【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明の基礎をなす技術的課題は、改善されたバインダー、特に、確立された方法と適合性があり、環境に許容され得、前述の課題が解決されるバインダーを提供することである。
【0011】
上記の技術的課題を解決するため、第1の態様として、本発明は、(i)少なくとも1種類の炭水化物成分と(ii)少なくとも1種類の含窒素成分の反応生成物(1種類または複数種)を含む水溶性予備反応物型バインダー組成物を提供する。
【0012】
予備反応物型バインダーは、少なくとも20wt%、例えば、少なくとも25wt%、30wt%、35wt%、40wt%、45wt%、50wt%、55wt%、60wt%、65wt%、70wt%、75wt%もしくは80wt%の前記予備反応物型バインダー組成物および/または85wt%以下、例えば、80wt%、75wt%または70wt%以下(no more that)の前記予備反応物型バインダー組成物を含有している水溶液または分散液の形態であり得る。
【0013】
本発明によれば、用語「予備反応物型バインダーd組成物」に特に制限はなく、一般的に、炭水化物成分と含窒素成分を反応させることにより得られ得る、および/または得られ、例えば疎性会合状態の物質の結合のためにそのままで、またはさらに修飾時のいずれかでバインダーとして使用され得る任意の化学組成物が包含される。
【0014】
本発明の好ましい実施形態の予備反応物型バインダー組成物は炭水化物成分/含窒素成分バインダー系を主体とするものである、すなわち、該炭水化物成分(1種類または複数種)と該含窒素成分(1種類または複数種)が、本発明の予備反応物型バインダー組成物を調製するための出発物質中に少量でわずかに存在するのではなく、出発物質の主成分である。したがって、予備反応物型バインダー組成物を調製するための出発物質中の該少なくとも1種類の炭水化物成分と該少なくとも1種類の含窒素成分の総量は、予備反応前のバインダー組成物の総重量に対して少なくとも20wt%であり得る。例えば、該少なくとも1種類の炭水化物成分と該少なくとも1種類の含窒素成分の総量は、予備反応前の少なくとも30wt%、40wt%、50wt%、60wt%、70wt%、80wt%、90wt%、95wt%または98wt%であり得る。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、予備反応物型バインダー組成物中の(i)少なくとも1種類の炭水化物成分と(ii)少なくとも1種類の含窒素成分の反応生成物(1種類または複数種)、未反応の炭水化物成分(1種類または複数種)および未反応の含窒素成分(1種類または複数種)の総量、すなわち、((i)と(ii)の反応生成物(1種類または複数種)の量)+(未反応の炭水化物成分(1種類または複数種)の量)+(未反応の含窒素成分(1種類または複数種)の量)は、予備反応物型バインダー組成物の総重量に対して少なくとも20wt%、例えば、少なくとも30wt%、40wt%、50wt%、60wt%、70wt%、80wt%、90wt%、95wt%または98wt%である。
【0016】
炭水化物反応体とポリアミン反応体を溶解させてバインダーを形成し、これを疎性会合状態の物質に適用し、続いて加熱によって架橋して高分子バインダーを得る当該技術分野の水準と比較すると、この予備反応物型バインダー組成物は:
a)かかる先行技術のバインダーと比べて、疎性会合状態の物質に適用時(とりわけ、加熱による架橋前):相当な量の中間反応種(1種類もしくは複数種)(プレポリマーなど)を有する、および/または固形分含有量に対して低い粘度および/または高い平均分子量、および/または発色および/または光(例えば、UV)吸収の増大を有するものであり得る;および/または
b)かかる先行技術のバインダーと比べて、一部もしくは完全に架橋されると(とりわけ、加熱後)、有意に低い架橋度および/またはあるいは異なる種類の架橋および/または低い粘度を有するものであり得る、
組成物である。
【0017】
本明細書で用いる場合、用語「プレポリマー」に特に制限はなく、(i)該少なくとも1種類の炭水化物成分と(ii)該少なくとも1種類の含窒素成分の任意の反応生成物(1種類または複数種)が包含される。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、(i)少なくとも1種類の炭水化物成分と(ii)少なくとも1種類の含窒素成分の反応生成物(1種類または複数種)の量は、予備反応物型バインダー組成物中のプレポリマーの総重量に対して少なくとも20wt%、例えば、少なくとも30wt%、40wt%、50wt%、60wt%、70wt%、80wt%、90wt%、95wt%または98wt%である。特定の一実施形態によれば、(i)少なくとも1種類の炭水化物成分と(ii)少なくとも1種類の含窒素成分の反応生成物(1種類または複数種)の量は予備反応物型バインダー組成物中のプレポリマーの総重量に対して100wt%である。
【0019】
一実施形態によれば、本発明の予備反応物型バインダー組成物は、1〜500kDaの範囲の分子量を有する少なくとも1種類のプレポリマーを含むものである。好ましくは、前記少なくとも1種類のプレポリマーは、該バインダー組成物の総重量に対して2wt%または2wt%より多く、例えば、5wt%または5wt%より多く、10wt%または10wt%より多く、15wt%または15wt%より多く、20wt%または20wt%より多く、25wt%または25wt%より多く、30wt%または30wt%より多く、35wt%または35wt%より多く、40wt%または40wt%より多く、45wt%または45wt%より多くまたは50wt%または50wt%より多くの量で含有される。
【0020】
さらなる一実施形態によれば、本発明の予備反応物型バインダー組成物は、80を超えて500kDaまでの範囲の分子量を有する少なくとも1種類のプレポリマー(高分子量プレポリマー)を含むものである。好ましくは、前記少なくとも1種類の高分子量プレポリマーは、該バインダー組成物の総重量に対して0.2wt%または0.2wt%より多い、例えば、0.5wt%または0.5wt%より多く、0.75wt%または0.75wt%より多く、1wt%または1wt%より多く、1.75wt%または1.75wt%より多く、2.5wt%または2.5wt%より多く、5wt%または5wt%より多く、10wt%または10wt%より多く、15wt%または15wt%より多く、20wt%または20wt%より多く、30wt%または30wt%より多く、40wt%または40wt%より多くまたは50wt%または50wt%より多くの量で含有される。
【0021】
さらなる一実施形態によれば、本発明の予備反応物型バインダー組成物は、10を超えて80kDaまでの範囲の分子量を有する少なくとも1種類のプレポリマー(中分子量プレポリマー)を含むものである。好ましくは、前記少なくとも1種類の中分子量プレポリマーは、該バインダー組成物の総重量に対して0.3wt%または0.3wt%より多く、例えば、0.5wt%または0.5wt%より多く、1wt%または1wt%より多く、1.5wt%または1.5wt%より多く、2wt%または2wt%より多く、2.5wt%または2.5wt%より多く、5wt%または5wt%より多く、10wt%または10wt%より多く、15wt%または15wt%より多く、20wt%または20wt%より多く、30wt%または30wt%より多く、40wt%または40wt%より多くまたは50wt%または50wt%より多くの量で含有される。
【0022】
さらなる一実施形態によれば、本発明の予備反応物型バインダー組成物は、10kDaまたは10kDaより小さいの範囲の分子量を有し、かつ(i)の該少なくとも1種類の炭水化物成分および(ii)の該少なくとも1種類の含窒素成分と異なる1種類または1種類より多くの化合物(低分子量プレポリマー)を含むものである。特定の一実施形態によれば、該低分子量化合物は、グリコールアルデヒド、グリセルアルデヒド、2−オキソプロパナール、アセトール、ジヒドロキシアセトン、アセトイン、ブタンジオン、エタナール、グルコソン、1−デソキシヘキソスロース、3−デソキシヘキソスロース、3−デソキシペントスロース、1,4−ジデソキシヘキソスロース、グリオキサール、メチルグリオキサール、ジアセチルおよび5−(ヒドロキシメチル)フルフラールのうちの1種類または1種類より多くを含む。
【0023】
