(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6264977
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
B60R 1/00 20060101AFI20180115BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
B60R1/00 A
B60K35/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-57348(P2014-57348)
(22)【出願日】2014年3月20日
(65)【公開番号】特開2015-178345(P2015-178345A)
(43)【公開日】2015年10月8日
【審査請求日】2017年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 匠
【審査官】
高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−183170(JP,A)
【文献】
特開2009−276943(JP,A)
【文献】
特開平05−000638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00
B60R 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、車両の左後方及び右後方を撮像する撮像手段と、左後方画像及び右後方画像を前記表示手段に表示させる制御手段と、を備えた車両用表示装置であって、
前記画像は、ドアミラーのハウジングを模した枠状画像と、前記枠状画像の内部に表示されるドアミラーの鏡面を模したミラー状画像と、を有し、
前記制御手段は、起動時に、前記枠状画像及び前記ミラー状画像を、ドアミラーが徐々に開くようなアニメーションで前記表示手段に表示させることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記ミラー状画像は、前記アニメーション中に、前記鏡面が瞬間的に光輝くような演出を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記左後方画像を表示する第一の表示器と、前記右後方画像を表示する第二の表示器と、を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、ドアミラーが開いたような前記画像を所定時間表示させた後、前記表示手段の画面全体に、前記左後方画像及び前記右後方画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、車両が運転停止されるとき、ドアミラーが徐々に閉じるようなアニメーションで前記画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の後方を撮像した画像を表示する車両用表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の左後方及び右後方を撮像カメラにて監視する車両用表示装置が種々提案されており、例えば特許文献1に開示されている。斯かる車両用表示装置は、前方を向いて車両を運転している車両運転者が直視できない領域を撮像カメラにて撮像し、この撮像カメラで撮像された画像を表示器に表示するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5051263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両運転者が、表示器に表示された画像が車両の左後方及び右後方を撮像した画像であることを把握し難いという問題を有していた。つまり、表示器に画像が表示されていても、その画像が車両のどの方向を撮像したものであるのかが判り難かった。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、表示手段に表示された画像が、車両の左後方及び右後方を撮像した画像であることを把握し易い車両用表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、表示手段と、車両の左後方及び右後方を撮像する撮像手段と、左後方画像及び右後方画像を前記表示手段に表示させる制御手段と、を備えた車両用表示装置であって、
前記画像は、ドアミラーのハウジングを模した枠状画像と、前記枠状画像の内部に表示されるドアミラーの鏡面を模したミラー状画像と、を有し、前記制御手段は、起動時に、
前記枠状画像及び前記ミラー状画像を、ドアミラーが
徐々に開くよう
なアニメーションで前記表示手段に表示させるものである。
【0006】
また、本発明は、前記
ミラー状画像は、
前記アニメーション中に、前記鏡面が瞬間的に光輝くような演出を有するものである。
【0007】
また、本発明は、前記表示手段は、前記左後方画像を表示する第一の表示器と、前記右後方画像を表示する第二の表示器と、を有するものである。
【0008】
また、本発明は、前記制御手段は、ドアミラーが開いたような前記画像を所定時間表示させた後、前記表示手段の画面全体に、前記左後方画像及び前記右後方画像を前記表示手段に表示させるものである。
【0009】
また、本発明は、前記制御手段は、車両が運転停止されたとき、ドアミラーが
徐々に閉じるよう
なアニメーションで前記画像を前記表示手段に表示させるものである。
【発明の効果】
【0010】
起動時に、ドアミラーを模した画像を、ドアミラーが開くように表示させることにより、表示手段に表示された画像が、車両の左後方及び右後方を撮像した画像であることを把握し易い。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。車両用表示装置は、左側撮像カメラ1L及び右側撮像カメラ1Rからなる撮像手段1にて撮像した左後方画像L1及び右後方画像R1を車両用計器2の表示手段4に表示するものである。表示手段4は、表示器20及び表示器30からなるものである。
【0013】
