(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
回路基板と、前記回路基板に電気的に接続されるマイクロコントローラと、前記回路基板に電気的に接続され、前記回路基板を介して前記マイクロコントローラとの電気的接続が達成された駆動モジュールとを含む制御装置と、
前記駆動モジュールに接続されると共に、前記駆動モジュールの駆動により軸線を軸心として自体回転できる旋盤と、前記旋盤に設けられる基準部材と、前記旋盤に取り付けられ、目標位置決め部が設けられたロケーターと、前記回路基板に電気的に接続される赤外線センサーと、前記制御装置に電気的に接続され、前記旋盤に設けられる前記基準部材と組み合わせて前記目標位置決め部が回転する時のスタート時点の参考基準とする基準判断部材とを有する検知装置と、
を含み、
前記赤外線センサーは、前記ロケーターを介して前記検知装置に伝達される赤外線信号を受信するために用いられ、
前記赤外線信号が前記目標位置決め部を介して前記赤外線センサーに伝達することによる信号強度は、前記赤外線信号が前記目標位置決め部以外の前記ロケーターを介して前記赤外線センサーに伝達することによる信号強度と異なっており、
そのうち、赤外線感知設備により外部熱源がそのスキャン範囲内に入ったことを検知した時、前記制御装置は前記目標位置決め部を駆動して回転させるとともに、前記外部熱源の方位判断動作を行うことを特徴とする熱源方位の検知設備。
前記制御装置に電気的に接続されており、スキャン範圍を有すると共に、外部熱源が前記スキャン範圍に入ったかどうかを検知するための検知素子をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の熱源方位の検知設備。
前記熱源方位の検知設備を取り付ける時に検知方位の位置決めを手配しやすくなるための方向マークが設けられるハウジングをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の熱源方位の検知設備。
前記ステップ3において、前記赤外線感知設備により外部熱源がそのスキャン範圍に入ったことを検知した時、前記制御装置は外部装置が制御されるように、選択的に電気信号を発信することを特徴とする請求項7に記載の熱源方位の検知方法。
前記ステップ3において、前記熱源方位角が分かった時、前記制御装置は外部装置が制御されるように、選択的に電気信号を発信することを特徴とする請求項7に記載の熱源方位の検知方法。
前記ステップ4において、前記赤外線感知設備により前記外部熱源がそのスキャン範囲から離れたことを検知した時、前記制御装置は外部装置が制御されるように、選択的に電気信号を発信することを特徴とする請求項7に記載の熱源方位の検知方法。
前記ステップ1において、前記基準判断部材により前記目標位置決め部が一周回転することを検知する時に、前記目標位置決め部を介して前記赤外線センサーに伝達する合計のクロック数をR個のクロックである前記単位時間帯と定義し、
前記ステップ3において、前記熱源時点は第Q個のクロックであり、RがQの以上であり、前記数式をθx=(Q/R)×360°にさらに限定されていることを特徴とする請求項7に記載の熱源方位の検知方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、単一の赤外線センサーを備える設備により熱源方位を検出できないという従来の問題を効果的に改善できる、熱源方位の検知設備及びその方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
回路基板と、前記回路基板に電気的に接続されるマイクロコントローラと、前記回路基板に電気的に接続され、前記回路基板を介して前記制御器との電気的接続が達成された駆動モジュールとを含む制御装置と、
前記駆動モジュールに接続されると共に、前記駆動モジュールの駆動により軸線を軸心として自体回転できる旋盤と、前記旋盤に設けられる基準部材と、前記旋盤に取り付けられ、目標位置決め部が設けられたロケーターと、前記回路基板に電気的に接続される赤外線センサーと、前記制御装置に電気的に接続され、前記旋盤に設けられる前記基準部材と組み合わせて前記目標位置決め部が回転する時のスタート時点の参考基準とする基準判断部材とを有する検知装置と、
を含み、
前記赤外線センサーは、前記ロケーターを介して前記検知装置に伝達される赤外線信号を受信するために用いられ、
前記赤外線信号が前記目標位置決め部を介して前記赤外線センサーに伝達することによる信号強度は、前記赤外線信号が前記目標位置決め部以外の前記ロケーターを介して前記赤外線センサーに伝達することによる信号強度と異なっていることを特徴とする熱源方位の検知設備を提供する。