さらに、本明細書において、用語「水溶性(の)」に特に制限はなく、上記に規定した予備反応物型バインダー組成物のあらゆる程度の水溶性が包含される。特に、用語「水溶性(の)」には、20℃で100g/lまたは100g/lより大きい、150g/lまたは150g/lより大きい、200g/lまたは200g/lより大きいまたは250g/lまたは250g/lより大きいの水溶性が包含される。例えば、用語「水溶性(の)」には、上記に規定した予備反応物型バインダー組成物の300g/lまたは300g/lより大きい、400g/lまたは400g/lより大きい、500g/lまたは500g/lより大きいまたは600g/lまたは600g/lより大きい(20℃で)の水溶性が包含され得る。また、ほとんど無限大の水溶性も本発明の範囲であるとみなされ得る。
【0024】
これとの関連において、本発明による表現「水不溶性(の)」は、上記に規定した予備反応物型バインダー組成物が20℃で本質的に水に可溶性でない場合に関する。例えば、不溶性(の)という用語は、20℃で50g/lまたは50g/lより小さい、40g/lまたは40g/lより小さい、30g/lまたは30g/lより小さいまたは20g/lまたは20g/lより小さいの水溶性を包含している。好ましくは、不溶性(の)という用語は、10g/lまたは10g/lより小さい、5g/lまたは5g/lより小さい、1g/lまたは1g/lより小さいまたは0.1g/lまたは0.1g/lより小さいの水溶性の場合を包含している。
【0025】
予備反応物型バインダー組成物は水希釈性であり得、この場合、これは、少なくとも25部、とりわけ、少なくとも50部または100部の脱イオン水と混合した1重量部の予備反応物型バインダー組成物が、混合時に沈殿物を形成しないことを意味する。
【0026】
本発明の好ましい一実施形態によれば、70wt%の本発明の予備反応物型バインダー組成物を含有している水溶液が20℃で最大2000cPの粘度を有する。例えば、70wt%の上記に規定した予備反応物型バインダー組成物を含有している水溶液(すなわち、70%wt%の固形分を含有している水溶液)は、その調製後、100〜1500cP、150〜1200cP、200〜800cP、220〜600cPまたは250〜400cPの初期粘度を有するものであり得る。取り扱いの観点から、好ましい粘度は280〜350cPの範囲である。粘度は、LV−Torque Brookfield Viscometer,spindle LV−63を60rpmで用いて測定され得る。
【0027】
さらに、前記水溶液の粘度は、好ましくは、20℃で12時間、24時間、48時間、72時間または96時間放置したとき500cPより大きく増大しないのがよい。さらに好ましい一実施形態によれば、前記水溶液の粘度は1週間、10日間、12日間または2週間以内に500cPより大きく増大しないのがよい。より長期間、例えば、3ないし4週間、またはさらに2、3ヶ月もしくはそれ以上の月数で該粘度が500cPより大きく増大しないのがさらにより好ましい。
【0028】
さらなる一実施形態によれば、予備反応物型バインダー組成物の70wt%水溶液を20℃で放置したとき最初の12時間以内で増大する粘度の量は、好ましくは450cP、または400cPまたはさらに350cPを超えないのがよい。好ましい粘度増分としては、300cPまたは300cPより小さい、280cPまたは280cPより小さい、250cPまたは250cPより小さいおよび200cPまたは200cPより小さいが挙げられる。
【0029】
本発明によれば、上記に規定した時間枠および粘度増分は上記の例に限定されず、自由に組み合わされ得る。例えば、好ましくは、上記の予備反応物型バインダー組成物の70wt%水溶液の粘度は、その調製後、最初の48時間以内に300cPより大きく、またはその調製後、2週間以内に400cPより大きく増大しない。一般的に、それぞれの水溶液の粘度が高くなりすぎる(例えば、ゲル化によって引き起こされる)と、予備反応物型バインダー組成物は使用不可能となり得る。
【0030】
さらなる一実施形態によれば、上記に規定した予備反応物型バインダー組成物は、架橋剤と反応して水不溶性組成物を生成し得る、例えば、1種類または1種類より多くのメラノイジンを水不溶性組成物として生成し得るものである。本発明において、予備反応物型バインダー組成物は前駆物質または中間体としての機能を果たすものであり得、これを架橋剤とさらに反応させると高分子バインダーが得られ得る。例えば、この高分子バインダーは、本質的に水不溶性である高分子量メラノイジンをメイラード反応生成物として含有するものであり得る。
【0031】
例えば、上記に規定した1種類または1種類より多くのメラノイジンは以下の一般構造モチーフを含むものであり得る:
【0032】
【化1】
【0033】
(式中、nは少なくとも1の整数である)
本明細書において、用語「架橋剤」に特に制限はなく、予備反応物型バインダー組成物をさらに架橋させて、疎性会合状態の物質(木材または鉱物繊維など)の結合に適した高分子バインダーを得るための任意の化学的または物理的手段が包含される。
【0034】
本発明の特定の一実施形態によれば、架橋剤は、炭水化物成分と反応させたものと同じ含窒素成分であってもよく、異なる含窒素成分であってもよい。例えば、本発明の予備反応物型バインダー組成物は、炭水化物成分をヘキサメチレンジアミンと反応させることにより調製され得る。続いて、それぞれの用途に必要とされる高い重合度を得るために、予備反応物型バインダー組成物にさらなるヘキサメチレンジアミンを添加してもよい。さらなる例としては、炭水化物成分をアンモニア水溶液と反応させることにより予備反応物型バインダー組成物を調製し、最終の硬化でさらにヘキサメチレンジアミンを添加する場合が挙げられる。
【0035】
しかしながら、本発明によれば、架橋剤は、本明細書において規定した含窒素成分に限定されず、一例として、ルイス酸、イソシアネート、ブロック型イソシアネート、エポキシド、ブロック型エポキシド、カルボニル含有化合物(アルデヒド、ケトン、すなわち、グリオキサール)および有機カーボネートが挙げられる。架橋剤の具体例としては、クエン酸、ポリカルボン酸および無水物(例えば、コハク酸、無水マレイン酸、テトラ−およびヘキサ−ヒドロフタル酸無水物、スチレン−無水マレイン酸コポリマー)、ポリカルボン酸と無水物誘導体(例えば、そのアンモニウム塩)の溶液が挙げられる。
【0036】
上記に規定した予備反応物型バインダー組成物のさらなる一実施形態によれば、含窒素成分の全反応性含窒素基に対する炭水化物成分の全カルボニル基の比は5:1〜1:5である。例えば、該反応性含窒素基に対する該カルボニル基の比は5:1〜1:4.5、5:1〜1:4、5:1〜1:3.5、5:1〜1:3、5:1〜1:2.5、5:1〜1:2、5:1〜1:1.8、5:1〜1:1.5、5:1〜1:1.2、5:1〜1:1、5:1〜1:0.8および5:1〜1:0.5であり得る。さらなる例としては、4:1〜1:5、3.5:1〜1:5、3:1〜1:5、2.5:1〜1:5、2:1〜1:5、1.5:1〜1:5、1:1〜1:5、0.8:1〜1:5および0.5:1〜1:5などの比率が挙げられる。本発明によれば、上記の比の上限と下限は自由に組み合わされ得る。
【0037】
本明細書において、用語「反応性含窒素基」に特に制限はなく、炭水化物成分と反応し得る含窒素成分の任意の含窒素基が包含される。具体的には、かかる反応性含窒素基の例としては、第1級、第2級、第3級および第4級アミン基、アミド基、イミン基およびイミド基ならびにシアネート基およびイソシアネート基が挙げられる。
【0038】
本明細書において、用語「炭水化物成分」に特に制限はなく、一般的に、含窒素成分と反応し得る任意の炭水化物化合物が包含される。
【0039】
上記に規定した予備反応物型バインダーの一実施形態によれば、該少なくとも1種類の炭水化物成分が、単糖類、二糖類、多糖類またはその反応生成物からなる群より選択される。
【0040】
好ましくは、炭水化物成分は、還元糖および/またはインサイチュで還元糖を生成する成分であるか、あるいは還元糖および/または該成分を含むものである。本明細書で用いる場合、用語「還元糖」は、アルデヒド基もしくはケト基を含んでいるか、またはアルデヒド基もしくはケト基を含むように異性化、すなわち互変異性化され得る(該基は、例えばCuイオンで酸化されて、カルボン酸をもたらし得る)1種類または1種類より多くの糖を示す。本発明によれば、任意のかかる炭水化物成分は、例えば、ヒドロキシ、ハロ、アルキル、アルコキシなどで任意選択的に置換されていてもよい。任意のかかる炭水化物成分において、1つまたは1つより多くのキラル中心が存在する場合があり得、各キラル中心で可能な光学異性体はどちらも本明細書に記載の発明に包含される。さらに、種々の混合物、例えば、ラセミ混合物、または任意のかかる炭水化物成分の種々の光学異性体の他のジアステレオマー混合物ならびにその種々の幾何異性体も、本明細書に記載の1つまたは1つより多くの実施形態において使用され得ることも理解されよう。
