(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば
、トーチライトを屋外の作業場で使用する場合に
、トーチライトによって照明される場所は様々である。
このため、トーチライトは様々な場所に様々な形態で設置される。例えば、トーチライトは床や机等に載置されて使用される場合もある
。一方
、トーチライトは作業者に携帯されて使用される場合もある。このように、
トーチライト等の照明器具には、様々な
状況に応じて所望の範囲を適切に照射
することが要求された。
【0005】
更に、トーチライトが携帯されて使用される際にも、その使用態様は様々である。例えば、トーチライト以外の照明
器具がない
状況下で、作業者が取扱説明書を見ながら装置を操作する場合もある。こうした場合には、同時に複数の箇所を適切に照射することが必要となる。
【0006】
また、トーチライトの電源としては、乾電池等を使用することができる
。しかしながら、屋外の作業時において使用する場合等には、
利便性を高めるため、トーチライトの電源として、他の電動の作業機器(コードレスドライバ等)と共通の大容量のバッテリを用いること
が好ましい。また
、大容量のバッテリを用いる場合には、乾電池等を電源とする場合と比べて
、トーチライトの連続使用可能な時間を長くすることもできる。しかしながら、このようなバッテリは乾電池等と比べて大きく重いため、特許文献1に記載され
るように、取り扱いが容易な
細長い形態とすることは困難であ
る。したがって、バッテリが装着されるトーチライト等の照明器具を、上記のような様々な態様で使用する
ことは、作業者にとって照明器具の取り扱いを困難にしていた。
【0007】
このように、様々な使用態様に対応して最適な照明を行うことのできる
照明器具を得ることは困難であった。
【0008】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記の問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
一実施の形態の照明器具は、
上下方向に延
伸するグリップと
、前記グリップの上部
において、左右方向に延びる第1回動軸を軸として回動可能であり、第1ランプが設けられた照射部基部と、細長く形成された第2ランプが設けられ、前記照射部基部に対して第2回動軸を軸として回動可能に接続された照射部先端部と、を備える。
他の実施の形態の照明器具は、前記第1ランプの発する光が略上方を向き、前記第2ランプが前記グリップの側方において上下方向に延びる第1の形態と、前記第1ランプの発する光が略前方を向き、前記第2ランプが上下方向に対して角度をなす方向に延びた状態で前記第2回動軸を軸として回動可能な第2の形態と、を有する。
他の実施の形態の照明器具は、スイッチ操作により、前記第1ランプのみ点灯、前記第2ランプのみ点灯、前記第1ランプと前記第2ランプの両方を点灯、当該両方を消灯、の選択が可能である。
一実施の形態の照明器具は、作業者に把持されるグリップの一端側に、バッテリが装着されるバッテリ保持部が設けられ、前記グリップを基準として光の照射方向が可変であるランプによって光を照射する照明器具であって、前記ランプとして、第1ランプと第2ランプとを備え、前記グリップの他端側に第1回動軸を介して設けられ、かつ前記第1回動軸の回りに回動可能な照射部基部に前記第1ランプが設けられ、前記照射部基部に第2回動軸を介して設けられ、かつ前記第2回動軸の回りに回動可能な照射部先端部に、前記第2ランプが設けられ、前記照射部基部を前記第1回動軸の回りで回動させることにより、前記照射部先端部は前記グリップの長手方向にわたって前記グリップの一方の側に近づく構成とされ、前記グリップの一方の側における、前記グリップと、前記バッテリ又は前記バッテリ保持部の前記グリップから最も遠い箇所との距離は、前記グリップの他方の側における、前記グリップと、前記バッテリ又は前記バッテリ保持部の前記グリップから最も遠い箇所との距離よりも小さい。
他の実施の形態の照明器具において、前記バッテリは、前記グリップの他方の側から、前記バッテリ保持部に装着される。
他の実施の形態の照明器具において、前記照射部先端部における前記照射部基部と反対側の端部に、第3ランプが設けられる。
