特許第6266003号(P6266003)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6266003屠殺された家禽の枝肉部から鞍下肉を採取するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266003
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】屠殺された家禽の枝肉部から鞍下肉を採取するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A22C 21/00 20060101AFI20180115BHJP
【FI】
   A22C21/00 Z
【請求項の数】16
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-537655(P2015-537655)
(86)(22)【出願日】2013年10月9日
(65)【公表番号】特表2015-532117(P2015-532117A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(86)【国際出願番号】NL2013050713
(87)【国際公開番号】WO2014062053
(87)【国際公開日】20140424
【審査請求日】2016年10月11日
(31)【優先権主張番号】2009646
(32)【優先日】2012年10月17日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】509174255
【氏名又は名称】マレル・シュトルク・ポウルトリー・プロセシング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ヘンドリクス・ウェルナー・ペーテルス
(72)【発明者】
【氏名】ペトルス・クリスティアヌス・ヘンドリクス・ヤンセン
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー・ピエール・フーベルトゥス・マリア・クレーセンス
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0059334(US,A1)
【文献】 米国特許第06322438(US,B1)
【文献】 特開平04−228022(JP,A)
【文献】 特開平10−210925(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/112489(WO,A1)
【文献】 特開昭59−102348(JP,A)
【文献】 特開昭60−227626(JP,A)
【文献】 米国特許第05015213(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22C 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屠殺された家禽の後半部位(1)または後半部位(1)の一部である枝肉部から、鞍下肉部を採取するための方法であって、
前記枝肉部が、最初に2つの脚部(2)と鞍下(3)とを備え、前記脚部(2)は股関節を介して前記鞍下(3)に接合されており、前記枝肉部が、さらに、前記枝肉部の付根領域に配置された2つの鞍下肉部を備えており、
前記方法は:
− 前記鞍下肉部を前記鞍下(3)に接合させたまま、前記脚部(2)を前記鞍下肉部および前記鞍下(3)から分離するステップと、
− 一方の鞍下肉部が前記鞍下(3)の左側にあり、他方の鞍下肉部が前記鞍下(3)の右側にあるように、前記鞍下(3)を鞍下肉採取装置(100)に配置するステップと、− 前記鞍下肉部が、組織接合によって前記鞍下肉部の一方の側において前記鞍下(3)に接合されたまま、前記鞍下肉部を前記枝肉部から延びるようにするステップと、
鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を左カッター(140)と一直線に位置決めし、かつ右鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を右カッターと一直線に位置決めするステップと、
− 前記鞍下肉部と共に前記鞍下(3)を前記左カッター(140)および前記右カッターに向けて移動し、かつ、この移動の間に、前記鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合が張るように、抵抗力を前記鞍下肉部に与えるステップと、
− 前記左鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を前記左カッター(140)で切断し、前記右鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を前記右カッターで切断し、それに伴って前記鞍下肉部を前記鞍下(3)から分離するステップであって、
前記切断が、前記鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合が張っている間に開始される、ステップと、
− 前記分離された鞍下肉部を回収するステップと
を含む方法。
【請求項2】
屠殺された家禽の後半部位(1)または後半部位(1)の一部である枝肉部から、脚部を、前記脚部に付いた鞍下肉部と共に採取するための方法であって、
前記枝肉部が、最初に2つの脚部と鞍下(3)とを備え、前記脚部(2)は股関節を介して前記鞍下(3)に接合されており、前記枝肉部が、さらに、前記枝肉部の付根領域に配置された2つの鞍下肉部を備えており、