【0041】
非還元糖(例えば、スクロース)を炭水化物成分として、またはその一部として使用してもよい。(特に、還元糖へのインサイチュ変換が可能な場合および/または該変換に供される場合)。さらに、単糖、二糖または多糖を前駆物質と部分反応させて炭水化物反応生成物を形成してもよいことも理解されよう。該炭水化物反応生成物が単糖、二糖または多糖から誘導され、かつ含窒素成分との同様の反応性が維持されていて単糖、二糖または多糖と含窒素成分とのものと同様の反応生成物が形成される限り、この炭水化物反応生成物は炭水化物成分という用語の範囲に含まれる。
【0042】
好ましくは、炭水化物成分はいずれも、含窒素成分との反応に利用可能な状態を持続できることが最大限となるように充分に不揮発性であるのがよい。炭水化物成分は、アルドースまたはケトースの形態の単糖、例えば、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソースまたはヘプトースであってもよく;多糖であってもよく;その組合せであってもよい。例えば、トリオースを炭水化物成分として供するか、あるいは他の還元糖および/または多糖と組み合わせて使用する場合、アルドトリオース糖またはケトトリオース糖、例えば、それぞれ、グリセルアルデヒドおよびジヒドロキシアセトンが使用され得る。テトロースを炭水化物成分として供するか、あるいは他の還元糖および/または多糖と組み合わせて使用する場合、アルドテトロース糖、例えば、エリトロースおよびトレオース;ならびにケトテトロース糖、例えば、エリトルロースが使用され得る。ペントースを炭水化物成分として供するか、あるいは他の還元糖および/または多糖と組み合わせて使用する場合、アルドペントース糖、例えば、リボース、アラビノース、キシロース、およびリキソース;ならびにケトペントース糖、例えば、リブロース、アラブロース(arabulose)、キシルロース、およびリキスロースが使用され得る。ヘキソースを炭水化物成分として供するか、あるいは他の還元糖および/または多糖と組み合わせて使用する場合、アルドヘキソース糖、例えば、グルコース(すなわち、デキストロース)、マンノース、ガラクトース、アロース、アルトロース、タロース、グロース、およびイドース;ならびにケトヘキソース糖、例えば、フルクトース、プシコース、ソルボースおよびタガトースが使用され得る。ヘプトースを炭水化物成分として供するか、あるいは他の還元糖および/または多糖と組み合わせて使用する場合、ケトヘプトース糖、例えば、セドヘプツロースが使用され得る。また、天然に存在することがわかっていないかかる炭水化物成分の他の立体異性体も、本明細書に記載のバインダー組成物の調製に有用であることが想定される。一実施形態において、炭水化物成分は異性化糖(HFCS)である。
【0043】
上記のように、炭水化物成分は多糖であってもよい。例えば、炭水化物成分は重合度の低い多糖であり得、例えば、糖蜜、デンプン、セルロース加水分解物、またはその混合物が挙げられる。具体的な一例によれば、炭水化物成分はデンプン加水分解物、マルトデキストリン、またはその混合物である。重合度の高い炭水化物は好ましくない場合もあり得るが、それでも、インサイチュ解重合により本発明の範囲内で有用となり得る。
【0044】
さらに、本発明によれば、炭水化物成分を非炭水化物ポリヒドロキシ反応体と組み合わせて使用してもよい。炭水化物成分と組み合わせて使用され得る非炭水化物ポリヒドロキシ反応体の例としては、限定されないが、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ポリビニルアルコール、部分加水分解ポリ酢酸ビニル、完全加水分解ポリ酢酸ビニル、およびその混合物が挙げられる。例えば、非炭水化物ポリヒドロキシ反応体は、モノマー型またはポリマー型ポリアミンとの反応に利用可能な状態を持続できることが最大限となるように充分に不揮発性である。さらに、本発明によれば、非炭水化物ポリヒドロキシ反応体の疎水性は、本明細書に記載のようにして調製されるバインダーの物性の決定因子であり得る。他の共反応性化合物、例えば、カルボニル含有化合物:アルデヒド、ケトン、カルボン酸および無水物などが使用され得る。
【0045】
上記に規定した予備反応物型バインダー組成物の好ましい一実施形態において、該少なくとも1種類の炭水化物成分は、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、グルコース(デキストロース)、マンノース、ガラクトース、アロース、アルトロース、タロース、グロース、イドース、フルクトース、プシコース、ソルボース、ジヒドロキシアセトン、スクロースおよびタガトースならびにその混合物からなる群より選択される。
【0046】
さらに、本明細書において、表現「含窒素成分」に特に制限はなく、少なくとも1個の窒素原子を含有しており、かつ該少なくとも1種類の炭水化物成分と反応し得る任意の化学物質化合物または化合物の混合物が包含される。
【0047】
一実施形態によれば、上記に規定した予備反応物型バインダー組成物において、該少なくとも1種類の含窒素成分はNH
3、少なくとも1つの第1級アミン基を含む無機アミンまたは有機アミン、ならびにその塩である。例えば、含窒素成分として、NH
3はそのままで(例えば、水溶液の形態で)、ならびに任意の型の無機および有機アンモニウム塩として(該塩が上記に規定した炭水化物成分と反応し得る限り)使用され得る。無機アンモニウム塩の具体例としては、硫酸アンモニウム(AmSO
4)、リン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、および硝酸アンモニウムが挙げられる。
【0048】
本発明によれば、含窒素成分はポリアミンであり得る。本明細書において、用語「ポリアミン」には、2つまたは2つより多くのアミン基(これは、独立して置換されていてもよい)を有する任意の有機化合物が包含される。本明細書で用いる場合、「第1級ポリアミン」は、2つまたは2つより多くの第1級アミン基(−NH
2)を有する有機化合物である。第1級ポリアミンという用語の範囲には、2つまたは2つより多くの第1級アミン基(−NH
2)を有する化合物が生成されるようにインサイチュで修飾され得るか、または異性化し得る化合物も含まれる。
【0049】
例えば、ポリアミンは第1級ポリアミンであり得る。本発明の一実施形態によれば、第1級ポリアミンは式H
2N−Q−NH
2を有する分子であり得、式中、Qはアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキルまたはシクロヘテロアルキルであり、これらは各々、任意選択的に置換されていてもよい。例えば、Qは、C
2〜C
24からなる群より選択されるアルキル基、C
2〜C
9からなる群より選択されるアルキル、C
3〜C
7からなる群より選択されるアルキルであり得る。好ましい一実施形態によれば、QはC
6アルキルである。別の実施形態によれば、Qはシクロヘキシル、シクロペンチルもしくはシクロブチルまたはベンジル基であり得る。
【0050】
本明細書で用いる場合、用語「アルキル」には、任意選択で分枝鎖であってもよい炭素原子鎖が包含される。本明細書で用いる場合、用語「アルケニル」および「アルキニル」には、独立して、任意選択で分枝鎖であってもよく、かつそれぞれ少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む炭素原子鎖が包含される。アルキニルにも1つまたは1つより多くの二重結合が含まれていてもよいことは理解されよう。アルキルは好都合には限られた長さのもの、例えば、C
1〜C
24、C
1〜C
12、C
1〜C
8、C
1〜C
6、およびC
1〜C
4であることがさらに理解されよう。アルケニルおよび/またはアルキニルは各々、好都合には限られた長さのもの、例えば、C
2〜C
24、C
2〜C
12、C
2〜C
8、C
2〜C
6、およびC
2〜C
