(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接着材が、前記粒子の合計重量の少なくとも38重量%かつ61重量%以下の前記バイモーダル粒径分布の第1モードの前記粒子を含む、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
前記接着材が、前記粒子の合計重量の少なくとも37重量%かつ59重量%以下の前記バイモーダル粒径分布の第2モードの前記粒子を含む、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
前記インクが、前記インクの合計重量の少なくとも64重量%かつ88重量%以下のランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)粒子を含む、請求項8に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
前記第1固体酸化物燃料電池ユニットの前記外側多孔質電極層と前記第2固体酸化物燃料電池ユニットの前記外側多孔質電極層が、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)を含むカソード層である、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
前記接着層が、少なくとも80重量%のランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)粒子を含み、前記LSM粒子がバイモーダル粒径分布を有する、請求項11に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
前記第1固体酸化物燃料電池ユニットの前記外側多孔質電極層と前記第2固体酸化物燃料電池ユニットの前記外側多孔質電極層が、ニッケルおよびイットリア安定化ジルコニア(Ni−YSZ)を含むアノード層である、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
前記接着層が少なくとも80重量%のニッケルおよびイットリア安定化ジルコニア(Ni−YSZ)粒子を含み、前記Ni−YSZ粒子がバイモーダル粒径分布を有する、請求項13に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
少なくとも2つの燃料電池ユニットにおいて、各燃料電池ユニットが、電解質層によって離間されている少なくとも1種の第1の多孔質電極層および少なくとも1種の第2の多孔質電極層を含んでいる、少なくとも2つの燃料電池ユニットと;
2つの燃料電池ユニット間に連結され、1つの燃料電池ユニットにおける前記第1の多孔質電極層の外面を別の燃料電池ユニットにおける前記第1の多孔質電極層の外面に接着させる接着層と;
を含む固体酸化物燃料電池スタックであって、前記接着層が、第1の多孔質電極層と共通の少なくとも1種の材料成分を有する粒子を含み、
前記粒子がバイモーダル粒径分布を有し、該分布において、前記バイモーダル粒径分布の第1モードの粒子が前記第1の多孔質電極層の孔と少なくとも部分的に適合するのに十分に小さく、前記バイモーダル粒径分布の第2モードの粒子が第1の多孔質電極層の孔よりも大きい、固体酸化物燃料電池スタック。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図の説明
本開示は、固体酸化物燃料電池(SOFC)システムにおいて用いられ得る。SOFCは、低排出かつ低ノイズ操作で、高効率発電の可能性を付与する。SOFCは、また、電気効率、コジェネレーション効率、および燃料処理の簡素さの良好な組み合わせを付与するとも見られている。SOFCの使用の一例は、住居または他の建物における使用である。SOFCは、住居を加熱するのに用いられるのと同じ燃料、例えば天然ガスを用いることができる。SOFCシステムは、長時間にわたって稼働して発電して住居に電力供給することができ、過剰量が発生するときには、過剰分が配電網に売却され得る。また、SOFCシステムにおいて発生した熱は、質が高いため、住居用の熱水を提供するのに用いられ得る。SOFCは、電気サービスが信頼できないまたは存在しないエリアにおいて特に有用であり得る。
【0011】
固体酸化物燃料電池が機能するためには、緻密な電解質層が2つの多孔質電極を離間しなければならない。これらの電極は、電子伝導体であり、セルからの直流を収集する必要がある。
図1の特定の実施形態において、電極102はカソードであり、電極106はアノードである。電解質104によって離間された1つのアノード106および1つのカソード102のアレンジメントを本明細書においてセルと称する。
【0012】
製造プロセスの際には、以下のように、多くの場合、複数のセルを組み合わせて大きなユニットとすることが望ましく、かかるユニットを、便宜上、本明細書において「セルユニット」と称する。セルは、他の互いの上部に積み重ねられ、電気相互接続層を介して接続されて、ある一定の出力を有する個々に製造されたセルユニットを形成する。電気伝導性相互接続層は、隣接するセルの各対のアノード層とカソード層との間に形成されて、これらのセルを、各セルが発生する電気が組み合わされ得るように直列に接続する。
図2は、6つの個々のカソード−アノードセル(231−236)を有する固体酸化物燃料電池ユニットの例示的な実施形態を示しており、各セルが、電解質層204によって離間されたカソード層202(空気チャネル220を有する)およびアノード層206(燃料チャネル221を有する)を有する。特定の実施形態において、相互接続層208は、1つのセルのアノード206を、隣接するセル224のカソード202に接続する。
【0013】
特定の出力を有するこれらの個々に製作されたユニットは、次いで一緒に組み合わされて、事実上いかなる所望の合計出力も有する燃料電池スタックを作り出すことができる。所望の数の個々のセルユニットが互いの上部に積み重ねられ、一緒に接着されて、最終的な固体酸化物燃料電池スタックを作り出す。
【0014】
6つのセルを含む、
図2のセルユニットを示す。実際に、燃料電池スタックは、スタックの具体的な役割に好適な数のセルユニットを有することができ、各セルユニットは、該役割に好適な数のセルを有することができる。本明細書に記載のように形成される典型的な燃料電池は、多数のセルユニットを有しており、各セルユニットが複数のセルを含んでいる。
【0015】
それぞれの多孔質電極層は、チャネル220、221を含んでいてもよい。電極の種類に応じて、酸化剤ガスまたは燃料ガスがチャネルを通って流れ、イオンが電解質層を横切って輸送される。より複雑なガス、例えば天然ガス/プロパンおよび空気が、それぞれ、セルに供給されてよく、また、多くの場合においてセルに供給されるが、基本的な要件は、水素および酸素のみである。
