(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の位置検出回路は、前記送信コイルと受信コイルの相互間の位置の変動に基づく入力インピーダンスの変動を検知して、前記送信コイルと受信コイルとの相互位置を検知する検知回路を備えることを特徴とする請求項1または2記載の非接触給電システム。
前記送信コイルと前記受信コイルは、単一あるいは複数の送信コイルと単一あるいは複数の受信コイルとの間において給電される配置に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の非接触給電システム。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−66291号公報
【特許文献2】特開2012−249403号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Y. Matsuda,H. Sakamoto:“Non-contact magnetic coupled power and datatransferring system for an electric vehicle”,J Magn Mater.,Vol. 310、 No. 2 Part 3 pp.2853-2855 (2007)
【非特許文献2】Aristeidis Karalis、 et.al.,:“Efficientwireless non-radiative mid-range energy transfer”,Annals of Physics, Vol. 323,pp. 34-48(2008)
【非特許文献3】居村岳広、岡部浩之、内田利之、堀洋一:「共振時の電磁界結合を利用した位置ずれに強いワイヤレス電力伝送-磁界型アンテナと電界型アンテナ-」、電気学会論文誌D,Vol. 130,No. 1 pp. 76-83、 (2010)
【非特許文献4】居村岳広、岡部浩之、内田利之、堀洋一:「等価回路から見た非接触電力伝送の磁界結合と電界結合に関する研究-共振時の電磁界結合を利用したワイヤレス電力伝送-」、電気学会論文誌D,Vol. 130,No. 1 pp. 84-92 (2010)
【非特許文献5】菅野勇一、三田祐輔、金子裕良、阿部茂、保田富夫、電気自動車用非接触給電装置のサーチコイルを用いた給電可能位置判定法、電気学会半導体電力変換研究会資料、Vol. SPC-12,No. 1-27 pp. 37-42 (2012)
【非特許文献6】G. Pirkl, K. Stockinger, and P. Lukowicz,Adapting Magnetic ResonantCoupling Based Relative Positioning Technology for Wearable Activity Recogntion,Proc. IEEE Symposium on Wearable Computers,pp. 47-54 (2008)
【非特許文献7】中村 荘亮、胡間遼、久保田 考、橋本 秀紀、磁界共振結合を用いた距離センサの提案とその誤差評価、電気学会論文誌D,Vol. 132,No.3 pp. 437-444 (2011)
【非特許文献8】水野 勉、雨宮 永宜、前田庸宏、橋本 静香、整合回路の切り替え機能を有する磁界共振結合を用いた距離センサ、電気学会マグネティックス研究会、Vol.MAG-9-001〜011, pp. 5-10 (2012)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(非接触給電システム)
図1に送受信コイル相互の位置検出機能を有する非接触給電システムの構成例を示す。
この非接触給電システムは、磁界共振結合形の非接触給電システムであり、一対の送信コイル10と受信コイル12とを備え、給電回路として、周波数f
pの給電用電源E
pを備え、送信コイル10と受信コイル12とを周波数f
pにより共振させて給電する構成としている。
【0013】