4であり得ることがさらに理解されよう。特に、短鎖のアルキル、アルケニルおよび/またはアルキニル基は、該化合物に対して低親水性を付加するものであり得、それに応じて、炭水化物成分に対して異なる反応性およびバインダー溶液中への異なる可溶性をもたせる。
【0051】
本明細書で用いる場合、用語「シクロアルキル」には、任意選択で分枝鎖であってもよく、かつ鎖の少なくとも一部分が環状である炭素原子鎖が包含される。さらに、本発明によれば、用語「シクロアルキルアルキル」はシクロアルキルのサブセットとみなされること、および用語「シクロアルキル」には多環式構造も包含されることに留意されたい。例えば、かかるシクロアルキルとしては、限定されないが、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−メチルシクロプロピル、シクロペンチルエト−2−イル、アダマンチルなどが挙げられる。本明細書で用いる場合、用語「シクロアルケニル」には、任意選択で分枝鎖であってもよく、少なくとも1つの二重結合を含み、かつ鎖の少なくとも一部分が環状である炭素原子鎖が包含される。本発明によれば、前記少なくとも1つの二重結合は、シクロアルケニルの環状部分に存在していてもよい、および/またはシクロアルケニルの非環状部分に存在していてもよい。さらに、シクロアルケニルアルキルおよびシクロアルキルアルケニルは各々、シクロアルケニルのサブセットとみなされることは理解されよう。さらに、本発明によれば、「シクロアルキル」は多環式であってもよい。かかるシクロアルケニルの例としては、限定されないが、シクロペンテニル、シクロヘキシルエテン−2−イル、シクロヘプテニルプロペニルなどが挙げられる。さらに、シクロアルキルおよび/またはシクロアルケニルを形成する鎖は、好都合には限られた長さのもの、例えば、C
3〜C
24、C
3〜C
12、C
3〜C
8、C
3〜C
6、およびC
5〜C
6である。本発明によれば、シクロアルキルおよび/またはシクロアルケニルを形成する短鎖のアルキルおよび/またはアルケニルは、それぞれ、該化合物に対して親油性を下げるものであり得、それに応じて異なる挙動をもたせる。
【0052】
本明細書で用いる場合、用語「ヘテロアルキル」には、炭素と少なくとも1個のヘテロ原子の両方を含み、かつ任意選択で分枝鎖である原子鎖が包含される。かかるヘテロ原子の例としては、窒素、酸素およびイオウが挙げられる。一部の特定の変形例では、前記ヘテロ原子としてリンおよびセレンも挙げられる。一実施形態において、ヘテロアルキルはポリエーテルである。本明細書で用いる場合、用語「シクロヘテロアルキル」は、ヘテロシクリルおよび複素環を含み、炭素と少なくとも1個のヘテロ原子の両方を含み(ヘテロアルキルなど)、任意選択で分枝鎖であってもよく、かつ鎖の少なくとも一部分が環状である原子鎖が包含される。同様に、シクロヘテロアルキルの例としては、限定されないが、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、キヌクリジニルなどが挙げられる。
【0053】
本明細書において、用語「任意選択的に置換されている」には、水素原子を、任意選択的に置換される原子団上の他の官能基で置き換えることが包含される。例示としてのかかる他の官能基としては、限定されないが、アミノ、ヒドロキシル、ハロ、チオール、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ニトロ、スルホン酸およびその誘導体、カルボン酸およびその誘導体などが挙げられる。例示として、アミノ、ヒドロキシル、チオール、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、および/またはスルホン酸はいずれも任意選択的に置換されている。
【0054】
例えば、第1級ポリアミンは、ジアミン、トリアミン、テトラアミンまたはペンタミンであり得る。一実施形態によれば、ポリアミンは、ジエチレントリアミン、1−ピペラジンエタンアミンまたはビス(ヘキサメチレン)トリアミンから選択されるトリアミンである。別の実施形態では、ポリアミンはテトラミン、例えばトリエチレンテトラミンである。別の実施形態では、ポリアミンはペンタミン、例えばテトラエチレンペンタミンである。
【0055】
第1級ポリアミンの一態様は、低い立体障害性を有するものであり得ることである。例えば、1,2−ジアミノエタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,12−ジアミノドデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノベンゼン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1−ピペラジン−エタンアミン、2−メチル−ペンタメチレンジアミン、1,3−ペンタンジアミン、およびビス(ヘキサメチレン)トリアミン、ならびに1,8−ジアミノオクタンは、本発明の範囲内である低い立体障害性を有するものである。上記に規定した予備反応物型バインダー組成物の好ましい一実施形態によれば、含窒素成分は第1級ポリアミンである1,6−ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミン,HMDA)である。さらなる一実施形態では、含窒素成分は1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(2−メチル−ペンタメチレンジアミン)である。
【0056】
別の実施形態では、含窒素成分は第1級ポリアミンであるポリエーテル−ポリアミンである。例えば、本発明によれば、前記ポリエーテル−ポリアミンはジアミンまたはトリアミンである。一実施形態において、ポリエーテル−ポリアミンは、Jeffamine T−403 Polyetheramine(Huntsman Corporation)として知られている440の平均分子量を有する3官能性の第1級アミンである。また、EDR−104およびEDR−148(Huntsman)も使用され得る。
【0057】
さらなる一実施形態では、含窒素成分としては高分子ポリアミンが挙げられ得る。例えば、本発明の範囲である高分子ポリアミンとしては、キトサン、ポリリシン、ポリエチレンイミン、ポリ(N−ビニル−N−メチルアミン)、ポリアミノスチレンおよびポリビニルアミンが挙げられる。具体的な一例では、含窒素成分はポリビニルアミンを含むものである。本明細書で用いる場合、ポリビニルアミンはホモポリマーまたはコポリマーであり得る。
【0058】
用語「溶媒」は、本明細書で用いる場合、特に制限はなく、炭水化物成分と含窒素成分の反応を行なうために使用され得る任意の溶媒が包含される。例えば、溶媒は水、有機溶媒またはその混合物であり得る。有機溶媒の例としては、アルコール、エーテル、エステル、ケトン、アルデヒド、アルカンおよびシクロアルカンが挙げられる。好ましくは、溶媒は水からなるもの、または本質的に水からなるものである。
【0059】
さらなる一実施形態によれば、上記に規定した予備反応物型バインダー組成物は200〜5000g/molの範囲の平均分子量を有するものである。本発明によれば、予備反応物型バインダー組成物の平均分子量は300〜4500g/mol、400〜4000g/mol、450〜3500g/mol、500〜300g/molまたは600〜1500g/molの範囲であり得る。しかしながら、予備反応物型バインダー組成物の平均分子量は前記の範囲に限定されず、その上限および下限の値は自由に組み合わされ得る。
【0060】
本発明のさらなる一実施形態は、炭水化物成分と含窒素成分の重量比が0.5:1〜30:1である、上記に規定した予備反応物型バインダー組成物に関するものである。さらなるモル比の例としては、0.7:1〜25:1、1:1〜22:1、1.5:1〜20:1、2:1〜15:1、2.5:1〜10:1または3:1〜8:1の比が挙げられる。しかしながら、本発明によれば、含窒素成分に対する炭水化物成分のモル比は前記の範囲に限定されず、上記の上限と下限は自由に組み合わされ得る。
【0061】
さらなる一実施形態は、炭水化物成分によってもたらされる最初のカルボニル基の少なくとも10%を含んでいる、上記に規定した予備反応物型バインダー組成物に関するものである。特に、本発明の予備反応物型バインダー組成物の一部の実施形態では、炭水化物成分の最初のカルボニル基の一部のものは含窒素成分と反応しておらず、依然として該成分中に存在している。予備反応物型バインダー組成物中の未反応のカルボニル基の数のさらなる例としては、含窒素成分との反応前の炭水化物成分中に存在するカルボニル基の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも75%が挙げられる。特定の一実施形態によれば、初期のカルボニル基は未反応炭水化物の形態で存在している。
