【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載の傾斜対応束を施工する際には、施工箇所が均一な平滑面であれば、下面基台3の底面側の全面が均等に施工箇所に接触するので問題が生じることはない。
しかしながら、施工箇所の一部に凹部や凸部が存在する不陸の場合には、ガタツキが発生しやすく、安定して設置することができなかった。
従って、本発明の課題は、施工箇所が不陸であっても、ガタツキが発生せず、安定して設置することができる、不陸対応束を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の課題を解決するための手段は、下記のとおりである。
【0005】
第1に、
床材を支持する支柱と、
前記支柱と組み合わせる三点支持プレートとを有し、
前記支柱の下端側には、球状端部が形成され、
前記三点支持プレートの表面側には、前記球状端部と組み合う球状収納体が形成され、
前記三点支持プレートの裏面側には、三箇所の突起状部が正三角形型に配置されていることを特徴とする、不陸対応束。
前記三点支持プレートの形状は、円形状の他に、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状等の多角形状とすることができるが、三角形状とすることが好ましい。
前記球状端部は、全体がほぼ球状である他に、上下に分割した場合に少なくとも下半分が球状であること、すなわち、半球状であっても良い。
前記球状収納体は、前記球状端部を組み合わせるために嵌め込む際に、一時的に広がるように一部が開放し、ボルト等の閉塞手段によって、球状端部が抜けないように締め付け可能なものである。
前記球状収納体は、支柱の球状端部の形状に合致し、内部が空洞の球体の半分より上部を水平方向に切断することで得られるものである。
前記球状収納体の外径は、球状端部の球体部分の外径と同じか僅かに大きく、また、上端側の直径は、球状端部の球体部分の直径より小さく形成されている。
前記突起状部は、三点支持プレートの裏面から下方に突出し、施工箇所に対して面状ではなく点状に接触できるように形成されたものである。
この場合の点状とは、直径が数ミリメートル程度の場合に限定されず、30ミリメートル程度、好ましくは20ミリメートル程度の円状であってもよい。
該突起状部としては、全体が小ドーム状に突出し、かつ、先端部分が直径20ミリメートル程度の円状に形成されたものが好ましい。
このよう突起状部を形成するには、例えば、平面状の三点支持プレートに対して、反対側から所定の凸型部材で押し出すことで形成することができる。
該突起状部の先端部分に形成された円状部分には、コンクリート釘を差し込むための直径6ミリメートル程度の孔を設けることもできる。
ここで、三箇所の突起状部を正三角形型に配置することで、均等なバランスを保つ三点支持が可能となる。
三点支持プレートの形状が、三角形状の場合には、各角部に突起状部を配置することで、3箇所の突起状部を正三角形型に配置することが可能となる。
第2に、
前記球状収納体の一部にスリットが形成され、
該スリット形成箇所を挟むように、該スリットを閉じるための二つの閉塞片を前記球状収納体の外面に形成したことを特徴とする、前記第1に記載の不陸対応束。
ここで、該閉塞片には、閉塞手段としてのボルト等を取り付け可能なように孔が開けられている。
すなわち、球状収納体に球状端部を組み合わせた状態では、支柱が容易に抜けないように形成され、ボルト等で閉塞することで支柱が固定可能に形成されている。
第3に、
前記球状収納体が、三点支持プレートの表面側に形成されたドーム状凸部の上に形成されていることを特徴とする、前記第1または第2に記載の不陸対応束。
前記ドーム状凸部とは、三点支持プレートの表面側にドーム状に飛び出た部分である。
前記球状収納体をドーム状凸部の上に形成するには、溶接や接着剤により一体化することで行うことができる。
上記の不陸対応束は、三点支持プレート及び支柱を構成する部品の全てを、鋼製などの金属で形成することが望ましいが、十分な強度を有する樹脂素材を用いることもできる。