【実施例】
【0092】
実施の形態で開示した固液分離装置11と略同一の構成を有する浸漬揺動式粒子捕捉テスト機129を製作(
図12参照)し、粒子固形物を付着捕捉させて分離処理する方法をテストした。
【0093】
[テスト目的]
ジルコニウム系化成処理ラインの化成液、すなわち微粒子(粒子固形物)で沈降性が遅くろ過性が悪い汚染液を、実際の化成槽内濃度を想定した状態に調整した上で、従来のような強い負荷を掛けないで固形物を分雛する方法として、調整後の汚染液を処理液として分離槽167に入れ、平板状のろ材セット(不織布ユニット)131を分離槽167の中に浸し、常にろ材セット131を表裏面方向に揺動させて粒子固形物をろ材(不織布)表面と内部に付着させて処理する捕捉処理能力と洗浄能力を、浸漬揺動式粒子捕捉テスト機129にて連続テストすることにより検証した。
【0094】
[テストサンプル]
テストサンプル名:ジルコニウム系化成処理ラインの化成液
テストサンプル採取日:2016年8月1日
テストサンプル採取場所:株式会社武部鉄工、化成スラッジ濃縮槽の下部より採取。
固形物濃度:81.1g/リットル(81100ppm)
なお、本明細書中、リットルの単位記号は、以下「L」として記載する。
想定化成槽内濃度:上記採取した液を水道水で約200ppmに希釈
粒度分布:0〜0.5μmの粒子=61.26%,5〜10μmの粒子=30.98%
【0095】
[テストに使用した機器]
図12は実施例に用いた浸漬揺動式粒子捕捉テスト機129の全体を概略的に表した構成図である。
図12に示す使用機器の器具名、メーカー名、形式仕様の概略を以下に挙げる。
「浸漬揺動式粒子捕捉テスト機129」:三協技研工業株式会社、分離槽容量(400L)、材質(SUS304)
「ろ材131」:三協技研工業株式会社、株式会社ヒクマ、ろ材フレーム(SUS304)、不織布ユニット(不織布;PET(ポリエチレンテレフタラート)、樹脂網;PE)
「サーボギアモータ133」:ニッセイ、3φAC200V×0.4kw
「角度検知135」:オムロン、ロータリーエンコーダー(E6C2−CWZ6C 10P/R)
「濁度検知137」:キーエンス、IB−1000(表示器)、IB−01(レーザー)DC24V
「供給流量計139」:キーエンス、FD−M 50AT、2.5L/min〜50L/min、DC24V
「供給ポンプ141」:ウィルデン、エアー式ダイヤフラムポンプP1
「洗浄水流量計143」:キーエンス、FD−M 100AT、5L/min〜100L/min、DC24V
「エアー流量計145」:キーエンス、FDA−600、FD−V40A、DC24V
「洗浄ポンプ147」:グルンドフォスポンプ、立形多段うず巻ポンプ CRN5−7、3φAC200V、0.75kw
「排水ポンプ149」:エバラ、ラインポンプ 40LPS 5.25、3φAC200V、0.25kw
「シャッター151」:CKD、コンパクトシリンダー、SSD−K−12−40−N−CB2−Y2
「検水槽排水弁153」:KITZ、ボール自動弁FA−10UT、25A
「排出弁155」:日本ダイヤ、ボール自動弁FPN1107N−50A
「洗浄弁157」:日坂、ボール手動弁HF−5−25A
「圧力計159」:山本計器、普通型圧力計φ75 0〜21Mpa
「移送ポンプ161」:エバラ、水中ポンプ32P777A5.2SA
「貯留槽163」:スイコー、M型(丸型)容器、ポリエチレン製、80OL
「スラリー貯留槽165」:スイコー、M型(丸型)容器 ポリエチレン製、500L
【0096】
[テスト方法]
ろ過面積:0.25m
2 ×2面×2枚を1ブロックとして8ブロック=8m
2
ろ材(不織布ユニット):不織布=厚み15mm,嵩密度30〜35Kg/m
3 、樹脂網サポート部(樹脂ネット)=厚み1.2mm,材質:PET、PE
ろ材(不織布ユニット)の厚み約35mm
上記ろ材の構造:2枚の不織布にて樹脂サポート部を挟み、不織布+樹脂ネット+不織布とする
ろ材メーカー:三協技研工業株式会社及び株式会社ヒクマの共同開発
