(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ケースの前記底面部の前記第1の方向と交差する第2の方向の寸法は、前記電池モジュールの前記ケースの前記開口から見た前記外形輪郭の前記第2の方向の寸法と実質的に同じである、請求項3に記載の蓄電装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、発明の理解を容易にするために、添付図面において、本発明に関係ない一部の部材については図示を省略している。
【0010】
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る蓄電装置1は、複数の電池セル(単電池)14をモジュール化した電池モジュール10と、この電池モジュール10を収容する外装ケース2とを備えている。この蓄電装置1は、例えば、ガソリン自動車又はディーゼル自動車等に搭載される比較的低電圧(例えば12V)の補機バッテリとして使用されるが、蓄電装置1の用途は限定されるものでない。
【0011】
外装ケース2は、1つの開口3fを有する箱形のケース本体3と、このケース本体3の開口3fを塞ぐ蓋体5とを備えている。ケース本体3及び蓋体5の材料としては、例えば樹脂が用いられる。ケース本体3と蓋体5は、例えば
図1に示す姿勢(開口3f及びそれを塞ぐ蓋体5が上側に位置する姿勢)で使用される。
【0012】
ケース本体3は、略矩形の底面部3aと、それぞれ底面部3aの周縁部から立ち上がる前面部3b、後面部3c及び一対の側面部3d,3eとを備える。後面部3cは、前面部3bに対向するように設けられ、一対の側面部3d,3eは、前面部3bと後面部3cとに跨がるように且つ互いに対向するように設けられている。これら前面部3b、後面部3c及び側面部3d,3eにより角筒状の内壁が形成されている。前面部3b、後面部3c及び側面部3d,3eの高さは互いに略同一となっており、ケース本体3の上面に略矩形の前記開口3fが形成されている。
【0013】
図1において仮想線L1で概念的に示すように、前面部3b、後面部3c及び側面部3d,3eは、底面部3aに対して垂直又は鉛直方向上向きに上方に延びるのではなく、底面部3aに対して外向きに傾いている。そのため、開口3fから底面部3aを見た場合(ケース本体2を平面視した場合)、前面部3b、後面部3c及び側面部3d,3eにより画定される領域(平面視で略矩形状の領域)が底面部3aから上方の開口3fに向けて漸次拡大している。
【0014】
ケース本体3の内壁コーナー部には内側に突出する突出部9(9g,9h,9i,9j)が設けられている(
図9参照)。各突出部9の上端部には、蓋体締結部3(3g,3h,3i,3j)が設けられている。蓋体締結部3の上面、すなわち開口3fの周縁コーナー部にはボルト穴7aが設けられている(
図1参照)。
【0015】
蓋体5は、略矩形の天井部5aを備える。天井部5aの周縁コーナー部には切欠部6a,6b,6c,6dが形成されている。また、蓋体5には、天井部5aの周縁部から下方に延びる周壁部5bと、周壁部5bの下端から外側に拡がるフランジ部5cとが設けられている。フランジ部5cは、方形枠状に形成されており、フランジ部5cの各コーナー部にはボルト挿通穴7bが設けられている。
【0016】
電池モジュール10は、
図2及び
図3に示す電池セル群(単電池群)12と、
図4〜
図6に示すバッテリ監視ユニット(回路要素)80とを備えている。電池モジュール10は、電池セル群(単電池群)12に代えて、単一の電池セル(単電池)14を備えてもよい。本明細書では、電池セル群12及び電池セル群12に代わる単一の電池セル14を「蓄電部」と総称する。
【0017】
図9及び
図10に最も明瞭に示すように、ケース本体3内に収容された電池モジュール10の姿勢は、平面視(つまり開口3fから底面部3aを見たとき)又は底面視したときに、電池セル群12に対してバッテリ監視ユニット80が横に並んで配置されるように設定されている。以下の説明では、電池セル群12とバッテリ監視ユニット80が並ぶ方向(第1の方向)をD2方向という場合があり、底面部3に平行な面内でこのD2方向と直交する方向をD3方向という場合がある。
【0018】
図2及び
