(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
制御プログラムを記憶するプログラム記憶部及び設定情報を記憶する設定情報記憶部を有し、前記制御プログラムに従って前記設定情報を参照しつつ交通信号灯器を制御する交通信号制御機に対して、前記設定情報を設定する交通信号制御機用設定装置であって、
前記交通信号制御機から、前記交通信号制御機の前記制御プログラムの種別を示す種別情報を取得する種別情報取得手段と、
前記交通信号制御機の前記制御プログラムの種別にそれぞれ対応した複数のユーザインターフェースであって、前記各ユーザインターフェースは対応する交通信号制御機の制御プログラムの種別に応じた設定情報を設定者が決定するための設定項目を有する複数のユーザインターフェースを、構築し得るユーザインターフェース構築手段であって、前記複数のユーザインターフェースのうち、前記種別情報取得手段により取得された前記種別情報が示す前記交通信号制御機の前記制御プログラムの種別に対応したユーザインターフェースを構築するインターフェース構築手段と、
前記インターフェース構築手段により構築されたユーザインターフェースに従って設定者により決定された設定情報を、前記種別情報取得手段により取得された前記種別情報が示す前記交通信号制御機の前記制御プログラムの種別に対応したデータ形式で、前記交通信号制御機の前記設定情報記憶部に設定する設定手段と、
を備えたことを特徴とする交通信号制御機用設定装置。
制御プログラムを記憶するプログラム記憶部及び設定情報を記憶する設定情報記憶部を有し、前記制御プログラムに従って前記設定情報を参照しつつ交通信号灯器を制御する交通信号制御機に対して、前記制御プログラムを更新するとともに前記設定情報を設定する交通信号制御機用設定装置であって、
前記交通信号制御機から、前記交通信号制御機に既に設定されている前記設定情報を取得する既存設定情報取得手段と、
前記既存設定情報取得手段により既設定の設定情報が取得された後に、前記交通信号制御機の前記制御プログラムを更新する更新手段と、
前記更新手段による更新後の制御プログラムの種別に対応したユーザインターフェースであって、当該更新後の制御プログラムに応じた設定情報を設定者が決定するための設定項目を有するとともに、前記既存設定情報取得手段により取得された既設定の設定情報の1つ以上の設定項目の内容を対応する1つ以上の設定項目の候補内容として提示するユーザインターフェースを、構築するインターフェース構築手段と、
前記インターフェース構築手段により構築されたユーザインターフェースに従って設定者により決定された設定情報を、前記更新後の制御プログラムの種別に対応したデータ形式で、前記交通信号制御機の前記設定情報記憶部に設定する設定手段と、
を備えたことを特徴とする交通信号制御機用設定装置。
前記交通信号制御機の通信手段との通信を、前記交通信号制御機の前記通信手段の通信速度に自動的に適合させた通信速度で行う通信手段を、備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の交通信号制御機用設定装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、交通信号制御機に対して設定情報を設定するツールが、交通信号制御機の制御プログラムの種別ごとに作成されていたので、設定者は、設定情報を設定しようとする交通信号制御機の制御プログラムの種別に応じたツールをいちいち選択しなければならず、その選択が煩わしかった。そして、ツールの選択を誤ると、交通信号制御機に対して、設定情報を設定することができなかったり、誤った設定情報を設定してしまったりする。誤った設定情報を設定しまうと、交通信号制御機が意図しない動作を行うことになり、交通の危険性を招くおそれがある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、設定者が交通信号制御機に対して設定情報を設定する際の利便性を高めることができるとともに、設定情報の誤設定の危険性を解消することができる交通信号制御機用設定装置、並びに、これに関連するプログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための手段として、以下の各態様を提示する。第1の態様による交通信号制御機用設定装置は、制御プログラムを記憶するプログラム記憶部及び設定情報を記憶する設定情報記憶部を有し、前記制御プログラムに従って前記設定情報を参照しつつ交通信号灯器を制御する交通信号制御機に対して、前記設定情報を設定する交通信号制御機用設定装置であって、前記交通信号制御機から、前記交通信号制御機の前記制御プログラムの種別を示す種別情報を取得する種別情報取得手段と、前記交通信号制御機の前記制御プログラムの種別にそれぞれ対応した複数のユーザインターフェースであって、前記各ユーザインターフェースは対応する交通信号制御機の制御プログラムの種別に応じた設定情報を設定者が決定するための設定項目を有する複数のユーザインターフェースを、構築し得るユーザインターフェース構築手段であって、前記複数のユーザインターフェースのうち、前記識別情報取得手段により取得された前記種別情報が示す前記交通信号制御機の前記制御プログラムの種別に対応したユーザインターフェースを構築するインターフェース構築手段と、前記インターフェース構築手段により構築されたユーザインターフェースに従って設定者により決定された設定情報を、前記識別情報取得手段により取得された前記種別情報が示す前記交通信号制御機の前記制御プログラムの種別に対応したデータ形式で、前記交通信号制御機の前記設定情報記憶部に設定する設定手段と、を備えたものである。
【0010】
この第1の態様では、交通信号制御機の前記制御プログラムの種別を示す種別情報が、種別情報取得手段によって交通信号制御機から取得される。複数のユーザインターフェースのうちから、この種別情報が示す前記交通信号制御機の前記制御プログラムの種別に対応しその種別に応じた設定情報を設定者が決定するための設定項目を有するユーザインターフェースが、ユーザインターフェース構築手段によって構築され、設定者は、このユーザインターフェースに従って設定情報を決定する。そして、設定者により決定されたこの設定情報が、設定手段によって、取得された種別情報が示す種別に対応したデータ形式で、交通信号制御機の設定情報記憶部に設定される。
【0011】
このように、前記第1の態様によれば、複数のユーザインターフェースのうちから、自動的に、交通信号制御機の制御プログラムの種別に応じた設定項目を有するユーザインターフェースが設定者に提示され、設定者はそのユーザインターフェースに従って設定情報を決定することができる。したがって、前記第1の態様によれば、設定者は自分で交通信号制御機の前記制御プログラムの種別に応じた選択を行う必要がなくなって、設定者が交通信号制御機に対して設定情報を設定する際の利便性が高まるとともに、設定情報の誤設定の危険性を解消することができる。
【0012】
本発明の第2の態様による交通信号制御機用設定装置は、前記第1の態様において、前記交通信号制御機から、前記交通信号制御機に既に設定されている前記設定情報を取得する既存設定情報取得手段と、前記既存設定情報取得手段により既設定の設定情報が取得された後に、前記交通信号制御機の前記制御プログラムを更新する更新手段と、を備え、前記インターフェース構築手段は、前記更新手段による更新後の制御プログラムの種別に対応したユーザインターフェースを構築するときに、当該インターフェースにおいて、前記既存設定情報取得手段により取得された既設定の設定情報の1つ以上の設定項目の内容を対応する1つ以上の設定項目の候補内容として提示するものである。
【0013】
この第2の態様によれば、更新手段による更新後の制御プログラムの種別に対応したユーザインターフェースにおいて、既存設定情報取得手段により取得された既設定の設定情報の1つ以上の設定項目の内容が、対応する1つ以上の設定項目の候補内容として提示されるので、設定者は、設定情報を一から入力する場合に比べて設定情報の決定を容易に行うことができ、設定者が交通信号制御機に対して設定情報を設定する際の利便性がより高まる。
【0014】
本発明の第3の態様による交通信号制御機用設定装置は、制御プログラムを記憶するプログラム記憶部及び設定情報を記憶する設定情報記憶部を有し、前記制御プログラムに従って前記設定情報を参照しつつ交通信号灯器を制御する交通信号制御機に対して、前記制御プログラムを更新するとともに前記設定情報を設定する交通信号制御機用設定装置であって、前記交通信号制御機から、前記交通信号制御機に既に設定されている前記設定情報を取得する既存設定情報取得手段と、前記既存設定情報取得手段により既設定の設定情報が取得された後に、前記交通信号制御機の前記制御プログラムを更新する更新手段と、前記更新手段による更新後の制御プログラムの種別に対応したユーザインターフェースであって、当該更新後の制御プログラムに応じた設定情報を設定者が決定するための設定項目を有するとともに、前記既存設定情報取得手段により取得された既設定の設定情報の1つ以上の設定項目の内容を対応する1つ以上の設定項目の候補内容として提示するユーザインターフェースを、構築するインターフェース構築手段と、前記インターフェース構築手段により構築されたユーザインターフェースに従って設定者により決定された設定情報を、前記更新後の制御プログラムの種別に対応したデータ形式で、前記交通信号制御機の前記設定情報記憶部に設定する設定手段と、を備えたものである。
【0015】
この第3の態様によれば、更新手段による更新後の制御プログラムの種別に対応したユーザインターフェースにおいて、既存設定情報取得手段により取得された既設定の設定情報の1つ以上の設定項目の内容が、対応する1つ以上の設定項目の候補内容として提示されるので、設定者は、設定情報を一から入力する場合に比べて設定情報の決定を容易に行うことができ、設定者が交通信号制御機に対して設定情報を設定する際の利便性が高まる。
【0016】
第4の態様による交通信号制御機用設定装置は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、前記交通信号制御機の通信手段との通信を、前記交通信号制御機の前記通信手段の通信速度に自動的に適合させた通信速度で行う通信手段を、備えたものである。
【0017】
この第4の態様によれば、交通信号制御機の通信手段の通信速度が異なっていても、その通信速度に対して、交通信号機用設定装置の通信手段の通信速度が自動的に適合されるので、交通信号制御機用設定装置の取り扱いが容易になる。
【0018】
第5の態様によるプログラムは、コンピュータを、前記第1乃至第4のいずれかの態様による交通信号制御機用設定装置として機能させるためのプログラムである。
【0019】
第6の態様によるコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記第5の態様によるプログラムを記録したものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、設定者が交通信号制御機に対して設定情報を設定する際の利便性を高めることができるとともに、設定情報の誤設定の危険性を解消することができる交通信号制御機用設定装置、並びに、これに関連するプログラム及び記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明による交通信号制御機用設定装置、プログラム及び記録媒体について、図面を参照して説明する。
【0023】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による交通信号制御機用設定装置2と交通信号制御機1との関係を模式的に示す図である。
図1に示すように、本実施の形態による交通信号制御機用設定装置2は、機種や制御プログラムの異なる種々の交通信号制御機1に対して共通に用いられ、交通信号制御機1に対して設定情報を設定する。
【0024】
図2は、本実施の形態による交通信号制御機用設定装置2、及び、
図1中の交通信号制御機1の一例を示す概略ブロック図である。
【0025】
図2に示す例では、交通信号制御機1は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、ハードディスク等の記憶装置14と、外部機器との通信を行う通信部15と、CPU11による制御下で交通信号灯器3を制御するLSI等からなる信号灯制御回路16と、これらを相互に接続するバス17とを備えている。
【0026】
図2に示す例では、交通信号制御機1は、交通管制センターと通信回線で接続されておらず、独立に交通信号制御を行う独立型の交通信号制御機として構成されている。もっとも、本実施の形態による交通信号制御機用設定装置2は、交通管制センターと通信回線で接続され、交通管制センターの指令により交通信号を制御するオンライン型の交通信号制御機に対しても、設定情報を設定することができるようになっている。
【0027】
記憶装置14には、制御プログラムの他、各種プログラムが予めインストールされており、前記制御プログラム等を読み込んで実行することによって、前記CPU11等により以下に説明する機能等が実現されるようになっている。また、記憶装置14には、後述する設定情報も記憶されている。
【0028】
図2に示す交通信号制御機1では、通常の信号制御モードにおいて、CPU11が、前記制御プログラムに従って前記設定情報を参照しつつ、信号灯制御回路16を介して交通信号灯器3を制御する。
【0029】
前記設定情報としては、例えば、各灯色(青・黄・赤)を表示する秒数(交差点によっては複数パターンを設定)や、複数のパターンが設定された灯色の表示秒数を時間帯により切り替えるための切り替え時間や、交通信号制御機1における各種拡張機能を実行する時間帯や制御パラメータなどを挙げることができる。前記拡張機能としては、例えば、車両用感知器や歩行者用押ボタン箱などから得られる入力情報を基に、実際の交通状況に適した灯色の表示秒数を算出し、算出した表示秒数で制御を行う機能などを挙げることができる。これらの設定情報の設定項目や設定情報のデータ形式は、交通信号制御機1の前記制御プログラムの種別に応じて異なる。交通信号制御機1の機種が異なれば、交通信号制御機1の前記制御プログラムの種別は当然に異なるし、同じ機種であっても制御プログラムのバージョンが異なれば、交通信号制御機1の前記制御プログラムの種別は異なる。
【0030】
また、本例では、記憶装置14には、前記制御プログラムの種別情報として、交通信号制御機1の機種情報及び前記制御プログラムのバージョン情報が記憶されている。CPU11は、交通信号制御機用設定装置2により設定情報の設定を行う設定動作モードにおいて、交通信号制御機用設定装置2からの要求に応じて、前記制御プログラムの種別情報(前記機種情報及び前記バージョン情報)を、通信部15を介して交通信号制御機用設定装置2に提供する。
【0031】
本例では、通信部15は、CPU11による制御下で、調歩同期式シリアル通信(RS−232C)により通信を行うが、交通信号制御機1では機種により通信速度が異なる。通信部15は、RS−232C用コネクタ15aを有している。
【0032】
本実施の形態による交通信号制御機用設定装置2は、
図2に示すように、ハードウエアとしては、一般的なパーソナルコンピュータを用いて構成され、CPU21と、ROM22と、RAM23と、ハードディスク等の記憶装置24と、キーボード及びマウス等の操作部25と、液晶パネル等の表示部26と、DVDドライブなどの読出/書込装置(記録媒体に対する情報の読み出し及び書き込みを行う装置)27と、通信部28と、これらを相互に接続するバス29とを備えている。
【0033】
記憶装置24には、前記記録媒体に記録されたプログラムが読出/書込装置27により読み出されて予めインストールされており、前記プログラムを読み込んで実行することによって、前記CPU21等により以下に説明する機能等が実現されるようになっている。前記プログラムには、交通信号制御機1の制御プログラムの複数の種別にそれぞれ対応した複数のユーザインターフェースであって、前記各ユーザインターフェースは対応する交通信号制御機1の制御プログラムの種別に応じた設定情報を設定するための設定項目を有する複数のユーザインターフェースを構築するための、データ等が含まれている。なお、前記プログラムは、インターネット等を介して記憶装置24にインストールすることも可能である。
【0034】
通信部28は、CPU21による制御下で、調歩同期式シリアル通信(RS−232C)により通信を行うが、CPU21の指令により通信速度を変えることが可能となっており、その通信速度が通信相手(交通信号制御機1の通信部15)の通信速度と一致しているか否かを検出し得るように構成されている。通信部28は、RS−232C用コネクタ28aを有している。
【0035】
本実施の形態による交通信号制御機用設定装置2を用いて、交通信号制御機1に対して設定情報を設定する場合には、RS−232Cケーブル4によって、交通信号制御機1の通信部15と交通信号制御機用設定装置2の通信部28との間が接続される。すなわち、RS−232Cケーブル4の両端のRS−232C用コネクタ4a,4bが、交通信号制御機1の通信部15のコネクタ15a及び交通信号制御機用設定装置2の通信部28のコネクタ28aにそれぞれ接続される。
【0036】
図3は、本発明の第1の実施の形態による交通信号制御機用設定装置2の動作を示す概略フローチャートである。
【0037】
交通信号制御機1の通信部15と交通信号制御機用設定装置2の通信部28との間をRS−232Cケーブル4で接続した状態で、操作部25の操作に応答して動作を開始すると、交通信号制御機用設定装置2のCPU21は、通信部28に指令を与えて、通信部28の通信速度を交通信号制御機1の通信部15の通信速度に適合させる調整を行う(ステップS1)。具体的には、CPU21は、通信部28に指令を与えて、通信部28の通信速度を順次変更していき、通信部28からの信号に基づいて通信部28の通信速度が通信部15の通信速度と一致したか否かを判定し、通信部28の通信速度を一致した通信速度に決定する。
【0038】
次に、CPU21は、ステップS1で決定した通信速度で通信部28を介して交通信号制御機1と通信を行い、交通信号制御機1から、当該交通信号制御機1の制御プログラムの種別情報(前記機種情報及び前記バージョン情報)を取得する(ステップS2)。具体的には、CPU21は、通信部28を介して、交通信号制御機1に対して当該交通信号制御機1の制御プログラムの種別情報を自身へ送信するように要求し、この要求に応答して交通信号制御機1から送られてきた当該交通信号制御機1の制御プログラムの種別情報を、通信部28を介して、受信する。
【0039】
引き続いて、CPU21は、前記複数のユーザインターフェースのうち、ステップS2で取得された前記種別情報が示す交通信号制御機1の前記制御プログラムの種別に対応したユーザインターフェースを、表示部26及び操作部25と共に構築する(ステップS3)。具体的には、CPU21は、ステップS2で取得された前記種別情報が示す交通信号制御機1の前記制御プログラムの種別に応じた設定情報を設定するために必要とされる設定項目を組み合わせ、これらの設定項目に対する入力を促すとともにその入力内容を示したり入力内容を決定させたりするための表示を、表示部26に表示させ、また、そのような入力操作や決定操作をし得るように操作部25を制御する。
【0040】
図4は、1つの種別情報に応じてステップS3で構築されるユーザインターフェースの表示の一例として、表示部26に表示される1つの設定シートの例を示している。
図4に示す設定シートでは、設定項目として、最終階梯番号、複数のパターン毎の各階梯時間、及び、日種がある。日種は、平日、土曜日、休日の別である。本例では、各階梯には、交差点の各所の交通信号灯器3の表示状態が定義づけられており、1つのパターンでは、階梯番号1から最終階梯番号までの階梯を順次各階梯時間だけ継続していき、これら全体を1周期としてこの周期を順次繰り返すことを意味している。複数のパターンはそれぞれ1日における時間帯に対応づけられており、各時間帯において対応するパターンが実行されるようになっている。これらのパターンと時間帯との対応づけは、他の設定項目となっており、図示しない別の設定シートで表示されるようになっている。本例では、当該1つの種別情報に係る交通信号制御機1の制御プログラムは、日種(平日、土曜日、休日の別)に応じて別々の運用が可能になっており、
図4は、指定した1つの日種における最終階梯番号及び複数のパターン毎の各階梯時間を設定する設定シートであり、他の日種における最終階梯番号及び複数のパターン毎の各階梯時間を設定する設定シートは、図示しない別の設定シートとして表示されるようになっている。
【0041】
図5は、他の1つの種別情報に応じてステップS3で構築されるユーザインターフェースの表示の一例として、表示部26に表示される1つの設定シートの例を示しており、
図4に対応している。
図5に示す設定シートは
図4に示す設定シートと基本的に同様であるが、
図5に示す設定シートでは、
図4に示す設定シートと異なり、日種は設定項目となっておらず、
図5に示す設定シートには日種はない。本例では、当該他の1つの種別情報に係る交通信号制御機1の制御プログラムは、日種(平日、土曜日、休日の別)に拘わらず、いずれの日種においても同じ運用をするようになっている。
【0042】
CPU21は、ステップS3で前述したユーザインターフェースを構築した後、そのユーザインターフェースに従って、操作部25により全ての設定項目について入力がなされ、操作部25により設定情報の決定が終了した旨の操作がなされるのを待つ(ステップS4でNO)。設定情報の決定が終了すると(ステップS4でYES)、CPU21は、ステップS3で構築されたユーザインターフェースに従って決定された設定情報を、ステップS2で取得された前記種別情報が示す交通信号制御機1の前記制御プログラムの種別に応じたデータ形式で、通信部15を介して交通信号制御機1に送り、交通信号制御機1の記憶装置14に設定させ(ステップS5)、一連の動作を終了する。
【0043】
本実施の形態による交通信号制御機用設定装置2によれば、複数のユーザインターフェースのうちから、自動的に、交通信号制御機1の制御プログラムの種別に応じた設定項目を有するユーザインターフェースが設定者に提示され、設定者はそのユーザインターフェースに従って設定情報を決定することができる。したがって、本実施の形態によれば、設定者は自分で交通信号制御機1の制御プログラムの種別に応じた選択を行う必要がなくなって、設定者が交通信号制御機1に対して設定情報を設定する際の利便性が高まるとともに、設定情報の誤設定の危険性を解消することができる。
【0044】
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態による交通信号制御機用設定装置の動作を示す概略フローチャートであり、
図3に対応している。
図6において、
図3中のステップと同一又は対応するステップには同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0045】
本実施の形態による交通信号制御機用設定装置が前記第1の実施の形態による交通信号制御機用設定装置2と異なる所は、
図3に示す動作に代えて、
図6に示す動作を行う点であり、本実施の形態では、交通信号制御機1の制御プログラムを更新しかつ更新後の制御プログラムに応じた設定情報を容易に設定し得る機能が追加されている。制御プログラムの更新は、交通信号制御機1のハードウエアを改変せずに制御プログラムをバージョンアップする場合のみならず、交通信号制御機1のハードウエアを改変しそのハードウエアに応じた制御プログラムに入れ替える場合にも行われる。後者の場合は、例えば、交通信号制御機1を、独立型の交通信号制御機から、オンライン型の交通信号制御機に改変する場合などである。この点は、後述する第3の実施の形態についても同様である。
【0046】
本実施の形態では、交通信号制御機1の通信部15と交通信号制御機用設定装置2の通信部28との間をRS−232Cケーブル4で接続した状態で、操作部25の操作に応答して動作を開始すると、交通信号制御機用設定装置2のCPU21は、まず、交通信号制御機1の制御プログラムを更新するか否かを判定する(ステップS11)。この判定は、操作部25により制御プログラムを更新する旨が指令されたか、それとも、操作部25により制御プログラムを更新しない旨が指令されたかによって、行われる。なお、制御プログラムを更新させるための更新ファイルは、予め、記憶装置24に記憶させておく。
【0047】
制御プログラムを更新しない場合(ステップS11でNOの場合)には、ステップS1へ移行し、CPU21は、前記第1の実施の形態と同様に、ステップS1〜S5の動作を行う。
【0048】
一方、制御プログラムを更新する場合(ステップS11でYESの場合)には、CPU21は、ステップS1と同様に通信速度の調整を行った(ステップS12)後に、ステップS2と同様に、当該交通信号制御機1の更新前の制御プログラムの種別情報を取得する(ステップS13)。
【0049】
次に、CPU21は、当該交通信号制御機1から、当該交通信号制御機1に既に設定されている既存の設定情報を、通信部28を介して取得する(ステップS14)。この既存の設定情報は、ステップS13で取得した種別情報と関連づけられる。
【0050】
引き続いて、CPU21は、予め記憶装置24に記憶されている更新ファイルを読み出して、通信部28を介して、交通信号制御機1の制御プログラムを新しい制御プログラムに更新する(ステップS15)。このとき、更新後の制御プログラムの種別情報が、新しい種別情報として記憶装置14に記憶される。
【0051】
その後、CPU21は、ステップS2と同様に、当該交通信号制御機1の更新後の制御プログラムの種別情報を取得する(ステップS16)。
【0052】
次いで、CPU21は、ステップS3と同様に、前記複数のユーザインターフェースのうち、ステップS16で取得された前記種別情報が示す交通信号制御機1の前記制御プログラムの種別に対応したユーザインターフェースを、表示部26及び操作部25と共に構築する(ステップS17)。このとき、CPU21は、このユーザインターフェースにおいて、ステップS13で取得された種別情報と関連付けられステップS14で取得された既存の設定情報の1つ以上の設定項目の内容を、対応する1つ以上の設定項目の候補内容として、表示部26に表示させる。例えば、CPU21は、更新前の制御プログラムの種別情報に対応する設定項目が
図5に示すものに相当し、更新後の制御プログラムの種別情報に対応する設定項目が
図4に示すものに相当する場合には、既設定の最終階梯番号及び複数のパターン毎の各階梯時間を、日種が平日である場合の最終階梯番号及び複数のパターン毎の各階梯時間の候補内容として、表示部26に表示させ、操作部25によりその内容の修正や決定を可能にする。
【0053】
CPU21は、ステップS17で前述したユーザインターフェースを構築した後、そのユーザインターフェースに従って、操作部25により全ての設定項目について入力又は確認がなされ、操作部25により設定情報の決定が終了した旨の操作がなされるのを待つ(ステップS18でNO)。設定情報の決定が終了すると(ステップS18でYES)、CPU21は、ステップS17で構築されたユーザインターフェースに従って決定された設定情報を、ステップS16で取得された前記種別情報が示す交通信号制御機1の前記制御プログラムの種別に応じたデータ形式で、通信部15を介して交通信号制御機1に送り、交通信号制御機1の記憶装置14に設定させ(ステップS19)、一連の動作を終了する。
