(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一つ以上の貫通口は、円形、楕円形、頂点が曲率を有するように処理された曲率角形、四角形及び三角形からなる群から選ばれた何れか一つの形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
前記電極組立体は、ジェリーロール型、スタック型、スタック/フォールディング型及びZ−スタック/フォールディング型の構造のうち選ばれた何れか一つの構造であることを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
前記一つ以上の貫通口は、電極組立体の貫通口とパウチ外装材の貫通口が互いに対応され得るように同じ位置に形成されることを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
前記電池モジュールは、中大型デバイスの電源に用いられ、前記中大型デバイスは、パワーツール(Power Tool);電気車(Electric Vehicle、EV)、ハイブリッド電気車(Hybrid Electric Vehicle、HEV)及びプラグインハイブリッド電気車(Plug−in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)を含む電気車;E−バイク(E−bike)、E−スクーター(E−scooter)を含む電気二輪車;電気ゴルフカート(Electric Golf Cart);電気トラック;電気商用車;又は電力貯蔵用システムのうち何れか一つであることを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
本発明は前記のような従来技術を解決するために、
(多数の)正極、負極及び分離膜を含む電極組立体において、シーリングのための一つ以上の貫通口を含む電極組立体及びこれを含む二次電池を提供する。
本発明に係る二次電池は、電池外装材角のシーリング部以外に前記シーリングのための一つ以上の貫通口を介して、電極組立体と電池外装材を追加的にシーリングすることで、電極組立体が電池外装材内部で移動することを抑制して、落下、外部衝撃などのような外力の印加時の安定性を向上させることができる。特に、外部衝撃や揺れが多い電気自動車のような中大型デバイスの電源に用いられる場合、電極組立体の流動による内部短絡及びこれによる発熱、発火などの危険を予防して安定性を大きく高めることができる。
【0056】
前記貫通口の形状は、特に制限するものではなく、円形、楕円形、その他頂点が曲率を有するように処理された曲率図形、四角形、三角形などの様々な模様に形成され得る。但し、電極組立体に含まれる電極又は分離膜が破れたり損傷されたりすることを防止するためには、できるだけへりや角がない形状に貫通口を形成することが好ましい。したがって、前記貫通口は円形に形成されることが好ましい。
【0057】
また、前記貫通口の大きさ及び個数も特に制限せず、電池の用途及び形状などによって多様に設計が可能であるといえる。但し、貫通口の大きさがあまりにも大きかったり多数の貫通口を形成したりする場合、電池の容量側面で不利なことがあるため、前記貫通口は電極組立体と電池外装材を固定することができる最小限の大きさ及び個数に形成されることが好ましい。
【0058】
さらに詳細には、前記貫通口が占める全ての面積が電極組立体の平面を基準に2%乃至は20%を占めるように構成するものであり得る。前記範囲を脱し、貫通口の占める割合がさらに高くなれば電池の容量が低下する問題があるし、前記割合に達しない場合は効果的に電極組立体を電池外装材と固定し難いためである。
【0059】
本発明の一実施形態では前記のような面積の割合の範囲内で小さなサイズの多数の貫通口を電極組立体上に均等に分布形成することもでき、これより大きいサイズの貫通口は、電極組立体の中心を基準に長手方向に対称となる両終端に2個の貫通口を形成して最小限の貫通口の形成で電極組立体と電池外装材が固定できるようにすることができる。
【0060】
このとき、一つの貫通口の面積は、全体電極組立体の平面積を基準に1%〜10%となるように形成することが好ましい。
但し、工程の便宜のためには、電極組立体の重さ中心となり得る地点、すなわち、電極組立体の中心を基準に長手方向に対称となる両終端に2個の貫通口のみを形成する場合に、電池外装材とのシーリングがより容易かつ便利であるため好ましく、例えば、電極組立体の長手方向の長さ(L)に対して両終端からL/6長さほどに離隔された位置に前記貫通口を形成することもできる。
【0061】
