(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、例えば、掘削装置や地上運搬装置を含む様々な種類の土作業機械の磨耗アッセンブリに関する。掘削装置は、例えば、ドラグライン機、ケーブルショベル、フェースショベル、油圧ショベル及び浚渫カッターを含む、例えば、採鉱、建設及び他の活動で使用されるあらゆる様々な掘削装置を意味するための一般的な用語として意図される。また、掘削装置は、バケットあるいはカッターヘッドなどのこれらの機械の地面係合コンポーネントを意味する。掘削縁は、地面との接触をもたらす装置の部分である。掘削縁の一例は、バケットのリップである。また、地面運搬装置は、例えば、シュート及び掘削トラックベッドを含む、土を運搬するのに使用される様々な装置を意味する一般的な用語として意図される。本発明は、例えば、掘削歯及びシュラウドの形態の掘削装置の掘削縁に沿って使用するために適している。さらに、本発明の特定の態様は、例えば、ランナーの形態の磨耗表面の拡大に沿って使用するために適している。
【0016】
前、後、上、底などの相対的な用語は、説明の便宜のために使用される。前又は前方の用語は、概ね、使用中(例えば、掘削の間)の通常の走行方向を示すために使用され、上又は上部は、概ね、例えば、バケットの中に集められたときに、土が通過する表面への参照として使用される。それにもかかわらず、種々の土作業機械の動作において、磨耗アッセンブリは、様々な方向に配向され、使用中において全ての種類の方向に動くことが認められる。
【0017】
一例では、本発明に係る磨耗アッセンブリ14は、バケットのリップ15に取り付けられる掘削歯である(
図1、2及び14)。図示の歯14は、リップ15に溶接されたアダプタ19と、アダプタ19上に取り付けられた中間アダプタ12と、ベース12上に取り付けられたポイント(チップとも呼ばれる)10とを含む。一つの歯の構造が示されているが、本発明の態様のいくつか又は全てを使用して他の歯の構成も可能である。例えば、この実施形態のアダプタ19は、リップ15に溶接されるが、(例えば、ホイスラー形式のロックアッセンブリによって)機械的に取り付けられることができる。さらに、ベースは、別個に取り付けられた要素よりはむしろ掘削装置の一体部分にすることができる。例えば、アダプタ19は、鋳造リップの一体ノーズに置き換えられることができる。この出願では、説明の目的のために、中間アダプタ12は、ベースとして参照され、ポイント10は、磨耗部材として参照されているが、中間アダプタ12は、磨耗部材と考えられ、アダプタ19は、ベースと考えられることができる。
【0018】
アダプタ19は、リップ15をまたぐ一対の脚部21、23と、前方に突出するノーズ18とを含む。中間アダプタ12は、アダプタ19の前端部でノーズ18を受け入れるために後方に開口するキャビティ17を含む(
図1、2、5及び14)。キャビティ17及びノーズ18は、参照によって本明細書に組み込まれた米国特許第7882649号に開示されているように構成されているのが好ましいが、他のノーズ及びキャビティの構成が使用されることができる。アダプタ12は、ポイント10を取り付けるための前方に突出するノーズ48を含む。ポイント10は、ノーズ48を受け入れるための後方に開口するキャビティ26と、地面に入り込むための前端24とを含む。ロック16は、磨耗部材10をベース12に固定するため及びベース12をノーズ18に固定するために使用される(
図1、2、14)。この例では、磨耗部材10をベース12にベース12をノーズ18に両方とも固定するためのロックは、同じである。それにもかかわらず、ロックは、異なって寸法づけられ、異なる構成を有し、あるいは、完全に異なるロックにすることができる。中間アダプタの使用に関し、歯は、大規模な機械で使用するために非常に適しているが、小規模な機械で使用されることができる。別な方法として、磨耗部材としてのポイントは、ベースとしてのアダプタ19上に直接的に取り付けられる。
【0019】
磨耗部材10は、この実施形態では、概ね、装置の動作中に地面に係合して貫通するための狭い先端24に収束する上壁20及び底壁20を有する楔形状の構成を有する(
図1、2及び8−14)。キャビティ26は、ベース12を収容するために磨耗部材10の後端28において開口する。キャビティ26は、前端部分30及び後端部分32を含むのが好ましい。磨耗部材10の前部分又は作業部分27は、キャビティ26の部分である。磨耗部材10の後部分又は取り付け部分29は、キャビティ26を含む部分である。
【0020】
キャビティ26の前端部分30(
図10−13)は、上安定化面34及び下安定化面36を含む。安定化面34、36は、垂直荷重(すなわち、垂直成分を含む荷重)の下での完全された安定性のために、キャビティ26の長手方向軸線42に実質的に平行に軸方向に延在する。本出願での用語“実質的に平行”は、実際に平行である又は小さな発散角度(すなわち、約7度以下)を意味する。従って、安定化面34、36は、長手方向軸線42に対して約7度以下の角度で軸方向に延在する。好ましくは、安定化面は、約5度以下の角度、最も好ましくは2−3度の角度で長手方向軸線から後方に軸方向に発散する。
【0021】
安定化面34、36は、対向し、そして、ベース12のノーズ48上の相補的安定化面44、46に対抗する(
図24)。また、安定化面44、46は、コンポーネントが互いに組み立てられると、長手方向軸線42に実質的に平行である(
図3−7、14−16及び24)。ノーズ48の安定化面44、46に対するキャビティ26の安定化面34、36の支持は、垂直荷重下での磨耗部材10の安定した取り付けを提供する。磨耗部材10の前端24に加えられる垂直荷重は、磨耗部材を付勢して、(ノーズ及びロックによって制限されていない場合に)前方へ回転させてノーズから外させる。安定化面(すなわち、長手方向軸線42に実質的に平行である表面)は、より大きな軸方向の傾きを有する表面よりもより効果的にこの付勢に抵抗し、ノーズ48への磨耗部材10のより安定した取り付けを提供する。より安定した取り付けは、小さなロックの使用を可能にし、部品間の少ない内部磨耗を結果として生じる。
【0022】
キャビティ26の前端部分30は、側方荷重に耐えるためにノーズ48上の相補的側方支持面45、47と接触するための側方支持面39、41をさらに含む。キャビティ26の側方支持面39、41及びノーズ48上の側方支持面45、47は、磨耗部材10の取り付けにおいてより大きな安定性のために長手軸線42に実質的に平行に軸方向に延在するのが好ましい。これらの前側方支持面39、41、45、47は、(以下に説明されるように)側方荷重に耐える後支持面と協働する。好適実施形態では、キャビティ26の前支持面34、36、39、41は、各々、シフト荷重及び全方向からの荷重に対してより良く抵抗するために、わずかに横方向の凹面の曲率で形成される。ノーズ48上の前支持面44−47は、相補的な凸面形状を有する。しかしながら、キャビティ26及びノーズ48の前支持面は、平坦又は様々な曲率で形成されることができる。
