特許第6265518号(P6265518)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6265518
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】スピーカ装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/02 20060101AFI20180115BHJP
   H04R 7/02 20060101ALI20180115BHJP
   H02K 33/18 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   H04R9/02 102Z
   H04R7/02 Z
   H02K33/18 B
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-189092(P2017-189092)
(22)【出願日】2017年9月28日
【審査請求日】2017年9月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517321632
【氏名又は名称】植木 準
(74)【代理人】
【識別番号】100178331
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 宏二
(72)【発明者】
【氏名】植木 準
【審査官】 岩田 淳
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−526452(JP,A)
【文献】 特開平01−138894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 33/00−33/18
H04R 1/00− 1/08
1/12− 1/14
1/20− 1/46
7/00− 9/10
9/18
31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒形状をなすように周壁が形成された第1部位、及び錐体形状をなすように周壁が形成された第2部位を有する振動子と、
少なくともマグネット及びボイスコイルを有して前記振動子を駆動する駆動手段と、を有し、
前記第1部位の一端と前記第2部位の底とが一体とされ、かつ前記第1部位の他端及び第2部位の頭部が閉塞されており、かつ、前記第1部位の他端面及び前記第2部位は、外方に臨んでおり、
前記駆動手段は、前記第1部位が当該第1部位の中心軸に平行に移動するように前記振動子を駆動し、前記第1部位の他端面から音波を出力させるスピーカ装置。
【請求項2】
前記第2部位は、截頭錐体形状をなし頭部側の端面が閉塞されている請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記第1部位は、円筒形状をなし、前記第2部位は、円錐形状をなす請求項1又は2に記載のスピーカ装置。
【請求項4】
筒形状の内周面にエッジ及びダンパーを介して前記振動子を支持するフレームをさらに有し、
前記第2部位は、前記内周面の端部から外方にはみ出している請求項1乃至3の何れか1項に記載のスピーカ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、バッフル板を設けることで、スピーカユニットの前面から出力された音波が背後側に回り込むのを防止している(例えば非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】林正儀、“林正儀のオーディオ講座”、[online]、平成19年6月28日、PHILE WEB、[平成29年9月8日検索]、インターネット<URL:http://www.phileweb.com/magazine/audio-course/archives/2007/06/28.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、スピーカユニットの前面から出力された音波が背後側に回り込むのをより効果的に防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、筒形状をなすように周壁が形成された第1部位、及び錐体形状をなすように周壁が形成された第2部位を有する振動子と、少なくともマグネット及びボイスコイルを有して前記振動子を駆動する駆動手段と、を有し、前記第1部位の一端と前記第2部位の底とが一体とされ、かつ前記第1部位の他端及び第2部位の頭部が閉塞されており、かつ、前記第1部位の他端面及び前記第2部位は、外方に臨んでおり、前記駆動手段は、前記第1部位が当該第1部位の中心軸に平行に移動するように前記振動子を駆動し、前記第1部位の他端面から音波を出力させるスピーカ装置である。