一実施の形態の照明器具は、作業者に把持されるグリップの一端側に、バッテリが装着されるバッテリ保持部が設けられ、前記グリップを基準として光の照射方向が可変であるランプによって光を照射する照明器具であって、前記ランプとして、第1ランプと第2ランプとを備え、前記グリップの他端側に第1回動軸を介して設けられ、かつ前記第1回動軸の回りに回動可能な照射部基部に前記第1ランプが設けられ、前記照射部基部に第2回動軸を介して設けられ、かつ前記第2回動軸の回りに回動可能な照射部先端部に、前記第2ランプが設けられ、前記照射部基部を前記第1回動軸の回りで回動させることにより、前記照射部先端部は前記グリップの長手方向にわたって前記グリップの一方の側に近づく構成とされ、前記照射部先端部における前記照射部基部と反対側の端部に、第3ランプが設けられ、前記照射部基部を前記第1回動軸の回りで回動させ、前記照射部先端部を前記グリップの長手方向にわたって前記グリップの一方の側に近づけた状態のもとで、前記グリップの一方の側から平面に前記照明器具を置いた際に、前記バッテリ又はバッテリ保持部と、前記グリップの他端側又は前記照射部基部とは、前記平面に接し、前記第3ランプは、前記平面から離れる。
他の実施の形態の照明器具において、前記グリップの一方の側における、前記グリップと、前記バッテリ又は前記バッテリ保持部の前記グリップから最も遠い箇所との距離は、前記グリップの他方の側における、前記グリップと、前記バッテリ又は前記バッテリ保持部の前記グリップから最も遠い箇所との距離よりも小さい。
他の実施の形態の照明器具において、前記バッテリは、前記グリップの他方の側から、前記バッテリ保持部に装着される。
一実施の形態の照明器具は、作業者に把持されるグリップの一端側に、バッテリが装着されるバッテリ保持部が設けられ、前記グリップを基準として光の照射方向が可変であるランプによって光を照射する照明器具であって、前記グリップの他端側に第1回動軸を介して設けられ、かつ前記第1回動軸の回りに回動可能である照射部に前記ランプが設けられ、前記照射部を前記第1回動軸の回りで回動させることにより、前記照射部は前記グリップの長手方向にわたって前記グリップの一方の側に近づき、前記グリップの一方の側における、前記グリップと、前記バッテリ又は前記バッテリ保持部の前記グリップから最も遠い箇所との距離は、前記グリップの他方の側における、前記グリップと、前記バッテリ又は前記バッテリ保持部の前記グリップから最も遠い箇所との距離よりも小さい。
他の実施の形態の照明器具において、前記バッテリは、前記グリップの他方の側から、前記バッテリ保持部に装着される。
【発明の効果】
【0010】
本発明は以上のように構成されているので、様々な使用態様に対応して最適な照明を行うことのできる
照明器具を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施の形態
であるトーチライト
(照明器具)について説明する。
トーチライトには、着脱可能な大容量のバッテリが電源と
して用いられる。また、
トーチライトは、光を照射するランプとして、広い照射角度をもつ第1ランプと、これよりも狭い範囲を特に明るく照射する第2ランプ
と、を具備する。第1ランプと第2ランプ
との設定角度(照射方向)は、作業者の使用態様に応じて適切に設定される。第1ランプと第2ランプとを同時に最適な設定角度
に調整し、第1ランプと第2ランプとを同時に使用することもできる。
【0013】
図1(a)
はトーチライト10を示す側面図
であり、図1(b)はトーチライト10を示す正面図
である。また、図1(c)は、図1(b)のA−A
線に沿う断面
図である。ここで、
図1(a)
及び(b)は、トーチライト10が作業台や床等に載置された際の形態を示す。
図1(b)は、
図1(a)
の右側から
トーチライト10を示した図
である。
【0014】
図1(a)及び(b)に示すように、トーチライト10
は、上下方向に延伸するグリップ11
を有している。グリップ11の一端(
図1(a)
及び(b)における下端)には、
グリップ11よりも太
いバッテリ保持部12が設けられ
る。つまり、図1(a)及び(b)に示すように、グリップ11の下端にはバッテリ保持部12が設けられる。バッテリ保持部12には、
電源であるバッテリ100が装着される。図示されるように、バッテリ100は
、グリップ11よりも幅が広く重
く形成されている。このため、バッテリ100
をバッテリ保持部12に装着
した状態で、バッテリ100を基台として
機能させることができ、トーチライト10を作業台等に置くことができる。また、
図1(a)に
示すように、グリップ11は、バッテリ100の中央部に位置せず
、バッテリ100に対して右側に偏って位置
している。
なお、本明細書において、グリップ11の下端(一端)とは、図1(a)に示したグリップ11の下側の端部を意味している。グリップ11の上端(他端)とは、図1(a)に示したグリップ11の上側の端部を意味している。また、グリップ11の後方(一方の側)とは、図1(a)に示したグリップ11の右側を意味している。グリップ11の前方(他方の側)とは、図1(a)に示したグリップ11の左側を意味している。換言すれば、グリップ11の後方とは、作業者がグリップ11を把持する際に、作業者の手の平が接する側を意味している。グリップ11の前方とは、作業者がグリップ11を把持する際に、作業者の指が接する側を意味している。