図3を参照しながら、電池セル群12の構成について説明する。なお、
図2及び
図3を参照する下記の説明において、「上」、「下」及び「横」を含む用語、並びに「側面」という用語は、
図2及び
図3に示す電池セル群12の姿勢における方向を示すものであり、
図1に示す使用状態における方向と一致するものでない。
【0019】
図2及び
図3に示すように、電池セル群12は例えば8個の電池セル14を備える。各電池セル14は、扁平な角形(直方体)のケーシング30と、このケーシング30の上面開口部を塞ぐ蓋体32とを備える。ケーシング30は例えば金属製である。ケーシング30の表面は、絶縁性(例えば樹脂製)の外装フィルム(図示せず)で全体的に覆われるようにしてもよい。蓋体32は細長い矩形の金属板である。蓋体32の長手方向両端部には正極端子22aと負極端子22bが設けられている。また、蓋体32には安全弁24と液栓26が設けられている。電池セル14は、リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池であり、ケーシング30及び蓋体32の中には電極体と電解液が収容されている。ただし、電池セル14は、リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよい。
【0020】
複数の電池セル14は、絶縁性(例えば樹脂製)のスペーサ16を介して電池セル14の厚さ方向(図中D1方向)に積層されている。隣接する電池セル14間にスペーサ16が介装されることによって電池セル14のケーシング30間がより確実に電気的に絶縁されている。このように積層された状態において、電池セル14の端子22(22a,22b)は、2列に分かれて積層方向(図中D1方向)に並べて配置される。端子22の各列では、2つの正極端子22aと2つの負極端子22bが交互に並べられ、複数のバスバー28(28a,28b,28c,28d,28e)(
図7参照)を介して端子22同士が電気的に接続される。
【0021】
積層方向(図中D1方向)の両側において、最も外側に積層された電池セル14の更に外側には、それぞれエンドプレート18a,18bが重ねて設けられている。エンドプレート18a,18bは例えば樹脂からなる。エンドプレート18a,18bの外側の面には金属板70が重ねられており、これにより、エンドプレート18a,18bの剛性が高められている。
【0022】
このように積層された電池セル14、スペーサ16、エンドプレート18a,18b、及び金属板70からなる電池セル群12は、複数(例えば4本)の金属製の拘束バンド50(50a,50b,50c,50d)によって積層方向の両側から挟持されるようにして固定される。なお、金属板70の外側に重ねられる拘束バンド50の端部は、金属板70と共に例えばボルト(図示せず)によってエンドプレート18a,18bに固定される。
【0023】
図3に示すように、スペーサ16は、隣接する電池セル14間に挟まれるメインプレート部40と、このメインプレート部40の周縁部に設けられた複数のフランジ部42,44,46a,46b,48a,48bとを備える。
【0024】
メインプレート部40の形状は略矩形である。メインプレート部40の一方の面には、剛性を高めるための複数の補強リブ54が設けられている。これらの補強リブ54は、互いに上下方向(図中D3方向)に間隔を空けて、それぞれ積層方向(図中D1方向)に直交する横方向(図中D2方向)に延びるように設けられている。
【0025】
スペーサ16のフランジ部としては、上面フランジ部42、下面フランジ部44、左右一対の上部側面フランジ部46a,46b、及び、左右一対の下部側面フランジ部48a,48bが設けられている。各フランジ部42,44,46a,46b,48a,48bは、積層方向(図中D1方向)に平行な面に沿って設けられている。また、各フランジ部42,44,46a,46b,48a,48bは、メインプレート部40から積層方向(図中D1方向)両側に突出するように設けられている。
【0026】
