【実施例】
【0012】
本発明は、本発明の典型例として提供され、及び制限を目的としていない以下の実施例を参照することにより一層理解されるであろう。
実施例1:投与量をベースとする、患者にもたらされた鎮痛の分析
336患者、7治療選択肢(treatment arm)、ランダム化、二重盲検、単回投与、及びプラシーボ-及びコンパレータ制御、パラレル群の研究を行った。患者をランダムに分けて、(これ以降“DIC”と称する)ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンで溶解したジクロフェナクナトリウム、ケトロラクトロメタミン、又はプラシーボのいずれかを単回投与した。
ボーラスIV注射溶液2mlを、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンでのジクロフェナクナトリウムの溶解により製造した。配合物力価は以下のとおりであった:
【0013】
配合物:ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンで溶解したジクロフェナクナトリウム
力価:75mg、37.5mg、18.75mg、9.4mg及び3.75mg
投薬形態(dosage):ボーラスIV注射(15秒以上)
バッチ番号:063004(PPS04010)
製造業者:プレシジョン・ファーマ(Precision Pharma)によりジャベリン(Javelin)用に製造
貯蔵条件:室温
能動制御/コンパレータ:
配合物:ケトロラクトロメタミン
力価:30mg
投薬形態:ボーラスIV注射(15秒以上)
バッチ番号:21-430-DK
製造業者:アボット・ラブス(Abbott Labs)
貯蔵条件:室温
【0014】
痛みの評価は、各患者により、ベースライン(0時間:視覚アナログ尺度(VAS)及び分類別の疼痛強度のみ)で、研究薬の投与後、5、15、30及び45分で、及び1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、10、12及び24時間で、及び救急薬の最初の投与直前に行われた。各後投与時間(post-dose time period)で、疼痛強度(分類別及びVAS)及び鎮痛(分類別及びVAS)のレベルは、各患者により評価された。患者に、また、2つのストップウォッチを与えて、知覚できる及び有意な鎮痛を計測した。
投与反応の存在を、ステップ-ダウン試験手順で試験した。全鎮痛(TOTPAR)、ピーク鎮痛、疼痛強度差(SPID)、疼痛強度差における合計ピーク低減(SPRID)、及び患者の全体的評価を、因子としての治療、センター、及びベースラインの分類別疼痛強度での分散分析(ANOVA)で分析した。相互作用の可能性を研究した。DIC群とプラシーボ及びケトロラク群との比較をダネット検定により行った。順序付けられたDIC投与量レベルについての直線的投与反応の存在を、TOTPAR、SPID及びSPRIDについての直交対比により試験した。TOTPAR、SPID及びSPRIDについての個々のDIC投与量レベル対プラシーボの試験を、テューキー、シミネラ及びハイゼのステップ・ダウン試験手順により行った。平均、標準偏差及びサンプルサイズを、各治療群について表した。有意なp値(0.05以下のもの)を、手順の各工程について表した。有意でないp値は、3つのダッシュ記号で表した。知覚できる軽減が得られるまでの時間及び有意義な軽減が得られるまでの時間を、生存時間分析技術により分析した。これらの変化は、所見の数、平均、標準偏差、メジアン及び範囲について概要した。ログランク検定を行って、生存分布に関して治療を比較した。各治療群について事象までのメジアン時間を、カプラン−マイヤー積極限推定量により推定した。事象までの各推定メジアン時間についての95%信頼区間を計算した。
研究結果は、強度に陽性で、新規なものであり及びジクロフェナクについての先行経験からは予期することができないものであった。投与量は、現在推奨される最小有効投与量の1mg/kg(50mgの即時放出又は100mgの経口的な持続放出又は75mgの筋肉又は静脈注射)をベースとして選択した。これらの量をベースとして、試験条件を、十分な投与量(75mg)、半分の投与量(37.5mg)、おそらくは有効な投与量(18.75mg)及び2つのプラシーボ投与量(9.75及び3.4mg)とした。結果は以下の通りであった:
【0015】
表1:TOTPAR(0〜6時間で評価した鎮痛VAS 0〜100mmの合計)
投与された配合物力価をベースとする、患者に与えられた鎮痛の対応するグラフ表示についての
図1を参照されたい。
【0016】
実施例2:より低い投与量のジクロフェナクでの鎮痛に関する薬効及び持続期間の分析
これを更に研究するために、同一の研究における投与量持続期間関係を、単回投与相における再投薬までのメジアン時間を用いて試験した。実施例1における研究結果を利用して、鎮痛に関する薬効及び持続期間を十分に分析した。DICの最低IV投与量(3.75mg)は、最大投与量の効果の38%をもたらし、及び次に最も低い投与量(9.4mg)は、最大推定効果の68%をもたらしたが、これらの双方は、それぞれ、現在推奨される最小有効投与量(1mg/kg)の5%及び12%であるにもかかわらずに該効果をもたらした。
図2は、研究において観察されたピーク鎮痛についての投与量反応の図解を含む。
図3は、単回投与相における再投薬までのメジアン時間を用いて試験した投与量持続期間関係を示す。ピーク鎮痛反応は、約80%の鎮痛が除去され、歯痛に関して、4〜8ミリグラムのジクロフェナクの投与で50%の反応を伴っていた。同様のピーク鎮痛反応が、30ミリグラムのケトロラクで観察された。投与量反応曲線の形状を考慮すると、DIC配合物のより低い投与量により、現在確立されているジクロフェナク投与量75ミリグラムと同一の結果が達成されることが明らかである。
結果は、約20ミリグラム(18ミリグラム)より高い全ての投与量について、6時間の効果持続期間を示す。
大抵の薬剤について、推奨される投与量をはるかに下回る投与量での有意な活性結果は、高い治療インデックス(有効量及び中毒量の間の幅広い範囲)のために重要性がほとんどない。その逆も非経口NSAIDについて正しく;これらの薬剤の投与量を上昇させることにより、毒性の危険性の上昇のために、それらの有用性が容易に損なわれることが当該技術分野において確立されている。
【0017】
従って、新規ジクロフェナク配合物により、通常の投与量の5〜12%で、所望の治療効果の38〜68%を得ることができるとの結果は、顕著なものであり及び予期せぬものである。このことから、新規配合物で可能となる高く早い血中濃度(high early blood level)により、もたらされる毒性の危険性が低い、より低い一日あたりの総投与量が可能となる可能性がもたらされる。
この結果により、現在のジクロフェナク投与量(75〜200mg/日)より低い一日あたりの投与量(25〜75mg/日)での薬効が証明され、及びより低い毒性の予想をもたらす、より良好な投与量パラダイム(Q12時間未満)が期待される。この研究から得られるデータによるより低い毒性の証明は、知られる投与量及び毒性の関係をベースとして示唆的なものである。
ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンにより認められる新規ジクロフェナク配合物が、現在推奨されるジクロフェナク投与量の50%、25%、12.5%及び5%での単回投与薬効の証拠を提供することが示された。これは、配合物についての、知られるヒト薬物動態学的結果との組み合わせで、薬物暴露の程度及び時間の低減により毒性の危険性がより低いと予想される、このNSAIDの一日当たりの総投与量の低減を支持する。
本発明は、本件明細書に記載の特定の実施態様により範囲は制限されないべきである。実際、本件明細書において記載されるものに加えて、本発明の種々の変更が、先の記載及び添付図面から、当該技術分野における当業者に明らかとなるであろう。そのような変更は、添付するクレームの範囲内にあることが意図される。
特許、特許出願の刊行物の製品に関する文書及びプロトコールは、本件出願の至るところに記載され、それらの開示内容は、全ての目的でそれらの全体が参考文献として本件明細書に組み込まれるものとする。
【0018】
本発明の態様として、例えば以下のものがある。
1.(a)鎮痛をもたらすのに有効な単位投与量のジクロフェナク化合物;及び(b)β−シクロデキストリン化合物を含み、ジクロフェナク化合物の投与量が10mg未満である、痛みを治療するための医薬組成物。
2.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナク塩である上記1に記載の医薬組成物。
3.ジクロフェナク塩が、ジクロフェナクナトリウムである上記2に記載の医薬組成物。
4.シクロデキストリン化合物が、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである上記1に記載の医薬組成物。
5.更に、安定化剤を含む上記1に記載の医薬組成物。
6.安定化剤が、モノチオグリセロールである上記5に記載の医薬組成物。
7.ジクロフェナク化合物の投与量が9.4mgである上記1に記載の医薬組成物。
8.ジクロフェナク化合物の投与量が5mg(+/-20%)未満である上記1に記載の医薬組成物。
9.ジクロフェナク化合物の投与量が3.75mg(+/-20%)である上記8に記載の医薬組成物。
【0019】
10.鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための上記1に記載の医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用。
11.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記10に記載の使用。