一方、前記貫通口は、多数の電極及び分離膜を含む電極組立体を組立てた後に、一度にこれを貫通する貫通口を形成することもでき、既に予定された形状と位置に同じく貫通口が形成された電極及び分離膜を用いて貫通口が形成された電極組立体を製造することもできる。
【0062】
本発明の電極組立体は、内側に一つ以上の貫通口を含むことで電極組立体を固定することができることはもちろん、さらには電解液の含浸性を大きく高めることもできる。
【0063】
一般的に電解液の含浸性は、電極組立体の内部側へ電解液が浸透し難く含浸性が落ちるのが事実であるが、本発明の電極組立体は、内部に一つ以上の貫通口を含むことで電解液がこれを介して電極組立体内部でも浸透が可能であるところ、電極組立体の電解液の含浸性が大きく高まる効果がある。
【0064】
一方、本発明に係る前記電極組立体の形態は特に限定せず、長いシート状の正極及び負極とその間に分離膜を介在して巻取した構造のジェリーロール型電極組立体;正極、負極及び分離膜を含み、両側の最末端電極が同一であるか又は互いに異なる電極に形成された単位セルを長いフィルム型分離膜の上に多数配置した後、単一方向に巻取したスタック(stack)&フォールディング(folding)型電極組立体;前記長いフィルム型分離膜をジグザグ方向に巻取したZ-スタック&フォールディング型電極組立体;多数の単位セルを積層した構造のスタック型電極組立体などの電極組立体の中で何れか一つであり得る。
【0065】
本発明は、前記のような電極組立体を含み、前記電極組立体の貫通口部分に電池外装材を追加的にシーリングして形成された貫通シーリング部を含む二次電池を提供する。
【0066】
前記二次電池は、前記電極組立体を電池外装材に収納した後に、熱溶着ジグによって電池外装材の周辺角のシーリング部及び前記電極組立体上に貫通口が位置した部分の電池外装材を熱溶着することで、前記貫通シーリング部を形成することができる。
【0067】
このような貫通シーリング部の形成は、電極組立体上に位置した貫通口の形状及び位置と同一の部分に熱溶着が可能なように構成された熱溶着ジグを用いて製造が可能であるが、これに限定されるものではない。
【0068】
このとき、前記二次電池は、正極リードと負極リードが同一の方向に突出された二次電池であり、又は正極リードと負極リードが互いに相反する方向に突出された二次電池でもあり得る。
【0069】
また、電池外装材は、電極組立体を収納するように空間が形成された電極組立体収納空間が、上部又は下部の何れか一方にだけ形成されたものであっても良く、上部と下部の全てに電極組立体の収納空間が形成されたものであっても良い。
【0070】
一方、前記パウチ型外装材は公知の外装材を用いることができ、例えば前記外装材は金属層と樹脂層を含むラミネートシート形態のパウチ型外装材が好ましい。特に、アルミニウムラミネートシートのパウチ型外装材が好ましい。前記ラミネートシートは、高分子フィルムの外部被覆層、金属箔のバリアー層、及びポリオレフイン系列の内部シーラント層で構成されており、前記外部被覆層は外部環境から優れた耐性を有さなければならないため、所定以上の引張強度と耐候性を有することが必要である。そのような側面で、外側樹脂層の高分子樹脂としては、延伸ナイロンフィルム又はポリエチレンテレフタラート(PET)が好ましく用いられる。前記バリアー層はガス、湿気など異物質の流入乃至流出を防止する機能以外に、電池ケースの強度を向上させる機能を発揮することができるように、詳細にはアルミニウムが用いられる。前記内部シーラント層は、熱溶着性(熱接着性)を有して電解液の浸入を抑制するために、吸湿性が低く電解液によって膨張かつ侵食されないポリオレフイン系樹脂が用いられて、さらに詳細には無延伸ポリプロピレン(cPP)が用いられる。
【0071】
さらに、前記外部被覆層と内部シーラント層は2重層以上に形成され、例えば、外部被覆層はPET/ONy層、内部シーラント層はPPa(酸変性(Acid modified)PP/cPPのような二重構造で構成されるが、これに限定されるものではない。
【0072】
また、前記電極リードは、正極の場合、例えば、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル、チタン、タンタル及びニオブからなる群から選ばれる1種以上の金属で形成されるが、これに限定されるものではない。
【0073】
電極リードが負極の場合、例えば、銅、ニッケル、ステンレススチール、及びこれらの合金からなる群から選ばれる1種以上の金属が好ましいが、これに限定されるものではない。その接合方法もレーザーや、超音波溶接のような公知された方法を用いることができ、特に限定されるものではない。
【0074】