【0054】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。また、本実施の形態によれば、更新後の制御プログラムの種別に対応してステップS17で構築されるユーザインターフェースにおいて、ステップS14で取得された既設定の設定情報の1つ以上の設定項目の内容が、対応する1つ以上の設定項目の候補内容として提示されるので、設定者は、設定情報を一から入力する場合に比べて設定情報の決定を容易に行うことができ、設定者が交通信号制御機1に対して設定情報を設定する際の利便性がより高まる。
【0055】
[第3の実施の形態]
図7は、本発明の第3の実施の形態による交通信号制御機用設定装置の動作を示す概略フローチャートである。
【0056】
本実施の形態による交通信号制御機用設定装置が前記第1の実施の形態による交通信号制御機用設定装置2と異なる所は、
図3に示す動作に代えて、
図7に示す動作を行う点であり、本実施の形態では、所定の交通信号制御機1の所定の制御プログラムを更新しかつ更新後の制御プログラムに応じた設定情報を容易に設定し得るようになっている。なお、制御プログラムを更新させるための更新ファイルは、予め、記憶装置24に記憶させておく。
【0057】
本実施の形態では、交通信号制御機1の通信部15と交通信号制御機用設定装置2の通信部28との間をRS−232Cケーブル4で接続した状態で、操作部25の操作に応答して動作を開始すると、CPU21は、ステップS1と同様に通信速度の調整を行う(ステップS21)。
【0058】
次に、CPU21は、当該交通信号制御機1から、当該交通信号制御機1に既に設定されている既存の設定情報を、通信部28を介して取得する(ステップS22)。
【0059】
引き続いて、CPU21は、予め記憶装置24に記憶されている更新ファイルを読み出して、通信部28を介して、交通信号制御機1の制御プログラムを新しい制御プログラムに更新する(ステップS23)。
【0060】
次いで、CPU21は、交通信号制御機1の更新後の制御プログラムの種別に対応したユーザインターフェースを、表示部26及び操作部25と共に構築する(ステップS24)。このとき、CPU21は、このユーザインターフェースにおいて、ステップS22で取得された既存の設定情報の1つ以上の設定項目の内容を、対応する1つ以上の設定項目の候補内容として、表示部26に表示させる。例えば、CPU21は、更新前の制御プログラムの種別情報に対応する設定項目が
図5に示すものに相当し、更新後の制御プログラムの種別情報に対応する設定項目が
図4に示すものに相当する場合には、既設定の最終階梯番号及び複数のパターン毎の各階梯時間を、日種が平日である場合の最終階梯番号及び複数のパターン毎の各階梯時間の候補内容として、表示部26に表示させ、操作部25によりその内容の修正や決定を可能にする。
【0061】
CPU21は、ステップS24で前述したユーザインターフェースを構築した後、そのユーザインターフェースに従って、操作部25により全ての設定項目について入力又は確認がなされ、操作部25により設定情報の決定が終了した旨の操作がなされるのを待つ(ステップS25でNO)。設定情報の決定が終了すると(ステップS25でYES)、CPU21は、ステップS24で構築されたユーザインターフェースに従って決定された設定情報を、更新後の制御プログラムの種別に応じたデータ形式で、通信部15を介して交通信号制御機1に送り、交通信号制御機1の記憶装置14に設定させ(ステップS26)、一連の動作を終了する。
【0062】
本実施の形態によれば、更新後の制御プログラムの種別に対応してステップS24で構築されるユーザインターフェースにおいて、ステップS22で取得された既設定の設定情報の1つ以上の設定項目の内容が、対応する1つ以上の設定項目の候補内容として提示されるので、設定者は、設定情報を一から入力する場合に比べて設定情報の決定を容易に行うことができ、設定者が交通信号制御機1に対して設定情報を設定する際の利便性が高まる。
【0063】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0064】
例えば、コンピュータを、前記各実施の形態による信号制御機用設定装置として機能させるためのプログラムや、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明に含まれる。