【実施例】
【0014】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(
図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられると共に、遊技盤20の後側に、図柄を変動表示可能な表示装置17(
図5,
図6参照)が着脱し得るよう配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視可能に保護する透明部材13aを窓部に備えた装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
【0015】
前記表示装置17は、後述する始動入賞口へのパチンコ球の入賞を契機として演出用の図柄(飾図という場合もある)を表示部17aに変動表示させる図柄変動演出を行うよう構成される。また表示装置17では、図柄変動に関連して実行される各種の表示演出(リーチ演出、予告演出、報知演出等)を表示部17aに表示し得るようになっている。実施例では、前記表示装置17として、各種図柄や表示演出に係る画像を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、有機EL(Electro-Luminescence)を用いた表示装置、あるいはドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を用いることができる。
【0016】
前記前枠13には、
図1に示す如く、前記下球受け皿15の右側方に、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられる。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20に配設された後述する枠状装飾体42の左側の遊技領域21aをパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該枠状装飾体42の右側の遊技領域21aをパチンコ球が流下する所謂「右打ち」とを打ち分け得るようになっている。また、前枠13の前部には、LED等の発光体による発光演出が可能なランプ装置18や、音声や効果音を出力可能なスピーカ19が配設されており、前記表示装置17での図柄変動演出に合わせてランプ装置18で発光演出を行ったりスピーカ19で音声演出を行い得るよう構成されている。
【0017】
(遊技盤20について)
実施例の前記遊技盤20は、
図2に示すように、パチンコ球が流下可能な遊技領域21aが前面側に形成された板状部材(遊技領域形成部材)21と、該板状部材21の裏側に配設され、当該板状部材21との間に収容空間27(
図5,
図6参照)を画成する設置部材(収容空間画成部材)22とから構成されている。前記板状部材21は、合成樹脂材やベニヤ材等から所定板厚の略矩形状に形成されており、
図2に示す如く、前面(盤面)に配設された略円形状の案内レール23によりパチンコ球が流下可能な遊技領域21aが画成されている。実施例の板状部材21は、アクリル樹脂から形成された透明板であって、前記収容空間27を板状部材21の前面側から透視し得るようになっている。また、前記板状部材21と設置部材22との間の収容空間27には、各種演出を行う演出装置N1,N2(後述)が設置されており、透明な板状部材21を介して遊技盤20の前面側から当該収容空間27内の演出装置N1,N2を遊技者が目視し得るよう構成されている。なお、前記表示装置17は、設置部材22の裏側に取り付けられて、後述するように設置部材22に設けた開口部(可視部)22aおよび枠状装飾体42(後述)の開口部42aを介して遊技盤20の前側に視認可能に臨むよう構成される。
【0018】
前記案内レール23は、
図2に示すように、板状部材21の左下部から右上部に至るよう左方向に膨出する円弧状に形成された外レール24と、板状部材21の右上部、右下部および左上部に至るよう右方向に膨出する円弧状に形成された内レール25とから構成されている。前記内レール25は、外レール24の右上端部に連接して板状部材21の右上部から下部に亘って配設され、左端縁が右方に凹む円弧状に形成された盤面飾り部材25aと、板状部材21の下部から左上部に亘って配設されて盤面飾り部材25aの下端部に連接し、前記外レール24の右方(内側)に離間して位置するレール部材25bとから構成され、該外レール24およびレール部材25bにより1個のパチンコ球が通過可能な発射通路26が画成されている。ここで、前記内レール25を構成するレール部材25bは、前記板状部材21の左上部に開放端が臨むよう配置されて、外レール24との間に遊技領域21aに開口する発射口を画成するよう構成され、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が発射通路26の下方開口から飛翔して、当該発射口から遊技領域21a内に打ち出されるようになっている。
【0019】
前記板状部材21には、前後に貫通する装着口が前記遊技領域21a内の適宜位置に開設されて、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品が配設されている。なお、実施例の遊技盤20には、遊技盤設置部品として枠状装飾体42、第1の始動入賞部29、第2の始動入賞部30、第1の特別入賞部31、第2の特別入賞部32、普通入賞部33,34、ゲート部35等を設置する装着口が形成されている。そして、前記遊技盤20の板状部材21において遊技領域21aの最下部位置に、該遊技領域21aの最下部位置まで流下したパチンコ球を遊技盤20の外部に排出するアウト口36が開設されている。すなわち、前記打球発射装置から発射されて遊技領域21aを流下するパチンコ球が前記遊技盤設置部品に設けられた入球部(第1の始動入賞部29、第2の始動入賞部30、第1の特別入賞部31、第2の特別入賞部32、普通入賞部33,34、ゲート部35等)に入球することにより、入球した入球部に応じた賞球の払い出しや図柄変動演出の実行等の所定の遊技が行われ、遊技領域21aの最下部まで流下したパチンコ球がアウト口36を介して機外に排出されるよう構成される。なお、前記装着口の形成数は、板状部材21に対して取り付けられる遊技盤設置部品の配設位置や配設数等に応じて適宜に決定される。
【0020】
また、前記板状部材21には、前記遊技領域21a内に多数の遊技釘37が設けられると共に、後述する枠状装飾体42の左側方に、遊技領域21aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材38が回転自在に支持されており、遊技釘37や回転案内部材38との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材38は、所謂「風車」とも称される部材であって、該回転案内部材38の回転に伴ってパチンコ球を弾くように左右方向へ放出する部材である。
【0021】
実施例の前記板状部材21には、
図2に示すように、前記案内レール23で囲まれた遊技領域21aの略中央の大部分が開口する装着口に、前後に開口する枠状に形成された枠状装飾体42が取り付けられ、該枠状装飾体42の開口部42aの後方に、前記設置部材22の開口部22aが位置するようになっている。すなわち、前記枠状装飾体42の開口部42aの後方に前記表示装置17の表示部17aが位置するよう構成されている。
【0022】
