特許第6264697号(P6264697)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6264697
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】印傳風絵柄の印刷方法
(51)【国際特許分類】
   B41M 3/06 20060101AFI20180115BHJP
   B41M 7/00 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   B41M3/06 C
   B41M7/00
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-232607(P2015-232607)
(22)【出願日】2015年11月30日
(65)【公開番号】特開2017-100284(P2017-100284A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2016年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】515331808
【氏名又は名称】有限会社 樋口印刷
(74)【代理人】
【識別番号】100119297
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 正男
(72)【発明者】
【氏名】伊東 雅弘
【審査官】 外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−013463(JP,A)
【文献】 特開平03−205145(JP,A)
【文献】 特開昭57−129842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 3/06
B41M 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の色の明度より絵柄の色の明度が高い絵柄を前記基材にインキで印刷し、前記基材に所定の処理を施すことで、印刷面が印傳革のように見える印傳風絵柄の印刷方法において、
前記絵柄を6μm以上のインク膜厚で印刷し、
前記基材に樹脂粉末を堆積させた後、前記絵柄以外にある部分の前記樹脂粉末を除去し、
前記絵柄に付着した前記樹脂粉末を加熱し樹脂層を形成し、
前記基材の印刷面を印傳風に印刷することを特徴とする印傳風絵柄の印刷方法。
【請求項2】
前記絵柄をシルクスクリーン印刷により6μm以上のインク膜厚で印刷することを特徴とする請求項1に記載の印傳風絵柄の印刷方法。
【請求項3】
基材にインキで絵柄を印刷し、前記基材に所定の処理を施すことで、印刷面が印傳革のように見える印傳風絵柄の印刷方法において、
前記基材が硬質性の場合には、紫外線硬化型インキを厚盛するシルクスクリーン印刷により前記絵柄を印刷し、
前記絵柄に紫外線を照射し、前記基材の印刷面を印傳風に印刷することを特徴とする印傳風絵柄の印刷方法。
【請求項4】
前記基材に吸水性がある場合には、前記シルクスクリーン印刷の前に、前記絵柄のインキの吸収を抑える目止印刷を前記基材に施すことを特徴とする請求項2に記載の印傳風絵柄の印刷方法。
【請求項5】
前記基材が紙類で所定の厚さ以下の場合には、前記樹脂粉末を加熱する前に、予備乾燥を施し、前記加熱を100℃以下で行うことを特徴とする請求項1又は4に記載の印傳風絵柄の印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材の表面に文字や絵柄を浮き出させた状態で形成する浮き出し印刷方法に関し、特に印刷面が印傳風に見える印傳風絵柄の印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙地などの基材に文字や図形あるいは画像(以下、本明細書では絵柄という)を浮き出させた状態に形成する印刷方法として、基材に印刷された絵柄に、絵柄のインクが乾く前に樹脂粉末を堆積させた後、絵柄以外にある部分の樹脂粉末を除去し、絵柄に付着した樹脂粉末を加熱して樹脂層を形成する浮き出し印刷、例えばバーコ印刷が広く知られている。
【0003】
浮き出し印刷は、絵柄の印刷された基材上に絵柄のインキが乾く前に樹脂粉末を振りかけ、絵柄部分以外の樹脂粉末を取り除き、絵柄部分に付着した樹脂粉末に熱を加えることで樹脂粉を絵柄に溶け込ませて膨らます。これにより絵柄部分が盛り上がった状態に形成する印刷方法である。なお、絵柄部分が隆起して見える事から、隆起印刷とも言われている。
【0004】
下記、特許文献1、特許文献2には浮き出し印刷に関する技術が開示されている。
