(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の検品装置においては、ピッキングすべき物品の数量が単品以外(複数品)の場合には、実際の物品の数量を表示手段で確認しなければならず、作業者は、常に、表示手段を有する検品装置本体(端末装置)を携帯しなければならない。そのため、作業者が検品装置本体を携帯できない場所或いは状況においては、単品以外の物品の数量を確実に認識することができないという問題があった。
また、従来の検品装置においては、検品すべき物品の残数を聴覚により認識することができず、上記と同様に、表示手段で確認しなければ検品すべき物品の残数を認識することができないという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、作業者が検品装置における表示手段を確認(目視)することなく、検品すべき物品の数量及び残数を認識することが可能な検品装置及びその検品装置を備える作業設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上であり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、本発明のうち請求項1に記載の検品装置は、物品の検品を行う検品装置であって、物品に設けられた識別符号を読み取る読取手段と、前記読取手段により識別符号が読み取られた物品の数量を計数する数量計数手段と、前記数量計数手段が計数した物品の数量に基づいて、検品が必要な物品の残数を計数する残数計数手段と、前記残数計数手段により計数された物品の残数を報知音で報知する報知手段と、を備え、前記報知手段は、前記残数計数手段により計数された物品の残数が所定の残数以下になると、物品の残数を報知するものである。
上記構成では、検品が必要な物品の残数が所定の残数以下になると、報知手段は作業者に対して検品が必要な物品の残数を報知する。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の検品装置において、前記報知手段は、前記残数計数手段により計数された物品の残数が無くなると、物品の検品が完了した旨を報知するものである。
上記構成では、検品が必要な物品の残数が無くなると、報知手段は作業者に対して物品の検品が完了した旨を報知する。
【0009】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の検品装置において、前記報知手段は、前記残数計数手段により計数された物品の残数を音声で報知するものである。
上記構成では、報知手段は作業者に対して検品が必要な物品の残数を音声で報知する。
【0010】
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の検品装置において、前記報知手段は、前記残数計数手段により計数された物品の残数が所定の残数以下になると、物品の残数をカウントダウンで報知するものである。
上記構成では、残数計数手段により計数された物品の残数が所定の残数以下になると、報知手段は作業者に対して物品の残数をカウントダウンで音声により報知する。
【0011】
さらにまた、請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の検品装置において、前記報知手段は、物品の検品を行うロケーションを報知するものである。
上記構成では、前記報知手段は、作業者に対して物品の検品を行うロケーションを音声で報知する。
【0012】
さらにまた、請求項6に記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の検品装置において、前記報知手段は、検品すべき物品を報知するものである。
上記構成では、前記報知手段は、作業者に対して検品すべき物品を音声で報知する。
【0013】
さらにまた、請求項7に記載の作業設備は、物品の検品を行う検品装置を備える作業設備であって、前記検品装置は、物品に設けられた識別符号を読み取る読取手段と、前記読取手段により識別符号が読み取られた物品の数量を計数する数量計数手段と、前記数量計数手段が計数した物品の数量に基づいて、検品が必要な物品の残数を計数する残数計数手段と、前記残数計数手段により計数された物品の残数を報知音で報知する報知手段と、を備え、前記報知手段は、前記残数計数手段により計数された物品の残数が所定の残数以下になると、物品の残数を報知するものである。