【0016】
図2を参照すると、固体酸化物燃料電池の操作において、電解質204による、アノード206中の酸化剤ガスおよびカソード202中の燃料ガスの離間は、酸素分圧勾配を作り出す。この勾配は、電解質204を横切って酸素イオンを輸送させ、燃料と反応させる。このパターンが複数回繰り返されて、多数の個々のセルユニットおよびセルを含むスタックを形成することができる。
【0017】
隣接する積み重ねられたセルは、各セルが発生する電気が組み合わされ得るように一緒に接着されて直列に電気接続されなければならない。セルの数を増加させることで、スタックのZ軸サイズを増加させる。スタックのXおよびY軸は、Z軸とは独立に増加することができる。
【0018】
いくつかの状況において、1つのタイプの電極を他のタイプに比べてもう1つ有することが望ましいことがある。例えば、スタックの2つの露出端層をカソード層とすることが望ましい場合がある、なぜなら、カソード層が空気中で安定である一方で、アノード層は、空気に暴露されると酸化するからである。かかるアレンジメントを
図2のセルユニットに示す。また、製造プロセスの際に対称性が存在するようにスタックの上部および底部において同じタイプの電極層を有することが有利である場合もある。用語「上部」および「底部」は、本明細書において用いられるとき、スタックが任意の方向に配向され得るときの単に便宜上のためのものである。用語「外側電極層」もしくは「最外電極層」または同様の用語は、本明細書において、スタックにおける第1および最終電極層(
図1および2の配向における上部および底部電極層)を称するのに用いられる。
【0019】
したがって、他の実施形態において、例えば、
図2に示すスタックにおいて、アノード層が存在するのに比べてもう1つのカソード層が存在し得る。結果として、(
図2の配向において)上部電極層および底部電極層の両方がカソード層である。他の実施形態において、逆も可能であり、上部および底部電極がいずれもアノード層であるように、カソード層が存在するのに比べてもう1つのアノード層が存在する。
図2は、合計13個の電極層による実施形態を示す。電極層のそれぞれ隣接する対を離間するのは、電解質204または相互接続208のいずれかである。
【0020】
所望の出力を有する最終的な固体酸化物燃料電池スタックを作り出すために、特定の出力を有する適切な数の個々に製作されたセルユニットが一緒に組み合わされる。非常に簡単な例において、製作されたセルユニットがそれぞれ20ワットの出力を生じたとき、また、最終的な固体酸化物燃料電池スタックでの所望の出力が60ワットであるとき、個々に製作されたセルユニットのうち3つが、所望の出力を生じるのに組み合わされる必要がある。
図3は、
図2に示すように3つのセルユニット(320a、320b、320c)のかかる組み合わせから得られる接着された固体酸化物燃料電池スタック310を示す。
【0021】
以下に詳細に議論されているように、セルユニットを一緒に接着するのに用いられる接着層は、燃料電池スタックが供される温度範囲にわたって好ましくは電気的に接続されており、ガス透過性であり、機械的に強固であり、かつ熱的に安定である。用語として「接着層」が本明細書において用いられており、2つの同じタイプの電極層を一緒に接続するのに用いられる材料層を称する。換言すると、本明細書に記載の特定の実施形態による接着層は、1つのセルユニットからの外側カソード層を別のセルユニットの外側カソード層に接続する(カソード対カソード)。代替的には、接着層が、隣接するセルユニットからのアノード層を接続してもよい(アノード対アノード)。このように、接着層は、本明細書において用いられるとき、隣接するセルからの異なるタイプの電極層を接続する(カソード対アノード)層を称する「相互接続層」とは区別され得る。
【0022】
カソード用材料として、ランタンマンガナイト材料を挙げることができる。カソードは、ドープトランタンマンガナイト材料から作製され、カソードの組成にペロブスカイト型結晶構造を与えることができる。したがって、ドープトランタンマンガナイト材料は、式(La
1−xA
x)
yMnO
3−δによって表される一般組成を有し、ここで、ドーパント材料は、「A」で表記され、ペロブスカイト結晶構造のAサイトにおいて、ランタン(La)のための材料の範囲内で置換される。ドーパント材料は、アルカリ土類金属、鉛、または約0.4〜0.9Åの間の原子比を有する概して2価のカチオンから選択され得る。このように、一実施形態によると、ドーパント材料は、Mg、Ba、Sr、Ca、Co、Ga、Pb、およびZrからなる元素の群から選択される。特定の実施形態によると、ドーパントはSrであり、カソード層は、LSMとして一般に知られているランタンストロンチウムマンガナイト材料を含んでいてよい。
【0023】
一実施形態によると、ドープトランタンマンガナイトカソード材は、(La
1−xA
x)
yMnO
3−δ(ここで、xは、約0.5以下であり、yは、約1.0以下であり、La/Mn比は、約1.0以下である)を含む。ドープトランタンマンガナイト組成内のxの値は、構造内でLaを置換したドーパントの量を表す。一実施形態によると、xは、約0.5以下であり、例えば約0.4または0.3以下である。また、カソード材料内に付与されるドーパントの量は、より少なくてよく、その結果、xは、約0.2、またはさらには0.1以下であり、特に、約0.4〜0.05の間の範囲内であるようになっている。
【0024】
代替的または付加的には、カソードの材料として、La−フェライト系材料を挙げることができる。典型的には、La−フェライト系材料は、1以上の好適なドーパント、例えばSr、Ca、Ba、Mg、Ni、CoまたはFeによってドープされていてよい。ドープトLa−フェライト系材料の例として、LaSrCo−フェライト(LSCF)(例えば、La
1−gSr
qCo
1−jFe
jO
3)が挙げられ、ここで、qおよびjは、それぞれ、独立して0.1以上0.4以下であり、(La+Sr)/(Fe+Co)は、約1.0〜約0.90(モル比)の間の範囲である。1つの具体的な実施形態において、カソードは、LaマンガナイトおよびLa−フェライト材料の混合物を含むことができる。例えば、カソードは、LaSr−マンガナイト(LSM)(例えば、La
1−kSr
kMnO
3)およびLaSrCo−フェライト(LSCF)を含むことができる。一般的な例として、(La
0.8Sr
0.2)
0.98Mn
3+−Δ(Δは、0以上0.3以下である)およびLa
0.6Sr
0.4Co
42Fe
0.8O
3が挙げられる。
【0025】
カソード層は、カソード層の合計体積の約25体積%〜約60体積%の間の範囲内の多孔率を有する多孔質層であってよい。
【0026】
