特許第6265854号(P6265854)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6265854化粧パネル、押え縁、及び該化粧パネルと該押え縁とを備える化粧部材キット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6265854
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】化粧パネル、押え縁、及び該化粧パネルと該押え縁とを備える化粧部材キット
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20180115BHJP
【FI】
   E04F13/08 G
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-149116(P2014-149116)
(22)【出願日】2014年7月22日
(65)【公開番号】特開2016-23485(P2016-23485A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2016年2月24日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年2月カタログ「エバーアートボード事例集」、「PROEX庭PRO」に掲載
(73)【特許権者】
【識別番号】592089755
【氏名又は名称】株式会社タカショー
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100117097
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 充浩
(72)【発明者】
【氏名】高岡 伸夫
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−206376(JP,A)
【文献】 特開2005−067175(JP,A)
【文献】 特開昭62−275771(JP,A)
【文献】 特開2004−143762(JP,A)
【文献】 特開2012−076356(JP,A)
【文献】 特開昭61−040964(JP,A)
【文献】 特開2002−120331(JP,A)
【文献】 特開2007−016545(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0077922(US,A1)
【文献】 実開平04−090629(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/08
E04F 13/07
E04F 19/02
E04F 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧パネルと、前記化粧パネルを壁面に固定する押え縁とを備えた化粧部材キットであって、
前記化粧パネルは、平板状のパネル本体と、前記パネル本体の一面に貼付される化粧シートと、を有し、前記化粧シートは、内側となる樹脂製の基層と、前記基層の表面に模様を印刷した印刷層と、前記印刷層を覆う透明樹脂製の保護層と、を含み、前記模様が、木壁、竹壁、石壁、又は土壁の実物を写真撮影して得られた画像からなり、
前記押え縁は、前記化粧パネルの端縁を支持するとともに壁面に固着される長尺状の押え縁本体と、前記押え縁本体を目隠しするとともに前記化粧パネルの表面より突出するよう設けられる複数の縁カバーと、を有し
前記押え縁本体は、その長手方向に平行に延びるよう設けられた、前記縁カバーを係合するための4本の係合条を含み、前記4本の係合条を前記押え縁本体の幅方向の一端から順に第1係合条、第2係合条、第3係合条、及び第4係合条とすると、第1係合条と第3係合条が同形状をなし、第2係合条と第4係合条が同形状をなしており、
前記複数の縁カバーは、前記第1係合条と前記第2係合条に係合する縁カバーと、前記第3係合条と前記第4係合条に係合する縁カバーと、前記第1係合条と前記第4係合条に係合する縁カバーとを含むことを特徴とする化粧部材キット。
【請求項2】
前記化粧パネルは、前記模様が木壁、又は竹壁を写真撮影して得られた画像からなり、
前記保護層の表面に、木、又は竹の繊維を表現する多数の平行なライン状エンボス加工を有する請求項1に記載の化粧部材キット。
【請求項3】
前記化粧パネルは、前記模様が石壁、又は土壁を写真撮影して得られた画像からなり、
前記保護層の表面に、石、又は土の粒子を表現する多数の点状エンボス加工を有する請求項1に記載の化粧部材キット。
【請求項4】
化粧パネルと、前記化粧パネルを壁面に固定する押え縁とを備えた化粧部材キットであって、
前記化粧パネルは、平板状のパネル本体と、前記パネル本体の一面に貼付される化粧シートと、を有し、前記化粧シートは、内側となる樹脂製の基層と、前記基層の表面に模様を印刷した印刷層と、前記印刷層を覆う透明樹脂製の保護層と、を含み、前記模様が、木壁、竹壁、石壁、又は土壁の実物を写真撮影して得られた画像からなり、