【0005】
制御装置と、
軸線を軸心として自体回転できる目標位置決め部と、赤外線センサーと、前記制御装置に電気的に接続され、前記目標位置決め部が回転する時のスタート時点の参考基準とする基準判断部材とを含むと共に、前記制御装置に電気的に接続される検知装置と、
を含む赤外線感知設備により検知ステップを実行する熱源方位の検知方法であって、
前記検知ステップは、以下のステップを含み、
ステップ1:前記制御装置は前記基準判断部材により前記目標位置決め部が一周回転する単位時間帯(Tc)を検知し、前記目標位置決め部の回転を停止させるとともに、前記基準判断部材に対向し、
ステップ2:前記赤外線感知設備により、そのスキャン範囲内に熱源検知を行い、
ステップ3:前記赤外線感知設備により外部熱源がそのスキャン範囲内に入ったことを検知した時、前記制御装置は前記目標位置決め部を駆動して回転させるとともに、下記の前記外部熱源の方位判断動作を行い、
前記軸線を法線とする平面は方位面と定義され、前記軸線を中心とする前記方位面における前記基準判断部材が前記方位面に対応する位置は基準方位(0°)と定義され、
前記外部熱源からの赤外線信号が前記目標位置決め部を介して前記赤外線センサーに伝達した時、前記単位時間帯に対応する時点は熱源時点(Ts)と定義され、
前記外部熱源が前記熱源時点に達した時、前記目標位置決め部は前記方位面の位置に投影されて、前記基準方位に対する角度は熱源方位角(θx)と定義され、前記熱源方位角は前記制御装置がθx=(Ts/Tc)×360°との数式を演算することにより取得し、
ステップ4:前記赤外線感知設備により前記外部熱源がそのスキャン範囲から離れたことを検知した時、前記目標位置決め部は選択的に回転を停止させるとともに、前記基準判断部材に対向することを特徴とする熱源方位の検知方法をさらに提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施例が提供する熱源方位の検知設備及びその方法は赤外線信号が目標位置決め部を介して赤外線センサーに伝達することによる信号強度が、目標位置決め部以外のロケーターを介して赤外線センサーに伝達することによる信号強度と異なっていること、及び赤外線感知設備の基準判断部材と目標位置決め部との組み合わせを有効に利用して、所定の時点(すなわち、熱源時点)における前記外部熱源が位置する熱源方位角が速やかに測定されるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1の実施例]
本発明の第1の実施例である
図1Aから
図9を参照する。本実施例における対応する図面に言及される関連の数と外形は、ただ本発明の実施形態を具体的に説明するために用いられ、その内容を理解しやすくなるようにするが、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0009】
本実施例は、熱源方位の検知設備100(以下、赤外線感知設備100ともいう)及び熱源方位の検知方法を提供する。前記熱源方位の検知方法は、本実施例において主に前記赤外線感知設備100により実行される。赤外線感知設備100は、ハウジング3と、ハウジング3内に取り付けられる制御装置1と、ハウジング3内に取り付けられ、制御装置1に電気的に接続される検知装置2とを有する。以下、まず、赤外線感知設備100の各素子を簡単に説明した後、赤外線感知設備100が適用される熱源方位の検知方法を後述する。
【0010】
図2と
図3を参照して素子間の接続関係を述べる場合に、適時に
図6を参照する。制御装置1は、回路基板11と、回路基板11に装着されるマイクロコントローラ12と、回路基板11に装着され、マイクロコントローラ12に電気的に接続される駆動モジュール13とを含む。マイクロコントローラ12は赤外線感知設備100における各素子の動作を制御するために用いられる。本実施例において、駆動モジュール13は駆動モータ131及び駆動モータ131に接続される伝動歯車132を含む。
【0011】
検知装置2は、回路基板11に固設される赤外線センサー21と、赤外線センサー21の外縁に嵌設される軸受け22と、軸受け22に装着される旋盤23と、旋盤23に装着されるロケーター24と、制御装置1に電気的に接続される基準判断部材25とを含む。
【0012】
赤外線センサー21は回路基板11から離れた検出面211を有する。赤外線センサー21は制御装置1のマイクロコントローラ12に電気的に接続される。つまり、赤外線センサー21の検出面211が受信した信号は、マイクロコントローラ12に対応する判断を行わせるように、マイクロコントローラ12に伝送することができる。なお、本実施例において、赤外線センサー21の中心線は軸線Cと定義される。本実施例の赤外線感知設備100に採用される赤外線センサー21の数は単数であればよい。つまり、本発明の赤外線感知設備100の好適な実施形態は、二つ以上の赤外線センサー21が使用されるものではない。また、赤外線センサー21は焦電赤外線感知素子であってもよく、サーモグラフィセンシング素子であってもよいが、検知精度の要求によって実施可能である。