処理液濃度:約200ppm(本テストでは汚染液である濃縮液を水道水にて希釈)
通常揺動速度:4500deg/min、揺動角度60deg
供給量:約5L/min
供給時間(量):6Hr(1800L)
洗浄揺動速度:8000deg/min、時間約9分弱
洗浄ポンプ使用圧力と流量:0.4Mpa、20L/min
エアー使用圧力と流量:0.35Mpa、350L/min
洗浄時間:洗浄揺動、洗浄ポンプ、エアー同時使用で9分
【0097】
[不織布ユニットの詳細]
不織布付着捕捉部は、粒子固形物を付着させる不織布である。
樹脂網サポート部は、不織布付着捕捉部の厚み方向の中間部分に空間を持たせ、すなわち2枚の不織布の間に配置されて後述する洗浄工程時に水や空気などを通しやすく、洗浄効果を得るための構造とする。
ホットメルトグールガンにて、不織布付着捕捉部と樹脂ネットをホットメルト接着剤にて接着固定した。これにより柔軟性に富む不織布が若干の可撓性を有する平板形状となる。
ろ材(不織布ユニット)の1ブロックを、フレーム(フレーム47)にセットして保持固定した。これを8組使用した。
【0098】
図13は実施例の固液分離方法の手順を表す工程図である。
[処理工程詳細]
予め、原液調整槽(図示せず)内で汚染液を水道水にて200ppmになるよう希釈して濃度調整が行われる。そして、原液調整槽から貯留槽163へ移送される。貯留槽163に液が無くなったら再度調整を行い貯留槽163へ移送する。
st1:処理液をテスト機の分離槽167へ供給を開始する。
st2:供給される処理液が分離槽167からオーバーフローするまで勢いよく処理液を供給する。オーバーフロー後に流量を確認しながら一定に調整して供給する。
st3:分離槽167に処理液が満たされた時点で、サーボモーター133にて所定角度範囲内の正回転、逆回転を繰り返し行い、不織布ユニット131の揺動を開始。これを通常揺動と称す。回転速度と回転角度は条件に合わせて調整。
st4:分離槽167からオーバーフローする処理液の濁度検知を開始。供給されている処理液の懸濁物質濃度及び透過率を検出する。
st5:設定時間、例えば6時間繰り返される(条件に合わせて設定)。
st6:オーバーフローとなって分離槽から溢れた処理液は濁度検知後に貯留槽に戻され、上記設定時間後、処理は完了となる。
【0099】
図14は処理液の濃度と透過度の相関図である。
[処理液濁度検知]
検水槽169(実施形態においては還流槽17)内へ実際に0〜200ppmの各調整した処理液、すなわち汚染液を水道水で希釈し各濃度となっている処理液を予め用意して入れる。各濃度の処理液のSS(懸濁物質)濃度を、光電センサーを用い測定する。レーザー透過度(%)の測定を行い、近似曲線にて平滑化し
図14に示すグラフを作成した。このグラフデータ、すなわち透過度(%)と濃度(ppm)の相関値を粒子捕捉テスト機129の制御部(PLC)にテーブルとして取込み、随時操作盤にて透過率とSS濃度を表示させて10分間隔にて透過度を記録した。このグラフから、例えば、センサーの測定による透過度が50%の時、SS濃度は23.5ppmとなる。
【0100】
[通常揺動詳細]
サーボモーター133を使用して揺動角度60°、速度4500deg/minにて、この揺動角度60°範囲内を正回転と逆回転を繰り返し設定時間内で通常揺動の運転を行った(
図4参照)。
【0101】
[洗浄工程詳細]
st7:コンパクトシリンダーにてテスト機のシャッター151を閉め、分離槽167からのオーバーフローを止める。
st8:検水槽排水弁153を開けて検水槽169内の処理液を排水する。洗浄エアーの圧力を0.35MPaに設定、流量を350L/minに設定。不織布ユニットのブロック毎に、洗浄水弁と洗浄エアー弁を開ける。
st9:洗浄ポンプ運転開始。圧力を0.4MPaに設定、流量を20L/minに設定。洗浄エアーと分離槽内の処理液を混合させてバブリング洗浄する。
st10:サーボモーターにて正回転、逆回転を早い速度で洗浄揺動を開始。回転速度と回転角度は条件に合わせて調整(