【0062】
本明細書で用いる場合、表現「未反応炭水化物」成分は、(i)依然として最初の形態で存在している、すなわち、何も反応も受けていない少なくとも1種類の炭水化物成分である任意の化合物に関するものである。一実施形態によれば、予備反応物型バインダー組成物は、該バインダー組成物の総重量に対して、80wt%まで、例えば、75wt%まで、70wt%まで、65wt%まで、60wt%まで、55wt%まで、または50wt%までの未反応炭水化物を含む。
【0063】
その化学組成にもよるが、本発明の予備反応物型バインダー組成物は、そのままで、すなわち、これを疎性会合状態の物質に適用し、高分子バインダーを得るために、例えば加熱および/または放射線によって硬化させることにより使用され得る。
【0064】
さらなる一実施形態では、予備反応物型バインダー組成物は、続いて架橋剤を添加し、この混合物を疎性会合状態の物質上に適用して混合物を硬化させることにより使用され得、かくして、既知の炭水化物系バインダーと比べて同様のまたはさらに改善された特性を有する高度に架橋された高分子バインダーが形成される。この場合、本出願の予備反応物型バインダー組成物は、好都合には調製され、保存および/または輸送され、その後、使用され得る、および/または異なる場所で架橋剤を添加し、最終バインダー組成物を完成させ得る。
【0065】
そうでないことを記載していない限り、上記の定義はいずれも、後述する本発明のさらなる態様および実施形態にも適用される。
【0066】
本発明のさらなる一態様は、
(i)少なくとも1種類の炭水化物成分を提供する工程、
(ii)少なくとも1種類の含窒素成分を提供する工程、
(iii)溶媒中で該炭水化物成分(1種類または複数種)と該含窒素成分(1種類または複数種)を混合する工程、および
(iv)工程(iii)で得られた溶液または分散液中で該炭水化物成分(1種類または複数種)と該含窒素成分(1種類または複数種)を反応させる工程
を含む、上記に規定した予備反応物型バインダー組成物の製造方法に関する。
【0067】
本発明によれば、この予備反応物型バインダー組成物の製造方法は、予備反応物型バインダー組成物に関して上記に規定したものと同じ条件下(すなわち、成分および比率)で行なわれ得る。
【0068】
好ましい一実施形態では、予備反応物型バインダー組成物の調製は水などの溶媒中で行ない、保存、輸送に使用可能な、または最終バインダー組成物の調製のためのベースとして使用可能なバインダー溶液を直接的に得る。例えば、予備反応物型バインダー組成物は、炭水化物成分と含窒素成分の濃縮水溶液に調製され得る。かくして得られた濃縮予備反応物型バインダー溶液は次いで、例えば、後の時点および/または異なる場所で、例えば、希釈および架橋剤の添加を行なうことにより、疎性会合状態の物質を固めるための有効なバインダーとして使用され得る。
【0069】
本発明の好ましい一実施形態によれば、上記の工程(i)〜(iv)は、該炭水化物成分(1種類または複数種)と該含窒素成分(1種類または複数種)が、高分子バインダーで結合させる物質集合体と接触していない間に行なわれる。
【0070】
本発明の予備反応物型バインダー組成物の上記の製造方法の工程(iv)の温度に特に制限はなく、10〜120℃、15〜110℃、20〜100℃または25〜90℃の範囲の温度が包含される。例えば、該反応温度は25〜85℃、30〜80℃、35〜75℃または40〜70℃の範囲であり得る。該温度範囲の具体例としては、40〜90℃、45〜85℃および50〜75℃が挙げられる。本発明によれば、予備反応物型バインダー組成物を調製する温度は上記の範囲に限定されず、前記の範囲の上限および下限の値は自由に組み合わされ得る。
【0071】
一実施形態によれば、上記の方法の反応工程(iv)は、該炭水化物成分(1種類または複数種)と該含窒素成分(1種類または複数種)を最大120℃、例えば、最大115℃、最大110℃、最大105℃、最大100℃、最大95℃、最大90℃、最大85℃または最大80℃の温度で反応させることにより行なわれる。
【0072】
同様に、上記の方法の反応工程(iv)で該炭水化物成分(1種類または複数種)と該含窒素成分(1種類または複数種)反応させる持続期間に特に制限はなく、5〜240分間、5〜210分間、5〜180分間、5〜150分間、5〜120分間、5〜90分間、5〜75分間 5〜60分間、5〜40分間、5〜30分間および5〜25分間の持続期間が包含される。さらなる例としては、5〜240分間、10〜240分間、15〜240分間、20〜240分間、25〜240分間、30〜240分間、40〜240分間、45〜240分間、60〜240分間、120〜240分間および180〜240分間の持続期間が挙げられる。しかしながら、1、2、3、4、5および6日間までの持続期間、ならびに1、2または3週間の持続期間もまた、本発明の範囲の範囲内で相応であり得る。本発明によれば、上記に規定した予備反応物型バインダー組成物を調製するための持続期間は上記の例に限定されず、前記の範囲の上限および下限の値は本明細書において自由に組み合わされ得る。
【0073】
一実施形態によれば、反応工程(iv)は、該炭水化物成分(1種類または複数種)と含窒素成分を、最大96時間、例えば、最大90時間、最大85時間、最大80時間、最大75時間、最大70時間、最大65時間、最大60時間、最大55時間、最大50時間、最大45時間、最大40時間、最大35時間、最大30時間、最大25時間、最大20時間、最大15時間、最大10時間、最大5時間または最大3時間の間反応させることにより行なわれる。反応工程(iv)を、該炭水化物成分(1種類または複数種)と該含窒素成分(1種類または複数種)を少なくとも5、10、15、20、25、30、40、60 12または180分間の間反応させることにより行なってもよい。
【0074】
特定の一実施形態によれば、反応工程(iv)は、該炭水化物成分(1種類または複数種)と該含窒素成分(1種類または複数種)を40〜120℃の温度範囲で5〜180分間の間反応させることにより行なわれる。
【0075】
別の特定の実施形態によれば、反応工程(iv)は、該炭水化物成分(1種類または複数種)と該含窒素成分(1種類または複数種)を20〜30℃の温度範囲で1〜96時間の間反応させることにより行なわれる。
【0076】
本発明によれば、上記の方法の反応工程(iv)を行なうための持続期間および温度は上記の例に限定されず、前記の範囲の上限および下限の値は本明細書において自由に組み合わされ得る。
【0077】
さらなる一実施形態によれば、該炭水化物成分(1種類または複数種)と該含窒素成分(1種類または複数種)を反応させる工程(iv)中の該溶液または分散液の粘度は、20℃で測定したとき300cPより大きく増大せず、前記工程(iv)前に存在しているすべての炭水化物および含窒素成分の開始濃度70wt%より大きく増大しない。例えば、該粘度は、275cPより大きく、250cPより大きく、225cPより大きく、200cPより大きく、175cPより大きく、150cPより大きく、100cPより大きく、75cPより大きく、または50cPより大きく増大しない。
【0078】
反応工程(iv)を大気圧または実質的に大気圧で、例えば開放反応槽内で行なってもよい。あるいはまた、反応工程(iv)を密閉反応槽内で行なってもよく;大気圧より高い圧力で行なってもよい。
【0079】
別の態様によれば、本発明は、上記に規定した方法によって得られ得る水溶性予備反応物型バインダー組成物に関する。
【0080】
例えば、一実施形態は、溶媒中で該少なくとも1種類の炭水化物成分を該少なくとも1種類の含窒素成分と少なくとも10℃の温度で少なくとも5分間の間反応させることにより得られ得る上記に規定した予備反応物型バインダー組成物に関するものである。
【0081】
別の態様によれば、本発明は、高分子バインダーによって結合された物質集合体を含む製品の製造における、上記に規定した水溶性予備反応物型バインダー組成物の使用に関する。
【0082】
本明細書において、用語「物質集合体」に特に制限はなく、鉱物繊維(例えば、鉱滓綿繊維、石綿繊維、ガラス繊維)、アラミド繊維、セラミック繊維、金属繊維、炭素繊維、ポリイミド繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、およびセルロース系繊維からなる群より選択される繊維を含む任意の物質集合体が包含される。物質集合体のさらなる例としては:粒状物、例えば、石炭、砂;セルロース系繊維;かんなくず、おがくず、木材パルプ、砕木、木材チップ、木片、木材積層体;他の天然繊維、例えば、黄麻、亜麻、麻、およびわら;ベニヤ板;化粧材;化粧板、粒子、織物または不織材料(例えば、とりわけ上記の型(1つもしくは複数)の繊維を含むもの)が挙げられる。
【0083】
本発明のさらなる一態様は、
(i)物質集合体を提供する工程、
(ii)上記に規定した予備反応物型バインダー組成物、または上記に規定した方法によって得られる予備反応物型バインダー組成物を溶媒に入れ、溶液または分散液を得る工程、
(iii)工程(ii)で得られた溶液または分散液を該物質集合体に適用する工程、および
(iv)前記溶液または分散液を含有している該物質集合体にエネルギーを与え、該バインダー組成物を硬化させる工程
を含む、高分子バインダーによって結合された物質集合体の製造方法に関する。
【0084】
上記の方法において規定される物質集合体にエネルギーを与える工程(iv)に特に制限はなく、例えば、該物質の型、バインダーの量および他の条件に応じて100℃〜350℃の温度での炉内での加熱が挙げられる。
【0085】
上記の方法の一実施形態によれば、工程(ii)において、上記に規定した予備反応物型バインダー組成物または上記に規定した方法によって得られる予備反応物型バインダー組成物、またはその溶液もしくは分散液に架橋剤を添加する。
【0086】
物質集合体の上記に規定した製造方法のさらなる一実施形態では、工程(ii)で架橋剤を添加する前に、上記に規定した予備反応物型バインダー組成物または上記に規定した方法によって得られる予備反応物型バインダー組成物を少なくとも24時間熟成させる。さらなる例としては、少なくとも48時間、少なくとも72時間、少なくとも96時間、少なくとも1、2もしくは3週間、または少なくとも1もしくは2ヶ月の熟成期間が挙げられる。
【0087】
本発明によれば、予備反応物型バインダー組成物は、炭水化物成分と含窒素成分との反応が継続することにより、経時的にその化学組成物が変化する場合があり得る。例えば、比較的低い温度、例えば室温(20℃)またはそれより低い温度であっても、炭水化物成分と含窒素成分の間でメラノイジンが形成される方向にメイラード型反応が継続される場合があり得る。その結果、予備反応物型バインダー組成物の熟成により、該バインダーの最終硬化プロセスの加速および/または結合強度の改善がもたらされ得る。
【0088】
物質集合体の上記に規定した製造方法のさらなる一実施形態によれば、工程(ii)で得られた溶液または分散液を該物質集合体に適用する工程の前では、該物質集合体はバインダーを実質的に含有していない。
【0089】
本発明のさらなる一態様は、溶媒中に上記に規定した予備反応物型バインダー組成物と架橋剤を含むものであるバインダー溶液または分散液に関する。
【0090】
予備反応物型バインダー組成物の溶液または分散液、特に、結合させる物質に適用する状態のものは:
・少なくとも5% 10%、15%または18%の固形分および/または
・80%、70%もしくは60%未満(特に、木板用途の場合)または50%、40%もしくは20%未満の固形分(特に、鉱物繊維断熱材用途の場合)
(特に、140℃で2時間乾燥後の重量基準のベイクアウト(bake out)固形分として測定したとき)
を含むものであり得る。
【0091】
さらなる一態様によれば、本発明は、1種類または1種類より多くの型の繊維および/または粒子と上記に規定した予備反応物型バインダー組成物を硬化された状態で含むものである繊維または粒子含有製品に関する。
【0092】
本発明によるバインダーは、例えば:断熱材;鉱物綿断熱材(例えば、ガラスウール断熱材および石綿断熱材);木板;ファイバーボード;木質パーティクルボード;チップボード;配向性ストランドボード;中密度ファイバーボード;合板;高圧ラミネートからなる群より選択される物品におけるバインダーとして使用され得る。
【0093】
完成品中のバインダーの量は、特に鉱物綿断熱材の場合:
・1%、2%、2.5%、3%、3.5%もしくは4%より多い;および/または
・20%、15%、10%もしくは8%より少ない
(完成品の乾燥重量で測定したとき)
であり得る。
【0094】
鉱物綿断熱材でのバインダーの量は、典型的には強熱減量(LOI)によって測定される。
【0095】
特に、鉱物繊維断熱材の場合は、製品は、以下の離散強度(parting strength):
・少なくとも120g/g、好ましくは少なくとも150g/g;および/または
・400g/g未満
の通常離散強度
・少なくとも120g/g、好ましくは少なくとも150g/g;および/または
・400g/g未満
の耐候離散強度
・10%未満、好ましくは5%未満
の通常離散強度と耐候離散強度間の減損%
の1つまたは1つより多くを有するものであり得る。
【0096】
離散強度は、6つの試験供試体の総破壊荷重をこれらの総重量で除算したものである単位:グラム/グラムで示している。
【0097】
該試験は、試験用に入手したときの状態(通常離散強度)および以下に説明する促進耐候性試験後(耐候離散強度)の鉱物繊維マットで行なわれる。
【0098】
図14に示した形態および寸法の第1の組の6つの試験片を試験対象の鉱物繊維マットから切り出す。寸法は:
r:半径12.7mm;
DC:中心間距離44.5mm;
a:25.4mm;
b:121mm
である。
【0099】
試験片の長軸はコンベアの方向と平行にしなければならず、試験片は鉱物マットの全幅にわたって得なければならない。次いで、第2の組の6つの試験片を同様にして得る。
【0100】
第1の群の6つの試験片の総重量W1(単位:グラム)を記録する。
【0101】
第2の群の6つの試験片の総重量W2(単位:グラム)を記録する;次いで、これらの試験片を予備加熱したオートクレーブ内に入れ、チャンバの底面から離れたワイヤメッシュの棚の上で、35kN/m
2の湿性流下で1時間、状態調節する。次いで、これらを取り出し、100℃の炉内で5分間乾燥させ、即座に離散強度を試験する。
【0102】
離散強度を試験するため、各試験片を順に、5500 Instron引張強度試験機のジョーに載せ、最大破壊荷重(単位:グラムまたはニュートン)を記録する。破壊荷重をニュートンで測定する場合は、101.9を乗算することによりグラムに変換する。各組の試験片について6つの結果(単位:グラム):第1の組の試験片についてG1 G2 G3 G4 G5およびG6ならびに第2の組の試験片についてG7 G8 G9 G10 G11およびG12を得る。
【0103】
通常離散強度は第1の組の試験片から、通常離散強度=(G1+G2+G3+G4+G5+G6)/W1の式を用いて計算される。
【0104】
耐候離散強度は第2の組の試験片から、耐候離散強度=(G7+G8+G9+G10+G11+G12)/W2の式を用いて計算される。
【0105】
製品が鉱物綿断熱材である場合、これは、以下の特徴:
・5、8または10kg/m
3より大きい密度;
・200、180または150km/m
3より小さい密度
・ガラスウール線維を含むものであり、5、8もしくは10kg/m
3より大きいおよび/または80、60もしくは50kg/m
3より小さい密度を有する;
・石綿線維を含むものであり、15、20もしくは25kg/m
3より大きいおよび/または220、200もしくは180kg/m
3より小さい密度を有する;
・0.05W/mK未満および/または0.02W/mKより大きい熱伝導率λ
・99重量%未満および/または80重量%より多い鉱物繊維を含むものである
・10mm、15mmもしくは20mmより大きいおよび/または400mm、350mmもしくは300mm未満の厚さ
のうちの1つまたは1つより多くを有するものであり得る。
【0106】
製品が木板製品である場合、これは、以下の特徴:
・少なくとも50cm×80cm、好ましくは少なくとも1m×2mの寸法
・少なくとも11mm、12mmまたは15mmの厚さ
・25、15、12または10分間より少ない硬化時間
・EN319に従って測定したとき少なくとも:0.4N/mm
2もしくは0.45N/mm
2(特に、パーティクルボードもしくはファイバーボードの場合)またはEN300に従って測定したとき少なくとも0.28N/mm
2(特に、配向ストランドボードの場合)の内部結合強度
・20℃の水中で24時間の膨潤後、EN317による12%未満、好ましくは10%未満の厚さ
・20℃の水中で24時間後、40%未満、好ましくは30%未満の水分吸収
・EN310による少なくとも:1800N/mm
2(特に、パーティクルボードもしくはファイバーボードの場合)または2500N/mm
2(特に、配向ストランドボードの場合)または3500N/mm
2または4800N/mm
2の弾性率
・少なくとも:14N/m
2(特に、パーティクルボードもしくはファイバーボードの場合)または18N/mm
2(特に、配向ストランドボードの場合)または20N/mm
2または28N/mm
2の曲げ強度(MOR)
・例えば、0.1〜2重量%、好ましくは0.5〜1重量%の範囲の添加剤としてのワックス
・8〜18重量%、好ましくは10〜16重量%、より好ましくは12〜14重量%の範囲のバインダー含有量(乾燥木材粒子の重量に対する乾燥樹脂の重量)
・プレス内で、特に、180℃もしくは200℃より高い、および/または280℃もしくは260℃より低い温度を有するプレート間またはプラテン間で硬化させている、
のうちの1つまたは1つより多くを有するものであり得る。
【0107】
種々の添加剤を該バインダー組成物に組み込むことができる。このような添加剤は本発明のバインダーにさらなる望ましい特徴を付与する。例えば、該バインダーにはケイ素含有カップリング剤が含められ得る。多くのケイ素含有カップリング剤がDow−Corning Corporation、Evonik Industries、およびMomentive Performance Materialsから市販されている。例示として、ケイ素含有カップリング剤としてはシリルエーテルおよびアルキルシリルエーテルなどの化合物が挙げられ、これらは各々、例えば、ハロゲン、アルコキシ、アミノなどで任意選択的に置換されていてもよい。ある変形例では、ケイ素含有化合物はアミノ置換シラン、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(SILQUEST A−1101;Momentive Performance Materials,Corporate Headquarters:22 Corporate Woods Boulevard,Albany,NY 12211 USA)である。別の変形例では、ケイ素含有化合物はアミノ置換シラン、例えば、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン(Dow Z−6020;Dow Chemical,Midland,MI;USA)である。別の変形例では、ケイ素含有化合物はγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(SILQUEST A−187;Momentive)である。また別の変形例では、ケイ素含有化合物はアミノ官能性オリゴマーシロキサン(HYDROSIL 2627,Evonik Industries,379 Interpace Pkwy,Parsippany,NJ 07054)である。
【0108】
ケイ素含有カップリング剤は、典型的には該バインダー中に、溶存バインダー固形分に対して約0.1パーセント〜約1パーセント(重量基準で)(すなわち、該水溶液に添加された固形分の重量に対して約0.05%〜約3%)の範囲で存在させる。このようなシリコーン含有化合物により、該バインダーが、これに存在させる物質(ガラス繊維など)に付着する能力が向上する。該物質に対する該バインダーの付着能力の向上により、例えば、非会合物質または疎性会合物質(1種類または複数種)の粘着凝集をもたらすこと、または促進させることができる能力が改善される。
【0109】
別の例示的な実施形態では、本発明のバインダーには1種類または1種類より多くの腐食防止剤が含められ得る。このような腐食防止剤により、酸によってもたらされる化学分解によって引き起こされる物質(例えば、金属)の腐食または摩滅が予防または抑止される。腐食防止剤を本発明のバインダーに含めると、該バインダーの腐食性は、該防止剤を存在させない該バインダーの腐食性と比べて低下する。一実施形態において、このような腐食防止剤は、本明細書に記載の鉱物繊維含有組成物の腐食性を低下させるために使用され得る。例示として、腐食防止剤としては、以下の、除塵油もしくはモノリン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム5水和物、メラミン、シュウ酸スズ(II)および/またはメチルハイドロジェンシリコーン液乳剤のうちの1種類または1種類より多くが挙げられる。本発明のバインダーに含める場合、腐食防止剤は、典型的には該バインダー中に、溶存バインダー固形分に対して約0.5パーセント〜約2パーセント(重量基準で)の範囲で存在させる。
【0110】
一実施形態によれば、上記に規定した繊維または粒子含有製品は、上記に規定した物質集合体の製造方法により得られ得る。
【0111】
特定の一実施形態によれば、該繊維または粒子含有製品は1種類または1種類より多くのフルクトサジンを含むものである。好ましくは、前記1種類または1種類より多くのフルクトサジン(frutosazine)は0.001〜5wt%、例えば、0.01〜5wt%、0.05〜5wt%、0.1〜5wt%、0.15〜5wt%、0.2〜5wt%、0.25〜5wt%、0.3〜5wt%、0.4〜5wt%、0.5〜5wt%、0.75〜5wt%、1〜5wt%、1.5〜5wt%、2〜5wt%または2.5〜5wt%の量で存在している。さらなる例としては、0.01〜4.5wt%、0.01〜4wt%、0.01〜3.5wt%、0.01〜3wt%、0.01〜2.5wt%、0.01〜2wt%、0.01〜1.5wt%、0.01〜1wt%または0.01〜0.75wt%の範囲が挙げられる。本発明によれば、本発明の繊維または粒子含有製品に含める1種類または1種類より多くのフルクトサジンの量は上記の範囲に限定されず、前記の範囲の上限および下限の値は自由に組み合わされ得る。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
(i)少なくとも1種類の炭水化物成分と、
(ii)少なくとも1種類の含窒素成分
の反応生成物(1種類または複数種)を含む、水溶性予備反応物型バインダー組成物。
(項目2)
前記バインダー組成物が、1〜500kDaの範囲の分子量を有する少なくとも1種類のプレポリマーを含むものである、項目1に記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目3)
前記少なくとも1種類のプレポリマーが、前記バインダー組成物の総重量に対して2wt%または2wt%より多くの量で含有されている、項目2に記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目4)
前記バインダー組成物が、80を超えて500kDaまでの範囲の分子量を有する少なくとも1種類のプレポリマー(高分子量プレポリマー)を含むものである、前記項目のいずれかに記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目5)
前記少なくとも1種類の高分子量プレポリマーが、前記バインダー組成物の総重量に対して0.2wt%または0.2wt%より多くの量で含有されている、項目4に記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目6)
前記バインダー組成物が、10を超えて80kDaまでの範囲の分子量を有する少なくとも1種類のプレポリマー(中分子量プレポリマー)を含むものである、前記項目のいずれかに記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目7)
前記少なくとも1種類の中分子量プレポリマーが、前記バインダー組成物の総重量に対して0.3wt%または0.3wt%より多くの量で含有されている、項目6に記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目8)
前記バインダー組成物が、10kDaのまたは10kDaより小さい分子量を有し、かつ(i)の前記少なくとも1種類の炭水化物成分および(ii)の前記少なくとも1種類の含窒素成分と異なる1種類または1種類より多くの化合物(低分子量化合物)を含むものである、前記項目のいずれかに記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目9)
前記低分子量化合物が、グリコールアルデヒド、グリセルアルデヒド、2−オキソプロパナール、アセトール、ジヒドロキシアセトン、アセトイン、ブタンジオン、エタナール、グルコソン、1−デソキシヘキソスロース、3−デソキシヘキソスロース、3−デソキシ−ペントスロース、1,4−ジデソキシヘキソスロース、グリオキサール、メチルグリオキサール、ジアセチルおよび5−(ヒドロキシメチル)フルフラールのうちの1種類または1種類より多くを含む、項目8に記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目10)
70wt%の前記予備反応物型バインダー組成物を含有する水溶液が20℃で最大2000cPの粘度を有する、前記項目のいずれかに記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目11)
70wt%の前記予備反応物型バインダー組成物を含有する水溶液の粘度が、20℃で12時間放置したとき500cPより大きく増大しない、前記項目のいずれかに記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目12)
前記予備反応物型バインダー組成物が、架橋剤と反応して1種類または1種類より多くのメラノイジンを水不溶性組成物として生成し得るものである、前記項目のいずれかに記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目13)
前記含窒素成分(1種類または複数種)の全反応性含窒素基に対する前記炭水化物成分(1種類または複数種)の全カルボニル基の比が5:1〜1:5である、前記項目のいずれかに記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目14)
前記少なくとも1種類の炭水化物成分が単糖類、二糖類、多糖類またはその反応生成物からなる群より選択される、前記項目のいずれかに記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目15)
前記少なくとも1種類の炭水化物成分が、還元糖、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、グルコース(デキストロース)、マンノース、ガラクトース、アロース、アルトロース、タロース、グロース、イドース、フルクトース、プシコース、ソルボース、ジヒドロキシアセトン、スクロースおよびタガトースならびにその混合物からなる群より選択される、前記項目のいずれかに記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目16)
前記少なくとも1種類の含窒素成分が、NH3、少なくとも1つの第1級アミン基を含む無機アミンまたは有機アミンならびにその塩である、前記項目のいずれかに記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目17)
前記炭水化物成分と前記含窒素成分の重量比が0.5:1〜30:1である、前記項目のいずれかに記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目18)
前記炭水化物成分によってもたらされる最初のカルボニル基の少なくとも10%を含んでいる、前記項目のいずれかに記載の予備反応物型バインダー組成物。
(項目19)
(i)少なくとも1種類の炭水化物成分を提供する工程、
(ii)少なくとも1種類の含窒素成分を提供する工程、
(iii)溶媒中で前記炭水化物成分(1種類または複数種)と前記含窒素成分(1種類または複数種)を混合する工程、および
(iv)工程(iii)で得られた溶液または分散液中で前記炭水化物成分(1種類または複数種)と前記含窒素成分(1種類または複数種)を反応させる工程
を含む、前記項目のいずれかに記載の予備反応物型バインダー組成物の製造方法。
(項目20)
工程(i)〜(iv)が、前記炭水化物成分(1種類または複数種)と前記含窒素成分(1種類または複数種)が、高分子バインダーで結合させる物質集合体と接触していない間に行なわれる、項目19に記載の方法。
(項目21)
反応工程(iv)が、前記炭水化物成分(1種類または複数種)と前記含窒素成分(1種類または複数種)を最大120℃の温度で反応させることにより行なわれる、項目19または20に記載の方法。
(項目22)
反応工程(iv)が、前記炭水化物成分(1種類または複数種)と前記含窒素成分(1種類または複数種)を最大96時間の間、反応させることにより行なわれる、項目19〜21のいずれかに記載の方法。
(項目23)
反応工程(iv)が、前記炭水化物成分(1種類または複数種)と前記含窒素成分(1種類または複数種)を40〜120℃の温度範囲で5〜180分間の間反応させることにより行なわれる、項目19〜22のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
反応工程(iv)が、前記炭水化物成分(1種類または複数種)と前記含窒素成分(1種類または複数種)を20〜30℃の温度範囲で1〜96時間の間反応させることにより行なわれる、項目19〜22のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
前記炭水化物成分(1種類または複数種)と前記含窒素成分(1種類または複数種)を反応させる工程(iv)中の該溶液または分散液の粘度が、20℃で測定したとき300cPより大きく増大せず、前記工程(iv)前に存在しているすべての炭水化物および含窒素成分の開始濃度70wt%より大きく増大しない、項目19〜24に記載の方法。
(項目26)
項目19〜25のいずれか1項に記載の方法によって得られ得る水溶性予備反応物型バインダー組成物。
(項目27)
高分子バインダーによって結合された物質集合体を含む製品の製造における項目1〜18のいずれか1項に記載の水溶性予備反応物型バインダー組成物の使用。
(項目28)
(i)物質集合体を提供する工程、
(ii)項目1〜18のいずれか1項に記載の予備反応物型バインダー組成物または項目19〜25のいずれか1項に記載の方法によって得られる予備反応物型バインダー組成物を溶媒に入れ、溶液または分散液を得る工程、
(iii)工程(ii)で得られた溶液または分散液を該物質集合体に適用する工程、および
(iv)該溶液または分散液を含有している該物質集合体にエネルギーを与え、該バインダー組成物を硬化させる工程
を含有する、高分子バインダーによって結合された物質集合体の製造方法。
(項目29)
工程(ii)において、項目1〜18のいずれか1項に記載の予備反応物型バインダー組成物または項目19〜25のいずれか1項に記載の方法によって得られる予備反応物型バインダー組成物、またはその溶液もしくは分散液に架橋剤を添加する、項目28に記載の方法。
(項目30)
工程(iv)で前記物質集合体にエネルギーを与える前に、項目1〜18のいずれか1項に記載の予備反応物型バインダー組成物または項目19〜25のいずれか1項に記載の方法によって得られ得る予備反応物型バインダーを少なくとも24時間熟成させる、項目28または29に記載の物質集合体の製造方法。
(項目31)
工程(ii)で得られた溶液または分散液を前記物質集合体に適用する工程の前では、前記物質集合体はバインダーを実質的に含有していない、項目28〜30のいずれか1項に記載の物質集合体の製造方法。
(項目32)
溶媒中に項目1〜18のいずれか1項に記載の予備反応物型バインダー組成物と架橋剤を含むものである、バインダー溶液または分散液。
(項目33)
1種類または1種類より多くの型の繊維および/または粒子と項目1〜18のいずれか1項に規定される予備反応物型バインダー組成物を硬化された状態で含有するものである、繊維または粒子含有製品。
(項目34)
項目28〜31のいずれか1項に記載の方法によって得られ得る、項目33に記載の繊維または粒子含有製品。
(項目35)
1種類または1種類より多くのフルクトサジンを含有するものである、項目33または34に記載の繊維または粒子含有製品。
(項目36)
前記1種類または1種類より多くのフルクトサジンが、硬化したバインダーの総質量に対して0.001〜5wt%の量で存在している、項目35に記載の繊維または粒子含有製品。