下面フランジ部44の下面には、横方向(図中D2方向)両端部において、それぞれ左右一対の突出部45a,45bが設けられている。一対の突出部45a,45bの間には、拘束バンド50c,50dが嵌まり込む凹溝51c,51dが形成されている。上部側面フランジ部46a,46bの外側の面には、上下一対の突出部47a,47bが設けられている。一対の突出部47a,47bの間には、拘束バンド50a,50bが嵌まり込む凹溝51a,51bが形成されている。また、上部側面フランジ部46a,46bの上縁部には、上面フランジ部42に連なる屋根部52が設けられている。屋根部52は、隣接するスペーサ16の屋根部52同士が干渉しないようにZ字形に形成されている。下部側面フランジ部48a,48bの外側の面には突出部49が設けられている。スペーサ16の左右の側縁部には、上記の突出部47bと突出部49との間に凹部53a,53bが形成されている。
【0027】
エンドプレート18a,18bの下縁部の左右両端部には、それぞれ左右一対の突出部65a,65bが設けられている。これらの突出部65a,65bは、エンドプレート18a,18bに隣接するスペーサ16の下面フランジ部44における前記突出部45a,45bに、積層方向(図中D1方向)に重ねられる。一対の突出部65a,65bの間には拘束バンド50c,50dが嵌まり込む凹溝61c,61dが形成されている。凹溝61c,61dは、スペーサ16の凹溝51c,51dに連続するように配置される。
【0028】
エンドプレート18a,18bの左右の側縁部の上下方向中間部よりも上側の部分には、それぞれ上下一対の突出部67a,67bが設けられている。これらの突出部67a,67bは、エンドプレート18a,18bに隣接するスペーサ16の上部側面フランジ部46a,46bにおける前記突出部47a,47bに、積層方向(図中D1方向)に重ねられる。一対の突出部67a,67bの間には、拘束バンド50a,50bが嵌まり込む凹溝61a,61bが形成されている。凹溝61a,61bは、スペーサ16の凹溝51a,51bに連続するように配置される。
【0029】
また、エンドプレート18a,18bの左右の側縁部の下端部にも突出部68が設けられている。突出部68は、エンドプレート18a,18bに隣接するスペーサ16の下部側面フランジ部48a,48bにおける前記突出部49に、積層方向(図中D1方向)に重ねられる。エンドプレート18a,18bの左右の側縁部には、上記の突出部67bと突出部68の間に凹部63a,63bが形成される。
【0030】
さらに、エンドプレート18a,18bの左右の側縁部には、バッテリ監視ユニット80を取り付けるための一対の取付部69a,69bが設けられている。
【0031】
図4〜
図6を参照しながら、バッテリ監視ユニット80の構成について説明する。なお、
図4及び
図6に示されるバッテリ監視ユニット80の姿勢は、
図1に示す使用状態における姿勢と概ね同じである。
図4〜
図6を参照する下記の説明において、「上」、「下」及び「横」を含む用語、並びに「側面」という用語は、
図4及び
図6に示すバッテリ監視ユニット80の姿勢における方向を示すものである。
【0032】
バッテリ監視ユニット80は、回路基板92と、過電流を遮断するリレーユニット94とを備えている。回路基板92とリレーユニット94はベースプレート82に取り付けられている。回路基板92とリレーユニット94はカバー96により覆われる。以下、ベースプレート82において、回路基板92とリレーユニット94が取り付けられる面を「表面」、この面の反対側の面を「裏面」という。
【0033】
図6に示すように、ベースプレート82は概略矩形である。ベースプレート82の表面には上下一対の膨出部86a,86bが設けられている。一対の膨出部86a,86bは、上下方向においてベースプレート82の中央部よりも下側に設けられている。リレーユニット94は、一対の膨出部86a,86b間に介装された状態でこれらの膨出部86a,86bにボルト99で固定されている。
【0034】
回路基板92は、膨出部86a,86bよりも上側においてベースプレート82に取り付けられている。回路基板92の表面側には複数のコネクタ95a,95b,95cが設けられている。カバー96の側面には切欠部98が設けられており、
図4に示すカバー96を閉じた状態において、コネクタ95a,95b,95cは切欠部98において露出するようになっている。
【0035】