図10参照)。不織布ユニットの各ブロックの洗浄時間を(条件に合わせて)3分に設定。これを各ブロックの洗浄が完了するまで繰り返す。この例においては、8ブロックの各間と最外部とに位置する共液循環配管が9本で構成されることから、3本ずつを1セットとしており、これを順に行うことで3回に分けてある。なお、バブリングを各ブロックに分けて行うことは、エアーコンプレッサーの容量を小さくすることができる。
st11:設定時間に達するまでst10を繰り返す。
st12:設定時間後、各ブロックの洗浄完了となって、排水弁を開けてラインポンプを運転開始して排水槽に排水する。
st13:洗浄にて濃縮された排水はろ過分離機のフィルターにて処理する。
以上の工程のst1からst13が繰り返される。
【0102】
[洗浄揺動詳細]
サーボモーターを使用して揺動角度30°速度8000deg/min、揺動角度20°速度6000deg/minにて正回転と逆回転を繰り返し、120度の範囲で
図10に示した動作を行う。
【0103】
[分離テスト結果]
テスト機:不織布1枚0.5m×0.5m×2=0.5m
2 、1ブロックで不織布2枚×0.5m
2 =1m
2
ろ過面積:1m
2 ×8ブロック=8m
2
処理液SS(懸濁濃度):200ppm
粒子固形物を捕捉した後の処理液SS:20ppm(
図16の上側折れ線グラフ参照)
ろ過量:5L/min÷8m
2 =0.625L/m
2
単位時間あたりのろ過量:0.625L/m
2 ×60=37.5L/m
2 ・Hr=0.0375m
3 /m
2 ・Hr
処理量:8m
2 ×0.0375m
3 /m
2 ・Hr=0.3m
3 /Hr
スラッジ処理量(スラッジ捕捉量):0.3m
3 /Hr×(200ppm−20ppm)=54g/Hr
1m
3 スラッジ限界処理量:54g/Hr÷8m
2 =6.75g/Hr
【0104】
[ろ材のスラッジ捕捉限界処理量と洗浄評価]
連続テストを行い捕捉量から洗浄能力の限界量を検証した結果を表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】
図15は捕捉限界処理量を検証した説明図である。
なお、
図15の多少の上下変動は人が手動にて管理しているテスト結果であるため、流量と濃度調整にバラツキがある。
テストAを4回連続で評価を行った結果から1m
3 のスラッジ捕捉処理量が6.75g/Hr内であれば不織布に付着捕捉したスラッジはほぼ洗浄可能であること、付着捕捉能力も繰り返し行ってもほぼ同じ処理能力がテストA連続グラフの結果から分かった。
【0107】
テストBの結果からは1m
3 のスラッジ捕捉処理量が6.75g/Hr以上の場合の評価を実施した。まず、テストBとして捕捉洗浄テストを行い、これをテストB前とし、次に続けて同じテストBの捕捉洗浄テストを行い、これをテストB後とした。このテスト結果から1m
3 のスラッジ捕捉処理量が8.1g/Hrの場合、不織布に付着捕捉したスラッジを洗浄では落とし切れなくなり、テストB後の処理能力が著しく低下することがテストBの前後の差から分かった(図中矢印)。
【0108】
テストCはスラッジ捕捉処理量をテストAと同じ量として原液100ppm〜120ppm、処理量を0.66m
3 /Hrとした時に同じグラフになるかを検証した。少し処理能力が低い結果となったがほぼテストAのグラフと同じ傾向であった。
この結果から1m
3 のスラッジ限界捕捉処理量は6.75g/Hr以内であると分かった。
【0109】
従って、1バッチの処理で6.75g/Hr以内であれば捕捉(処理)能力が低下しない、能力が維持可能であることが分かる。また、1バッチの処理で6.75g/Hr以上であると捕捉(処理)能力が低下する、能力が維持不可となることが分かる。
【0110】
図16は不織布の能力の比較を行った説明図である。
本発明の不織布ユニットと、従来の不織布との能力の比較を行った。
従来の装置に使用される不織布は、目付60g/m
2 、厚み0.56mm、嵩密度107kg/m
