【実施例1】
【0024】
図1はこの発明に係る停電検知装置10の構成図を示す。
図1はそのうち検知機能と停電時非常灯に対する点灯指示信号を送出する機能を有した送信系(送信装置)10Aの一例を示し、
図2は上述の非常灯を制御する受信系(受信装置)10Bの一例を示す。
送信系10A側では停電の有無が検知され、その検知出力に基づいて受信系10B側に設けられた非常灯が点灯制御される。受信系10Bは、家庭内での使用であれば、安全ブレーカの設置場所の他に、リビングルームなどの照明器具に取り付けて使用することができる。家庭内では安全ブレーカが設置されている更衣室や脱衣所の壁面などに受信系10Bの筐体を設置する。
【0025】
これは、通常の停電では使用者側の原因(内部要因)で停電が発生する場合が多い。漏電やショートあるいは家電製品の使い過ぎによって停電が発生する。このような内部要因による停電を考慮すると、停電を復旧させるには安全ブレーカを元の状態に戻す必要があり、したがって安全ブレーカの設置個所に明かりを灯すことが最も重要になるからである。
【0026】
送信部からの送信信号である点灯制御信号は、安全ブレーカが設置された部屋まで充分に届くような送信出力となされている。
図1において、停電検知装置10のうち送信系10Aはコンセントに差し込むプラグ12を有する。部屋の壁に設置されたコンセント70(
図3参照)には交流電源(商用交流源)が供給されている。
【0027】
プラグ12により給電された交流電源はブリッジ回路22において直流電圧に変換され、直流電圧は抵抗による分圧回路24を経てこの例ではIC化された定電圧回路26に供給されて一定の直流電圧に安定化される。安定化された直流電圧は充電用のコンデンサ28で充電されつつIC回路で構成された制御回路30の駆動電圧として供給される。
【0028】
コンデンサ28は電気二重層コンデンサなどの大容量コンデンサが使用され、停電が発生しても所定時間駆動電圧を供給できるようになされている。分圧回路24の接続中点pに得られる分圧電圧は停電検知信号(電圧)Saとして制御回路30に供給される。
【0029】
送信系10Aにはさらにプラグ検知手段40として機能するこの例ではマイクロスイッチ40が設けられる。本例で使用するマイクロスイッチ40は、本体40aとこの本体40aに設けられた操作子40bとで構成され、進退自在な操作子40bはプラグ12の差し込み片12aと同じ側に突出して設けられる。
【0030】
操作子40bの進退に伴うマイクロスイッチ40からの出力つまりプラグ検知信号Sdは制御回路30のプラグ検知入力端子側に供給される。操作子40bが押圧された状態のときハイレベル(“1”)、そうでないときはローレベル(“0”)となるプラグ検知信号Sdが得られるものとする。
【0031】
制御回路30からは後段の送信部42に対する送信制御信号が生成され、送信部42からは点灯制御信号がアンテナ44を介して送信される。この例では受信系10Bに向けて点灯指示信号か点灯解除信号の何れかの点灯制御信号が送信される。
【0032】
送信部42としては、免許不要な微弱無線局として使用できるものであって、送信周波数は100kHz〜100MHzの周波数帯を使用することができる。家庭内であれば、階上を含めて充分に受信範囲をカバーできるような送信出力に選定される。
【0033】
制御回路30によってさらに報知手段50と表示灯52が制御される。報知手段50は音声機能を有した報知手段が使用され、音声の出力とブザー(連続若しくは断続)の切り替え制御が行われる。この例では検知モードによって音声出力か、ブザーかに切り替えられる。音声出力は停電による警報として使用される。ブザーはプラグ12が不用意にコンセント70から抜かれたときの警報音(例えば間欠的な断続音)として使用される。
【0034】
表示灯52は停電状態を検知したときに点灯制御(以下の例では点滅制御)されるが、後述するように停電状態のときでも本来の停電なのか、プラグ12をコンセント70から抜いたために起きた停電なのかを区別するため、この例では前者の場合のみ点滅制御される。
【0035】
制御回路30では入力した停電検知信号Saから瞬電と停電を峻別し、プラグ検知信号Sdからプラグ12の挿着および離脱(脱着)を検知する。そして、これら停電検知信号Saとプラグ検知信号Sdの有無によって、送信部42を始めとして報知手段50と表示灯52が制御される。
【0036】
送信部42、報知手段50および表示灯52の各電源は、大容量コンデンサ28の充電電圧が利用される。制御回路30における制御動作の詳細については後述する。
【0037】
