特許第6264062号(P6264062)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ノーリツの特許一覧

<>
  • 特許6264062-リモコン 図000002
  • 特許6264062-リモコン 図000003
  • 特許6264062-リモコン 図000004
  • 特許6264062-リモコン 図000005
  • 特許6264062-リモコン 図000006
  • 特許6264062-リモコン 図000007
  • 特許6264062-リモコン 図000008
  • 特許6264062-リモコン 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6264062
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】リモコン
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/00 20060101AFI20180115BHJP
   H01H 9/04 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   F24H1/00 602W
   H01H9/04 C
   F24H1/00 H
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-12848(P2014-12848)
(22)【出願日】2014年1月27日
(65)【公開番号】特開2015-140945(P2015-140945A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2016年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100107445
【弁理士】
【氏名又は名称】小根田 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100107593
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 太郎
(72)【発明者】
【氏名】福島 慶彦
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−3030(JP,A)
【文献】 特開平10−164675(JP,A)
【文献】 特開2011−250326(JP,A)
【文献】 実開昭55−11059(JP,U)
【文献】 特開2008−246134(JP,A)
【文献】 実開昭59−195778(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
H01H 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御用の基板を内蔵する筐体が取付部材を介して設置対象の壁面に取り付けられるように構成されたリモコンにおいて、
前記筐体の後面には接続線を導入するために後方に向けて開口する開口部と、後方側に開放された状態で前記開口部の下端縁から下方に延びる凹溝とが形成され、
前記凹溝は、前記筐体の後面が前記取付部材の前面に密着した状態で取り付けられることにより、前記凹溝の後方側が遮蔽されてトンネル状の排水流路が区画形成されるように構成されている、
ことを特徴とするリモコン。
【請求項2】
請求項1に記載のリモコンであって、
前記凹溝の下端は、前記密着した状態で取り付けられた取付部材の下端縁よりも下方位置まで延びるように形成されている、リモコン。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のリモコンであって、
前記筐体の後面には、前記開口部の下端縁において上方と後方とに向けて開放された状態で左右方向に延びる他の凹溝が形成され、かつ、前記他の凹溝は前記下方に延びる凹溝と連通されており、
前記他の凹溝は、前記筐体の後面が前記取付部材の前面に密着した状態で取り付けられることにより、前記他の凹溝の後方側が遮蔽される一方、上方側が前記開口部と連通して、前記開口部の下端縁に滞留することになる水を受水するための受水部が区画形成されるように構成されている、リモコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコンに関し、特にその背面側が壁面に対し取り付けられる壁面設置タイプのリモコンにおいて、リモコンの背面側に結露がたとえ生じたとしても、リモコン内部に不都合を生じさせる可能性を排除するための技術に係る。