左側撮像カメラ1L,右側撮像カメラ1Rは、CCDイメージセンサ,CMOSイメージセンサ等の撮像素子を有するものである。左側撮像カメラ1Lは車両の左後方を撮像し、右側撮像カメラ1Rは車両の右後方を撮像する。左側撮像カメラ1L,右側撮像カメラ1Rは、車両のドアミラーに配設しても良いし、例えば、車両のフェンダーに配設しても良い。左側撮像カメラ1Lによって撮像された左後方画像L1は、表示器20に表示される。右側撮像カメラ1Rによって撮像された右後方画像R1は、表示器30に表示される。左後方画像L1及び右後方画像R1は、左右反転されている。
【0014】
車両用計器2は、表示器10,20,30,回路基板50,ケース60,保護パネル部材80を備えている。表示器10は、透明電極膜が形成された一対のガラス基板に液晶を封入した液晶セルの前後両面に偏光部材を貼着した液晶表示パネルからなるものであり、例えば車両速度をデジタル表示する。表示器10は、可撓性配線部材(図示しない)にて回路基板50に電気的に接続されている。表示器10は、回路基板50の前面に搭載された発光素子51によって透過照明される。表示器10は、保護パネル部材80から所定間隔を有するように、上ケース61に保持されている。
【0015】
表示器20,30は、TFT型カラー液晶モジュールからなるものであり、この表示器20,30には、左側撮像カメラ1L,右側撮像カメラ1Rによって撮像された左後方画像L1,右後方画像R1が表示される。表示器10は、2個の表示器20,30の間に配置される。
【0016】
回路基板50は、ガラスエポキシ樹脂からなる基材に銅箔からなる配線パターンを形成したものであり、発光素子51やマイコン55が搭載されている。ケース60は、樹脂(ポリプロピレン等)からなるものであり、上ケース61と下ケース62とを有している。
【0017】
保護パネル部材80は、無機ガラスからなる透光性基板81の後面に、遮光層82を形成したものである。保護パネル部材80の遮光層82は、表示器10の画面を視認可能な矩形の開口82aと、表示器20の画面を視認可能な矩形の開口82bと、表示器30の画面を視認可能な矩形の開口82cとを有している。保護パネル部材80は、上ケース61に固定されている。
【0018】
表示器20,30は、光硬化型の透明接着剤40にてオプティカルボンディングされており、保護パネル部材80に密着されている。表示器20,30は、透明接着剤40で保護パネル部材80に密着されていることにより、外光反射や結露が抑制される。
【0019】
車両が運転停止状態であるとき、車両運転者により起動スイッチ3(イグニッションスイッチ等)が操作されて、車両用表示装置が起動されると、マイコン55は、ミラー状画像M1,枠状画像P2,背景画像P3を表示器20,30に表示させる。ミラー状画像M1は、ドアミラーの鏡面を模したものであり、枠状画像P2の内部に表示される。
【0020】
枠状画像P2は、ドアミラーのハウジングを模したものである。枠状画像P2は、ドアミラーが徐々に開くようなアニメーションで表示される(
図4(a)〜(c)参照)。このとき、ミラー状画像M1として、鏡面が瞬間的に光輝くような演出をしても良い。枠状画像P2の外部には、背景画像P3が表示される。
【0021】
次に、マイコン55は、ドアミラーが完全に開いたような状態の枠状画像P2を所定時間(例えば1秒)表示する。このとき、枠状画像P2の内部には、枠状画像P2の形状でトリミングされた左後方画像L1,右後方画像R1が表示される(
図4(d)参照)。そして、表示器20,30の画面全体に、左側撮像カメラ1L,右側撮像カメラ1Rにて撮像した左後方画像L1,右後方画像R1を表示させる(
図4(e)参照)。
【0022】
車両運転中、車両運転者は、表示器20
,30に表示された左後方画像L1,右後方画像R1にて、車両の左後方及び右後方を監視することができる。
【0023】
再び起動スイッチ3が操作され、車両が運転停止されるとき、マイコン55は、枠状画像P2を、ドアミラーが徐々に閉じるようなアニメーションで表示器20,30に表示させる(
図5参照)。
【0024】
具体的には、マイコン55は、ドアミラーが完全に開いたような状態の枠状画像P2を所定時間(例えば0.5秒)表示する。このとき、枠状画像P2の内部には、左後方画像L1,右後方画像R1が表示されている(
図5(b)参照)。そして、枠状画像P2は、ドアミラーが徐々に閉じるようなアニメーションで表示される(
図5(c)〜(e)参照)。このとき、枠状画像P2の内部には、ミラー状画像M1が表示される。
【0025】
本実施形態によれば、車両用表示装置の起動時に、ドアミラーが徐々に開くように枠状画像P2を表示させることにより、表示手段1に表示された左後方画像L1,右後方画像R1が、車両の左後方及び右後方を撮像した画像であることを把握し易くなる。なお、ドアミラーが徐々に開くように枠状画像P2を表示させているときに、必ずしもミラー状画像M1を表示させる必要はなく、例えば、枠状画像P2の内部は、単色表示であっても良い。
【0026】
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能であり、例えば、本実施形態は、左側撮像カメラ1L,右側撮像カメラ1Rで撮像した左後方画像L1,右後方画像R1を夫々表示器20,30に表示させるものであったが、左後方画像L1,右後方画像R1を1個の表示器に表示させても良い。
【0027】
また、本実施形態は、ドアミラーが完全に開いた状態を所定時間表示した後、表示器20,30の画面全体に、撮像手段1にて撮像した左後方画像L1,右後方画像R1を表示させるものであったが、枠状画像P2を表示させ続けても良い。また、本実施形態は、ドアミラーが徐々に開くように枠状画像P2を表示させているときに、枠状画像P2の内部にミラー状画像M1を表示させるものであったが、枠状画像P2の内部に、左後方画像L1,右後方画像R1を表示させても良い。
【符号の説明】
【0028】
1 撮像手段
1L 左側撮像カメラ
1R 右側撮像カメラ
4 表示手段
20 表示器(第一の表示器)
30 表示器(第二の表示器)
55 マイコン(制御手段)
L1 左後方画像
R1 右後方画像
M1 ミラー状画像
P2 枠状画像