対照的に、アノード層は、サーメット材、すなわち、セラミックおよび金属材料の組み合わせを含むことができる。いくつかの好適な金属として、例えば、ニッケルまたは銅を含めた遷移金属種を挙げることができる。アノードは、例えば、セラミック材、および、特に、酸化物材料を含めたイオン伝導体を含むことができる。例えば、アノードは、ニッケルと、例えばイットリア安定化ジルコニアを含めたジルコニア系材料とによって形成されていてよい。代替的には、アノードは、例えば、酸化ガドリニウム安定化セリアを含めたセリア系材料を含むことができる。ニッケルは、アノードグリーン材料に含まれる酸化ニッケルの還元を通して生成され得る。代替的には、ある一定の他のタイプの酸化物材料、例えばチタネート、マンガナイト、クロマイト、これらの組み合わせなどがアノード層において用いられてよいことが認識される。かかる酸化物は、ペロブスカイト材料であってもよいことが認識される。アノード層は、アノード層の合計体積の約25体積%〜約60体積%の間の範囲内の多孔率を有する多孔質層であってもよい。
【0027】
好ましい接着層の実際の組成は、このように、接着層がカソード対カソード接着またはアノード対アノード接着のいずれを形成するのに用いられているかに依り、さらには、アノードまたはカソード層の実際の組成に依る。上記で議論されているように、好ましい接着材は、機械的に強固でありあるべきである。SOFCにおいて、接着強度と機械的不良との間に直接の相関関係がある。本明細書に記載のように適用される接着層は、破砕または剥離(接着されている電極層からの分離)に耐える十分に強固な接着を生じるべきである。好ましい接着層は、少なくとも8MPaの負荷(引張強度試験によって測定される)に耐えることができる。特定の実施形態において、接着層は、接着材が破砕するまたは電極から剥離する前に電極材料が機能不全になるのに十分に強固である。
【0028】
接着層はまた、隣接する電極層の熱膨張係数(CTE)に一致するCTEも有するべきである。本明細書において用いられるとき、用語「隣接する電極」は、接着層に関して用いられるとき、セルユニットを別のセルユニットに接続させるために接着層に接着されている、セルユニットにおける外側電極を称する。
【0029】
接着層材料は、高温および繰り返される熱サイクルにおける広範なサービスに耐え抜くことができなければならない。望ましくない熱応力および亀裂は、接着層と、接着層と直接接触する電極層との間のCTEの不一致から生じることがある。接着材が、接着された電極の熱膨張率と異なる率で膨張すると、接着材が亀裂するか、または電極の亀裂を引き起こすかのいずれかであり得る。結果として、接着材および電極材料の熱膨張係数(CTE)が可能な限り近く保たれると、SOFC操作の際の接着層と電極との間の熱応力が回避される。好ましくは、接着層は、電極層のCTEの約±5ppm/℃、約±2ppm/℃、約±1ppm/℃の範囲内、または約1ppm/℃未満であるCTEを有する。
【0030】
接着層は、2つの電極層間のガス流を可能にするのに十分な多孔率も有するべきである。これにより、接着層によって離間された2つの隣接する電極がガス源を共有することを可能にし、小型のスタックサイズを維持することを助ける。また、電極中の材料によっては、電極材料の劣化を防止するように接着領域の両側において特定の酸素分圧を確保することが望ましい場合がある。このことは、十分に多孔質の接着層によって、より容易に達成される。
【0031】
最後に、接着層は、各セルユニットが発生する電気が組み合わされ得るように電気伝導性であるべきである。好ましくは、接着層が、燃料電池スタックの全体の電気抵抗を増加させないことである。好ましい接着層は、電極層の伝導率とほぼ一致する十分な電子伝導率も有するべきである。特定の実施形態において、接着層の伝導率は、操作温度で約5S/cm超であるべきである。
【0032】
好ましい接着層は、隣接する電極層と共通の少なくとも1種の材料成分を有する。例えば、外側電極層がランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)を含むカソード層であるとき、好ましい接着層は、LSMを含むこともできる。外側電極層がサーメット材を含むアノード層であるとき、好ましい接着層は、ニッケル−YSZを含むことができる。代替的には、好ましい接着層は、アノード層の組成に応じて、ランタンチタネート、ランタンクロマイト、ストロンチウムチタネート、および/またはランタンストロンチウムチタネートを含むことができる。
【0033】
好ましくは、接着層は、バイモーダルサイズ分布を有する粒子−例えば、LSM粒子を含み、接着層が2つのLSMカソード層間に形成されている。バイモーダル粒径分布の第1モードは、6.3μm未満、少なくとも約6.3μm、少なくとも約6.9μm、少なくとも約7.5μm、もしくは少なくとも約8.1μmのd
50、または約10.3μm以下、約9.6μm以下、約9.2μm以下、約8.5μm以下、約7.5μm以下、もしくは約6.5μm以下のd
50を有することができる。いくつかの実施形態において、バイモーダル粒径分布の第1モードは、約6〜約10μmまたは約8.2μm〜約8.9μmの範囲内のd
50を有することができる。
【0034】
バイモーダル粒径分布の第2モードは、少なくとも約15.9μm、少なくとも約19.3μm、少なくとも約24.8μm、もしくは少なくとも約32.6μm;または約50.8μm以下、約43.2μm以下、約46.7μm以下、約38.1μm以下、約25μm以下、約20μm以下、もしくは約15μm以下のd
50を有することができる。いくつかの実施形態において、バイモーダル粒径分布の第2モードの粒子は、約21.8μm〜約27.4μmの範囲内のd
50を有することができる。
【0035】
出願人らは、バイモーダルサイズ分布の第2またはより大きなサイズの粒子が接着材の収縮特性を変更するのを助ける一方で、第1またはより小さなサイズの粒子が、第1粒子が電極材料の多孔率に少なくとも部分的に適合するのに十分に小さいときに機械的接着を大幅に強化することを発見した。このように、電極がより微細な粒径を用いる(より微細な多孔率をもたらす)とき、いくつかの実施形態において、接着材のバイモーダル分布における粒径が小さいほど、なおより微細なサイズの粒子を用いることが望ましい。
【0036】