3 、繊維径1.4dで、捕捉面積20m
2 (0.5m×0.5m×2面×5枚×8ブロック)、ろ過量0.0078m
3 /m
2 ・Hr、スラッジ処理量23.4g/Hrである。
本発明に係る不織布ユニットの不織布は、目付450〜525g/m
2 、厚み15mm、嵩密度30〜35kg/m
3 で、捕捉面積8m
2 (0.5m×0.5m×2面×2枚×8ブロック)、繊維径は4dと15dと28dの3種混合、ろ過量0.0375m
3 /m
2 ・Hr、スラッジ処理量54g/Hrである。
【0111】
図16の下側の折線グラフで示す従来の不織布は、スラッジ処理量が少なく、洗浄後の捕捉面にスラッジが残留してしまい、繰り返して捕捉処理ができなかった。従来の不織布は、繊維径が細く嵩密度が大きいため、スラッジが隙間に入り込み、捕捉が可能であるが、洗浄しても付着したスラッジが離脱しにくい。また、厚みが薄いため、スラッジの捕捉量が少なく、時間経過で処理が低下した。その結果、一定量の捕捉が維持しにくかった(右肩下がり)。
【0112】
これに対し、
図16の上側の折線グラフで示す本発明の不織布ユニットの不織布は、スラッジ処理量が倍になり、洗浄後の捕捉面にスラッジが残留しにくかった。細い繊維と太い繊維とを混合させることと、嵩密度を少なくすることで、隙間を生み出し洗浄した際、入り込んだスラッジを良好に落とすことができた。また、厚みを増やすことでスラッジの捕捉量を増やし、時間経過で処理が低下することを抑制できた。その結果、繰り返しの捕捉処理が安定して可能となった。ほぼ一定量の捕捉性能が推移すること(右肩水平)を知見できた。
【0113】
発明に係る不織布ユニットでは、現行の不織布の捕捉面積20m
2 から8m
2 に減った。一方、厚みは、0.55mmから15mmに増えた。供給量は、2.6L/minから5L/minに増えている。これは、捕捉面積が減ったにもかかわらず供給量を2.6L/minから5L/minに増やしても、現行の不織布よりも捕捉量が増えたことになる。つまり、少ない面積で捕捉量が増えた結果となった。
【0114】
[洗浄比較説明]
図17は洗浄効率の比較を共液の有無別で行った説明図である。
テスト不織布:1枚0.5m×0.5m×2=0.5m
2
1ブロック:5枚×0.5m
2 =2.5m
2
面積:2.5m
2 ×8ブロック=20m
2
処理液SS:200ppm
ろ過量:2.6L/min÷20m
2 =0.13L/m
2 、0.13L/m
2 ×60=7.8L/m
2 ・Hr=0.0078m
3 /m
2 ・Hr
処理量:20m
2 ×0.0078m
3 /m
2 ・Hr=0.156m
3 /Hr
スラッジ処理量:0.156m
3 /Hr×(200ppm−50ppm)=23.4g/Hr
通常揺動速度:4000deg/min
供給量:約2.6L/min
供給時間(量):6Hr(936L)
洗浄工程:共液にて洗浄ポンプとエアーを使用してバブリング洗浄を行う。洗浄揺動速度を8000deg/min。洗浄時間約9分弱。
洗浄ポンプ使用圧力と流量:0.4Mpa、20L/min
エアー使用圧力と流量:0.35Mpa、350L/min
【0115】
図17の凡例1回目は、上記仕様、すなわち共液+エアーでのテスト結果である。
図17の凡例2回目は、1回目の仕様のテストを終えた後に続けて同テストを行った2回目の結果である。
図17の凡例比較例は、エアーのみのテスト条件とし、上記1回目のテスト後に同条件にて捕捉処理を行った後、洗浄ポンプを使わず下記エアー量を使用して洗浄を行った結果である。
エアー使用圧力と流量:0.35Mpa、400L/min
【0116】
図17から分かるように、バブリング洗浄を行った場合には、1回目と、2回目とでほぼ同等の洗浄効果が得られた。一方、共液供給を行わずにエアーのみで洗浄を行った場合には、洗浄効果の低下することが知見できた。
【0117】
図18は洗浄効率の比較を気泡の有無別で行った説明図である。
共液とエアーを併用して洗浄を行う場合のテスト条件は、
