特許第6263925号(P6263925)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263925
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】仕上部材及び化粧カバー
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/96 20060101AFI20180115BHJP
【FI】
   E04B2/96
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-201905(P2013-201905)
(22)【出願日】2013年9月27日
(65)【公開番号】特開2015-68003(P2015-68003A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】三谷 勝章
(72)【発明者】
【氏名】山田 修司
【審査官】 富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−191530(JP,A)
【文献】 実開昭49−010333(JP,U)
【文献】 特開2001−207620(JP,A)
【文献】 特開2001−098687(JP,A)
【文献】 実公平04−027927(JP,Y2)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0293882(US,A1)
【文献】 米国特許第05592795(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/88−2/96
E04F 13/08、19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に取り付けられた方立部材と、前記建物の外観を構成する化粧カバーとを備えた仕上部材であって、
前記方立部材は、外側に係止部を備え、
前記化粧カバーは、前記係止部に対して着脱可能に係合する係合部を備えた、前記建物の外側を覆う複数のカバー部材を備えており、
前記カバー部材は、少なくとも第1パネル部材及び第2パネル部材からなり、
前記第1パネル部材が、前記第2パネル部材に当接することにより、前記第2パネル部材の脱離を規制することを特徴とする仕上部材。
【請求項2】
前記化粧カバーの係合部は、前記方立部材の前記係止部に掛止する形状をしていることを特徴とする請求項1に記載の仕上部材。
【請求項3】
前記係合部は、突条部を備えており、
前記方立部材は、前記突条部と接触して前記第1パネル部材及び前記第2パネル部材の横方向への移動を規制する第1規制部と、前記突条部と接触して下方向への移動を規制する第2規制部とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の仕上部材。
【請求項4】
建物に取り付けられた方立部材の外側に設けられた係止部に対して着脱可能に係合する係合部を備え、前記建物の外観を構成する化粧カバーであって、
前記建物の外側を覆う複数のカバー部材を備えており、
前記カバー部材は、少なくとも第1パネル部材及び第2パネル部材からなり、
前記第1パネル部材が、前記第2パネル部材に当接することにより、前記第2パネル部材の脱離を規制することを特徴とする化粧カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の外側を構成する仕上部材及び化粧カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
ビルディング等の建物は、外壁によって覆われている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、建物の躯体に、横フレームや胴縁を介して外壁ユニットが取り付けられた構成が記載されている。更に、この文献には、外壁ユニットは、上下方向の一方に接続凸部を形成し他方に接続凹部を形成した複数の外壁パネルを備え、接続凸部と接続凹部とを接続させて外壁の施工を行なうことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−59300号公報(第1頁、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、上記の特許文献1のように、外壁は建物の躯体に直接、取り付けられる。従って、外壁を変更して、建物の外観を変更することは容易ではなかった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、その目的は、建物の外観を容易に変更することができる仕上部材及び化粧カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する仕上部材は、建物に取り付けられた方立部材と、前記建物の外観を構成する化粧カバーとを備えた仕上部材であって、前記方立部材は、外側に係止部を備え、前記化粧カバーは、前記係止部に対して着脱可能に係合する係合部を備えたこと要旨とする。
【0006】
この構成によれば、方立部材の係止部と化粧カバーの係合部との係合又は脱離により、化粧カバーを方立部材に容易に装着又は脱離させることができる。従って、外周面に様々な装飾を行なった化粧カバーに容易に交換することができるので、建物の外観を容易に変更することができる。また、化粧カバーの一部が壊れた場合にも、容易に交換することができ、メンテナンス性を向上させることができる。
【0007】
上記仕上部材について、前記化粧カバーの係合部は、前記方立部材の前記係止部に掛止する形状をしていることが好ましい。この構成によれば、引っ掛けることにより、化粧カバーを方立部材に容易に固定することができる。
【0008】
上記仕上部材について、前記化粧カバーは、前記建物の外側を覆う複数のカバー部材を備えており、前記カバー部材は、少なくとも第1パネル部材及び第2パネル部材からなり、前記第1パネル部材が、前記第2パネル部材に当接することにより、前記第2パネル部材の脱離を規制することが好ましい。この構成によれば、化粧カバーを構成する第1パネル部材が第2パネル部材の脱離方向への移動を規制するので、簡単な構成で、強固に化粧カバーを方立部材に固定することができる。
【0009】
上記仕上部材について、前記係合部は、突条部を備えており、前記方立部材は、前記突条部と接触して前記第1パネル部材及び前記第2パネル部材の横方向への移動を規制する第1規制部と、前記突条部と接触して下方向への移動を規制する第2規制部とを備えることが好ましい。この構成によれば、化粧カバーを構成する第1パネル部材及び第2パネル部材の横方向への移動及び下方向への移動を規制するので、いっそう強固に化粧カバーを方立部材に固定することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、建物の外観を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態における仕上部材を適用した建物の外観斜視図であり、(a)は全体図、(b)は部分拡大図。
図2】実施形態における仕上部材の平面図。
図3】実施形態における仕上部材の分解斜視図。
図4】実施形態における仕上部材の構成を説明する説明図であって、(a)は上面図、(b)は(a)におけるb矢視図、(c)は(a)におけるc矢視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1図4に従って、一実施形態を説明する。
図1(a)は、本実施形態の建物の全体斜視図であり、図1(b)は、図1(a)における一部拡大断面図である。本実施形態では、図1(a)に示すように、凹凸形状のファサードを有する建物10に適用する。すなわち、この建物10の外周部には、複数の凸部11が形成されている。また、建物10の凸部11の間には、ガラスで構成された窓部材12が配置されている。
【0013】
図2は、建物10の凸部11の平面断面図である。各凸部11は、建物10の側面に配置される2つ(一対)の仕上部材20と、一対の仕上部材20の間に配置されたガラス部材13とから構成されている。一対の仕上部材20は、凸部11の見込方向に対して左右対称に配置される。
【0014】
各仕上部材20は、略直方体形状の方立部材21と、この方立部材21に接触させて配置された化粧カバー30とを備えている。本実施形態の方立部材21は、建物10の1階から屋上部まで一体で形成されている。化粧カバー30は、方立部材21の外側を覆って建物10の外観を構成する。本実施形態の化粧カバー30は、L字形状に配置される3つのカバー部材(31,32,33)から構成されている。第1カバー部材31は、ガラス部材13と平行に配置されている。第2カバー部材32は、第1カバー部材31に対して直角に配置されている。更に、第3カバー部材33は、第2カバー部材32と同一平面上で直線上に配置されている。各カバー部材(31,32,33)の長手方向の長さは、各階の高さと同じ大きさで構成する。各カバー部材(31,32,33)は、上層階又は下層階の化粧カバー30の各カバー部材(31,32,33)と重なるように配置されている。
【0015】
各方立部材21は、複数のボルト14によって方立ブラケット15に取り付けられている。この方立ブラケット15は、図示しないファスナーを介して建物10の梁に取り付けられている。各方立部材21の先端部近傍には、第2カバー部材32の取付側とは反対側に開口された溝部が形成されている。一対の方立部材21は、凹部においてガラス部材13の端部を固定することにより、ガラス部材13を支持する。ガラス部材13の前面と溝部との間には、シール部材18b及びシールバッカー18aが配置されており、ガラス部材13の後面と溝部との間には、ガスケット17が配置されている。更に、方立部材21には、見込方向側において左右の両側に開口した溝部が形成されている。この溝部の一方において、上述した窓部材12を支持し、他方の溝部で、パネル部材19を支持する。この場合、両溝部の配置により、窓部材12とパネル部材19とが同一平面上に並ぶことになる。
【0016】
次に、方立部材21の外側面及び化粧カバー30の構造を説明する。図3は仕上部材20から化粧カバー30を分解した分解斜視図であり、図4は仕上部材20の平面図と矢視図である。
【0017】
図3及び図4(a)に示すように、方立部材21の外側には、所定の間隔で複数の突条部25が形成されている。この突条部25は、係止部として機能し、方立部材21の長手方向(垂直方向)に延在されている。この突条部25は、長手方向と直交する平面形状がL字形状をしている。方立部材21の、第1カバー部材31と対向する面に形成された突条部25は、第2カバー部材32の取付側とは反対側に折れ曲がったL字形状をしている。また、方立部材21の、第2及び第3カバー部材32,33と対向する面に形成された突条部25は、第1カバー部材31の取付側とは反対側に折れ曲がったL字形状をしている。
【0018】
更に、図3に示すように、第1カバー部材31と対向する、方立部材21の外側には、取付部材26が、突条部25間に設けられている。この取付部材26は、略長方形の板状金具であって、第1カバー部材31の下方向への移動を規制する第2規制部として機能する。
【0019】
また、第2及び第3カバー部材32,33と対向する、方立部材21の外側部には、板状金具からなる複数の取付部材27が取り付けられている。この取付部材27は、方立部材21の縦方向(垂直方向)及び横方向に並ぶように配置される。この取付部材27は、突条部25の近傍に配置されており、第1カバー部材31の横方向への移動を規制する第1規制部及び下方向への移動を規制する第2規制部として機能する。
【0020】
各取付部材27は、略長方形状をしており、上部角には切欠いた傾斜面27bを設けている。更に、取付部材27は、下部には横方向に突出した突出部27aを有している。この突出部27aの横方向の長さは、後述する第2カバー部材32及び第3カバー部材33の突条部32b,33bの幅とほぼ同じ(或いは少し長い)サイズとなっている。各取付部材27は、突出部27aの先端が突条部25の側面に接触するように配置されている。
【0021】
各取付部材26,27は、中心位置をボルト28によって固定されている。なお、この取付部材26,27は、ボルト28と離間した位置で、ビス(図示しない)によって固定し、回転が規制される。
【0022】
次に、化粧カバー30の詳細について説明する。
図3に示すように、本実施形態の化粧カバー30は、上述のように、第1カバー部材31と、第2カバー部材32と、第3カバー部材33とから構成されている。ここでは、第2カバー部材32を第1パネル部材として機能させた場合、第3カバー部材33は、第2カバー部材32に対する第2パネル部材として機能する。各カバー部材(31,32,33)は、それぞれ略長方形状の板部材であり、長手方向が建物10の一階の高さと同じ長さで形成されている。最上階の化粧カバー30を除き、各カバー部材(31,32,33)の上端には、その上層階のカバー部材(31,32,33)の下端が接触して、カバー部材(31,32,33)が積み上げられる。
【0023】
図3に示すように、第1カバー部材31の長辺の一方の縁部には、突出した突条部31aが形成されている。
また、第1カバー部材31において、突条部31aの反対側の縁部には、突条部31aの突出側とは反対側が鋭角となるように板厚方向に斜めに切欠いた板厚傾斜面が形成されている。更に、第1カバー部材31は、平面断面がL字形状の突条部31b,31cを備える。これら突条部31b,31cは、方立部材21の突条部25に引っ掛けて第1カバー部材31を方立部材21に固定するための係合部である。突条部31bは、第1カバー部材31の長手方向の上端部から下端部まで延在している。一方、突条部31cは、この突条部31bよりも短く構成される。そして、複数の突条部31cが所定間隔をおいて、第1カバー部材31の長手方向に一列に並んでいる。更に、この突条部31cの中で、少なくとも1つの突条部31cは、その最下端部が、方立部材21の取付部材26の上面に当接するように形成されている。
【0024】
第2カバー部材32及び第3カバー部材33は、同じ構成を備えている。このため、第2カバー部材32について説明し、第3カバー部材33については、第2カバー部材32と同様な符号を付し、その説明は省略する。
【0025】
第2カバー部材32は、断面が矩形の突条部32aと、断面がL字形状の複数の突条部32bとを備える。突条部32aは、板厚傾斜面の縁部において、突出して形成されており、第2カバー部材32と方立部材21との間隔を保持するために設けられている。突条部32bは、方立部材21の突条部25に掛止させて第2カバー部材32を方立部材21に固定するための係合部である。突条部32aは、第2カバー部材32の長手方向の上端部から下端部まで延在している。突条部32bはこの突条部32aよりも短く構成される。そして、複数の突条部32bが、所定間隔をおいて、第2カバー部材32の長手方向に一列に並んでいる。更に、この突条部32bの中で、少なくとも1つの突条部32bは、その最下端部が、方立部材21の取付部材27の上面に当接するように形成されている。また、突条部32a側の第2カバー部材32の縁部には、突条部32aの突出側とは反対側が鋭角となるように板厚方向に斜めに切欠いた板厚傾斜面が形成されている。
【0026】
次に、上述した仕上部材20の化粧カバー30の取付方法について説明する。
まず、建物10の躯体に、取付部材26,27がネジ止めされた方立部材21を取り付ける。
【0027】
次に、化粧カバー30を方立部材21に取り付ける。この場合、第1カバー部材31、第2カバー部材32、第3カバー部材33の順番に取り付け、1階分の化粧カバー30を取り付けた後には、同じ順番で、その上層階の化粧カバー30を取り付ける。
【0028】
具体的には、まず、第1カバー部材31の突条部31cの下方に取付部材26が位置するように、第1カバー部材31を方立部材21に対して少し上方に持ち上げる。次に、第1カバー部材31の突条部31aを方立部材21の端部に引っ掛けるように、第1カバー部材31を、ガラス部材13側とは反対側に移動させる。このとき、第1カバー部材31の突条部31b,31cを、方立部材21の突条部25に引っ掛ける。そして、第1カバー部材31を下方に移動させて、第1カバー部材31の突条部31cを方立部材21の取付部材26の上面に当接させる。
【0029】
次に、第2カバー部材32の突条部32bの下方に取付部材27が位置するように、第2カバー部材32を方立部材21に対して少し上方に持ち上げる。このとき、第2カバー部材32の突条部32bを方立部材21の突条部25に引っ掛かる。そして、第2カバー部材32を下方に移動させる。このとき、第2カバー部材32の突条部32bの下端部は、取付部材27の傾斜面27b上をスライドして、取付部材27の突出部27aの上端部に接触する。この場合、第2カバー部材32の突条部32bは、取付部材27によって下方向及び第3カバー部材33側への移動が規制される。更に、第2カバー部材32の突条部32bの下端部が取付部材27の突出部27aの上端部に接触したときには、第2カバー部材32の板厚傾斜面が、第1カバー部材31の板厚傾斜面と整合する。
【0030】
次に、第3カバー部材33を、第2カバー部材32と同様に取り付ける。この場合、第2カバー部材32は、第3カバー部材33によって第3カバー部材33側への移動が規制されることにより、固定される。以上により、化粧カバー30が方立部材21に取り付けられる。その後、取り付けられた化粧カバー30の上層階の化粧カバー30が取り付けられた場合、下層階の化粧カバー30は、上層階の化粧カバー30によって固定される。
【0031】
また、化粧カバー30を取り外す場合には、上述した取付方法と逆に、上層階の化粧カバー30から順に取り外す。この場合、同じ階の化粧カバー30を取り外す場合には、第3カバー部材33、第2カバー部材32及び第1カバー部材31の順番で、各カバー部材(31,32,33)を取り外す。