いくつかの実施形態において、接着材は、粒子(例えばLSM粒子)の合計重量の少なくとも約38重量%のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子、粒子の合計重量の少なくとも約43重量%のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子、または粒子の合計重量の少なくとも約48重量%のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子を含む。接着材は、粒子の合計重量の約61重量%以下のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子、粒子の合計重量の約57重量%以下のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子、粒子の合計重量の約53重量%以下のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子;または粒子の合計重量の約50重量%以下のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子を含むことができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、接着材は、粒子の合計重量の少なくとも約37重量%のバイモーダル粒径分布の第2モードの粒子、粒子の合計重量の少なくとも約44重量%のバイモーダル粒径分布の第2モードの粒子、または粒子の合計重量の少なくとも約47重量%のバイモーダル粒径分布の第2モードの粒子を含む。接着材は、粒子の合計重量の約59重量%以下のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子、粒子の合計重量の約55重量%以下のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子、または粒子の合計重量の約50重量%以下のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子を含むこともできる。
【0038】
接着材において、バイモーダル粒径分布の第1モードの粒子の含有量が、バイモーダル粒径分布の第2モードの粒子の含有量と実質的に等しくてもよい。いくつかの実施形態において、接着層は、第1固体酸化物燃料電池ユニットと第2固体酸化物燃料電池ユニットとの間に連結された単一層を含むことができる。単一層は、少なくとも約81μm、少なくとも約113μm、少なくとも約148μm、少なくとも約174μm、または少なくとも約202μmの厚さを有することができ;単一層の厚さは、約305μm以下、約279μm以下、約256μm以下、または約229μm以下である。いくつかの実施形態において、単一層の厚さは、約220μm〜約280μmの範囲内である。
【0039】
好ましくは、接着材は、接着材の合計体積の少なくとも約33体積%、接着材の合計体積の少なくとも約37体積%、接着材の合計体積の少なくとも約40体積%の多孔率を含み、接着材の合計体積の約51体積%以下、接着材の合計体積の約48体積%以下、または接着材の合計体積の約44体積%以下の多孔率を含む。いくつかの実施形態において、接着材は、接着材の合計体積の約36体積%〜接着材の合計体積の約48体積%の範囲内の多孔率を含む。
【0040】
セラミック体(例えば、積み重ねられたセルユニットの隣接する電極)を接合するプロセスは、接着材を接着対象のセラミック表面上に堆積させることと、セラミック体をスタックに組み立てることと、組み立てられたスタックを焼結することとを好ましくは含む。接着材の粒子を含有する印刷可能インクは、接着層を堆積させるための担体として用いられる。特定の実施形態において、印刷可能インクは、液状担体、例えば液状の有機ビヒクルに混合された接着材の粒子を含む。有機ビヒクルは、以下(組成を有機液体の重量%で表す):5〜25重量%の2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、10〜80重量%のテルピネオール(混合異性体)、0〜1重量%のポリマー懸濁液、および15〜25重量%のアクリル樹脂の任意の組み合わせを含むことができる。印刷可能インクは、混合されて、使用前の真空化によって脱気されてよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、インクは、少なくとも約64重量%の接着材粒子(例えばLSM)、インクの合計重量の少なくとも約69重量%の粒子、インクの合計重量の少なくとも約73重量%の粒子、またはインクの合計重量の少なくとも約76重量%の粒子を含み、インクの合計重量の約88重量%以下の粒子、インクの合計重量の約83重量%以下の粒子、またはインクの合計重量の約80重量%以下の粒子を含む。具体的な例において、インクは、インクの合計重量の約83重量%〜インクの合計重量の約77重量%の範囲内の粒子を含むことができる。
【0042】
接着材を含有する印刷可能インクの粘度は、好ましくは約80〜160キロセンチポイズ(Kcps)、例えば約90kcps〜約150kcpsの範囲内である。いくつかの実施形態において、インクの粘度は、少なくとも約56kcps、少なくとも約80kcps、少なくとも約112kcps、または少なくとも約131kcpsであり、インクの粘度は、約196kcps以下、約175kcps以下、約160kcps以下、または約139kcps以下である。
【0043】
接着材インクは、スクリーン印刷、スプレーコーティング、スリップキャスティング、または真空スリップキャスティングを含めた種々の方法によって接着エリアに移送され得る。しかし、本出願人らは、孔版印刷を用いることが、他の公知の移送方法よりも予想外の利点を提供することを発見した。孔版印刷は、厚いインク層を1つのパスで堆積することを可能にする一方で、他の公知の方法は、複数のパスを必要とする。インク混合物の孔版印刷を用いて移送された接着材はまた、より強固であって欠陥がより少ない接着層を予想外にも生じさせる。本出願人らは、スクリーン印刷などの方法を用いて多数のより薄いインクコーティングを適用することが、多孔質電極表面内に吸収されてあまりに迅速に乾燥するインクを生じさせると考えている。結果として、接着層が薄くなりすぎて、その接着がより弱くなる、なぜなら、接着されたセルユニットが組み立てられ得る前にインクが過度に乾燥してしまうからである。接着材が過度に乾燥してしまうと、コーティングされた表面が一緒に貼り付かなくなる。孔版印刷によって適用されるかなり厚い層は、電極の多孔性によってなお吸収されず、それほど迅速には乾燥しない。
【0044】
本出願人らにより、接着は、SOFCセルユニットが接着されるときにインクが依然として十分に湿潤しているように接着インクの乾燥速度が制御されるとき、より強固になることが発見された。接着インクの乾燥速度は、例えば、インクがあまり迅速に乾燥しない十分に高い蒸気圧を有する制御された雰囲気でチャンバ内において燃料電池スタックを組み立てることによって、またはインクに他の薬剤を添加して流動性を維持することを助けることによって制御され得る。
【0045】