図2はこの発明に係る停電検知装置10における受信系10Bの概略構成図である。受信系10Bは停電時の非常灯を点灯制御するためのものである。そのため、受信系10Bは停電復旧作業が最も行われるであろう場所に設置される。家庭内であれば、内部要因による停電を復旧させる必要があることから安全ブレーカ付近の明かりを確保する意味で、安全ブレーカの付近に取り付けられる。
【0038】
図2において、アンテナ62から入信した点灯制御信号は筐体54内に設けられた受信部60で受信される。受信部60で受信した点灯制御信号は制御回路66に供給されて、点灯制御信号が点灯指示信号か点灯解除信号かが判別される。点灯指示信号であれば、制御回路66から非常灯68への点灯電源が供給される。非常灯68は省エネの観点からLEDが使用される。
【0039】
上述した受信部60および制御回路66の各駆動電源は電源部としての電池64から給電される。受信部60には内蔵の電池64から常時動作電圧が供給されている。非常灯68に対しては間接的に電池64から駆動電源が供給される。点灯制御信号を受信すると制御回路66が動作状態となる。制御回路66は常時はスリープモードに設定しておくこともできる。非常灯68としてLEDを使用することで内蔵電池64の長寿命化を図っている。
【0040】
図3は上述した停電検知装置10を構成する一方の送信系10Aの具体的な構成例を示す。この例では、ほぼ直方体状をなす筐体11を有し、その背面11b側にプラグ12の差し込み片12aが背面11bより突出するように設けられている。一対の差し込み片12aは周知のようにコンセント70の差し込み口に差し込まれた状態で使用される。
【0041】
この背面11b側にはさらに上述したマイクロスイッチ40の操作子40bが進退自在に設けられている。操作子40bはマイクロスイッチ40のオンオフを行うためのもので、プラグ12をコンセント70に差し込んだとき、コンセント70を埋め込んだ壁面若しくはコンセント70のケース面に操作子40bが当接してこれが押圧されるように、背面11b側に取り付けられている。この例ではコンセント70として2連式のものが使用されているので、プラグ12を差し込むと、コンセント70のケース面に操作子40bが当接するような位置関係となっている。
【0042】
図3に示すように、筐体11の正面11a側には停電時に点灯する表示灯52が設けられ、点灯状態が一目で判別できるようになっている。報知手段50も正面11a側に向くように配置され、停電状態やプラグ12の挿脱状態の報知を素早く知らせられるように構成されている。
【0043】
プラグ12をコンセント70に差し込むことで操作子40bが押されるので、筐体11が正しくコンセント70に差し込まれているかどうかを判別できる。プラグ12を不用意にコンセント70から抜いたりすると、上述した報知手段50が動作して警報音(断続音)が発せられる。
【0044】
表示灯52の前面にはドーム状若しくは平板状の光拡散板14が取着されている。これによって弱い光でも広い範囲で充分点灯状態を感知できるようになっている。
【0045】
筐体11の一側面には
図4にも示すようなフック74が設けられている。このフック74は例えば非常用の懐中電灯76を常備灯として吊り下げておくために使用することができる。最近ではLEDを使用した単三電池使用のペンシル型小型懐中電灯などが市販されているので、このような小型の懐中電灯76が常備灯として使用される。
【0046】
電池内蔵の懐中電灯76は、停電時目的の場所(安全ブレーカが設置された脱衣所や、他の部屋)まで安全に誘導するために使用される。夜間の停電時には部屋の明かりが突然なくなるので、暗闇となるが表示灯52が点灯するためこれが唯一の明かりとなる。筐体11側には懐中電灯76が用意されているので、表示灯52の明かりを頼りに筐体11の取り付け場所を確実に把握できれば、この懐中電灯76で停電復旧場所まで辿り着くことができる。
【0047】
図5は停電検知装置10のうち受信系10Bの一例を示す。受信系10Bは安全ブレーカ82の近くに設置される。停電復旧処理用の非常灯として使用するためである。
図5のように更衣室などの壁面に安全ブレーカ82が取り付けられている場合には、この安全ブレーカ82に近接して受信系10Bを構成する筐体54が同じ壁面84に取り付けられる。
図5では配線用遮断器(漏電ブレーカ)86の一つとして安全ブレーカ82が設けられている場合を例示する。
【0048】
筐体54を壁面84に取り付けるための手段として、この例では
図6に示すように面ファスナー78が使用される。筐体54の背面には例えばメス型の面ファスナー78aが貼着され、壁面84側にはオス型の面ファスナー78bが貼着される。これによって比較的簡単に筐体54を目的の壁面84に取り付けることができる。筐体54の重さや大きさによって、面ファスナー78を単一使用か、複数使用かが選択される。