【0006】
本発明の第2の態様では、前記第2部位は、截頭錐体形状をなし頭部側の端面が閉塞されていることが好ましい。
【0007】
本発明の第3の態様では、前記第1部位は、円筒形状をなし、前記第2部位は、円錐形状をなすことが好ましい。
【0008】
本発明の第4の態様では、筒形状の内周面にエッジ及びダンパーを介して前記振動子を支持するフレームをさらに有し、前記第2部位は、前記内周面の端部から外方にはみ出していることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の前記第1の態様によれば、振動子の駆動時に、第1部位の径方向の周囲での圧力変化が抑制されるため、他端面から前方に出力された音波が、第1部位の周囲に回り込むこと、すなわち、他端面からみて後方に回り込むことを抑制できる。
【0010】
さらに、本発明の前記第1の態様によれば、錐体形状をなす第2部位の周壁が真後ろでなく斜め後方に向くことで、振動子の駆動時に、第2部位の外周面からの音波が、斜め後方に出力されるので、真後ろに出力されて前方に反射されてしまうのを抑制できる。
【0011】
本発明の前記第2の態様によれば、第2部位の頭部から大きい音波が後方に出力されるのを抑制できる。
【0012】
本発明の前記第3の態様によれば、振動子を簡易な形状にできる。
【0013】
本発明の前記第4の態様によれば、振動子をフレームで支持することを可能にしつつ、第2部位の外周面からの音波が、斜め後方に出力されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、第1の実施形態におけるスピーカ装置の構成例を示す斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態におけるスピーカ装置の構成例を示す断面図である。
図3図3は、第2の実施形態におけるスピーカ装置の構成例を示す断面図である。
図4図4は、第3の実施形態におけるスピーカ装置の構成例を示す断面図である。
図5図5は、第4の実施形態におけるスピーカ装置の構成例を示す断面図である。
図6図6は、第1の実施形態における振動子の他の構成例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態における振動子のさらに他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、スピーカ装置を挙げている。
(構成)
図1及び図2は、第1の実施形態におけるスピーカ装置1の構成例を示す図である。図1は、スピーカ装置1の斜視図であり、図2は、スピーカ装置1の断面図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、スピーカ装置1は、フレーム部10、マグネット50、ボイスコイル60、エッジ70、ダンパー80、及び振動子100を有している。
フレーム部10は、脚部20、及び支持部30を有している。脚部20は、床等にスピーカ装置1を設置するための部位になる。脚部20は、接地部21、及び取付部22を有している。例えば、接地部21は、矩形の板形状をなしている。接地部21のほぼ中央部分に取付部22が設けられている。例えば、取付部22は、断面略矩形の棒形状をなしている。取付部22の上端に、振動子100を支持する支持部30が設けられている。
【0017】
支持部30は、周壁31が肉厚の略円筒形状をなしている。支持部30は、中心軸30aが水平方向に向いている。例えば、フレーム部10は、プラスチック等の樹脂材料によって、脚部20と支持部30とが一体に形成されている。このフレーム部10の支持部30の周壁31内に、マグネット50が配置されている。また、支持部30の内周面32には、エッジ70及びダンパー80が設けられている。そして、支持部30の内周側には、これらエッジ70及びダンパー80に支持されて振動子100が配置されている。
【0018】
マグネット50は、ドーナツ型の永久磁石である。よって、マグネット50は、支持部30の周壁31の円周方向に沿って位置されている。本例では、マグネット50は、支持部30においてその軸方向のほぼ中間部位に配置されている。
エッジ70は、支持部30の内周面32の前端部に設けられている。エッジ70は、支持部30の内周面32と振動子100の外周面101とを繋げるように形成され、略薄膜又は略薄板の円盤形状をなしている。また、ダンパー80は、支持部30の内周面32の後端部に形成されている。ダンパー80は、支持部30の内周面32と振動子100の外周面101とを繋げるように形成され、略薄膜又は略薄板の円盤形状をなしている。
【0019】
振動子100は、前側に位置し円筒形状をなすように周壁が形成された中空の第1部位110と、後側に位置し截頭円錐形状をなすように周壁が形成された中空の第2部位120とを有する。ここで、第1部位110の一端と第2部位120の底とが一体とされている。すなわち、振動子100は、第1部位110の後端から第2部位120で緩やかに縮径している。