ベースプレート82には、複数の係止用穴87が設けられている。これらの係合用穴87にカバー96の係合用突起97が係合されることで、ベースプレート82の表面にカバー96が取り付けられる。
【0036】
ベースプレート82の上端コーナー部にはバスバー保持部84が設けられている。バスバー保持部84の上面には、回路基板92に電気的に接続されたバスバー36の一端部が保持される。このバスバー36の一端部は、負極外部端子100b(
図1参照)に接続される。ベースプレート82の上端面には、一方のエンドプレート18aに固定される一対の取付部90a,90bが設けられている。
図5に示すように、ベースプレート82の下端面には、他方のエンドプレート18bに固定される一対の取付部91a,91bが設けられている。ベースプレート82の裏面には、例えば一対の突出部89a,89bが設けられている。突出部89a,89bは上下方向に延びるように設けられている。
【0037】
図7は、
図1に示す使用状態における電池モジュール10を示す正面図である。
図7において、外装ケース2のケース本体3及び蓋体5と、バッテリ監視ユニット80のカバー96とは二点鎖線で示されている。
【0038】
図7に示すように、電池モジュール10は、電池セル群12の積層方向(図中D1方向)が上下方向に一致するような姿勢で外装ケース2に収容される。このとき、電池セル群12の姿勢は、電池セル14の端子22a,22b(
図2及び
図3参照)が設けられた面が正面を向くような姿勢となる。電池セル14同士の接続により形成される電気回路の一端を構成するバスバー28aは、バスバー34と、上側のエンドプレート18aの上面に設けられた別のバスバー(図示せず)とを介して正極外部端子100a(
図1参照)に電気的に接続される。なお、エンドプレート18aの上面にはカバープレート20が重ねて取り付けられている。上記電気回路の他端を構成するバスバー28eはリレーユニット94に電気的に接続されている。電池セル14の安全弁26(
図2及び
図3参照)の外側には排気ダクト72が設けられている。
【0039】
バッテリ監視ユニット80は、電池セル群12の側面、すなわち、積層方向に直交する横方向(図中D2方向)の一方の側の面に配置されている。バッテリ監視ユニット80のベースプレート82の膨出部86a,86bは、ケース本体3eの側面部3eに向けてD2方向に突出している。この膨出部86a,86bはバッテリ監視ユニット80の下部に配置され、回路基板92は膨出部86a,86bよりも上側に配置される。膨出部86a,86bは、回路基板92よりもD2方向に突出している。言い換えれば、膨出部86a,86bの膨出方向の先端よりも膨出部86a,86bの基端側に回路基板92が位置している。膨出部86a,86bを設けることで、電池モジュール10を上側からケース本体3に挿入する際、回路基板92がケース本体3の内壁に干渉することを回避できる。また、ケース本体3の側方から衝撃荷重が加えられたときに、膨出部86a,86bにより回路基板92が保護される。
【0040】
図8に示すように、バッテリ監視ユニット80のベースプレート82は、電池セル群12のスペーサ16に係合される。具体的には、ベースプレート82の裏面における一方の突出部89aがスペーサ16の凹部53
aに嵌まり込み、他方の突出部89bがスペーサ16の凹溝51
aに嵌まり込んでいる。かかるベースプレート82とスペーサ16の係合により、積層方向に直交する奥行き方向(図中D3方向)に関して、電池セル群12に対するバッテリ監視ユニット80の位置ずれを防止できる。なお、
図8では、ベースプレート82とスペーサ16との係合状態を容易に理解できるように、電池セル群12の一部の図示を省略している。
【0041】
ベースプレート82の突出部89a,89bのうち、突出部89aはエンドプレート18a,18bの凹溝
63aには嵌まり込み、突出部89bは、エンドプレート18a,18bの凹部
61aに嵌まり込んでいる。かかるベースプレート82とエンドプレート18a,18bの係合によっても、電池セル群12に対するバッテリ監視ユニット80のD3方向の位置ずれを防止できる。
【0042】
図9は、
図7のA−A線断面図であり、主として電池モジュール10の底面とケース本体3の周壁部の断面を示している。また、
図10は、