特定の実施形態において、複数のSOFCセルユニットを、セルユニットを適所に保持する印刷治具に置くことができる。セルユニット上に、所望のサイズの開口部を有する孔版を置くことができる。孔版は、例えば、MYLARシートから製作されていてよい。孔版開口部を、次いで、例えば直定規を用いることによって、接着材インクで充填することができる。孔版を除去した後、セルユニットを、印刷された側面を互いに対向させて接着治具に置くことができる。次いで、セルユニットを整列させ、加圧下(例えば、1〜2psiの圧力下)に一緒に押圧して、(例えば、室温で1〜2時間)乾燥することができる。このことは、隣接するセルユニットが焼結プロセスの際に摺動しにくいようにセルユニットを部分的に接着するのに役立つ。
【0046】
接着されたセルユニットを、次いで、炉に置いて焼成し、接着をさらに強固にする。例えば、部分的に接着されたセルユニットを、(いずれの圧力も印加することなく)約1050℃〜約1350℃の範囲内で2時間加熱することができる。好ましくは、遅い加熱速度を用いて有機ビヒクルを焼却および除去する。次いで、セルユニットを、約0.1MPaの負荷(圧力)にて約1250℃〜約1350℃の範囲内で約1時間〜約3時間加熱することができる。言い換えると、特定の実施形態において、負荷の適用下での固体酸化物燃料電池スタックの焼結を、約1psi〜約500psi、または約100psi〜約150psiの範囲内の圧力で行う。このように負荷下で接着材を焼結することで、セルユニットを一緒に完全に接着させ、セルユニットを(圧力によらずに)自由に焼結するときよりも有意に高い接着強度を生じさせる。
【0047】
一般に、接着材におけるより微細な粒子の使用は、焼結工程をより低温で実施することを可能にし、残りの燃料電池スタックへの温度の影響を低減する。特定の実施形態において、接着材の組成は、焼結温度を低下させるように選択または改変されてよい。
【0048】
本明細書に記載の本発明の概念の実施形態による使用のための燃料電池ユニットは、当該分野において公知の任意の好適な方法によって作製されてよい。上記で議論されているように、当該分野において公知の任意の好適なアノードおよびカソード材が本発明において用いられてよい。
【0049】
当該分野において公知の任意の好適な電解質材料も本発明の電解質に用いられてもよい。好ましくは、電解質は、固体電解質である。具体例として、ZrO
2系材料、例えばSc
2O
3−ドープトZrO
2、Y
2O
3−ドープトZrO
2、Yb
2O
3−ドープトZrO
2;CeO
2系材料、例えばSm
2O
3−ドープトCeO
2、Gd
2O
3−ドープトCeO
2、Y
2O
3−ドープトCeO
2、およびCaO−ドープトCeO
2;Ln−ガレート系材料(Ln=ランタニド、例えばLa、Pr、NdもしくはSm)、例えばCa、Sr、Ba、Mg、Co、Ni、Feもしくはこれらの混合物がドープされたLaGaO
3(例えば、La
0.8Sr
0.2Ga
0.8Mg
0.2O
3、La
0.8Sr
0.2Ga
0.8Mg
0.15Co
0.5O
3、La
0.9Sr
0.1Ga
0.8Mg
0.2O
3、LaSrGaO
4、LaSrGa
3O
7もしくはLa
0.9A
0.1GaO
3(ここで、A=Sr、CaもしくはBa);ならびにこれらの混合物が挙げられる。他の例として、ドープトイットリウム−ジルコネート(例えば、Y
2Zr
2O
7)、ドープトガドリニウム−チタネート(例えば、Gd
2Ti
2O
7)およびブラウンミラライト(例えば、Ba
2In
2O
6またはBa
2In
2O
5)が挙げられる。
【0050】
相互接続層は、無機材料を含めたセラミック材料を含むことができる。特に、相互接続層は、酸化物材料を含むことができ、より詳細には、クロマイトまたはチタネート材料であってよい。より詳細には、相互接続層は、ランタン(La)、マンガン(Mn)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、カルシウム(Ca)、ガリウム(Ga)、コバルト(Co)、イットリア(Y)、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される元素を含むことができる。ある一定の例において、相互接続層208、216は、酸化クロム系材料、酸化ニッケル系材料、酸化コバルト系材料、および酸化チタン系材料(例えば、ランタンストロンチウムチタネート)を含むことができる。特に、相互接続層208は、材料、例えばLaSrCrO
3、LaMnCrO
3、LaCaCrO
3、YCrO
3、LaCrO
3、LaCoO
3、CaCrO
3、CaCoO
3、LaNiO
3、LaCrO
3、CaNiO
3、CaCrO
3、およびこれらの組み合わせから作製されてよい。特に、相互接続層208は、LST(またはYST)を含むことができ、1種以上のドーパントを有するNbドープトLST、例えばLa
0.2Sr
0.8TiO
3から本質的になっていてよい。相互接続材料がA−サイト欠陥材料を含んでいてよく、ここで、例えば、ランタンまたはストロンチウムカチオンによって典型的には占有される格子サイトが空いているため、材料が非化学量論的組成を有することが認識される。
【0051】
図2に示すような固体酸化物燃料電池ユニットを形成するために、層は、それぞれが、層をスタックに組み立てる前に個々に形成され得る。すなわち、層は、グリーン層として別に形成されて、一緒になってセルユニットスタックに組み立てられてよい。代替的には、層がグリーン状態で互いの上に相次いで形成されてよく、その結果、第1グリーン電解質層が形成されることとなり、その後、グリーン電極層がグリーン電解質層を覆って形成されてよく、その後、グリーン相互接続層がグリーン電極層を覆って形成されてよい。この方法は、グリーンSOFCセルユニットを単一の焼結プロセスにおいて焼結し、焼結されたSOFCセルユニットを形成することをさらに含む。
【0052】
本明細書において、「グリーン」物品への言及は、緻密化または粒成長に影響する焼結を経ていない材料への言及である。グリーン物品は、乾燥されて低い含水量を有していてよいが、未焼成である未完成物品である。グリーン物品は、自身およびその上に形成される他のグリーン層を支持するのに好適な強度を有することができる。
【0053】
本明細書における実施形態によって記載されている層は、限定されないが、キャスティング、堆積、印刷、押出、積層、ダイプレス、ゲルキャスティング、スプレーコーティング、スクリーン印刷、ロール圧縮、射出成形、およびこれらの組み合わせを含めた技術を通して形成され得る。1つの特定の例において、層は、それぞれ、スクリーン印刷を介して形成されてよい。別の実施形態において、層は、それぞれ、テープキャスティングプロセスを介して形成されてよい。
【0054】
項1.