【0023】
ベース12のノーズ48は、前端52の安定化面44、46の後方に後部分又は主要部分50を含み(
図3−7及び14−20)、ノーズ48は、アダプタ12の部分が磨耗部材10のキャビティ26の中に受け入れられることを考慮される。主要部分50は、概ね、狭い中央部分54及び広い又は厚い側部分56を有する横断面が“ドッグボーン(dog bone)”構成(
図18−20)を有する。そのような構成は、機能においてI型ビーム構造に似ており、減少された質量及び重さで強度の魅力的なバランスを提供する。好適実施形態では、側部分56は、互いに鏡像である。側部分56は、設計における強度の増大及びストレスの低減のために、前方から後方に徐々に厚さが増加する。狭い中央部分54及び拡大された側部分56を有するノーズ48の使用は、(i)動作中において出くわすかもしれない重い荷重に耐えるのに十分な強度を有するノーズ48と、(ii)使用中において地面と磨耗的な接触からロックを保護するため及びロックの取りはずれのリスクを低減するためにロック16を磨耗部材14の中央位置に配置すること、の二重の利益を提供する。中央部分54は、好ましくは、同じ横方向の平面に沿ったノーズ48の全体の厚さ(すなわち、高さ)のおよそ中央の三分の二以下を表す。最も好適な実施形態では、中央部分54の厚さは、同じ横方向平面に沿ったノーズ48の最大又は厚さ全体のおよそ60%以下である。中央部分54は、上面58及び底面60によって画定される。上面58及び底面60は、長手軸線42に実質的に平行に軸方向に延在するのが好ましいが、より大きな傾斜を有することができる。上面58は、各側面において、側部分56の内面62に調和する。内面62は、上面58から上方かつ外側に横方向に傾斜され、側部分56の上部分を部分的に画定する。同様に、内面64は、低面60から下方かつ外側に横方向に傾斜され、側部分56の下部分を部分的に画定する。内面62は、各々、約130−140度の角度αで上面58に対して横方向に傾斜され、磨耗部材10上の垂直荷重及び側方荷重の両方に耐えると共に、荷重時における応力集中を低減する(
図20)。しかしながら、内面は、所望であればこの範囲外の角度(例えば、約105−165度)にすることができる。内面64は、好ましくは、内面62の鏡像であるが、所望であれば異なっていてもよい。傾斜の好適な範囲は、内面62、64の両方の傾斜に対して同じである。各内面62、64に対する最も好適な傾斜は、135度の角度αである。いくつかの構成では、垂直荷重により大きな耐性を提供するために隣接する上面又は底面に対して135度以上の角度αで傾斜された各内面62、64を有するのが好ましい。内面62、64は、垂直荷重によりよく抵抗するため及びベース12への磨耗部材10の安定な取り付けを提供するために、各々が長手軸線42に対して実質的に平行に軸方向に延在する安定化面であるのが好ましい。
【0024】
中央穴66は、中央部分54に形成され、上面58及び底面60において開口するが(
図3、5、7、19、25及び29)、所望であれば、上面58だけに開口することができる。底面60を通る穴66の下方への拡張は、穴への土細粒の蓄積を減少し、穴の土細粒を容易にきれいに清掃することを可能とする。磨耗部材10の上壁20は、磨耗部材10がノーズ48上に取り付けられたときに穴66と整合する貫通穴67を含む(
図1、9、10A、13、14、25及び29)。ロック16は、穴66、67の中に受け入れられて、磨耗部材10をベース12に固定する(
図25、29及び30)。好適なロック16の詳細が以下に提供される。しかしながら、他のロックが磨耗部材10をベース12に固定するのに使用されることができる。例として、代替的なロックは、各々が参照によって本明細書に組み込まれた米国特許第7578081号又は米国特許第5068986号に記載された形態にすることができる。代替的なロックを使用する場合において磨耗部材及びベースの整合された穴の形状は、勿論、異なるロックを収容するために本明細書中に図示されたものとは異なる。
【0025】
磨耗部材10の穴67は、好ましくはロック16を取り囲む壁68によって画定される(
図31)。壁68は、上支持面71及び下支持面73を画定するために壁の部分に沿って横方向に延在する保持構造69を含む。支持面71、73は、各々、ロック16によって接触され、ロックを穴の中に保持する共に、より良くロックの放出又は損失に抵抗するように磨耗部材の出荷、保管、設置及び使用中においてロックにかけられる内向き及び外向きの垂直方向の力に抵抗する。好適実施形態では、保持構造69は、壁68から穴66の中に延在する半径方向の突起として形成され、支持面71、73は、上肩部及び下肩部として形成される。代替的に、保持構造69は、互いに対向する上支持面及び下支持面を有する外周壁68の凹部(図示せず)として形成されることができる。通路75が、穴67の壁68に沿って垂直方向に提供され、ロック16の挿入及び保持構造69の係合、すなわち、上支持面71及び下支持面73の双方とロック16が軸受接触する状態を可能にする。図示の実施形態では、穴は、磨耗部材10の底壁22に形成されていないが、穴は、ポイント10のリバーシブルな取り付けを可能にするために形成されることができる。また、所望であれば、ベース12とノーズ18との間の嵌合がそれを許容する場合には、ベース12は、ノーズ18にリバーシブルに取り付けられることができる。図示の実施形態では、ベース12は、ノーズ18にリバーシブルに取り付けられることができない。
【0026】
好適実施形態では、保持構造69は、基本的に、保持構造69の上又は外側の第1レリーフ77と、保持構造69の下またか内側にある第2レリーフ79と、保持構造69の遠位端81にある通路75とによって画定された壁68の連続部分である。レリーフ77、79及び通路75は、保持構造69の周りの周辺壁68の連続した凹部を画定する。レリーフ77、79の端壁87、89は、ロック16の位置決めのためのストップを画定する。凹部85は、好ましくは、キャビティ26の内面91に沿って提供されて、後述するようにロック16の取り付け要素の挿入中にストップとして機能する。
【0027】
磨耗部材10のキャビティ26は、ノーズ48を補完する形状を有する(