【背景技術】
【0002】
リモコンの内部には、通常、制御用の基板が内蔵されている。この基板が水没したり水に濡れたりしてしまうと故障を招くおそれがあるため、たとえ水の浸入があったとしても、その水がリモコン内部に溜まらないように対策されている。例えば、特許文献1(同文献の図1図3参照)では、筐体背面の環状突出部の内側に筐体内部に通じる貫通孔が形成され、環状突出部を囲むように排水溝を形成した浴室設置型のリモコンを対象にして、その環状の排水溝の内側位置において左右方向に延びる第2の排水溝を形成することが提案されている。又、特許文献2(同文献の図2図3参照)の浴室設置型のリモコンでは、筐体背面の四隅に凸部を形成することで壁面に設置した際に壁面と筐体背面との間に隙間を形成する一方、下部の凸部の内側位置に筐体内部と連通する開口と、筐体底面に内部と連通する開口とを形成することにより、前記隙間に充填剤を注入しても開口が閉塞され難くし、隙間に入った水を凸部内側の開口から筐体内部に導き底面の開口を通して外部に排水し得るようにすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4673139号公報
【特許文献2】特許第4894007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、浴室内等に設置されるリモコンの場合には設置環境の性質上、防水対策(例えばシールパッキン等)が施される一方、前記の如き排水対策が施されるのが一般的である。その一方、台所内や居室内等に設置されるリモコン(以下、「台所設置型のリモコン」という)の場合にはシールパッキン等の特別な防水対策等は採られてはいないのが通常であるものの、台所設置型のリモコンの場合であっても、水滴等が溜まることで故障等の不都合を招くおそれが考えられる。すなわち、リモコンが設置される室内環境温度と、設置壁面を通してリモコンの筐体背面に伝わる外部環境温度との温度差が大きいと筐体背面に結露が生じるおそれがある。筐体背面には給湯器等との間での通信線を引き込んで接続するための開口部が形成されているため、この開口部の縁に結露水が溜まり筐体内部の基板に影響を及ぼすおそれが考えられる。特に、通信線がリモコンの設置対象壁面に形成された貫通孔を通して配線されている場合には、その貫通孔を通して外気が筐体背面側に伝わるため、前記の結露水の発生による不都合発生の懸念も増大することになる。さらに、台所設置型のリモコンでは、設置対象壁面に取付部材を先ず固定し、この取付部材に対しリモコン本体を結合させるというタイプの場合、取付部材に外気が及んで結露発生のおそれが高まることが予想される。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、結露水等による悪影響の発生を回避し得るリモコンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、制御用の基板を内蔵する筐体が取付部材を介して設置対象の壁面に取り付けられるように構成されたリモコンを対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記筐体の後面に、接続線を導入するために後方に向けて開口する開口部と、後方側に開放された状態で前記開口部の下端縁から下方に延びる凹溝とを形成する。そして、前記凹溝として、前記筐体の後面が前記取付部材の前面に密着した状態で取り付けられることにより、前記凹溝の後方側が遮蔽されてトンネル状の排水流路が区画形成される構成とする(請求項1)。
【0007】
本発明の場合、取付部材が設置対象の壁面を通して例えば冬期の外気や他の部屋の冷気の影響を受けて冷却される一方、筐体の側は設置空間である台所等の暖気により暖められることに起因して、取付部材と筐体との間で結露が生じ、これにより、たとえ筐体の開口部の下端縁に結露水が集まって水滴が形成されて滞留するようになったとしても、その水滴は排水流路を通して導かれ排出されることになる。このため、結露水等に起因する基板等への悪影響又は故障等の発生を回避することが可能となる。
【0008】
又、本発明のリモコンにおいて、前記凹溝の下端を、前記密着した状態で取り付けられた取付部材の下端縁よりも下方位置まで延びるように形成することができる(請求項2)。このようにすることにより、取付部材の下端縁より下側位置で凹溝の下端が露出することになるため、その下端が排水口となって、排水流路を通して導かれた水が確実に排出されることになる。
【0009】
さらに、本発明のリモコンにおいて、前記筐体の後面に、前記開口部の下端縁において上方と後方とに向けて開放された状態で左右方向に延びる他の凹溝を形成し、かつ、前記他の凹溝を前記下方に延びる凹溝と連通させることができる。そして、前記他の凹溝として、前記筐体の後面が前記取付部材の前面に密着した状態で取り付けられることにより、前記他の凹溝の後方側が遮蔽される一方、上方側が前記開口部と連通して、前記開口部の下端縁に滞留することになる水を受水するための受水部が区画形成される構成とすることができる(請求項3)。このようにすることにより、取付部材と筐体との間で結露が生じて筐体の開口部の下端縁に結露水が滞留するようになったとしても、その滞留水が受水部により受水され、次いで、下方に延びる凹溝により構成される排水流路を通して排出されることになる。このため、結露水がかなり多く滞留してしまい、それがあふれて筐体内部の側に侵入するような事態の発生のおそれを、回避し得ることになる。
【発明の効果】
【0010】
以上、説明したように、本発明のリモコンによれば、取付部材が設置対象の壁面を通して例えば冬期の外気や他の部屋の冷気の影響を受けて冷却される一方、筐体の側は設置空間である台所等の暖気により暖められることに起因して、取付部材と筐体との間で結露が生じ、これにより、たとえ筐体の開口部の下端縁に結露水が集まって水滴が形成されて滞留するようになったとしても、その水滴を、排水流路を通して導いて排出させることができる。このため、結露水等に起因する基板等への悪影響又は故障等の発生を確実かつ有効に回避することができるようになる。
【0011】
又、請求項2のリモコンによれば、凹溝の下端を、密着した状態で取り付けられた取付部材の下端縁よりも下方位置まで延びるように形成することにより、取付部材の下端縁より下側位置で凹溝の下端が露出するため、これが排水口となって、排水流路を通して導かれた水を確実に排出させることができるようになる。
【0012】
さらに、請求項3のリモコンによれば、筐体の後面に、開口部の下端縁において上方と後方とに向けて開放された状態で左右方向に延びる他の凹溝を形成し、かつ、前記他の凹溝を前記下方に延びる凹溝と連通させ、そして、前記他の凹溝として、筐体の後面が取付部材の前面に密着した状態で取り付けられることにより、前記他の凹溝の後方側が遮蔽される一方、上方側が前記開口部と連通し、その開口部の下端縁に滞留することになる水を受水するための受水部が区画形成される構成とすることにより、次の効果が得られる。すなわち、取付部材と筐体との間で結露が生じて筐体の開口部の下端縁に結露水が滞留するようになったとしても、その滞留水を受水部により受水することができ、次いで、下方に延びる凹溝により構成される排水流路を通して排出させることができるようになる。このため、結露水がかなり多く滞留し、それがあふれることで筐体内部の側に侵入するような事態の発生のおそれを、確実に回避することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るリモコンの取付部材への取り付け前における全体斜視図である。
図2図1のリモコンの筐体を背面側から見た状態で示す図1対応図である。
図3図2のリモコンの筐体の拡大斜視図である。
図4図4(a)は図3のA部拡大図であり、図4(b)は図3のB部拡大図である。
図5】取り付け状態のリモコンを、設置壁面等を省略した状態で背面側から見た図3対応図である。
図6図5のC−C線における断面説明図である。
図7図6のD部拡大図であって、図7(a)は筐体を取付部材に結合させるための第1手順を示し、図7(b)はその第2手順を示し、図7(c)は結合を完了させた取付状態を示す。
図8図5のE−E線において破断して斜視図状態で示す断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るリモコン1を示すものであり、このリモコン1は筐体2と、筐体2を壁面に設置するための取付部材3とから構成されている。このリモコンは、例えば給湯装置を遠隔操作するために台所や居室等に設置されて用いられる他、給湯装置以外の装置を遠隔操作するためにも用いることができる。リモコン1は、筐体2の内部に制御用の基板やLCD等の表示部が収容されて構成されている。筐体2の前面には、上半部に表示窓21や操作用のボタン22が設けられ、下半部には軸X回りに回転することにより開閉する開閉蓋23が設けられ、開閉蓋23を開けることにより各種の詳細設定用のボタンが露出するようになっている。筐体2は例えば合成樹脂成形により形成することができ、例えば後面ケースと前面ケースとを組み合わせて構成することができる。又、取付部材3は金属板材を用いてプレス加工により形成することができる他、合成樹脂成形により形成することもできる。本実施形態のリモコンは、図1図3に図示した状態の姿勢で設置対象の壁面に取り付けられて使用されるようになっている。以下、上下、左右、前後という用語は、壁面に取り付けられた状態の姿勢について用いる。なお、図2を除き他の図においては、取付部材3を壁面へ固定するためのネジ等の固定手段の図示を省略している。
【0016】
筐体2の後面(背面)24には、略四隅位置に後述の係止爪35と互いに係合して筐体2を取付部材3に密着状態で結合させるためのスリット状の係合孔25,25,…が形成されている。又、筐体2の後面24には、図3に示すように、接続線である通信線等を配線・収容するための凹み部26が形成され、この凹み部26には、所定位置において基板Kとの接続端子27,27等を後面に露出した状態で配設するための開口部261が形成されている。又、図例では、開口部261が凹み部26の一側位置に形成され、それよりも上位の他側位置にも他の用途の接続のために基板を露出状態にするための開口部262が形成されている。そして、特に基板が露出することになる開口部261,262には排水対策用の凹溝28,29が形成されている。凹溝28は、図4に詳細を示すように、前記開口部261の下側の開口縁において上方と後方とに開放された状態で左右方向に延びて受水部となる第1凹溝281と、この第1凹溝281と一端で連通し後方に開放された状態で下向きに延びる第2凹溝282とを備えて構成されている。又、凹溝29も、開口部26の他側部262の下側の開口縁において上方と後方とに開放された状態で左右方向に延びて受水部となる第1凹溝291と、この第1凹溝291と一端で連通し後方に開放した状態で下向きに延びる第2凹溝292とを備えて構成されている。前記の各第1凹溝281,291は、その底面となる上向き面が第2凹溝282,292との連通部に向けて下り勾配となる傾斜路に構成されている。そして、各第2凹溝282,292はその下端283,293が後述の如く結合された状態の取付部材3の下端縁よりも下側位置まで延ばされている。
【0017】
なお、前記凹み部26には筐体2の下面位置まで下向きに延びるやや太めの凹溝263が連続して形成されており、後述の通信線を筐体2の下側から導く場合には、この凹溝263を通して配線し得るようになっている。又、図3図4において符号241,241,…は、取付部材2の後述の固定用ネジ33(図2参照)の頭部を収容するための凹部であって、取付部材2と筐体2との密着の妨げにならないようするための凹部である。
【0018】
取付部材3(図1図2参照)は、板状に形成され、内側寄り位置に前後を貫通する開口部(図例では複数の開口部31,32)が形成され、所定の各位置に壁面固定用の例えばネジ33(図2のみに示す)を装入するための取付孔(図例では複数個の取付孔34,34,…)が形成される他、所定位置(図例では略四隅位置)に係止爪(図例では複数個の係止爪35,35,…)が形成されている。各係止爪35(図2参照)は前面側に僅かに突出した後に上向きに突出するように略Lの字状のものに形成されている。この係止爪35と、係合孔25とによって、取付部材3の前面36に対し筐体2の後面24を密着状態にして、取付部材3と筐体2とを互いに結合させるための結合手段が構成されている(図5も併せて参照)。取付部材3はネジ33(図2参照)等の固定手段によって設置対象の壁面W(図6参照)に取り付け・固定され、その開口部31には壁面Wに貫通された貫通孔Whが臨むようになっている(図1図2も併せて参照)。この貫通孔Whを通して、給湯器やホームオートメーション等との間で通信するための通信線(図示省略)が配線され、それらの先端が開口部31から露出された状態になっている。そして、取付部材3に対し筐体2を取り付ける前に、前記通信線の先端を開口部31から前方に引き出して筐体2の接続端子27等に接続し、その上で、筐体2を取付部材3に対し結合させて取り付ける。
【0019】
筐体2と取付部材3との結合は次のようにして行われる。まず、筐体2(図6参照)の後面24を取付部材3の前面36に相対向させ、取付部材3の係止爪35,35,…に対しこれら係止爪35,35,…が筐体2の係合孔25,25,…内に入り込むように被せる(図7(a),(b)参照)。次に、筐体2を下方に押圧気味にずらすことで、係止爪35の上向き突出部分が係止壁部251に対し密に接合して係止される(図7(c),図6の実線参照)。これにより、筐体2が取付部材3に対し密着状態となって結合され、筐体2が前後方向及び上下方向の位置ずれが阻止された状態に支持されるようになっている。例えば、係止爪35と取付部材3の前面36との間の隙間の間隔を、筐体2の後面と係止壁部251との間の壁厚と同じか僅かに狭く設定しておくことで、前記の密着状態を実現させることができる。
【0020】
以上の如く筐体2が取付部材3に対し密着状態に接合されて結合されると、図5図8に示すように、凹溝28,29が取付部材3の前面36により蓋をされて閉じられた状態となり、これにより、排水流路41,42が区画形成されることになる。すなわち、凹溝28においては、第1凹溝281の後方側の開放面が取付部材3の前面36により閉じられて、これにより、基板Kが露出する開口部261に連通するよう上方側に開放された受水部411が区画形成される一方、第2凹溝282の後方側の開放面が同様に取付部材3の前面36により閉じられて、これにより、受水部411に連通する排水トンネル412が区画形成されることになる。そして、この排水トンネル412を構成する第2凹溝282の下端283が取付部材3の下端縁よりも下位置で開口することにより、その下端縁283が排水口413を構成することになる。以上の受水部411,排水トンネル412及び排水口413によって、排水流路41が形成されることになる。同様に、凹溝29においては、第1凹溝291の後方側の開放面が取付部材3の前面36により閉じられて、これにより、基板Kが露出する開口部262に連通するよう上方側に開放された受水部421が区画形成される一方、第2凹溝292の後方側の開放面が取付部材3の前面36により閉じられて、これにより、受水部421に連通する排水トンネル422が区画形成されることになる。そして、この排水トンネル422を構成する第2凹溝292の下端293が取付部材3の下端縁よりも下位置で開口することにより、その下端縁293が排水口423を構成することになる。以上の受水部421,排水トンネル422及び排水口423によって、排水流路42が形成されることになる。
【0021】
以上のリモコン1の場合、壁面Wに固定された取付部材3に対し筐体2が密着状態で取り付けられて使用に供された場合、取付部材3が貫通孔Whを通して例えば冬期の外気や他の部屋の冷気に触れて冷却される一方、筐体2の側は台所等の暖気により暖められることに起因して、取付部材3と筐体2との間で結露が生じ、これにより、取付部材3側の開口部31,32の開口縁や筐体2側の開口部261,262の開口縁や下端部に結露水が集まって水滴が形成されて滞留するようになったとしても、その水滴は受水部411,421内に受水され、その底面に下り勾配に従って排水トンネル412,422に導かれて排水トンネル412,422を通して落下し、排水口413,423から壁面Wの側に排出されることになる。このため、結露水等に起因する基板K等への悪影響又は故障等の発生を回避することができるようになる。なお、下側からの通信線の収容・配線のための凹溝263(図5参照)も取付部材3の前面36により後方側の開放面が遮蔽されるため、これを排水流路43として利用することもできる。
【0022】
<他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、排水流路41,42として2つのものを示したが、1つだけでも、あるいは、3つ以上形成することもできる。又、排水流路41,42として、受水路411,421を備えたものを示したが、受水路411,421は必須ではなくて、排水流路としては排水トンネル412,422及び排水口413,423を備えていればよい。又、第2凹溝282,292の下端を前記実施形態のように取付部材3の下端縁の少し下の位置で止めずに、筐体2の下面を突き抜けるように延ばしてもよい。前記実施形態では、凹溝281,282,291,292の近傍の後面24を平らな平面とし、相対向する部分の取付部材3の前面36を平らな平面としているが、これに限らず、互いに密着するように形成されていればよく、凹凸が存在してもよい。さらに、前記実施形態では取付部材3に対し筐体2を密着状態で結合させるための結合手段として係止爪35と係合孔25との組み合わせからなる着脱可能な係合手段を示したが、これに限らず、他の係合手段や嵌合手段あるいはネジ手段等を採用することができる。
【符号の説明】
【0023】
1 リモコン
2 筐体
3 取付部材
41,42 排水流路
261,262 開口部
281,291 第1凹溝(他の凹溝)
282,292 第2凹溝(下方に延びる凹溝)
283,293 凹溝の下端
411,421 受水部
K 基板
W 設置対象の壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8