【0015】
トーチライト10は、グリップ11の他端(
図1(a)
及び(b)における上端)
に装着される照射部基部14
を有している。つまり、図1(a)及び(b)に示すように、グリップ11の上端には照射部基部14が設けられている。照射部基部14は、グリップ11の他端に第1回動軸13を介して設けられ、第1回動軸13を中心に回動可能つまり第1回動軸13の回りに回動可能である。照射部基部14には
、細長い照射部先端部15が装着されている。このトーチライト10においては、照射部基部14と照射部先端部15と
によって照射部が構成されている。また、照射部基部14には第1ランプ141が
設けられており、照射部先端部15には第2ランプ151
が設けられている。
すなわち、グリップ11の上端には、照射部基部14及び照射部先端部15を備えた照射部が接続されている。また、照射部には、光を照射するランプとして、第1ランプ141と第2ランプ151とが設けられる。第1回動軸13を中心に照射部を回動させることにより、照射部から照射される光の照射方向はグリップ11を基準に可変させることが可能である。なお、換言すれば、第1ランプ141は照射部のグリップ11側の端部に設けられており、第2ランプ151は照射部の側面に設けられている。
【0016】
図1(a)に示されるように、照射部先端部15は、グリップ11に沿って細長く形成される
。このため、第2ランプ151も、グリップ11に沿って細長く
形成される。第2ランプ151としては、例えば複数のLEDを細長く配列し、これ
らのLEDを細長いレンズで覆った構成の
ランプを用いることができる。こうした構成によって、第2ランプ151による照射範囲(投光範囲)を広くすることができ
る。第2ランプ151は、特に広い範囲を照射するために適している。
【0017】
一方、
図1(a)に示されるように、照射部基部14は、グリップ11の上端部を覆うように形成される
。このため、第1ランプ141を
、第2ランプ151のように細長く
形成することは困難である。このため、第1ランプ141においては、照度の大きな光源を用いることができる
。しかしながら、第1ランプ141においては、第2ランプ151よりも小さなレンズが用いられ
る。第1ランプ141は、特定の箇所を特に明るく照明するために適してい
る。
【0018】
第1回動軸13は、グリップ11に固定される。第1回動軸13は、
図1(a)
で示す場合には紙面と垂直方向
に配置されており、図1(b)
で示す場合には左右方向
に配置されている。
図1(a)
に示す状態とは、照射部基部14を第1回動軸13の回りで回動させ、照射部先端部15をグリップ11の長手方向にわたってグリップ11の一方の側に近づけた状態である。すなわち、図1(a)に
は、グリップ11の一方の側(
図1(a)における右側)において、
照射部先端部15がグリップ11の長手方向に沿って当接する
ように、あるいは
照射部先端部15がグリップ11の長手方向に沿って最も近接するように
、照射部基部14を第1回動軸13の回りで回動させた状態が示されている。
また、図1(a)には、照射部(照射部基部14、照射部先端部15)を、グリップ11の上端から下方に延びる第2の位置に回動させた状態が示されている。なお、図1(a)に示
す状態において
、照射部先端部15の長手方向とグリップ11の長手方向(グリップ11の軸方向)
とは、共に図中の上下方向となる。
【0019】
また、第1回動軸13の端部には、
第1ランプ141と第2ランプ151との作動状態を切り替えるスイッチ131が設けられる。
スイッチ131は、第1回動軸13の軸方向に押すことによって操作される。すなわち、スイッチ131は、第1ランプ141を照射するか第2ランプ151を照射するかを切替可能なスイッチであり、外部から操作できる位置に設けられている。スイッチ131
を操作
することによ
り、第1ランプ141
及び第2ランプ151の作動状態がサイクリックに変化する。例えば、
作動状態としては、(1)第1ランプ141
と第2ランプ151とが共に消灯した状態、(2)第1ランプ141のみが点灯した状態、(3)第2ランプ151のみが点灯した状態、(4)第1ランプ141
と第2ランプ151
とが共に点灯した状態、(5)第1ランプ141のみが点滅した状態、(6)第2ランプ151のみが点滅した状態、(7)第1ランプ141
と第2ランプ151
とが共に点滅した状態、を設定することができる。この他にも、