【0049】
筐体54の前面を向くように非常灯68が配置される。非常灯68としてはある程度の明かりを確保するため、この例では1個(若しくは2個)のLEDで非常灯68が構成されている。非常灯68の前面には
図6のように、必要に応じてドーム状若しくは平板状をなす光拡散板56が取り付けられ、視認範囲が広くなるように工夫されている。
【0050】
このように筐体54を安全ブレーカ82の近くに設置することで、安全ブレーカ82を含めた一定の範囲の明かりを確保できるので、これによって安全ブレーカ82に設けられた操作レバー82a(
図5,
図6)の復旧操作を迅速かつ確実に実行できる。非常灯68の位置は安全ブレーカ82側に向けられているのがなお好ましい。
【0051】
停電復旧操作は、安全ブレーカ82の操作レバー82aを元の位置に戻すか否かの操作だけであるので、安全ブレーカ82の周辺を余り明るく照明する必要はない。明るさを確保するより、より長期間に亘り単一の電源(筐体54に内蔵した電池64)で使用できるように設計されている。電池を駆動電源として使用する場合には、電池の寿命(消耗)を報知する報知手段(ブザーなり、表示灯)を設けるのが好ましい。報知手段として表示灯を使用する場合には、非常灯68を報知用の表示灯としても兼用できる。この場合電池交換を促すときには例えば点滅表示とすることで、停電時と電池交換時を区別して使用者に知らせるようにする。
【0052】
図7は停電検知装置10における停電検知および点灯指示信号の送受信処理の一例を示すタイミングチャートである。
【0053】
プラグ12がコンセント70に差し込まれている状態のとき、外部要因による停電、例えば瞬電が発生した場合、この瞬電をマイコンで構成された制御回路30が検知する(
図7A)。瞬電の場合には停電とは判断しないようにしてあるので、特に何の処理も行われない。
【0054】
停電は外部要因による場合と内部要因による場合がある。外部要因は台風などによる災害によってもたらされることが多い。これに対し内部要因による停電としては、漏電やショートあるいは家電製品を同時に使用することによる過電流によって発生する。このうち、過電流による場合には、安全ブレーカ82のレバー82aを元に戻す復旧作業を行えば、停電を復旧させることができる。
【0055】
以下の例では、過電流のようなときに発生する停電について説明する。まず停電すると分圧回路24から分圧電圧が得られなくなるので、これによって停電検知信号Saが生成される(同
図B)。停電検知信号Saが得られると、制御回路30からは報知手段50と表示灯52に対してそれぞれ制御信号(駆動電圧)が供給される。
【0056】
図7C,Dの例ではまず点滅信号(点灯電圧)が供給されて、一定時間だけ表示灯52が点滅する。その直後に今度は報知手段50に対し制御信号が供給される。この例では報知手段50を音声報知として利用する。例えば「停電です。」のような警報を音声で出力する。この点滅表示と音声出力をペア(組)としてこれを何回か繰り返すことで、停電を在宅者に知らせる。
【0057】
1ペアだけでは充分な報知とは言えないので、例えばこれを3回繰り返すことで、より確実に停電を知らせる。この例では点滅を5秒、音声出力を2秒として、これを3回繰り返してこの停電報知モードを終了する。したがって停電報知期間Tとしては21〜23秒程度である(
図7参照)。
【0058】
停電が特に照明を必要とする夜間に起きた場合には、音声で停電が発生したことが判り、表示灯52の明かりを頼りに、筐体11まで辿り着き、そこで懐中電灯76を用いて更衣室まで赴く。
【0059】
停電報知によって安全ブレーカ82での復旧処理が行われれば、過電流による停電は復旧する。漏電やショートの場合でもその原因が取り除かれれば、最終的には安全ブレーカ82を操作することで停電は復旧するから、何れにしても内部要因の場合には安全ブレーカ82の操作によって停電が復旧する。
【0060】
一方、停電検知信号Saが得られると、制御回路30では送信部42に対する制御信号が生成される。制御信号が得られると送信部42から受信系10Bに対し点灯指示信号Sbが送出される(同
図F)。
【0061】
受信系10Bの受信部60でこの点灯指示信号Sbを受信すると制御回路66への制御信号が生成される。制御回路66ではこの制御信号を受け取ると後段の非常灯63に対し駆動電圧が印加されるので、内蔵電池64を使用して非常灯63が点灯する(同
図H)。非常灯63の点灯は停電を検知してから間もなくであるので、在宅者が更衣室に着く頃までには、非常灯63の点灯により更衣室が明るくなっている。特に、安全ブレーカ82付近が最も明るく照らされているので、停電復旧処理への支障は来さない。
【0062】
この停電復旧処理が行われることによって、コンセント70には再び交流電源が給電されるから、分圧回路24の分圧電圧が所定の電圧に戻る(同
図B)。この復電による停電検知信号Saが制御回路30で検知されることで制御回路30では停電が復旧したものと判断する。その結果、制御回路30では送信部42に再度制御信号が送られる。送信部42ではこの再度の制御信号受信によって点灯解除信号Scが送出される(同
図G)。
【0063】
受信部60がこの点灯解除信号Scを受信すると、制御信号が後段の制御回路66に供給されて、非常灯68への駆動電圧の印加が止まる。これによって非常灯68は消灯する。つまり、安全ブレーカ82側に設けられた非常灯68は停電が復旧するまでの間点灯し続けることになる。
【0064】
なお、場合によっては点灯解除信号Scの到来を待たずに、所定時間が経過したときには自動的に消灯するように制御することもできる。これは、在宅者が不在のようなときには、停電復旧処理が長時間なされないことを考慮したためである。
【0065】
電源が供給されているときに、停電検知装置10がコンセント70から抜かれたときは以下のように動作する。プラグ12が抜かれると、交流電源が停止した場合と同じく、停電検知信号Saが得られるが、このときはプラグ検知手段40が動作し、プラグ検知手段であるマイクロスイッチ40がオンからオフに(あるいはオフからオン)に変わるので、何れにしろプラグ検知信号Sdが得られる(
図7I)。
図7ではハイレベルからローレベルになる。
【0066】
制御回路30ではこのプラグ検知信号Sdと停電検知信号Saから、プラグ12が不用意にコンセント70から抜かれたものと判断し、報知手段50に対し警報信号用の信号が供給される。報知手段50ではこの制御信号に基づき音声ではなくブザー音で警報を発する(同
図E)。
【0067】
停電検知装置10は常にコンセント70に差し込まれていなければならない。在宅者が不用意にプラグ12を抜いたときには、即座に警報(断続音)が鳴るので、プラグ12をコンセント70に差し込むように促される。
【0068】
この例ではプラグ12が正しくコンセント70に差し込まれるまで報知手段50が駆動される。これによって在宅者は操作ミスに気付く。プラグ12が差し込まれると、プラグ検知信号Sdはハイレベルに反転するので、制御回路30はこのプラグ検知信号Sdと停電検知信号Saとのレベル関係から正常に復帰したと判断し、報知手段50の報知の停止処理を行う。これで正常な停電検知状態に復帰する。
【0069】
なお、プラグ検知信号Sdと停電検知信号Saの双方が得られたときには表示灯52は消灯状態を維持すると共に、点灯指示信号Sbは出力されないので、非常灯68も点灯しない。瞬電の場合にも送信部42への制御信号は出力されないから点灯指示信号は送出されない(同
図A,F)。
【0070】
以上の動作状態遷移を整理すると
図8のようになる。この例では、停電の有無に拘わらず、プラグ12がコンセント70から抜かれると、ブザーが駆動され、断続音による警報が発せられるようになされている。
【0071】
図9は受信系10Bの他の例を示す。上述したように停電検知装置10の特に受信系10Bにあって、停電の頻度を考慮した場合には、安全ブレーカ82の近くに受信系10Bを配置した方が好ましいと言える。
【0072】
この発明では送信系10Aと受信系10Bとは、(1:1)の関係に拘束されない。(1:多)として使用することができる。その場合には、送信系10Aが設置された同じ部屋(通常はリビングルーム)に取り付けられた照明器具のうちの1つに受信系10Bを内蔵させるか、照明器具の近くに取り付けることができる。
【0073】
図9の例は、照明器具と一体化した場合であり、照明器具としてはLEDを多数個使用した照明器具に適用した場合である。直管式照明器具90にあって管体92の両側には金具91A,91Bが取り付けられ、管体92の内部にはLED基板94が配置され、このLED基板94上に多数のLED96が実装されている。98は差し込みピンである。
【0074】
一方の金具この例では左側の金具91Aに対し、上述した受信系10Bが着脱自在に嵌合固定される。非常灯68は下面を向くように取り付けられる。受信系10Bを金具91Aに対して着脱自在にしたのは、受信系10Bに内蔵された内蔵電池64を交換できるようにするためである。
【0075】
照明器具90に受信系10Bを一体化させることによって、停電が発生したときには、照明器具90に代えて非常用の明かりを灯すことができるから、安全ブレーカ82側と共に利用すれば、停電時におけるより安全な動線を確保できることになる。