特許文献1が開示する浮き出し印刷方法は、基材にインク滴を噴射してインク画像を形成し、そのインク画像が未乾燥のうちに、基材上に透明の樹脂粉末を堆積させ、堆積させた透明の樹脂粉末のうち、インク画像が形成されていない領域上に堆積した透明の樹脂粉末を除去し、その後、基材を加熱してインク画像を隆起させる浮き出し印刷方法である。
【0005】
即ち、特許文献1の技術はインクジェットプリンターにより、絵柄を印刷し、その上に透明の樹脂を付着させ絵柄を隆起させるものである。このため、基材色の明度と画像(色)の明度との関係によっては、画像の絵柄が隆起されない場合がある。例えば、鹿革に漆で模様を描く甲州印傳と呼ばれる絵柄は、黒地に赤色模様のデザインが広く知れ渡っているが、黒は赤よりも明度が低いため、黒地に赤の絵柄をインクジェットプリンターで印刷し、その上に浮き出し印刷を施しても、絵柄の印刷厚が非常に薄いため、赤の絵柄は黒地に負けてしまい(黒地に隠蔽され)、印傳風の絵柄には仕上がらない、という問題がある。すなわち、特許文献1が開示する技術では、基材色と画像を描くインクの色との関係で印傳風に絵柄を印刷ができないという問題がある。
【0006】
また、特許文献1の明細書段落[0026]に記載されている通り、インクがコーティング層に吸収されてしまうインクジェット記録紙は、樹脂粉末が基材に吸着せず、また樹脂粉末が絵柄上に均一に堆積しないため、印傳風に絵柄を印刷できないという問題がある。
【0007】
特許文献2は、印刷面が皮革又は印傳風に見える印刷物の製造方法を開示している。特許文献2が開示する技術は、基材上にオフセット印刷で所定の模様の印刷層を形成し、その上に浮き出し印刷を行うものである。しかし、特許文献2の請求項3は「印刷層及び樹脂層は透明であって基材は有色(黒及び白も含む)であり、且つ基材、印刷層及び樹脂層の複層部の明度は基材の明度よりも低いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷物の製造方法」と、基材色の明度と印刷層の明度とを限定している。即ち、特許文献2が開示する技術では、基材色の明度が低い、例えば黒地にそれよりも明度の高い赤字の絵柄を印刷した場合、赤字の絵柄が基材の黒地に隠蔽され、印傳風の印刷物にはならないことを示唆している。
【0008】
従って、特許文献1、特許文献2が開示する技術により、印傳の代表的な絵柄の一つである、黒地に赤のトンボの絵柄を印刷しても、基材色の明度が絵柄の明度より低いためトンボの絵柄が基材色である黒に隠蔽され、印傳風の絵柄に仕上がらない。
【0009】
このため、特許文献1又は特許文献2が開示する技術により、黒地の基材に赤の絵柄を印刷するには、基材の絵柄部分以外に黒を印刷し、白地の部分に赤で絵柄を印刷し、その上に浮き出し印刷をするというプロセスが必要となる。しかし、このような手法によりオフセット印刷やインクジェット印刷等を行った場合、紙の伸縮等により色ズレが起こり、断裁面に基材色(白)が出たり、折り曲げたときに基材色(白)が出たりする、とい問題がある。また、印刷工程が一つ増えるためコスト高になる、という問題がある。さらに、特許文献1、特許文献2が開示する技術は共に浮き出し印刷を用いるが、浮き出し印刷は絵柄に堆積さえた透明の脂粉末を加熱し絵柄を隆起させるため、例えば紙の厚さがA列本版44.5kg(81.5g/m)以下になると、加熱により紙の反りや紙が波打つという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2015−13463号公報
【特許文献2】特開2004−142277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで本発明の課題は、基材の色(明度)と絵柄の色(明度)との組み合わせによらず、印傳風に絵柄を印刷することのできる印傳風絵柄の印刷方法を提供することにある。また、基材の材質・特性、例えば紙類、プラスチック、木材、皮革・合皮、アクリル、ガラス、紙の厚さ等に応じた最適な印傳風絵柄の印刷方法を提供することにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、基材の色(明度)と絵柄の色(明度)との組み合わせによらず、あたかも印傳のように見える絵柄を基材に印刷することができる。また本発明によれば、基材の材質・特性、例えば紙類、プラスチック、木材、皮革・合皮、アクリル、ガラス、紙の厚さ等にかかわらず印傳風の絵柄を印刷できる印傳風絵柄の印刷方法を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、様々な印刷手法を実験的に検証し、試作を繰り返すなかで本発明を着想し発明を完成させるに至った。本発明の請求項1に記載の印傳風印刷方法は、基材の色の明度より絵柄の色の明度が高い絵柄を前記基材にインキで印刷し、前記基材に所定の処理を施すことで、印刷面が印傳革のように見える印傳風絵柄の印刷方法において