【0013】
旋盤23は、第1のリング体231と、第1のリング体231に組み合わせて接続される第2のリング体232と、第2のリング体232に接続される伝動歯車233とを有する。第1のリング体231と第2のリング体232の外径はほぼ同じであるが、伝動歯車233の外径は第2のリング体232の外径よりも小さい。旋盤23の伝動歯車233の内縁は軸受け22の外縁に嵌設される。伝動歯車233の中心は第2のリング体232の中心とともに前記軸線Cに位置される。なお、伝動歯車233は、旋盤23が駆動モジュール13の駆動により軸線Cを軸心として自体回転できるように、駆動モジュール13の駆動歯車132に噛合される。
【0014】
図4と
図5に示すように、ロケーター24は略半球形状のハウジングである。ロケーター24は旋盤23の第1のリング体231と第2のリング体232との間に装着されると共に、旋盤23から突出されて、駆動旋盤23が駆動モジュール13に駆動されて回転する時、ロケーター24が旋盤23とともに軸線Cを軸心として自体回転できるようになる。ロケーター24の外面は円滑形状である。ロケーター24の内面に目標位置決め部241と複数の集光部242とが形成されている。目標位置決め部241の構造は何れの集光部242の構造と異なっている。何れの集光部242は半透明でも不透明でもよいが、本実施例において、単一の凸レンズ構造として現れる。本実施例において、目標位置決め部241は複数の半凸レンズ構造と遮蔽構造との組み合わせとして現れる。本発明のロケーター24が半球形状のハウジングになるように設計されたのは、このロケーター24の検知領域を半分ぐらいの任意の空間とするからであり、つまり、本発明の赤外線感知設備100が立方体空間内の一つの壁面に設置されると、立方体空間全体内の状態を検知することができる。
【0015】
なお、複数の集光部242と目標位置決め部241は同一の焦点を有する。この焦点がほぼ軸線Cに位置し、且つ赤外線センサー21の検出面211に合焦している。そこで、目標位置決め部241の構造が何れの集光部242の構造と異なっていることによって、赤外線信号が目標位置決め部241を介して赤外線センサー21の検出面211に伝達することによる信号強度を、外部熱源200からの赤外線信号が何れかの集光部242を介して赤外線センサー21の検出面211に伝達することによる信号強度よりも小さくさせることができる。
【0016】
本実施例において、何れかの集光部242は単一の凸レンズ構造として現れるが、目標位置決め部241は複数の半凸レンズ構造と遮蔽構造との組み合わせとして現れるので、赤外線信号が目標位置決め部241を介して赤外線センサー21の検出面211に伝達した時、これによる信号強度は赤外線信号が何れかの集光部242を介して赤外線センサー21の検出面211に伝達することによる信号強度の約半分である。
【0017】
以上のように、ロケーター24は半球形状の構造であり、赤外線センサー21の検出面211は、ロケーター24の焦点に設置されるように、赤外線感知設備100の外部からの赤外線信号を半球形状のロケーター24を介して赤外線センサー21の検出面211に集合させることができるので、半球形状のロケーター24により信号受信範囲を向上させる効果が達成する。つまり、半球形状のロケーター24は、いかなる位置から伝達されてきた赤外線信号を赤外線センサー21に集合させることができ、半球形状のロケーター24を設置することによって、赤外線センサー21が広い信号受信範囲を備えるようにする。
【0018】
また、本実施例において、ロケーター24は凸レンズの形式により赤外線センサー21の検出面211に集合する効果を達成したが、実際の適用において、ロケーター24の構造はこれに限られるものではない。例えば、ロケーター24は図面に示されていない反射鏡の形式またはフレネルレンズ(Fresnel’slens)の形式により赤外線センサー21の検出面211に集合する効果も達成しえる。
【0019】