【0020】
また、第1部位110の前端は閉塞されて平面に形成されており、第2部位120の後端になる頭部も閉塞されて平面に形成されている。第1部位110の前端の平面部111と、第2部位120の頭部の平面部121とは、平行となる関係をなしている。
また、第1部位110の長さは、支持部30の内周面32とほぼ同じ長さであり、第1部位110の外周面101の前端がエッジ70に支持され、第1部位110の外周面101の後端がダンパー80に支持されている。このような構造のため、第2部位120は、支持部30の後端から後方に突出し外方に臨んでいる。この振動子100の中心軸100aは、支持部30の中心軸30aと一致している。
【0021】
ここで、第1部位110の前端の平面部111は、スピーカ装置1において音波を出力する部位となる。以下の説明では、第1部位110の前端の平面部111を出力面111ともいう。
第1部位110には、その外周面101であってその軸方向のほぼ中間部位にボイスコイル60が形成されている。これによって、ボイスコイル60は、支持部30の周壁内に配置されているマグネット50の内周側に位置されるようになる。
【0022】
(動作、作用等)
次に、第1の実施形態におけるスピーカ装置1の動作、作用等を説明する。
スピーカ装置1では、ボイスコイル60に電流を供給すると、マグネット50の中心軸方向でボイスコイル60が変位することで、エッジ70及びダンパー80を介してフレーム部10に支持されている振動子100も駆動される。これによって、振動子100の出力面111から音波が出力される。
【0023】
このとき、駆動時に、円筒形状をなす第1部位110が中心軸方向に平行移動するだけなので、第1部位110の径方向の周囲での圧力変化が抑制されるため、出力面111から出力された音波が第1部位110の周囲に回り込むことがない。すなわち、バッフル板を設けなくとも、出力面111から出力された音波が、振動子100の背後方向に回り込むのを防止できる。
【0024】
また、錐体形状をなす第2部位120の周壁が真後ろでなく斜め後方(より横方向に近い方向)に向くことで、駆動時に、第2部位120の外周面122からの音波が、斜め後方に出力されるので、真後ろに出力されて前方に反射されてしまうのを抑制できる。
【0025】
(第1の実施形態における効果)
(1)スピーカ装置1は、振動子100の駆動時に、第1部位110の径方向の周囲での圧力変化が抑制されるため、出力面111から前方に出力された音波が、第1部位110の周囲に回り込むこと、すなわち、出力面111からみて後方に回り込むことを抑制できる。このように、スピーカ装置1は、前面から出力された音波が背後側に回り込むのをより効果的に防止できる。
また、スピーカ装置1は、逆相の音波を拡散し、リスニングポイントでの逆相の音波を減衰することで、筐体状のエンクロージャーを不要とすることを可能にする。
【0026】
(2)スピーカ装置1は、錐体形状をなす第2部位120の周壁が真後ろでなく斜め後方に向くことで、振動子100の駆動時に、第2部位120の外周面122からの音波が、斜め後方に出力されるので、真後ろに出力されて前方に反射されてしまうのを抑制できる。
また、スピーカ装置1は、出力面111である正相の音波発生面が振動方向に垂直であるのに対し、第2部位120の外周面122である逆相の音波発生面は、第1部位110の外周面101の向きに近く、より平行に近いものとなっており、表面積も正相の音波発生面の面積よりも各段に広くなっているため、音波を拡散し、弱めることを可能にしている。
【0027】
(3)スピーカ装置1は、第2部位120が截頭円錐形状をなし、第2部位120の頭部を平面にすることで、第2部位120の頭部から大きい音波が後方に出力されるのを抑制できる。
(4)スピーカ装置1は、第1部位110が円筒形状をなし、第2部位120が円錐形状をなしているため、振動子100を簡易な形状として形成できる。
【0028】
(5)スピーカ装置1は、第2部位120が支持部30の後端から後方に突出し、外方に臨むようになるため、振動子100をフレーム部10で支持することを可能にしつつ、第2部位120の外周面からの音波が、フレーム部10に進路を邪魔されることなく斜め後方に出力されるようになる。
【0029】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、前述の第1の実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
第2の実施形態も、スピーカ装置を挙げている。そして、第2の実施形態では、振動子内にマグネットが配置されている。
【0030】
(構成)