上記構成では、検品が必要な物品の残数が所定の残数以下になると、報知手段は作業者に対して検品が必要な物品の残数を報知する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の検品装置及びその検品装置を備える作業設備によれば、作業者は検品すべき物品の残数を音或いは音声(報知音)で認識できるため、検品作業中に検品装置の画面表示を確認することなく物品の残数を認識できる。さらに、物品の残数を表示する検品装置の画面表示が無い場合であっても、作業者自らが物品の数量を数えることなく物品の残数を認識できる。そのため、検品作業の作業効率が向上する。また、カート等の搬送手段をメイン通路に置いたまま枝通路にて検品が可能であるため、枝通路の通路幅が縮小でき、作業設備の設置面積を大幅に削減できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る検品装置30を備えたピッキング設備4(ピッキングエリア)を有する配送施設1(「作業設備」の一例)について説明する。
図1から
図3に示すように、配送施設1は、物品2を、入荷し、仕分けし、出荷する施設である。配送施設1は、入荷・検収場3と、ピッキング設備4と、検品・出荷場5と、が設けられている。
【0017】
入荷・検収場3には、キーボード、ディスプレイを有する入荷端末装置7が設けられている。入荷端末装置7には、入荷用のバーコードリーダ8及びラベル発行装置9が接続されている。
物品2は、ケース10内に収納された状態で、入荷・検収場3内に搬入される。また、物品2には、各物品2を特定する物品用バーコード11(「識別符号」の一例)が貼付されている。さらに、各ケース10の外面には、物品2に貼付されたものと同一の物品用バーコード11が貼付されている。
ラベル発行装置9は、バーコードリーダ8によって読み取られた物品用バーコード11の情報(物品情報)と入荷端末装置7から入力された物品2の情報(例えば、物品2の品名(品種)、物品2の賞味期限等)とに基づいて、出荷ラベル12を発行する。
出荷ラベル12には、物品用バーコード11の情報と入荷端末装置7から入力された物品2の情報とが記憶された出荷用バーコードが印字されており、入荷された各ケース10の外面に貼付される。
さらに、入荷端末装置7は、オーダナンバー、物品用バーコード11等が記載されたピッキングリスト(図示せず)を発行する。作業者Hは、このピッキングリストをピッキング設備4まで携帯する。
さらにまた、入荷端末装置7は、コントローラ14を介して制御用コンピュータ15に接続されており、制御用コンピュータ15との間で信号の授受が行われる。なお、バーコードリーダ8によって読み取られた物品用バーコード11の情報(物品情報)と入荷端末装置7で入力された物品2の情報、さらに入荷したケース10の数量の情報は、入荷端末装置7からコントローラ14を介して制御用コンピュータ15に送られ、制御用コンピュータ15に在庫データとして記憶される。また、制御用コンピュータ15は、入荷予定のケース10(物品2)が予定の数量、入荷されたか否かを検収する。コントローラ14及び制御用コンピュータ15により管理手段が形成されている。
【0018】
次に、本発明に係る検品装置30をピッキング設備4において用いる場合について説明する。なお、本発明は、ピッキング設備4のような構成に限定されるものではない。
図1に示すように、ピッキング設備4には、メイン通路85から枝分かれに区分けされた複数のZa〜Zpゾーンが形成されている。各Za〜Zpゾーン内には、一対のピッキング棚17a、17bがそれぞれ配置されている。一対のピッキング棚17a、17bの間には、作業者Hがピッキング棚17a、17bの所定の物品収納部18まで移動するための枝通路16が形成されている。枝通路16は、作業者Hが移動可能な程度の幅であって、且つカート50が移動できない幅で形成されている。すなわち、ピッキング設備4においては、作業者Hは、カート50をメイン通路85のみで移動させ、カート50から離れた状態で検品(ピッキング)作業を行う。
【0019】
図2に示すように、各ピッキング棚17a、17bには、物品収納用の複数の物品収納部18が形成されている。物品収納部18は、間口方向Y(幅方向)に複数設けられた仕切板19と、段方向Z(上下方向)に複数設けられた棚板20とで仕切られている。そして、物品収納部18には、ケース10が収納される。ケース10には、物品2が収納される。
また、各ピッキング棚17a、17bには、棚番号(棚No.)が設定されている。この棚番号は、列方向Xの番号X1、X2・・・と、間口方向Yの番号Y1、Y2・・・と、段方向Zの番号Z1〜Z3と、物品収納部18毎に間口方向Yに振り分けられた連番1〜3と、から構成される。物品2(ケース10)の収納位置は、この棚番号によって特定される。
【0020】