スイッチ131を操作することにより、第1ランプ141や第2ランプ151の照度が調整されるよう
に設定
しても良い。
【0020】
図1(a)及び(b)に破線で示すように、照射部先端部15は、第2回動軸16を介して照射部基部14に設けられる。すなわち、照射部先端部15は
、第2回動軸16の回りで、照射部基部14に対して回動可能
である。第2回動軸16は照射部基部14に対して固定され、
図1(a)
及び(b)の形態では
、第2回動軸16は上下方向に沿って
配置されている。
このように、第1回動軸13と第2回動軸16とは、
立体交差するように直交する。
照射部基部14を第1回動軸13の回りに回動させる際や、照射部先端部15を第2回動軸16の回りに回動させる際の、トーチライト10の形態の変化については後述する。なお、
図1(a)の形態では、第2ランプ151はグリップ11に当接する
ことから、第2ランプ151を用いた照明を行っていない。
【0021】
照射部基部14
を第1回動軸13の回りで回動
させる際や、照射部先端部15
を第2回動軸16の回りで回動
させる際には、所定の回動抵抗
を作用させることが好ましい。これによって、所定の大きさ以上の力が働いた場合においてのみ
、照射部基部14や照射部先端部15を回動させることができ、所望の設定角度で
照射部基部14や照射部先端部15を固定することができる。あるいは、
照射部基部14や照射部先端部15を固定
する固定機構を設けることにより、所望の設定角度で照射部基部14や照射部先端部15の固定を
可能にしつつ、照射部基部14や照射部先端部15を小さな力で回動させても良い。
【0022】
図1(a)におけるグリップ11
の右側の面、つまりグリップ11の照射部先端部15
に当接する側
の面は、略平面、あるいは曲率半径の大きな曲面である。また、図1(a)における照射部先端部15の左側の面、つまり照射部先端部15
のグリップ11
に当接する
側の面は、略平面、あるいは曲率半径の大きな曲面
である。一方、
図1(a)におけるグリップ11の左側の面、つまりグリップ11
の照射部先端部15に当接する側の面と反対側の面は
、楕円体を構成する曲面に近い曲面
形状(前記の曲率半径の大きな曲面よりも曲率半径の小さな曲面
形状)を
有する。また、図1(a)における照射部先端部15の左側の面、つまり照射部先端部15の
グリップ11に当接する側の面と反対側の面は
、楕円体を構成する曲面に近い曲面形状(前記の曲率半径の大きな曲面よりも曲率半径の小さな曲面
形状)
を有する。このため、
図1(c)に示されるように、
グリップ11と照射部先端部15とが当接した状態の全体の断面は
、略楕円形状となるように構成される。この
断面形状
や大きさは、作業者が
グリップ11及び照射部先端部15をまとめて把持できるように設定される。
図1(a)に示すように、グリップ11の右側における鉛直方向の形状、つまりグリップ11の照射部先端部15側
における鉛直方向の形状は、
グリップ11と照射部先端部15と
を当接させるため、長手方向において略直線形状とされている。また、
図1(a)に示すように、グリップ11の左側つまりグリップ11における
照射部先端部15側の反対側には、作業者が照射部先端部15
側から
グリップ11を把持しやすいように、弾性材(エラストマ)111が装着されている。なお、
図1(c)に示されるように、照射部先端部15はグリップ11よりも薄く形成され、作業者はグリップ11のみを把持することもできる。
【0023】
図1の形態は
、トーチライト10が最もコンパクトな形態となるように
、第1回動軸13の回りの照射部基部14の回動角度
と、第2回動軸16の回りの照射部先端部15の回動角度
とが、設定された状態を示している。このため
、トーチライト10が使用されない状態で携帯される際には、通常は
図1の形態とされる。
【0024】
また、
図1(a)の状態では、バッテリ100は、前後方向(白矢印に示された方向)にスライド
可能である。これにより、バッテリ100は、バッテリ保持部12側に設けられたレールに沿って移動し、適正な位置においてラッチ機構で
バッテリ保持部12に固定される。このラッチ機構は、バッテリ100に設けられたラッチ解除ボタン101を押すことによって解除される。ラッチ解除ボタン101は、バッテリ100における
図1(a)に示された側
だけでなく、バッテリ100の反対側の面にも設けられ
る。作業者は、これらの2つのラッチ解除ボタン101を押しながら
、バッテリ100のバッテリ保持部12への脱着を行う
。図2は、
バッテリ保持部12からバッテリ100が
外されたトーチライト10の形態を示す
図であり、図1(a)に対応した図である。また、