前記絵柄を6μm以上のインク膜厚で印刷し、
前記基材に樹脂粉末を堆積させた後、前記絵柄以外にある部分の前記樹脂粉末を除去し、
前記絵柄に付着した前記樹脂粉末を加熱し樹脂層を形成し、
前記基材の印刷面を印傳風に印刷することを特徴とする印傳風絵柄の印刷方法である。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印傳風絵柄の印刷方法であって、前記絵柄をシルクスクリーン印刷により6μm以上のインク膜厚で印刷することを特徴とする。
【0015】
上述した特許文献1が開示しているオフセット印刷では、その構造上、絵柄のインキ皮膜が非常に薄くなる。このため、基材の色の明度より絵柄の明度が高いと、基材の色に絵柄が隠蔽されてしまう。例えば、代表的な印傳の絵柄の一つである黒地に赤の絵柄を印刷すると、絵柄が基材色に隠蔽され、印傳風に仕上がらない。
【0016】
しかし、絵柄を6μm以上のインク膜厚で印刷することで、絵柄が基材色に隠蔽されるのを防ぐことができる。絵柄を6μm以上のインク膜厚で印刷する方法の一つがシルクスクリーン印刷であり、シルクスクリーン印刷はその構造上、インキの皮膜がオフセット印刷よりも数倍も厚いため、絵柄が基材の色に隠蔽されず、絵柄は樹脂粉末により隆起し、印傳風の印刷部に仕上げることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、基材にインキで絵柄を印刷し、前記基材に所定の処理を施すことで、印刷面が印傳革のように見える印傳風絵柄の方法において、
前記基材が硬質性の場合には、紫外線硬化型インキを厚盛するシルクスクリーン印刷により前記絵柄を印刷し、前記絵柄に紫外線を照射し、前記基材の印刷面を印傳風に印刷することを特徴とする印傳風絵柄の印刷方法である。
【0018】
基材が紙類などの柔軟性のある材質の場合、印刷面が折れ曲がる場合がある。紫外線硬化型インキを厚盛するシルクスクリーン印刷による絵柄は柔軟性がないため、印刷面が折れ曲がると絵柄に割れや皹(ひび)が入る。一方、基材がプラスチックやアクリルの場合、基材は硬質であるので絵柄の柔軟性は求められない。そこで基材が硬質の場合には、紫外線硬化型インキを厚盛するシルクスクリーン印刷を用い印傳風の絵柄を印刷する。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の印傳風絵柄の印刷方法であって、前記基材に吸水性がある場合には、前記シルクスクリーン印刷前に、前記絵柄のインキの吸収を抑える目止印刷を前記基材に施すことを特徴とする。
【0020】
基材に吸水性がある場合には、絵柄のインキが基材にしみ込み、絵柄に樹脂粉末が堆積し難くなる。これを防ぐには、絵柄のインキの吸収を抑えるため、基材にインキを事前に塗布する目止印刷を行えば良い。これにより安定した浮き出し印刷を行うことができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は4に記載の印傳風絵柄の印刷方法であって、前記基材が紙類で所定の厚さ以下の場合には、前記樹脂粉末を加熱する前に、予備乾燥を施し、前記加熱を100℃以下で行うことを特徴とする。
【0022】
基材が紙類であって薄い(A列本版44.5kg(81.5g/m)以下)場合には、浮き出し印刷の加熱温度が100℃〜120℃であるため、加熱により紙の反りや紙の波打ちが生じる。これを防止するには、基材である紙を予備乾燥し、その後100℃以下で加熱し、樹脂粉末を絵柄に固着させれば良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態である印傳風絵柄を基材に印刷する全体フローチャート図である。本発明の実施の形態として用いられる基材としては、紙製品であれば、名刺、折り紙、箱、紙帯、包装紙、千代紙、はがき、シール、ワインラベル、焼酎ラベル、しおり、ブックカバー、ノート、メモ帳、カレンダー、アルバム表紙、コースター、箸袋、紙袋、筒、段ボール、壁紙、紙コップ、紙皿、封筒、祝儀袋、ぽち袋、婚礼招待状、婚礼席次表、カップスリープ、タグ、カード、扇子、団扇、名刺入れ、便箋等である。
【0024】
プラスチック製品としては、スマートフォンカバー・ケース、バケツ、コップ、箱、ごみ箱、トレイ、クリアファイルである。木製品であれば、テーブル、イス、テレビボードなどの家具、額、オブジェ、コースター、鉛筆、箱等である。革・合皮製品としては、財布、ベルト、鞄、キーケース、名刺入れ、アルバム表紙、革靴等である。布製品としては、Tシャツ、ペンケース、鞄、靴等である。アクリル製品としては、キーホルダー、タグ、表札、家具、看板、コップ、写真立て、ケース等である。ガラス製品としては、ビン、グラス等であり、以上の他、車のハンドル、シート、傘等である。