また、前記板状部材21には、前記枠状装飾体42の下方位置(アウト口36の直上位置)に形成された装着口(図示せず)に、遊技領域21aを流下するパチンコ球が入賞可能な第1の始動入賞部29が配設されている。第1の始動入賞部29は、パチンコ球が入賞可能な第1始動入賞口が遊技領域21a内で常に上方開口する常時開放型の入賞部とされ、遊技盤20の遊技領域21aを流下するパチンコ球の流下態様に応じて任意のタイミングで第1始動入賞口にパチンコ球が入球(入賞)し得るよう構成されている。また、前記板状部材21には、前記第1の始動入賞部29の左側方(枠状装飾体42の左下方位置)に形成された装着口(図示せず)に、遊技領域21aを流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞部33が複数設けられた普通入賞ユニット39が配設されている。なお、各普通入賞部33は、前記第1の始動入賞部29と同様に、パチンコ球が入賞可能な普通入賞口が遊技領域21a内で常に上方開口する常時開放型の入賞部とされ、遊技盤20の遊技領域21aを流下するパチンコ球の流下態様に応じて任意のタイミングで普通入賞口にパチンコ球が入球(入賞)し得るようになっている。
【0023】
前記板状部材21には、前記枠状装飾体42の右側をパチンコ球が流下する遊技領域21aに、複数の装着口(図示せず)が上下離間して開設されており、上側の装着口から下側の装着口の順で、ゲート部35、複合入賞ユニット40が配設されている。前記ゲート部35は、パチンコ球が通過可能なゲート入口およびゲート出口が遊技領域21a内で常に上下に開口する常時開放型の入球部とされ、遊技盤20の遊技領域21aを流下するパチンコ球の流下態様に応じて任意のタイミングでゲート入口をパチンコ球が入球(通過)して、ゲート出口を介して遊技領域21aに排出されるようになっている。前記複合入賞ユニット40は、第2の始動入賞部30、第1の特別入賞部31および普通入賞部34を備えている。
【0024】
前記複合入賞ユニット40は、第2の始動入賞部30、第1の特別入賞部31および普通入賞部34を備えている。第2の始動入賞部30は、パチンコ球が入賞可能な第2始動入賞口を駆動手段の駆動に伴って開放可能に開閉部材30aで閉鎖する開閉型の入賞部とされており、遊技盤20の遊技領域21aを流下するパチンコ球の流下態様および駆動手段の駆動による開閉部材30aの開放動作タイミングに応じて第2始動入賞口にパチンコ球が入賞し得るよう構成されている。また、第1の特別入賞部31は、パチンコ球が入賞可能な特別入賞口を駆動手段の駆動に伴って開放可能に開閉部材31aで閉鎖する開閉型の入賞部とされており、遊技盤20の遊技領域21aを流下するパチンコ球の流下態様および図示しない駆動手段の駆動による開閉部材31aの開放動作タイミングに応じて特別入賞口にパチンコ球が入賞し得るよう構成されている。また、複合入賞ユニット40の普通入賞部34は、前記普通入賞ユニット39に設けられた普通入賞部33と同様に、パチンコ球が入賞可能な普通入賞口が遊技領域21a内で常に上方開口する常時開放型の入賞部とされ、遊技盤20の遊技領域21aを流下するパチンコ球の流下態様に応じて任意のタイミングで普通入賞口にパチンコ球が入球(入賞)し得るようになっている。
【0025】
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記枠状装飾体42の右側に画成されている遊技領域21aに臨むように、該枠状装飾体42に第2の特別入賞部32が配設されている。この第2の特別入賞部32は、パチンコ球が入賞可能な特別入賞口を駆動手段の駆動に伴って開放可能に開閉部材32aで閉鎖する開閉型の入賞部とされており、遊技盤20の遊技領域21aを流下するパチンコ球の流下態様および図示しない駆動手段の駆動による開閉部材32aの開放動作タイミングに応じて特別入賞口にパチンコ球が入賞し得るよう構成されている。
【0026】
前記第1の始動入賞部29、第2の始動入賞部30、第1の特別入賞部31、第2の特別入賞部32および普通入賞部33,34の夫々は、各対応の入賞口に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出センサ(図示せず)を備えており、各入賞検出センサがパチンコ機10の裏側に配設された制御手段(図示せず)に配線接続されている。そして、第1および第2の始動入賞部29,30が備える入賞検出センサの何れかによるパチンコ球の検出(パチンコ球を検出した検出信号の入力)に伴い特図当り判定条件(当り判定条件)が成立するようになっている。特図当り判定条件が成立することで、特図当り(大当りや小当り)を生起させるか否かに関する特図当り判定が行われ、該判定結果が当りであった場合に、前記表示装置17で行われる図柄変動演出の結果として所定の当り表示(例えば同一図柄の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されて、前記第1の特別入賞部31の開閉部材31aまたは第2の特別入賞部32の開閉部材32aを開放する遊技者に有利な当り遊技が付与されるよう構成されている。なお、第1の特別入賞部31および第2の特別入賞部32は、大当り遊技が付与される場合に、決定された大当りの種類に応じて特別入賞部31,32における開閉部材31a,32aの開放動作パターンが異なるよう設定される。また、実施例のパチンコ機10では、前記入賞検出センサがパチンコ球を検出することで賞球払出条件が成立するよう構成されており、当該賞球払出条件の成立に伴って制御手段が図示しない払出制御装置に制御信号を出力して、所定数の賞球が前記上球受け皿14または下球受け皿15に払い出されるようになっている。
【0027】
前記ゲート部35には、ゲート入口に入球して当該ゲート部35を通過するパチンコ球を検出するゲートセンサ(図示せず)が設けられている。このゲートセンサは、パチンコ機10の裏側に配設された制御手段に配線接続されており、該ゲートセンサから制御手段への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って普図当り判定条件が成立するようになっている。そして、普図当り判定条件の成立に伴って普図当りを生起させるか否かに関する普図当り判定が行われ、該判定結果が当りの判定であった場合に、前記第2の始動入賞部30の開閉部材30aが開放作動されて、当該第2始動入賞口が開放するよう構成されている。なお、実施例では、前記ゲートセンサがパチンコ球を検出することによっては賞球払出条件が成立しないよう設定されており、パチンコ球のゲート部35の通過に伴って賞球が払い出されないようになっている。
【0028】
(枠状装飾体42について)
次に、前記枠状装飾体42について詳細に説明する。前記枠状装飾体42は、
図2,
図5,
図6に示す如く、前記板状部材21に開設された枠状装飾体42が配設される装着口の内側に沿って延在する環状に形成された枠状基部43と、該枠状基部43に設けられて前記板状部材21の前面より前方に突出し、前記遊技領域21aと表示装置17の表示部17aを区切る庇状部44と、該庇状部44の後縁から外方に延出する薄板状の台板部45とを備える。そして、前記枠状基部43を装着口に挿入すると共に台板部45を板状部材21の前面に当接した状態で、該台板部45をネジ等の固定手段で板状部材21に固定することで、枠状装飾体42が板状部材21に取り付けられて、該枠状装飾体42の外側、具体的には庇状部44と案内レール23との間にパチンコ球が流下する遊技領域21aが画成されるようになっている。なお、枠状装飾体42を板状部材21に取り付けた状態で、庇状部44の後端縁から外方に延出する台板部45が板状部材21の前面に沿って延在して、該台板部45の前側をパチンコ球が通り得るよう構成される。また、枠状装飾体42は、全体が透明な合成樹脂製とされており、透明な板状部材21の前側に台板部45を重ねた状態で、該台板部45および板状部材21を介して裏側を透視可能に構成されている。
【0029】
前記枠状装飾体42の庇状部44は、枠状装飾体42(台板部45)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、前記表示装置17における表示部17aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。また庇状部44は、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域21aに打ち出されたパチンコ球が庇状部44上で滞ることなく枠状装飾体42の左側方または右側方へ誘導案内されるよう形成されている。