図1(a)においては、バッテリ100は、図中左側からバッテリ保持部12に装着される。この操作を容易にするため、ラッチ解除ボタン101は、バッテリ100における図中左側に
設けられる。
【0025】
バッテリ保持部12には、
フック17が装着されている。このフック17は、トーチライト10を
、壁等に設けられた突起部に係止するために用いられ
る。フック17は
、ワイヤ(図示せず)を介してバッテリ保持部12に装着され
る。フック17が使用されない場合には、バッテリ保持部12に設けられたフック収納口121に
、フック17は収納されている。フック17は
、不使用時にトーチライト10を吊り下げて保管する場合、あるい
はトーチライト10を壁等に吊り下げて照明として使用する場合に用いられる。
【0026】
上記のトーチライト10
においては、作業者がトーチライト10を携帯して使用することも
でき、
トーチライト10を作業台等に載置して使用することもできる。どちらの場合においても、トーチライト10によって照明される方向を
、作業において最適な方向
に調整することができる。以下では
、トーチライト10を作業者が携帯して使用する際の態様について説明する。この場合には、照明のために、第2ランプ151
と第1ランプ141
とを同時に使用することもできる。
【0027】
図3は、
図1に示される形態のトーチライト10を
、作業者が把持
して携帯しながら使用する際の状況を示す図である。
図3に示されるように、図中右側に位置する作業者は、バッテリ100側を手前にして、照射部先端部15とグリップ11とが一体化された部分を
、手Hで把持す
る。これにより、トーチライト10の第1ランプ141
から、略前方(図
3における破線白矢印の方向)に
光を発することができる。また、グリップ11を手Hで把持した状態で
、照射部基部14を第1回動軸13の回りで回動させることによ
り、第1ランプ141が発する光の方向を調整することができる。
図4(a)〜(d)は、
照射部基部14の回動角度を、
図3の状態から反時計回りに45°、90°、135°、180°とした場合の形態を示す。
このように、第1回動軸13を中心として照射部基部14を回動させることにより、第1ランプ141が発する光の方向を調整することができる。また、
図3に示す形態では
、第2ランプ151による照射
が実質的
にできなかったのに対し、
図4(a)〜(d)に
示す形態では、後方から上方に向かう照射をすることができる。
【0028】
なお、
第1回動軸13の回りで回動する照射部基部14の可動範囲は、
図4における時計回り方向においては、
図1に示すように、照射部先端部15がグリップ11の上側に当接することによって制限される。一方、反時計回り方向においては、照射部基部14の反時計回り方向側の端部がグリップ11に当接することで制限され
る。図示する場合には、図4(d)に示すように、第1回動軸13を中心とした照射部基部14
の回動角度が180°である場合
が、反時計回り方向における照射部基部14の回動限界である。
照射部基部14の反時計回り方向の可動範囲は、照射部基部14の構造によっては、180°よりも大きく
設定することは可能である
。しかしながら、照射部基部14の反時計回り方向の回動角度を、360°近くに設定することは困難であ
る。このため、
図4(a)〜(d)に示された形態においては、第2ランプ151によって前方あるいは下方を照射することは困難である。
【0029】
これに対して、照射部先端部15は、第2回動軸16
を中心に、照射部基部14に対して回動可能
である。
図5(a)〜(d)
のそれぞれは、
図4(a)〜(d)の
それぞれに示した状態から
、照射部先端部15を第2回動軸16の回りで180°回動させた際の状態
を示す。この場合においては、
第1回動軸13を中心に回動する照射部基部14の回動角度を
調整することにより、第2ランプ151
を用いて、上方から前方、
そして前方から下方に向けて、光を照射することができる。すなわち、作業者が
、グリップ11を把持した状態で
、照射部基部14の第1回動軸13
回りの回動角度を調整し、照射部先端部15の第2回動軸16回りの回動角度を調整する
。このように、照射部基部14及び照射部先端部15の回動角度を調整することにより、第2ランプ151によって、後方、上方、前方、下方におけるグリップ11等に遮られない範囲の方向を照射することができる。
【0030】
なお、
図5(a)〜(d)に示す状態は、
図4(a)〜(d)に示す状態から、照射部先端部15を第2回動軸16の回りで180°回動させた状態
である。しかしながら、実際には
、照射部先端部15の回動角度は、任意に設定することができる。このため、例えば、第2ランプ151の照射方向を