さらに、各棚板20の前面には、信号の送受信を行うピッキング表示器21a、21bが設けられている。ピッキング表示器21a、21bは、物品収納部18に収納される収納ケース10の収納位置(連番1〜3)毎に対応して設けられている。ピッキング表示器21a、21bは、緑色と赤色とに切換可能に点灯する表示ランプを備えている。なお、一方のピッキング表示器21aは各Za〜Zpゾーン内の枝通路16に対して左側のピッキング棚17aに対応し、他方のピッキング表示器21bは各Za〜Zpゾーン内の枝通路16に対して右側のピッキング棚17bに対応している。
また、各ピッキング棚17a、17bの端部には、ゾーン表示灯22a、22bと、ゾーンを特定するゾーン用バーコード27と、「緑」色を選択する緑用バーコード28と、「赤」色を選択する赤用バーコード29と、が設けられている。各ゾーン表示灯22a、22bは、その上部において緑色に点灯する緑用表示灯23と、その下部において赤色に点灯する赤用表示灯24と、を有するタワー表示灯から構成されている。なお、一方のゾーン表示灯22aは各Za〜Zpゾーン内の枝通路16に対して左側のピッキング棚17aに対応し、他方のゾーン表示灯22bは各Za〜Zpゾーン内の枝通路16に対して右側のピッキング棚17bに対応している。
【0021】
図3に示すように、コントローラ14は、高速インタフェイス25及び信号ライン26等を介して、Za〜Zpゾーン毎の各ピッキング表示器21a、21bと、ゾーン表示灯22a、22bと、に接続されている。また、コントローラ14には、予めピッキング設備4のピッキング棚17a、17bの各物品収納部18の配置、各物品収納部18に収納される物品2の情報等が登録されている。
【0022】
また、ピッキング設備4には、物品2を収納した複数のオリコン55を運搬可能なカート50が複数台配備されている。カート50には、検品装置30を構成するタブレット端末31(「数量計数手段」、「残数計数手段」の一例)が着脱自在に設けられている。さらに、作業者Hの腰部には検品装置30を構成する無線バーコードリーダ32(「読取手段」の一例)が着脱可能に装着され、作業者Hの一方の耳部には検品装置30を構成するヘッドセット33(「報知手段」の一例)が装着されている。
【0023】
タブレット端末31は、ピッキング作業或いは検品作業に使用される作業端末である。
図3に示すように、タブレット端末31は、端末本体を制御する制御部34(「数量計数手段」、「残数計数手段」の一例)と、ピッキングデータ、検品データ等の物品情報を記憶するメモリ35と、ピッキング或いは検品する物品2の商品名或いは所要数量等が表示されるタッチパネル式のディスプレイ36と、信号の授受を行う無線通信部37と、を主に備える。タブレット端末31は、無線通信装置60及び無線通信装置61を介して制御用コンピュータ15及び入荷端末装置7に接続され、制御用コンピュータ15或いは入荷端末装置7との間で信号の授受を行う。また、タブレット端末31は、無線通信部37を介して無線バーコードリーダ32及びヘッドセット33に接続され、無線バーコードリーダ32及びヘッドセット33との間で信号の授受を行う。
無線バーコードリーダ32は、物品2或いはケース10に貼付される物品用バーコード11と、ケース10に貼付される出荷ラベル12に印字されている出荷用バーコードと、上記ピッキングリストに印字されている物品用バーコード11と、オリコン55を識別するためにオリコン55の側面に貼付されているオリコン用バーコード80と、を読み取る。無線バーコードリーダ32は、読み取ったバーコードの情報を、その内部の無線通信部37を介してタブレット端末31に送信する。
ヘッドセット33は、ピッキング作業に関する情報を作業者Hに対して音声或いは音(報知音)で出力するものである。ここで、ピッキング作業に関する情報としては、ピッキング棚17a、17b上のケース10からピッキングすべき物品2の品名(品種)、ピッキングすべき物品2の数量及び残数、ピッキングすべき物品2が収納されているピッキング棚17a、17b(ケース10)の位置、等の情報が挙げられる。また、ヘッドセット33は、ピッキング(検品)すべき物品2の残数が所定の残数以下となった時点でその残数を報知する。ここで「所定の残数」とは、任意に設定されるピッキング(検品)すべき物品2の残数である。
【0024】
次に、検品装置30を用いたピッキング(検品)作業について説明する。
図4及び
図5に示すように、コントローラ14は、制御用コンピュータ15において形成された出荷データを入力し、ピッキングデータを形成する(S1)。
ピッキング作業を行う作業者Hは、まず、タブレット端末31のディスプレイ36上の作業選択画面においてピッキング作業を選択する(S2)。タブレット端末31の制御部34は、この作業の選択操作信号に応じて、タブレット端末31を特定するコード及びピッキング作業選択の情報を、タブレット端末31の無線通信部37を介してコントローラ14へ伝送する(S3)。