図7のB−B線断面図であり、主としてスペーサ16の断面とケース本体3の周壁部の断面を示している。なお、
図9及び
図10では、バスバー28を含むいくつかの部材の図示を省略している。また、
図10では、バッテリ監視ユニット80、拘束バンド50及び排気ダクト72を二点鎖線で示している。
【0043】
本実施形態の蓄電装置1は、特に、以下の点に特徴がある。
【0044】
図9及び
図10を参照すれば明らかなように、外装ケース1のケース本体3の底面部3aの寸法、具体的には底面部3aのうち前面部3b、後面部3c、及び側面部3d,3eで囲まれた領域の寸法と、電池モジュール10(電池セル群12とバッテリ監視ユニット80の両方を含む)をケース本体3の開口3fから見たときの外形輪郭の寸法とが、D2方向(電池セル群12とバッテリ監視ユニット80が並ぶ方向)とD3方向(D2方向に対して直交する方向)のいずれについても、実質的に同じである。
【0045】
D2方向について、ケース本体3の底面部3aの寸法と電池モジュール10の寸法とが実質的に同一であると言えるのは以下の場合である。
図10を参照すると、電池モジュール10の平面視での外形輪郭のD2方向の寸法が、D2方向に対向する突出部9hと突出部9g間(突出部9iと突出部9j間)の距離WD2以上(製造上の誤差や電池モジュールとしての機能に影響のない程度の寸法差は許容される)の必要がある。最も好ましいのは、電池モジュール10の平面視での外形輪郭のD2方向の寸法が、D2方向に対向する側面部3e,3d間の距離WD2’と等しい場合である。本実施形態の場合、バッテリ監視ユニット80のカバー96が側面部3eに当接し、スペーサ16の突出部45bが突出部9jに当接しているので、ケース本体3の底面部3aの寸法と電池モジュール10の寸法とが実質的に同一であるという条件は充足されている。
【0046】
D3方向については、ケース本体3の底面部3aの寸法と電池モジュール10の寸法とが実質的に同一であると言えるのは以下の場合である。
図10を参照すると、電池モジュール10の平面視での外形輪郭のD3方向の寸法が、D3方向に対向する突出部9hと突出部9i間(突出部9gと突出部9j間)の距離WD3以上(製造上の誤差や電池モジュールとしての機能に影響のない程度の寸法差は許容される)の必要がある。最も好ましいのは、電池モジュール10の平面視での外形輪郭のD3方向の寸法が、D3方向に対向する側面部3b,3c間の距離WD3’と等しい場合である。本実施形態の場合、スペーサ16の突出部45bの先端はケース本体3の突出部9i,9jよりも側面部3c側に位置している。また、バッテリ監視ユニット80のカバー96の一端側(
図10において電池モジュール10の上端側)がケース本体3の突出部9hに接触又は隣接して位置し、スペーサ16のフランジ部44(
図10において電池モジュール10の下端側)がケース本体3の後面部3cに設けられたリブ4a〜4hの先端に対して接触又は隣接して位置している。さらに、バッテリ監視ユニット80のベースプレート82の一端が突出部9hよりも側面部3b側に位置している。従って、D3方向についても、ケース本体3の底面部3aの寸法と電池モジュール10の寸法とが実質的に同一であるという条件は充足されている。
【0047】
以上のようにD2方向及びD3方向のいずれについても、ケース本体3の底面部3aの寸法と電池モジュール10の寸法とが実質的に同一であるので、ケース本体3と電池モジュール10との間のデッドスペースを最小限とし、ケース本体3内での電池モジュール10の横ずれを防止できる。D2方向及びD3方向のいずれか一方のみについてケース本体3の底面部3aの寸法と電池モジュール10の寸法とを実質的に同一とする場合した場合でも、その方向についてはケース本体3と電池モジュール10との間のデッドスペースを最小限とし、ケース本体3内での電池モジュール10のその方向の横ずれを防止できる。
【0048】
前述のように、バッテリ監視ユニット80が備えるベースプレート82の裏面に設けられた一対の突出部89a,89bは、それぞれスペーサ16の凹部53b,51bに嵌まり込んでいるので、電池セル群12に対するバッテリ監視ユニット80のD3方向の位置ずれを防止できる。なお、バッテリ監視ユニット80(ベースプレート82)側に凹部を設け、この凹部にスペーサ16に設けた突出部が嵌まり込む構造であってもよい。