、図4や図5における紙面手前側や紙面向こう側
、つまり第1回動軸13の軸方向に平行な方向(
トーチライト10の側方)とすることもできる。
この際、図4、5のどの状態でも、重量バランスが良く、作業者がトーチライト10を把持し易いことは明らかである。
【0031】
このため
、第2ランプ151による照射方向を
、作業者から見て
、図6(b)に示すように、斜め前方
にすることができ、図6(a)に示すように、斜め後方にすることもできる。
図7(a)
及び(b)は、
トーチライト10を図6(b)
及び(a)の形態とした際における、
トーチライト10と作業者と
の位置関係を示す。特に
図7(b)に示されるように、第2ランプ151による照射方向を斜め後方とした場合には、
例えば、作業者が右手
でトーチライト10を把持し
つつ、作業者の前方に
位置する作業機器を第1ランプ141で
照らしながら、左手に持った取扱説明書を第2ランプ151で
照らすことができる。すなわち
、暗い環境下における作業を
、トーチライト10を用いて効率的に行うことができる。
【0032】
また、
図1(a)に
示すように、グリップ11
は、バッテリ100に対して右側に偏って
いる。これにより、図3に示すように、トーチライト10
の重心Gは、グリップ11
の中心軸よりも
図3における下側
に位置する。つまり、トーチライト10の重心Gは、照射部先端部151が折り畳まれた際に
、照射部先端部151が当接する
グリップ11の側と反対側(
グリップの他方の側)に偏って位置する。このため、
図4、5、7の形態にお
いて、トーチライト10の重心は低い位置となり、作業者
はトーチライト10を安定して把持することができる。
また、図3に示すように、グリップ11の上側と下側とでは、バッテリ100あるいはバッテリ保持部12の突出長さが相違している。つまり、グリップ11の上側における突出長さBは、グリップ11の下側における突出長さCよりも小さい。すなわち、バッテリ100あるいはバッテリ保持部12とグリップとの距離である突出長さは、照射部先端部15がある側(
図3における上側:一方の側)でB
であり、その反対側
である照射部先端部15のない側(
図3における下側:他方の側)でCであ
る。図1(a)に
示すように、グリップ11は
バッテリ100に対して右側に
偏ることから、突出長さBは突出長さCよりも小さい(C>B
)。換言すれば、グリップ11の上側(一方の側)における、グリップ11と、バッテリ100又はバッテリ保持部12のグリップ11から最も遠い箇所との距離Bは、グリップ11の下側(他方の側)における、グリップ11と、バッテリ100又はバッテリ保持部12のグリップ11から最も遠い箇所との距離Cよりも小さい。なお、前述の突出距離とは、グリップ11における一端側と他端側とを結ぶ軸から見た際に、バッテリ100又はバッテリ保持部12におけるグリップ11から最も遠い箇所とグリップ11の表面と間の距離である。このように、グリップ11の一方側と他方側とでバッテリ100等の突出長さが異なるため、図4、5、7に示されたように、照射部先端部15がある側
、つまりバッテリ100等の突出長さが小さな側から、作業者がグリップ11を把持した場合には、バッテリ100やバッテリ保持部12
に対して手
が接触しにくい。
また、照射部先端部15がグリップ11に
沿う図1(a)の状態においては、作業者は照射部先端部15
及びグリップ11
からなる断面構造(
図1(c)に示される構造)を把持
するため、これを把持する手は、バッテリ100やバッテリ保持部12
に対して更に当接しにくくなる。このため、照射部先端部15の設定角度によらず、作業者
はトーチライト10を携帯しやすい。この際、弾性材111は、グリップ11を把持する手において最も負荷のかかる箇所に設けられているため、トーチライト10の携帯が弾性材111によって更に容易となる。
【0033】
図1(a)に示されたように、バッテリ100には、ラッチ解除ボタン101が設けられて
いる。バッテリ100の脱着時には、作業者はラッチ解除ボタン101を押しながらバッテリ100をスライドさせる
。前記の通り、ラッチ解除ボタン101は、バッテリ100
の図1(a)における左側に設けられている。
つまり、ラッチ解除ボタン101は、バッテリ100の装着時に把持される側に設けられている。図1(a)における
、トーチライト10の全高を低く保ち
、かつ作業者がラッチ解除ボタン101を操作しやすくするためには、
バッテリ100に設けられるラッチ解除ボタン101は、グリップ11
よりも図1(a)の左側もしくは右側
に位置することが好ましい。この場合において、前記の通り、
バッテリ100あるいはバッテリ保持部12の突出長さをC>Bとするためには、ラッチ解除ボタン101を