前記押え縁は、前記化粧パネルの端縁を支持するとともに壁面に固着される長尺状の押え縁本体と、前記押え縁本体を目隠しするとともに前記化粧パネルの表面より突出するよう設けられる縁カバーと、を有し
前記押え縁本体は、樋状の長尺状部材からなり、底壁と、底壁の幅方向の両端縁に底壁に対し垂設され化粧パネルの端面に当接する化粧パネル端面当接壁と、化粧パネル端面当接壁に連続し底壁に対し平行に設けられ化粧パネル端部の外面を押さえつける化粧パネル外面押圧壁と、化粧パネル外面押圧壁の幅方向の外側端縁に連続して化粧パネル外面押圧壁に垂直に前記底壁と反対方向に延出し前記縁カバーに係合する係合用壁とを備え、
前記係合用壁は、前記押え縁本体の幅方向の内側となる内面に係合凸条を有し、
前記縁カバーは、半筒形状をなす外壁と、前記外壁の内側にその長手方向に延びるよう設けられ断面が略L字のリブ状に形成された係止用リブとを備え、前記係止用リブは、前記外壁の内面から前記外壁の幅方向に平行に前記外壁の内側へ延出する基部と前記基部の先端縁から前記外壁の開口側へ前記基部に垂直に延出する係合用壁とを有し、前記係合用壁の先端部には、前記縁カバーの幅方向の外側となる面に前記押え縁本体の係合凸条に係合する縁カバーの係合凸条が設けられ、
前記縁カバーは、外壁の開口側端縁を外側から指でつまんで前記縁カバーの係合凸条を内側へ撓ませ、前記押え縁本体から取り外し可能なことを特徴とする化粧部材キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、家屋の内壁や外壁、天井等に貼設する化粧パネルと、該化粧パネルを設置面に固定する押え縁と、この化粧パネルと押え縁を備えた化粧部材キットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、店舗や家屋用の建材として、竹や木目を印刷した化粧シートに立体感を持たせるため、凹凸を設けた基材に化粧シートを貼着した化粧パネルが各種提案され、例えば、特許文献1には、竹垣状に凹凸を設けたパネル本体に、竹垣様の模様を付した「合成樹脂製古竹垣パネル」が提案され、特許文献2には、板塀を形成する長板を幅方向に凹凸を繰り返す波型に形成し、該凹凸の延びる方向に不平行な明暗模様を施した「建築用パネル」が提案されている。
【0003】
ところが、特許文献1や特許文献2に記載のパネルは、パネル本体の凹凸により切断加工や壁への貼設に手間がかかるという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−349099号公報
【特許文献2】特開2007−70975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、加工や貼設に手間がかからず、かつ立体感を十分に醸し出すことが可能な化粧パネル、押え縁、及び化粧部材キットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた発明は、化粧パネルと、前記化粧パネルを壁面に固定する押え縁とを備えた化粧部材キットであって、前記化粧パネルは、平板状のパネル本体と、前記パネル本体の一面に貼付される化粧シートと、を有し、前記化粧シートは、内側となる樹脂製の基層と、前記基層の表面に模様を印刷した印刷層と、前記印刷層を覆う透明樹脂製の保護層と、を含み、前記模様が、木壁、竹壁、石壁、又は土壁の実物を写真撮影して得られた画像からなる
【0007】
このように、本発明の化粧部材キットでは、化粧パネルが、平板状のパネル本体に化粧シートを貼設した構成を有するため、切断加工や壁への取り付けが容易である。また、化粧シートの模様が、木壁、竹壁、石壁、又は土壁の実物を写真撮影した画像からなるため、パネル本体が平板状でありながら、十分に立体感を醸し出すことができる。
尚、ここで「木壁、竹壁、石壁、又は土壁」とは、地面に垂直な壁に限らず、天井壁や床壁を含むものとする。
【0008】
また、本発明の化粧部材キットは、前記押え縁が、前記化粧パネルの端縁を支持するとともに壁面に固着される長尺状の押え縁本体と、前記押え縁本体を目隠しするとともに前記化粧パネルの表面より突出するよう設けられる複数の縁カバーと、を有している。
このように、押え縁本体が、縁カバーにより目隠しされることで、縁カバーが見えることによるリアリティーの減少を抑制することができる。また、縁カバーを実際に化粧パネルの表面より突出するよう設けることで、見る者が、壁面の画像も実際に凹凸を有するかのように錯覚を起こすため、化粧パネルにより立体感を持たせることができる。
尚、縁カバーに、化粧パネルに同調した模様を施すことにより、壁面の模様の全体の風合いを統一して意匠性を高めることができる。
【0009】