図3は、第2の実施形態におけるスピーカ装置2の構成例を示す断面図である。
図3に示すように、スピーカ装置2は、フレーム部210、マグネット250、ボイスコイル260、エッジ270、ダンパー280、及び振動子300を有している。
フレーム部210は、脚部211を有している。脚部211は、スピーカ装置2を設置するための部位になる。脚部211は、接地部211a、及び取付部211bを有している。例えば、接地部211aは、円盤の板形状をなしている。接地部211aのほぼ中央部分に取付部211bが設けられている。例えば、取付部211bは、断面略矩形の棒形状をなしている。取付部211bの上端の一方の側面211b1にマグネット250が取り付けられている。また、取付部211bの上端の他方の側面211b2にダンバー280が取り付けられている。
【0031】
例えば、マグネット250は、ドーナツ型、円柱型の永久磁石である。マグネット250は、中心軸が水平方向に向くように取付部211bに後側の端面250aが取り付けられている。また、マグネット250の前側の端面250bにエッジ270が取り付けられている。例えば、マグネット250の外周を囲むようにカバーが取り付けられており、そのカバーに対してエッジ270が取り付けられている。マグネット250に取り付けられたエッジ270と、取付部211bに取り付けられたダンパー280とで、振動子300が支持されている。
【0032】
振動子300は、前記の第1の実施形態における振動子100とほぼ同様な形状をなしている。すなわち、振動子300は、前側に位置し円筒形状をなすように周壁が形成された中空の第1部位310と、後側に位置し截頭円錐形状をなすように周壁が形成された中空の第2部位320とを有する。ここで、第1部位310の一端と第2部位320の底とが一体とされている。すなわち、振動子300は、第1部位310の後端から第2部位320で緩やかに縮径している。
【0033】
また、第1部位310の前端は閉塞されて平面に形成されており、第2部位320の後端になる頭部も閉塞されて平面に形成されている。第1部位310の前端の出力部311と、第2部位320の頭部の平面部321とは、平行となる関係をなしている。
また、第2の実施形態では、振動子300は、第1部位310の内周面312で前端からやや後ろの部位がエッジ270に支持され、第1部位310の内周面312の後端の部位がダンパー280に支持されている。また、第1部位310には周壁の一部が開口された開口部313が形成されており、脚部211の取付部211bが開口部313内を貫通していてマグネット250に取り付けられている。そして、第1部位310には、その外周面314であってその軸方向のほぼ中間部位にボイスコイル260が形成されている。これによって、ボイスコイル260は、支持部30内に配置されているマグネット250の外周側に位置されるようになる。
【0034】
(動作、作用等)
次に、第2の実施形態におけるスピーカ装置2の動作、作用等を説明する。
スピーカ装置2では、ボイスコイル260に電流を供給すると、マグネット250の中心軸方向でボイスコイル260が変位することで、エッジ270及びダンパー280に支持されている振動子100も駆動される。これによって、振動子300の出力面311から音波が出力される。
【0035】
このとき、駆動時に、円筒形状をなす第1部位310が中心軸方向に平行移動するだけなので、第1部位310の径方向の周囲での圧力変化が抑制されるため、出力面311から出力された音波が第1部位310の周囲に回り込むことがない。すなわち、バッフル板を設けなくとも、出力面311から出力された音波が、振動子300の背後方向に回り込むのを防止できる。
【0036】
また、錐体形状をなす第2部位320の周壁が真後ろでなく斜め後方(より横方向に近い方向)に向くことで、駆動時に、第2部位320の外周面322からの音波が、斜め後方に出力されるので、真後ろに出力されて前方に反射されてしまうのを抑制できる。
【0037】
(第2の実施形態における効果)
第2の実施形態では、前記の第1の実施形態における効果と同様な効果の他に、以下のような効果を得ることができる。
(1)スピーカ装置2は、振動子300内にマグネット250、エッジ270及びダンパー280が収容されるため、コンパクトな構造になる。
【0038】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、前述の第1及び第2の実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
第3の実施形態も、スピーカ装置を挙げている。そして、第3の実施形態では、ボイスコイルを挟むように2個のマグネットが配置されている。このスピーカ装置は、いわゆるプッシュプル方式のスピーカ装置である。
【0039】
(構成)
図4は、第3の実施形態におけるスピーカ装置2の構成例を示す断面図である。
図4に示すように、スピーカ装置3は、フレーム部410、2個のマグネット451,452、ボイスコイル460、エッジ470、ダンパー480、及び振動子500を有している。
【0040】
第3の実施形態では、第1の実施形態との比較で、フレーム部410の支持部430の周壁431内に、その前後それぞれにマグネット451,452が配置されている。各マグネット451,452は、ドーナツ型の永久磁石である。よって、各マグネット451,452は、支持部430の周壁431の円周方向に沿って配置されている。また、各マグネット451,452は、同じ磁極が向かい合うように配置されている。本例では、各マグネット451,452は、S極が向かい合っている。
【0041】
ボイスコイル460は、第1の実施形態と同様に、第1部位510の外周面501であってその軸方向のほぼ中間部位に形成されている。これによって、ボイスコイル460は、支持部460内に配置されている2個のマグネット451,452の間に位置される。
【0042】
(動作、作用等)
次に、第3の実施形態におけるスピーカ装置3の動作、作用等を説明する。
スピーカ装置3では、ボイスコイル460に電流を供給すると、マグネット451,452の中心軸方向でボイスコイル460が変位することで、エッジ470及びダンパー480を介してフレーム部410に支持されている振動子500も駆動される。これによって、振動子500の出力面511から音波が出力される。
【0043】
このとき、駆動時に、円筒形状をなす第1部位510が中心軸方向に平行移動するだけなので、第1部位510の径方向の周囲での圧力変化が抑制されるため、出力面511から出力された音波が第1部位510の周囲に回り込むことがない。すなわち、バッフル板を設けなくとも、出力面511から出力された音波が、振動子500の背後方向に回り込むのを防止できる。
また、錐体形状をなす第2部位520の周壁が真後ろでなく斜め後方(より横方向に近い方向)に向くことで、駆動時に、第2部位520の外周面522からの音波が、斜め後方に出力されるので、真後ろに出力されて前方に反射されてしまうのを抑制できる。
【0044】
(第3の実施形態における効果)
第3の実施形態では、スピーカ装置3が、2個のマグネット451,452を有する方式を採用した場合でも、前記の第1及び第2の実施形態における効果と同様な効果を得ることができる。
【0045】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、前述の第1乃至第3の実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
第4の実施形態も、スピーカ装置を挙げている。そして、第4の実施形態では、ボイスコイルを挟むように2個のマグネットが配置されている。このスピーカ装置も、第3の実施形態と同様に、いわゆるプッシュプル方式のスピーカ装置である。
【0046】
(構成)
図4は、第4の実施形態におけるスピーカ装置3の構成例を示す断面図である。
図4に示すように、スピーカ装置3は、フレーム部610、2個のマグネット651,652、ボイスコイル660、エッジ670、ダンパー680、及び振動子700を有している。
【0047】
第4の実施形態では、第2の実施形態との比較で、脚部211は、接地部611、並びに第1及び第2取付部612,613を有している。例えば、接地部611は、円盤の板形状をなしている。接地部611の両端それぞれに第1及び第2取付部612,613が設けられている。例えば、第1及び第2取付部612,613は、断面略矩形の棒形状をなしている。第1取付部612の上端に第1マグネット651が取り付けられている。また、第2取付部613の上端に第2マグネット652が取り付けられている。第1部位710には周壁の一部が開口された第1及び第2開口部713,714が形成されており、第1及び第2取付部612,613が第1及び第2開口部713,714内をそれぞれ貫通していて第1及び第2マグネット651,652それぞれに取り付けられている。
【0048】
例えば、第1及び第2マグネット651,652は、ドーナツ型、円柱型の永久磁石である。各マグネット651,652は、中心軸が水平方向に向くように配置されている。また、前側の第1マグネット651の後端面651aと後側の第2マグネット652の前端面652aとに支持部材655が架け渡されており、支持部材655によって、第1マグネット651と第2マグネット652とが一定の間隔に維持されている。そして、第1マグネット651の前端面651bにエッジ670が取り付けられ、第2マグネット652の後端面652bにダンパー680が取り付けられ、これらエッジ670及びダンパー680によって振動子700が支持されている。
【0049】
ボイスコイル660は、第2の実施形態と同様に、第1部位710の外周面701であってその軸方向のほぼ中間部位に形成されている。これによって、ボイスコイル660は、第1部位710内に配置されている2個のマグネット651,652の間に位置されるようになる。
【0050】
(動作、作用等)
次に、第4の実施形態におけるスピーカ装置4の動作、作用等を説明する。
スピーカ装置4では、ボイスコイル660に電流を供給すると、マグネット651,652の中心軸方向でボイスコイル660が変位することで、エッジ670及びダンパー680に支持されている振動子700も駆動される。これによって、振動子700の出力面711から音波が出力される。
【0051】
このとき、駆動時に、円筒形状をなす第1部位710が中心軸方向に平行移動するだけなので、第1部位710の径方向の周囲での圧力変化が抑制されるため、出力面711から出力された音波が第1部位710の周囲に回り込むことがない。すなわち、バッフル板を設けなくとも、出力面711から出力された音波が、振動子700の背後方向に回り込むのを防止できる。
【0052】
また、錐体形状をなす第2部位720の周壁が真後ろでなく斜め後方(より横方向に近い方向)に向くことで、駆動時に、第2部位720の外周面722からの音波が、斜め後方に出力されるので、真後ろに出力されて前方に反射されてしまうのを抑制できる。
なお、前記の説明において、マグネット及びボイスコイルは、例えば、駆動手段を構成する。
【0053】
(第4の実施形態における効果)
第4の実施形態では、スピーカ装置4が、2個のマグネット651,652を有する方式を採用した場合でも、前記の第1乃至第3の実施形態における効果と同様な効果を得ることができる。
【0054】
(本実施形態の変形例等)
前記の実施形態の他の例として、第2部位を円錐形状にすることもできる。すなわち、第2部位の頭部を平面にすることもなく、頂点を有するように形成することもできる。
また、前記の実施形態の他の例として、第2部位を、底面が多角形になる三角錐形状、四角推形状等にすることもできる。
【0055】
また、前記の実施形態の他の例として、第2部位を、底面が楕円になる錐体形状にすることもできる。
また、前記の実施形態の他の例として、振動子を空洞でなく中実にすることもできる。
また、前記の実施形態の他の例として、振動子の側面、外周面の境界部分の角をなくし、曲面に加工することもできる。例えば、第1の実施形態において、第1部位110における出力面111の外側面と外周面との境界部分、第1部位110の外周面と第2部位120の外周面との境界部分、又は第2部位120における平面部121の外側面と外周面との境界部分等を曲面に加工する。
【0056】
図6は、第1の実施形態における振動子800の他の構成例を示す図である。
図6に示すように、振動子800は、第1部位810及び第2部位820を有する。第1部位810は、円筒形状をなしている。第2部位820は、略円錐形状をなしているが、外周面が第1部位810との境界部分から先端に向かって曲線を描くよう直径が緩やかに減少している。
【0057】
図7は、第1の実施形態における振動子900のさらに他の構成例を示す図である。
図7に示すように、振動子900は、第1部位910及び第2部位920を有する。第1部位910は、円筒形状をなしている。第2部位920は、略円錐形状をなしているが、第1部位810との境界部分で直径が大きく減少し、その後、先端に向かって直径が緩やかに減少している。すなわち、第2部位920の外周面は、流線形状となるように形成されている。
【0058】
また、本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0059】
1,2,3,4 スピーカ装置、100,300,500,700,800,900 振動子、110,310,510,710,810,910 第1部位、120,320,520,720,820,920 第2部位、50,250,451,452,651,652 マグネット、60,260,460,660 ボイスコイル
【要約】
【課題】スピーカユニットの前面から出力された音波が背後側に回り込むのをより効果的に防止することである。
【解決手段】スピーカ装置1は、筒形状をなすように周壁が形成された第1部位110、及び錐体形状をなすように周壁が形成された第2部位120を有する振動子100と、少なくともマグネット50及びボイスコイル60を有して振動子100を駆動する駆動手段と、を有し、第1部位110の一端と第2部位120の底とが一体とされ、かつ第1部位110の他端及び第2部位120の頭部が閉塞されており、駆動手段は、第1部位110が当該第1部位110の中心軸に平行に移動するように振動子100を駆動し、第1部位110の出力面111から音波を出力させる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7