図1(a)における左側
に配置することが好ましいことは明らかである。このため、バッテリ100は、バッテリ
保持部12に対して
、グリップ11が偏って固定された側(
図1(a)における右側)
、又は反対側(
図1(a)における左側)から装着
することが
、トーチライト10を携帯しやすく、かつバッテリ100の脱着作業を容易とするために特に好ましい。
【0034】
次に、上記のトーチライト10を作業台等に載置して使用する際の態様について説明する。この場合には、
図1に示されたように、バッテリ100が
地面等に接触するよう
にトーチライト10を
置くと、特に安定して
バッテリ100を載置することができる。
【0035】
この場合には、広い面積をもつために広い投光面積をもつ第2ランプ151を
、主に用いることができる。
図8(a)〜(d)
のそれぞれは、上記のトーチライト10を載置して
図1(a)の状態から
、照射部先端部15
及び照射部基部14
を、第1回動軸13の回りで
、回動させた形態を示している。つまり、図8(a)〜(d)のそれぞれは、図1(a)の状態から
、照射部先端部15及び照射部基部14を、反時計回りに45°、90°、135°、180°
で回動させた形態
を示している。
また、図8(d)には、照射部(照射部基部14、照射部先端部15)を、グリップ11の上端から上方に延びる第1の位置に回動させた状態が示されている。さらに、図8(b)には、照射部(照射部基部14、照射部先端部15)を、グリップ11の上端から後方に延びる第3の位置に回動させた状態が示されている。
【0036】
図8(a)〜(d)に示す場合には、第2ランプ151によって、
図8における下方から右方を照射することができる。
図5と同様に、照射部先端部15を第2回動軸16の回りで回動させることによ
り、
第2ランプ151を用いて、図8における上方から前方を照射させることができることも明らかである。すなわち
、図4及び図5に示した場合、つまりトーチライト10を携帯して使用する場合と同様に、
トーチライト10を置いて使用した場合であっても、第2ランプ151によって大部分の方向を照射することができる。
【0037】
ただし、
図8(b)及び(c)に示すように、第2ランプ151によって下方を照射する
場合には、図中の破線で示されるように、グリップ11に近い側の照射範囲は、グリップ11
、バッテリ保持部12、
あるいはバッテリ100によって制限される。特に、
図8(b)のように、
第2ランプ151によって直下を照射する場合には、バッテリ保持部12
やバッテリ100によって光が遮られる。この点において
、トーチライト10
は、
図3に
示すように、突出長さBが突出長さCよりも小さい(C>B
)ことから、バッテリ保持部12
やバッテリ100によって光が遮られる範囲を狭くすることができる。すなわち
、トーチライト10を載置して使用する際に、下方への投光範囲を広くすることができる。こうした特性は、例えばこのトーチライト10を作業台の上に載置して使用する場合には特に有効である。
【0038】
このように、様々な方向を照らすことのできる特性は、
図1に示した形態や図8(a)〜(d)に示した形態に、トーチライト10の形態を変化させることで実現される。すなわち、照射部先端部15がグリップ11に沿って配置される形態(
図1に示す形態)から、
照射部先端部15が第1回動軸13を軸
にグリップ11から
離れるように回動した形態(
図8(a)〜(d)に示す形態)に変化させることが可能であるため
、幅広い方向を照らす特性が実現される。
なお、図1に示す形態においては、グリップ11の軸から見たときに、グリップ11におけるバッテリ保持部12やバッテリ100の突出が小さくされた側に沿って、照射部先端部15が設けられる。また、図8(a)〜(d)に示す形態において、回動中心となる第1回動軸13は、バッテリ保持部12と反対側に設けられる。
【0039】
すなわち、上記のトーチライト10においては、
トーチライト10を作業者が携帯した状態においても、
トーチライト10を載置した場合においても、第2ランプ151によって照射される方向として、広い範囲を設定することができる。なお、
図8には、第2ランプ151による照射についてのみ記載
したが、第1ランプ141による照射方向も同様に設定されることは明らかであ
る。つまり、トーチライト10が作業者に把持された場合だけでなく、トーチライト10
が置かれた状態においても
、第1ランプ141を使用できることは明らかである。
【0040】
また、前記の通り、フック17を用い
てトーチライト10は吊り下げ
られる。このため
、トーチライト10が吊り下げられた状態で
、図4、5に示されたように
、照射部基部14