そして、本発明の化粧部材キットは、前記押え縁本体が、その長手方向に平行に延びるよう設けられた、前記縁カバーを係合するための4本の係合条を含み、前記4本の係合条を前記押え縁本体の幅方向の一端から順に第1係合条、第2係合条、第3係合条、及び第4係合条とすると、第1係合条と第3係合条が同形状をなし、第2係合条と第4係合条が同形状をなしており、前記複数の縁カバーは、前記第1係合条と前記第2係合条に係合する縁カバーと、前記第3係合条と前記第4係合条に係合する縁カバーと、前記第1係合条と前記第4係合条に係合する縁カバーとを含むことを特徴とする。
こうすることで、第1係合条と第2係合条を使って細い1本の縁カバーを係止し第3係合条と第4係合条を使って同じく細い縁カバーを係止して合わせて細い2本の縁カバーを係止したり、第1係合条と第4係合条を使って1本の太い縁カバーを係止したりできるため、押え縁本体の種類を増やすことなく、壁面の意匠を多様に構成することができる。
【0010】
前記化粧パネルは、前記模様が木壁、又は竹壁を写真撮影して得られた画像からなり、
前記保護層の表面に、木、又は竹の繊維を表現する多数の平行なライン状エンボス加工を有することが好ましい。こうすることで、ライン状エンボス加工に反射する光により、実物の竹壁や木壁の表面により近い質感を醸し出すことができる。
【0011】
前記化粧シートの模様が、石壁、又は土壁を写真撮影して得られた画像からなる場合は、前記保護層の表面に、石、又は土の粒子を表現する多数の点状エンボス加工を有することが好ましい。こうすることで、天井エンボス加工に反射する光により、実物の石壁や土壁の表面により近い質感を醸し出すことができる。
【0012】
本発明は、化粧パネルと、前記化粧パネルを壁面に固定する押え縁とを備えた化粧部材キットであって、前記化粧パネルが、平板状のパネル本体と、前記パネル本体の一面に貼付される化粧シートと、を有し、前記化粧シートは、内側となる樹脂製の基層と、前記基層の表面に模様を印刷した印刷層と、前記印刷層を覆う透明樹脂製の保護層と、を含み、前記模様が、木壁、竹壁、石壁、又は土壁の実物を写真撮影して得られた画像からなり、
前記押え縁は、前記化粧パネルの端縁を支持するとともに壁面に固着される長尺状の押え縁本体と、前記押え縁本体を目隠しするとともに前記化粧パネルの表面より突出するよう設けられる縁カバーと、を有し、前記押え縁本体が、樋状の長尺状部材からなり、底壁と、底壁の幅方向の両端縁に底壁に対し垂設され化粧パネルの端面に当接する化粧パネル端面当接壁と、化粧パネル端面当接壁に連続し底壁に対し平行に設けられ化粧パネル端部の外面を押さえつける化粧パネル外面押圧壁と、化粧パネル外面押圧壁の幅方向の外側端縁に連続して化粧パネル外面押圧壁に垂直に前記底壁と反対方向に延出し前記縁カバーに係合する係合用壁とを備え、当該係合壁が以下の特徴を有するものを含む。
【0013】
即ち、当該係合用壁は、前記押え縁本体の幅方向の内側となる内面に係合凸条を有し、前記縁カバーは、半筒形状をなす外壁と、前記外壁の内側にその長手方向に延びるよう設けられ断面が略L字のリブ状に形成された係止用リブとを備え、前記係止用リブは、前記外壁の内面から前記外壁の幅方向に平行に前記外壁の内側へ延出する基部と前記基部の先端縁から前記外壁の開口側へ前記基部に垂直に延出する係合用壁とを有し、前記係合用壁の先端部には、前記縁カバーの幅方向の外側となる面に前記押え縁本体の係合凸条に係合する縁カバーの係合凸条が設けられ、前記縁カバーは、外壁の開口側端縁を外側から指でつまんで前記縁カバーの係合凸条を内側へ撓ませ、前記押え縁本体から取り外し可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明の化粧パネル、押え縁、又は化粧部材キットによれば、加工や貼設に手間をかけずに、立体感を十分に醸し出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る化粧部材キットの一部を分解して示した斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る化粧パネルの模式的断面図である。
図3図1に示した化粧部材キットの押え縁周辺を示す側面図である。
図4図3に示した押え縁の縁カバーの外壁を幅方向の外側から押さえつけて変形させた様子を示す側面図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る化粧部材キットの一部を分解して示した斜視図である。
図6図5に示した化粧部材キットの押え縁周辺を示す側面図である。
図7】本発明の第3実施形態に係る化粧部材キットの一部を分解して示した斜視図である。
図8図7に示した化粧部材キットの押え縁周辺を示す側面図である。
図9】本発明の第4実施形態に係る化粧部材キットの一部を分解して示した斜視図である。