図9、10、10A、24−26及び29)。従って、キャビティの後端32は、上凹部70及び下凹部72の中に収容される上突出部74及び下突出部76を含む。上突出部74は、ノーズ48の内面62に対向する内面78と、ノーズ48の内面62に対向すると共に内面62に対して抗する側面80とを含む。好ましくは、側面80と内面62との間の接触を確実にするために内面78と上面58との間に隙間があるが、所望であれば、内面78と上面58は、接触させることができる。側面80は、内面62の横方向の傾斜と合致するように横方向に傾斜される。側面80は、内面62の軸方向の延在部と合致するように長手方向軸線42に実質的に平行に軸方向に延びる。
【0028】
下突出部76は、好ましくは、上突出部74の鏡像であり、底面60に対向する内面82と、内面64に対向すると共に内面64に対して抗する側面84とを含む。キャビティ26では、内面78は、ノーズ48の中央部分54の厚さよりもわずかに大きい二つの内面78、82間の隙間86を有して内面82と面する。隙間86の厚さ(又は高さ)は、好ましくは、同じ横方向平面に沿ったキャビティ(すなわち最大の高さ)26の全体の厚さ(又は高さ)の中央の三分の二内にあり、同じ横方向の平面に沿ったキャビティの全体の厚さの中央の60%以下であるのが最も好ましい。側面80、84は、内面78、82からそれぞれ離れる方向に横方向に傾斜され、ポイントのための上の後安定化面及び下の後安定化面を画定するために長手方向軸線42に対して実質的に平行に延在する。前安定化面34、36は、後安定化面80、84と協働して、ノーズ48に対して磨耗部材10を安定的に支持する。例えば、磨耗部材10の前端24の下向きの垂直荷重L1(
図2)は、ノーズ48の前安定化面44に支持するキャビティ26の前安定化面34と、ノーズ48の後安定化面64に支持するキャビティ26の後安定化面84とによって主に抵抗される(
図24−26及び29)。これらの安定化面34、44,64、86の軸方向の延在部(すなわち、それらは、長手方向軸線42に対して実質的に軸方向に平行である)は、荷重L1が磨耗部材10に対して付勢するロールの前方下向きの傾向を最小限に抑える。同様に、前端24の反対の上向き荷重L2(
図2)は、ノーズ48の前安定化面46に支持するキャビティ26の前安定化面36と、ノーズ48の後安定化面62に支持するキャビティ26の後安定化面80とによって主に抵抗される(
図24−26及び29)。上述と同様に、安定化面36、46、62、84は、ベース12に対して磨耗部材10を安定的に支持する。
【0029】
側面80と内面62との間の軸受接触及び側面84と内面64との間の軸受接触は、垂直荷重と横方向の成分を有する荷重(側方荷重と呼ばれる)の双方に抵抗する。磨耗部材が地面を通じて強制されるようなシフト方向において荷重が磨耗部材に共通的にかけられるので、垂直荷重及び側方荷重の双方に同じ面が抵抗することは有利である。横方向に傾斜した安定化面に関し、同じ面間の支持は、荷重が例えば多くの垂直荷重から多くの側方荷重にシフトする場合でも生じ続ける。この構成に関し、ノーズ上のポイントの動きが減少し、それは、コンポーネントの磨耗低減につながる。
【0030】
中空部分88、90は、ノーズ48の側部分56を受け入れるためのキャビティ26の上突出部74及び下突出部76の各々の両側に提供される(
図9、10、12、13、25、26及び29)。中空部分88、90は、側部分56を補完して収容する。上中空部分88は、突出部74の側面80と外面92とによって画定される。下中空部分90は、突出部76の側面84と外面94とによって画定される。外面92、94は、概ね、湾曲した及び/又は角度が付いた形状であり、側部分56の上面、底面及び外面を補完する。
【0031】
好適な構成では、ノーズ48の各側壁100は、チャンネル102が提供される(
図18−20)。各チャンネルは、チャンネルに概ねV字形状を与える傾斜したチャンネル壁104、106によって画定されるのが好ましい。チャンネル102は、各々、鋭い内側隅部を回避するために底壁107を有するのが好ましいが、所望であれば、底壁なしに(すなわち、合せられた接合壁104、106で)形成されることができる。チャンネル壁104、106は、各々、垂直荷重及び側方荷重の両方に耐えるために傾斜されるのが好ましい。好適な構成では、チャンネル壁104、106は、約80−100度(好ましくは、中央の水平面の各側に対して約45度)の開先角度βを画定するために広がるが、角度は、この範囲外にすることができる。チャンネル壁104、106は、各々、長手方向の軸線42に対して平行に軸方向に延在するのが好ましい。
【0032】
キャビティ26の対向面98は、チャンネル102を補完すると共にチャンネル102の中に受け入れられる突出部108を画定する。突出部108は、垂直荷重及び側方荷重に抵抗するためにチャンネル壁104、106に対向しかつチャンネル壁104、106に抗して耐える支持壁110、112を含む。突出部108は、好ましくは、側壁98の長さを延在するが、短くすることができ、チャンネル102の一部分のみに収容されることができる。支持壁110、112は、チャンネル壁104、106の横方向の傾きに合致し、長手方向軸線42に対して実質的に平行に軸方向に延在するのが好ましい。
【0033】
磨耗部材10及びベース12の対向部分は、使用中において互いに係合するが、表面34、36、44、46、62、64、80、84。104、106、110、112の係合は、垂直荷重及び側方荷重の両方に抵抗するために主要な支持面であることが意図される。ノーズ48の前面116に対するキャビティ26の前壁114の接触は、二つの軸方向の荷重(すなわち、長手方向軸線42に平行である二つの成分を有する二つの荷重)に抵抗する主要な支持面であることを意図する。
【0034】
磨耗部材10は、好ましくは、後端28にある、上壁20の横方向に離間された凹部123、125と、下壁22の対応する横方向に離間された凹部127、129とを含む(
図1、2、10、14及び26)。ノーズ48は、好ましくは、磨耗部材10の後端28がノーズ48の後端138と結合するように(
図1、2及び26)、磨耗部材10の凹部123、125、127、129から横方向にオフセットされる協働凹部130、132、134、136(
図1−3、5、6及び26)を含む。磨耗部材がノーズ48に完全に固定されるときに、磨耗部材10の側部分124は、ベース12の側方凹部130、136に受け入れられ、磨耗部材10の上部分126は、ベース12の上凹部132に受け入れられ、磨耗部材10の底部分128は、ベース12の底凹部134に受け入れられる。同様に、下ベース部分140及び上ベース部分142は、磨耗部材10の協働凹部123、125、127、129に受け入れられる。この磨耗部材10とベース12との互いにかみ合う係合は、使用中に荷重に抵抗する。それにもかかわらず、他の構成が使用され、あるいは、インターロック構成は、省略される、すなわち、凹部123、125、127、129を使用しないで連続した構成を有する後端28にすることができる。
【0035】
磨耗部材10は、好ましくは、キャビティ26に開口する磨耗表示くぼみ170を含む(
図26)。図示の例では、磨耗表示くぼみ170は、後端28に近接して底壁22に形成されたスロットであるが、他の位置が使用されることができる。くぼみ170は、磨耗部材10が新品である時に磨耗面13から離間された深さを画定するために底面172を有する。くぼみ172が使用中に磨耗面13から現れるときに、オペレータに視覚的な表示を提供し、それは、磨耗部材を交換する時期である。
【0036】
ロック16は、好ましくは、磨耗部材10をベース12に固定すると共にベース12をノーズ18に固定するために使用される(
図1、2及び14)。好適な構成では、上壁20のロック16は、磨耗部材10をベース12に保持するために提供され、ベース12の各側壁151のロック16は、ベース12をアダプタ19に保持するために提供される、代替的に、二つのロックが、磨耗部材10をベース12に固定するために使用され、一つのロックが、ベース12をアダプタ19に保持するために使用されることができる。穴146は、それぞれのロック16を受け入れるためにベース12の各側面151に提供される。各穴146は、穴67に対して上述したのと同じ構成を有する。さらに、穴66と同様の穴161は、ノーズ18の両面163に提供される。二つの穴161は、好ましくは閉鎖されているが、ノーズ18を通じて相互につながることができる。しかしながら、ロックは、様々な構成を有することができる。ベース12をノーズ18に固定するロックは、例えば、米国特許第5709043号に開示されたような構成にすることができる。
【0037】
ロック16は、取り付け要素又はカラー222と、保持要素又はピン220を含む(
図27−44)。カラー222は、磨耗部材10の穴67に適合し、整合ねじ254を有するピン220を受け入れるためのねじ258を有する穴又は開口223を含む。好ましくは保持クリップの形態であるリテイナー224は、カラー222と共に穴57に挿入され、磨耗部材10からカラー222が外れるのを防止する。好ましくは、リテイナー224は、磨耗部材の出荷、保管、設置及び/又は使用のために、ロック16が磨耗部材10と一体に結合するように(すなわち、ロックを一体的に含む磨耗部材を画定するように)磨耗部材10の製造中に挿入される。そのような構成は、在庫及び保管の必要性を低減し、取り付け中(夜間では特に問題になることがある)のロックの落下を排除し、適切なロックが常に使用されるのを確実にし、磨耗部材の取り付けを容易にする。それにもかかわらず、所望であれば、リテイナー224は、ロック16の除去を行うために、いつでも取り除かれることができる。
【0038】
カラー222は、突出部236、237を有する円筒本体225を有し、突出部236、237は、ロック16を磨耗部材10の適所に保持するために保持構造69の支持面又は肩部71、73と接触して保持構造69の支持面又は肩部71、73を支持するために外方に突出する。カラー222を取り付けるために、本体225は、突出部236、237が通路又はスロット75に沿って摺動されるようにキャビティ26内から穴67の中に挿入され、次に、突出部236、237が保持構造69をまたぐように回転される(
図32及び33)。カラー222は、フランジ241が凹部85の中に受け入れられて凹部85の壁に対して当接する(
図32)まで穴67の中に移動されるのが好ましい。次に、カラー222は、突出部236、237がストップ87と当接するまで回転される(
図33)。カラー222の回転は、好ましくは、突出部236、237が上レリーフ77、79の中に移動してストップ87、89と当接するように約30度である。他のストップの構成が可能であり、例えば、カラーは、端部壁81に当接する形成部を有する又はストップと係合する一つだけの突出部を有することができる。この位置において、突出236は、上支持面又は肩部71に対して配置され、突出237は、下支持面又は肩部73に対して配置される。保持構造69の両面に対する突出部236、237の係合は、掘削中の荷重下でさえカラー222を穴67に保持する。さらに、外側突出部236及びフランジ241の協働は、使用中におけるピン220にかけられる片持ち荷重に抗する抵抗対を提供する。
【0039】
ひとたびカラー222が配置されると、リテイナー又はクリップ224は、磨耗部材10の外側から通路75の中に挿入される(
図34)。好ましくは、リテイナー224は、スロット75の中にスナップ嵌めされ、それによって、突出部236、237がレリーフ77、79に保持されかつ肩部71、73に抗して保持されるようにカラー222の回転を防止する。リテイナー224は、好ましくは、剛板で形成され、リテイナー224を磨耗部材10に保持するためにカラー222の外面246の収容ノッチ244の中にパチンと嵌る曲げタブ242を有する(
図35及び36)。リテイナーは、カラー222が、安全な保管、輸送、設置及び/又は使用のために磨耗部材20にロックされるのを可能にし、それによって、磨耗部材10の一体部品を画定する。さらに、リテイナー224は、好ましくは、穴67へのカラー222の適合を締結するために、カラー22を付勢するためのカラー222に対するスプリング力を発揮する。フランジ267が、突出部236と当接すると共にリテイナーの過度の挿入を防止するために提供されるのが好ましい。
【0040】
肩部71、73に対する突出部236、237の係合は、穴67の中にカラー222を機械的に保持すると共に、磨耗部材10の出荷中、保管中、取り付け中及び/又は使用中における内方及び外方への動きを効果的に防止する。土作業機械のための磨耗部材を製造されるのに一般的に使用される硬質の低合金鋼は一般的に十分な溶接性を欠いているため、機械的な取り付けが好ましい。カラー222は、単一ユニット(一部品又はユニットとしての組み立てられたもの)であるのが好ましく、強度及びシンプルのために一部品孔オズであるのが好ましい。リテイナー224は、好ましくは、使用中にかけられる重荷重に抵抗しないので鋼板から形成される。リテイナー224は、磨耗部材10からロック16が解放されるのを防止するように、穴67の中のカラー222の望ましくない回転を防止するためだけに使用される。
【0041】
ピン220は、ヘッド247及び軸249を含む(
図28−30、34及び37−40)。軸249は、ヘッド247からその長さの一部分に沿ったねじ254を有して形成される。ピンの端部230は、好ましくは、ノーズ48の穴66の中に受け入れるためにねじが形成されていない。ピン220は、ピンの端部230が先端であるように、磨耗部材の外側からカラー222の中に取り付けられ、そして、ピンのねじ254がカラーのねじ258と係合する。六角ソケット(または他の工具係合構造)248は、ピン220をカラー222の中に回転させるためのツールTの受け入れのために、後端においてヘッド247に形成される。
【0042】
好ましくは、六角ソケット248は、掃除口領域を画定するために、一つの面の適所にクリアランス開口250が提供される(すなわち、5つの面280だけが提供される)(
図27、28、34及び37−40)。掃除口領域250は、結果として大きく開口し、従って、土作業機械の地面係合部分のそのようなポケットや開口部を多くの場合詰める、影響を受ける粉鉱や砂を保持する可能性が低い。また、掃除口領域250は、詰まった粉鉱を粉砕してこじるためのツールを挿入するための別の場所を提供する。例えば、鋭いノミ、ピック、または電動工具装置が、詰まった粉鉱を粉砕し始めるために掃除口領域250の中に押し込まれ、突かれ、又は駆動される。たとえ処理中に損傷が掃除口領域250の内面に生じても、その損傷は、概ね、六角係合穴48の5つのアクティブツール面に対して影響を与えない。ひとたび詰まった粉鉱の一部が掃除口領域250から取り出されると、六角係合穴248の内側にある詰まった粉鉱は、掃除口領域250を通じてアクセスされる際に、側方から又は斜めに襲われる。
【0043】
耳たぶ形状の掃除口領域のもう一つの利点は、六角ソケットの一つの面の耳たぶ形状の掃除口領域と六角ソケットの組み合わせは、ピン20に対する複数のツールインターフェースを形成することである。例えば、一つの面に伸長されるときに8分の7インチ(2.2225cm)の六角ドライブT(
図38)で使用するために寸法づけられた六角ソケットは、4分の3インチ(1.905cm)の四角ドライブT1(
図39)も同様に許容する。四角ドライブなどのための最適な嵌合は、掃除口領域250に対向する六角ソケット248の一つの面の溝251を形成することにより得られる。六角ツールが利用できないときに現場で必要である場合、プライバーなどの他のツールが、同様に嵌合することができる。
【0044】
一好適実施形態では、ねじ付きピン220は、周囲のねじ山254を超えて突出するように偏向された、偏向ラッチ歯又は戻り爪252を含む(
図29、30及び34)。ラッチ戻り爪252が外側ポケット256と整合して外側ポケット256に挿入するときに、ねじ付きピン220がカラー222に対して特定の位置に係合するように、対応する外側ポケット又は凹部256は、戻り爪252を受け入れるためにカラー222のねじ山258に形成される。外側ポケット256へのラッチ戻り爪252の係合は、キャビティ26の外側に(又は、ノーズ48の十分なクリアランスで穴66の少なくとも外側に)ピン20を保持する、カラー22に対して解放位置に、ねじ付きピン220を保持し、その結果、磨耗部材10は、ノーズ48に取り付けられる(及びノーズ48から取り除かれる)ことができる。ピンは、好ましくは、磨耗部材10が取り付けられる準備ができているように解放位置で出荷され、保管される。好ましくは、ラッチ戻り爪252は、ピンの端部230の近傍のねじ付きピン220のねじ山の始まり部に配置される。外側ソケット256は、カラー222のネジ部の始まり部から約二分の一回転した位置に配置される。その結果、ピン220は、カラー222内でのピン220の約二分の一回転した後に出荷位置に留められる。
【0045】
ピン220に対するトルクの更なる適用は、外側ポケット256の外方にラッチ戻り爪252を押しつぶす。内部ポケット又は凹部260は、カラー222のねじ山部の内端に形成される。好ましくは、カラー222のねじ山部258は、内部ポケット260の僅かに前方で終端する。これは、ピン220がカラー222の中に螺合されるときにピン220を回転させる抵抗の増加を生じる。これは、ラッチ戻り爪252が内部ポケットと整合して内部ポケットの中にポップ(pop)するので、ピン220を回転させる急激な抵抗の減少によって続かれる。使用中では、ピン220がカラー222内の移動の終端に達すると、顕著なクリック又は“ずしんとした音”がある。抵抗の増加及び抵抗の減少の組み合わせ及び“ずしんとした音”は、ピン220が適当なサービスの位置に完全に留まることを使用者が決定するのに役立つ、使用者への触覚フィードバックを提供する。磨耗部材10をベース12に保持するためにピン22が所望の位置にあることの確認としての触覚フィードバックを容易に確認するように訓練されるので、この触覚フィードバックは、本発明の組み合わされたカラー及びピンのアッセンブリを使用して、磨耗部品のより確かな取り付けを生じる。戻り爪252の使用は、従来のネジ付きロックアレンジとは異なり、ピン220が、各インストールで所望の位置に停止するのを可能にする。
【0046】
好ましくは、ラッチ戻り爪252は、鋼板で形成され、エラストマー264の内部の所定の位置に弾力的に固定されたピン220内のサンプ内の所定の位置に保持される。サンプ262は、掃除口領域250の中に開口するように延在する。また、サンプ262に収容されたエラストマーは、ラッチ戻り爪252がピン220の回転中に圧縮されるときに、掃除口領域250の中に延在する。逆に、サンプ262に収容されたエラストマーは、掃除口領域250から詰まった粉鉱を粉砕して除去するのを助ける、掃除口領域250のための圧縮可能なフロアを形成する。エラストマー264は、エラストマー264が適所に硬化してラッチ戻り爪252に結合するようにラッチ戻り爪252の周りに成形される。ラッチ戻り爪252及びエラストマー264の結果として生じるサブアッセンブリは、掃除口領域250を介して適所に押圧され、サンプ262の中に押圧される。ラッチ戻り爪252の好適な構成は、本体266、突起部268及びガイドレール270を含む。突起部268は、ねじ山254に対して適当な位置にラッチ戻り爪252を保持するサンプ262の壁を支持する。ガイドレール270は、さらに、上述のように、サンプ262の中へのラッチ戻り爪252の圧縮を許容しながら、ラッチ戻り爪252を支持する。
【0047】
ピン220が、カラー222の中に取り付けられると、磨耗部材10の出荷、保管及び/取り付けのために解放位置まで二分の一回転される。一体化されたロック16を含む磨耗部材は、ベース12のノーズ48に取り付けられる(
図29)。ピン220は、その後、ピン端部230がロック位置又はサービス位置で穴66の中に完全に収容されるまで2回転と二分の一回転されるのが好ましい(
図30)。ねじ付きピン220のより多くの又はより少ない回転は、ねじ山のピッチ及び一つ以上の開始部がねじ山に提供されているか否かに依存して、必要とされる。磨耗部材10のベース12に対する完全なロックのためのねじ付きピン220の3つの完全な回転だけを必要とする特に粗いねじ山の使用は、現場状況で使いやすく、掘削の極端な条件下での使用に対して信頼できることがわかった。さらに、粗い螺旋ねじの使用は、ロックアッセンブリが使用中に詰まった粉鉱によって囲まれる取り付けで優れている。
【0048】
ロック16は、使用中、地面との接触及び磨耗に対する保護のために側部56間の上凹部70内に配置される(
図25及び30)。磨耗アッセンブリ14の深いロック16の位置は、磨耗部材10上を通過する土に起因する
磨耗からロックを遮断するのに役立つ。好ましくは、ロック16は、穴67で凹んでおり、その結果、
磨耗部材の寿命にわたって土を動かすことから遮断されたままである。好適な例では、ロック位置のピン220は、穴67の中で底部から70%又はそれよりも低い。土は、ロック10の上方の穴67に蓄積し、磨耗部材10が磨耗してもロックを過度の磨耗から保護する傾向がある。さらに、ロックは、ロック位置の穴66の中央に又は中央に近接して配置されたピン端部230で磨耗アッセンブリに概ね中央に配置される。ノーズ18の中心近くにロックを配置することは、特に磨耗部材をベースにロックする傾向がある垂直荷重に関して、磨耗部材の使用中ロックにかけられる放出荷重を低減する傾向がある。
【0049】
ピン20は、カラー222からピン220を緩めるために、ラチェットツール又は他のツールを使用して解放される。ピン220はカラー222から取り除かれることができるが、解放位置まで戻されることだけ必要がある。次に、磨耗部材10は、ノーズ48から取り除かれることができる。ピン220を緩めるトルクは、カラー222に実質的にねじり負荷を発揮し、その負荷は、ストップ77及び79によって抵抗され、突出部236、237に対して強力で信頼性のあるストップを提供する。
【0050】
ロック16の取り付け要素は、磨耗部材10をベース12に(及びベース12をアダプタ19に)解放可能に保持するように使用されるねじ付き固定ピン220を受け入れるためのねじ穴223を画定する。別個の取り付け要素222は、容易に機械加工され、あるいはねじが形成されることができ、磨耗部材に直接にねじ山部を形成するのと比較して少ない費用及び高品質のために磨耗部材内に固定される。磨耗部材10のために使用される鋼は非常に硬く、意図されるロック銅のために穴67の中にねじ山を鋳造又は形成するのが難しい。また、磨耗部材10の比較的大きな大きさは、穴67にねじ山を鋳造又は形成するのがより難しい。取り付け要素222は、出荷、保管、取り付け及び使用中にロックの意図しない損失によりよく抵抗するように、使用中両方向(すなわち、穴67の内方及び外方)における軸方向の動きに抵抗するために、磨耗部材の穴内に機械的に保持される。磨耗部材10のために一般的に使用される硬鋼のために、取り付け要素222は、穴67の中に簡単に溶接されることができない。
【0051】
本発明にかかるロックの使用は、多くの利点、(i)少ない在庫及び簡単な取り付けのためにロックが取り付け位置に準備されて出荷及び保管されるように磨耗部材に一体化されたロック、(ii)操作のための六角ツール又はラチェットドライバなどの共通の工藤効愚だけを必要とし、ハンマーを必要としない、ロック、(iii)容易なツールアクセスを有するロック、(iv)正しいインストールの明確な視覚と触覚の確認を有するロック、(v)各磨耗部品に提供された新規なロック、(vi)容易なアクセスのために配置されたロック、(vii)簡単な直感的な普遍的に理解される操作を有するロック、(Vii)幾何学的な複雑さの異なるコンポーネント間の永久的な機械的接続は、特定の製造プロセスから抽出された特徴及び利点を有する完成品を形成する、(viii)一体化が高い荷重を支持する単純なキャスト可能な特徴を中心にして構築されたロック一体化システムは、特別なツールまたは接着剤を必要とせず、永久的なアッセンブリを形成する、(ix)簡単なツールで土粉の容易な清掃を可能にする一つの面に延在した六角係合穴を有するロック、(x)磨耗からロックを保護するとともにロックの放出のリスクを低減するために磨耗部材の中央部に配置されたロック、(xi)支持面に垂直なシステム荷重を支持するためにロックのカラーの反応突出部を有するロック、(xii)荷重インタフェースに対してカラーをバイアスするとともにシステムの緩みを取りながら、磨耗部材の中にカラーを保持する製造元に設置された保持クリップ、(xiii)拡張された製品機能を支持しながら、鋳造の複雑さを簡素化する設計アプローチ、(xiv)ロック領域で重要な嵌合表面が、ゲージとして作用し得る一部品に適合するために砕かれるだけを必要とする設計アプローチ、及び(xv)標準プラントのプロセス内に収まるデザイン、を提供する。
【0052】
ロック16は、掘削作業中二つの別個の要素を固定するための結合装置である。システムは、ベース12の穴66に収容されたピン220と、磨耗部材10に機械的に保持されたカラー222とからなる。カラーは、一体化された、出荷、荷重伝達、ロック取り付け及びロック取り外しの支援的な機能を含む。カラーは、最適な荷重支持配向に突出部を維持するカラーの周囲に二つの突出部236、237に作用するリテイナー224で磨耗部材に固定される。また、リテイナーは、要素間の嵌合を引き締める。ピン220は、エラストマーが背後についたラッチ機構によって形成された二つの低エネルギー位置の間でカラー222の中心を通って螺旋状に前進する。第1の位置は、出荷中の保持のためにカラーとピンとの間に係合されたねじ山の二分の一の回転を維持する。ピン220は、システムがロックされる激しい停止の信号で終わる2回転と二分の一回転後に、第2の低エネルギー位置に前進する。磨耗部材10が交換することを必要とするとき、ピン220は、反時計方向に回転され、アッセンブリから取り外され、磨耗部材がベースから自由に摺動するのを許容する。
【0053】
図示の実施形態は、掘削歯であるが、ベース12への磨耗部材10のロックに関連する特徴は、土作業機械のための様々な磨耗アッセンブリで使用されることができる。例えば、ランナーは、穴67のような穴に形成されることができ、大きなバケットの面、シュート面、トラック車体などの床などに画定されたベースに機械的に固定される。
【0054】
本明細書に記載された開示は、独立したユーティリティを使用して、複数の別個の発明を包含する。これらの発明の各々がその好ましい形態で開示されているが、本明細書に開示され図示されたそのような特定の実施形態は、多数の変形が可能であるように、限定的な意味で考えるべきではない。それぞれの例では、前述の開示に開示された実施形態を規定するが、任意の一つの例は、必ずしも最終的に特許請求され得る全ての特徴またはそれらの組み合わせを包含しない。説明が、“一つの”又は“第1の”要素またはその同等物を列挙する場合、そのような説明は、二つ以上のそのような要素を除外しないでそのような一つ以上の要素を含む。さらに、このような識別される要素のための、第一、第二または第三などの序数の指標は、要素を区別するために使用され、このような要素の必要とされたまたは限定された数を示しておらず、特別に述べない限り、そのような要素の特定の位置や順序を示すものではない。
〔態様1〕
使用中に磨耗から土作業機械を保護するために土作業機械への取り付けのための磨耗部材であって、
磨耗部材は、
土作業機械の動作中に地面と接触する前端と、
土作業機械にベースを受け入れるために長手方向軸線を有する後方に開口するキャビティと、を備え、
キャビティは、長手方向軸線に沿った中央部分と、中央部分の各面に対する側部分とを含み、各側部分は、外面と内面とを含み、各内面は、中央部分と接触し、各外面は、上外側支持面と下外側支持面とによって画定された内方に突出する側方の突出部を有し、
上外側支持面及び下外側支持面は、内方方向に互いに向かって側方向に傾斜され、長手方向軸線に対して実質的に平行に軸方向に延在し、
各内面は、中央部分の上及び下に内側支持面を有し、
各内側支持面は、外面から離れる方向に内方に側方に傾斜し、長手方向軸線に対して実質的に平行に軸方向に延在し、
上外側支持面及び下外側支持面及び内側支持面は、それぞれ、使用中に磨耗部材にかけられる垂直荷重及び側方荷重に抵抗するためにベースの相補的支持面に対して支持し、
中央部分は、上面及び下面を含み、上面は、上内側支持面の間に延在して上内側支持面と接続し、下面は、下内側支持面の間に延在して上内側支持面と接続し、
上面及び下面は、それらの間に間隙を画定するために離間配置されており、
間隙は、キャビティの全長の三分の二以下である、上面と下面との間の高さを有し、上面及び下面の少なくとも一つは、磨耗部材を土作業機械に固定するためのロックを受け入れるための穴を含む、磨耗部材。
〔態様2〕
態様1記載の磨耗部材において、
キャビティは、後方に向いた前壁を含む前端部分と、上安定化面と、下安定化面とを含み、
上安定化面及び下安定化面は、互いの方に向いており、前壁から長手方向軸線に実質的に平行に後方に軸方向に延在し、
上安定化面及び下安定化面は、使用中、ベース上の相補的面に対して支持する、磨耗部材。
〔態様3〕
態様1記載の磨耗部材において、
使用中、地面と接触するための外側磨耗面と、
磨耗部材が交換を必要とするときに磨耗面に現れる磨耗表示としての、キャビティに開口すると共に磨耗面に向かって磨耗部材を部分的に外方に延在するくぼみと、を含む、磨耗部材。
〔態様4〕
使用中に磨耗から土作業機械を保護するために土作業機械への取り付けのための磨耗部材であって、
磨耗部材は、
土作業機械の動作中に地面と接触する磨耗面と、
土作業機械への磨耗部材の取り付けを行うための取り付け構造と、
磨耗部材を延在する壁によって画定されると共に、磨耗部材を土作業機械に保持するためのロックを受け入れるために、磨耗面及び取り付け構造の双方に開口する、穴と、を備え、
壁は、磨耗面と取り付け構造の間の保持構造を含む穴を画定し、
保持構造は、ロックに対する内方の力及び外方の力に抗して穴のロックを積極的に保持するためにロックの対応する支持面と接触するための上肩部及び下肩部を有する、磨耗部材。
〔態様5〕
態様4記載の磨耗部材において、
穴を画定する壁は、保持構造に隣接する通路を画定し、
通路は、統合された構成のロック要素が、穴に取り付けられると共に上肩部及び下肩部と接触するのを許容するために、取り付け構造から磨耗面の方に穴の長さに沿って延在する、磨耗部材。
〔態様6〕
態様4記載の磨耗部材において、
取り付け構造は、土作業機械にベースを収容しかつ捕捉するために形状づけられたキャビティである、磨耗部材。
〔態様7〕
態様4記載の磨耗部材において、
保持構造は、上肩部及び下肩部と接触するために穴の中にロック要素を受け入れるための壁のレリーフによって3つの側面に囲まれた穴を画定する壁の続きである、磨耗部材。
〔態様8〕
使用中に磨耗から土作業機械を保護するために土作業機械への取り付けのための磨耗部材であって、
磨耗部材は、
土作業機械の動作中に地面と接触する磨耗面と、
土作業機械への磨耗部材の取り付けを行うための取り付け構造と、
磨耗部材を延在する壁によって画定されると共に、磨耗部材を土作業機械に保持するためのロックを受け入れるために、磨耗面及び取り付け構造の双方に開口する、穴と、を備え、
壁は、磨耗面と取り付け構造の間の保持構造を含む穴を画定し、
保持構造は、ロックに対する内方の力及び外方の力に抗して穴のロックを積極的に保持するためにロックの対応する支持面と接触するための上支持面及び下支持面を有し、
壁は、保持構造に隣接する通路を画定し、
通路は、統合された構成のロック要素が、穴に取り付けられると共に上肩部及び下肩部と接触するのを許容するために、取り付け構造から磨耗面の方に穴の長さに沿って延在する、磨耗部材。
〔態様9〕
態様8記載の磨耗部材において、
取り付け構造は、土作業機械にベースを収容しかつ捕捉するために形状づけられたキャビティである、磨耗部材。
〔態様10〕
態様8記載の磨耗部材において、
保持構造は、
保持構造の上及び下の壁のリリーフと、保持構造の端部のスロットとによって囲まれた穴を画定する壁の続きであり、
リリーフ及びスロットは、上支持面及び下支持面と接触するために穴の中にロック要素を受け入れるために相互接続される、磨耗部材。
〔態様11〕
使用中に磨耗から土作業機械を保護するために土作業機械への取り付けのための磨耗部材であって、
磨耗部材は、
前端と、
土作業機械の動作中に地面と接触する外部磨耗面と、
土作業機械にベースを受け入れるための後方に開口するキャビティと、を備え、
キャビティは、
磨耗部材が交換を必要とするときに磨耗面に現れる磨耗表示としての、キャビティに開口すると共に、キャビティから外方にかつ磨耗部材を部分的に延在するくぼみを含む、磨耗部材。
〔態様12〕
使用中に磨耗から土作業機械を保護するために土作業機械への取り付けのための磨耗部材であって、
磨耗部材は、
前端と、
土作業動作中の土作業機械の使用中に地面と接触する外部磨耗面と、
土作業機械にベースを受け入れるために後方に開口するキャビティと、
磨耗面からキャビティまで延在する穴と、
穴の中に取り付けられたロックと、を備え、
ロックは、
穴の内方及び外方の双方への取り付け要素の動きに抵抗するために、穴に機械的に固定された取り付け要素と、
磨耗部材がベースに取り付けられると共にベースから取り除かれる解放位置と、磨耗部材がベースに固定されるロック位置との間で取り付け要素に移動可能な保持要素と、を含む、磨耗部材。
〔態様13〕
態様12記載の磨耗部材において、
取り付け要素及び保持要素は、解放位置とロック位置との間で保持要素の移動を行うための相補的ねじ山を有する、磨耗部材。
〔態様14〕
態様12記載の磨耗部材において、
磨耗部材の穴は、対向して面する上支持面及び下支持面を有する保持構造を含み、
取り付け要素は、保持構造の上支持面及び下支持面と接触するための相補的支持面を含む、磨耗部材。
〔態様15〕
態様14記載の磨耗部材において、
取り付け要素は、一部品部材である、磨耗部材。
〔態様16〕
使用中に磨耗から土作業機械を保護するために土作業機械への取り付けのための磨耗部材であって、
磨耗部材は、
土作業機械の動作中に地面と接触する磨耗面と、
土作業機械にベースを受け入れるための取り付け構造と、
磨耗部材を延在する壁によって画定されると共に、磨耗部材を土作業機械に保持するためのロックを受け入れるために磨耗面と取り付け構造の双方に開口する、穴であって、壁は、磨耗面とキャビティとの間の上肩部及び下肩部を有する保持構造を含む、穴と、
保持構造をまたぐと共に、穴の内方及び外方の双方のカラーの動きに抵抗するために上肩部及び下肩部と接触する突出部と、ねじ付き開口部と、を含むカラーと、
磨耗部材がベースに取り付けられると共にベースから取り除かれる解放位置と、磨耗部材がベースに固定されるロック位置との間の移動のためのねじ付き開口部に受け入れられたねじ付きピンと、を備える、磨耗部材。
〔態様17〕
使用中に磨耗から土作業機械を保護するために土作業機械への取り付けのための磨耗アッセンブリであって、
磨耗アッセンブリは、
土作業機械に固定されたベースであって、穴を含むベースと、
磨耗部材と、を備え、
磨耗部材は、
土作業機械の動作中に地面と接触する前端と、
土作業機械にベースを受け入れるために長手方向軸線を有する後方に開口するキャビティと、を備え、
キャビティは、長手方向軸線に沿った中央部分と、中央部分の各面に対する側部分とを含み、各側部分は、外面と内面とを含み、各内面は、中央部分と接触し、各外面は、上外側支持面と下外側支持面とによって画定された内方に突出する側方の突出部を有し、
上外側支持面及び下外側支持面は、内方方向に互いに向かって側方向に傾斜され、長手方向軸線に対して実質的に平行に軸方向に延在し、
各内面は、中央部分の上及び下に内側支持面を有し、
各内側支持面は、外面から離れる方向に内方に側方に傾斜し、長手方向軸線に対して実質的に平行に軸方向に延在し、
上外側支持面及び下外側支持面及び内側支持面は、それぞれ、使用中に磨耗部材にかけられる垂直荷重及び側方荷重に抵抗するためにベースの相補的支持面に対して支持し、
中央部分は、上面及び下面を含み、上面は、上内側支持面の間に延在して上内側支持面と接続し、下面は、下内側支持面の間に延在して上内側支持面と接続し、
上面及び下面は、それらの間に間隙を画定するために離間配置されており、
間隙は、キャビティの全長の三分の二以下である、上面と下面との間の高さを有し、上面及び下面の少なくとも一つは、ベースの穴と整合する穴を含み、
磨耗アッセンブリは、更に、
磨耗部材を土作業機械に解放可能に固定するために磨耗部材の穴及びベースの穴に受け入れられるロックを、備える、磨耗アッセンブリ。
〔態様18〕
態様17記載の磨耗アッセンブリにおいて、
ロックは、前端及び後端を含み、
ベースは、磨耗部材のキャビティの中に受け入れられるノーズを含み、
ノーズは、上面及び底面を有し、
ロックが磨耗部材の穴及びベースの穴に挿入されるときに、前端は、上面及び底面の間のベースのほぼ中央点でベースの穴にあり、後端は、磨耗面から離れている、磨耗アッセンブリ。
〔態様19〕
使用中に磨耗から土作業機械を保護するために土作業機械への取り付けのための磨耗アッセンブリであって、
磨耗アッセンブリは、
土作業機械に固定されたベースと、
土作業機械の動作中に地面と接触する磨耗面と、
磨耗部材の土作業機械への取り付けを行うための取り付け構造と、
磨耗部材を延在する壁によって画定されると共に、磨耗面及び取り付け構造の双方に開口する穴と、
穴あの中に受け入れられると共に、磨耗部材を土作業機械に保持するためのベースと接触するために移動可能であるロックと、を備え、
磨耗部材の穴を画定する壁は、磨耗面と取り付け構造との間に保持構造を含み、
保持構造は、ロックに対する内方の力及び外方の力に抗して穴のロックを積極的に保持するためにロックの対応する支持面と接触するための上肩部及び下肩部を有する、磨耗アッセンブリ。
〔態様20〕
使用中に磨耗から土作業機械を保護するために磨耗部材を土作業機械に解放可能に固定するためのロックであって、
ロックは、
磨耗部材の穴に適合するようになった本体と、本体を延在するねじ付き開口部と、保持構造の対向する肩部と係合するために本体の外方に突出する垂直方向に離間した一対の突出部と、を有するカラーであって、本体及び突出部は一部品として形成される、カラーと、
磨耗部材がベースに取り付けられると共にベースから取り除かれる解放位置と、ロックが磨耗部材を土作業機械に保持するロック位置との間の移動のためのねじ付き穴の中に受け入れられるねじ付きピンと、
突出部の上肩部及び下肩部からの取りはずれを防止するために突出部に隣接する本体の外側にある磨耗部材の穴に挿入されるリテイナーと、を備える、ロック。
〔態様21〕
態様20記載のロックにおいて、
カラー及びピンの一方の偏向された戻り爪と、
その中に戻り爪を受け入れるカラー及びピンの他方の一対の凹部と、を含み、
戻り爪は、ピンが解放位置にあるときの一方の凹部に収容されると共に、ピンがロック位置にあるときの他の凹部に収容される、ロック。
〔態様22〕
使用中に磨耗から土作業機械を保護するために磨耗部材を土作業機械に解放可能に固定するためのロックであって、
ロックは、
ねじ付き軸及びヘッドを有するピンを備え、
ヘッドは、ソケットを含み、
ソケットは、ツールを受け入れるための角度が付いた面と、土粉のソケットのよりよいクリーニングを可能にするために少なくとも一つの面の代わりの拡大されたクリアランススペースと、を有する、ロック。