特許第6265658号(P6265658)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社フジシールインターナショナルの特許一覧

特許6265658ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体
<>
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000002
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000003
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000004
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000005
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000006
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000007
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000008
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000009
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000010
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000011
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000012
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000013
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000014
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000015
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000016
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000017
  • 特許6265658-ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体 図000018
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6265658
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】ラベル連続体の継ぎ目検知方法、及びラベル連続体
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/18 20060101AFI20180115BHJP
   B65C 3/08 20060101ALI20180115BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20180115BHJP
   G01B 15/02 20060101ALN20180115BHJP
【FI】
   B65C9/18
   B65C3/08
   G09F3/00 M
   !G01B15/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-175792(P2013-175792)
(22)【出願日】2013年8月27日
(65)【公開番号】特開2015-44602(P2015-44602A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2016年7月6日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110001748
【氏名又は名称】特許業務法人まこと国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 昌伸
(72)【発明者】
【氏名】石井 孝之
(72)【発明者】
【氏名】中西 雅人
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−148556(JP,A)
【文献】 特開2012−185069(JP,A)
【文献】 特開2012−242289(JP,A)
【文献】 特開2011−262064(JP,A)
【文献】 実開平5−85766(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 9/18
B65C 3/08
G09F 3/00
G01B 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検品の際の照合元とされる継ぎ目の数を知るために、2つ以上の長尺ラベル基材を連結部材にて繋ぎ合わして形成されたラベル連続体の継ぎ目の数を検知する方法であって、
ロール状に巻き取った状態の前記ラベル連続体にX線を照射し、前記連結部材と前記長尺ラベル基材とのX線透過量の差に基づいて継ぎ目の数を検知する、ラベル連続体の継ぎ目検知方法。
【請求項2】
前記連結部材が、金属を含み、前記長尺ラベル基材が、前記連結部材の金属を実質的に含まない、請求項1に記載のラベル連続体の継ぎ目検知方法。
【請求項3】
前記連結部材が、比重3g/cm以上の金属を含む層を有するシートと、前記シートの裏面に設けられた貼付層と、を有する貼付けテープである、請求項1または2に記載のラベル連続体の継ぎ目検知方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法に用いられるラベル連続体であって、
2つ以上の長尺ラベル基材と、長手方向に並べられた前記2つ以上の長尺ラベル基材の継ぎ目を繋ぐ連結部材と、を有し、
前記連結部材が、比重5g/cm以上の金属を含み、
前記連結部材の一部又は全部が、前記長尺ラベル基材よりもX線透過量が小さい、ロール状に巻かれたラベル連続体。
【請求項5】
前記金属が、ニッケル及び銅族元素から選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載のラベル連続体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のラベルが連続的に繋がったラベル連続体に含まれる継ぎ目の数を検知する方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料などが収納された容器、商品自体、商品を包装する包装箱などの各種の被着体に、様々なラベルが装着され、包装体(ラベル付き被着体)として消費者に提供されている。
一般に、ラベルの製造者とラベルの使用者とは異なっており、ラベルの製造者が製造したラベルを、使用者が購入し、それを被着体に装着している。
ラベルとしては、大別して、熱収縮などによって被着体に装着する筒状ラベル、被着体に巻き付けて装着する巻付けラベルなどが知られている。これらのラベルは、1枚毎の枚葉状の形態で使用者に提供されることもあるが、通常、ラベラー(ラベル装着装置)を用いてラベルを被着体に連続的に装着するために、複数のラベルが長手方向に連続的に繋がったラベル連続体の形態で提供される。このようなラベル連続体は、長尺状であるため、通常、ロール状に巻き取った巻物で使用者に提供される。
【0003】
ところで、前記ラベル連続体の長さは、使用者の要望、ラベラーやラベルの種類などに応じて予め決まっている場合が多い。例えば、ある使用者は、長さ1000mのラベル連続体を求め、他の使用者は、長さ1200mのラベル連続体を求め、ある種のラベルにあっては、長さ1500mのラベル連続体が求められるなどの如くである。製造者は、長尺状の原反基材の長手方向に所望のデザインを繰り返し印刷し、必要に応じて、筒状に成形するなどして長尺ラベル基材を作製し、それを予め決められた長さ(以下、規定長さという)に裁断することによって、規定長さのラベル連続体を得、それを巻物として使用者に提供している。
ところが、長尺状の原反基材の長さと、得ようとするラベル連続体の規定長さとは、通常、同じではなく、長尺状の原反基材の方が長いことが多い。このため、例えば、規定長さ1200mのラベル連続体を製造する際に、3000mの原反基材を用いた場合には、600mの長尺ラベル基材が端材(規定長さに満たない長尺ラベル基材)として残ってしまう。また、原反基材に印刷などを施す際に、印刷ミスや基材の縒れなどの予期せぬトラブルによって端材が生じることもある。前記端材は規定長さに満たないこと以外は、ラベルが連続的に繋がったものであるため、通常、このような端材は廃棄されず、それを長手方向に繋げて規定長さのラベル連続体を作製している。
例えば、特許文献1のように、規定長さに満たない長尺ラベル基材を、粘着テープで繋ぎ合わせて規定長さのラベル連続体を作製している。
【0004】
前記繋ぎ合わせた規定長さのラベル連続体を、ラベラーにて被着体に装着して包装体を製造すると、その製造ロットの中に粘着テープ付きラベルが装着された包装体(以下、不良包装体という)が生じることになる。前記不良包装体は、包装体の製造ライン中で機械的に検知されて排除され、正常な包装体だけが梱包されて出荷される。
他方、ラベルの製造者は、繋ぎ合わせた規定長さのラベル連続体の提供に際して、そのラベル連続体中の継ぎ目の数を使用者に伝達するようにしている。
使用者は、製造者から知らされた継ぎ目の数と、前記ライン中で排除された不良包装体の数とを照合し、正常な包装体の梱包の中に不良包装体が混入しないように管理している。
【0005】
しかしながら、前記規定長さに満たない長尺ラベル基材の繋ぎ合わせは、作業者が人為的に行っており、継ぎ目の数も繋ぎ合わせ作業と並行して作業者がカウントしているため、実際の数とは異なる継ぎ目の数を誤ってカウントするおそれがある。仮に、継ぎ目の数を間違えて使用者に伝えると、製造者から得た継ぎ目の数と、不良包装体として排除された数とが一致しなくなるので、使用者は、包装体を検品する必要がある。特に、伝えられた継ぎ目の数が実際に排除された不良包装体の数よりも多い場合には、使用者は、正常な包装体の梱包の中に、不良包装体が混入していると疑わざるを得ず、そのロットの包装体の梱包を開け、全ての包装体を人為的に点検しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−280727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ラベル連続体をロール状に巻いた状態で継ぎ目の数を正確に把握できる、ラベル連続体の継ぎ目検知方法及びその方法に好適に用いられるラベル連続体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、検品の際の照合元とされる継ぎ目の数を知るために、2つ以上の長尺ラベル基材を連結部材にて繋ぎ合わして形成されたラベル連続体の継ぎ目の数を検知する方法であって、 ロール状に巻き取った状態の前記ラベル連続体にX線を照射し、前記連結部材と前記長尺ラベル基材とのX線透過量の差に基づいて継ぎ目の数を検知する。
【0009】
本発明の好ましいラベル連続体の継ぎ目検知方法は、前記連結部材が、金属を含み、前記長尺ラベル基材が、前記連結部材の金属を実質的に含まない。
本発明の好ましいラベル連続体の継ぎ目検知方法は、前記連結部材が、比重3g/cm以上の金属を含む層を有するシートと、前記シートの裏面に設けられた貼付層と、を有する貼付けテープである。
【0010】
本発明の別の局面によれば、ラベル連続体を提供する。
本発明のラベル連続体は、上記いずれかの検知方法に用いられるロール状に巻かれたラベル連続体であって、2つ以上の長尺ラベル基材と、長手方向に並べられた前記2つ以上の長尺ラベル基材の継ぎ目を繋ぐ連結部材と、を有し、前記連結部材が、比重5g/cm以上の金属を含み、前記連結部材の一部又は全部が、前記長尺ラベル基材よりもX線透過量が小さい。
本発明の好ましいラベル連続体は、前記金属が、ニッケル及び銅族元素から選ばれる少なくとも1種である。
【発明の効果】
【0011】
本発明のラベル連続体の継ぎ目検知方法及びラベル連続体によれば、X線を用いることにより、ラベル連続体をロール状に巻いた状態で継ぎ目の数を正確に検知できる。本発明によれば、従来の作業者による継ぎ目のカウントを行う必要がないので、人為的なカウントミスを未然に防止して使用者に対して製品(ラベル連続体の巻物)の信頼性を維持できる上、作業者の作業負担の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係るラベル連続体の平面図。
図2図1のII−II線で切断した断面図。
図3図1のIII−III線で切断した断面図。
図4】第1実施形態の1つの変形例に係るラベル連続体を図1のII−II線と同様の箇所で切断した断面図。
図5】第1実施形態の他の変形例に係るラベル連続体の平面図。
図6図5のVI−VI線で切断した断面図。
図7】第1実施形態のさらなる他の変形例に係るラベル連続体の平面図。
図8図7のVIII−VIII線で切断した断面図。
図9図7のIX−IX線で切断した断面図。
図10】ラベル連続体をロール状に巻いた状態の斜視図。
図11】同ロール状に巻いた状態の側面図。
図12】本発明の第2実施形態に係るラベル連続体の平面図。
図13図12のXIII−XIII線で切断した断面図。
図14】本発明の第3実施形態に係るラベル連続体の平面図。
図15図14のXV−XV線で切断した断面図。
図16】ラベル連続体の巻物にX線を照射し、継ぎ目の数を検知する方法に使用される装置の参考斜視図。
図17】ラベル連続体の巻物にX線を照射した際に作成される画像の参考平面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
ただし、各部の用語の頭に第1、第2などを付す場合があるが、この第1、第2などは、用語を区別するために付加されたものであり、各部の優劣などを意味しない。本明細書において、「長尺」又は「長尺状」は、一方向における長さが他方向における長さよりも十分に長い形状を意味する。前記「長尺」又は「長尺状」は、例えば、前記一方向における長さが他方向における長さの10倍以上の細長い長方形状であり、好ましくは30倍以上であり、より好ましくは100倍以上である。「長手方向」は、前記長尺又は長尺状の一方向であり、「短手方向」は、その他方向である。また、「PPP〜QQQ」は、「PPP以上QQQ以下」を意味する。
各図における寸法、厚み及び形状などは、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
【0014】
[ラベル連続体の概要]
本発明のラベル連続体は、概念的には、複数のラベルが連続的に繋がったものである。従って、1つのラベルのデザインが長尺状の基材の長手方向に同じ向きで且つ等間隔に施されている。
前記ラベル連続体は、2つ以上の長尺ラベル基材が長手方向に並べられ、その長尺ラベル基材を連結部材にて繋ぎ合わせて形成されている。前記繋ぎ合わせたラベル連続体は、規定長さの長尺状である。その規定長さは、特に限定されず、様々に設定される。
なお、前記長尺ラベル基材とラベル連続体は、長手方向の長さが異なることを除いて、実質的に同様な構成である。つまり、本発明のラベル連続体は、複数のラベルが連続的に繋がった規定長さのラベル連続体であり、長尺ラベル基材は、複数のラベルが連続的に繋がった規定長さに満たないラベル連続体である。
【0015】
[第1実施形態のラベル連続体]
第1実施形態のラベル連続体は、複数の筒状ラベルが連続的に繋がったものである。
図1は、筒状ラベル連続体の平面図(ただし、一部を省略している)で、図2及び図3は、その長手方向及び短手方向において切断したときの切り口(切断面)の図である。
図1乃至図3において、本実施形態のラベル連続体1は、複数の筒状ラベルが連続的に繋がった筒状ラベル連続体である。従って、1つの筒状ラベルのデザインが長手方向に同じ向きで且つ等間隔に施されている。この筒状ラベル連続体11は、被着体に装着する際に、図1の一点鎖線で示す箇所で切断され、個々の筒状ラベルが得られる。以下、図5図7図12及び図14のラベル連続体においても、被着体に装着時に切断される箇所(切断予定線)を一点鎖線で示している。
【0016】
前記筒状ラベル連続体11は、2つ以上の筒状の長尺ラベル基材2,2を連結部材3にて繋ぎ合わせて形成されている。連結部材3は、一点鎖線で示される切断予定線に重ならないような位置に設けられている。
図1においては、2つの長尺ラベル基材2,2の継ぎ目Aを連結部材3で繋ぎ合わせた状態を例示している。なお、1つの筒状ラベル連続体11において、継ぎ目Aは、図1に示すように1箇所に限られず、2箇所以上の場合もある。継ぎ目Aが2箇所以上の場合には、連結部材3もそれに対応して2箇所以上設けられる。
筒状ラベル連続体11は、その長手方向に延び且つ互いに対向する第1及び第2折り目1a,1bにて折り畳まれて扁平状とされている。
【0017】
本発明の筒状ラベル連続体11を構成する長尺ラベル基材2,2は、少なくとも一方面に意匠印刷層22が設けられた長尺状の原反基材21を筒状に丸め、その両側端部21a,21bを接着することにより形成されている。長尺ラベル基材2,2は、上述のように、規定長さのラベル連続体を製造する際に生じる端材である。
継ぎ目Aにおいて、2つの長尺ラベル基材2,2の端縁が突き合わせられている。隣接する2つの長尺ラベル基材2,2は、継ぎ目Aにおいて、意匠印刷層22で表されたデザインが連続するように位置合わせされている。
なお、継ぎ目Aにおいて、2つの長尺ラベル基材2,2はその端縁が突き合わせられている場合に限られず、2つの長尺ラベル基材2,2の端部が多少離れていてもよいし、或いは、2つの端部が表裏で重ねられていてもよい。また、本実施形態のように2つの長尺ラベル基材2,2が筒状である場合には、1つの長尺ラベル基材2の端部を、もう1つの長尺ラベル基材2の端部に差し込むことによって、2つの端部が重ねられていてもよい。
【0018】
筒状ラベル連続体11(筒状ラベル)は、熱収縮性又は/及び自己伸縮性を有していてもよいし、これらの性質を有していなくてもよい。前記熱収縮性は、所要温度に加熱された際に、少なくともその主延伸方向(筒状ラベルにおける周方向)に熱収縮する性質をいい、前記自己伸縮性は、拡張力を加えることによって径外方向に伸張し、前記拡張力を解除することにより、ほぼ元の大きさに復元する性質をいう。
熱収縮性を有する筒状ラベル連続体(筒状ラベル)は、熱収縮性を有する合成樹脂製の原反基材を用いて作製でき、自己伸縮性を有する筒状ラベル連続体(筒状ラベル)は、自己伸縮性を有する合成樹脂製の原反基材を用いて作製でき、熱収縮性及び自己伸縮性を有する筒状ラベル連続体(筒状ラベル)は、熱収縮性及び自己伸縮性を有する合成樹脂製の原反基材を用いて作製できる。熱収縮性を有する筒状ラベル連続体(筒状ラベル)は、熱収縮性筒状ラベル、シュリンクラベル、シュリンクフィルムなどとも呼ばれ、例えば、飲料入り容器の装飾、各種容器のキャップシールなどの様々な用途に使用されている。自己伸縮性を有する筒状ラベル連続体(筒状ラベル)は、ストレッチラベル、自己伸縮性筒状ラベルなどとも呼ばれ、炭酸飲料入り容器の装飾などの様々な用途に使用されている。熱収縮性及び自己伸縮性を有する筒状ラベル連続体(筒状ラベル)は、ストレッチシュリンクラベルなどとも呼ばれ、同様に様々な用途に使用されている。
これらの筒状ラベルの用途、材質及び構成などは、特開2011−207502、特開2013−050711などの多くの文献に開示されているので、それらを参照されたい。
【0019】
連結部材3は、隣接する長尺ラベル基材2,2を連結できるものであれば、特に限定されない。
図示例では、連結部材3として、貼付けテープが用いられている。この貼付けテープは、シート31と、シート31の裏面に設けられた貼付層32と、を有する。連結部材3は、継ぎ目Aを覆うように貼付けられている。
例えば、図1乃至図3に示すように、帯状の連結部材3は、隣接する2つの長尺ラベル基材2,2の端部が付き合わせた部分である継ぎ目Aを覆い且つ筒状の長尺ラベル基材2の周方向全体に巻き付け、その一端部3aを他側端部3bに重ねて貼付けられている。このように連結部材3を長尺ラベル基材2の周囲に設けることにより、X線を照射した際に、連結部材3の位置をより検知し易くなる。
【0020】
もっとも、連結部材3による長尺ラベル基材2,2の連結構造は、上記に限られず、様々に変更できる。
例えば、図4に示すように、連結部材3は、長尺ラベル基材2の周方向に巻き付けられ、長尺ラベル基材2の両側端部21a,21bの間に連結部材3の他側端部3bが挟み込まれるように貼付けられていてもよい。このような連結構造は、ラベル連続体の製造工程において、長尺基材を筒状に形成する前に2つの長尺基材を連結部材で繋ぎ合わせ、その繋ぎ合わせた長尺基材を筒状に丸め、その両側端部を接着した場合に得られる構造である。