図15のテストAの場合と同様とした。
図18から分かるように、エアーを用いず共液のみで洗浄した場合には、共液とエアーとを噴射した場合に比べ、洗浄効果がやや低下することが知見できた。
【0118】
[テスト結果]
ろ過分離機21(
図1,11参照)のテスト結果を下表2に示す。
ろ過分離機21には、上述した分離部25からスラリー貯留槽19を経て濃縮スラリーが供給される。
【0119】
【表2】
【0120】
表2の濃縮スラリー(懸濁物質(SS))濃度は、以下により算出した。
濃縮スラリー量:400L
テスト白丸1:スラッジ処理量35.33g/Hr×処理時間6Hr=総スラッジ処理量312g
312g÷濃縮スラリー液量400L=0.53g/L(530ppm)
【0121】
テスト白丸2:スラッジ処理量51.46g/Hr×処理時間6Hr=総スラッジ処理量308.8g
308.8g÷濃縮スラリー液量400L=0.772g/L(772ppm)
【0122】
テスト白丸3:スラッジ処理量53.3g/Hr×処理時間6Hr=総スラッジ処理量320g
320÷濃縮スラリー液量400L=0.80g/L(800ppm)
であった。
【0123】
図19はろ過分離機21の能力の比較を行った説明図である。
図19には、表2に示した各テストのろ過量の経時比較が表されている。濃縮スラリーのSS濃度が高くなるほど、処理量が減り、ろ過時間の長くなることが分かる。同様に、ろ過量も減り、単位面積・単位時間当たりの処理量も減ることが分かる。
【0124】
[計算書]
上記浸漬揺動式粒子捕捉テスト機のテスト結果から計算式を下記に示す。
<処理液濃度200ppmの場合>
ろ速U1=0.0375m
3 /m
2 ・Hr(m/Hr)
スラッジ発生量から処理量Q1を求める
(200ppm−20ppm)Q1=54g/Hr
処理量Q1=54/180=0.3m
3 /Hr
処理量Q1とろ速U1からろ過面積を求める
0.3m
3 /Hr÷0.0375m
3 /m
2 ・Hr(m/Hr)=8m
2
【0125】
<処理液濃度100ppmの場合>
ろ速U2=0.0825m
3 /m
2 ・Hr(m/Hr)
スラッジ発生量から処理量Q2を求める
(100ppm−20ppm)Q2=54g/Hr
処理量Q2=0.675m
3 /Hr
処理量Q2とろ速U2からろ過面積を求める
0.675m
3 /Hr÷0.0825m
3 /m
2 ・Hr(m/Hr)=8.2m
2
【0126】
付着捕捉処理した後の洗浄排水液(濃縮スラリー液)のフイルター(ろ過分離機)でのテスト結果から計算式を以下に示す。
付着捕捉処理した後の洗浄排水液(濃縮スラリー液)の総量は400Lになる。
条件:濃縮スラリー液のスラッジ量53.3g/Hr×付着捕捉装置の処理時間6Hr=総スラッジ処理量320g
320g÷濃縮スラリー液量400L=0.80g/L(800ppm)
フィルターろ過面積0.091m
2 で400Lを5.5Hrで処理に必要な1m
2 ・時間当たりの処理量Q1(L/m
2 ・Hr)を求める。
【0127】
(濃縮スラリー液量400L÷処理時間5.5Hr)÷802L/m
2 ・Hr=0.091m
2
ここで、Q1は、802L/m
2 ・Hr
【0128】
Q1:802L/m
2 ・Hr≦値:Q2になるように
図19の白丸3の折れ線グラフを参照して計算で求める。
図19の白丸3の折れ線グラフから横軸ろ過時間25min付近の効率が良いのでこのポイントで縦軸335L/m
2 を読み取る。1m
2 ・時間当たりの処理量Q2(L/m
2 ・Hr)を求める。
335L/m
2 ×(60÷25)=804L/m
2 ・Hr
Q2は、804L/m
2 ・Hr
【0129】
802L/m
2 ・Hr≦804L/m
2 ・Hrとなりろ過面積0.091m
2 のフィルターで処理する場合、1バッチ25minで処理可能であることを計算で判断する。
ろ過量(処理量):335L/m
2 ×ろ過面積0.091m
2 =30L
1バッチ回数(25分):400L÷30L=13.33(約14回)となる。