本実施形態の非接触給電システムにおいて特徴とする構成は、送信コイル10と受信コイル12に、給電回路と位置検出回路の双方を設けたことにある。位置検出回路は送信コイル10と受信コイル12の相互位置を検出するためのもので、送信コイル10と受信コイル12とが一直線上に配置されたとして、そのときの相互の 距離、送信コイル10と受信コイル12との中心線位置の位置ずれ、相互の傾きのずれなどを検知するためのものである。
【0014】
図1において、送信側の給電回路は、第1のフィルタ回路13を備える第1の給電回路14であり、受信側の給電回路は、第2のフィルタ回路15を備えた第2の給電回路16である。また、送信側の位置検出回路は、第3のフィルタ回路17、絶縁トランス18、検出回路19を備えた第1の位置検出回路20であり、受信側の位置検出回路は、第4のフィルタ回路21を備えた第2の位置検出回路22である。
第1のフィルタ回路13と第2のフィルタ回路15は、給電用電源E
pの周波数f
pにより送信コイル10と受信コイル12とが共振するように回路設計されている。また、第3のフィルタ回路17と第4のフィルタ回路21は、位置検出用電源E
dの周波数f
dにより送信コイル10と受信コイル12とが共振するように回路設計されている。
【0015】
第1のフィルタ回路13〜第4のフィルタ回路21は、異なる周波数として設定した給電用電源と位置検出用電源の作用を重畳し、かつ分離する機能をもたせるために設けたものである。給電に用いる周波数f
pと位置検出に用いる周波数f
dを適当に設定することにより、異なる周波数による機能を的確に重畳しかつ分離することができる。
【0016】
送信コイル10と受信コイル12とを離間させて配置する場合、相互間距離に応じて受信コイル12に鎖交する磁束が変化し、検出側の入力インピーダンスZ
din(第1の検出回路20)が変化する。また、結合係数kは距離lに依存するから、結合係数kの変化を検出できればlを求めることができる。本実施形態においては、Z
dinに基づいてkを検出し、結合係数kと距離lとの関係から送信コイル10と受信コイル12との間の距離を検出する。
なお、第2の給電回路16において、整流回路(不図示)及びバッテリーの負荷をZ
Lとしている。負荷インピーダンスZ
Lは、受信側の充電状態によって変化する。したがって、送信コイル10と受信コイル12との距離を正確に検知できるようにするには、Z
Lに依存してZ
dinが変化しないように回路設計する必要がある。
【0017】
(動作原理)
図2、3は、
図1に示した非接触給電システムについて、給電における電流の流れ(
図2)と、距離検出における電流の流れ(
図3)を示したものである。
本実施形態の非接触給電システムでは、上述したように、給電についての共振回路として、第1のフィルタ回路13と第2のフィルタ回路15により、送信コイル10と受信コイル12とを周波数f
pで共振させる回路と、距離検出についての共振回路として、第3のフィルタ回路17と第4のフィルタ回路21により、送信コイル10と受信コイル12とを周波数f
dで共振させる回路を備える。
【0018】
図2に示す給電における電流の流れは次のようになる。
送信側では、第1のフィルタ回路13を挿入することで送信コイル10をf
pで共振させる。このとき、第3のフィルタ回路17は、給電用電源E
p(第1の給電回路14)による電流I
d1(f
p)が位置検出用電源E
d(第1の位置検出回路20)へ流れ込むことを防止するように作用する。これにより、E
pによる電流I
p1(f
p)はE
dに流れずに送信コイル10のみに流れる。
受信側では、第2のフィルタ回路15を挿入することで受信コイル12をf
pで共振させる。また、第4のフィルタ回路21はE
pによる電流I
d2(f
p)が距離検出用負荷Z
d(第2の位置検出回路22)に流れ込むのを防止する。その結果、電流I
d2(f
p)はZ
dに流れない。
【0019】
また、
図3に示す位置検出(距離検出)における電流の流れは次のようになる。
送信側では、第3のフィルタ回路17(第1の位置検出回路20)を挿入することで送信コイル10をf
dで共振させる。また、第1のフィルタ回路13(第1の給電回路14)はEdによる電流I
p1(f
d)のE
pへの流れ込みを防止する。その結果、E
dによる電流I
p1(f
d)はE
pに流れずに送信コイル10にのみ流れる。
受信側では、第4のフィルタ回路21(第2の位置検出回路22)を挿入することで受信コイル12をf
dで共振させる。また、第2のフィルタ回路15はE
dによる電流I
p2 (f
d)の給電用負荷Z
L(第2の給電回路16)への流れ込みを防止し、電流I
p2(f
d)は給電回路の負荷インピーダンスZ
Lには流れない。
【0020】
このように、給電時における周波数f
pの給電用電源E
pによる電流の作用は、第1の給電回路14と第2の給電回路16との間でのみ作用し、第1の位置検出回路20と第2の位置検出回路22には何ら作用を及ぼさない。また、位置検出における周波数f
dの位置検出用電源E
dによる電流の作用は、第1の位置検出回路20と第2の位置検出回路22との間でのみ作用し、第1の給電回路14と第2の給電回路16には何ら作用を及ぼさない。
【0021】
したがって、この非接触給電システムによれば、周波数f
pの給電用電源E
pと、f
pとは異なる周波数f
dの位置検出用電源E
dを同時入力する方法により、給電回路の負荷インピーダンスZ
Lの変化に依存せず、すなわち給電とは独立して、検出側の入力インピーダンスZ
dinを検出することができる。
検出側の入力インピーダンスZ
dinは、送信コイル10と受信コイル12との距離に依存して変化するから、検出側の入力インピーダンスZ
dinを検知することにより、送信コイル10と受信コイル12との距離を検出することができる。すなわち、本実施形態の非接触給電システムによれば、給電を行いながら、リアルタイムで送信コイル10と受信コイル12の位置(距離)を検出することが可能となる。
【0022】
図1に示した、検出回路19は、位置検出回路により検出した入力インピーダンスZ
dinの値から、結合係数kを求め、kの値から送信コイル10と受信コイル12の距離lを演算して求める回路である。検出回路19において、入力インピーダンスZ
dinの変化量を検出する方法には、回路に流れる電流値や電圧値の変化から検知する方法や、方向性結合器を使用して反射係数の変化から検知する方法を利用することができる。
検出回路19は、送信コイル10と受信コイル12の相互間距離や、中心位置の位置ずれといった位置検出を行うタイミング等についても制御し、位置検出結果を出力して、たとえば、受信コイル12を搭載した自動車を正規位置に移動させるといった制御に利用することも可能である。
【0023】
(送受信コイルの構造)
以下では、非接触給電システムの実際の回路例について、検出側の入力インピーダンスZ
dinから送受信コイルの位置(距離)検出が可能であることを解析した結果について説明する。
非接触給電システムにおいては、オープン形ヘリカルコイル(以下、ヘリカルコイル)、ソレノイドコイル、スパイラルコイル、及びこれらに鉄心を挿入したコイル等が使用できる。
図4に、非接触給電システムの解析において、送信コイル10及び受信コイル12として使用したヘリカルコイルを示す。ヘリカルコイルの共振周波数を13.56MHzとするため、外径d
o=304mm、内径d
i=300mmとし、巻数N=5、ピッチp=3.5mm、軸線方向の長さl
a=16mmとした。導線の導体径は2mmである。
【0024】
表1に周波数13.56MHzにおけるコイルのインピーダンス特性を示した。測定にはネットワークアナライザを用いた。なお、抵抗R、インダクタンスL、キャパシタンスCは周波数によらず一定としており、コイルのQ値は次式で与えられる。
Q=ωL/R
ここで、ω:角周波数(=2πf rad/s)。R、L、C、Qは送受信コイルで同じ値とする。
【表1】
【0025】
(等価回路)
図5に、上述した位置(距離)検出機能を備える非接触給電システムの等価回路を示す。送信コイル10と受信コイル12のヘリカルコイルの等価回路はR、L、Cを直列に接続したもので表現される。
給電用電源E
p=10V、位置検出用電源E
d=1Vであり、両者の内部インピーダンスは0Ωとした。なお、給電に用いる周波数f
pはISMバンドである13.56 MHz付近とし、周波数分離をしやすくするために、位置検出に用いる周波数f
dはf
pの10分の1以下である1MHz付近とした。さらに、給電回路と検出回路を絶縁するために絶縁トランス18を挿入する。
図5に示すように、給電側の入力電力をP
i、出力電力をP
oとする。
【0027】
表2に上記等価回路の回路素子の値を示す。f
p=13.56 MHzにおいて第1のフィルタ回路13と第2のフィルタ回路15のコイルが共振し、かつE
dによる電流の流れ込みを防止するため、L
p1とC
p1、L
p2とC
p2をそれぞれ138μHと1pF、1.38mHと0.1pFとした。また、f
d=1MHzにおいて第3のフィルタ回路17と第4のフィルタ回路21のコイルが共振し、かつE
pによる電流の流れ込みを防止するため、L
d1とL
d2を1.6 mHとした。なお、L
1とL
d1の抵抗成分としてR
1とR
dを1Ωとした。
充電に用いられているリチウムイオン電池は、充電状態によって内部インピーダンスが10Ωから20kΩ程度の範囲で変化する。そこで、負荷インピーダンスZ
Lを10Ω、100Ω、1 kΩ、10kΩとして解析した。
【0028】
(電力伝送)
表1と表2のパラメータを使用し、回路シミュレーションソフトを使用して解析した。E
p=10V、E
d=1V、f
d=976.6kHzとした。
図6に結合係数kをパラメータとする伝送特性を示す(E
p=10V、E
d=1V、f
d=976.6kHz、Z
L=10Ω)。
図6(a)は、入力電力-周波数特性である。k=0.25とk=0.50の場合に双峰特性があらわれた。双峰特性の影響で13.56MHz付近において入力電力P
iが減少した。また、Z
L=100Ω、1kΩ、10kΩの場合でも双峰特性があらわれた。
図6(b)は、出力電力-周波数特性である。k=0.25とk=0.50の場合に双峰特性があらわれた。双峰特性の影響で13.56MHz付近において出力電力P
oが減少した。
【0029】
そこで、伝送電力を大きくするためにはP
oが高くなる周波数に伝送周波数を切り替えることが考えられる。しかし、ISMバンドでは使用周波数範囲が決められている。たとえば、13.56 MHzでは使用周波数範囲が13.56 MHz±7kHz以内と定められている。したがって、最適な伝送が行える周波数に切り替えることは現実的ではなく、双峰特性への対応が必要である。
【0030】
図6(c)に伝送効率-周波数特性を示した。伝送効率ηは次式により算出した。
η=(P
o/P
i)×100(%)
伝送効率は、13.547MHzで最大となり、k=0.01、0.25、0.50におけるηは、それぞれ33.9%、91.1%、91.1%であった。k=0.25とk=0.50における13.547 MHzでのP
i、P
oは非常に低いものの伝送効率ηは高くなる。P
iおよびP
oを向上するためにも双峰特性の改善が必要である。
【0031】
図7に、最大伝送効率-結合係数特性を示した(E
p=10V、f
p=13.547MHz、E
d=1V、f
d=976.6kHz、Z
L=10Ω)。
図7に示す最大伝送効率η
mは、Z
L=10Ω、f
p=13.547MHzにおける伝送効率である。
図7から、結合係数kの値が0.05以上の場合には伝送効率が90%になることがわかる。また、
図7は、結合係数0.01付近で急激に伝送効率が低下することを示す。これは非接触給電にみられる現象である。
【0032】
(距離検出)
図8に結合係数kをパラメータとする検出側の入力インピーダンス-周波数特性を示した(E
p=10V、f
p=13.547MHz、E
d=1V、Z
L=10Ω)。同図に基づきkが変化する際にZ
dinの変化が最も大きくなる(傾きが最も大きくなる)周波数を選定したところ、周波数f
d=976.6 kHzとなった。以降の解析では、位置検出用の周波数をf
d=976.6 kHzとして行う。
【0033】
図9に給電回路の出力側の負荷インピーダンスZ
Lをパラメータとする検出側の入力インピーダンス-結合係数特性を示す(E
p=10V、f
p=13.547MHz、E
d=1V、f
d=976.6kHz)。
k=0.01、0.25、0.50のときのZ
dinは、それぞれ5.49Ω、5.22Ω、4.50Ωであった。これより、k=0.01から0.25に変化させた場合におけるZ
dinの変化は5%であり、k=0.01から0.50に変化させた場合におけるZ
dinの変化は18%である。
また、k=0.50でZ
L=10Ω、10kΩのときのZ
dinは、それぞれ4.5003Ω、4.5008Ωであり、Z
Lに依存するZ
dinの変化は0.01%以下であった。なお、Z
Lに依存するZ
dinの変化量はk=0.50のときが最大で、その他の場合はいずれもこれを下回っていた。
【0034】
図9に示す解析結果は、給電回路側の負荷インピーダンスZ
Lの変動には全く依存せずにZ
dinを測定することができること、すなわち位置検出回路の入力インピーダンスZ
dinから結合係数kを求めることができ、結合係数kに基づいて送信コイル10と受信コイル12との距離lを求めることができることを示す。
【0035】
(電流の重畳、分離特性:解析)
図10は送信側における電流-結合係数特性を示したものである。
図10(a)は、送信側の給電用電源に流れる電流-結合係数特性を示す(E
p=10V、f
p=13.547MHz、E
d=1V、f
d=976.6kHz、Z
L=10Ω)。k=0.01のとき、給電側の電流I
p1(f
p)と、位置検出回路から給電側に流れ込む電流I
p1(f
d)は、それぞれ627.4 mAと11.1 mAであり、位置検出回路から給電用電源へ流れる電流の影響は回避されている。また、k=0.50のとき、I
p1(f
p)とI
p1(f
d)は、それぞれ8.2 mAと13.5 mAで同程度となっている。これは、双峰特性の影響により、I
p1(f
p)が減少したためである。
【0036】
図10(b)に送信側の位置検出回路での電流-結合係数特性を示した(E
p=10V、f
p=13.547MHz、E
d=1V、f
d=976.6kHz、Z
L=10Ω)。
k=0.01のとき、位置検出回路に流れ込む給電側からの電流I
d1(f
p)と、位置検出電源の電流I
d1(f
d)は、それぞれ81.9μAと182.2 mAであり、位置検出電源の電流I
d1(f
d)に対して給電用電源からの電流I
d1(f
p)は0.04%以下であり、給電用電源E
pの電流が位置検出用電源E
dに流れ込む作用は確実に回避されている。なお、
図10はZ
L=10Ωの場合を示すが、Z
L=10Ω以外のZ
Lについても同様の結果が得られた。
【0037】
図11は受信側の電流−結合係数特性を示したものである(E
p=10V、f
p=13.547MHz、E
d=1V、f
d=976.6kHz、Z
L=10Ω)。
図11(a)は給電用電源E
pと位置検出用電源E
dが負荷インピーダンスZ
Lの電流に及ぼす影響を解析したものである。
図11(a)に示すように、k=0.50のとき、I
p2(f
p)とI
p2(f
d)は、それぞれ25.6mAと61.9μAであった。すなわち、給電用電源E
pから流れる電流に対して、位置検出用電源E
dからZ
Lに流れ込む電流は常に0.2%以下であり、位置検出用電源E
dによる負荷インピーダンスZ
Lに対する影響は十分に小さくなっている。
【0038】
図11(b)は受信用の位置検出回路に対する給電用電源E
pと位置検出用電源E
dの影響を調べた結果を示す。k=0.01のときにI
d2(f
p)とI
d2(f
d)は、それぞれ65.8μAと166.1μAであり、I
d2(f
d)に対してI
d2(f
p)は39.6%以下であった。この場合、受信側の検出回路には給電用電源E
pによる電流がある程度流れるが、
図9に示すように、結合係数kの検出には支障がなく、受信側の検出回路に給電用電源が影響することについては問題はない。
【0039】
図11(c)は、受信側の給電回路と位置検出回路に対する給電用電源E
pの影響を調べた結果を示す。k=0.50のとき、負荷インピーダンスZ
Lに流れる電流I
p2(f
p)と、位置検出回路に流れ込む電流I
d2(f
p)は、それぞれ25.6mAと4.3μAであり、I
p2(f
p)に対してI
d2(f
p)は0.02%であり、位置検出回路に流れ込む電流I
d2(f
p)は伝送効率にまったく影響を与えない十分に小さな値となっている。すなわち、給電回路と位置検出回路とは、f
p成分とf
d成分とが明確に分離されており、上述した非接触給電システムにより給電と位置(距離)検出の双方の機能を達成することが可能になる。
【0040】
上記実施形態の非接触給電システムは、一対の送信コイル10と受信コイル12との間における給電と相互の位置検出について適用した例であるが、本発明に係る非接触給電システムは、単一の送信コイルと受信コイルとの間における給電に適用する場合に限るものではない。
図12は、平面内に2個以上の送信コイル10を配置し、送信コイル10に対向配置した一つの受信コイル12との間において給電する例である。この場合も、複数の送信コイル10と受信コイル12との間に、給電用と位置検出用として異なる共振周波数を有する共振回路を設定することにより個々の送信コイル10と受信コイル12との間における給電と位置検出を分離して行うことができる。
【0041】
図12においては、送信コイル10を同一平面内に配置しているが、送信コイル10は同一平面内に配置しなければならないものではない。送信コイル10を高さ方向に異なる配置とすることも可能である。
図13は、三次元空間内に複数の送信コイル10を配置し、送信コイル10と受信コイル12との間において給電する例を示す。このように三次元空間の任意位置に送信コイル10を配置した場合も、上記例と同様の方法により、個々の送信コイル10と受信コイル12との給電と位置検出が可能である。このような三次元的に送信コイル10を配置した場合は、送信コイル10と受信コイル12との間で給電する場合に、最も効率的に給電が行える給電コイル10を選択して給電する、といった制御が可能になる。
【0042】
図12、13は、一つの受信コイル12を使用する例であるが、本発明に係る非接触給電システムは、受信コイル12を一つとする場合に限定されるものではない。たとえば、単一の送信コイル10と複数個の受信コイル12との間で非接触給電する場合、複数個の送信コイル10と複数個の受信コイル12との間で非接触給電する場合も、給電用の周波数と位置検出用の周波数を適宜設定することにより、給電作用と位置検出作用を分離、独立させて行うことが可能である。
【0043】
本発明に係る非接触給電システムは、給電と位置検出に異なる周波数を用いることにより、給電と位置検出とを重畳して行いながら、それぞれの作用を分離することを可能にしたものであり、受信コイル側の負荷に依存することなく位置検出を可能にした点で特徴的である。
また、給電に使用する送受信コイルを用いて給電と位置検出を行うことにより、回路構成を簡素化し、回路の小型化を図ることができるという利点がある。
【0044】
また、上記実施形態では、送受信コイルとしてヘリカルコイルを使用したが、ヘリカルコイル以外のソレノイドコイル、スパイラルコイル、鉄心を有するコイル等であっても、各素子の値を変えることにより上記実施形態と同様の非接触給電システムを構築することができる。
【0045】
また、上記実施形態では、磁界共振結合形非接触給電を例に給電作用と位置検出作用が独立してなされることを示したが、電磁誘導形非接触給電の場合も上記実施形態と同様に、給電回路と位置検出回路を設けることにより、給電作用と位置検出作用を独立して行うことができる。また、非接触給電方法として従来利用されている、電界結合方式やマイクロ波方式を用いた非接触給電の場合においても、給電と位置検出に異なる周波数を設定することにより、給電作用と位置検出作用が分離、独立して作用するように設計することが可能である。