及び照射部先端部15の回動角度が設定されれば、同様に
トーチライト10によって広い範囲を照射することができる。
【0041】
次に、上記のトーチライト10の変形例について説明する。上記のトーチライト10においては、第1ランプ141と第2ランプ151が用いられたが、利便性を高めるために、更に第3ランプを設けることができる。
図9(a)は、
変形例であるトーチライト110の構成を示す側面図
であり、図9(b)は、トーチライト110の構成を示す斜視図である。
図9(a)には、図1(a)
と同じ形態が示されている。
【0042】
トーチライト110において、グリップ11、バッテリ保持部12、バッテリ100、第1回動軸13、照射部基部14、フック17等の構成は
、前記のトーチライト10と同様であ
る。また、図示されていないが、
トーチライト110においては、トーチライト10と同様に、第2回動軸
についても設けられている。ただし、
トーチライト110に設けられる照射部先端部25
は、
前述した第2ランプ151
を備えているが、更に、照射部先端部25の最先端には、第3ランプ251が設けられている。第3ランプ251は、第1ランプ141と比べても更に小さいものの、照射部先端部25の最先端に設けられているために、作業者が第3ランプ251
を照射対象(例えば小さな試料等)に近接させることができる。この際、
第3ランプ251の他に、第1ランプ141
や第2ランプ151を同時に使用
しても良いことは明らかである。このため
、第1ランプ141や第2ランプ151を使用する際に、
第3ランプ251を補助的に使用することができる。
【0043】
第3ランプ251としては
、照射部先端部25の最先端に設け
られることから、大きなレンズ等を具備しない単素子のLED等を用いることができる。一方で、
第3ランプ251がレンズ等を具備しない場合には、第3ランプ251は特に破損しやすくなる。
ここで、図10は、図9(a)
に示した形態のトーチライト110を平坦な地面(平面)GDに載置した
状態を示す図である。図10に示すように、照射部先端部25がグリップ11に沿って折り畳まれた状態においては
、第3ランプ251が地面GDに当接することが抑制され、破損しやすい第3ランプ251が保護される。
すなわち、図3に示されるように突出長さBが突出長さCよりも小さく形成され(C>B)、図10に示されるように小さな突出長さB側からトーチライト110が地面GDに置かれた場合でも、グリップ11の上端部又は照射部基部14を地面GDに接触させ、バッテリ保持部12又はバッテリ100を地面GDに接触させることにより、地面GDに対する第3ランプ251の接触が回避される。このような第3ランプ251の保護機能については、トーチライト110を載置する場合だけでなく、
携帯中のトーチライト110を落下させた場合等においても同様
に発揮される。すなわち、第3ランプ251を照射部先端部25の先端に設けることにより、
第3ランプ251を保護することができる。
【0044】
前述の説明では、照明器具としてトーチライト10,110を例示したが、トーチライトに限られることはなく、他の照明器具に本発明を適用しても良い。また、上記の例においては、
トーチライト10,110に、第1、第2ランプ、あるいは更に第3ランプが用いられたが、
トーチライトに対して更に他のランプを追加することもできる。こうした場合には、各ランプの照射範囲
や、
各ランプの点灯の方式(連続点灯、点滅等)は、適宜設定することができる。その切替は、前記のスイッチ131と同様のスイッチで行うことができる。
また、スイッチ131は、図1〜10のどの状態においても操作できることは明らかである。
【0045】
また、上記の例では、第1回動軸13と第2回動軸16とは
、立体交差のように直交する構成とされたが、上記のような照射部基部と照射部先端部の動作が可能な限りにおいて、
第1回動軸13と第2回動軸16とが直交する必要はない。第1回動軸の回りで照射部基部が回動する際に照射部基部が沿って移動する平面と交差するように第2回動軸を設定し、この第2回動軸が照射部基部に固定されていれば、上記と同様に、第1ランプと第2ランプを用いて様々な態様で広い範囲を照射することができる。
【0046】
あるいは、第1回動軸の回りで回動する照射部がグリップに装着された構造においては、照射部に設けられたランプが単一である場合においても、上記のように照射部が折り畳まれる側(一方の側)におけるバッテリ保持部、バッテリの突出量を、他方の側よりも小さくすることによって、トーチライトの携帯が特に容易となることは明らかである。すなわち、このようなグリップ、照射部、バッテリ保持部、バッテリの間の位置関係は、ランプの構成によらず有効である。