【0025】
印傳風絵柄を印刷するにあたり、先ず基材が硬質、例えば上述したプラスチック、アクリル、ガラス等であるか、あるいは紙類、皮革、布等の軟質であるかを判断する(S1)。基材が硬質の場合は紫外線硬化型インキを厚盛するシルクスクリーン印刷で絵柄を印刷し(S11)、紫外線を照射しインキを硬化させることで印傳風絵柄の印刷物を製作する(S12、13)。紫外線硬化型インキによる印傳風の絵柄の作成は作成プロセスが少なく簡便ではあるが、基材が折れ曲がると絵柄に割れやひび等が生じるため、軟かい基材には不適なためである。
【0026】
次に、基材に吸水性があるか否かを判断し(S2)、吸水性がある場合には、基材に絵柄のインキが染み込むのを防止するため目止印刷を行い(S21)、次に、基材色の明度と絵柄の明度とを比較する(S3)。
【0027】
絵柄の明度が基材の明度よりも低い場合は、例えば、オフセット印刷により絵柄を印刷する(S31)。絵柄の明度が基材の明度よりも低ければ、インキ厚が薄いオフセット印刷でも絵柄が基材色により隠蔽されないためである。一方、絵柄の明度が基材色の明度よりも高い場合には、絵柄が基材に隠蔽されるため、インク膜厚が6μm以上になる、例えばシルクスクリーン印刷により絵柄を印刷する(S4)。なお、オフセット印刷に代え、同様にインク膜厚が6μm以下となる凸版インキ印刷やフレキソインキ印刷であってもよく、シルクスクリーン印刷に代えて、グラビアインキ印刷でも良い。
【0028】
次に、基材全体に透明樹脂粉末を振りかけた後、絵柄以外の部分にある透明樹脂粉末を除去し加熱する(浮き出し印刷を行う)。ここで、基材が紙類であってその厚さがA列本版70.5kg(127.9g/m)以下である場合には(S5)、予備乾燥を行った後(S51)、100℃以下で加熱する低温浮き出し印刷を行う(S52)。基材が薄い紙の場合、浮き出し印刷の加熱により紙の反りや紙の波打ちを防止するためである。
【0029】
基材が上記のような薄紙でない場合は、基材を100℃〜200℃で加熱し、絵柄に透明樹脂粉末を固着させる通常浮き出し印刷により、印傳風絵柄を印刷する(S7)。
【0030】
図2は基材が吸水性の紙類である場合の印傳風絵柄の印刷フローチャートの詳細を示した図である。基材に吸水性がある場合には、絵柄のインキが基材に染み込むため、浮き出し印刷における透明樹脂粉末が絵柄の表面に固着され難くなる。それを防止するため目止印刷を行う(S100)。
【0031】
目止印刷は基材全体に行う(S110)。目止印刷のインキ色は有色、無色のいずれであっても良いが、基材色を生かしたい場合には、透明のニスを用いることは好適である。また、基材が木材の場合はスプレーによりニスを塗布することは好適である。
【0032】
目止印刷を行った後、絵柄をシルクスクリーン印刷する(120)。シルクスクリーン印刷は、絵柄を印刷したときのインキの皮膜がオフセット印刷に比較し数倍以上の厚いため、基材色の明度が低くても絵柄が基材色に隠蔽されないという特徴がある。本発明の過程において、オフセット印刷とシルクスクリーン印刷のインク膜厚による隠蔽性は10倍以上も違うことが知見されている。
【0033】
絵柄をシルクスクリーン印刷した後、絵柄のインキが未乾燥の状態で透明樹脂粉末を基材全体に塗布し、絵柄と透明樹脂粉末とをそれらの粘着性により付着させる(S130)。次に、基材上に堆積した透明樹脂粉末のうち、絵柄に付着している以外の透明樹脂粉末を除去する(S140)。除去方法としては、風による吹き飛ばし、刷毛、あるいは吸引等が好適である。
【0034】
次に、基材を加熱し透明樹脂粉末を溶融した後、冷却し絵柄に樹脂を固着させる(S150)。通常の浮き出し印刷における加熱温度は100℃から120℃であるが、上述したように低温浮き出し印刷の場合は、予備乾燥後、100℃以下で加熱する低温加熱が好適である。
【0035】
図3はこのようにして作成した印傳風絵柄の印刷物1の断面図である。基材10の表面に目止印刷11が施され、その上に絵柄12が印刷され、その上に透明樹脂が積層され、あたかも印傳のような印刷物となっている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施形態である印傳風絵柄の印刷全体フローチャート図
図2】基材が吸水性の紙類である場合の印傳風絵柄の印刷フローチャートの詳細を示した図
図3】基材が吸水性の紙である場合の印傳風絵柄の断面図
【符号の説明】
【0037】
1 印傳風絵柄の印刷物
10 基材(紙)
11 目止インキ層
12 絵柄
13 透明樹脂
図1
図2
図3