図6に示すように、基準判断部材25は、ロケーター24の目標位置決め部241が一周回転する時間を検知し、この時間を一つの単位時間帯(Tc)と定義するために用いられる。言い換えれば、基準判断部材25の機能は、ロケーター24が回転し始まる時点の参考基準を提供することである。本実施例において、基準判断部材25は、回路基板11に取り付けられ、マイクロコントローラ12に電気的に接続される受光器251を含む。旋盤23の第2のリング体232には、目標位置決め部241に対応する基準部材27が設けられている。本実施例において、この基準部材27は反射シート271である。反射シート271が受光器251に向かっている時、受光器251は反射シート271に反射された光信号の受信に適している。従って、反射シート271(目標位置決め部241)が受光器251に対向すると、旋盤23が一周回転して受光器251に反射シート271からの光信号を受信させた時、マイクロコントローラ12は受光器251から伝送されてきた信号により、旋盤23(または目標位置決め部241)が一周回転する単位時間帯(Tc)が分かるようになる。
【0020】
また、本実施例において、反射シート271を基準部材27とし、基準判断部材25である受光器251と組み合わせて、ロケーター24が回転し始まる參考時点の参考基準が提供される効果を達成したが、実際の適用において、基準判断部材25は受光器251に限られるものではない。例えば、前記基準判断部材25は、ロケーター24が回転し始まる參考時点(図示せず)を提供するように、マイクロスイッチを第2のリング体232に設けられた「凸点構造」(すなわち、凸点構造が基準部材27とする)と組み合わせて使用することもでき、または、ロケーター24が回転し始まる參考時点(図示せず)を提供するように、光遮断器を第2のリング体232に設けられた「遮断構造」(すなわち、遮断構造が基準部材27とする)と組み合わせて使用することもできる。なお、反射シート271はロケーター24が回転し始まる參考時点を提供し、つまり、一周回転における0°及び360°の重合点としているので、基準部材27はキャリブレーション精度を向上させるように、90°、180°及び270°に反射シート271を追加してもよい。
【0021】
以上のことは本実施例の赤外線感知設備100の簡単な説明であり、以下、本実施例の熱源方位の検知方法を述べるが、その方法は以下のようになる(
図1C、
図7から
図9参照)。
【0022】
赤外線感知設備100を提供したが、ここで、赤外線感知設備100に関する具体的な構造が省略される。以下の説明に赤外線感知設備100の素子が言及された場合、対応する図面を適時に参照する。前記方法は以下のステップを含む。
【0023】
ステップ1(S110)において、制御装置1のマイクロコントローラ12は駆動モジュール13が動作するように指示し、旋盤23及びその上のロケーター24(目標位置決め部241)が回転するように駆動されるとともに、目標位置決め部241の回転中、基準判断部材25により目標位置決め部241が一周回転する単位時間帯(Tc)を検知し、それと同時に、赤外線感知設備100の一つのスキャン範圍S内の過渡熱源状況を記録する。この過渡熱源状況と予め設定したパラメータにより決められた環境温度の平均値とを比較した後、存在している外部熱源200がなければ、赤外線感知設備100は過渡熱源状況を更新して、それを後続の比較基準として待機状態に入り、旋盤23及びその上のロケーター24(目標位置決め部241)の回転を停止させるとともに、ロケーター24上の基準判断部材25に対向する目標位置決め部241の位置を停止位置とする。そうでないと、ステップ3の方位判断動作を行う。
【0024】
赤外線感知設備100は少なくとも一つの出入り口300が設けられた環境に装着された場合(
図1Bに示す)、この出入り口300を外部熱源200が現れた点とみなし可能であり、好ましくは、赤外線感知設備100のスキャン範圍Sは出入り口300を含む。そして、目標位置決め部241の遮蔽構造が出入り口300に向かわないように、待機状態にある赤外線感知設備100を設置することによって、外部熱源200がこの出入り口300に進出する時にこの外部熱源200からの赤外線信号が遮蔽構造から赤外線センサー21に伝達できなくなることを避けて、赤外線感知設備100が動的な外部熱源200を検知する時の反応速度をさらに向上させる。
【0025】
なお、赤外線感知設備100は、目標位置決め部241の遮蔽構造に対応するハウジング3の部位に方向マーク31が設けられていることによって、ユーザが赤外線感知設備100を取り付ける時、必要な検知方位の位置決め、すなわち、検知される領域と赤外線感知設備100との両者の間の方位関連を手配しやすくなるようにし、この方向マーク31により、前記出入り口に向かわないように、待機状態にある赤外線感知設備100の目標位置決め部241の遮蔽構造を設置してもよい。
【0026】
ステップ2(S120)において、待機状態にある赤外線感知設備100は、そのスキャン範圍S内に熱源検知を持続して行う。この時のロケーター24は非回転状態である。それに、本実施例において、図面に示した赤外線感知設備100のスキャン範圍Sは例示的なものであり、これに限られるものではない。