本発明に係る二次電池は、小型デバイスの電源に用いられる電池セルに用いられ得るだけでなく、中大型デバイスの電源に用いられる多数の電池セルを含む中大型電池モジュール又は電池パックに単位電池にも好ましく用いられる。
【0075】
前記中大型デバイスでは、パワーツール(Power Tool);電気車(Electric Vehicle、EV)、ハイブリッド電気車(Hybrid Electric Vehicle、HEV)及びプラグインハイブリッド電気車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)を含む電気車;E-bike、E-scooterを含む電気二輪車;電気ゴルフカート(Electric Golf Cart);電気トラック;電気商用車;電力貯蔵用システムなどを挙げることができるが、これらだけに限定されるものではない。
【0076】
以下では図を参照し、本発明に対して詳しく説明するが、これは本発明のさらに容易い理解のためのものであって、本発明のカテゴリーがそれによって限定されるものではない。
【0077】
図3は、本発明の一実施形態に係る二次電池の分解斜視図が模式的に示されている。
【0078】
図3のパウチ型電池は、本発明の特徴的な事項を除いた残りの事項は、一般的に用いられる従来のパウチ型電池と略同一なので、本発明の特徴的な事項を除いた残りの事項に対する説明は略することができる。
【0079】
図3を参照すると、本発明のパウチ型二次電池は多数の貫通口40が形成された電極組立体10及び電池外装材50を含む。
【0080】
前記貫通口40は、
図3で示すように電極組立体の長手方向を基準に両終端が対称となる位置に2個形成することができるが、これに限定されずに、当業者によって自由に設計されることはもちろんである。
【0081】
本発明に含まれる電池外装材50は、従来用いられる公知のパウチ型電池外装材を用いることができる。
【0082】
図4及び
図5は、電極組立体を収納して電池外装材をシーリングした状態の二次電池に対する斜視図である。
【0083】
図4を参照すると、本発明に係る二次電池は、収納された電極組立体上に形成された貫通口部分と触れる電池外装材部分を熱溶着などの方法で追加的にシーリングし、貫通シーリング部40を形成することで電極組立体と電池外装材を完全に固定して一体化する。
【0084】
前記貫通シーリング部を形成する追加シーリング段階は、特にその順序を限定せず、電池外装材の角シーリング部をシーリングするときに、同時にシーリングして貫通シーリング部を形成することもでき、二次電池の活性化段階を行った後、最終的に追加シーリングして形成することもできる。
【0085】
前記貫通シーリング部の形成は、電極組立体の貫通口が形成された位置と対応する電池外装材に熱と圧力を加えることができるように形成されたジグを用いて形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0086】
図4は、正極リード20と負極リード30が同一の方向に突出された二次電池であって、電極組立体の収納部が下部電池外装材の方にのみ形成された二次電池に対する斜視図であり、
図5は、正極リード20と負極リード30が互いに異なる方向に突出され、電極組立体の収納部が下部及び上部電池外装材の全てに形成された二次電池に対する斜視図である。
【0087】
本発明に係る二次電池は、貫通シーリング部の部位にシーリングによってぽこんと入った凹凸が形成され得、パウチ型電極組立体が損傷されることを防止するためには貫通シーリング部の断面を
の形態に形成することが好ましいといえるが、これに限定されるものではない。
【0088】
以下、具体的な実施例を介して本発明の内容をさらに詳しく説明するが、以下の実施例は本発明の効果を例示するためのものであり、本発明のカテゴリーがこれだけに限定されるものではない。
【0089】
実施例1
図3のように、電極組立体の平面積対比3%となる大きさの円形貫通口を、電極組立体の両終端から電極組立体の長さ対比1/6となる間隔ほど離隔された位置に2個の貫通口を形成した電極組立体を形成した。
【0090】
これを電池外装材に収納した後、熱溶着ジグを用いて電池外装材の角シーリング部及び前記貫通口の位置を熱溶着し、貫通シーリング部を含む二次電池を製造した。
【0091】
比較例1
前記貫通口及び貫通シーリング部を形成しないことを除いては、前記実施例1と同じ方法で電池を製造した。
【0092】
実験例1
前記実施例1と比較例1でそれぞれ製造された電池を対象に、前方落下実験を行ってその結果を下記表1に示した。
【0093】
本実験では、それぞれ20個の電池に対して反復的に行い、前方落下実験は電極端子部位が下に向かうように180cmの高さから鉄板上に自由落下させる過程を100回進める過程で行った。
【表1】
【0094】
前記表1でみるように、本発明に係る実施例1の電池は、落下実験で20個の電池全てで短絡が誘発されなかった。すなわち、電極組立体と電池外装材に追加的な貫通シーリング部を形成することで、落下時にも電極組立体が流動しないので二次電池の内部短絡を防止することができた。
【0095】
一方、比較例1による大部分の電池では略85回の落下で電池外装材内部の電極組立体が離脱又は流動して電池の変形及び内部短絡が確認された。また、比較例1の電池では、電解液の注入過程で注入された電解液の量が目標とする注液量に大きく満たないことが確認できた。すなわち、電解液の注入後、同一の時間条件(5分)で電極組立体による電解液の含浸量を比べてみた結果、比較例1の電池は実施例1の電池に比べて約60%の含浸率を示した。
【0096】
したがって、比較例1の電池が同一の電解液含浸量を示すためには遥かに長時間が必要とされることが分かり、これは電池の製造工程時間を長期間延長させなければならないことを意味する。
【0097】
また、本発明の他の側面によれば、一つ以上の貫通口を含むパウチ型二次電池が提供される。
【0098】
このとき、前記貫通口は正極、負極及び分離膜を含む電極組立体、及びこれを含むパウチ外装材に形成され、電極組立体の貫通口とパウチ外装材の貫通口が互いに対応されることができるように同じ位置に形成され、一つ以上の貫通口を含む二次電池を形成する。
【0099】
本発明に係る二次電池は、前記貫通口を介してパウチ外装材と電極組立体をより堅く固定することができ、電極組立体がパウチ外装材内部で流動することを防止して、落下、外部衝撃などのような外力の印加時の安定性を向上させることができるようになる。
【0100】
特に、外部衝撃や揺れが多い電気自動車のような中大型デバイスの電源に用いられる場合、電極組立体の流動に係る内部短絡及びこれによる発熱、発火などの危険を予防して安定性を大きく高めることができる。
【0101】
前記二次電池に形成される貫通口の形状は特に制限されず、円形、楕円形、その他頂点が曲率を有するように処理された曲率図形、四角形、三角形などの様々な模様に形成される。但し、電極組立体に含まれる電極又は分離膜が破れたり損傷されることを防止するためには、できるだけへりや角がない形状に貫通口を形成することが好ましい。したがって、前記貫通口は円形に形成されることが好ましい。
【0102】
前記電極組立体の貫通口とパウチ外装材の貫通口は、それぞれ異なる形状であるか互いに同一の形状であるが、詳細には同一の形状の円形に形成される。
【0103】
また、前記電極組立体の貫通口と、パウチ外装材に形成された貫通口の大きさもまた特に限定しないものであるが、前記電極組立体の貫通口の大きさは対応されるパウチ外装材の貫通口の大きさよりさらに大きいことが好ましい。
【0104】
これは、前記電極組立体の貫通口内周面に沿って、パウチ外装材による追加シーリング部が形成されるようにするためのものであり、これによって、前記電極組立体の貫通口の大きさが、これに対応されるパウチ外装材に形成される貫通口の大きさより大きい程度は前記のように追加シーリング部が形成される程度の面積であれば満たされる。
【0105】
また、本発明に係る前記貫通口の大きさ及び個数も特に制限せず、電池の用途及び形状などによって多様に設計が可能であろう。
【0106】
但し、貫通口の大きさがあまりにも大きかったり、多数の貫通口を形成したりする場合、電池の容量面で不利なことがあるので、前記貫通口は電極組立体とパウチ外装材を固定することができる最小限の大きさ及び個数に形成されることが好ましい。
【0107】
さらに詳細には、前記貫通口が占める全ての面積が電極組立体の平面を基準に2%乃至20%を占めるように構成するものであり得る。前記範囲を脱して貫通口の占める割合がさらに高くなれば、電池の容量が低下される問題があり、前記の割合に到逹しない場合には、効果的に電極組立体を電池外装材と固定し難いからである。
【0108】
本発明の一実施形態では、前記のような面積の割合の範囲内で小さなサイズの多数の貫通口を二次電池の平面上に均等に分布形成することもでき、このとき、多数の貫通口は等間隔で離隔されるように形成することが好ましい。
【0109】
一実施形態で前記多数の貫通口はパウチ型二次電池の長辺に沿って電池の中心部に一列に配置するか、又は二次電池の短辺に沿って電池の中心部に一列に配置されるものであり得る。
【0110】
このとき、両終端に形成される貫通口は終端から同一の間隔で離隔されるように形成して、詳細には両終端から同一の間隔で離隔され、中心を基準に対称とされる位置に2個の貫通口を形成して最小の貫通口の形成で電極組立体と電池外装材が固定され得るようにすることができる。
【0111】
このとき、一つの貫通口の面積は、全体二次電池の平面積を基準に1%〜10%となるように形成することが好ましい。但し、工程の便宜のためには、二次電池の重さ中心となり得る地点、すなわち、電極組立体の中心を基準に長手方向に対称となる両終端に2個の貫通口のみを形成する場合に、電池外装材とのシーリングがより容易かつ便利であるため好ましく、例えば、二次電池の長手方向の長さ(L)に対して両終端からL/6長さほどに離隔された位置に前記貫通口を形成することもできる。
【0112】
一方、前記貫通口は、多数の電極及び分離膜を含む電極組立体を組立てた後にこれを電池外装材に収納した後シーリングして、前記貫通口を形成して追加シーリングすることで形成することもでき、既に予定された模様(形状)と位置に同じく貫通口が形成された電極及び分離膜を用いて、貫通口が形成された電極組立体及び対応される位置に貫通口が形成された電池外装材を用いて製造することもできる。
【0113】
前記のような本発明の電極組立体は、内側に一つ以上の貫通口を含むことで電極組立体を固定することができることはもちろん、さらには電解液の含浸性を大きく高めることもできる。
【0114】
一般的に電解液の含浸性は、電極組立体の内部側へ電解液が浸透し難く含浸性が落ちるのが事実であるが、本発明の電極組立体は、内部に一つ以上の貫通口を含むことで、電解液がこれを介して電極組立体内部にも浸透が可能であるところ、電極組立体の電解液の含浸性が大きく高まる効果がある。
【0115】
但し、貫通口が予め形成された電池外装材を用いる場合には、貫通口部分に対するシーリング工程が全て終わった後に電解液を注入して電池を活性化することが好ましい。そうではなければ、電解液が漏出される危険があるからである。
【0116】
一方、本発明に係る前記電極組立体の形態は特に限定せず、長いシート状の正極及び負極と、その間に分離膜を介在して巻取した構造のジェリーロール型電極組立体;正極、負極及び分離膜を含み、両側の最末端電極が同一であるか又は互いに異なる電極に形成された単位セルを長いフィルム型分離膜の上に多数配置した後、単一方向に巻取したスタック(stack)&フォールディング(folding)型電極組立体;前記長いフィルム型分離膜をジグザグ方向に巻取したZ-スタック&フォールディング型電極組立体;多数の単位セルを積層した構造のスタック型電極組立体などの電極組立体の中で何れか一つであり得る。
【0117】
また、本発明に係る二次電池は、前記電極組立体を電池外装材に収納した後、熱溶着ジグによって電池外装材の周辺角のシーリング部及び前記貫通口が位置した部分の電池外装材を熱溶着するか、溶着後にパンチングなどの方法で貫通口を形成することで前記貫通部を形成することができる。
【0118】
このような貫通部の形成は貫通口の模様(形状)及び位置と同一の部分に熱溶着が可能なように構成された熱溶着ジグを用いて製造が可能だが、これに限定されるものではない。
【0119】
このとき、貫通口の大きさは、電極組立体上に形成された貫通口のサイズよりは小さく形成される。これは、貫通口内部に電池外装材がシーリングとなり得るシーリングマージンが必要だからである。一方、前記二次電池上の貫通口内周面に沿って形成された電池外装材のシーリング部は、以後、電池モジュールに配置されて固定棒や冷却ラインの設置が容易なように何れか一方の方向にシーリングマージンを折ることが好ましい。
【0120】
一方、本発明に係る二次電池は、正極リードと負極リードが同一の方向に突出された二次電池であるか、若しくは正極リードと負極リードが互いに相反する方向に突出された二次電池である。
【0121】
また、電池外装材は、電極組立体を収納するように空間が形成された電極組立体収納空間が、上部又は下部の何れか一方にだけ形成されたものであったり、また、上部と下部の全てに電極組立体の収納空間が形成されたものであったりする。
【0122】
一方、前記パウチ外装材は公知の外装材を用いることができ、例えば、前記外装材は金属層と樹脂層を含むラミネートシート形態のパウチ型外装材が好ましい。特に、アルミニウムラミネートシートのパウチ型外装材が好ましい。前記ラミネートシートは、高分子フィルムの外部被覆層、金属箔のバリアー層、及びポリオレフイン系列の内部シーラント層で構成されており、前記外部被覆層は外部環境から優れた耐性を有さなければならないため、所定以上の引張強度と耐候性を有することが必要である。そのような側面で、外側樹脂層の高分子樹脂としては延伸ナイロンフィルム又はポリエチレンテレフタラート(PET)が好ましく用いられ得る。前記バリアー層は、ガス、湿気などの異物質の流入乃至流出を防止する機能以外に、電池ケースの強度を向上させる機能を発揮することができるように、詳細にはアルミニウムが用いられる。前記内部シーラント層は、熱溶着性(熱接着性)を有して電解液の浸入を抑制するために、吸湿性が低く電解液によって膨張かつ侵食されないポリオレフイン系樹脂が好ましく用いられるし、さらに詳細には無延伸ポリプロピレン(cPP)が用いられる。
【0123】
さらには、前記外部被覆層と内部シーラント層は2重層以上に形成され、例えば外部被覆層はPET/ONy層、内部シーラント層はPPa(酸変性(Acid modified)PP/cPPのような二重構造で構成されもするが、これに限定されるものではない。
【0124】
また、前記電極リードは、正極の場合、例えばアルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル、チタン、タンタル及びニオブからなる群から選ばれる1種以上の金属で形成されるが、これに限定されるものではない。
【0125】
電極リードが負極の場合、例えば、銅、ニッケル、ステンレススチール、及びこれらの合金からなる群から選ばれる1種以上の金属が好ましいが、これに限定されるものではない。その接合方法もレーザーや、超音波溶接のような公知された方法を用いることができ、特に限定されるものではない。
【0126】
本発明に係る二次電池は、小型デバイスの電源に用いられる電池セルに用いられるものだけではなく、中大型デバイスの電源に用いられる多数の電池セルを含む中大型電池モジュール又は電池パックに単位電池としても好ましく用いられ得る。
【0127】
前記のように、本発明に係る二次電池を多数含む電池モジュール又は電池パックは、二次電池に形成された貫通口を介して固定棒を設けることで、多数の二次電池が外部の揺れ又は衝撃などによって離脱かつ流動することを防止することができ、又は前記貫通口を介して冷却ラインを設けることで電池の使用による過熱を防止して、さらには非常時の発熱、発火などを防止することができる効果がある。
【0128】
このとき、前記中大型デバイスでは、パワーツール(Power Tool);電気車(Electric Vehicle、EV)、ハイブリッド電気車(Hybrid Electric Vehicle、HEV)及びプラグインハイブリッド電気車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)を含む電気車;E-bike、E-scooterを含む電気二輪車;電気ゴルフカート(Electric Golf Cart);電気トラック;電気商用車;電力貯蔵用システムなどを挙げることができるが、これらだけに限定されるものではない。
【0129】
以下では図を参照し、本発明に対して詳しく説明するが、これは本発明のさらに容易い理解のためのものであって、本発明のカテゴリーがそれによって限定されるものではない。
【0130】
図3は、本発明の一実施形態に係る二次電池の分解斜視図が模式的に示されている。
【0131】
図3のパウチ型電池は、本発明の特徴的な事項を除いた残りの事項は、一般的に用いられる従来のパウチ型電池と略同一なので、本発明の特徴的な事項を除いた残りの事項に対する説明は略することができる。
【0132】
図3を参照すると、本発明のパウチ型二次電池は多数の貫通口40が形成された電極組立体10及び電池外装材50を含む。
【0133】
前記貫通口40は、
図3に示すように電極組立体の長手方向を基準に両終端の対称となる位置に2個形成することができるが、これに限定されずに、当業者によって自由に設計されることはもちろんである。
【0134】
本発明に含まれる電池外装材50は、従来用いられる公知のパウチ型電池外装材を用いることもでき、又は前記電極組立体に形成された貫通口40と対応される位置に、これより小さな大きさの貫通口が形成された電池外装材を用いることもできる。この場合、前記電池外装材に形成された貫通口の大きさが電極組立体に形成された貫通口の大きさより小さい理由は、貫通口内周面に沿って電池外装材をシーリングするためのシーリングマージンが必要であるからである。
【0135】
図6は本発明に係る二次電池の斜視図である。
【0136】
本発明に係る二次電池は、
図6のように二次電池を貫く貫通口40を含み、前記貫通口の内部には内周面に沿って電池外装材がシーリングされたシーリング部が形成される。
【0137】
本発明に係る二次電池は、前記貫通口を介した追加シーリングによって、電極組立体と電池外装材を完全に固定して一体化する。
【0138】
前記貫通口の形成による追加シーリング段階は、特にその順序を限定せず、電池外装材の角シーリング部をシーリングするときに、同時に貫通口の内周面をシーリングすることもでき、二次電池の活性化段階を行った後、最終的に追加シーリングして形成することもできる。但し、電池外装材に貫通口が予め形成されている場合であれば、電池外装材の角シーリング部を形成するとき前記貫通口内周面も又ともにシーリングすることが好ましい。これは電解液注入工程を容易にするためだからである。
【0139】
前記貫通口形成は、貫通口の位置及び形状によって該当部位にシーリングのための加圧が可能なように設計されたジグを用いて形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0140】
図6は、正極リード20と負極リード30が同一の方向に突出され、電極組立体の収納部が下部電池外装材の方にのみ形成された二次電池に対する斜視図であるが、これに限定されるものではない。
【0141】
図7は、本発明に係る二次電池50を多数含む電池モジュール110に対するものであり、
図8はこのような電池モジュールにおいて、前記多数の二次電池に形成された貫通口40を介して固定棒又は冷却ライン120を設けた実施例に対する斜視図である。
【0142】
本発明に係る電池モジュールは、多数の二次電池を貫通口を介して固定することで外部の圧力による電池の離脱又は流動を防止し、かつ冷却ラインを介して単位電池を適正な温度水準で維持することで電池モジュールの安定性を大きく向上させることができ、性能及び寿命を改善することができる効果を提供する。
【0143】
以下、具体的な実施例を介して本発明の内容をさらに詳しく説明するが、以下の実施例は本発明の効果を例示するためのものであり、本発明のカテゴリーがこれだけに限定されるものではない。
【0144】
実施例2
図6のように、二次電池の平面積対比3%となる大きさの円形貫通口を、二次電池の両終端から二次電池の長さ対比1/6となる間隔ほど離隔された位置に2個の貫通口を形成した二次電池を製造した。
【0145】
これは前記貫通口が、電極組立体及び電池外装材に予め形成されたことを用いたものであり、熱溶着ジグを用いて電池外装材の角シーリング部及び前記貫通口内周面の電池外装材シーリング部マージンを熱溶着して貫通口を形成した。
【0146】
比較例2
前記貫通口を形成しないことを除いては、前記実施例2と同じ方法で二次電池を製造した。
【0147】
実験例2
前記実施例2と比較例2でそれぞれ製造された電池を対象に、前方落下実験を行ってその結果を下記表2に示した。
【0148】
本実験ではそれぞれ20個の電池に対して反復的に行って、前方落下実験は電極端子部位が下に向かうように180cmの高さで鉄板上に自由落下させる過程を100回進める過程で遂行した。
【表2】
【0149】
前記表2でみるように、本発明に係る実施例の電池は、落下実験で20個の電池全てで短絡が誘発されなかった。すなわち、電極組立体と電池外装材に追加的な貫通シーリング部を形成することで、落下時にも電極組立体が流動しないので二次電池の内部短絡を防止することができた。
【0150】
一方、比較例2による大部分の電池では略85回の落下で電池外装材内部の電極組立体が離脱又は流動して電池の変形及び内部短絡が確認された。
【0151】
また、比較例2の電池では、電解液の注入過程で注入された電解液の量が目標とする注液量に大きく満たないことが確認できた。すなわち、電解液の注入後、同一の時間条件(5分)で電極組立体による電解液の含浸量を比べてみた結果、比較例2の電池は実施例2の電池に比べて約60%の含浸率を示した。
【0152】
したがって、比較例2の電池が同一の電解液含浸量を示すためには遥かに長時間が必要とされることが分かり、これは電池の製造工程時間を長期間延長させなければならないことを意味する。
【0153】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎないものであって、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者なら本発明の本質的な特性を脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能であろう。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためではなく説明するためのものであって、本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって解釈されなければならず、その同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈されなければならないものである。