特許第6264077号(P6264077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6264077
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】リバウンドストッパ
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/58 20060101AFI20180115BHJP
   F16F 7/00 20060101ALI20180115BHJP
   F16F 1/44 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   F16F9/58 A
   F16F7/00 B
   F16F1/44
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-26597(P2014-26597)
(22)【出願日】2014年2月14日
(65)【公開番号】特開2015-152094(P2015-152094A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2017年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信
(74)【代理人】
【識別番号】100106622
【弁理士】
【氏名又は名称】和久田 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100131532
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 浩一郎
(72)【発明者】
【氏名】岡田 直人
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/108332(WO,A1)
【文献】 特開2012−167705(JP,A)
【文献】 特開2013−155840(JP,A)
【文献】 特開2002−039252(JP,A)
【文献】 特開2006−200558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 9/58
F16F 1/44
F16F 7/00
F16F 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ内で往復移動可能に設けられたロッドの外周に装着されると共に、一端側が前記ロッドに設けられたリバウンドシートに対向し、かつ他端側が前記シリンダの内周に設けられた被衝突部材に対向するように配置され、
前記リバウンドシートが前記被衝突部材に向かう方向に前記ロッドが移動することにより、前記他端側が前記被衝突部材に衝突して、前記リバウンドシートと被衝突部材によって圧縮されることにより衝撃を吸収する、略円筒状のウレタン製のリバウンドストッパにおいて、
前記リバウンドシートに対向する端部には、周方向に間隔を空けて複数の突起部が設けられており、かつ、これら複数の突起部の先端の外周面側と内周面側にはそれぞれ傾斜面が設けられると共に、
前記リバウンドシートと被衝突部材によって圧縮される際に、複数の前記突起部が径方向外側よりも内側に向かって変形し易くならしめるように、各突起部においては、先端面に対する外周面側の傾斜面の傾斜角度が20°以上50°以下となるように設定され、かつ先端面に対する内周面側の傾斜面の傾斜角度は外周面側の傾斜角度よりも20°以上大きく設定されることを特徴とするリバウンドストッパ。
【請求項2】
両端部に前記突起部が複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のリバウンドストッパ。
【請求項3】
前記突起部の先端面の径方向の幅をaとし、円筒状のリバウンドストッパ本体部の径方向の厚みをbとした場合に、aが0.3×b以上0.8×b以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のリバウンドストッパ。
【請求項4】
前記突起部の先端面を含む平面と、円筒状のリバウンドストッパ本体部の外周面を含む円柱面と、前記突起部の外周面側の傾斜面を含むテーパ面とによって囲まれる環状空間を、前記リバウンドストッパ本体部の中心軸線を含む面で切断した断面の断面積をS1とし、
前記突起部の先端面を含む平面と、円筒状のリバウンドストッパ本体部の内周面を含む円柱面と、前記突起部の内周面側の傾斜面を含むテーパ面とによって囲まれる環状空間を、前記リバウンドストッパ本体部の中心軸線を含む面で切断した断面の断面積をS2とした場合に、
S1が0.5×S2以上0.9×S2以下であることを特徴とする請求項1,2または3に記載のリバウンドストッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のサスペンションに設けられるリバウンドストッパに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のサスペンションにはショックアブソーバが設けられている。そして、このショックアブソーバには、車体が宙に浮いた際の衝撃を吸収するためにリバウンドストッパが設けられている。かかるリバウンドストッパとして、ウレタン製の略円筒状のものが知られている(特許文献1参照)。このような従来例に係るリバウンドストッパについて、図8を参照して説明する。図8は従来例に係るリバウンドストッパの斜視図である。
【0003】
リバウンドストッパ500は、円筒状の本体部510の両端に、それぞれ複数の突起部520,530が設けられている。このリバウンドストッパ500は、リバウンドシートとロッドガイドとの間に挟み込まれるように、ロッドに対して装着される。そして、ショックアブソーバが一定以上伸びると、リバウンドストッパ500は、リバウンドシートとロッドガイドとにより挟み込まれて圧縮され、衝撃を吸収する。この従来例においては、複数の突起部520,530が設けられることにより、リバウンドストッパ500が衝撃を受けた際に発生する音を効果的に低減させることができる。
【0004】
しかしながら、この従来例に係るリバウンドストッパ500においては、特に、リバウンドシート側において、突起部520に亀裂が生じたり、突起部520が破損したりしてしまうことがあった。この原因について、図9及び図10を参照して説明する。図9は従来例に係るリバウンドストッパの突起部の拡大断面図である。図10は従来例に係るリバウンドストッパの突起部の挙動を示す図である。
【0005】
突起部520の先端には、外周面側と内周面側にそれぞれ面取りが設けられている。つまり、突起部520の先端の外周面側と内周面側には、それぞれ傾斜面521,522が設けられている。そして、突起部520の先端面と外周面側の傾斜面521との傾斜角度α0と、突起部520の先端面と内周面側の傾斜面522との傾斜角度α0は、同一の角度に設定されている。なお、図9では、図8中下側の突起部520についてのみ図示しているが、図8中上側の突起部530の構成も同様である。
【0006】
そして、リバウンドストッパ500が、リバウンドシートとロッドガイドとにより挟み込まれるように衝撃を受けると、突起部520,530の先端はいずれも変形する。このとき、突起部520,530は、径方向外側に向かって拡がるように変形する場合がある。ここで、ロッド200に設けられたリバウンドシート210と、ロッド200が挿通されるシリンダ300との間には微小な隙間が形成されている。そのため、突起部520の先端が径方向外側に向かって拡がるように変形した場合に、突起部520の先端の一部が上記の微小な隙間に噛みこまれてしまい、亀裂や破損が生じているものと考えられる(図10参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−39252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、亀裂や破損が生じてしまうことを抑制可能とするリバウンドストッパ
を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0010】
すなわち、本発明のリバウンドストッパは、
シリンダ内で往復移動可能に設けられたロッドの外周に装着されると共に、一端側が前記ロッドに設けられたリバウンドシートに対向し、かつ他端側が前記シリンダの内周に設けられた被衝突部材に対向するように配置され、
前記リバウンドシートが前記被衝突部材に向かう方向に前記ロッドが移動することにより、前記他端側が前記被衝突部材に衝突して、前記リバウンドシートと被衝突部材によって圧縮されることにより衝撃を吸収する、略円筒状のウレタン製のリバウンドストッパにおいて、
前記リバウンドシートに対向する端部には、周方向に間隔を空けて複数の突起部が設けられており、かつ、これら複数の突起部の先端の外周面側と内周面側にはそれぞれ傾斜面が設けられると共に、
前記リバウンドシートと被衝突部材によって圧縮される際に、複数の前記突起部が径方向外側よりも内側に向かって変形し易くならしめるように、各突起部においては、先端面に対する外周面側の傾斜面の傾斜角度が20°以上50°以下となるように設定され、かつ先端面に対する内周面側の傾斜面の傾斜角度は外周面側の傾斜角度よりも20°以上大きく設定されることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、複数の突起部の先端の外周面側と内周面側にそれぞれ設けられた傾斜面の傾斜角度を上記のように設定することで、突起部が径方向外側に向かって変形することが抑制される。これにより、突起部の先端が、リバウンドシートとシリンダとの間の隙間に噛みこまれてしまうことを抑制できる。従って、突起部に亀裂や破損が生じてしまうことを抑制することができる。
【0012】
両端部に前記突起部が複数設けられているとよい。
【0013】
これにより、リバウンドストッパをロッドに装着する際に、装着方向を気にする必要がない。言い換えれば、リバウンドストッパをどちら向きに装着しても、リバウンドシートと対向する側に、上記のように構成された複数の突起部が存在することになる。また、リバウンドストッパの両側に複数の突起部が設けられているため、リバウンドシートと被衝突部材によって圧縮される際に衝撃を十分に吸収することができる。
【0014】
前記突起部の先端面の径方向の幅をaとし、円筒状のリバウンドストッパ本体部の径方向の厚みをbとした場合に、aが0.3×b以上0.8×b以下であるとよい。
【0015】
また、 前記突起部の先端面を含む平面と、円筒状のリバウンドストッパ本体部の外周面を含む円柱面と、前記突起部の外周面側の傾斜面を含むテーパ面とによって囲まれる環状空間を、前記リバウンドストッパ本体部の中心軸線を含む面で切断した断面の断面積をS1とし、
前記突起部の先端面を含む平面と、円筒状のリバウンドストッパ本体部の内周面を含む円柱面と、前記突起部の内周面側の傾斜面を含むテーパ面とによって囲まれる環状空間を、前記リバウンドストッパ本体部の中心軸線を含む面で切断した断面の断面積をS2とした場合に、
S1が0.5×S2以上0.9×S2以下であるとよい。
【0016】
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、亀裂や破損が生じてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は本発明の実施例に係るリバウンドストッパの斜視図である。
図2図2は本発明の実施例に係るリバウンドストッパの平面図である。
図3図3は本発明の実施例に係るリバウンドストッパの断面図である。
図4図4は本発明の実施例に係るリバウンドストッパの突起部の拡大断面図である。
図5図5は本発明の実施例に係るリバウンドストッパの使用時の状態を示す断面図の一部である。
図6図6は本発明の実施例に係るリバウンドストッパの突起部の挙動を示す図である。
図7図7は本発明の変形例に係るリバウンドストッパの斜視図である。
図8図8は従来例に係るリバウンドストッパの斜視図である。
図9図9は従来例に係るリバウンドストッパの突起部の拡大断面図である。
図10図10は従来例に係るリバウンドストッパの突起部の挙動を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0020】
(実施例)
図1図6を参照して、本発明の実施例に係るリバウンドストッパについて説明する。
【0021】
<リバウンドストッパの構成>
特に、図1図5を参照して、本発明の実施例に係るリバウンドストッパの構成について説明する。図1は本発明の実施例に係るリバウンドストッパの斜視図である。図2は本発明の実施例に係るリバウンドストッパの平面図である。なお、図2図1中リバウンドストッパを上方から見た図である。図3は本発明の実施例に係るリバウンドストッパの断面図である。なお、図3は、図2中のAA断面図である。図4は本発明の実施例に係るリバウンドストッパの突起部の拡大断面図である。図5は本発明の実施例に係るリバウンドストッパの使用時の状態を示す断面図の一部である。
【0022】
本実施例に係るリバウンドストッパ100は、自動車のサスペンションに備えられたショックアブソーバに設けられる。すなわち、図5に示すように、リバウンドストッパ100は、サスペンションを構成するシリンダ300内で往復移動可能に設けられたロッド(ピストンロッド)200の外周に装着される。また、リバウンドストッパ100は、その一端側がロッド200に設けられたリバウンドシート210に対向し、かつその他端側がシリンダ300の内周に設けられた被衝突部材としてのロッドガイド310に対向するように配置される。なお、ロッドガイド310は、ロッド200の軸受として機能する。
【0023】
通常状態においては、リバウンドストッパ100の一端側はリバウンドシート210に当接し、その他端側とロッドガイド310との間には隙間が空いた状態となっている。そして、車体が宙に浮いた状態になると、ロッド200が図5中上方向に移動する。つまり
、リバウンドシート210がロッドガイド310に向かう方向にロッド200が移動する。そして、ロッド200の移動量が一定値を超えると、リバウンドストッパ100の他端側がロッドガイド310に衝突する。これにより、リバウンドストッパ100は、リバウンドシート210とロッドガイド310によって圧縮され、衝撃を吸収する。
【0024】
リバウンドストッパ100の素材としては、比較的剛性が高く、耐久性に優れた材料であるウレタンが採用されている。また、リバウンドストッパ100は、略円筒状の部材により構成されており、その筒内にロッド200が挿通される。
【0025】
そして、リバウンドストッパ100は、円筒状のリバウンドストッパ本体部110と、その両端部にそれぞれ設けられる複数の突起部120,130とから構成される。なお、リバウンドストッパ本体部110の一端側に設けられる突起部120は、周方向に120°毎に間隔を空けて合計3か所に設けられている。また、リバウンドストッパ本体部110の他端側に設けられる突起部130も、周方向に120°毎に間隔を空けて合計3か所に設けられている。更に、軸線方向に見た場合には、一端側の突起部120と他端側の突起部130は周方向に60°ずれた位置に設けられている。
【0026】
次に、突起部120,130の構成について、より詳しく説明する。突起部120,130は、リバウンドストッパ100がリバウンドシート210とロッドガイド310によって圧縮される際に、径方向外側よりも内側に向かって変形し易くなるような構造となっている。より具体的な構造について、図4を参照して説明する。なお、突起部120と突起部130は同様の構成であるので、ここでは突起部120についてのみ説明する。
【0027】
各突起部120の先端の外周面側と内周面側にはそれぞれ面取りが設けられている。つまり、突起部120の先端の外周面側と内周面側には、それぞれ傾斜面121,122が設けられている。そして、突起部120の先端面に対する外周面側の傾斜面121の傾斜角度α1は、20°以上50°以下となるように設定されている。また、突起部120の先端面に対する内周面側の傾斜面122の傾斜角度α2は、外周面側の傾斜角度α1よりも20°以上大きく設定されている。
【0028】
<リバウンドストッパの動作説明>
特に、図5及び図6を参照して、本実施例に係るリバウンドストッパ100の動作について説明する。図6は本実施例に係るリバウンドストッパ100における突起部の挙動を示す図である。
【0029】
上記の通り、リバウンドシート210がロッドガイド310に向かう方向にロッド200が移動し、ロッド200の移動量が一定値を超えると、リバウンドストッパ100の他端側がロッドガイド310に衝突する。これにより、リバウンドストッパ100は、リバウンドシート210とロッドガイド310によって圧縮され、衝撃を吸収する。このとき、衝突音も抑制される。
【0030】
そして、リバウンドストッパ本体部110の両端部にそれぞれ設けられた複数の突起部120,130は、衝撃を受けることで変形する。このとき、各突起部120,130は、その先端の外周面側と内周面側にそれぞれ設けられている面取りが、上記のように構成されていることで、径方向内側に向かって変形し易い特性を有している。すなわち、図6に示すように、衝撃を受けると、突起部120は矢印X方向に向かって変形し易い。
【0031】
<本実施例に係るリバウンドストッパの優れた点>
以上説明したように、本実施例に係るリバウンドストッパ100によれば、複数の突起部120,130は、衝撃を受けた際に、径方向内側に向かって変形し易い特性を有して
いる。そのため、リバウンドストッパ100が、リバウンドシート210とロッドガイド310によって圧縮されるような衝撃を受けた際に、突起部120,130が径方向外側に向かって変形してしまうことが抑制される。そして、リバウンドシート210に対向する側の突起部120が径方向外側に向かって変形してしまうことが抑制されることから、突起部120の先端が、リバウンドシート210とシリンダ300との間の隙間に噛みこまれてしまうことを抑制できる。従って、突起部120に亀裂や破損が生じてしまうことを抑制することができる。
【0032】
また、本実施例に係るリバウンドストッパ100においては、その両端部にそれぞれ複数の突起部120,130が設けられている。
【0033】
これにより、リバウンドストッパ100をロッド200に装着する際に、装着方向を気にする必要がない。言い換えれば、リバウンドストッパ100をどちら向きに装着しても、リバウンドシート210と対向する側に、上記のように構成された複数の突起部120(130)が存在することになる。また、リバウンドストッパ100の両側に複数の突起部120,130が設けられているため、リバウンドシート210とロッドガイド310によって圧縮される際に衝撃を十分に吸収することができる。
【0034】
ここで、突起部120,130における外周面側の傾斜面の傾斜角度α1と、内周面側の傾斜面の傾斜角度α2を、上記のように設定したとしても、突起部120,130が衝撃を受けた際に、径方向外側よりも内側に向かって変形し易い特性を得ることができない場合もある。例えば、突起部120,130の内周面側の面取り部の方が、外周面側の面取り部よりも極端に大きいと、上記のような傾斜角度に設定しても、突起部120,130は径方向外側に向かって変形し易くなることが考えられる。この場合、先端面の幅が狭くなりすぎて耐久性にも問題が生じてしまうおそれがある。
【0035】
また、突起部120,130の外周面側と内周面側の面取り部が小さすぎると、突起部120,130の変形量(撓み量)が小さすぎて、衝撃を十分に吸収することができない。
【0036】
そこで、このような不具合が生じないようにするための好適な条件の例を、特に図4を参照して説明する。ここでは、突起部120について説明するが、突起部130についても同様であることは言うまでもない。
【0037】
突起部120の先端面の径方向の幅をaとし、円筒状のリバウンドストッパ本体部110の径方向の厚みをbとする。この場合に、aが0.3×b以上0.8×b以下であると好適である。
【0038】
また、突起部120の先端面を含む平面と、円筒状のリバウンドストッパ本体部110の外周面を含む円柱面と、突起部120の外周面側の傾斜面121を含むテーパ面とによって囲まれる環状空間を、リバウンドストッパ本体部110の中心軸線を含む面で切断した断面の断面積をS1とする。また、突起部120の先端面を含む平面と、円筒状のリバウンドストッパ本体部110の内周面を含む円柱面と、突起部120の内周面側の傾斜面122を含むテーパ面とによって囲まれる環状空間を、リバウンドストッパ本体部110の中心軸線を含む面で切断した断面の断面積をS2とする。この場合に、S1が0.5×S2以上0.9×S2以下であると好適である。
【0039】
これらの条件を満足させることで、突起部120,130が衝撃を受けた際に、径方向外側よりも内側に向かって変形し易い特性を、より確実に得ることができる。また、突起部120,130の変形量が小さすぎて、衝撃を十分に吸収することができないというこ
ともない。
【0040】
(変形例)
上述した実施例に係るリバウンドストッパ100の構成において、リバウンドストッパ本体部の外周面や内周面を蛇腹状にすることも可能である。図7は本発明の変形例に係るリバウンドストッパの斜視図である。図示のように、円筒状のリバウンドストッパ本体部110aの外周面を蛇腹状にすることもできる。このように、リバウンドストッパ本体部110aの外周面を蛇腹状にすることで、蛇腹状にしない場合に比べて、リバウンドストッパ本体部110aは圧縮され易くなる。なお、図7に示す例では、内周面は蛇腹状になっていないが、内周面についても蛇腹状にしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
100 リバウンドストッパ
110 リバウンドストッパ本体部
120,130 突起部
121,122 傾斜面
200 ロッド
210 リバウンドシート
300 シリンダ
310 ロッドガイド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10