【0027】
ステップ3(S130)において、赤外線感知設備100は、外部熱源200(例えば、人間)がそのスキャン範圍S内に入ったことを検知した場合(
図7に示す)、方位判断動作を実行し、制御装置1は外部装置(例えば、警報装置または放熱装置)が制御されるように、選択的に電気信号を発信する。実際の適用において、赤外線感知設備100は外部熱源200(例えば、人間)がスキャン範圍S内に入ったことを検知した場合、環境温度との検知比較を行い、環境温度が30℃よりも高い時に、スキャン範圍S内の放熱装置(図示せず)を待機状態にさせてもよい。
【0028】
本実施例において、外部熱源200がスキャン範圍Sに入ったかどうかを判断する方式について、赤外線センサー21が受信した信号強度により判断する。さらには、赤外線センサー21が受信した信号強度の分布がステップ1(S110)に更新された過渡熱源状況と異なっている場合、マイクロコントローラは外部熱源200が赤外線感知設備100のスキャン範圍Sに入ったと判断する。
【0029】
なお、方位判断動作には、制御装置1のマイクロコントローラ12により駆動モジュール13が動作するように指示し、旋盤23及びその上のロケーター24(目標位置決め部241)が回転するように駆動されること(
図8と
図9に示す)を含む。目標位置決め部241の回転中、目標位置決め部241の回転速度が赤外線センサー21の信号受信頻度よりも小さくなるように制御して、赤外線センサー21の反応が間に合わず、位置決めのずれや信号の振幅不足を招くことを避ける。本実施例において、制御装置1は目標位置決め部241が20秒ごとに一回転するように制御するが、これに限られるものではない。制御装置1がロケーター24を回転させるように駆動する時、外部熱源200からの赤外線信号が目標位置決め部241を介して赤外線センサー21の検出面211に伝達することによる信号強度は、外部熱源200からの赤外線信号が何れかの集光部242を介して赤外線センサー21の検出面211に伝達することによる信号強度よりも小さい。
【0030】
方位判断動作の次に、後述の外部熱源200の方位判断が行われる。
【0031】
軸線Cを法線とする平面(例えば、地面)は方位面Pと定義される。軸線Cを中心とする方位面Pには、基準判断部材25が方位面Pに対応する位置は基準方位(0°)と定義される。
【0032】
外部熱源200からの赤外線信号が目標位置決め部241を介して赤外線センサー21の検出面211に伝達した時、単位時間帯(Tc)に対応する時点は熱源時点(Ts)と定義される。つまり、熱源時点の前に、外部熱源200からの赤外線信号は目標位置決め部241を介して赤外線センサー21の検出面211に伝達していない。
【0033】
外部熱源200が熱源時点に達した時、目標位置決め部241は方位面Pの位置に投影されている。基準方位に対する目標位置決め部241の角度は熱源方位角θxと定義され、熱源方位角θxは制御装置1のマイクロコントローラ12がθx=(Ts/Tc)×360°との数式を演算することにより取得する。なお、熱源方位角θxが分かった時、制御装置1は外部装置が制御されるように、選択的に電気信号を発信する。実際の適用において、赤外線感知設備100は外部熱源200(例えば、人間)がある方位に位置する時間が設定値を上回ったことを検知した時、この方位の放熱装置を起動させることができる。
【0034】
ステップ4(S140)において、外部熱源200がスキャン範圍Sから離れた後、過渡熱源状況が更新され、赤外線感知設備100を待機状態にさせ、旋盤23及びその上のロケーター24(目標位置決め部241)の回転を停止させるとともに、ロケーター24上の目標位置決め部241を基準判断部材25に対向させる。なお、外部熱源200がスキャン範圍Sから離れた後、制御装置1は外部装置が制御されるように、選択的に電気信号を発信する。実際の適用において、赤外線感知設備100は外部熱源200(例えば、人間)がスキャン範圍Sから離れたことを検知した後、スキャン範圍S内の放熱装置をシャットダウンすることができる。
【0035】
本実施例において、外部熱源200がスキャン範圍Sから離れたかどうかを判断する方式について、赤外線センサー21が受信した信号強度により判断する。赤外線センサー21が受信した信号強度の分布は赤外線センサー21によりステップ1(S110)に更新された過渡熱源状況と同等している場合、マイクロコントローラ12は外部熱源200が赤外線感知設備100のスキャン範圍Sから離れたと判断する。
【0036】
これにより、本発明の実施例が提供する赤外線感知設備100及びその熱源方位の検知方法は、赤外線信号が目標位置決め部241を介して赤外線センサー21に伝達することによる信号強度が、目標位置決め部241以外のロケーター24の部位(例えば、集光部242)を介して赤外線センサー21に伝達することによる信号強度と異なっていること、及び赤外線感知設備100の基準判断部材25と目標位置決め部241との組み合わせを有効に利用して、所定の時点(すなわち、熱源時点)における前記外部熱源200が位置する熱源方位角θxが速やかに測定されるようになる。
【0037】
なお、外部熱源200が赤外線感知設備100のスキャン範圍Sに対して進入または離間したかを判断する方式は、単一の赤外線センサー21によりステップ1(S110)に更新された過渡熱源状況を基準とするので、赤外線感知設備100のスキャン範圍S内に外部熱源が存在している限り、この外部熱源を探知することができる。そこで、赤外線感知設備100及びその熱源方位の検知方法は、静的または動的な外部熱源200に対して、その熱源方位角θxを検知することができる。
【0038】
また、ステップ1からステップ4において、この目標位置決め部241が駆動されて回転した後、停電またはシャットダウンされるまで、回転状態を維持するように設定されてもよい。すなわち、赤外線感知設備100が待機状態にある時にも、旋盤23及びその上のロケーター24(目標位置決め部241)を回転させることによって、外部熱源200を検知する反応速度を増加させながら、最もリアルタイムな過渡熱源状況を維持させる。
【0039】
各ステップにおいて、単位時間帯(Tc)の時間単位を具体的に限定していない。つまり、単位時間帯(Tc)の時間単位は設計者の要求に従って調整可能である。例えば、ステップ1(S110)において、基準判断部材25により目標位置決め部241が一周回転することを検知する時に費やされる合計の秒数をこの単位時間帯と定義することができ、単位時間帯はM秒であるが、方位判断動作において、熱源時点は第N秒であり、且つMがNの以上であり、数式がθx=(N/M)×360°となるようにさらに限定されている。或いは、ステップ1(S110)において、基準判断部材25により目標位置決め部241が一周回転することを検知する時に、目標位置決め部241を介して赤外線センサー21に伝達する合計のクロック数をこの単位時間帯と定義することができ、且つ単位時間帯はR個のクロックであるが、方位判断動作において、熱源時点は第Q個のクロックであり、RとQは何れも正の整数であり、RがQの以上であり、この数式がθx=(Q/R)×360°となるように限定されている。
【0040】
また、本実施例に述べた赤外線感知設備100の構造は、ただ本発明の熱源方位の検知方法を理解するために用いられるものである。つまり、本発明の熱源方位の検知方法に合致したことを前提として、赤外線感知設備100の構造は設計者の要求に従って調整可能であるが、本発明が提案した熱源方位の検知方法に限られるものではない。
【0041】
[第2の実施例]
本発明の第2の実施例である
図10を参照する。本実施例は第1の実施例とほぼ類似し、同じ内容について重複に説明しないが、両者の差異は主に検知装置2のロケーター24である。以下、具体的に差異について説明する。
【0042】
本実施例ロケーター24の内面に目標位置決め部241及び目標位置決め部241を取り囲む取り囲み部243が形成されている。目標位置決め部241の構造は取り囲み部243の構造と異なっているとともに、赤外線信号が目標位置決め部241を介して赤外線センサー21に伝達することによる信号強度を、赤外線信号が取り囲み部243を介して赤外線センサー21に伝達することによる信号強度よりも大きいものにさせることができる。
【0043】
目標位置決め部241は半透明でも不透明でもよいが、本実施例において、複数の半凸レンズ構造と遮蔽構造との組み合わせとして現れる。本実施例において、取り囲み部243はC形状の集光取り囲み部2431及び集光取り囲み部2431内に位置される遮蔽取り囲み部2432を含む。集光取り囲み部2431の両末端は目標位置決め部241の最外端に繋がっている。すなわち、集光取り囲み部2431はロケーター24における最外周の凸レンズ構造であることによって、外部熱源200が現れたかどうかを検知する検知部としている。なお、目標位置決め部241は焦点を有する。この焦点は赤外線センサー21の検出面211に合焦している。
【0044】
ステップ3(S130)において、制御装置1がロケーター24を駆動して回転させる時、外部熱源200からの赤外線信号が目標位置決め部241を介して赤外線センサー21に伝達することによる信号強度は、外部熱源200からの赤外線信号が取り囲み部243を介して赤外線センサー21に伝達することによる信号強度と異なっている。さらには、本実施例において、外部熱源200からの赤外線信号は目標位置決め部241または集光取り囲み部2431を介して赤外線センサー21に伝達するしかできず、遮蔽取り囲み部2432を介して赤外線センサー21に伝達することができない。実際の適用において、赤外線感知設備100は本実施例のロケーター24により熱源方位を検知する。制御装置1がロケーター24を駆動して回転させる時、一周回転における完全な信号波形を記録し、単位時間帯(Tc)に対応する波形セグメントにおける振幅が一番高い部分を査定し、これを熱源時点(Ts)とすれば、熱源方位を推算することができる。
【0045】
[第3の実施例]
本発明の第3の実施例である
図11と
図12を参照する。本実施例は第2の実施例とほぼ類似し、同じ内容について重複に説明しないが、両者の差異は主に検知装置2のロケーター24である。本実施例はロケーター24に対応する集束部材26をさらに含む。以下、具体的に差異について説明する。
【0046】
集束部材26はハウジング3に取り付けられるとともに、ロケーター24の外を覆うように設けられる。集束部材26には複数の集光部261が形成されている。ロケーター24には目標位置決め部241及び目標位置決め部241を取り込む取り囲み部243が形成されている。本実施例において、何れかの集光部261は単一の凸レンズ構造として現れるが、目標位置決め部241の構造は取り囲み部243の構造と異なっているとともに、赤外線信号が何れかの集光部261と目標位置決め部241を介して赤外線センサー21に伝達することによる信号強度を、外部熱源200からの赤外線信号が何れかの集光部261と取り囲み部243を介して赤外線センサー21に伝達することによる信号強度よりも小さくさせることができる。
【0047】
目標位置決め部241は半透明でも不透明でもよいが、本実施例において半凸レンズ構造として現れる。つまり、目標位置決め部241は集光部261の半分の凸レンズ構造を遮蔽するが、取り囲み部243は本実施例において透明構造として現れる。なお、複数の集光部242は同一の焦点を有し、この焦点が赤外線センサー21に合焦している。
【0048】
ステップ3(S130)において、制御装置1がロケーター24を駆動して回転させる時、集束部材26は動かず、外部熱源200からの赤外線信号が何れかの集光部261と目標位置決め部241を介して赤外線センサー21に伝達することによる信号強度は、外部熱源200からの赤外線信号が何れかの集光部261と取り囲み部243を介して赤外線センサー21に伝達することによる信号強度よりも小さい。さらには、本実施例において、外部熱源200からの赤外線信号が集束部材26の何れかの集光部261を透過した後、目標位置決め部241を通過する時には、信号の半分は遮蔽されてしまうが、取り囲み部243を通過する時には、直接透過するので、信号強度が異なるようになる。
【0049】
そこで、本実施例が提供する赤外線感知設備100の最大な利点は集束部材26を固定して、赤外線センサー21が受信した赤外線信号をさらに安定させることである。
【0050】
[第4の実施例]
本発明の第4の実施例である
図13を参照する。本実施例は第3の実施例とほぼ類似し、同じ内容について重複に説明しないが、両者の差異は主に本実施例における目標位置決め部241が透かし彫りまたは全透明構造として現れ、取り囲み部243が半透明構造として現れることである。
【0051】
さらには、目標位置決め部241が透かし彫りまたは全透明構造として現れることによって、何れかの集光部261と目標位置決め部241を透過した赤外線信号を、完全に赤外線センサー21に集合し伝達させることができる。なお、取り囲み部243が半透明構造として現れることによって、外部熱源200からの赤外線信号が集光部261と目標位置決め部241を介して赤外線センサー21に伝達することによる信号強度を、外部熱源200からの赤外線信号が何れかの集光部261と取り囲み部243を介して赤外線センサー21に伝達することによる信号強度よりもはるかに大きいものにさせることができる。
【0052】
そこで、本実施例は実際の適用において、外部熱源200がスキャン範圍Sに入った時、赤外線信号が集束部材26と取り囲み部243を介して赤外線センサー21に伝達することによる信号強度が小さくても、制御装置1はそれを識別し判断でき、さらにロケーター24を駆動して回転させるとともに、目標位置決め部241を利用して外部熱源200を追跡する。
【0053】
本実施例の最大な利点は赤外線感知設備100が複数の外部熱源200の方位を精確に判断することができ、または外部熱源200の強度をさらに検知することができることである。さらには、赤外線感知設備100は外部熱源200の静止と移動の状態に対して、外部熱源200の方位を定めることができ、または赤外線信号の振幅の大きさを利用して外部熱源200の強度を定めることができる。
【0054】
前述した各実施例において、赤外線信号はいずれもロケーター24により赤外線センサー21に伝達しなければならない。ロケーター24には、外部熱源200を位置決め追跡するための目標位置決め部241も設けられている。ロケーター24には、目標位置決め部241の他に、取り囲み部243(第3の実施例、第4の実施例)、集光取り囲み部2431(第2の実施例)または集光部242(第1の実施例)が設けられてもよい。これにより、スキャン範圍Sに進入し又はスキャン範圍Sに存在した時の外部熱源200からの赤外線信号を、赤外線センサー21に伝達して、さらにステップ3(S130)の方位判断動作が起動される。実際の使用には、ハウジング3に制御装置1と電気的に接続される一つの検知素子32が増設されてもよい。これにより、検知角度または検知条件の要求が実現されるとともに、誤判定を避けることが達成され、外部熱源200がスキャン範圍Sに入ったかどうかをより精確に検知することができる。検知素子32のセンシング媒体は赤外線、超音波または可視光でもよいが、ここで制限されるものではない。
【0055】
[第5の実施例]
本発明の第5の実施例である
図14を参照する。本実施例は第3の実施例とほぼ類似し、同じ内容について重複に説明しないが、両者の差異は主に本実施例のロケーター24の構造の設計である。
【0056】
具体的には、本実施例のロケーター24は目標位置決め部241及び目標位置決め部241を取り囲む複数の集光部242を有する。目標位置決め部241は隣接するように並べられた複数の凸レンズ構造として現れるが、各集光部242は単一の凸レンズ構造として現れる。なお、各集光部242のサイズは目標位置決め部241における何れかの凸レンズのサイズよりも小さいもので、複数の集光部242は目標位置決め部241を取り囲んで複数の重合したC形状の形態になるように並べられる。C形状の形態の数は、目標位置決め部241に含まれる凸レンズ構造の数よりも大きいものである。
【0057】
これにより、本実施例のロケーター24を設計することによって、赤外線信号が目標位置決め部241を介してこの赤外線センサー21に伝達することによる信号強度を、赤外線信号が何れかの集光部242を介して赤外線センサー21に伝達することによる信号強度よりも大きいものにさせることができる。
【0058】
[本発明の実施例の可能な効果]
前記したように、本発明の実施例が提供する熱源方位の検知設備及びその方法は、赤外線信号が目標位置決め部を介して赤外線センサーに伝達することによる信号強度が、目標位置決め部以外のロケーターの部位を介して赤外線センサーに伝達することによる信号強度と異なっていること、及び赤外線感知設備の基準判断部材と目標位置決め部との組み合わせを有効に利用して、所定の時点(すなわち、熱源時点)における前記外部熱源が位置する熱源方位角が速やかに測定されるようになる。
【0059】
なお、外部熱源が赤外線感知設備のスキャン範圍に対して進入または離間したかを判断する方式は、単一の赤外線センサーによりステップ1(S110)に更新された過渡熱源状況を基準とするので、赤外線感知設備のスキャン範圍内に外部熱源が存在している限り、この外部熱源を探知することができる。そこで、前記熱源方位の検知設備及びその方法は、静的または動的な外部熱源に対して、その熱源方位角を検知及び追跡することができ、さらにランプ、扇風機または警報アラームなどの外部装置を開閉するように、適時に制御信号を発信することができる。
【0060】
また、本実施例が提供する半球形状のロケーターは、いかなる位置から伝達されてきた赤外線信号を赤外線センサーに集合させることができ、半球形状のロケーターを設置することによって、赤外線センサーが広い信号受信範囲を備えるようにし、且つ設置しやすくて、空間の美観を損なわない。
【0061】
又、本発明の実施例が提供する熱源方位の検知設備及びその方法は、赤外線センサーのストラクチャを転動させる必要がないので、信号伝達のノイズが幅広く低減される。前記熱源方位の検知設備は、赤外線センサーと旋盤との間に軸受けを設けることによって、旋盤が回転する時に生じた摩擦を減少させることもできる。これにより、駆動の消費電力を低下させるとともに、赤外線信号を受信する時の安定性を向上させ、さらに前記熱源方位の検知設備の使用寿命を有効に向上させる。
【0062】
以上のことは、本発明の好ましい実現可能な実施例に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。本発明の特許請求の範囲に基づき為された等価の変化と修飾であれば、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるものとする。