(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6265845
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】回転式資機材搬入装置
(51)【国際特許分類】
E21D 7/02 20060101AFI20180115BHJP
E21D 9/06 20060101ALI20180115BHJP
E21D 11/40 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
E21D7/02
E21D9/06 301Z
E21D11/40 Z
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-129910(P2014-129910)
(22)【出願日】2014年6月25日
(65)【公開番号】特開2016-8436(P2016-8436A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2017年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000195971
【氏名又は名称】西松建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000420
【氏名又は名称】特許業務法人エム・アイ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康之
(72)【発明者】
【氏名】坪井 広美
(72)【発明者】
【氏名】大江 郁夫
【審査官】
苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】
特開平7−208070(JP,A)
【文献】
特開昭63−110399(JP,A)
【文献】
特開平10−266800(JP,A)
【文献】
特開平7−71197(JP,A)
【文献】
特開平7−102898(JP,A)
【文献】
米国特許第5513903(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 1/00〜 9/14
E21D 11/00〜 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立坑壁面において略円周上に並ぶN個(Nは2以上の整数。以下、同様)の発進位置からN台のシールドマシンを発進させてN本のシールドトンネルを形成するトンネル工事において、各シールドトンネルの形成に使用される資機材を搬入しうる装置であって、
略円筒状のN個の搬送用ユニットと、
N個の前記搬送用ユニットが略円周上に並んで固定される回転構造体であって、N個の該搬送用ユニットの位置がN個の前記発進位置に概ね合致するように固定される、回転構造体と、
前記回転構造体を前記立坑壁面に対向する形で回転自在に固定するための手段と、
前記回転構造体を回転させる手段と、
を含む、
回転式資機材搬入装置。
【請求項2】
前記搬送用ユニットは、
前記回転構造体に対して円筒の周方向に回転自在に固定され、
資機材を荷積みするための上部開口部と、
運搬台車を載置する手段と、
前記回転構造体の回転に応じて水平状態を維持する手段と、
を備える、
請求項1に記載の回転式資機材搬入装置。
【請求項3】
前記搬送用ユニットは、両端開放円筒状の形状を有する
請求項1または2に記載の回転式資機材搬入装置。
【請求項4】
前記搬送用ユニットには、前記運搬台車を載置する手段として該運搬台車が走行するためのレールが固定される、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転式資機材搬入装置。
【請求項5】
シールドトンネル工事用の立坑に構築される工事用構造物であって、
前記立坑の切羽方向前方壁面に沿って構築される第1の架台と、
前記第1の架台に対向して設置される請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転式資機材搬入装置と、
を備え、
前記回転式資機材搬入装置の回転に伴って、前記搬送用ユニットの位置が順次前記第1の架台の作業床の位置に概ね合致することを特徴とする、
工事用構造物。
【請求項6】
前記立坑の切羽方向後方壁面に沿って構築される第2の架台をさらに含み、
前記回転式資機材搬入装置は、前記第1の架台と前記第2の架台の間に配置され、
前記回転式資機材搬入装置の回転に伴って、前記搬送用ユニットの位置が順次前記第1の架台の作業床の位置および前記第2の架台の作業床の位置に概ね合致することを特徴とする、
請求項5に記載の工事用構造体。
【請求項7】
前記立坑の上方に前記回転式資機材搬入装置の上方で停止する前記搬送用ユニットに資機材を荷積みするためのリフトが設置される、
請求項5または6に記載の工事用構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資機材を搬入するための装置に関し、より詳細には、シールドトンネル工事において複数のパイロットトンネルに対して資機材を搬入するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
都市部のインフラとして広く用いられているシールドトンネルは、近年、ますます大深度化する傾向にある。このようなシールドトンネルの分合流部を非開削で施工する手法として、複数のパイロットトンネルによって安定的な円形の外殻を構築した上で、その内部に分合流部を構築する方法が考案されている。
【0003】
立坑壁面の複数の異なる位置からシールドマシンを発進させて複数のパイロットトンネルを掘削することに関して、特開平7−208070号公報(特許文献1)は、シールドマシンを発進するための架台の組立・解体コストを低減することを企図して、シールドマシンを架台ごと円軌道に沿って所望する発進位置まで移動させる搬送装置を開示する。
【0004】
確かに、特許文献1によれば、複数の発進位置を確保するために架台の組立・解体を繰り返す必要はなくなるが、次に、複数のシールドマシンに対する資機材の供給方法が問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−208070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
工期を短縮するためには、複数のシールドマシンに対して同時並行的にセグメントなどの資機材を供給することが求められる。ここで、複数のシールドマシンに対して同時並行的に資機材を供給するために採用されている従来の方法を
図8および
図9に基づいて説明する。
【0007】
図8(a)は、従来法を採用したシールドトンネル工事の立坑300を上から覗いた様子を模式的に示し、
図8(b)は、当該立坑300を側面から透視した様子を模式的に示す。また、
図9(a)、(b)および(c)は、それぞれ、
図8(a)に示すA−A’線、B−B’線、およびC−C’線の断面図を示す。
【0008】
図9(a)に示すように、12本のパイロットトンネルで円形の外殻を構築する場合、同じ高さの2つのトンネルに同じ高さの作業床を用意するとすれば、全部で6段の作業床が必要になるが、この場合、
図8(b)、
図9(b)、(c)に示すように、上3段の作業床(1〜3段目作業床)と下3段の作業床(4〜6段目作業床)を切羽方向にずらして配置する必要がある。なぜなら、1〜3段目作業床と4〜6段目作業床を鉛直方向に重ねて配置すると、4〜6段目作業床に資機材を供給することができなくなるからである。そのため、従来法では、立坑300の切羽方向の寸法Lが大きなってしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、立坑寸法を大きくすることなく、鉛直方向上下に位置するトンネルに対して同時並行的に資機材を供給することを可能にする新規な資機材搬入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、立坑寸法を大きくすることなく、鉛直方向上下に位置するトンネルに対して同時並行的に資機材を供給するための構成につき鋭意検討した結果、以下の構成に想到し、本発明に至ったのである。
【0011】
すなわち、本発明によれば、立坑壁面において略円周上に並ぶN個(Nは2以上の整数。以下、同様)の発進位置からN台のシールドマシンを発進させてN本のシールドトンネルを形成するトンネル工事において、各シールドトンネルの形成に使用される資機材を搬入しうる装置であって、略円筒状のN個の搬送用ユニットと、N個の前記搬送用ユニットが略円周上に並んで固定される回転構造体であって、N個の該搬送用ユニットの位置がN個の前記発進位置に概ね合致するように固定される、回転構造体と、前記回転構造体を前記立坑壁面に対向する形で回転自在に固定するための手段と、前記回転構造体を回転させる手段と、を含む、回転式資機材搬入装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
上述したように、本発明によれば、立坑寸法を大きくすることなく、鉛直方向上下に位置するトンネルに対して同時並行的に資機材を供給することを可能にする新規な資機材搬入装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態の回転式資機材搬入装置を示す図。
【
図2】本実施形態の搬送用ユニットの構成を示す図。
【
図4】本実施形態の回転式資機材搬入装置を含む工事用構造物を示す図。
【
図5】本実施形態の回転式資機材搬入装置を含む工事用構造物を示す図。
【
図6】本実施形態の回転式資機材搬入装置を使用した資機材の搬入態様を説明するための図。
【
図7】本実施形態の回転式資機材搬入装置を使用した資機材の搬入態様を説明するための図。
【
図8】従来のシールドトンネル工事の立坑に構築される架台を示す図。
【
図9】従来のシールドトンネル工事の立坑に構築される架台を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を図面に示した実施の形態をもって説明するが、本発明は、図面に示した実施の形態に限定されるものではない。なお、以下に参照する各図においては、共通する要素について同じ符号を用い、適宜、その説明を省略するものとする。
【0015】
図1は、本発明の実施形態である回転式資機材搬入装置100を示す。なお、
図1(a)は回転式資機材搬入装置100の正面図を示し、
図1(b)はその側面図を示す。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の回転式資機材搬入装置100は、複数の搬送用ユニット10と、搬送用ユニット10を矢印方向に周回搬送するための回転構造体20と、回転構造体20を回転自在に軸支した状態で地盤に固定する支持体30と、回転構造体20を回転させるための回転動力伝達手段40とを含んで構成されている。なお、
図1に示した回転式資機材搬入装置100は、立坑壁面において略円周上に並ぶ12個の発進位置から12台のシールドマシンを発進させて12本のシールドトンネル(パイロットトンネル)を形成するトンネル工事において、各シールドトンネルの形成に使用されるセグメント等の資機材を同時並行的に搬入しうるように、12個の搬送用ユニット10を備えている。
【0017】
ここで、回転構造体20は、
図1(b)に示すように、対向する2つの回転輪22,22を複数の支柱21を介して平行に連結した構造を備えており、各回転輪22は、
図1(a)に示すように、円輪状枠体23とこれより小さい径を持つ円輪状枠体24が同心円となるように配置した状態で、さらに径の小さい12個の円輪状枠体26を円輪状枠体23と円輪状枠体24の間に配置して固設してなる構造を有している。
【0018】
また、回転構造体20は、円輪状枠体24の内側に形成された複数の支柱25を介して支持体30の軸32に回転自在に軸支されており、回転構造体20の直下には、回転構造体20を矢印方向に回転させるための回転動力伝達手段40が配置されている。回転動力伝達手段40は、円輪状枠体23の外周面に当接する複数のタイヤ42を備えており、タイヤ42が回転することによって回転構造体20に回転力が付与されるように構成されている。
【0019】
続いて、搬送用ユニット10の詳細な構成を
図2に基づいて説明する。なお、
図2(a)、(b)および(c)は、それぞれ、搬送用ユニット10の正面図、側面図および上面図を示す。
【0020】
本実施形態における搬送用ユニット10は、
図2(b)に示すように、対向する2つの円輪状枠体12,12を複数の支柱13を介して平行に連結するとともに、複数の支柱13を上部を切り欠いた複数の円輪状枠体14で補強してなる略両端開放円筒状の外形を備えている。そして、搬送用ユニット10においては、略円筒状のユニットの上部に支柱13を架け渡さないことで、ユニットの上方から資機材を荷積みするための上部開口部が形成されている。また、2つの円輪状枠体12,12の外周面内側には、後述する駆動歯車に噛み合うピッチを備えた歯車12aが形成されている。
【0021】
さらに、2つの円輪状枠体12,12の間に架け渡された複数の支柱13のうち、搬送用ユニット10の底部に位置する2本の支柱13a,13bに対して、これに略垂直方向に架け渡す形で複数の枕木15が固定されており、枕木15の上に運搬台車50が走行するためのレール16が固定されている。
【0022】
加えて、搬送用ユニット10は、その2つの円輪状枠体12,12のそれぞれの外周面外側(歯が形成されていない領域)が、
図1に示した回転構造体20の対向する2つの円輪状枠体26,26のそれぞれの内周面に適切な軸受機構を介して、搬送用ユニット10(円筒)の周方向に回転自在に嵌合されている。
【0023】
ここで、
図1(a)において点線で囲んだ範囲を
図3に拡大して示す。
図3に示すように、本実施形態においては、円輪状枠体24の内周面に駆動歯車28が設けられており、駆動歯車28の回転動力が搬送用ユニット10(円輪状枠体12)の外周面に形成された歯車12aを介して伝達されるように構成されている。ここで、搬送用ユニット10には、傾斜センサ(図示せず)が搭載されており、回転構造体20の回転に伴って、傾斜センサが搬送用ユニット10の傾きを感知した場合に、その傾斜を解消する方向に駆動歯車28を回転制御するように構成されている。その結果、本実施形態においては、回転構造体20の回転に応じて、搬送用ユニット10の水平状態が常に維持される。
【0024】
以上、本実施形態の回転式資機材搬入装置100の構成について説明してきたが、
図1〜
図3に示した内容は、説明のための例示的構造であって、種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。例えば、搬送用ユニットの数は掘削するトンネルの数N(Nは2以上の整数)に応じて任意の数とすることができる。また、回転構造体20を立坑に対向する形で固定しうる手段であれば、どのような手段を採用してもよく、上述した支持体30に代えて、立坑の前後壁面に掛け渡した回転軸に回転構造体20を回転自在に軸支するなどの構成を採用することもできる。また、回転構造体20を回転させるための手段は、回転構造体20に回転動力を伝達する手段であればどのような手段であってもよい。さらに、上述した実施形態では、運搬台車を載置する手段として搬送用ユニットの底部にレールを敷設する態様を示したが、運搬台車がタイヤ式の場合は、搬送用ユニットの底部に床板を架け渡せばよい。
【0025】
続いて、12本のシールドトンネル(パイロットトンネル)を同時並行的に掘削する工事において、回転式資機材搬入装置100を使用して資機材を搬入する手順を説明する。
【0026】
図4(a)は、シールドトンネル工事の立坑200内に本実施形態の回転式資機材搬入装置100を使用して構築される工事用構造物を上から覗いた様子を模式的に示し、
図4(b)は、当該構造物を側面から透視した様子を模式的に示す。また、
図5(a)、(b)および(c)は、それぞれ、
図4(a)に示すA−A’線、B−B’線、およびC−C’線の断面図を示す。
【0027】
図4に示すように、本実施形態においては、立坑200内に2つの架台が構築される。具体的には、立坑200内の切羽方向前方壁面に沿って架台1が構築され、立坑200内の切羽方向後方壁面に沿って架台2が構築される。
図4および
図5に示す例では、架台1に複数の運搬台車50が停車しており、架台2が運搬台車50を運搬するためのバッテリー機関車60の待避場所として使用されている。
【0028】
12本のシールドトンネルを同時並行的に掘削する工事では、同じ高さの2つのトンネルについて同じ高さの作業床を用意する場合、架台2および架台1において、少なくとも6段の作業床が必要になるところ、本実施形態においては、
図4および
図5に示すように、6段の作業床を鉛直方向に重ねて構築する。その結果、
図5(a)、(c)に示すように、6つの作業床(No.4、No.3、No.1、No.2、No.8、No.9)のそれぞれの鉛直方向下方に、6つ作業床(No.5、No.6、No.7、No.12、No.11、No.10)が配置されることになる。
【0029】
一方、本実施形態の回転式資機材搬入装置100は、立坑200内に構築された架台2と架台1の間に両者に対向する形で設置され、回転構造体20の回転に伴って、12個の搬送用ユニット10の位置が順次12個の作業床の位置に概ね合致するように構成されている。
【0030】
そして、搬入作業に際しては、
図5(b)に示すように、回転式資機材搬入装置100の上方から資機材を荷積みする。本実施形態においては、例えば、立坑200の上に設置された橋形クレーンから、回転式資機材搬入装置100の上方で停止する搬送用ユニット10の開口部(
図2参照)に向けて資機材を降ろすことで荷積みすることができる。
【0031】
また、本実施形態によれば、立坑200上に少なくとも一箇所の荷積位置を確保するだけで、複数のシールドトンネルに対して資機材を連続的に搬入することができるので、地上の占有面積が限られている現場に好適である。この場合、その荷積位置に資機材搬入用の高速リフトを設置すれば、クレーンによる搬入に比較して、より大量の資機材を高速・安全に搬入することが可能になる。
【0032】
次に、搬送用ユニット10に荷積みされた資機材を架台1の作業台に搬入する態様を
図6および
図7に基づいて説明する。なお、
図6および
図7においては、説明の便宜上、搬送用ユニット10のみを示し、回転式資機材搬入装置100のその余の構造の図示を省略している。
【0033】
図6(a)に示すように、資機材を荷積した搬送用ユニット10は、回転構造体20の回転に伴って円軌道上を周回する。そして、
図6(b)に示すように、搬送用ユニット10の位置が目的の作業床の位置に合致したところで回転構造体20の回転を停止する。
【0034】
回転構造体20の回転が停止すると、次に、搬送用ユニット10内に敷設されたレール16と架台2および架台1の双方に敷設されたレール45,45とが適切な機構によって連結される。これを受けて、架台2の作業台に待避していた機関車60が連結されたレールを走行して搬送用ユニット10内に進入し、資機材を積載した運搬台車50を搬送用ユニット10から架台1の作業台上に運び出す。その後、機関車60は、運搬台車50を掘削中のトンネル先端部まで運搬し、資機材を荷下ろして空になった運搬台車50を牽いて再び作業台に戻ってくる。
【0035】
今度は、空の搬送用ユニット10が周回してくるのを待ち、空の搬送用ユニット10の位置が目的の作業床の位置に合致したところで回転式資機材搬入装置100の回転を停止し、搬送用ユニット10に敷設されたレール16と架台2および架台1の双方に敷設されたレール45,45を連結する。これを受けて、機関車60が空の運搬台車50を牽引しながら搬送用ユニット10内に進入した後、空の運搬台車50を搬送用ユニット10内に残して、自身は搬送用ユニット10から架台2の作業台に待避する。その後、回転構造体20を再び回転させ、空の運搬台車50を載せた搬送用ユニット10を回転式資機材搬入装置100上部の荷積位置まで移動させる。そして、そこでまた、搬送用ユニット10内の運搬台車50に新たな資機材が荷積みされる。
【0036】
以上、説明した手順を繰り返すことで、12の作業床に対して同時並行的に資機材を供給することが可能になり、特に、鉛直方向上下に位置する2つの作業床(例えば、No.1とNo.7、No.3とNo.6、No.4とNo.5、No.2とNo.12、No.8とNo.11、No.9とNo.10)に対して同時並行的に資機材を供給することが可能になる。つまり、このことが、上段の作業台と下段の作業台を切羽方向にずらして構築する必要を無くし、その結果、立坑寸法Lが最小化される。
【0037】
なお、回転式資機材搬入装置100は、セグメントの搬入の他、シールドマシン組み立てに必要な資機材の搬入に使用することができる。この場合、各作業床で複数のシールドマシンを同時並行的に組み立てることができ、組み立てたシールドマシンを使用して、複数のパイロットトンネルを同時並行的に掘削することができる。また、上述した実施形態では、専ら、回転式資機材搬入装置100を利用した資機材の搬入について述べたが、回転式資機材搬入装置100が資機材や坑内ずりの立坑200外への搬出に使用できることはいうまでもない。
【0038】
以上、本発明について実施形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その他、当業者が推考しうる実施態様の範囲内において、本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0039】
10…搬送用ユニット、12…円輪状枠体、13…支柱、14…円輪状枠体、15…枕木、16…レール、20…回転構造体、21…支柱、22…回転輪、23…円輪状枠体、24…円輪状枠体、25…支柱、26…円輪状枠体、28…駆動歯車、30…支持体、32…軸、40…回転動力伝達手段、42…タイヤ、45…レール、50…運搬台車、60…機関車、100…回転式資機材搬入装置、200…立坑、300…立坑