コントローラ14はこの選択情報を記憶し、入力したコードのタブレット端末31をピッキング作業用と認識して仕分け先(店舗)の一つを割り当て、この店舗のピッキングデータにより、ピッキングする物品2の数量が“0”ではない(ピッキングする物品2がある)ゾーンZa〜Zpを求め、そのゾーンのリストの情報をタブレット端末31へ伝送する(S4)。
タブレット端末31の制御部34は、上記ゾーンのリストが伝送されてくると、ディスプレイ36にピッキングを実行するゾーンZa〜Zpのリストを表示する(S5)。
【0025】
作業者Hは、タブレット端末31のディスプレイ36に表示された、ピッキングを実行するゾーンZa〜Zpを確認し、カート50を移動させながらメイン通路85を移動して、これらゾーンZa〜Zpの内、混雑していない(ピッキング作業者がいない又は一人の作業者が作業をしている)ゾーンZa〜Zpを選択する。そして、作業者Hは、そのゾーンZa〜Zpのゾーン用バーコード27を無線バーコードリーダ32により読み取り、続いて緑用バーコード28又は赤用バーコード29の一方を選択して無線バーコードリーダ32により読み取る(先の作業者がいるときは、先の作業者が選択していない方を選択する)。無線バーコードリーダ32は、読み取った各バーコードの読み取り情報をタブレット端末31に送信する(S6)。
タブレット端末31の制御部34は、各バーコードの読み取り情報に応じて、このタブレット端末31を特定するコードとピッキングを行うゾーンの情報、続いてタブレット端末31を特定するコードと選択した表示色(「緑」または「赤」)の情報を形成し、タブレット端末31の無線通信部37を介してコントローラ14へ伝送する(S7)。
【0026】
コントローラ14は、タブレット端末31を特定するコードとゾーンの情報を入力すると、選択されたゾーンの上記ピッキングデータを求めてタブレット端末31へ伝送する。続いてこのピッキングデータにおいて数量が“0”ではない(ピッキングする物品2がある)棚番号を求め、これら棚番号が、左のピッキング棚17a、又は右のピッキング棚17bに存在するかを判断する。続いて表示色の情報に基づいてゾーンのゾーン表示灯22a、22bの緑用表示灯23又は赤用表示灯24を選択し、ピッキング棚17aに上記ピッキングする棚番号が存在するときゾーン表示灯22aを選択し、ピッキング棚17bに上記ピッキングする棚番号が存在するときゾーン表示灯22bを選択し、緑用表示灯23又は赤用表示灯24を点灯する。続いてピッキングする棚番号が存在する、ゾーン内全てのピッキング表示器21a、21bを一度に、選択した表示色で点灯させる(S8)。さらに、タブレット端末31の制御部34は、ピッキングを行う棚番号(ロケーション)を音声で報知するため信号を形成し、タブレット端末31の無線通信部37を介してヘッドセット33へ送信する。ヘッドセット33は、当該信号を受信すると、ピッキングを行う棚番号(ロケーション)を音声で報知する。
【0027】
作業者Hは、選択した色でゾーン表示灯22a又は22bが点灯されたピッキング棚17a又は17bを確認し、又はヘッドセット33の音声に従って、対応するピッキング棚17a又は17bの位置する枝通路16の一端部までカート50を移動させる。続いて、作業者Hは、選択した色で点灯されたピッキング表示器21a又は21bを確認し、又はヘッドセット33の音声に従って、点灯したピッキング表示器21a又は21bの物品収納部18に収納されているケース10の物品用バーコード11を無線バーコードリーダ32により読み取る。無線バーコードリーダ32は、読み取った物品用バーコード11の読み取り情報をタブレット端末31に送信する(S9)。
ケース10の物品用バーコード11の読み取り情報を入力(S10−Yes)したタブレット端末31の制御部34は、物品用バーコード11の読み取り情報の物品2の情報により、ピッキングデータから棚番号を検索し、検索した結果、棚番号が存在するか否かを判断する(S11)。
棚番号が存在しない場合(S11−No)、タブレット端末31は、ヘッドセット33に対して、商品の取り出し間違いである旨の信号を送信する。そして、ヘッドセット33は、当該信号に基づいて、例えば「ピーピーピー」というアラーム音、或いは「商品の取り出し間違いです」という音声を出力し、間違った物品2を取り出した旨を報知する(S12)。
一方、棚番号が存在する場合(S11−Yes)、タブレット端末31は、検索した棚番号によりこの棚番号の棚からピッキングすべき物品2の数量を求め(S13)、ピッキングすべき物品2が単品か否か、すなわちピッキングすべき物品2の数量が“1”か否かを判断する(S14)。
ピッキングすべき物品2が単品(ピッキングすべき物品2の数量が“1”)の場合(S14−Yes)、タブレット端末31は、ヘッドセット33に対して、ピッキングすべき物品2が単品である旨の信号及びピッキングすべき物品2の品名(品種)の情報信号を送信する。そして、ヘッドセット33は、当該信号に基づいて、例えば「ピコ」というビープ音、或いは「単品ピックです」又は「ピッキングすべき商品は1個です」という音声を出力し、ピッキングすべき物品2が単品である旨を報知する(S15)。また同時にヘッドセット33は、ピッキングすべき物品2の品名(品種)を音声で報知する。
一方、ピッキングすべき物品2が単品ではない(数量が“1”でない)場合(S14−No)、タブレット端末31は、ヘッドセット33に対して、ピッキングすべき物品2が単品ではない旨の信号、或いはピッキングすべき物品2の数量の情報信号及びピッキングすべき物品2の品名(品種)の情報信号を送信する。そして、ヘッドセット33は、当該信号に基づいて、例えば「ブブー」というビープ音、或いは「複品ピックです」又は「ピッキングすべき商品は10個です」という音声を出力し、ピッキングすべき物品2が単品ではない旨を報知する(S16)。また同時にヘッドセット33は、ピッキングすべき物品2の品名(品種)を音声で報知する。
【0028】
作業者Hは、ヘッドセット33の音或いは音声(報知音)を聞くことにより、指定されたケース10から物品2をピッキングする(S17)。この時、作業者Hは、物品2をピッキングするごとに物品2に貼付されている物品用バーコード11を1つ1つ無線バーコードリーダ32で読み取る。或いはケース10に貼付されている物品用バーコード11を、ピッキングした物品2の数量と同回数だけ無線バーコードリーダ32で読み取る(S18)。
作業者Hが無線バーコードリーダ32により物品用バーコード11を読み取ると、無線バーコードリーダ32は読取信号をタブレット端末31に送信する。
【0029】
タブレット端末31の制御部34は、無線バーコードリーダ32から送信される読取信号に基づいて作業者Hがケース10からピッキングした物品2の数量を計数する(S19)。さらに、タブレット端末31の制御部34は、計数した物品2の数量と、ピッキングデータと、に基づいて、作業者Hがケース10からピッキングすべき物品2の残数を計数し(S20)、ピッキングすべき物品2が有るか否かを判断する(S21)。ピッキングすべき物品2が有る場合(S21−Yes)、タブレット端末31の制御部34は、ピッキングすべき物品2の残数が所定の残数以下であるか否かを判断する(S22)。
ピッキングすべき物品2の残数が所定の残数以下でない場合(S22−No)、タブレット端末31の制御部34は、再度、無線バーコードリーダ32から送信される読取信号に基づいてピッキングした物品2の数量を計数する(S19)。
一方、ピッキングすべき物品2の残数が所定の残数以下である場合(S22−Yes)、タブレット端末31の制御部34は、その残数を報知する音或いは音声(報知音)を報知させる信号をヘッドセット33に送信する。そして、当該信号を受信したヘッドセット33は、残数を報知する音或いは音声(報知音)を報知する(S23)。
ここで、具体的なヘッドセット33の報知例としては、ピッキングすべき物品2の総数が10個、所定の残数が3個の場合、無線バーコードリーダ32が8個目の物品2の物品用バーコード11を読み取った際(物品2の残数が3個の際)に「ピッ!」、9個目の物品2の物品用バーコード11を読み取った際(物品2の残数が2個の際)に「ポッ!」、10個目の物品2の物品用バーコード11を読み取った際(物品2の残数が1個の際)に「パッ!」と、ピッキング数量の残数を異なる音で報知する。
また、別の報知例としては、無線バーコードリーダ32が8個目の物品2の物品用バーコード11を読み取った際に「3!」、9個目の物品2の物品用バーコード11を読み取った際に「2!」、10個目の物品2の物品用バーコード11を読み取った際に「1!」と、ピッキング数量の残数をカウントダウンにより音声で報知する。
さらに、別の報知例としては、無線バーコードリーダ32が8個目の物品2の物品用バーコード11を読み取った際に「8!」、9個目の物品2の物品用バーコード11を読み取った際に「9!」、10個目の物品2の物品用バーコード11を読み取った際に「10!」と、残数をそのまま(カウントアップにより)音声で報知する。
このように、作業者Hは、ヘッドセット33からの音或いは音声(報知音)により、タブレット端末31のディスプレイ36を確認せずに、ピッキングすべき物品2の残数を確認することができる。
【0030】