また、例えば、図5及び図6に示すように、2つの長尺ラベル基材2,2の端縁が突き合わせられ、その端縁間に生じる継ぎ目Aを覆うように、連結部材3を、長尺ラベル基材2,2の端部の少なくとも一方面に(好ましくは一方面及び他方面にそれぞれ)貼り付けてもよい。
さらに、例えば、図7乃至図9に示すように、1つの長尺ラベル基材2の端部2cを、もう1つの長尺ラベル基材2の端部2dの内側に差し込んで繋ぎ合わせた後、連結部材3を、その2つの長尺ラベル2,2の継ぎ目Aを覆うように、長尺ラベル基材2,2の端部の一方面に貼り付けてもよい。好ましくは、図8に示すように、連結部材3は、長尺ラベル基材2,2の一方面及び他方面にそれぞれ貼り付けられる。このように2つの連結部材3をそれらの間に長尺ラベル基材2を挟むように設けることにより、上述の連結部材2を周囲に設けた場合と同様に、X線を照射した際に連結部材3の位置をより検知し易くなる。
【0021】
前記連結部材3は、X線透過量が上記長尺ラベル基材2のX線透過量とは異なる部分を有する。つまり、連結部材3にX線を照射した際の連結部材3の一部又は全部におけるX線透過量と、長尺ラベル基材2にX線を照射した際のX線透過量とが異なるような、連結部材3が用いられている。なお、長尺ラベル基材2は、原反基材21及び意匠印刷層22を有し、必要に応じて、任意の他の層を有するが、連結部材3の一部又は全部は、そのX線透過量が長尺ラベル基材2を構成する全ての構成要素のX線透過量と異なっていることが好ましい。X線を照射した際に、長尺ラベル基材2を透過するX線と連結部材3を透過するX線の相違によって、連結部材3を長尺ラベル基材2からより明確に区別するためである。
【0022】
ここで、X線透過量は、対象物の比重が大きくなると低くなり、且つ、対象物の厚みが大きくなると低くなる。換言すると、X線透過量は、対象物の比重に反比例し、対象物の厚みに反比例する。さらに、対象物に金属が含まれていると、X線透過量が低くなる場合がある。長尺ラベル基材2に対するX線透過量が異なるようにするため、連結部材は、その一部又は全部の比重又は厚みが長尺ラベル基材2の比重及び/又は厚みと異なるようなものが用いられる。好ましくは、金属を含む連結部材3が用いられる。
例えば、連結部材3の一部又は全部と長尺ラベル基材2の厚みが同じである場合には、その一部又は全部の比重が長尺ラベル基材2の比重よりも大きい又は小さい連結部材3が用いられ、連結部材3の一部又は全部と長尺ラベル基材2の比重が同じである場合には、その一部又は全部の厚みが長尺ラベル基材2の厚みよりも大きい又は小さい連結部材3が用いられる。好ましくは、両者の厚みが同じである場合には、その一部又は全部の比重が長尺ラベル基材2の比重よりも大きい連結部材3が用いられ、両者の比重が同じである場合には、その一部又は全部の厚みが長尺ラベル基材2の厚みよりも大きい連結部材3が用いられる。
一般に、長尺ラベル基材2の比重は意匠印刷層を含めて十分に小さいことを考慮すると、X線透過量の差がより大きくなることから、一部又は全部の比重が長尺ラベル基材2の比重よりも大きい連結部材3を用いることが好ましく、一部又は全部の比重及び厚みが長尺ラベル基材2の比重及び厚みよりも大きい連結部材3を用いることがより好ましい。
なお、例えば、連結部材3の比重が長尺ラベル基材2の比重よりもかなり大きい場合には、長尺ラベル基材2の厚みよりも小さい厚みの連結部材3を用いることも可能であり、また、連結部材3の厚みが長尺ラベル基材2の厚みよりもかなり大きい場合には、長尺ラベル基材2の比重よりも小さい比重の連結部材3を用いることも可能である。要は、X線透過量が長尺ラベル基材2のX線透過量とは異なる部分を有する連結部材3を用いればよい。
【0023】
一般に、各種の被着体に装着される筒状ラベルは、厚み10μm〜100μmであって、0.80g/cm〜1.5g/cmの比重を有するものが多い。
かかる筒状ラベルを構成する長尺ラベル基材も、厚み10μm〜100μmで、比重0.80g/cm〜1.5g/cmである。
このような長尺ラベル基材2を繋ぐ連結部材3は、好ましくはX線透過量を低くする材料を含み、より好ましくは金属を含み、さらに好ましくは比重3g/cm以上の金属を含む。また、連結部材3は、好ましくはX線透過量の小さい層を有し、より好ましくは金属を含む層を有し、さらに好ましくは金属を含み且つ比重3g/cm以上の層を有し、特に好ましくは金属を含み且つ比重5g/cm以上の層を有する。
なお、長尺ラベル基材2も金属を含んでいる場合もあるが、その量は微量であって、X線透過量を低くするほどに緻密に含まれているわけではなく、また、その金属を含む層の厚みも極めて小さい。例えば、意匠印刷層22のインキ成分に金属又はその酸化物などが含まれている場合があるが、その金属含有印刷層の厚みは数μm程度である。つまり、連結部材5は、その一部又は全部の厚みが長尺ラベル基材2の金属含有印刷層の厚みよりも大きい。
【0024】
長尺ラベル基材2に金属が含まれている場合であっても、連結部材3は、その長尺ラベル基材2を構成する全ての構成要素よりもX線透過量が小さい層を有している。連結部材3と長尺ラベル基材2をX線にて明確に区別できることから、連結部材3が金属を含む場合、長尺ラベル基材2は、前記連結部材3に含まれる金属を実質的に含まないことが好ましい。なお、長尺ラベル基材2が連結部材3の金属を実質的に含まないとは、長尺ラベル基材2を構成する全ての構成要素の中に、連結部材3の金属が一切含まれていない場合の他、触媒残留物などのように不可避的に金属が残存している場合又は意図しない混入によって金属が含まれている場合を含む意味である。
【0025】
具体的に、本実施形態では、連結部材3のうち少なくともシート31が、長尺ラベル基材2とX線透過量が異なり、好ましくは長尺ラベル基材2のX線透過量よりもX線透過量が小さい。
詳しくは、シート31は、例えば、柔軟性を有する平面視所要形状(例えば、平面視矩形状)の枚葉体である。
シート31の形成材料は、長尺ラベル基材2とは異なるX線透過量を示す層を有していれば特に限定されない。シート31の形成材料は、例えば、1種又は2種以上の金属からなる単層の金属箔又は複層の金属箔、金属以外のフィルムに前記金属箔を積層した金属積層フィルム、金属以外のフィルムに金属蒸着膜を積層した金属蒸着フィルム、金属以外のフィルムに金属含有印刷層を塗工したフィルムなどが挙げられる。連結部材3のシート31は、前記金属箔、金属蒸着膜、金属含有印刷層のような金属層を有していることが好ましい。
前記金属箔の厚みは、特に限定されないが、余りに小さいと、X線を照射した際に長尺ラベル基材2の像と明確に区別し難くなるおそれがあることから、3μm以上が好ましく、さらに、5μm以上がより好ましく、8μm以上がさらに好ましい。他方、金属箔の厚みが余りに大きいと、柔軟性に欠け、ラベル連続体1をロール状に巻き難くなる上、ラベラーを用いたラベルの装着適性が悪くなることから、金属箔の厚みは、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下が特に好ましい。また、前記金属蒸着膜及び金属含有層の厚みは、特に限定されないが、余りに小さいと、X線を照射した際に長尺ラベル基材2の像と明確に区別し難くなるおそれがあることから、0.3μm以上が好ましく、さらに、0.5μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましい。他方、余りに厚い金属蒸着膜などは、製造困難であることから、前記金属蒸着膜及び金属含有層の厚みは、3μm以下が好ましい。
前記金属以外のフィルムは、紙;ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルムなどの合成樹脂製フィルム;などが挙げられる。金属以外のフィルムの厚みは、例えば、10μm〜100μmである。
【0026】
前記金属としては、特に限定されず、様々な金属を用いることができる。特に、連結部材3に含まれる金属としては、アルミニウム及びチタン以外の金属が好ましく、アルミニウム及びチタン以外の金属であって、比重3g/cm以上の金属がより好ましく、さらに、比重5g/cm以上の金属がさらに好ましく、ニッケル及び銅族元素から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。銅族元素としては、銅、銀、金などが挙げられるが、コスト面を考慮すると、銅が好ましい。
連結部材3として金属層を使用する場合、ラベル連続体1をロール状に巻き取った際に、連結部材3に接するラベル連続体1の表面の腐食等を防止するために、連結部材3の金属層の表面を合成樹脂製フィルムで被覆しておくことが好ましい。
【0027】
長尺ラベル基材2には、アルミニウム蒸着膜からなるガスバリア層、アルミニウムを含む銀色インキ印刷層、又は酸化チタンを含む白色インキ印刷層が設けられていることがある。これらの金属含有印刷層の厚みは、上述のように数μmであるため、長尺ラベル基材のX線透過量を低くするほどに緻密に含まれていない。しかし、連結部材3の金属として長尺ラベル基材2の金属含有印刷層と同様の金属(アルミニウム及び/又はチタン)を用いる場合、X線透過量に差をもたらして連結部材3を長尺ラベル基材2から区別するために、連結部材3の厚みを、例えば、長尺ラベル基材2の金属含有印刷層の20倍〜100倍にする必要がある。このように連結部材3が厚くなると、ラベル連続体1をロール状に巻き難くなる上、ラベラーを用いたラベルの装着適性が悪くなる可能性がある。この点、アルミニウム及びチタン以外の金属を含む連結部材3を用いることにより、連結部材3の厚みを非常に大きくしないで、X線を照射した際に、連結部材3と長尺ラベル基材2を混同することなく、連結部材3を長尺ラベル基材2から明確に区別できる。
また、本発明者らの研究によれば、比重が大きいほどX線透過量が低くなるので、長尺ラベル基材2は、その全ての構成要素が比重3g/cm未満が好ましく、さらに、比重2.5g/cm以下が好ましく、特に、比重2g/cm未満が好ましい。前記長尺ラベル基材2の構成要素の比重の下限は、理論上、零を越えるが、一般的には、0.8g/cm以上である。
本明細書において、比重は、20℃の水の密度に対する比重である。
【0028】
前記貼付層32は、従来公知の貼付剤からなる。貼付剤は、長尺ラベル基材2に強固に接着可能なものであれば特に限定されず、公知の粘着剤又は接着剤が挙げられる。
本実施形態では、貼付剤として感圧型粘着剤が用いられ、その粘着剤がシート31の裏面にベタ状に積層されることによって前記貼付層32が形成されている。
なお、上記では、連結部材3のシート31が長尺ラベル基材2とX線透過量が異なるように構成されているが、これに代えて又はこれに併用して、前記貼付層32を長尺ラベル基材2とX線透過量が異なるように構成してもよい。例えば、X線の透過量を低くする上記のような金属を貼付剤に混入して貼付層32を形成してもよい。
【0029】
例えば、銅箔を使用する場合、連結部材3は、PETフィルム(10μm〜50μm)/銅箔(5μm〜30μm)/貼着剤(15μm〜25μm)で構成される。X線透過量の差が大きくなること、ラベル連続体1をロール状に巻いた際に取扱い易くなること、ラベラーを用いたラベルの装着適性が良好であることなどから、連結部材3の全体の厚みは、10μm〜100μmが好ましく、20μm〜80μmがより好ましく、40μm〜60μmがさらに好ましい。
本発明の筒状ラベル連続体11は、図10及び図11に示すように、芯材4の周囲にロール状に巻き取った巻物100の状態で、後述する継ぎ目の数を検知し、保管・運搬に供される。
【0030】
[第2実施形態のラベル連続体]
第2実施形態のラベル連続体は、複数のラベルが連続的に繋がった巻付けラベル連続体である。
図12は、巻付けラベル連続体の平面図(ただし、一部を省略している)で、図13は、その長手方向及び短手方向において切断したときの切り口(切断面)の図である。
図12及び図13において、本実施形態のラベル連続体1は、2つ以上の帯状の長尺ラベル基材2,2が長手方向に並べられ、連結部材3によって継ぎ目Aにおいて繋ぎ合わされた巻付けラベル連続体12である。
本実施形態の長尺ラベル基材2は、少なくとも裏面に意匠印刷層22が設けられた長尺帯状の原反基材21に、感熱性接着剤層23が設けられている。前記感熱性接着剤層23は、感熱性接着剤を原反基材21に塗布することによって形成されている。感熱接着剤層23は、例えば、ラベル連続体1の切断予定線を含む所要幅の領域のみに設けられている。もっとも、感熱接着剤層23は、ラベル連続体1の裏面の全体に設けられていてもよい。感熱性接着剤は、常温で接着性を示す、加熱することによって接着性を発揮する接着剤である。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
この巻付けラベル連続体12(巻付けラベル)は、感熱性接着剤によって被着体に貼り付けられる。巻付けラベルの用途、材質及び構成などは、特開2006−106234や特開2006−330452などに開示されているので、それを参照されたい。
本実施形態のラベル連続体1も、ロール状に巻き取った巻物100の状態で継ぎ目Aの数が検知される。
その他、本発明のラベル連続体は、複数のグルーラベルが連続的に繋がったもの、複数のタックラベルが連続的に繋がったものなどでもよい(いずれも図示せず)。前記グルーラベルは、使用時に粘着剤又は接着剤を塗布するラベルであり、そのため、グルーラベルのラベル連続体には、その裏面に上記感熱性接着剤などは設けられていない。また、前記タックラベルは、予め感圧型粘着剤が設けられているラベルであり、そのため、タックラベルのラベル連続体は、感圧型粘着剤が設けられたタックラベルを仮貼付する長尺状の離型紙を有する。
【0031】
[第3実施形態のラベル連続体]
第3実施形態のラベル連続体は、2つの長尺ラベル基材の端部の間に連結部材を介在させて繋ぎ合わされている。
第3実施形態のラベル連続体13は、図14及び図15に示すように、長尺ラベル基材2,2の端部2c,2dが重ねられ、その間に連結部材3が介在されることにより、連結部材3にて2つの長尺ラベル基材2,2の継ぎ目Aが繋がれている。
連結部材3は、上記第1実施形態と同様に、シート31を有し、そのシート31の一方面に第1貼付層33と、そのシート31の他方面に第2貼付層34と、を有する。第1及び第2貼付層33,34は、上記第1実施形態の連結部材3の貼付層32で示したような粘着剤などから形成できる。
なお、図14及び図15では、長尺ラベル基材2,2として第2実施形態の巻付けラベルを図示しているが、第3実施形態においても、長尺ラベル基材は限定されるわけではない。
第3実施形態のラベル連続体13も、ロール状に巻き取った巻物100の状態で継ぎ目Aの数が検知される。
【0032】
[ラベル連続体の継ぎ目検知方法]
本発明の継ぎ目検知方法は、上記ラベル連続体をロール状に巻き取った状態で、その巻物の任意の方向からX線を照射し、連結部材と長尺ラベル基材とのX線透過量の差に基づいて継ぎ目の数を検知する。
具体的には、図16に示すように、ラベル連続体1の巻物100の一方の側面側にX線照射装置91を配置する。他方、ラベル連続体1の巻物100の他方の側面側に、X線検出器92を配置する。このX線検出器92には、撮像装置(図示せず)が接続されている。X線照射装置91から巻物100にX線を照射する(図16の太矢印)。照射されたX線は、ラベル連続体1の巻物100に当たり、一部のX線が吸収又は反射されつつ、X線がラベル連続体1の巻物100を透過し、透過したX線がX線検出器92で検出される。透過したX線を白抜き矢印で示す。X線検出器92で検出されたX線透過量データが撮像装置に送られ、撮像装置では、X線透過量の大小に従い、画像を作成する。撮像装置としては、印刷機能又は画像表示装置が付随したデジタルカメラなどのコンピュータX線撮影機が挙げられる。なお、撮影方式としては、巻物100をラインカメラにてライン状に撮影しそれらの画像を合成して全体画像を作成する方式であってもよいし、エリアカメラで全体を一時に撮影し全体画像を作成する方式であってもよい。
通常、撮像装置は、X線透過量の大きい箇所を薄い像で、且つX線透過量の小さい箇所を濃い像で表示する。もっとも、X線透過量の大きい箇所を濃い像で、且つX線透過量の小さい箇所を薄い像で表示してもよい。
【0033】
そして、ラベル連続体1の巻物100の全体に、X線を照射し、透過したX線を検出する。X線照射装置91及びX線検出器92が、ラベル連続体1の巻物100に対して一時にX線を照射及び検出できるものを用いた場合には、短時間で画像を作成できる。
X線照射装置91のX線照射部位及びX線検出器92の検出部位が、ラベル連続体1の巻物100よりも小さいものを用いた場合には、X線照射装置及びX線検出器を複数組用いてもよいし、或いは、一組のX線照射装置及びX線検出器を用いてもよい。前記一組を用いる場合、(1)巻物100を固定し、X線照射装置91とX線検出器92を同期させながら巻物100に対して移動させる、(2)X線照射装置91とX線検出器92を固定し、巻物100をX線照射装置91に対して移動させる、又は、(3)X線照射装置91とX線検出器92及び巻物100を相互に移動させる、などにより、ラベル連続体1の巻物100の全体にX線を照射し、透過したX線を検出できる。もっとも、複数組を用いる場合でも、X線照射装置及び/又はX線検出器を移動させてもよい。
ラベル連続体1の巻物100の継ぎ目を検出するための具体的な検知条件としては、例えば、X線照射装置91からX線検出器92までの照射距離を500mm〜1500mm、X線検出器92からラベル連続体1までの距離を10mm〜50mmとし、X線照射装置91の管電圧を50kV〜150kV、管電流を2mA〜10mAに設定する。
【0034】
上述のように、連結部材3の一部又は全部が長尺ラベル基材2とはX線透過量が異なっているので、図17に示すように、連結部材3の存在する箇所が、長尺ラベル基材2,2とは異なる画像として表示される。なお、図面では、像の濃淡は表せないため、連結部材3を太い線で表している。
例えば、連結部材3の一部又は全部が長尺ラベル基材2,2よりもX線透過量が小さい場合には、薄く表れる長尺ラベル基材2,2の像の中に、連結部材3の存在箇所を示す濃い像が表われる。この像の違いにより、1つのラベル連続体1の巻物100の中に、連結部材3が何箇所存在しているかを簡単に読み取ることができる。なお、図示例では、薄い巻き模様画像(長尺ラベル基材2,2)の中に、3つの濃い像が表れていることから、3箇所に連結部材3が存在することが判り、従って、このラベル連続体1は、4つの長尺ラベル基材2,2が3つの継ぎ目Aで繋がれていることが判る。
作成された画像を基にした継ぎ目Aの数の計測は、人が目視によって行ってもよいし、コンピュータで像の濃淡を解析して機械的に行ってもよい。人為的エラーを極力少なくする観点から、前記X線照射装置91、X線検出器92の動作、及び、X線透過量の大小に基づく継ぎ目A(連結部材3)の数の計測は、コンピュータによって自動で行うことが好ましい。なお、コンピュータにて自動で行う場合には、人の視覚で認識するための画像は必ずしも必要ではないので、前記撮像装置を省略することもできる。
【0035】
本発明によれば、継ぎ合わされたラベル連続体1の継ぎ目Aの数を確実に把握できる。従来では、規定長さに満たない長尺ラベル基材を作業者が継ぎ合わせる際に、継ぎ目の数を記録していたが、継ぎ合わせ作業と継ぎ目の数の記録を行わなければならず、また、継ぎ目の数のカウントミスを生じるおそれがあった。
この点、本発明の方法によれば、X線を利用して、出来上がったラベル連続体1の継ぎ目Aの数を計測するので、人為的なミスを防止できる。また、ラベル連続体1を巻物100とした際には、その巻物100の中に連結部材3(継ぎ目A)が埋もれてしまい、その数を計測することはできないが、X線を利用すれば、ラベル連続体1をロール状に巻いた状態で連結部材3を検知できるので、継ぎ目Aの計測作業を容易に行える。
また、本発明によれば、作業者が、継ぎ合わせ作業と継ぎ目Aの数の記録を行った後、別の検品者が、X線を利用してそのラベル連続体1の継ぎ目Aの数を計測することもできる。つまり、検品者が、作業者のカウント数と計測数とを照合することにより、継ぎ目Aの数の正確をより高めることもできる。また、巻物を提供された使用者が、別途、X線を利用して、提供された巻物の継ぎ目Aの数を計測することもできる。
【0036】
なお、上記実施形態では、X線を照射し、画像を作成する手段として、X線検出器92と撮像装置を用いているが、これに代えて、写真乾板又は写真フィルムを用いてもよい。
また、本発明の方法は、繋ぎ合わされたラベル連続体1のみならず、繋ぎ目のないラベル連続体に対して行ってもよい。繋ぎ目のないラベル連続体にX線を照射した際には、連結部材が検知できないので、繋ぎ目がないことを確認できる(つまり、繋ぎ目の数が零のラベル連続体であることを確認できる)。
【符号の説明】
【0037】
1…ラベル連続体、11…筒状ラベル連続体、2…長尺ラベル基材、3…連結部材、31…連結部材のシート、32…連結部材の貼付層、4…芯材、100…ラベル連続体の巻物、91…X線照射装置、92…X線検出器、A…継ぎ目
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17