図10】本発明の第5実施形態に係る化粧部材キットの一部を分解して示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、適宜図面を用いながら本発明の実施形態について詳述する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る化粧部材キット100を示している。化粧部材キット100は、化粧パネル10と、押え縁20と、を備えている。
【0017】
化粧パネル10は、図2に示すように、パネル本体11とパネル本体11の表面に化粧シート12が貼着されて形成される。パネル本体11は、樹脂製の芯材11aと、芯材11aの両面に貼付される補強板11bとを有している。
【0018】
芯材11aとしては、特に限定されず、公知の樹脂を適宜用いることができ、発泡ポリエチレン等の発泡樹脂を好ましく用いることができる。
【0019】
補強板11bとしては、芯材11aを補強するのに十分な強度を有する板材であれば特に限定されず、樹脂板や金属板の他公知の材料を適宜用いることができ、軽くて加工性に富むアルミニウム板が好ましい。
【0020】
化粧シート12は、塩化ビニール等の軟質樹脂からなる基層12aと、基層12aの外面にグラビア印刷により設けられる印刷層12bと、アクリル樹脂等の透明樹脂からなり印刷層12bを覆う保護層12cとを備えている。
【0021】
印刷層12bには、竹を平たく手打ちで割りのばしたいわゆる竹ひしぎを用いた竹壁の実物をスキャナーで撮影した写真(図1参照)が印刷されている。そして、保護層12cの外面には、竹の長手方向に沿って、平行な多数のライン状のエンボス加工12dが施される。印刷層12bとしては、竹壁の他、木壁、石壁、又は土壁の画像を用いることができ、木壁の画像を模様として用いる場合は、保護層12cに竹壁同様の平行な多数のライン状のエンボス加工12dが施され、石壁や土壁の画像を用いる場合には、保護層12bに多数の点状のエンボス加工12dが施される。
【0022】
押え縁20は、図1図3に示すように、長尺状の押え縁本体30と、押え縁本体30を目隠しする縁カバー40とを備えている。
【0023】
押え縁本体30は、アルミニウムを押出し成形した略樋状の長尺状部材からなり、図3に示すように、底壁31と、底壁31の幅方向の両端縁に底壁31に対し垂設され化粧パネル10の端面に当接する化粧パネル端面当接壁32と、化粧パネル端面当接壁32に連続し底壁31に対し平行に設けられ化粧パネル10端部の外面を押さえつける化粧パネル外面押圧壁33と、化粧パネル外面押圧壁33の幅方向の外側端縁に連続して化粧パネル外面押圧壁33に垂直に底壁31と反対方向に延出する係合用壁34とを備えている。
そして、押え縁本体30は、化粧パネル10を貼設する壁面Aに木ネジ等で底壁30を固定することにより壁面Aに固着されるとともに化粧パネル外面押圧壁33により化粧パネル10の端縁を支持する。
また、押え縁本体30の係合用壁34端縁の開口部35側の端縁部の内面には、後述する縁カバー40の係合凸条44aに係合する係合凸条34aを有している。
【0024】
縁カバー40は、略半円筒形状をなす外壁41と、外壁41の内側に設けられる断面が略L字のリブ状に形成された係止用リブ42とを備えている。係止用リブ42は、外壁41の内面から外壁41の幅方向に平行に外壁41の内側へ延出する基部43と基部43の先端縁から外壁41の開口側へ基部43に垂直に延出する係合用壁44とを備えている。係合用壁44の先端部には、縁カバー40の幅方向の外側となる面に押え縁本体30の係合凸条34aに係合する係合凸条44aが設けられている。
【0025】
縁カバー40の外壁41の外面には、竹を写真撮影して得られた模様が付された化粧シートが樹脂接着剤により貼付されている。
【0026】
第1実施形態の化粧部材キット100を壁Aに貼設する場合は、図3に示すように、化粧パネル10を壁Aの所望の位置に接着剤で仮止めし、次に押え縁本体30の一方の化粧パネル外面押圧壁33により化粧パネル10の端縁の外面を押さえつけるようにして、底壁31を壁Aに木ネジ(不図示)等で固定する。しかる後、押え縁本体30の係合用壁34の係合凸条34aに縁カバー40の係合用壁44の係合凸条44aを係合させるようにして、押え縁本体30に縁カバー40を取り付ける。
【0027】
図4に示すように、縁カバー40の外壁41の開口側端縁41aは、外側から指でつまむと、係合凸条44aの高さ程度内側へ撓ませることができ、縁カバー40を押え縁本体30から取り外す際には、外壁41の両方の開口側端縁41aを外側から指でつまむことで、容易に縁カバー40をスライドさせたり押え縁本体30から取り外すことができる。
【0028】
壁Aに設置した化粧パネル10は、竹壁の実物をスキャナーで撮影した写真が印刷されているため、十分な凹凸感を醸し出すことができる。また、縁カバー40は、本物の竹同様半円筒状をなすとともに外壁41に竹の写真が付されているため本物の竹のように見える。さらに、押え縁20が化粧パネル10の表面より突出していることにより、押え縁20の実際の影が化粧パネル10の表面に差し掛かることで、化粧パネル10の模様の影と実際の影との区別がつかなくなり、より一層、化粧パネルの模様が実物であるように錯覚しやすくなる。こうして、化粧パネル10と縁カバー40の模様が相俟って、壁面に設けられた化粧部材キット100は、本物の竹壁のように見える。
【0029】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係る化粧部材キット200を示している。化粧部材キット200は、化粧パネル10と押え縁220とを備えている。尚、第2実施形態以下の実施形態で第1実施形態と共通する部材については、第1実施形態と同一符号を付して説明を省略する。
【0030】
押え縁220は、図5図6に示すように、押え縁本体230と、2本の縁カバー40,40とを備えている。押え縁本体230は、図6に示すように、底壁231と、底壁231の幅方向の両端縁から底壁231に垂直に延出する化粧パネル端面当接壁232,232と、化粧パネル端面当接壁232,232の先端縁に対し連続かつ垂直に設けられる第1の化粧パネル外面押圧壁233,及び第2の化粧パネル外面押圧壁234と、第1の化粧パネル外面押圧壁233、及び第2の化粧パネル外面押圧壁234の両端縁から延出する4本の係合用壁235,236,237,238と、を備えている。第1の化粧パネル外面押圧壁233の両端の一対の係合用壁235,236は、先端部の互いに対向する面側にそれぞれ第1係合条235a,第2係合条236aを有し、第2の化粧パネル外面押圧壁234の両端の一対の係合用壁237,238も、同様に、第3係合条237a,第4係合条238aをそれぞれ有している。
第1係合条235aと第3係合条237a、及び第2係合条236aと第4係合条238aはそれぞれ同じ大きさで同形状をなし同じ方向に突出している。
押え縁本体230は、化粧パネル10を貼設する壁面Aに木ネジ(不図示)等で底壁231を固定することにより壁面Aに固着されるとともに化粧パネル外面押圧壁233,34により化粧パネル10の端縁を支持する。
【0031】
一対の縁カバー40,40は、図6に示すように、それぞれ第1係合条235aと第2係合条236a、第3係合条237aと第4係合条238aに係合している。
【0032】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係る化粧部材キット300を示している。壁面化粧キット300は、化粧パネル10と、押え縁320とを備え、押え縁320は、縁カバー340と、第2実施形態と同じ押え縁本体230とを有している。
【0033】
縁カバー340は、図7図8に示すように、長手方向に垂直な断面が略円弧上をなす外壁341と、外壁341の内面に設けられる断面略L時の一対の係止用リブ342,342を備えている。縁カバー340は、一対の係止用リブ342,342の係合用壁344に設けられた係合凸条344aを、押え縁本体230の第1係合条235aと第4係合条238aに係合することにより、押え縁本体230に取着される。
【0034】
このように、押え縁本体230は、第1係合条235aと第3係合条236a、第2係合条236aと第4係合条238aが同形状をなすとともに同方向に突出することから、第2実施形態のように2本の細い縁カバー40を取着することができるし、第3実施形態のように、1本の太い縁カバー340を取着することもできる。尚、各係合条は凸条に限らず凹条でもよい。
【0035】
(第4、第5実施形態)
図9図10は、それぞれ本発明の第4、第5実施形態に係る化粧部材キット400、500を示している。第4実施形態に係る押え縁420の縁カバー440には、竹の模様が付されており、第5実施形態に係る押え縁520の縁カバー540は、表面に板材を模した模様が付されるとともに、板材表面の亀裂を模した凹条が設けられている。押え縁420と押え縁520は共通する押え縁本体430を用いており、縁カバーを交換することで、第4実施形態と第5実施形態の異なる2つの意匠からなる壁面を形成できる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の化粧パネル、押え縁、及び化粧部材キットは、現物の竹壁、板壁、石壁及び土壁の立体感を十分に醸し出すことができるため、これらの壁の実物と同様の外観を必要とする店舗や家屋に好適に採用できる。
【符号の説明】
【0037】
100,200,300,400,500 化粧部材キット
10 化粧パネル
11 パネル本体
11a 芯材
11b 補強板
12 化粧シート
12a 基層
12b 印刷層
12c 保護層
12d エンボス加工
20,220,320,420,520 押え縁
30,230,430 押え縁本体
40,340,440,540 縁カバー
235a 第1係合条
236a 第2係合条
237a 第3係合条
238a 第4係合条
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10