、裏面電極型太陽電池を製造するために使用されてもよい。
【0071】
更に別の実施形態では、n型及びp型の複数のトレンチ又は複数の溝が使用され、改善された損傷ステップでパターン形成される。続いて、n型及びp型インクが同時に印刷されてもよい。そのような実施形態では、n型領域とp型領域との間の1つの溝又は1つのトレンチ壁は、n型領域とp型領域との間の距離が最小となるように、可能な限り薄く製造される。距離が大き過ぎる場合、設計ルールが大きくなり得、効率が低くなる可能性がある。更に、電池の降伏電圧が大幅に増加し、より高い電力損失に起因する電池の信頼性の問題をもたらす場合がある。
【0072】
上述されるように、複数の溝及び複数のリッジを有する基板は、未処理のシリコンウェハなどの表面損失を有する到着ウェハから製造されてもよい。例えば、
図9A〜
図9Dは、本発明の別の実施形態による、太陽電池を製造するための、複数の溝及び複数のリッジを伴う基板の製造における様々な段階の断面図を例示する。
【0073】
図9Aを参照すると、表面損傷層970を有するn型にドーピングされた基板などの基板902は、その上に、エポキシ又はフォトレジストマスク972が配置される。次いで、マスク972のパターンが、例えば、アルカリ性湿式エッチングプロセス又はプラズマエッチングプロセスなどのエッチングプロセスによって、基板902の表面に転写される。一実施形態では、パターンは、
図9Bに描写されるように、基板902の表面損傷層970より下方の深さに転写される。結果として、基板902に複数の溝906及び複数のリッジ908が形成される。
【0074】
図9Cを参照すると、例えば、湿式エッチングプロセスによって、表面損傷層970及びマスク972が除去される。一実施形態では、基板902の表面にパターンを形成する工程は、
図9Cに描写されるように、例えば、HF/硝酸などの湿式エッチングプロセスを用いて、複数の溝906のそれぞれの底部の粗さを低減することを含む。別の一実施形態では、基板の表面にパターンを形成する工程は、
図9Dに描写されるように、例えば、水酸化カリウムに基づくアルカリ性エッチングなどの湿式エッチングプロセスを用いて、複数の溝906のそれぞれの底部の粗さを増加させる、又はそれにテクスチャ980を導入することを含む。
【0075】
したがって、複数のリッジによって分離されるドーピングされた溝領域を伴う太陽電池、及び太陽電池を製造する方法が開示されてきた。本発明の実施形態による太陽電池は、複数の溝及び複数のリッジを伴う表面を有する基板を含む。複数の溝のうちの第1の溝内に、第1の導電性型の第1のドーピングされた領域が配置される。複数の溝の第2の溝内に、第1の導電性型と反対の第2の導電性型の第2のドーピングされた領域が配置される。第1の溝及び第2の溝は、複数のリッジのうちの1つのリッジによって分離される。そのような一実施形態では、第1の溝及び第2の溝を分離する1つのリッジは、ドーピングされていない又は軽度にドーピングされた領域を含む。そのような別の実施形態では、第1の溝及び第2の溝を分離する1つのリッジは、第1のドーピングされた領域と連続し、第2のドーピングされた領域と隣接する、第1の導電性型のドーパントを含む。そのような別の実施形態では、太陽電池は、複数の溝のそれぞれの中に配置される半導体層を更に含む。第1のドーピングされた領域は、半導体層の第1の溝内に配置される部分に配置され、第2のドーピングされた領域は、半導体層の第2の溝内に配置される部分に配置される。
[項目1]
太陽電池であって、
複数の溝及び複数のリッジを伴う表面を有する基板と、
前記複数の溝のうちの第1の溝内に配置される、第1の導電性型の第1のドーピングされた領域と、
前記複数の溝のうちの第2の溝内に配置される、前記第1の導電性型と反対の第2の導電性型の第2のドーピングされた領域と、を備え、
前記第1の溝及び前記第2の溝が、前記複数のリッジのうちの1つのリッジによって分離される、太陽電池。
[項目2]
前記第1の溝及び前記第2の溝を分離する前記1つのリッジが、ドーピングされていない又は軽度にドーピングされた領域を有する、項目1に記載の太陽電池。
[項目3]
前記第1のドーピングされた領域は、前記1つのリッジの第1の側から前記1つのリッジ内に一定量だけ延在し、
前記第2のドーピングされた領域が、前記1つのリッジの第2の側から前記1つのリッジ内に前記一定量とほぼ同一量だけ延在する、項目2に記載の太陽電池。
[項目4]
前記ドーピングされていない又は軽度にドーピングされた領域は、前記第1のドーピングされた領域及び前記第2のドーピングされた領域が前記1つのリッジ内に延在する部分の上方を、前記1つのリッジの前記第1の側から前記1つのリッジの前記第2の側まで延在し、前記第1のドーピングされた領域の前記リッジ内に延在する前記部分と前記第2のドーピングされた領域の前記1つのリッジ内に延在する前記部分との間にも更に配置される、項目3に記載の太陽電池。
[項目5]
前記第1の溝及び前記第2の溝を分離する前記1つのリッジが、前記第1のドーピングされた領域と連続し前記第2のドーピングされた領域と隣接する、第1の導電性型のドーパントを含む、項目1に記載の太陽電池。
[項目6]
前記第2のドーピングされた領域が、前記1つのリッジ内に一定量だけ延在する、項目5に記載の太陽電池。
[項目7]
前記第1のドーピングされた領域が、前記第1の溝の表面の下方の前記基板の一の部分に配置され、前記第2のドーピングされた領域が、前記第2の溝の表面の下方の前記基板の別の部分に配置される、項目1に記載の太陽電池。
[項目8]
前記複数の溝のそれぞれの内に配置される半導体層を更に備え、
前記第1のドーピングされた領域が、前記半導体層の前記第1の溝内に配置される部分に配置され、
前記第2のドーピングされた領域が、前記半導体層の前記第2の溝内に配置される部分に配置される、項目1に記載の太陽電池。
[項目9]
前記半導体層が、前記複数の溝のそれぞれの少なくとも一部分と共形であるが、前記複数の溝の間では不連続である、項目8に記載の太陽電池。
[項目10]
前記基板が、シリコンを有し、
前記第1のドーピングされた領域が、シリコンのためのn型ドーパントを有し、
前記第2のドーピングされた領域が、シリコンのためのp型ドーパントを有する、項目1に記載の太陽電池。
[項目11]
基板の表面に複数の溝及び複数のリッジを有するパターンを形成する工程と、
第1の導電性型の第1のドーパントインク組成物を前記複数の溝のうちの第1の溝に供給する工程と、
反対の導電性型である第2の導電性型の第2のドーパントインク組成物を前記複数の溝のうちの第2の溝に供給する工程と、
前記第1のドーパントインク組成物及び前記第2のドーパントインク組成物からのドーパントを前記基板に向かってドライブする工程と、
を備え、
前記第1の溝及び前記第2の溝が、前記複数のリッジのうちの1つによって分離される、太陽電池の製造方法。
[項目12]
前記複数の溝のそれぞれ内に半導体層を形成する工程を更に備え、
前記第1のドーパントインク組成物及び前記第2のドーパントインク組成物からのドーパントをドライブする工程が、前記半導体層の前記第1の溝内に配置される部分に、前記第1の導電性型の第1のドーピングされた領域を形成することと、前記半導体層の前記第2の溝内に配置される部分に、前記第2の導電性型の第2のドーピングされた領域を形成することと、を含む、項目11に記載の方法。
[項目13]
前記第1のドーパントインク組成物及び前記第2のドーパントインク組成物からのドーパントをドライブする工程が、前記第1の溝の表面の下方の前記基板の一部分に、前記第1の導電性型の第1のドーピングされた領域を形成することと、前記第2の溝の表面の下方の前記基板の別の部分に、前記第2の導電性型の第2のドーピングされた領域を形成することと、を含む、項目11に記載の方法。
[項目14]
前記第1のドーパントインク組成物を供給する工程、前記第2のドーパントインク組成物を供給する工程、又はこれら両方の工程が、インクジェット、スクリーン印刷、ブレーディング、ピペットによる移送、スピンコーティング及びエッチング、グラビア印刷、並びにスロットダイコーティングからなる群から選択される技術を使用することを含む、項目11に記載の方法。
[項目15]
前記第1のドーパントインク組成物及び前記第2のドーパントインク組成物からのドーパントをドライブする工程の前に、前記第1のドーパントインク組成物及び前記第2のドーパントインク組成物を、前記第1のドーパントインク組成物及び前記第2のドーパントインク組成物のシロキサン種の大部分を架橋させるために硬化させることを更に含む、項目11に記載の方法。
[項目16]
前記硬化させる工程が、熱によらないプロセスを使用することによって実施される、項目15に記載の方法。
[項目17]
前記硬化させる工程が、ベーキングプロセスを使用することによって実施される、項目15に記載の方法。
[項目18]
前記ベーキングプロセスを実施することが、前記第1のドーパントインク組成物及び前記第2のドーパントインク組成物のそれぞれの有機溶媒の大部分を除去する、項目17に記載の方法。
[項目19]
前記ベーキングプロセスが、前記第1のドーパントインク組成物及び前記第2のドーパントインク組成物の体積を、約1.1〜10分の1の範囲で減少させる、項目18に記載の方法。
[項目20]
前記ベーキングプロセスが、約100〜400℃の範囲の温度に加熱する工程を含み、
硬化された前記第1のドーパントインク組成物及び前記第2のドーパントインク組成物からのドーパントをドライブする工程が、約850〜1050℃の範囲の温度に加熱することを含む、項目17に記載の方法。
[項目21]
前記基板の前記表面に前記パターンを形成する工程が、前記第1のドーパントインク組成物を供給する工程の前に、前記複数の溝のそれぞれの底部の粗さを低減することを含む、項目11に記載の方法。
[項目22]
前記基板の前記表面に前記パターンを形成する工程が、未処理のシリコンウェハの表面に、前記複数の溝及び前記複数のリッジを形成することを含む、項目11に記載の方法。
[項目23]
項目11の製造方法により製造された太陽電池。
[項目24]
太陽電池の製造方法であって、
基板の表面に複数の溝及び複数のリッジを有するパターンを形成する工程と、
第1の導電性型のドーパントインク組成物を前記複数の溝のうちの第1の溝に供給する工程と、
反対の導電性型である第2の導電性型の固体状態のドーパント源を、前記複数の溝のうちの第2の溝内及び前記第1の溝内のドーパントインク組成物の上方に形成する工程と、
前記固体状態のドーパント源及び前記ドーパントインク組成物からのドーパントを前記基板に向かってドライブする工程と、を備え、
前記第1の溝及び前記第2の溝が、前記複数のリッジのうちの1つによって分離される、製造方法。
[項目25]
前記固体状態のドーパント源及び前記ドーパントインク組成物からのドーパントをドライブする工程が、前記第1の溝の表面の下方の前記基板の一部分に、前記第1の導電性型の第1のドーピングされた領域を形成することと、前記第2の溝の表面の下方の前記基板の別の部分に、前記第2の導電性型の第2のドーピングされた領域を形成することと、を含む、項目24に記載の方法。
[項目26]
前記固体状態のドーパント源からのドーパントをドライブする工程が、前記第1の溝及び前記第2の溝を分離する前記リッジ内に、前記第2の導電性型の第3のドーピングされた領域を形成することを更に含む、項目25に記載の方法。
[項目27]
前記ドーパントインク組成物を供給する工程が、インクジェット、スクリーン印刷、ブレーディング、ピペットによる移送、スピンコーティング及びエッチング、グラビア印刷、並びにスロットダイコーティングからなる群から選択される技術を使用することを含む、項目24に記載の方法。
[項目28]
前記固体状態のドーパント源を形成する前に、前記ドーパントインク組成物を、前記ドーパントインク組成物のシロキサン種の大部分を架橋させるために硬化させる工程を更に含む、項目24に記載の方法。
[項目29]
前記硬化させる工程が、熱によらないプロセスを使用することによって実施される、項目28に記載の方法。
[項目30]
前記硬化させる工程が、ベーキングプロセスを使用することによって実施される、項目28に記載の方法。
[項目31]
前記ベーキングプロセスを実施することが、前記ドーパントインク組成物の有機溶媒の大部分を除去する、項目30に記載の方法。
[項目32]
前記ベーキングプロセスが、前記ドーパントインク組成物の体積を、約1.1〜10分の1の範囲で減少させる、項目31に記載の方法。
[項目33]
前記ベーキングプロセスが、約100〜400℃の範囲の温度に加熱することを含み、
前記硬化されたドーパントインク組成物からのドーパントをドライブする工程が、約850〜1050℃の範囲の温度に加熱することを含む、項目30に記載の方法。
[項目34]
前記固体状態のドーパント源を形成する工程が、ホウ素シリカガラス(BSG)又はリンシリカガラス(PSG)からなる群から選択される材料層を形成することを含む、項目24に記載の方法。
[項目35]
前記基板の前記表面に前記パターンを形成する工程が、前記ドーパントインク組成物を供給する前に、前記複数の溝のそれぞれの底部の粗さを低減することを含む、項目24に記載の方法。
[項目36]
前記基板の前記表面に前記パターンを形成する工程が、未処理のシリコンウェハの表面に前記複数の溝及び前記複数のリッジを形成することを含む、項目24に記載の方法。
[項目37]
項目24の製造方法により製造された太陽電池。