【0030】
前記枠状装飾体42には、
図2に示す如く、前記開口部42aの下側(枠状装飾体42の内周下縁部)に、ステージ47が配設されると共に、開口部42aの左側に、前記遊技領域21aに開口して該遊技領域21aを流下するパチンコ球を枠状装飾体42の内側(ステージ47)に取り込む球導入部48が設けられ、該球導入部48がステージ47に連通するよう構成される。そして、球導入部48からステージ47に通出されたパチンコ球は、ステージ47上を左右に転動した後に、前記第1始動入賞口が設けられている遊技領域21aに排出される。また、枠状装飾体42には、前記ステージ47の形成位置の右上側に前記第2の特別入賞部32が設けられており、該第2の特別入賞部32の特別入賞口および開閉部材32aが、前記ゲート部34および複合入賞ユニット40の間の遊技領域21aに臨んでいる。
【0031】
前記ステージ47の後端縁には、左右方向の全長に亘って上側に向けて所定高さで立上がる透明壁41(
図6参照)が設けられ、ステージ47上を転動するパチンコ球が表示装置17の表示部17a側に移動するのを該透明壁41で防止している。また、透明壁41の上端縁に、前記前枠13における透明部材13aの裏面に近接する位置(透明部材13aとの間をパチンコ球が通過できない隙間となる位置)まで張り出す張出部41a(
図2に二点鎖線で示す)が設けられ、遊技釘37に接触して跳ねてステージ47に飛び込むパチンコ球が表示部17a側に移動するのを該張出部41aで防止している。
【0032】
前記枠状装飾体42には、
図2に示す如く、パチンコ機10のモチーフとなる意匠が施された複数の装飾部品46が、前記庇状部44の内周縁部に設けられている。そして、本実施例では、装飾部品46、庇状部44および透明壁41の張出部41aによって、前記表示装置17の表示部17aを前側に臨ませる開口部42aが画成される。
【0033】
(設置部材22について)
前記設置部材(設置部)22は、
図3〜
図6に示す如く、前記板状部材21の外郭形状より小さい略矩形状に形成された背面板90と、該背面板90の外周縁部から前方に突出する外周壁部91とから前方に開口した箱状に形成されて、該外周壁部91の開口前端部を板状部材21の裏面に当接させた状態で、当該板状部材21と設置部材22とがネジ止め固定される。そして、前記設置部材21において前記板状部材21との間に画成される前記収容空間27に、動作により演出を行う複数の演出装置N1,N2が設置されて、設置部材22を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。前記設置部材22の背面板90には、前記枠状装飾体42の開口部42aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部22aが前後に開口するよう開設される。そして、背面板90の裏面に配設した前記表示装置17の表示部17aが、前記開口部22aおよび開口部42aを介して板状部材21の前側に臨むようになっている。なお、以下の説明では、設置部材22の背面板90について、開口部22aに対する上下左右の各部位を、上板部90a、下板部90b、左板部90c、右板部90dと指称して区別する場合もある。また、外周壁部91については、上板部90a、下板部90b、左板部90c、右板部90dに対応して上画壁部91a、下画壁部91b、左画壁部91c、右画壁部91dと指称して区別する場合もある。
【0034】
前記左画壁部91cは、
図4,
図5に示す如く、前側に向かうにつれて右画壁部91dから離間するように階段状に形成されると共に、所定位置の段部に前側に突出する複数の第1固定部92が設けられており、これら複数の第1固定部92を介して前記左板部90cの前側に第1演出装置(演出装置)N1が配設固定されるようになっている。また、前記右画壁部91dは、
図5に示す如く、前側に向かうにつれて左画壁部91cから離間するように階段状に形成されると共に、所定位置の段部に前側に突出する複数の第2固定部93が設けられており、これら複数の第2固定部93を介して前記右板部90dの前側に第2演出装置(演出装置)N1が配設固定されるようになっている。設置部材22に配設される2つの演出装置N1,N2は、
図3に示す如く、前記開口部22aを挟んで左右に対向し、後述する装飾部材68,76,68,76を前記枠状装飾体42における開口部42aの縁部側の第1位置と、該第1位置より開口部中央側の第2位置(
図18参照)との間で動作する演出を行い得るよう構成される。
【0035】
(第1演出装置N1について)
前記第1演出装置N1は、
図7および
図8に示すように、第1発光演出装置H1および第1可動演出装置K1を、後述する基板取付部材50を挟んで前後の関係で組み付けて構成される。そして、前記第1演出装置N1は、前記設置部材22に対して第1発光演出装置H1および第1可動演出装置K1を一体で着脱可能なユニット構造になっている。
【0036】
(第1発光演出装置H1について)
前記第1発光演出装置H1は、第1演出装置N1を構成する部材の設置基体となる基板取付部材50の前面に配設された発光基板51と、該発光基板51の前面に実装された複数の発光体51aとを備えている。基板取付部材50は、
図9に示す如く、板状の設置壁50aの外周縁部に前側に突出する壁部50bを設けたトレー状の部材であって、設置壁50aの前面に前記発光基板51が設置されて、該発光基板51は設置壁50aおよび壁部50bで画成される空間に収容されている。また、基板取付部材50の前面には、発光基板51の前側を覆うように光透過性の固定装飾部材(装飾部)52a,52bが配設されている。実施例では、基板取付部材50に、パチンコ機10のモチーフとなる意匠が前面に施されると共に着色された第1種固定装飾部材52a,52aと、透明で光拡散処理が施された第2種固定装飾部材52bとが配設されて、前記発光体51aを発光することで、種類の異なる固定装飾部材52a,52bを明輝し得るよう構成されている。
【0037】
前記基板取付部材50の壁部50bに、前記設置部材22の左画壁部91cに設けられて前側に位置する複数の前記第1固定部92に対応する位置の夫々に被固定部50cが設けられており、該基板取付部材50は、各被固定部50cを対応する前記第1固定部92の前側および左画壁部91cの段部に当接位置させた状態で、該被固定部50cが第1固定部92にネジ止め固定されている。そして、設置部材22に固定された基板取付部材50の裏面と前記左板部90cの前面との間に第1収容空間27aが画成されて、該第1収容空間27aに前記第1可動演出装置K1が収容されるようになっている(
図5参照)。
【0038】
前記基板取付部材50には、
図7,
図9,
図10,
図14に示す如く、左右方向に延在する案内部53が設けられている。案内部53は、前後方向に貫通して左右方向に延在する長孔53aと、該長孔53aを囲繞するように前後方向に突出するガイド壁53bとから構成される。案内部53は、基板取付部材50に上下に離間して複数(実施例では2つ)設けられている。そして、前記第1可動演出装置K1の後述する第1可動体64が、該案内部53,53で案内されて第1位置と第2位置との間を往復移動し得るよう構成される。実施例では、第1可動体64は、後述するように、機構取付部材57に第1作動軸61aを介して回動自在に支持されて、第1位置と第2位置との間を往復移動し得るように構成されており、基板取付部材50に設けられる案内部53,53は、第1作動軸61aを中心とした円弧状に延在するように形成される。案内部53に関して、以後、
図7において上側に位置する案内部53を第1案内部53と指称すると共に、下側に位置する案内部53を第2案内部53と指称する場合がある。
【0039】
前記発光基板51は、
図9,