12.鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための上記8に記載の医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用。
13.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記12に記載の使用。
14.医薬組成物が静脈内投与されるものである上記11に記載の使用。
15.医薬組成物が静脈内投与されるものである上記13に記載の使用。
【0020】
16.鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用であって、前記医薬組成物が、
(a)鎮痛をもたらすのに有効な投与量のジクロフェナク化合物;及び
(b)β−シクロデキストリン化合物
を含み、ジクロフェナク化合物の投与量が、
(i)75mg未満であり、かつ
(ii)β−シクロデキストリン化合物とともに投与されなかった場合よりも、哺乳類においてより早い作用発現をもたらすものである、
前記使用。
17.前記医薬組成物中のジクロフェナク化合物の投与量が、投与後6時間の100mm視覚アナログ尺度に基づく全鎮痛(TOTPAR)の値227.04〜415.56をもたらすのに十分なものである上記16に記載の使用。
18.前記医薬組成物中のジクロフェナク化合物の投与量が、投与後6時間の100mm視覚アナログ尺度に基づく全鎮痛(TOTPAR)の値227.04〜415.56の70〜100%をもたらすのに十分なものである上記16に記載の使用。
19.前記医薬組成物中のジクロフェナク化合物の投与量が、投与後6時間の100mm視覚アナログ尺度に基づく全鎮痛(TOTPAR)の値227.04〜415.56の40〜70%をもたらすのに十分なものである上記16に記載の使用。
20.前記医薬組成物中のジクロフェナク化合物の投与量が、75mgのジクロフェナク化合物がβ−シクロデキストリン化合物とともに哺乳類に非経口投与された場合と同一の鎮痛持続期間を有するものである上記16に記載の使用。
21.前記医薬組成物中のジクロフェナク化合物の投与量が、75mgのジクロフェナク化合物がβ−シクロデキストリン化合物とともに哺乳類に非経口投与された場合の約2/3〜1倍の鎮痛持続期間を有するものである上記16に記載の使用。
【0021】
22.前記医薬組成物中のジクロフェナク化合物の投与量が、75mgのジクロフェナク化合物がβ−シクロデキストリン化合物とともに哺乳類に非経口投与された場合の約1/3〜約2/3倍の鎮痛持続期間を有するものである上記16に記載の使用。
23.鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用であって、前記医薬組成物が、
(a)37.5mg(+/-20%)以下のジクロフェナク化合物を含む投与量;及び
(b)β−シクロデキストリン化合物
を含み、
(i)前記医薬組成物の投与が、少なくとも134.1という投与後6時間の100mm視覚アナログ尺度に基づく全鎮痛(TOTPAR)の値をもたらすのに十分なものであり、かつ
(ii)前記医薬組成物中のジクロフェナク化合物が、β−シクロデキストリン化合物とともに投与されなかった場合よりも哺乳類においてより早い作用発現をもたらすものである、
前記使用。
24.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記23に記載の使用。
25.医薬組成物が静脈内投与されるものである上記23に記載の使用。
26.医薬組成物が、75mgのジクロフェナク化合物がβ−シクロデキストリン化合物とともに哺乳類に非経口投与された場合にもたらされるのと同一レベルの%最大全鎮痛(TOTPAR)をもたらすものである、上記23に記載の使用。
【0022】
27.鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用であって、前記医薬組成物が、
(a)37.5mg(+/-20%)以下のジクロフェナク化合物を含む投与量;及び
(b)β−シクロデキストリン化合物
を含み、
(i)前記医薬組成物の投与が、75mgのジクロフェナク化合物がβ−シクロデキストリン化合物とともに哺乳類に非経口投与された場合にもたらされるのと同一レベルの、投与後6時間の100mm視覚アナログ尺度に基づく%最大全鎮痛(TOTPAR)をもたらすのに十分なものであり、かつ
(ii)前記医薬組成物中のジクロフェナク化合物が、β−シクロデキストリン化合物とともに投与されなかった場合よりも哺乳類においてより早い作用発現をもたらすものである、
前記使用。
28.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記27に記載の使用。
29.医薬組成物が静脈内投与されるものである上記27に記載の使用。
【0023】
30.痛みを治療するための医薬組成物であって、
(a)37.5mg(+/-20%)以下のジクロフェナク化合物;及び
(b)β−シクロデキストリン化合物
を含み、哺乳類に非経口投与されると、
(i)該医薬組成物は、少なくとも134.1という投与後6時間の100mm視覚アナログ尺度に基づく全鎮痛(TOTPAR)の値をもたらすのに十分なものであり、かつ
(ii)該医薬組成物中のジクロフェナク化合物が、β−シクロデキストリン化合物とともに投与されなかった場合よりも哺乳類においてより早い作用発現をもたらすものである、
前記医薬組成物。
31.75mgのジクロフェナク化合物がβ−シクロデキストリン化合物とともに哺乳類に非経口投与された場合にもたらされるのと同一レベルの%最大全鎮痛(TOTPAR)をもたらすものである、上記30に記載の医薬組成物。
32.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記30に記載の医薬組成物。
33.シクロデキストリン化合物が、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである上記30に記載の医薬組成物。
34.更に、安定化剤を含む上記30に記載の医薬組成物。
【0024】
35.痛みを治療するための医薬組成物であって、
(a)37.5mg(+/-20%)以下のジクロフェナク化合物を含む投与量;及び
(b)β−シクロデキストリン化合物
を含み、哺乳類に投与されると、
(i)該医薬組成物は、75mgのジクロフェナク化合物がβ−シクロデキストリン化合物とともに哺乳類に非経口投与された場合にもたらされるのと同一レベルの、投与後6時間の100mm視覚アナログ尺度に基づく%最大全鎮痛(TOTPAR)をもたらすのに十分なものであり、かつ
(ii)該医薬組成物中のジクロフェナク化合物が、β−シクロデキストリン化合物とともに投与されなかった場合よりも哺乳類においてより早い作用発現をもたらすものである、
前記医薬組成物。
36.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記35に記載の医薬組成物。
37.シクロデキストリン化合物が、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである上記35に記載の医薬組成物。
38.更に、安定化剤を含む上記35に記載の医薬組成物。
39.ジクロフェナク化合物の投与量が、18.75mg(+/-20%)である、上記23に記載の使用。
40.ジクロフェナク化合物の投与量が、37.5mg(+/-20%)である、上記23に記載の使用。
41.ジクロフェナク化合物の投与量が、18.75mg(+/-20%)である、上記27に記載の使用。
42.ジクロフェナク化合物の投与量が、18.75mg(+/-20%)である、上記30に記載の医薬組成物。
43.ジクロフェナク化合物の投与量が、37.5mg(+/-20%)である、上記30に記載の医薬組成物。
44.ジクロフェナク化合物の投与量が、18.75mg(+/-20%)である、上記35に記載の医薬組成物。
45.該医薬組成物中のジクロフェナク化合物が、β−シクロデキストリン化合物とともに投与されなかった場合よりも哺乳類においてより早い作用発現をもたらすものである、上記1に記載の医薬組成物。
【0025】
1−2.(a)鎮痛をもたらすのに有効な単位投与量のジクロフェナク化合物;及び(b)β−シクロデキストリン化合物を含み、ジクロフェナク化合物の投与量が10mg未満である医薬組成物。
2−2.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナク塩である上記1−2に記載の医薬組成物。
3−2.ジクロフェナク塩が、ジクロフェナクナトリウムである上記2−2に記載の医薬組成物。
4−2.シクロデキストリン化合物が、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである上記1−2に記載の医薬組成物。
5−2.更に、安定化剤を含む上記1−2に記載の医薬組成物。
6−2.安定化剤が、モノチオグリセロールである上記5−2に記載の医薬組成物。
7−2.ジクロフェナクの投与量が約9.4mgである上記1−2に記載の医薬組成物。
8−2.ジクロフェナクの投与量が約5mg未満である上記1−2に記載の医薬組成物。
9−2.ジクロフェナクの投与量が約3.75mgである上記8−2に記載の医薬組成物。
【0026】
10−2.鎮痛を必要とする哺乳類を治療する方法であって、上記1−2に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
11−2.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記10−2に記載の方法。
12−2.鎮痛を必要とする哺乳類を治療する方法であって、上記8−2に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
13−2.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記12−2に記載の方法。
14−2.医薬組成物を静脈内投与する上記11−2に記載の方法。
15−2.医薬組成物を静脈内投与する上記13−2に記載の方法。
16−2.鎮痛を必要とする哺乳類を治療する方法であって、(a)鎮痛をもたらすのに有効な投薬量のジクロフェナク化合物;及び(b)β−シクロデキストリン化合物を含み、ジクロフェナク化合物の投薬量が、一日あたり約1.3mg/kg未満である医薬組成物を投与することを含む方法。
17−2.ジクロフェナクの投薬量が、一日あたり0.65mg/kg未満である上記16−2に記載の方法。
18−2.ジクロフェナクの投薬量が、一日あたり0.33mg/kg未満である上記17−2に記載の方法。
19−2.ジクロフェナクの投薬量が、一日あたり0.165mg/kg未満である上記18−2に記載の方法。
20−2.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記16−2に記載の方法。
21−2.鎮痛を必要とする哺乳類を治療する方法であって、(a)鎮痛をもたらすのに有効な投薬量のジクロフェナク化合物;及び(b)β−シクロデキストリン化合物を含み、ジクロフェナク化合物の投薬量が、投与ルートについての最小承認投与量未満である医薬組成物を投与することを含む方法。
22−2.ジクロフェナク化合物の投与量が、最小承認投与量と同一の鎮痛薬効をもたらすものである上記21−2に記載の方法。
23−2.ジクロフェナク化合物の投与量が、最小承認投与量の約70〜約100%の鎮痛薬効をもたらすものである上記21−2に記載の方法。
24−2.ジクロフェナク化合物の投与量が、最小承認投与量の約40〜約70%の鎮痛薬効をもたらすものである上記21−2に記載の方法。
25−2.ジクロフェナク化合物の投与量が、最小承認投与量と同一の鎮痛持続期間を有するものである上記21−2に記載の方法。
26−2.ジクロフェナク化合物の投与量が、最小承認投与量の約2/3〜1倍の鎮痛持続期間を有するものである上記21−2に記載の方法。
27−2.ジクロフェナク化合物の投与量が、最小承認投与量の約1/3〜約2/3倍の鎮痛持続期間を有するものである上記21−2に記載の方法。
【0027】
1−3.(a)鎮痛をもたらすのに有効な単位投与量のジクロフェナク化合物;及び(b)β−シクロデキストリン化合物を含み、ジクロフェナク化合物の投与量が10mg未満である医薬組成物。
2−3.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナク塩である上記1−3に記載の医薬組成物。
3−3.ジクロフェナク塩が、ジクロフェナクナトリウムである上記2−3に記載の医薬組成物。
4−3.シクロデキストリン化合物が、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである上記1−3に記載の医薬組成物。
5−3.更に、安定化剤を含む上記1−3に記載の医薬組成物。
6−3.安定化剤が、モノチオグリセロールである上記5−3に記載の医薬組成物。
7−3.ジクロフェナクの投与量が約9.4mgである上記1−3に記載の医薬組成物。
8−3.ジクロフェナクの投与量が約5mg未満である上記1−3に記載の医薬組成物。
9−3.ジクロフェナクの投与量が約3.75mgである上記8−3に記載の医薬組成物。
【0028】
10−3.鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための上記1−3に記載の医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用。
11−3.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記10−3に記載の使用。
12−3.鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための上記8−3に記載の医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用。
13−3.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記12−3に記載の使用。
14−3.医薬組成物を静脈内投与する上記11−3に記載の使用。
15−3.医薬組成物を静脈内投与する上記13−3に記載の使用。
【0029】
16−3.鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用であって、前記医薬組成物が、(a)鎮痛をもたらすのに有効な投薬量のジクロフェナク化合物;及び(b)β−シクロデキストリン化合物を含み、ジクロフェナク化合物の投薬量が、一日あたり約1.3mg/kg未満である使用。
17−3.ジクロフェナクの投薬量が、一日あたり0.65mg/kg未満である上記16−3に記載の使用。
18−3.ジクロフェナクの投薬量が、一日あたり0.33mg/kg未満である上記17−3に記載の使用。
19−3.ジクロフェナクの投薬量が、一日あたり0.165mg/kg未満である上記18−3に記載の使用。
20−3.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記16−3に記載の使用。
【0030】
21−3.鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用であって、前記医薬組成物が、(a)鎮痛をもたらすのに有効な投薬量のジクロフェナク化合物;及び(b)β−シクロデキストリン化合物を含み、ジクロフェナク化合物の投薬量が、投与ルートについての最小承認投与量未満である使用。
22−3.ジクロフェナク化合物の投与量が、最小承認投与量と同一の鎮痛薬効をもたらすものである上記21−3に記載の使用。
23−3.ジクロフェナク化合物の投与量が、最小承認投与量の約70〜約100%の鎮痛薬効をもたらすものである上記21−3に記載の使用。
24−3.ジクロフェナク化合物の投与量が、最小承認投与量の約40〜約70%の鎮痛薬効をもたらすものである上記21−3に記載の使用。
25−3.ジクロフェナク化合物の投与量が、最小承認投与量と同一の鎮痛持続期間を有するものである上記21−3に記載の使用。
26−3.ジクロフェナク化合物の投与量が、最小承認投与量の約2/3〜1倍の鎮痛持続期間を有するものである上記21−3に記載の使用。
27−3.ジクロフェナク化合物の投与量が、最小承認投与量の約1/3〜約2/3倍の鎮痛持続期間を有するものである上記21−3に記載の使用。
【0031】
1−4.(a)鎮痛をもたらすのに有効な単位投与量のジクロフェナク化合物;及び(b)β−シクロデキストリン化合物を含み、前記ジクロフェナク化合物の単位投与量が9.4mg以下である、痛みを治療するための医薬組成物。
2−4.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナク塩である上記1−4に記載の医薬組成物。
3−4.ジクロフェナク塩が、ジクロフェナクナトリウムである上記2−4に記載の医薬組成物。
4−4.シクロデキストリン化合物が、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである上記1−4に記載の医薬組成物。
5−4.更に、安定化剤を含む上記1−4に記載の医薬組成物。
6−4.安定化剤が、モノチオグリセロールである上記5−4に記載の医薬組成物。
7−4.ジクロフェナク化合物の単位投与量が9.4mgである上記1−4に記載の医薬組成物。
8−4.ジクロフェナク化合物の単位投与量が5mg(+/-20%)未満である上記1−4に記載の医薬組成物。
9−4.ジクロフェナク化合物の単位投与量が3.75mg(+/-20%)である上記8−4に記載の医薬組成物。
10−4.鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための上記1−4に記載の医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用。
11−4.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記10−4に記載の使用。
12−4.鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための上記8−4に記載の医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用。
13−4.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記12−4に記載の使用。
14−4.医薬組成物が静脈内投与されるものである上記11−4に記載の使用。
15−4.医薬組成物が静脈内投与されるものである上記13−4に記載の使用。
【0032】
16−4.痛みを治療するための医薬組成物であって、
(a)18.75mg〜37.5mgのジクロフェナク化合物;及び
(b)β−シクロデキストリン化合物
を含み、該医薬組成物は、75mgのジクロフェナク化合物がβ−シクロデキストリン化合物とともに哺乳類に非経口投与された場合にもたらされる、投与後6時間の100mm視覚アナログ尺度に基づく%最大全鎮痛の少なくとも82%をもたらすものである、前記医薬組成物。
17−4.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記16−4に記載の医薬組成物。
18−4.シクロデキストリン化合物が、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである上記16−4に記載の医薬組成物。
19−4.更に、安定化剤を含む上記16−4に記載の医薬組成物。
20−4.ジクロフェナク化合物の投与量が、18.75mgである、上記16−4に記載の医薬組成物。
21−4.鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための上記16−4に記載の医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用。
22−4.ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである上記21−4に記載の使用。
23−4.医薬組成物が静脈内投与されるものである上記21−4に記載の使用。
24−4.ジクロフェナク化合物の投与量が、18.75mgである、上記21−4に記載の使用。
25−4.ジクロフェナク化合物の投与量が、37.5mgである、上記21−4に記載の使用。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕痛みを治療するための注射可能医薬組成物であって、
(a)鎮痛をもたらすのに有効な単位投与量のジクロフェナク化合物;及び
(b)β−シクロデキストリン化合物
を含み、
前記ジクロフェナク化合物の単位投与量が9.4mg以下であって、
単位投与量が2ml溶液であって、
該医薬組成物は、75mgのジクロフェナク化合物がβ−シクロデキストリン化合物とともに哺乳類に非経口投与された場合にもたらされる、投与後6時間の100mm視覚アナログ尺度に基づく%最大全鎮痛の少なくとも38%をもたらすものである、前記医薬組成物。
〔2〕ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナク塩である前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔3〕ジクロフェナク塩が、ジクロフェナクナトリウムである前記〔2〕に記載の医薬組成物。
〔4〕シクロデキストリン化合物が、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔5〕更に、安定化剤を含む前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔6〕安定化剤が、モノチオグリセロールである前記〔5〕に記載の医薬組成物。
〔7〕ジクロフェナク化合物の単位投与量が9.4mgである前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔8〕ジクロフェナク化合物の単位投与量が6mg未満である前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔9〕ジクロフェナク化合物の単位投与量が3〜4.5mgである前記〔8〕に記載の医薬組成物。
〔10〕鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための前記〔1〕に記載の医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用。
〔11〕ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである前記〔10〕に記載の使用。
〔12〕鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための前記〔8〕に記載の医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用。
〔13〕ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである前記〔12〕に記載の使用。
〔14〕医薬組成物が静脈内投与されるものである前記〔11〕に記載の使用。
〔15〕医薬組成物が静脈内投与されるものである前記〔13〕に記載の使用。
〔16〕痛みを治療するための注射可能医薬組成物であって、
(a)18.75mg〜37.5mgのジクロフェナク化合物;及び
(b)β−シクロデキストリン化合物
を含み、
前記ジクロフェナク化合物が、2mlの単位投与量溶液として製剤化され、
該医薬組成物は、75mgのジクロフェナク化合物がβ−シクロデキストリン化合物とともに哺乳類に非経口投与された場合にもたらされる、投与後6時間の100mm視覚アナログ尺度に基づく%最大全鎮痛の少なくとも82%をもたらすものである、前記医薬組成物。
〔17〕ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである前記〔16〕に記載の医薬組成物。
〔18〕シクロデキストリン化合物が、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである前記〔16〕に記載の医薬組成物。
〔19〕更に、安定化剤を含む前記〔16〕に記載の医薬組成物。
〔20〕ジクロフェナク化合物の投与量が、18.75mgである、前記〔16〕に記載の医薬組成物。
〔21〕鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための前記〔16〕に記載の医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用。
〔22〕ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである前記〔21〕に記載の使用。
〔23〕医薬組成物が静脈内投与されるものである前記〔21〕に記載の使用。
〔24〕ジクロフェナク化合物の投与量が、18.75mgである、前記〔21〕に記載の使用。
〔25〕ジクロフェナク化合物の投与量が、37.5mgである、前記〔21〕に記載の使用。
〔1'〕痛みを治療するための注射用医薬組成物であって、
(a)鎮痛をもたらすのに有効な単位投与量のジクロフェナク化合物;及び
(b)β−シクロデキストリン化合物
を含み、
前記ジクロフェナク化合物の単位投与量が9.4mg以下であって、
単位投与量が2ml溶液であって、
該医薬組成物は、75mgのジクロフェナク化合物がβ−シクロデキストリン化合物とともに哺乳類に非経口投与された場合にもたらされる、投与後6時間の100mm視覚アナログ尺度に基づく%最大全鎮痛の少なくとも38%をもたらすものである、前記医薬組成物。
〔2'〕ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナク塩である前記〔1'〕に記載の医薬組成物。
〔3'〕ジクロフェナク塩が、ジクロフェナクナトリウムである前記〔2'〕に記載の医薬組成物。
〔4'〕シクロデキストリン化合物が、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである前記〔1'〕に記載の医薬組成物。
〔5'〕更に、安定化剤を含む前記〔1'〕に記載の医薬組成物。
〔6'〕安定化剤が、モノチオグリセロールである前記〔5'〕に記載の医薬組成物。
〔7'〕ジクロフェナク化合物の単位投与量が9.4mgである前記〔1'〕に記載の医薬組成物。
〔8'〕ジクロフェナク化合物の単位投与量が6mg未満である前記〔1'〕に記載の医薬組成物。
〔9'〕ジクロフェナク化合物の単位投与量が3〜4.5mgである前記〔8'〕に記載の医薬組成物。
〔10'〕鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための前記〔1'〕に記載の医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用。
〔11'〕ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである前記〔10'〕に記載の使用。
〔12'〕鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための前記〔8'〕に記載の医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用。
〔13'〕ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである前記〔12'〕に記載の使用。
〔14'〕医薬組成物が静脈内投与されるものである前記〔11'〕に記載の使用。
〔15'〕医薬組成物が静脈内投与されるものである前記〔13'〕に記載の使用。
〔16'〕痛みを治療するための注射用医薬組成物であって、
(a)18.75mg〜37.5mgのジクロフェナク化合物;及び
(b)β−シクロデキストリン化合物
を含み、
前記ジクロフェナク化合物の投薬量が、一日あたり1.3mg/kg未満であり、
該医薬組成物は、75mgのジクロフェナク化合物がβ−シクロデキストリン化合物とともに哺乳類に非経口投与された場合にもたらされる、投与後6時間の100mm視覚アナログ尺度に基づく%最大全鎮痛の少なくとも82%をもたらすものである、前記医薬組成物。
〔17'〕ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである前記〔16'〕に記載の医薬組成物。
〔18'〕シクロデキストリン化合物が、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである前記〔16'〕に記載の医薬組成物。
〔19'〕更に、安定化剤を含む前記〔16'〕に記載の医薬組成物。
〔20'〕ジクロフェナク化合物の投与量が、18.75mgである、前記〔16'〕に記載の医薬組成物。
〔21'〕鎮痛を必要とする哺乳類を治療するための前記〔16'〕に記載の医薬組成物の製造のためのジクロフェナク化合物及びβ−シクロデキストリン化合物の使用。
〔22'〕ジクロフェナク化合物が、ジクロフェナクナトリウムである前記〔21'〕に記載の使用。
〔23'〕医薬組成物が静脈内投与されるものである前記〔21'〕に記載の使用。
〔24'〕ジクロフェナク化合物の投与量が、18.75mgである、前記〔21'〕に記載の使用。
〔25'〕ジクロフェナク化合物の投与量が、37.5mgである、前記〔21'〕に記載の使用。
〔26'〕前記ジクロフェナク化合物が、2mlの単位投与量溶液として製剤化されている、前記〔16'〕に記載の医薬組成物。