特許第6265300号(P6265300)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6265300MEMSマイクロフォンおよびMEMSマイクロフォンを動作させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6265300
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】MEMSマイクロフォンおよびMEMSマイクロフォンを動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20180115BHJP
   H04R 19/04 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   H04R3/00 320
   H04R19/04
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-507064(P2017-507064)
(86)(22)【出願日】2014年5月7日
(65)【公表番号】特表2017-516431(P2017-516431A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】EP2014059356
(87)【国際公開番号】WO2015169354
(87)【国際公開日】20151112
【審査請求日】2016年10月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コンソ,ファブリツィオ
【審査官】 大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−089980(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0195291(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00
H04R 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MEMSマイクロフォンであって、
− 外部基準クロック信号を印加するための入力ピン(IN)と、
− 前記印加された外部基準クロック信号の周波数を検出するためのデジタル周波数検出器(DET)と、
− 複数の周波数閾値と、各々が前記周波数閾値のうちの1つに割当てられる複数のモード設定信号とを記憶するための内部メモリ(MEM)と、
− 前記検出された周波数を前記記憶された周波数閾値と比較し、前記検出された周波数閾値に従って前記それぞれのモード設定信号を選択するように適合された評価回路(EVL)と、
− 前記モード設定信号に従って前記マイクロフォンの動作を調節するための調節回路(ADJ)とを備える、MEMSマイクロフォン。
【請求項2】
− 内部クロック(CLKINT)を備え、
− 前記デジタル周波数検出器(DET)は、前記外部基準クロック信号を、前記内部クロック(CLKINT)によって生成された基準としての内部クロック信号と比較して、前記比較の結果としてのモード信号を送るためのものであり、
− 前記評価回路(EVL)は、前記モード信号を、閾値とモード設定データ(MD)の対応するセットとに割当てるように適合されている、請求項1に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項3】
前記デジタル周波数検出器(DET)は、
− 前記内部クロック信号をカウントすることにより、カウントされた内部クロック信号の値Nを提供するための第1のカウンタ(CNT1)と、
− 前記外部基準クロック信号をカウントすることにより、カウントされた外部基準クロック信号の値Mを提供するための第2のカウンタ(CNT2)と、
− 前記値Nが予め設定された数に達したときに、最新の前記値Mを記憶するための論理回路とを含み、
前記評価回路(EVL)は、閾値を前記記憶された値Mに割当てるように適合されている、請求項2に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項4】
− 前記内部メモリ(MEM)はモード設定データ(MD)の異なるセットを記憶し、各前記セットは周波数閾値(TR)に割当てられ、
− 前記モード設定データの各セットは動作モード(OM)を提供するように適合され、
− 前記モード設定データの所望のセットが割当てられた前記周波数閾値に従って前記外部基準クロック信号の前記周波数を選択することによって、所望の動作モードに設定可能である、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項5】
MEMSマイクロフォンを動作させる方法であって、
− 前記MEMSマイクロフォンの入力ピンに外部クロック信号(CLKEXT)を印加するステップと、
− 前記MEMSマイクロフォン内で前記印加された前記外部クロック信号の周波数を検出するステップと、
− 前記MEMSマイクロフォンを動作させることにより、所望の動作モード(OM)に従って、モード設定データ(MD)を用いて少なくとも動作パラメータを調節するステップとを備え、
− 前記動作モードは、前記入力ピンに印加された前記外部クロック信号(CLKEXT)の対応する外部周波数を選択することによって設定される、方法。
【請求項6】
前記印加された前記外部クロック信号の周波数を検出するステップは、
− 時間tで手順を開始するステップと、
− 前記外部クロック信号(CLKEXT)のビートM(t)をカウントするステップと、
− 時間tでビートの予め設定された値Nに達するまで前記マイクロフォンの内部クロック(CLKINT)のビートN(t)をカウントするステップと、
− 周波数閾値を前記値Nに割当てるステップとを含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記モード設定データのセットを前記検出された周波数に割当てるステップは、
− 前記検出された周波数を、前記マイクロフォンの内部メモリ内に記憶された閾値に割当てるステップと、
− 前記内部メモリ(MEM)内に記憶された予め設定された関係に従って、前記内部メモリから取出した前記モード設定データのセットを前記閾値に割当てるステップとを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
− 前記内部クロックの周波数と標準クロックの周波数との差に従って、前記閾値を調整して前記周波数閾値を調節するステップを備え、
− 前記調節するステップは、前記MEMSマイクロフォンの製造後1回行なわれ、
− すべての閾値は、それぞれの較正データによって、同じ方法により1つのステップで調整または較正される、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記調節するステップは、
− 前記MEMSマイクロフォンのピンにおいて前記内部クロックの前記周波数を測定するステップと、
− 前記内部クロックの前記周波数を前記標準クロックの前記周波数と比較して不一致を特定するステップと、
− 較正データを前記不一致に割当てて前記較正データを前記内部メモリ内に記憶するステップとを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記調節するステップは、
a) 前記MEMSマイクロフォンの物理動作パラメータを選択するステップと、
b) 外部クロック周波数を前記マイクロフォンの入力ピンに印加するステップと、
c) 印加された外部クロック周波数に応じた前記パラメータの変化の仕方のマップを作成するステップと、
d) 前記内部クロックの前記周波数を推定するステップと、
e) 前記内部クロックの前記推定された周波数に従って前記周波数閾値を調整するように適合された前記マイクロフォンの前記内部メモリ内に、較正データのセットを入れるステップと、
f) 選択された周波数閾値に従って外部クロック周波数を印加するステップと、
g) 前記選択された周波数閾値周辺で前記外部クロックの前記周波数を掃引するステップと、
h) 動作モードの変化が起りやすい、前記マイクロフォンの選択されたパラメータを測定するステップと、
i) 前記選択された閾値周波数周辺で掃引している間、動作モードの変化に応じた前記選択されたパラメータの変化が検出されない場合、閾値調整データの新たなセットを作成および設定して、前記ステップf)〜h)を繰返すステップと、
j) 前記選択された閾値周波数において動作モードの変化に応じた前記選択されたパラメータの変化が検出された場合、最後に前記調整データを前記MEMSマイクロフォンの前記内部メモリ内に記憶するステップとを含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電子機器において、MEMSマイクロフォンは、電話、音声録音、音声チャットなど多くの異なる用途で使用可能であり、それぞれがノイズ、電力消費、およびディストーションの観点から異なる仕様を必要とする。機器内に追加のハードウェアを実装することによって、異なる仕様を合わせることができる。機器が携帯機器である場合、低い電力消費、限られた空間および機器面積が、同時に合わせなければならない主な要求事項である。
【0002】
機器において単一のマイクロフォンを使用する必要がある場合、機器は、外部信号の条件および信号品質に対する要求に基づいて、異なる「モード」間で切替わるまたは切替えられることが可能でなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、異なるモード間で切替可能なMEMSマイクロフォンを提供することである。別の目的は、この特徴を、追加のハードウェア無しで、および/または、マイクロフォンの設計を変更しすぎることなく提供することである。
【0004】
本発明のこの目的および他の目的は、請求項1に記載のMEMSマイクロフォンによって達成される。
【0005】
本発明の他の特徴およびMEMSマイクロフォンを動作させるための方法は、他の請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の中心となる思想は、マイクロフォンに結合可能な周波数を用いてマイクロフォンの動作モードを設定することである。そうするために、MEMSマイクロフォンは、外部基準クロック信号を印加するための(マイクロフォンの電気端子である)入力ピンを含む。マイクロフォン内には、印加された外部クロック信号の周波数を検出するためのデジタル周波数検出器が設けられる。内部メモリはマイクロフォン内にあり、複数の周波数閾値と複数のモード設定データセットとを記憶するのに用いられる。
【0007】
モード設定データセットは、印加された外部クロック信号の周波数によって設定されるモード動作に必要な特定のデータを含む。各モード設定データセットは周波数閾値に割当てられる。
【0008】
2つの隣接する周波数閾値間に隔たりが設けられる。これにより、それぞれ間違いなく確実に周波数を検出することが可能になり、検出された周波数をそれぞれの周波数閾値に正確に割当てることが可能になる。これは評価回路によって行なわる。評価回路は、検出された周波数または周波数関連データを、記憶された周波数閾値と比較するように適合されており、かつ、記憶されたモード設定データのそれぞれのセットを、検出された周波数および対応する周波数閾値に割当てるように適合されている。
【0009】
マイクロフォン内の調節回路は、外部クロック信号の周波数に割当てられたモード設定データを用いて、モード設定データと設定すべき所望の動作モードとに従ってマイクロフォンの動作を制御する。
【0010】
調節回路および評価回路は集積回路で提供されてもよく、したがって物理的に区別不能であってもよい。
【0011】
このようなマイクロフォンはシステムのセットアップにおいて如何なる変更も必要とせず、フルデジタル周波数検出器が必要なだけである。MEMSマイクロフォンと組合わせて用いられる上記のような検出器および関連回路は、マルチモードシステムにおいて単一のマイクロフォンのみの使用を可能にする単純かつ効果的な方法をもたらすことができる。
【0012】
マイクロフォンに必要な面積と電力消費とが無視できる程度増加するだけで、上記マイクロフォンは製造可能である。このマイクロフォンは非常に堅固であり確実に作動するともに、温度変動、処理、ミスマッチ、機器応力、およびその他多数の外部パラメータなどといった外部パラメータの、如何なる変動からも独立して作動する。
【0013】
上記マイクロフォンは、少ない手間で高精度に周波数を検出できるよう設計可能であるため、高い精度での提供が可能である。精度と周波数の検出に必要な変換時間とはトレードオフであるため、周波数検出は、外部基準クロック信号に対して、迅速な応答で作動する設定とするか、または確実な応答で作動する設定とするかがあり得る。
【0014】
新しいマイクロフォンは、周波数検出器以外には如何なる追加のハードウェアも必要としない。なぜなら、このマイクロフォンを動作させるのに必要なすべての機能について既存の構成要素が使用できるからである。
【0015】
既知のマイクロフォンでは、外部から入力された必要データを記憶する必要があり、内部メモリが必ず存在する。相違点は、モード設定データのセットが複数あり、印加された外部基準クロック信号に従ってモード設定データの所望のセットが選択されるということだけである。
【0016】
公知のマイクロフォンにおいてもある種の論理回路が存在している。したがって、評価および調節といった追加の機能の実装は、本発明に係るすべての論理演算を行ない得る既存の特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)の新たな機能として容易にプログラミング可能である。
【0017】
本発明の一実施形態では、MEMSマイクロフォンは外部クロック信号の周波数検出のための基準として内部クロックを含む。そしてデジタル周波数検出器は、外部クロック信号を、内部クロックによって生成された基準としての内部クロック信号と比較するように適合されている。比較の結果として、評価回路は検出された周波数を閾値に、ひいてはモード設定データの対応するセットに割当てる。中間のステップにおいて、モード信号が検出器によって生成され得る。これは周波数の既定の範囲を含む単位で表現されるよう正確な周波数に大ざっぱに従っているにすぎない。次いで、評価回路は閾値をモード信号に結び付ける。
【0018】
通常、内部クロックは追加の構成要素ではない。なぜなら、MEMSマイクロフォンは既にそのような内部クロックを有するからである。
【0019】
デジタル周波数検出器は、内部クロック信号のビート(beats)をカウントすることで当該カウントされた内部クロック信号の時間tにおける値N(t)を提供するための第1のカウンタと、外部クロック信号をカウントすることで当該カウントされた外部クロック信号の値M(t)を提供するための第2のカウンタとを含み得る。内部クロック信号または外部クロック信号のようなクロック信号は、カウント可能な一連のビートのようなものであり、単位時間当たりのビートの数は周波数に対応する。
【0020】
外部クロック信号の周波数は、2つのカウンタを比較して所与の時間tにおける最新の値M(t)とN(t)との差を測定することによって容易に検出可能である。所与の時間tは、予め設定された数Mに値M(t)が達した時であってもよい。この時点で、第1のカウンタの最新の値N(t)は、外部クロック信号の周波数についての測定値と見なされ得る。これが可能なのは、比N/Mが、内部クロック信号と外部クロック信号との周波数の比F(clock_int)/F(clock_ext)と逆比だからである。外部クロック信号の周波数が検出されると、評価回路は、内部メモリ内に記憶されたデータに従ってそれに閾値を割当てる。したがって周波数検出の精度は、正確な閾値の割当てが可能な程度でよい。測定時間と精度とに比例する値Mを高めることによって精度が向上し得る。
【0021】
内部メモリ内にモード設定データの異なるセットを記憶可能であり、各セットは閾値に割当てられる。モード設定データの選択されたセットを用いて、マイクロフォンの動作が制御可能である。したがって、モード設定データの所望のセットに割当てられマイクロフォンの内部メモリ内に記憶された閾値に従って外部クロックの周波数を選択することによって、所望の動作モードに設定可能である。
【0022】
上述の内容から分かるように、新しいマイクロフォンをモード設定特徴無しの公知のマイクロフォンと比較すると、新しいマイクロフォンは、当該マイクロフォンに外部クロック信号を印加するために追加のピンを1つしか必要としない。この1つのピンで所望の数の動作モードに設定可能である。動作モード選択のために代替的に用いられ得るとともに、2を底とする所望のモード数の対数に従って多数のピンを必要とし得るデジタル入力と比べて、本発明は非常に実装が単純であり、ピンの増加は無視できるほどである。これに関連して、「ピン」との用語はマイクロフォンの導体パッドまたは別の電気端子に相当する。
【0023】
以下では、添付の概略図を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明する。図面は本発明のより良い理解のためのものであり、マイクロフォンの最も重要な機能のみを示しているが、実際のマイクロフォンは他の構成要素を含む。図はブロック図で示され、各ブロックは一機能に割当てられている。2つ以上のブロック、ひいては2つ以上の機能が1つの構成要素で与えられることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1の実施形態に係る、モード設定を含むMEMSマイクロフォンを示す図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係るMEMSマイクロフォンを示す図である。
図3】検出器、メモリ、およびマイクロフォンのやり取りを示す図である。
図4】MEMSマイクロフォンを動作させる発明の方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明に係るMEMSマイクロフォンの機能ブロックを示す図である。マイクロフォン1は外部クロック信号CLKEXのための入力INを含む。マイクロフォン1の内部では、周波数検出器DETが外部クロックCLKEXの信号と内部クロックCLKINTの信号とを比較して、その結果を評価回路EVLに送る。当該結果はモード信号であってもよく、検出された周波数についての測定値である。その精度は設定可能である。評価回路EVLは、当該結果を内部メモリMEM内に記憶されたデータと比較する。記憶されたデータは閾値であり、評価回路EVLは、対応する閾値を外部クロックCLKEXの検出された周波数に割当てる。
【0026】
評価回路内の閾値TRを調節または調整するために較正データCDのセットが割当てられ得る。これは、内部クロックCLKINTの精度が低すぎて検出失敗が起る虞がある場合に必要となり得る。較正データは内部メモリ内に入力され記憶されている。すべての検出器閾値は単一の較正ワードで自動的に調節され得る。
【0027】
検出器DETは連続的に動作するように命令され、追加の動作は不要である。検出された周波数と割当てられた閾値とに従って、調節回路ADJは、閾値に割当てられ記憶されたモード設定データMDを用いて、動作時にマイクロフォンの重要パラメータを制御する。
【0028】
モード設定データMDは、選択された動作モードに従って、マイクロフォンの動作のために必要な重要パラメータを規定し制御する。モード設定データは内部メモリ内に記憶され得る。モードは、所望のタスクに従って、またはマイクロフォンが作動している環境に従って、選択され得る。このような動作モードの各々は、電話、音声録音、音声チャットなどの所与のタスクのために最適化され得る。
【0029】
パラメータは、マイクロフォンのトランスデューサに印加されたバイアス電圧のレベルを含み得る。他の調節されたパラメータは、アナログまたはデジタルの段におけるマイクロフォン信号の処理を制御し得る。
【0030】
図2のブロック図は本発明の別の実施形態を示しており、第1の実施形態と比べてより詳細に示している。
【0031】
このマイクロフォン1は、第1のカウンタCNT1に内部クロック信号を提供する内部クロックCLKINTを有する。第2のカウンタCNT2に送る外部クロック信号を入力するために、外部クロックCLKEXがマイクロフォン1の入力INに結合され得る。第1のカウンタは内部クロックCLKINTのビートをカウントして値N(t)を送る。一方、第2のカウンタは外部クロックCLKEXのビートをカウントして値M(t)を提供する。予め設定された条件に応じて、内部クロックCLKINTの周波数は外部クロックCLKEXの周波数よりも高くても低くてもよい。よって、N(t)はM(t)よりも高くても低くてもよい。
【0032】
NおよびMのカウントアップは、値N(t)が予め設定された値Nと等しくなるまで続行する。処理のこの時点で最新の値M(t)が固定(frozen)されて論理回路に送られる。この論理回路は、図示されるように一体化した評価および調節回路EACであってもよい。
【0033】
固定された値M(t)から、外部クロック信号CLKEXの周波数に応じた閾値が計算されて、閾値に割当てられ得る。そして対応する周波数閾値に従って動作モードが設定される。これは評価および調節回路EACによって行なわれる。実際には、外部クロックの周波数を正確に検出するために調節可能閾値を用い、モードは変換の結果である。モード設定データはマイクロフォンのパラメータを制御する。
【0034】
そのため、内部メモリMEMはさまざまなタスクを有する。内部メモリMEMの一部はマイクロフォンの何らかのパラメータを制御する。内部メモリの別の部分は検出器の閾値を較正し、それによってモード信号を評価し、さらにそれによってマイクロフォンの他のパラメータを制御する。そのため、いくつかの静的パラメータSPは内部メモリによって直接制御される一方、いくつかの動的パラメータDPは、検出器の出力であるモード信号によって制御される。外部周波数の変動があった場合に十分な精度の上記モード信号を得るために、検出器を較正することが必要である。図3は、検出器DETと、メモリMEMと、マイクロフォンMICの残りの部分とのやり取りを概略的に示す。
【0035】
外部クロック周波数の検出後、2つのカウンタCNT1、CNT2がリセットされて再びゼロからカウントし始め、新たなモード設定信号に応じた外部クロック周波数の変動が起ったか否かを検出する。変動が検出されない場合、マイクロフォンは同じモードOMで作動し続ける。別の閾値に係る変動が検出された場合、マイクロフォンの対応する新たな動作モードが設定される。
【0036】
本実施形態では単純な構成要素が用いられ、それらの構成要素のすべては、図2に示されるすべての必要な機能を提供する集積回路の一部分となり得る。
【0037】
MEMSマイクロフォン1を正確に作動させるためには、非常に精密な内部クロックが必要になるだろう。というのは、検出された周波数の全体的な精密さは、外部クロック周波数を検出するための基準である内部クロックの精密さに依存するからである。精密な内部クロックとは、周波数が確かであるクロックを意味する。精密な内部クロックは高価すぎるであろうから、精密でない内部クロックを較正するための特別な較正方策が開発されてきた。したがって、内部クロックの周波数偏差に依存する検出器のデジタル周波数閾値を調整することによって、不正確な内部クロックの使用が可能である。検出器の動作および調整は共にデジタル領域で行なわれるため、MEMSマイクロフォンのマルチモードの機能性を可能にする、安価で非常に無駄を省いた方法が提供される。
【0038】
上述したように、精密でない内部クロックは調整または較正の必要があり、それは内部クロックの周波数の測定に従って周波数閾値を調整することによって行なわれ得る。この測定は、マイクロフォンを製造した後に1回行なわなければならない。なぜなら、調整または較正データの記憶後には、精密でない内部クロックの使用にも拘らず、周波数検出は製造許容誤差による内部クロックの如何なる周波数ばらつきにも関係無く正確で一貫した結果となるからである。
【0039】
内部クロックを調整するための第1の方法は、機器の較正段階の際に機器からの内部クロック信号を出力して周波数を測定することである。内部クロックの正確な周波数を知ることは、すべての閾値を調整するのに必要な正確な較正ワードに直接つながる。この方法の軽微な欠点は、内部クロック信号を出力するために追加のピンまたはパッドを用いる必要があること、または、内部クロック信号を出力するために既存のパッドの再利用を可能にする複雑な回路を追加する必要があることに関する。
【0040】
内部クロックの周波数を調整するための第2の方法によれば、処理パラメータを監視するために製造業者によって評価および調節回路EACのスクライブライン内側に配置されたダミー構成要素のうち1つを用いて、内部クロックの周波数に依存する最重要パラメータの変動マップを公称値(nominal value)に基づいて作成する。このマップを用いれば内部クロック周波数が推測可能である。
【0041】
最後に第3の方法は、機器の何らかの特定のパラメータを監視しながら、一連の近似アルゴリズムによって正確な較正データを探索することからなる。この第3の方法の詳細については後述する。
【0042】
次いで、上記推測の正確さを検査するために、または正確な較正データを探索するために、調整データのそれぞれの第1のセットが入力され、内部クロックの推定された周波数に従って周波数閾値を調整する。外部クロック周波数が、選択された閾値に従って印加され、次いでこの周波数閾値周辺で掃引(swept)される。新たな動作モードの設定に伴って変化すると想定されるマイクロフォンの物理値は監視される。容易に監視可能なパラメータは、たとえばMEMSマイクロフォンの電力または電流の消費である。このパラメータの変化が起らない場合、新たな調整データが設定されて外部周波数は選択された周波数閾値周辺で再び掃引され、値の変化が起るか否かが監視される。変化が起らない場合、新たな調整データが設定されて上記処理が繰返される。
【0043】
選択された閾値が、隣接する閾値からの距離が最も小さく最も密な閾値である場合、すべての閾値が同一の較正データを用いて同時に調整され得る。
【0044】
たとえば、2.0MHzのデジタル周波数閾値で動作モードの変化に応じて電力消費が変化するだろうと仮定する。次いで、マイクロフォンに印加された外部クロック周波数が値2.0MHz周辺で掃引されて、電流消費の変化が検出されるまで周波数閾値が調整される。値2.0MHz周辺で掃引している間、電力消費が同じままであり、電力消費が、動作モードに対応すると予想される値を保つ場合、所望の閾値2.0MHzは外部クロック周波数に対応するように下げられる。その逆の場合、つまり反対の動作が検出された場合、対応する周波数閾値がより高い値に調節される。この近似アルゴリズムによって、少ないステップで較正ワードの正確な値にたどり着くことができる。
【0045】
図4は、発明のMEMSマイクロフォン1の動作方法を示すブロック図である。この方法は、図2に示すマイクロフォンに対応する。したがってこの動作方法は、第1のカウンタCNT1において内部クロック信号CLKINTをカウントすること、および、第2のカウンタCNT2において外部クロック信号CLKEXTをカウントすることから始まる。第1のカウンタCNT1は値N(t)を比較器に送る。N(t)がNに等しい場合、第2のカウンタCNT2のカウントされた値は固定される。第2のカウンタCNT2の固定された値M)は評価回路EVLに送られる。この回路EVLにおいて、上記検出または測定された値Mは、内部メモリMEM内に記憶された較正ワードで調節された閾値と比較される。次いで、他の閾値が評価回路EVLによって計算される。というのは、その周波数は第1の閾値と既定の相互距離にある、または既定の関係にあるからである。
【0046】
調節回路ADJはマイクロフォンの動作モードOMを管理および制御する。このことは、バイアス電圧を設定することによって、または、マイクロフォントランスデューサTRDの検出されたトランスデューサ信号を増幅しながら増幅器ゲインを設定することによって、行なわれ得る。設定される動作モードは、選択された動作モードにとって重要な他の処理パラメータの変化も含み得る。
【0047】
本発明に係るMEMSマイクロフォンは、単一のピンによってMEMSマイクロフォンの動作の制御を可能にする有効な解決策を提示する。この解決策もまた、時間の点で非常に堅固で信頼性があり、マイクロフォンの作動条件の如何なる変動にも依存しない。さらに、この回路は手間をかけることなく如何なる既存のマイクロフォンインターフェイスにも適用可能である。マイクロフォンの実装面積に無視できるほどの面積を追加するだけでよく、電力消費の増加が非常にわずかで済む。内部クロックのための調整処理を含むので、精度が非常に低い内部クロックの使用が可能になる。この開発された内部クロックの較正方策によって、如何なる追加のピンも必要とすることなく機器の較正時間が短縮される。
【0048】
他の利点は、マイクロフォンがその内部に取付られるシステムは、通常、モード設定に用いられ得るさまざまなクロック周波数を提供するので、追加のクロックが不要である点である。
【0049】
本発明は示された実施形態と添付の図面とに限定されない。本発明は特許請求の範囲によってのみ定義され、その最も広い意味に理解および解釈されなければならない。したがって、マイクロフォンおよびマイクロフォンを動作させる処理、ならびにマイクロフォンを較正および調整する処理は、開示された如何なるパラメータまたは値にも限定されず、他のパラメータによっても使用され得る。
【符号の説明】
【0050】
参照符号のリスト
図1
図2
図3
図4