図10に示す如く、各案内部53と対応する位置が切欠かれて、該発光基板51が各案内部53で案内される後述する第1案内部材66に干渉しないよう構成される。発光基板51は、第1および第2案内部53,53に干渉しない形状に形成された本体部54aと、該本体部54aに一体に形成されて右方向に延在する複数の延在部54b,54c,54dとから構成される。具体的に本体部54aには、第1案内部53の上側を左右方向に延在する第1延在部54bと、第1案内部53と第2案内部53との間を左右方向に延在する第2延在部54cと、第2案内部53の下側を左右方向に延在する第3延在部54dとが設けられている。そして、前記基板取付部材50に発光基板51を配設した状態で、本体部54aと3つの延在部54b,54c,54dとによって、第1および第2案内部53,53を囲うように構成されている。言い替えれば、発光基板51は、基板取付部材50に設けられた案内部53,53の少なくとも一部を囲う形状に形成されている。
【0040】
前記各延在部54b,54c,54dの形状につき、より具体的に説明すると、第1延在部54bにおける第1案内部53(具体的にはガイド壁53b)と対向する下縁は、該第1案内部53に略沿った略弧状に形成されている。また、第2延在部54cにおける第1案内部53(具体的にはガイド壁53b)と対向する上縁および第2案内部53(具体的にはガイド壁53b)と対向する下縁は、対応する案内部53,53に略沿った略弧状に形成されている。更に、第3延在部54dにおける第2案内部53(具体的にはガイド壁53b)と対向する上縁は、該第2案内部53に略沿った略弧状に形成されている。そして、前記基板取付部材50に発光基板51を取り付ける際に、各延在部54b,54c,54dを対応する案内部53,53のガイド壁53bに沿うよう配置することで、当該発光基板51の基板取付部材50に対する位置決めがなされるようになっている。
【0041】
前記発光基板51の前面には、前方に向けて光を照射するLED等の前記発光体51aが複数実装されており、該発光体51aを発光させることで、前記固定装飾部材52a,52bに向けて後側から光を照射して該固定装飾部材52a,52bを明輝し得るよう構成されている(
図5参照)。発光体51aは、
図7,
図9に示す如く、前記本体部54aおよび各延在部54b,54c,54dの夫々の前面に実装されている。すなわち、発光基板51における前記基板取付部材50に設けられた複数の案内部53,53の間の位置、および該案内部53,53を囲む位置に発光体51aが配設されており、前記案内部53,53を避けるために発光基板51を切欠いたことで固定装飾部材52a,52bに光を照射し得る領域が減少するのを抑制し得るようになっている。
【0042】
(第1可動演出装置K1について)
前記第1可動演出装置K1は、該第1可動演出装置K1を構成する部材の設置基体となる機構取付部材57と、所定の演出動作を行う可動体64,74と、この可動体64,74を移動させる駆動機構56とを備えている。機構取付部材57には、前側に突出するように複数の取付突部57aが設けられており、該取付突部57aを前記基板取付部材50の裏側に設けた対応する受部50dに夫々嵌合してネジ止め固定することで、機構取付部材57が基板取付部材50の後側に離間して取り付けられるよう構成される(
図13参照)。また、機構取付部材57に、前記設置部材22の左画壁部91cに設けられて後側に位置する複数の第1固定部92に対応する位置の夫々に被固定部57bが設けられており、該機構取付部材57は、各被固定部57bを対応する前記第1固定部92の前側に当接位置させた状態で、該被固定部57bが第1固定部92にネジ止め固定されている(
図5参照)。すなわち、実施例の第1演出装置N1は、第1発光演出装置H1および第1可動演出装置K1における構成部材の設置基体となる基板取付部材50および機構取付部材57の夫々が設置部材22に固定されている。また、被固定部57bを第1固定部92にネジ止め固定した状態で、基板取付部材50の左側面が設置部材22の左画壁部91cの内側面に近接して該被固定部57bと第1固定部92との固定部を支点とした基板取付部材50の前後方向の大きな撓みを規制し得るよう構成されている。
【0043】
実施例の第1可動演出装置K1は、2つの可動体64,74を備え、両可動体64,74を1基の駆動モータ58(後述)の駆動によって移動するよう構成されている。そこで、可動体64,74に関し、以後、
図7において上側に位置する可動体64を第1可動体64と指称すると共に、下側に位置する可動体74を第2可動体74と指称する場合がある。
【0044】
(駆動機構56について)
前記駆動機構56は、
図9,
図10に示す如く、前記機構取付部材57の前面に出力軸を後向きにして配設された駆動手段としての駆動モータ58と、機構取付部材57に配設されて該駆動モータ58の回転力を第1および第2可動体64,74に伝達する伝達機構59とを備える。この駆動機構56は、機構取付部材57を前記基板取付部材50の後側に配設することで、該駆動機構56も基板取付部材50の後側に重なって配置される(
図5,
図13,
図14参照)。そして、駆動モータ58を正転方向および逆転方向に回転駆動することで、第1および第2可動体64,74が第1位置(
図7,
図8)と第2位置(
図19,
図20)との間を往復移動するよう構成される。なお、駆動モータ58の回転方向について、可動体64,74を第1位置から第2位置へ移動させる方向を正転方向、可動体64,74を第2位置から第1位置へ移動させる方向を逆転方向と指称する場合もある。なお、前記駆動モータ58と前記基板取付部材50との間に、第1可動体64の後述する第1支持部材65を収容可能な隙間が画成されている(
図13,
図14参照)。
【0045】
前記伝達機構59は、前記駆動モータ58の出力軸に連結された駆動歯車60と、該駆動歯車60に回転軸を挟む一方の側に従動歯車62を介して噛合する第1作動歯車61と、他方の側に複数(実施例では2つ)の従動歯車62を介して噛合する第2作動歯車63とを備え、駆動モータ58を正転方向および逆転方向に回転駆動した際に、第1作動歯車61と第2作動歯車63とは相互に逆方向に回転するよう構成される。実施例では、伝達機構59を構成する歯車60,61,62,62,62,63は、上下方向に並ぶように前記機構取付部材57に回動自在に配設されている。具体的には、駆動歯車60の上側に複数の従動歯車62を挟んで第2作動歯車63が位置すると共に、該駆動歯車60の下側に従動歯車62を挟んで第1作動歯車61が位置している。
【0046】
(第1可動体64について)
前記機構取付部材57には、
図13に示す如く、前記第1作動歯車61に連結されて一体で回転する第1作動軸61aが回動自在に支持されており、該第1作動軸61aにおける機構取付部材57の前面から突出する端部に、前記第1可動体64が一体的に回転するように連結されている。この第1可動体64は、長手方向の一端部に設けられた軸支持部65aを介して前記第1作動軸61aに連結された第1支持部材(支持部材)65と、該第1支持部材65における長手方向の他端部である延出端部に配設された第1装飾部材(装飾部材)68とを備え、第1支持部材65と第1装飾部材68とは一体で移動するようになっている。第1支持部材65は、
図13に示す如く、前記基板取付部材50の後方に位置すると共に、該第1支持部材65の延出端部に配設された第1装飾部材68は、基板取付部材50の外側に位置している。そして、第1可動演出装置K1では、第1可動体64は、第1支持部材65が基板取付部材50の後側に重なって前記枠状装飾体42における開口部42aの左側縁側の第1位置と、この第1位置より開口部42a中央側に第1装飾部材68が臨む第2位置(
図18参照)との間で第1可動体64が往復移動するよう構成される。また、第1位置では、第1支持部材65が前記基板取付部材50と駆動モータ58との間の隙間に収容されるようになっている。
【0047】
前記第1支持部材65の前面には、前記基板取付部材50に設けた各案内部53,53と対応する位置に第1案内部材66が夫々配設されている。実施例では、第1支持部材65の前記軸支持部65aから延出する腕部65bに、該腕部65bの長手方向および幅方向に離間して2つの第1案内部材66が配設されている。すなわち、第1支持部材65には、該第1支持部材65の移動方向と交差する方向に離間して複数の第1案内部材66が配設されている。第1案内部材66は、
図14に示す如く、腕部65bの前面に突設されたボス部65cが回転可能に挿通される軸受部66aと、該軸受部66aの前端に形成されて径方向に延出するフランジ66bとを備える。また、ボス部65cに、該ボス部65cが挿通された軸受部66aを挟んでフランジ部66bと反対側にリング体67が回転可能に挿通されている。そして、第1案内部材66は、軸受部66aが前記案内部53の長孔53aに挿通されると共に、フランジ部66bが案内部53におけるガイド壁53bの前側に位置する状態で、該長孔53aに沿って移動可能に支持される。すなわち、第1可動体64は、2つの案内部53,53で案内されて前記第1位置と第2位置との間を安定して往復移動し得るようになっている。また、軸受部66aを長孔53aに挿通した状態で、第1案内部材66のフランジ部66bとリング体67とが案内部53におけるガイド壁53bを前後に挟んで位置して第1可動体64の前後方向の変位が規制されるようになっており、該第1可動体64の軌道が変化することで他の部材に接触するのを防止し得るように構成されている。
【0048】
前記第1装飾部材68は、
図9,
図10に示す如く、前記第1支持部材65における腕部65bの延出端に設けられたベース部68aと、該ベース部68aの前面に配設された装飾用発光基板68bと、該装飾用発光基板68bの前側を覆うレンズ部材68dと、第1装飾部材68の最前面に位置してレンズ部材68dを前側から覆う装飾カバー体68eとを備える。装飾カバー体68eは、光透過性を有する合成樹脂を素材としてパチンコ機10のモチーフに合わせた文字や図形等を表わす形状に形成されると共に、該装飾カバー体68eには光拡散処理が施されている。また、装飾用発光基板68bの前面に、LED等の発光体68cが複数設けられている。また、レンズ部材68dは、光透過性を有する合成樹脂を素材として、各発光体68cと対向する位置にレンズ部が形成されると共に、その他の領域に光拡散処理が施されている。すなわち、発光体68cを点灯することで、レンズ部材68dを介して装飾カバー体68eの広範囲に光が照射されて、該装飾カバー体68eの全体が明輝されるようになっている。
【0049】
(中継基板69について)
前記機構取付部材57には、前記第1支持部材65の軸支持部65aを挟んで設置部材22の開口部側とは反対側に、前記制御手段に配線接続される中継基板(基板)69が基板取着部材83を介して配設されている。中継基板69は、
図8,
図14,
図15に示す如く、板面が左右方向を向くと共に、該板面が第1可動体64の軸方向に沿うように立てた状態で機構取付部材57に配設される。また、中継基板69における開口部22aの中央側を向く板面(実装面)に、前記第1装飾部材68の装飾用発光基板68bに接続するフラットケーブル70の一端が接続されるコネクタ69aが、差込口を実装面に沿って上向きに開口した状態で配設されている。そして、コネクタ69aに一端が差込み接続されたフラットケーブル70は、
図15に示す如く、幅方向を前記第1作動軸61aの軸方向に沿う姿勢(実施例では幅方向が前後方向を向く姿勢)で前記第1支持部材65の軸支持部65aまで引き回されている。実施例では、第1可動体64における軸支持部65aの左側方に、コネクタ69aの実装面を軸支持部65aに向けて中継基板69が機構取付部材57に配設されている。
【0050】
(フラットケーブル70の引き回し構造について)
前記第1支持部材65の前記軸支持部65aは、
図15に示す如く、前記第1作動軸61aが挿通される内筒部71と、該内筒部71の外側に離間して位置する外筒部72とを備え、該第1支持部材65は、内筒部71に第1作動軸61aが挿通固定されて該第1作動軸61aと一体的に回転するよう構成される。前記内筒部71と外筒部72との間に環状空間73が画成されると共に、外筒部72には、環状空間73を外部に連通する開口部72aが接線方向に開放するように形成されている。また、第1支持部材65における軸支持部65aから径方向に延在する前記腕部65bは、裏側に開放する断面コ字状に形成されて、該腕部65bの裏側には配線用凹部65dが軸支持部65aから前記第1装飾部材68の配設位置までの間に亘って形成されている(
図14参照)。そして、前記中継基板69に一端が接続されたフラットケーブル70は、前記軸支持部65aの環状空間73に、外筒部72の開口部72aから幅方向を第1作動軸61aと平行な姿勢のまま引き込まれている。また、環状空間73内においてフラットケーブル70は内筒部71の外側を巻くように引き回され、該フラットケーブル70は、軸支持部65aと腕部65bとの連結部分において第1作動軸61aの径方向に沿うように折り返され、その姿勢のままフラットケーブル70は腕部65bの前記配線収容凹部65d内を延出端部まで引き回される。そして、該フラットケーブル70の他端が装飾用発光基板68bに接続されるようになっている。また、第1支持部材65は非透明に構成されて、軸支持部65aの内部および腕部65bの裏側を引き回されるフラットケーブル70が前側から視認されないよう構成される。なお、配線収容凹部65dを引き回されるフラットケーブル70は、接着テープ等の固定手段によって腕部65bに固定されて、該フラットケーブル70が後側に変位するのを規制するよう構成してある。
【0051】
ここで、前記外筒部72の開口部72aは、
図15に示す如く、前記第1可動体64の第1位置において上向きに開口し、前記コネクタ69aと該開口部72aとの間において逆U字の形態で引き回されているフラットケーブル70が開口部72aに折曲することなく引き込まれるよう構成される。また、コネクタ69aと開口部72aとの間のフラットケーブル70は、前記取付突部57aの上側を引き回されることで、該フラットケーブル70が下方に垂れるのを該取付突部57aで防ぐようになっている。
【0052】
(フラットケーブル70について)
ここで、前記中継基板69と装飾用発光基板68bとを接続する前記フラットケーブル70は、平板型の導体をシート状の絶縁体で被覆した可橈性を有するリボン状の配線材(フレキシブルフラットケーブル)であって、幅に対して厚みが極めて小さく設定されている。そして、フラットケーブル70は、姿勢を変更するために折り返された部分が第1支持部材65に保持されており、該折り返し部分から前記中継基板69(コネクタ69a)との接続部までの間の可撓部70aは、第1可動体64の移動に伴って変形するよう構成されており、該可撓部70aが変形することで第1可動体64のスムーズな移動を許容するよう構成される。また、フラットケーブル70は、前記中継基板69を立てた状態で設置することで、該中継基板69との接続部から装飾用発光基板68bとの接続部までの間での折り返しは1回で済むよう構成されている。すなわち、フラットケーブル70の引き回し作業を容易にすると共に、折り反し部分が増加することによる断線の発生率を低減し得るようになっている。なお、前記コネクタ69aから上方に引き回されるフラットケーブル70は、前記基板取着部材83によって中継基板69との間で挟持されて、可撓部70aが変形する際にフラットケーブル70がコネクタ69aから抜けるのを防止している。
【0053】
(第2可動体74について)
前記機構取付部材57に第2作動軸63aを介して回動自在に支持された前記第2作動歯車63の裏面は、該機構取付部材57の裏側に露出しており(
図8参照)、該裏面に前記第2可動体74が一体的に移動するように連結されている。この第2可動体74は、
図11,
図12に示す如く、長手方向の一端部に設けられた軸支持部75aを介して前記第2作動歯車63に連結された第2支持部材75と、該第2支持部材75における長手方向の他端部である延出端部に配設された第2装飾部材76とを備え、第2支持部材75と第2装飾部材76とは一体で移動するようになっている。第2支持部材75は、前記機構取付部材57の後方に位置すると共に、該第2支持部材75の延出端部に配設された第2装飾部材76は、前記基板取付部材50の外側に位置している。そして、第1可動演出装置K1では、第2可動体74は、前記枠状装飾体42における開口部42aの左側縁側の第1位置と、この第1位置より開口部42aの中央側に第2装飾部材76が臨む第2位置(
図18参照)との間で第2可動体74が往復移動するよう構成される。
【0054】
(転がり軸受77について)
前記機構取付部材57の裏面に取付ベース55が配設され、該取付ベース55における機構取付部材57から下方に延出する下端部(延出端部)に、前記第2装飾部材76を摺動自在に支持する転がり軸受77が配設されている。実施例では、取付ベース55に配設された軸受取着部材78の前側に、転がり軸受77が、右側(開口部22aの中央前側)に向かうにつれて上側に変位する右上がりの傾斜姿勢で配設されている。この転がり軸受77は、
図13に示す如く、前記軸受取着部材78に固定された固定受部77aと、第2装飾部材76に固定された可動受部77bと、固定受部77aと可動受部77bとの間に位置し、該両受部77a,77bに接触する複数の転動体(図示せず)を離間して転動可能に保持する中受部77cとから構成される。そして、固定受部77aに対して中受部77cが転動体によって移動可能に支持されると共に、中受部77cに対して可動受部77bが転動体によって移動可能に支持され、これによって固定受部77aに対して可動受部77bに固定される第2装飾部材76が第1位置と第2位置との間を直線的に往復移動可能に支持される(
図7,
図8,
図19,
図20参照)。実施例では、固定受部77a、可動受部77bおよび中受部77cが何れも金属素材から形成されると共に、転動体として金属球が用いられており、転がり軸受77として所謂ボール軸受構造が採用されている。
【0055】
また、前記軸受取着部材78に、前記転がり軸受77と平行なガイド孔78aが形成されており、ガイド孔78aに、前記第2装飾部材76に設けられた第2案内部材79が移動在に挿通支持されている。すなわち、第2装飾部材76は、転がり軸受77とガイド孔78aとによって安定して平行移動し得るよう構成されている。なお、第2案内部材79は、第2装飾部材76の後述するベース部76aに突設されたボス部と、該ボス部をガイド孔78aに挿通された状態で軸受取着部材78の前後に位置するリング体とから構成されて、該両リング体によって第2装飾部材76の前後方向の変位が抑制されるようになっている。また、軸受取着部材78に、前記設置部材22に設けられている第1固定部92が固定される被固定部78bが設けられている。
【0056】
前記転がり軸受77に配設された前記第2装飾部材76は、前記第1装飾部材68が第1位置と第2位置との間を移動する移動面より後側を移動するように設定されている。そして、前記第2作動歯車63に軸支持部75aで連結されて該軸支持部
75aから径方向に延出する腕部75bが機構取付部材57の裏方を延在する第2支持部材75は、該腕部75bの延出端部が前側に向けて折曲され、この折曲部75cの前端に軸支持部75aから離間する方向に延在する取着部80が形成されて、該取着部80を介して第2支持部材75と第2装飾部材76とが連繋されている。この取着部80には、該取着部80の延在方向に延在する長孔80aが形成されており、該長孔80aに、第2装飾部材76の裏面に配設した連繋部材81が移動自在に挿通されている。すなわち、第2支持部材75が第2作動歯車63の第2作動軸63aを中心として回動するのに伴って連繋部材81が長孔80a内を移動することで、第2装飾部材76が転がり軸受77およびガイド孔78aに案内されて直線的に移動するよう構成されている。
【0057】
前記第2装飾部材76は、前記転がり軸受77の可動受部77bが裏面に固定されたベース部76aと、該ベース部76aの前面に配設された装飾用発光基板76bと、該装飾用発光基板76bの前側を覆うレンズ部材76dと、第2装飾部材76の最前面に位置してレンズ部材76dを前側から覆う装飾カバー体76eとを備える。装飾カバー体76eは、光透過性を有する合成樹脂を素材としてパチンコ機10のモチーフに合わせた文字や図形等を表わす形状に形成されると共に、該装飾カバー体76eには光拡散処理が施されている。また、装飾用発光基板76bの前面に、LED等の発光体76cが複数設けられている。前記レンズ部材76dは、光透過性を有する合成樹脂を素材として、各発光体76cと対向する位置にレンズ部が形成されると共に、その他の領域に光拡散処理が施されている。すなわち、発光体76cを点灯することで、レンズ部材76dを介して装飾カバー体76eの広範囲に光が照射されて、該装飾カバー体76eの全体が明輝されるようになっている。
【0058】
ここで、前記第1および第2可動体64,74は、第1位置では
図3,
図7に示す如く、第1および第2装飾部材68,76が前記基板取付部材50(固定装飾部材52a,52b)を挟む上下位置に位置するように相互に離間しており、前記駆動モータ58を正転駆動した場合は、第1装飾部材68が上方から右下方に向けて弧状の軌道で移動するのに対し、第2装飾部材76は下方から右上方に向けて直線の軌道で移動して、第2位置では
図18に示す如く、第1および第2装飾部材68,76が前記枠状装飾体42における開口部42aの中央側の前側において上下に並んだ状態となるよう構成される。また、第1および第2装飾部材68,76の装飾カバー体68e,76eの形状は関連する形状とされており、関連する形状の第1および第2可動体64,74が第2位置に移動することで近接して並ぶ動きによって演出の興趣を向上し得るようになっている。なお、前記機構取付部材57の前側を延在する第1可動体64の第1支持部材65と、該機構取付部材57の後側を延在する第2可動体74の第2支持部材75とは、第2位置において前後に離間した状態で交差する(
図20参照)。
【0059】
図11,
図12に示す如く、前記第2作動歯車63に検出片63bが設けられ、該検出片63bは、前記機構取付部材57に配設された検出手段82によって検出可能に構成されている。検出手段82は、前記制御手段に配線接続されており、該検出手段82からの検出信号の入力に基づいて制御手段が駆動モータ58を駆動制御し得るよう構成される。前記検出片63bは、第1位置において検出手段82で検出されて、該検出手段82の検出信号の入力に基づいて駆動モータ58を制御手段が停止制御することで、第1および第2可動体64,74を第1位置に停止保持し得るよう構成される。前記駆動モータ58としてステッピングモータが採用され、該駆動モータ58の駆動によって第1位置から移動を開始した第1および第2可動体64,74を、移動パルス信号の制御によって第2位置で停止するように駆動モータ58を制御手段で駆動制御し得るよう構成されている。
【0060】
(第2演出装置N2について)
前記設置部材22の右画壁部91dに複数の第2固定部93を介して固定されて前記右板部90dの前側に配置される前記第2演出装置N2は、第2発光演出装置H2および第2可動演出装置K2を備えている。この第2演出装置N2における第2発光演出装置H2および第2可動演出装置K2の基本的な構成は前記第1演出装置N1の第2発光演出装置H2および第2可動演出装置K2と同じであって、配設向きが左右逆となっている。そこで、第2演出装置N2の構成については、第1演出装置N1と異なる部分についてのみ説明することとして、同一機能の部材には同一符号を付して詳細説明は省略する。
【0061】
図16,
図17,
図21,
図22に示す如く、前記第2演出装置N2を構成する第2発光演出装置H2および第2可動演出装置K2は、基板取付部材50を挟んで前後の関係で組み付けられており、第2発光演出装置H2を構成する基板取付部材50に設けた被固定部50cを前記右画壁部91dの対応する第2固定部93にネジ止め固定することで設置部材22に位置決め固定した状態で、該基板取付部材50と設置部材22の右板部90dとの間に画成される第2収容空間27bに第2可動演出装置K2が収容されるようになっている(
図5参照)。また第2演出装置N2では、第2可動演出装置K2により動作される第1および第2可動体64,74は、枠状装飾体42における開口部42aの右側縁側の第1位置と、この第1位置より開口部42aの中央側に第1および第2装飾部材68,76が臨む第2位置(
図18参照)との間で往復移動するよう構成される。
【0062】
前記第2演出装置N1の基板取付部材50の前面に配設される発光基板51には、
図16に示す如く、該基板取付部材50に設けられた第1案内部53と第2案内部53との間に延在する第2延在部54cと、第2案内部53の下側を延在する第3延在部54dとが設けられている。すなわち、前記第1発光演出装置H1の発光基板51には3つの延在部54b,54c,54dが設けられるのに対し、第2発光演出装置H2の発光基板51には2つの延在部54c,54dが設けられている点が異なっている。
【0063】
ここで、第2演出装置N2においては、前記第1および第2可動体64,74は、第1位置では
図16,
図17に示す如く、第1および第2装飾部材68,76が前記基板取付部材50(固定装飾部材52a,52b)を挟む上下位置に位置するように相互に離間しており、前記駆動モータ58を正転駆動した場合は、第1装飾部材68が上方から左下方に向けて弧状の軌道で移動するのに対し、第2装飾部材76は下方から左上方に向けて直線の軌道で移動して、第2位置では
図18に示す如く、第1および第2装飾部材68,76が前記枠状装飾体42における開口部42aの中央側の前側において上下に並んだ状態となるよう構成される。また、第2演出装置N2においても第1および第2装飾部材68,76の装飾カバー体68e,76eの形状は関連する形状とされており、関連する形状の第1および第2可動体64,74が第2位置に移動することで近接して並ぶ動きによって演出の興趣を向上し得るようになっている(
図21参照)。更に、実施例では、第1演出装置N1および第2演出装置N2の夫々の第1および第2装飾部材68,76の装飾カバー体68e,76eの形状が関連する形状とされており、
図18に示す如く、開口部42aの中央側に4つの装飾部材68,76,68,76が相互に近接することで、インパクトを与えると共に興趣を向上し得るようになっている。なお、前記機構取付部材57の前側を延在する第1可動体64の第1支持部材65と、該機構取付部材57の後側を延在する第2可動体74の第2支持部材75とは、第2位置において前後に離間した状態で交差する(
図22参照)。
【0064】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0065】
前記前枠13に設けられた前記操作ハンドル16の操作レバー16aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記板状部材21の遊技領域21a内に打ち出される。この遊技領域21aに打ち出されたパチンコ球は、前記枠状装飾体42の外周囲を流下し、該パチンコ球が前記始動入賞口に入賞すると、前記制御手段の制御に基づいて前記表示装置17の表示部17aにおいて図柄が変動開始され、所要の図柄変動演出が展開される。表示部17aで展開される図柄変動演出の結果、該表示部17aに所定の図柄組合わせで図柄が停止表示されたときに大当りが発生する。そして、大当りが発生すると、表示装置17の表示部17aに表示された図柄組み合わせ(大当りの種類)に応じて、前記板状部材21の下部に設けられた第1の特別入賞装置31および前記枠状装飾体42に設けられた第2の特別入賞装置32の特別入賞口が所要のパターンで開放され、遊技者は多くの賞球が獲得可能となる。
【0066】
前記表示装置17の表示部17aで展開される図柄変動演出に応じて、前記制御手段の制御に基づいて前記演出装置N1,N2の発光演出装置H1,H2の各発光体51a,51aが点灯することで、前記基板取付部材50の前側に配設された固定装飾部材52a,52bが明輝する発光演出が行われて、遊技の興趣が高められる。実施例では、固定装飾部材52a,52bは、着色された2つの第1種固定装飾部材52a,52aの間に透明な第2種固定装飾部材52bが配置されており、発光体51a,51aが点灯した場合に種類が異なる固定装飾部材52a,52bが明輝することでより興趣が向上する。また、制御手段の制御に基づいて、各演出装置N1,N2の可動演出装置K1,K2により可動体64,74,64,74が動作する演出が実行され、この動作演出によって遊技の興趣が一層高められる。
【0067】
(第1および第2可動演出装置K1,K2の作用について)
前記第1および第2可動演出装置K1,K2の作用は同じであるので、第1可動演出装置K1の作用についてのみ説明する。
【0068】
前記第1可動演出装置K1は、
図7に示す如く、前記第1可動体64の第1位置において、該第1可動体64における第1支持部材65が前記基板取付部材50の裏側に重なった状態で、前記第1装飾部材68が基板取付部材50(固定装飾部材52a,52b)の上側に露出している。また、前記第2可動体74の第1位置において、該第2可動体74における第2支持部材75の一部が基板取付部材50の裏側に重なった状態で、前記第2装飾部材76が基板取付部材50の下側に露出している(
図3参照)。
【0069】
前記第1可動演出装置K1は、常には第1および第2可動体64,74が第1位置にあり、前記表示装置17の表示部17aで行われる図柄変動演出に連動して、または独立して、第1および第2可動体64,74が第1位置と第2位置との間で往復移動される。具体的には、第1可動演出装置K1は、駆動モータ58を正転方向に回転駆動すると、第1作動歯車61と第2作動歯車63とが相互に逆方向に回転する。これにより、前記第1支持部材65は第1作動軸61aを中心として時計回り方向に回転することで、前記第1装飾部材68が前記枠状装飾体42の開口部42aの中央側の前側、すなわち表示装置17における表示部17aの前側に移動しつつ右下方へ移動する。これに対し、前記第2支持部材75が第2作動歯車63の第2作動軸63aを中心として反時計回り方向に回転することで、該第2支持部材75の回転に伴って前記転がり軸受77およびガイド孔78aで案内される前記第2装飾部材76が右上方に向けて直線的に移動する。
【0070】
前記駆動モータ58が予め設定された回転数(パルス数)だけ回転すると、前記制御手段により駆動モータ58が停止制御され、前記第1および第2可動体64,74が第2位置で停止し、
図18に示す如く、第1および第2装飾部材68,76は、前記開口部42aの中央側の前側で上下に並んだ状態に維持される。第2位置において開口部42aから前側に露出する両装飾部材68,76の各発光体68c,76cを点灯することで、上下に並んだ装飾カバー体68e,76eが明輝されて、前記表示装置17の表示部17aで行われている図柄変動演出と相俟って演出効果が向上する。しかも、上下に並ぶ装飾カバー体68e,76eは関連する形状に形成されているので、一層興趣が高まる。更に、実施例では、第1演出装置N1および第2演出装置N2の夫々の装飾カバー体68e,76eの形状が関連する形状とされているので、
図18に示す如く、開口部42aの中央側に4つの装飾部材68,76,68,76が相互に近接する動作によってインパクトを与えると共に、興趣をより一層向上することができる。
【0071】
前記駆動モータ58が逆転方向に回転駆動されると、前記第1および第2支持部材65,75が相互に逆方向に回転することで、第1および第2装飾部材68,76は上下方向に離間しつつ枠状装飾体42の開口部42aの中央側から左方に移動する。そして、前記検出手段82が検出片63bを検出することで、前記制御手段が駆動モータ58を停止制御し、第1および第2可動体64,74は第1位置で停止し、第1および第2装飾部材68,76は該開口部42aの左縁部側で上下に離間した状態に維持される。
【0072】
前記第1可動演出装置K1の第1可動体64は、前記第1支持部材65に設けた複数の第1案内部材66が基板取付部材50に設けた対応する案内部53で案内される。第1案内部材66は、対応する案内部53に対して前後方向の変位が規制された状態で案内されるので(
図14参照)、第1可動体64の前後方向のぶれは好適に抑制される。すなわち、第1支持部材65の延出端部に設けられる第1装飾部材68の前後方向の変位が抑制されて、該第1装飾部材68が他の部材に接触するのを防ぐことができる。
【0073】
前記第1可動演出装置K1は、
図6に示す如く、第2支持部材75の軸支持部75aに対して前側に変位するように位置する第2装飾部材76を、滑り軸受構造と比べて摺動負荷が低い転がり軸受77を介して支持するよう構成したので、第2装飾部材76を円滑に動作させることができる。すなわち、第2支持部材75を折曲して第2装飾部材76に連繋する構成においても、該第2支持部材75に加わる負荷を軽減することができる。また、第2装飾部材76は、転がり軸受77とガイド孔78aとの2箇所で案内されるので、該第2装飾部材76が前後方向に変位するのは抑制され、第2装飾部材76が移動中に他の部材に接触するのを防ぐことができる。
【0074】
実施例のパチンコ機10では、第1可動体64を案内する案内部53を、発光基板51が配設される基板取付部材50に設けているので、案内部53を設けるための別部材を省略することができ、省スペース化を図り得る。すなわち、基板取付部材50と第1可動体64との間に案内部を設けた別部材を配設することで前後寸法が大きくなるのを防ぐことができる。これにより、第1演出装置N1(第2演出装置N2)のコンパクト化を図ることができるので、該第1演出装置N1(第2演出装置N2)の配置に係る設計の自由度が高くなり、第1演出装置N1(第2演出装置N2)を動作演出による効果を高め得る位置に配置して第1および第2可動体64,74の動作や前記第1発光演出装置H1(第2発光演出装置H2)による発光演出の興趣を向上し得る。また、案内部53によって第1および第2可動体64,74の前後方向の変位は防止されるので、該第1および第2可動体64,74が移動時に他の部材と干渉しないように他の部材との間に大きな隙間を設ける必要はなく、より省スペース化を図り得る。また、第1演出装置N1(第2演出装置N2)では、基板取付部材50の後側に駆動機構56を重ねて配置したので(
図5参照)、該基板取付部材50の外側方に駆動機構56が延出することで第1演出装置N1(第2演出装置N2)が大型化して設置スペースが増大するのを抑制できる。
【0075】
前記第1可動体64は、第1支持部材65の長手方向および幅方向に離間する複数の第1案内部材66が基板取付部材50に設けた対応する案内部53で案内される構成であるので、第1可動体64の移動時の安定化を図り得る。また、
図7に示す如く、発光基板51に設けられて案内部53,53を囲むように位置する各延在部54b,54c,54dにも発光体51aが実装されているので、該案内部53,53の形成位置の近傍においても前記固定装飾部材52a,52bを照明して明輝させることができる。すなわち、第1発光演出装置H1(第2発光演出装置H2)によって照明される固定装飾部材52a,52bにおける非照明領域を最小限に止めることができ、固定装飾部材52a,52bの全体を明輝して演出効果を向上し得る。
【0076】
図15に示す如く、前記中継基板69に一端が接続されて前記第1可動体64の軸支持部65aに設けた環状空間73に引き込まれるフラットケーブル70の可撓部70aは、幅方向が前記第1作動軸61aの軸方
向に沿う姿勢となっているので、第1可動体64が第1作動軸61aを中心として回転する際には可撓部70aが円滑に変形し、該フラットケーブル70に大きな負荷が加わることはない。また、前記中継基板69を第1作動軸61aに沿って立てた姿勢で設置することで、該中継基板69との接続部から装飾用発光基板68bとの接続部までの間でのフラットケーブル70の折り返しは1回で済むので、該フラットケーブル70の引き回し作業を容易にすると共に、折り反し部位が増加することによる断線の発生率を低減し得る。
【0077】
前記第1演出装置N1(第2演出装置N2)は、前記基板取付部材50を挟んで前側に第1発光演出装置H1(第2発光演出装置H2)を配設すると共に裏側に第1可動演出装置K1(第2可動演出装置K2)を配設する構成であるので、基板取付部材50を単位とするユニット単位で前記設置部材22に対して着脱することができ、故障や部品交換等のメンテナンスは容易である。
【0078】
前記第1可動演出装置K1(第2可動演出装置K2)では、1つの駆動モータ58により、2つの可動体64,74を動作させることができる。また、第1可動体64の第1支持部材65と第2可動体74の第2支持部材75とを前後に離間して配置してあるから、両支持部材65,75が移動中に干渉することはない。しかも、2つの可動体64,74を独立したモータで夫々動作するものではないから、モータを2つ設けた場合に比ベて部品点数を低減し得ると共に設置スペースを小さくでき、かつ制御手段にかかる負担を軽減し得る。
【0079】
前記第1可動演出装置K1(第2可動演出装置K2)では、第1支持部材65と第2支持部材75とを前後に離間して交差するように配置したので(
図19,
図22参照)、第1位置において一対の可動体64,74をコンパクトな形態としたもとで、駆動モータ58の少ない回転量で一対の可動体64,74を大きく移動させることができる。すなわち、第1位置において枠状装飾体42の開口部42aの左縁部(第2可動演出装置K2では右縁部)に位置する可動体64,74を開口部42aの中央側に大きく延出させることができるので、インパクトを与えて遊技の興趣を向上し得る。
【0080】
(変更例)
本願発明は、前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、演出装置を設置部材の左右両側に配設したが、上下両側に配設する構成や左右何れか一方または上下何れか一方にのみ演出装置を配設する構成を採用し得る。
(2) 実施例では、可動演出装置に配設した2つの可動体に関し、一方の可動体の装飾部材を円弧軌道を描くように移動させると共に、他方の可動体の装飾部材を直線軌道で移動させるように構成したが、2つの装飾部材を何れも円弧軌道を描くように移動させたり直線軌道で移動させる構成を採用し得る。
(3) 実施例では、可動演出装置に2つの可動体を配設したが、可動体は1つでも3つ以上であってもよい。
(4) 実施例では、基板取付部材に可動体を移動可能に配設したが、設置部材に移動可能に配設した可動体を基板取付部材に設けた案内部によって案内する構成を採用し得る。
(5) 実施例では、基板取付部材に配設した発光基板に、側方に開放する切欠きを設けることで案内部の一部を囲ようにしたが、発光基板に、案内部に対応する板厚方向に貫通する開口部を形成し、該開口部内に案内部が臨むよう基板取付部材に発光基板を配設することで、該発光基板で案内部の全体を囲う構成としてもよい。
(6) 実施例では、可動体を2つの案内部で案内するよう構成したが、案内部は1つまたは3つ以上であってもよく、該案内部の数に合わせた数の案内部材を可動体に設ければよい。
(7) 実施例では、可動体を移動させる駆動機構としてモータと歯車とを組み合わせた機構を用いたが、モータとリンク機構とを組み合わせた機構、モータとラックアンドピニオン機構とを組み合わせた機構等、その他公知の各種機構を採用し得る。
(8) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機や遊技媒体として遊技球やメダルを用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。すなわち、基板取付部材や可動体が配設可能な設置部を備えるよう構成された遊技機に対して好適に採用可能である。