一方で、ピッキングすべき物品2の残数が無い場合(或いはピッキングすべき物品2が単品の場合)(S21−No)には、タブレット端末31の制御部34は、ヘッドセット33に対してピッキングが完了した旨の音或いは音声(報知音)を報知させる信号を送信する。そして、当該信号を受信したヘッドセット33は、ピッキングが完了した旨の音(例えば「パパーン!」)或いは音声(例えば「完了です!」)を報知する(S24)。作業者Hは、ヘッドセット33の音或いは音声(報知音)を聞くことにより、タブレット端末31のディスプレイ36上の完了ボタン或いはピッキング表示器21a、21bの完了ボタンを押す。これにより、タブレット端末31或いはピッキング表示器21a、21bがコントローラ14に対してピッキングが完了した旨の完了信号を送信する(S25)。コントローラ14は、当該完了信号を受信することにより、ピッキングが完了したピッキング棚17a、17bのゾーン表示灯22a、22b及びピッキング表示器21a、21bを消灯する(S26)。
なお、作業者Hは、無線バーコードリーダ32により物品用バーコード11を読み取るごとに物品2を持ってカート50まで移動し、物品2をカート50上のオリコン55に投入する。或いは、ピッキングすべき全ての物品2の物品用バーコード11を読み取った後(ヘッドセット33からピッキングが完了した旨の音或いは音声(報知音)が報知された後)にピッキングすべき全ての物品2持ってカート50まで移動し、物品2をカート50上のオリコン55に投入する。
また、ピッキングが完了した後、別のピッキング棚17a、17b或いは別の物品収納部18においてピッキング(検品)作業を行う場合には、上記の操作を再度繰り返す。
【0031】
以上のように、本実施の形態によると、作業者Hは検品すべき物品2の残数を音或いは音声(報知音)で認識できるため、検品作業中にタブレット端末31のディスプレイ36を確認することなく物品2の残数を認識できる。さらに、物品2の残数を表示するタブレット端末31のディスプレイ36が無い場合であっても、作業者H自らが物品2の残数を数えることなく物品2の残数を認識できる。そのため、検品作業の作業効率が向上する。また、カート50をメイン通路85に置いたまま枝通路16にて検品が可能であるため、枝通路16の通路幅が縮小でき、配送施設1(ピッキング設備4)の設置面積を大幅に削減できる。
また、本実施の形態によると、ヘッドセット33が物品2の検品の完了を音或いは音声(報知音)により報知することから、作業者Hは、検品作業中にタブレット端末31のディスプレイ36を確認することなく物品2の検品の完了を認識できる。また、物品2の検品の完了を表示するタブレット端末31のディスプレイ36が無い場合であっても、作業者H自らが物品2の残数を数えることなく物品2の検品の完了を認識できる。そのため、検品作業の作業効率が向上する。
さらに、本実施の形態によると、ヘッドセット33が検品すべき物品2の残数を音或いは音声(報知音)により報知することから、作業者Hは、物品2の残数を音或いは音声(報知音)で認識でき、より的確に物品2の残数を認識できる。
さらにまた、本実施の形態によると、ヘッドセット33が検品すべき物品2の残数をカウントダウンで報知することから、作業者Hは、物品2の残数を容易に認識することができる。
さらにまた、本実施の形態によると、ヘッドセット33がピッキングを行うピッキング棚17a、17bの棚番号(ロケーション)及びピッキングすべき物品2の品名(品種)を音声で報知することから、作業者Hは、検品作業中にタブレット端末31のディスプレイ36を確認することなく、或いは、棚番号及び物品2の品名(品種)を表示するタブレット端末31のディスプレイ36が無い場合であっても、物品2のピッキングを行うピッキング棚17a、17bの棚番号及びピッキングすべき物品2の品名(品種)を認識できる。そのため、検品作業の作業効率が向上する。
【0032】
なお、本実施の形態においては、検品装置30をピッキング設備4において用いているが、これに限定されるものではなく、検品・出荷場5において用いても構わない。
また、本実施の形態においては、無線バーコードリーダ32が作業者Hの腰部に着脱可能に設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、カート50に着脱可能に設け、ピッキング(検品)作業時にカート50から取り外して設けるように構成しても構わない。
さらに、本実施の形態においては、タブレット端末31は、コントローラ14からのゾーンのリストの情報の伝送(上記S4参照)により、ディスプレイ36にピッキングを実行するゾーンZa〜Zpのリストを表示させるが(上記S5参照)、これと同時に、ピッキングを実行するゾーンZa〜Zpをヘッドセット33により音声で報知しても構わない。