【0049】
また、前述のようにベースプレート82の突出部89a,89bは、エンドプレート18a,18bの凹溝61aと凹部63aとに嵌まり込んでおり、この構造によっても電池セル群12に対するバッテリ監視ユニット80のD3方向の位置ずれを防止できる。なお、バッテリ監視ユニット80(ベースプレート82)側に凹部を設け、この凹部にエンドプレート18a,18bに設けた突出部が嵌まり込む構造であってもよい。
【0050】
図10に最も明瞭に図示されているように、スペーサ16の突出部45b,49間の隙間110に外装ケース2のケース本体3が備える突出部9iが嵌まり込んでいる。この構造には、電池モジュール10を開口3fからケース本体3に収容する際に、スペーサ16の降下移動を案内する機能があり、スペーサ16の突出部9への干渉ないしは衝突を防止できる。
【0051】
図6に最も明瞭に示すように、バッテリ監視ユニット80のベースプレート82は一対の膨出部86a,86bを備え、その上方に回路基板92が配置されている。膨出部86a,86bは回路基板92よりも側面部3eに向けてD2方向に突出している。この構造により、電池モジュール10を開口3fからケース本体3に収容する際に、回路基板92が例えばケース本体3の突出部9と干渉ないしは衝突する可能性を最小限に抑制できる。つまり、この構造により、電池モジュール10をケース本体3に収容する際の回路基板92の損傷を確実に防止できる。また、ケース本体3の外側から作用する衝撃は、回路基板92に伝わる前に膨出部86a,86bに伝わる。その結果、ケース本体3の外側から作用する衝撃に対して回路基板92を保護できる。
【0052】
ベースプレート82は膨出部86a,86bに代えて又は膨出部86a,86bに加えて、膨出部86a,86bと同様の膨出部を回路基板92の上方に備えていてもよい。本実施形態では前述のように前面部3b、後面部3c及び側面部3d,3eは底面部3aから上方の開口3fに向けて漸次広がっている(
図1の仮想線L1参照)。そのため、回路基板92の上方に膨出部を設けた場合、膨出部86a,86bのように回路基板92の下方に設ける場合よりも、膨出部の突出量を大きく設定できる。膨出部の突出量を大きく設定することで、ケース本体3の外側から作用する衝撃が回路基板92により伝達されにくくなり、回路基板92を衝撃から保護する機能が向上する。
【0053】
膨出部86a,86bに代えて、回路基板92を取り囲む膨出部を設けてもよい。このような膨出部を設けることで回路基板92をより効果的に衝撃から保護できる。
【0054】
本実施形態における膨出部86a,86bはD2方向に向けて突出しているが、回路基板92よりもD3方向に突出する膨出部をベースプレート82に設けてもよい。このような膨出部を設けることによっても回路基板92を衝撃から保護できる。
【0055】
図9及び
図10に最も明瞭に示すように、バッテリ監視ユニット80は、外装ケース2のケース本体3の側面部3eに設けられた突出部9h,9iの間の空間111に配置されている。突出部9h,9iはバッテリ監視ユニット80に当接することで、電池モジュール10の図中D3方向の変位を規制する。つまり、この構造により、電池モジュール10のケース本体3内での位置決め精度が向上し、電池モジュール3の図中D3方向の横ずれが防止される。
【0056】
図4から
図6を参照して説明したように、バッテリ監視ユニット80のベースプレート82は、一端側(ケース本体3内への収容時の姿勢では上端側)の取付部90a,90bが一方のエンドプレート18aに固定され、他端側(ケース本体3内への収容時の姿勢では下端側)の取付部91a,91bが他方のエンドプレート18bに固定される。
図11にバッテリ監視ユニット80のベースプレート82の両端の取付部90a,90bがエンドプレート18a,18bに固定された状態を概念的に示す。本実施形態では、バッテリ監視ユニット80は、電池セル群12を構成している積層配置された電池セル3の蓋体5(正負の端子22a,22bが設けられている)で構成された面とは異なる面、すなわち個々の電池セル3の短側壁で構成される面に配置されている。ベースプレート82の取付部90a,90b,91a,91bをエンドプレート18a,18bに固定することで、バッテリ監視ユニット80を電池セル群12に対して本実施形態のように配置する構成を簡易に実現できる。しかも、ベースプレート82は両端が取付部90a〜91bによりベースプレート18a,18bに対して固定されているので、バッテリ監視ユニット80は電池セル群12に対して十分な機械的強度をもって連結されている。
【0057】
図12に示す変形例のように、ベースプレート82をスペーサ16に固定してもよい。この
図12の例では、スペーサ16の側部に設けた係止片200をベースプレート82に設けた係合孔201に係合することで、ベースプレート82をスペーサ16に固定している。ベースプレート82をスペーサ16にも固定することで、バッテリ監視ユニット80を電池セル群12に対して連結する機械的強度をさらに向上できる。
【0058】
図4に仮想線L2で概念的に示すように、バッテリ監視ユニット80のカバー96の外面は、底面部3aに対して垂直又は鉛直方向上向きに上方に延びるのではなく、ケース本体3の底面部3aに対して外向きに傾いている。また、この傾きは、前述した前面部3b、後面部3c及び側面部3d,3eの傾き(
図1の仮想線L1)と概ね一致している。そのため、バッテリ監視ユニット80のカバー96の外面の概ね全面が、バッテリ監視ユニット80が対向しているケース本体3の側面部3eの内面に当接している。この構成によっても、電池モジュール10のケース本体3に対する横ずれ(特にD2方向の位置ずれ)が防止されている。
【0059】
(第2実施形態)
図13及び
図14に示す本発明の第2実施形態に係る蓄電装置1のケース本体3
は、突出部9g〜9jと同様に、蓋体5をケース本体3に固定するためのボルト穴(
図1の符号7b)参照が形成された突出部9kを側面部3dのD3方向中央付近に備えている。バッテリ監視ユニット80はこの突出部9kとは反対側に配置され、
図1にのみ概念的に示す蓋体5に設けられた外部コネクタ112も突出部9kに対して反対側に設けられている。さらに、外部コネクタ112に接続される回路基板92のコネクタ95aも突出部9kとは反対側に配置されている。この構成により、ケース本体3に対して電池モジュール12や蓋体5が誤った向きで組み付けられること(例えばバッテリ監視ユニット80や外部コネクタ112が正規の姿勢とは逆の姿勢となるように組み付けられること)を、防止できる。また、外部コネクタ112とコネクタ95aは共に突出部9kとは反対側にあるので、これらの接続作業が容易である。
【0060】
以下、ケース本体3に対して電池モジュール12が誤った向きで組み付けることができない理由を詳述する。
図13及び
図14に示すように電池モジュール10が正規の姿勢であれば、バッテリ監視ユニット80がケース本体3の側面部3d,3eのうちこれらの図において左側の側面部3e(突出部9kのような突出部は設けられていない)と対向し、電池モジュール10のバッテリ監視ユニット80とは反対側が図において
右側の側面部3d(突出部9kが設けられている)と対向する。また、ケース本体3側の突出部9kは、電池モジュール10が正規の姿勢であればスペーサ16の突出部47bと突出部49の間に設けられた空間に配置される(電池モジュール10と干渉しない)ように、位置及び寸法が設定されている。従って、電池モジュール10を正規の姿勢とすれば、開口3f(
図1)から電池モジュール10をケース本体3内に収容する際に、突出部9kに対して電池モジュール10が干渉することはなく、電池モジュール10をケース本体3内に収容できる。一方、電池モジュール10が正規の姿勢と逆の姿勢の場合、バッテリ監視ユニット80がケース本体3の側面部3d(突出部9kが設けられている)と対向し、電池モジュール10のバッテリ監視ユニット80とは反対側がケース本体3の側面部3e(突出部9kのような突出部は設けられていない)と対向する。従って、正規の姿勢とは逆の姿勢とした電池モジュール10を開口3fからケース本体3内に収容しようとしても、バッテリ監視モジュール10のカバー96が突出部9kと干渉するので、電池モジュール10をケース本体3内に収容することができない。
【0061】
第2実施形態のその他の構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。