少なくとも2つの燃料電池ユニットにおいて、各燃料電池ユニットが、電解質層によって離間されている第1タイプの少なくとも1種の多孔質電極層および第2タイプの少なくとも1種の多孔質電極層を含んでいる、少なくとも2つの燃料電池ユニットと;
2つの燃料電池ユニット間に連結され、1つの燃料電池ユニットにおける第1タイプの電極の外面を別の燃料電池ユニットにおける第1タイプの電極の外面に接着させる接着層と;
を含む固体酸化物燃料電池スタックであって、接着層が、担体材料内に含有されている粒子を含み、該粒子が、第1タイプの多孔質電極と共通の少なくとも1種の材料成分を有しており、粒子がバイモーダル粒径分布を有し、該分布において、バイモーダル粒径分布の第1モードの粒子が第1タイプの電極の多孔率と少なくとも部分的に適合するのに十分に小さく、バイモーダル粒径分布の第2モードの粒子が第1タイプの電極の多孔率よりも大きい、固体酸化物燃料電池スタック。
【0055】
項2.第1固体酸化物燃料電池ユニットと;
第2固体酸化物燃料電池ユニットと;
第1固体酸化物燃料電池ユニットの外側多孔質電極層と第2固体酸化物燃料電池ユニットの外側多孔質電極層との間に連結された接着層において、第1および第2固体酸化物燃料電池ユニットの外側多孔質電極層が、同じ組成を有する、接着層と;
を含む固体酸化物燃料電池スタックであって、接着層が、第1および第2固体酸化物燃料電池ユニットの外側多孔質電極層の組成と共通の少なくとも1種の材料成分を有する粒子を含む接着材を含み、粒子がバイモーダル粒径分布を有する、固体酸化物燃料電池スタック。
【0056】
項3.接着層の厚さが、少なくとも約40μm、少なくとも約81μm、少なくとも約113μm、少なくとも約148μm、少なくとも約174μm、または少なくとも約202μmであり;接着層の厚さが、約305μm以下、約279μm以下、約256μm以下、または約229μm以下である、上記項のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0057】
項4.接着層の厚さが、約220μm〜約280μmの範囲内である、上記項のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0058】
項5.接着材が、接着材の合計体積の少なくとも約33体積%、接着材の合計体積の少なくとも約37体積%、もしくは接着材の合計体積の少なくとも約40体積%の多孔率を含み;または、接着材が、接着材の合計体積の約51体積%以下、接着材の合計体積の約48体積%以下、もしくは接着材の合計体積の約44体積%以下の多孔率を含む、上記項のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0059】
項6.接着材が、接着材の合計体積の約36体積%〜接着材の合計体積の約48体積%の多孔率を含む、上記項のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0060】
項7.バイモーダル粒径分布の第1モードの粒子が、少なくとも約6.3μm、少なくとも約6.9μm、少なくとも約7.5μm、もしくは少なくとも約8.1μmのd50を有し;または、バイモーダル粒径分布の第1モードが、約10.3μm以下、約9.6μm以下、約9.2μm以下、もしくは約8.5μm以下のd50を有する、上記項のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0061】
項8.バイモーダル粒径分布の第1モードの粒子が、約8.2μm〜約8.9μmの範囲内のd50を有する、上記項のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0062】
項9.バイモーダル粒径分布の第2モードの粒子が、少なくとも約15.9μm、少なくとも約19.3μm、少なくとも約24.8μm、もしくは少なくとも約32.6μm;または約50.8μm以下、約43.2μm以下、約46.7μm以下、もしくは約38.1μm以下のd50を有する、上記項のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0063】
項10.バイモーダル粒径分布の第2モードの粒子が、約21.8μm〜約27.4μmの範囲内のd50を有する、上記項のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0064】
項11.接着材が、粒子の合計重量の少なくとも約38重量%のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子、粒子の合計重量の少なくとも約43重量%のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子、もしくは粒子の合計重量の少なくとも約48重量%のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子を含み;または、接着材が、粒子の合計重量の約61重量%以下のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子、粒子の合計重量の約57重量%以下のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子、粒子の合計重量の約53重量%以下のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子;もしくは粒子の合計重量の約50重量%以下のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子を含む、上記項のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0065】
項12.接着材が、粒子の合計重量の少なくとも約37重量%のバイモーダル粒径分布の第2モードの粒子、粒子の合計重量の少なくとも約44重量%のバイモーダル粒径分布の第2モードの粒子、もしくは粒子の合計重量の少なくとも約47重量%のバイモーダル粒径分布の第2モードの粒子を含み;または、接着材が、粒子の合計重量の約59重量%以下のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子、粒子の合計重量の約55重量%以下のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子、もしくは粒子の合計重量の約50重量%以下のバイモーダル粒径分布の第1モードの粒子を含む、上記項のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0066】
項13.接着材において、バイモーダル粒径分布の第1モードの粒子の含有量が、バイモーダル粒径分布の第2モードの粒子の含有量に実質的に等しい、上記項のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0067】
項14.接着層が、接着材が担体材料内に含有されているインクを含む、上記項のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0068】
項15.インクが、インクの合計重量の少なくとも約64重量%のLSM粒子、インクの合計重量の少なくとも約69重量%のLSM粒子、インクの合計重量の少なくとも約73重量%のLSM粒子、もしくはインクの合計重量の少なくとも約76重量%のLSM粒子を含み;または、インクが、インクの合計重量の約88重量%以下のLSM粒子、インクの合計重量の約83重量%以下のLSM粒子、もしくはインクの合計重量の約80重量%以下のLSM粒子を含む、項14に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0069】
項16.インクが、インクの合計重量の約83重量%〜インクの合計重量の約77重量%の範囲内のLSM粒子を含む、項14または15のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0070】
項17.インクの粘度が、少なくとも約56キロセンチポイズ(kcps)、少なくとも約80kcps、少なくとも約112kcps、もしくは少なくとも約131kcpsであり;または、インクの粘度が、約196kcps以下、約175kcps以下、約160kcps以下、もしくは約139kcps以下である、項14〜16のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0071】
項18.インクの粘度が、約90kcps〜約150kcpsの範囲内である、項14〜17のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0072】
項19.第1および第2固体酸化物燃料電池の外側多孔質電極層が、カソード層である、上記項のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0073】
項20.第1および第2固体酸化物燃料電池の外側多孔質電極層が、LSMを含むカソード層であり、接着材がLSMを含む、上記項のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0074】
項21.第1および第2固体酸化物燃料電池の外側多孔質電極層が、サーメット材を含むアノード層であり、接着材が、同じサーメット材を含む、項1〜18のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0075】
項22.第1および第2固体酸化物燃料電池の外側多孔質電極層が、Ni−YSZを含むアノード層であり、接着材がNi−YSZを含む、項1〜18のいずれか1項に記載の固体酸化物燃料電池スタック。
【0076】
項23.第1タイプの多孔質電極層が、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)を含むカソード層である、項1に記載の固体酸化物燃料電池。
【0077】
項24.接着層が、少なくとも約80重量%のLSM粒子を含み、LSM粒子がバイモーダル粒径分布を有する、項23に記載の固体酸化物燃料電池。
【0078】
項25.第1タイプの多孔質電極層が、ニッケルおよびイットリア安定化ジルコニア(Ni−YSZ)を含むアノード層である、項1に記載の固体酸化物燃料電池。
【0079】
項26.接着層が少なくとも約80重量%のNi−YSZ粒子を含み、Ni−YSZ粒子がバイモーダル粒径分布を有する、項23に記載の固体酸化物燃料電池。
【0080】
項27.同じタイプの2つの電極層を一緒に接着するための、固体酸化物燃料電池スタックの接着材であって、インクを含み、インクが:
インクの合計重量の少なくとも約80重量%のLSM粒子において、担体材料内に含有されており、バイモーダル粒径分布を有しているLSM粒子;または
インクの合計重量の少なくとも約80重量%のNi−YSZ粒子において、担体材料内に含有されており、Ni−YSZ粒子がバイモーダル粒径分布を有しているNi−YSZ粒子
を含んでいる、接着材。
【0081】
項28.固体酸化物燃料電池ユニットを含む2つを一緒に接着して固体酸化物燃料電池スタックを形成する方法であって:
第1固体酸化物燃料電池ユニットおよび第2固体酸化物燃料電池ユニットを孔版印刷装置内に投入することにおいて、各燃料電池ユニットが、燃料電池ユニットの外面に第1タイプの少なくとも1つの多孔質電極層を有していることと;
インクを孔版印刷装置に付与することにおいて、インクが第1タイプの多孔質電極層の組成と共通の少なくとも1種の材料成分を有する粒子を含み、粒子がインクの合計重量の少なくとも約60重量%を構成していることと;
第1および第2固体酸化物燃料電池ユニットの外面における第1タイプの電極層に、孔版印刷装置によってインクを適用することと;
第1固体酸化物燃料電池ユニットの第1タイプの電極層を第2固体酸化物燃料電池ユニットの第1タイプの電極層に接着させて、固体酸化物燃料電池スタックを形成することと;
を含み、第1固体酸化物燃料電池ユニットの電極が第2固体酸化物燃料電池ユニットの電極に接着されるときにインクが乾燥しないようにインクの乾燥速度が制御される、方法。
【0082】
項29.
インクを第1固体酸化物燃料電池ユニットの電極に適用する前に、第1固体酸化物燃料電池ユニットの外面における第1タイプの電極層に第1MYLAR孔版を置くことと;
インクを第2固体酸化物燃料電池ユニットの電極に適用する前に、第2固体酸化物燃料電池ユニットの外面における第1タイプの電極層に第2MYLAR孔版を置くことと
をさらに含む、項28に記載の方法。
【0083】
項30.インクを第1および第2固体酸化物燃料電池ユニットの電極に適用する前に、インクを混合および脱気することをさらに含む、項28または29のいずれか1項に記載の方法。
【0084】
項31.第1固体酸化物燃料電池ユニットの第1タイプの電極層を第2固体酸化物燃料電池ユニットの第1タイプの電極層に接着させることが:
各面のインクが依然として湿潤したままで燃料電池ユニットの印刷された側を一緒にすることと;
燃料電池ユニットを室温にて約1〜2時間、約1〜2psiの圧力で一緒に押圧して、燃料電池ユニットを部分的に接着することと;
部分的に接着された燃料電池ユニットを、いずれの圧力も印加することなく約1050℃〜約1350℃の範囲内で2時間加熱することと;
燃料電池ユニットを約1250℃〜約1350℃の範囲内で約1〜3時間、少なくとも約0.1MPaの圧力で加熱することと
を含む、項28〜30のいずれか1項に記載の方法。
【0085】
項32.唯一のインク層が適用される、項28〜31のいずれか1項に記載の方法。
【0086】
項33.インク層が、少なくとも約40μm、少なくとも約81μm、少なくとも約113μm、少なくとも約148μm、少なくとも約174μm、もしくは少なくとも約202μmであり;または接着層の厚さが、約305μm以下、約279μm以下、約256μm以下、もしくは約229μm以下である、項32に記載の方法。
【0087】
項34.固体酸化物燃料電池スタックに熱処理を適用することをさらに含む、項28〜30のいずれか1項に記載の方法。
【0088】
項35.熱処理が無加圧焼結プロセスを含む、項34に記載の方法。
【0089】
項36.無加圧焼結プロセスが、約1050℃〜約1350℃の範囲内の温度で固体酸化物燃料電池スタックを加熱することを含む、項35に記載の方法。
【0090】
項37.無加圧焼結プロセスが、約1時間〜約3時間の範囲内の継続時間を有する、項35または36のいずれか1項に記載の方法。
【0091】
項38.熱処理が、負荷の適用下で固体酸化物燃料電池スタックを焼結することを含む、項34に記載の方法。
【0092】
項39.負荷の適用下で固体酸化物燃料電池スタックを焼結することが、固体酸化物燃料電池スタックを約1250℃〜約1350℃の範囲内の温度で加熱することを含む、項38に記載の方法。
【0093】
項40.負荷の適用下で固体酸化物燃料電池スタックを焼結することが、約1時間〜約3時間の範囲内の継続時間を有する、項38または39のいずれか1項に記載の方法。
【0094】
項41.負荷の適用下で固体酸化物燃料電池スタックを焼結することが、約1psi〜約500psi、または約100psi〜約150psiの範囲内の圧力で行われる、項38、39または40のいずれか1項に記載の方法。
【0095】
項42.第1タイプの多孔質電極層が、LSMを含むカソード層であり、インクがLSMを含む、項28〜41のいずれか1項に記載の方法。
【0096】
項43.第1タイプの多孔質電極層が、サーメット材を含むアノードであり、インクが同じサーメット材を含む、項28〜41のいずれか1項に記載の方法。
【0097】
本発明は、広範な利用可能性を有し、上記のように多くの利益を提供することができる。実施形態は、具体的な用途に応じて大幅に変動し、あらゆる実施形態が利益の全てを提供するとは限らず、また、本発明によって達成可能な目的の全てを満たすとは限らない。詳細な説明全体または例において上記に記載されているアクティビティの全てが必要とされるわけではないこと、特定のアクティビティの一部が必要とされない場合があること、および1以上のさらなるアクティビティが、記載のアクティビティに加えて実施される場合があることに注意されたい。さらにまた、アクティビティが列挙されている順序は、必ずしも、これらが実施される順序ではない。
【0098】
上記の明細書において、具体的な実施形態を参照して概念を説明した。しかし、当業者は、以下の特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲から逸脱することなく種々の改変および変更がなされ得ることを認識する。例えば、上記明細書の大半が固体酸化物燃料電池を記載しているが、本発明の実施形態は、他の多層多孔質セラミックデバイス、例えば固体酸化物電解槽で用いることもできる。したがって、明細書および図は、制限的な意味よりもむしろ説明的であるとみなされるべきであり、かかる改変の全てが本発明の範囲内に含まれることが意図される。当業者は、明細書を読んだ後、ある一定の特徴が、明確のために、別々の実施形態の文脈で記載されていること、および単一の実施形態において組み合わされて提供されてもよいことを認識する。逆に、明確のために、単一の実施形態の文脈で記載されている種々の特徴が、別々にまたは任意のサブ組み合わせにおいて提供されてもよい。さらに、範囲で記述されている値に対する言及は、該範囲内の各値およびあらゆる値を含んでいる。
【0099】
用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、またはこれらの任意の他の変形例は、本明細書において用いられているとき、非排他的な包含をカバーすることが意図される。例えば、特徴の列挙を含むプロセス、方法、物品または装置は、必ずしもこれらの特徴のみに限定されないが、明確に列挙されていないまたはかかるプロセス、方法、物品もしくは装置に固有の他の特徴を含む場合がある。さらに、反対であることが明確に記述されていない限り、「または(or)」は、包含的な「または」を称し、排他的な「または」を称するのではない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真(または存在する)かつBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)かつBが真(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真(または存在する)。また、「1つの(a)」または「1つの(an)」の使用は、本明細書に記載の要素および構成成分を記載するのに使用される。これは、単に便宜上なされることであり、本発明の範囲の一般的な意味を付与するためのものである。この記載は、1つまたは少なくとも1つを含むと読まれるべきであり、単数形は、別のことを意味することが明らかでない限り、複数形も含む。
【0100】
値の範囲が与えられているとき、該範囲の上限および下限の間のそれぞれ介在する値ならびに記述されている範囲内の任意の他の記述されているまたは介在する値は、文脈が別途明確に指示していない限り、本発明の範囲内に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限および下限は、かかるより小さな範囲内に独立して含まれてよく、記述されている範囲内の任意の具体的に排除された限界値次第で、本発明の範囲内にも包含される。記述されている範囲が限界値の一方または両方を含むとき、これらの含まれる限界値のいずれかまたは両方を排除する範囲も本発明に含まれる。値が「約」具体的な値として記載されているとき、用語「約」の使用は、具体的な値それ自体、ならびに具体的な値を超える値およびそれ未満の値の適切な範囲を包含することが理解される。
【0101】
課題に対する利益、他の利点、および解決手段を、具体的な実施形態に関して上記に記載した。しかし、課題に対するかかる利益、他の利点、および解決手段、ならびに任意の利益、他の利点、または解決手段を生じさせ得るまたはこれらがより明白になり得る他の特徴は、任意または全ての特許請求の範囲の厳密な、必要とされる、または必須の特徴であるとして解釈されてはならない。
【0102】
本発明およびその利点を詳細に記載したが、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の精神および範囲を逸脱することなく、本明細書に記載の実施形態に対して種々の変更、置換および改変がなされ得ることが理解されるべきである。また、本願の範囲は、明細書に記載のプロセス、機械、製造物、物質の組成、手段、方法および工程の特定の実施形態に限定されることは意図していない。当業者が本発明の開示から容易に認識するように、本明細書に記載の対応する実施形態と同じ機能を実質的に実施し、同じ結果を実質的に達成する現存のまたは後に開発されるプロセス、機械、製造物、物質の組成、手段、方法または工程が、本発明に従って利用されてよい。したがって、添付の特許請求の範囲は、これらの範囲内で、かかるプロセス、機械、製造物、物質の組成、手段、方法または工程を含むことが意図される。