【0032】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の仕上部材20は、建物10に取り付けられた方立部材21と、建物10の外観を構成する化粧カバー30とを備えている。方立部材21の外周部には、複数の突条部25が形成され、化粧カバー30を構成する各カバー部材(31,32,33)には、突条部25に掛止する突条部31c,32b,33bが設けられている。方立部材21の突条部25と、各カバー部材(31,32,33)の突条部31c,32b,33bとの係合又は脱離により、化粧カバー30を方立部材21に容易に装着又は離脱することができる。従って、外観を構成する化粧カバー30の脱着を容易に行なうことができるので、外周面に様々な装飾を行なった化粧カバー30に適宜交換することにより、建物10の外観を容易に変更することができる。また、化粧カバー30の一部が壊れた場合にも、容易に交換できるので、メンテナンス性を向上させることができる。
【0033】
(2)本実施形態の仕上部材20の化粧カバー30は、複数のカバー部材(31,32,33)から構成されている。第1カバー部材31が方立部材21に装着された後、第2カバー部材32が方立部材21に装着され、第3カバー部材33が装着される。この場合、第3カバー部材33は第2カバー部材32に当接して、第3カバー部材33が第2カバー部材32の、脱離する方向への移動を規制する。従って、簡単な構成で、強固に化粧カバー30を方立部材に固定することができる。
【0034】
(3)本実施形態の仕上部材20の方立部材21の外周部には、突条部25に当接させた突出部27aを備えた取付部材27が取り付けられている。方立部材21の突条部25に掛止される第2及び第3カバー部材32,33の突条部32b,33bは、取付部材27によって、突条部25の反対側の横方向への移動及び下方への移動を規制する。従って、第2及び第3カバー部材32,33を、方立部材21に固定することができる。
【0035】
(4)本実施形態の取付部材27の突出部27a側の上部には、角を切欠いた傾斜面27bが形成されている。第2カバー部材32の突条部32bを方立部材21の突条部25に引っ掛けるために、第2カバー部材32を第1カバー部材31側に移動させた場合、第2カバー部材32の突条部32bの下端部は、取付部材27の傾斜面27b上をスライドして、取付部材27の突出部27aの上端部に接触する。このため、第2カバー部材32の突条部32bの下端部は、傾斜面27bにガイドされて突出部27aの上端部に位置するので、第2カバー部材32を方立部材21に円滑に取り付けることができる。
【0036】
(5)本実施形態の仕上部材20の化粧カバー30は、この上層階の化粧カバー30が装着された場合、上層階の化粧カバー30が下層階の化粧カバー30の、上方向への移動を規制する。このため、複雑な構成を設けることなく、化粧カバー30を方立部材21に固定することができる。
【0037】
また、上記各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の仕上部材20の化粧カバー30は、第1カバー部材31に対して第2カバー部材32及び第3カバー部材33が直角となるようなL字形状をしている。化粧カバー30を構成する部材の数や形状はこれに限定されない。例えば、L字形状をした1つの部材から化粧カバー30を構成してもよいし、更に、複数のパーツによって化粧カバー30を構成してもよい。
【0038】
・上記実施形態の化粧カバー30は、建物10の凸部11を構成する仕上部材20の外周に設けた。仕上部材20は、建物10において凸部11を構成する箇所に限定されず、例えば、建物10を構成する方立部材21と、これに取り付けられる化粧カバー30とを有した建物の部分であれば適用可能である。
【0039】
・上記実施形態の各カバー部材(31,32,33)のL字形状の突条部31b,32b,33bを、方立部材21のL字形状の突条部25に掛止させることにより、各カバー部材(31,32,33)を方立部材21に固定した。カバー部材(31,32,33)を方立部材21に装着する方法は、各カバー部材(31,32,33)の突条部31b,32b,33bを、方立部材21の突条部25に掛止させることに限らず、例えば、ネジ止め等によって固定してもよい。
【符号の説明】
【0040】
10…建物、20…仕上部材、21…方立部材、25…係止部としての突条部、26,27…取付部材、27a…突出部、27b…傾斜面、28…ボルト、30…化粧カバー、31…第1カバー部材、31a…突条部、31b,32a,33a…突条部、31c,32b,33b…係合部としての突条部、32…第2カバー部材、33…第3カバー部材。
図1
図2
図3
図4