前記方法は:
− 一方の鞍下肉部が前記鞍下(3)の左側にありかつ他方の鞍下肉部が前記鞍下(3)の右側にあるように、前記枝肉部を鞍下肉採取装置(100)に配置するステップと、
− 前記鞍下肉部が、組織接合によって前記鞍下肉部の一方の側において前記鞍下(3)に接合されたまま、前記鞍下肉部を前記枝肉部から延びるようにするステップと、
鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を左カッター(140)と一直線に位置決めし、かつ右鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を右カッターと一直線に位置決めするステップと、
− 前記鞍下肉部と共に前記枝肉部を前記左カッター(140)および前記右カッターに向けて移動し、かつ、この移動の間に、前記鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合が張るように、抵抗力を前記鞍下肉部に与えるステップと、
− 前記左鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を前記左カッター(140)で切断し、かつ前記右鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を前記右カッターで切断し、それに伴って前記鞍下肉部を前記鞍下(3)から分離するが、前記左鞍下肉部を左脚部(2)に付着させたままにし、かつ、前記右鞍下肉部を右脚部(2)に付着させたままにするステップであって、
前記切断が、前記鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合が張っている間に開始される、ステップと、
− 前記左鞍下肉部を前記左脚部(2)に付着させたままにし、かつ、前記右鞍下肉部を前記右脚部(2)に付着させたままにしつつ、前記脚部(2)を前記鞍下(3)から分離するステップと、
− 前記鞍下肉部が付着された前記分離された脚部(2)を回収するステップと
を含む方法。
【請求項3】
前記鞍下肉部は、伸長案内部(110)によって、前記枝肉部から延びるようにされ、かつ、
前記左鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合が、左位置決め案内部(121)によって位置決めされ、前記右鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合が、右位置決め案内部によって位置決めされ、
前記鞍下肉部への前記抵抗力が、前記位置決め案内部(121)のうちの一方と前記伸長案内部(110)との間のスロット(135)を通して前記鞍下肉部を移動することによって得られ、前記スロット(135)が、前記位置決め案内部(121)によって係合される領域での前記鞍下肉部の予想される厚さよりも細い、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記鞍下肉部は、伸長案内部(110)によって、前記枝肉部から延びるようにされ、かつ、
前記鞍下肉部が、前記鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合の切断の間に、支持案内部(122)によって支持される、
前記鞍下肉部への前記抵抗力が、前記伸長案内部(110)と前記支持案内部(122)との間のスロット(135)を通して前記鞍下肉部を移動することによって得られ、前記スロット(135)が、前記支持案内部(122)によって係合される領域での前記鞍下肉部の予想される厚さよりも細い、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記鞍下肉部への前記抵抗力が弾性要素(171)によって得られる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
− 複数の運搬器具(10)を備える主コンベアの経路に沿って前記枝肉部を運ぶステップであって、前記脚部(2)の自由端が上方を向く状態で前記枝肉部が前記運搬器具(10)から吊り下げられるように、前記運搬器具(10)が前記脚部(2)の自由端でまたは該自由端の近傍で前記枝肉部と係合する、ステップと、
− 組織接合が各々の脚部(2)と前記鞍下(3)との間で残るように、股関節を脱臼するステップと、
− 前記脚部(2)を前記主コンベアの前記運搬器具(10)から取り外すことによって、前記脚部(2)の自由端を下方に向けさせるステップと、
− 前記脚部(2)を前記主コンベアの前記運搬器具(10)から取り外した後に、前記鞍下(3)を支持するステップと、
− 各々が脚部(2)と係合するための脚把持スロットを含む脚把持部(41)を備えた脚部分離部(40)を用いて、各々の脚部(2)を把持するステップと、
− 前記鞍下(3)に対する引っ張り移動を前記脚部(2)に付与することによって、前記脚部(2)が前記鞍下(3)から分離されるように、各々の脚部(2)と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を引き外すことで、前記脚部(2)を前記鞍下(3)から分離するステップと、
をさらに含み、
前記脚部(2)が前記鞍下(3)から分離されるような前記鞍下(3)からの前記脚部(2)の引っ張りは、下方への引っ張りである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
処理される前記枝肉部が後半部位(1)であり、
前記方法が:
− 前記後半部位(1)が運搬器具(10)から吊り下げられるように、頭上コンベアの運搬器具(10)に前記後半部位(1)を配置するステップであって、前記運搬器具(10)が、前記脚部(2)が上方を向くように前記脚部(2)の傍で前記枝肉部と係合する、ステップと、
− 前記後半部位(1)を、前記頭上コンベアによって、脚部採取機(200)に運ぶステップと、
− 前記脚部採取機(200)において、前記後半部位(1)を、前記頭上コンベアの前記運搬器具(10)から取り外し、前記後半部位(1)を、鞍下コンベア(15,30,50)によって、前記脚部採取機(200)をさらに通過するよう運ぶステップと、
− 前記脚部採取機(200)において、前記鞍下肉部が前記鞍下(3)に接合されたままとなるように、各々の脚部(2)と前記鞍下(3)との間における前記後半部位(1)の付根領域で切開を行うステップと、
− 前記脚部採取機(200)において、股関節を脱臼するステップと、
− 前記脚部採取機(200)において、後部カッター(35)を用いて、前記枝肉部の後部領域で各々の脚部(2)と前記鞍下(3)との間で切開を行うステップであって、その後部切開は、行った後に、組織接合が前記各々の脚部(2)と前記鞍下肉部との間で残るように行われる、ステップと、
− 前記脚部採取機(200)において、前記鞍下肉部が前記鞍下(3)の左側および/または右側に接合されたままとなるように前記脚部(2)が前記鞍下(3)から分離されるように、前記鞍下(3)から前記脚部(2)を引っ張り離し、前記鞍下(3)を、前記鞍下コンベア(15,30,50)によって、鞍下肉採取機(10)に運ぶステップと、
をさらに含み、
前記脚部(2)が前記鞍下(3)から分離されるような前記鞍下(3)からの前記脚部(2)の引っ張りは、下方への引っ張りである、請求項に記載の方法。
【請求項8】
屠殺された家禽の後半部位(1)または後半部位(1)の一部である枝肉部から、鞍下肉部を採取するためのシステムであって、
前記枝肉部が、最初に2つの脚部と鞍下(3)とを備え、前記脚部(2)は股関節を介して前記鞍下(3)に接合されており、前記枝肉部が、さらに、前記枝肉部の付根領域に配置された2つの鞍下肉部を備えており、
前記システムが:
− 前記鞍下肉部を前記鞍下(3)に接合させたまま、前記脚部(2)を前記鞍下肉部および前記鞍下(3)から分離するための脚部採取機(200)と、
− 前記鞍下(3)の左側にある一方の鞍下肉部と前記鞍下(3)の右側にある他方の鞍下肉部とを伴う前記枝肉部を受け入れるように構成された、前記鞍下肉部を採取するための鞍下肉採取装置(100)と、
を備えており、
前記鞍下肉採取装置(100)は、前記脚部採取機(200)の下流に配置されており、
前記鞍下肉採取装置(100)は:
− 前記鞍下肉部が、組織接合によって前記鞍下肉部の一方の側において前記鞍下(3)に接合されたまま、前記鞍下肉部を前記枝肉部から延びるようにするための伸長装置(100)と、
鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を切断するための左カッター(140)、および、右鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を切断するための右カッターと、
− 前記左鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を前記左カッター(140)と一直線に位置決めするための左位置決め案内部(121)、および、前記右鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を前記右カッターと一直線に位置決めするための右位置決め案内部と、
− 前記鞍下肉部と共に前記枝肉部を前記左カッター(140)および前記右カッターに向けて移動するための枝肉部コンベア(150)と、
− 前記鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合が張るように、前記枝肉部コンベア(150)によって前記鞍下肉部と共に前記枝肉部を運ぶ間に、抵抗力を前記鞍下肉部に与えるための抵抗要素(170)であって、
前記鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合が張っている間に、前記鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合の切断が開始されるように、前記左カッター(140)および前記右カッターに対して位置決めされる、抵抗要素(170)と、
− 前記分離された鞍下肉部を回収するための鞍下肉部受入部と、
を備えるシステム。
【請求項9】
屠殺された家禽の後半部位(1)または後半部位(1)の一部である枝肉部から、脚部を、前記脚部に付いた鞍下肉部と共に採取するためのシステムであって、
前記枝肉部が、最初に2つの脚部と鞍下(3)とを備え、前記脚部(2)は股関節を介して前記鞍下(3)に接合されており、前記枝肉部が、さらに、前記枝肉部の付根領域に配置された2つの鞍下肉部を備えており、
前記システムが:
− 前記鞍下(3)の左側にある一方の鞍下肉部と前記鞍下(3)の右側にある他方の鞍下肉部とを伴う前記枝肉部を受け入れるように構成された、前記鞍下肉部を採取するための鞍下肉採取装置(100)であって、該鞍下肉採取装置(100)が:
− 前記鞍下肉部が、組織接合によって前記鞍下肉部の一方の側において前記鞍下(3)に接合されたまま、前記鞍下肉部を前記枝肉部から延びるようにするための伸長装置(110)と、
鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を左カッター(140)と一直線に位置決めするための左位置決め案内部(121)、および、右鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を右カッターと一直線に位置決めするための右位置決め案内部と、
− 前記鞍下肉部と共に前記枝肉部を前記左カッター(140)および前記右カッターに向けて移動するための枝肉部コンベア(150)と、
− 前記鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合が張るように、前記枝肉部コンベア(150)によって前記鞍下肉部と共に前記枝肉部を運ぶ間に、抵抗力を前記鞍下肉部に与えるための抵抗要素(170)であって、
前記鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合が張っている間に、前記鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合の切断が開始されるように、前記左カッター(140)および前記右カッターに対して位置決めされる抵抗要素(170)と、
を備える鞍下肉採取装置(100)と、
− 前記左鞍下肉部を左脚部(2)に付着させたままにし、かつ、前記右鞍下肉部を右脚部(2)に付着させたままにしつつ、前記脚部(2)を前記鞍下(3)から分離するための、前記鞍下肉採取装置(100)の下流に配置された脚部採取機(200)と、
− 前記脚部(2)に前記鞍下肉部が付着された状態で前記分離された脚部(2)を回収するための脚部受入部と、
を備えるシステム。
【請求項10】
前記伸長装置は、伸長案内部(110)または伸長案内部あるいはブラシの形態の伸長要素を備える、請求項8または請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムが、前記鞍下肉部と前記鞍下(3)との間の前記組織接合の切断の間に、前記鞍下肉部を支持するための支持案内部(122)をさらに備える、請求項8から請求項10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記伸長装置は、伸長案内部(110)を備えており、
前記抵抗要素(170)が、前記位置決め案内部(121)の一方と前記伸長案内部(110)との間のスロット(135)であり、前記スロット(135)が、前記位置決め案内部(121)によって係合される領域での前記鞍下肉部の予想される厚さよりも細い、請求項8から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記伸長装置は、伸長案内部(110)を備えており、
前記抵抗要素(170)が、前記伸長案内部(110)と前記支持案内部(122)との間のスロット(135)であり、前記スロット(135)が、前記支持案内部(122)によって係合される領域での前記鞍下肉部の予想される厚さよりも細い、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記抵抗要素(170)が、弾性要素である、請求項8から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
− 複数の運搬器具(10)を備える主コンベアであって、各運搬器具(10)が、前記脚部の自由端が上方を向く状態で前記枝肉部が前記運搬器具(10)から吊り下げられるように、前記脚部(2)の自由端でまたは近傍で前記枝肉部と係合するように構成されており、前記主コンベアには、前記運搬器具(10)を経路に沿って移動するための駆動部が設けられる、主コンベアと、
− 前記脚部採取機(200)において、脱臼の後に組織接合が各々の脚部(2)と前記鞍下(3)との間で残るように股関節を脱臼するように構成され、かつ前記脚部(2)の自由端が下方を向くように前記脚部(2)を前記主コンベアの前記運搬器具(10)から取り外すように構成された股関節脱臼組立体と、
− 前記脚部採取機(200)において、前記枝肉部が前記主コンベアの前記運搬器具(10)から取り外された後、前記枝肉部の前記鞍下(3)を支持するよう構成された鞍下支持案内部(32)と、
− 前記脚部採取機(200)において、2つの脚把持部(41)を備える脚部分離部(40)であって、各々の脚把持部(41)が、脚部(2)と係合するように構成された脚把持スロットを含み、前記脚把持部(41)が、前記鞍下(3)に対する前記脚部(2)の引っ張り移動を誘発するように構成されることによって、前記脚部(2)が前記鞍下(3)から分離されるように、各々の脚部(2)と前記鞍下(3)との間の前記組織接合を引き外す、脚部分離部(40)と、
をさらに備え、
前記脚部分離部(40)が、前記鞍下支持案内部(32)が前記脚部(2)の把持および引っ張りの間に前記鞍下(3)を支持するように、前記鞍下支持案内部(32)に対して配置されており、
前記脚部分離部(40)は、前記脚部(2)を前記鞍下(3)から分離するための前記脚部(2)の引っ張りが下方への引っ張りとなるように構成される、請求項8から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
処理される前記枝肉部が後半部位(1)であり、
前記システムが:
− 複数の運搬器具(10)を備える頭上コンベアであって、各運搬器具(10)が、前記後半部位(1)が前記運搬器具(10)から吊り下げられるように前記後半部位(1)の前記脚部(2)と係合するように構成され、前記運搬器具(10)が走路に沿って移動可能である、頭上コンベアをさらに備えており、
前記脚部採取機(200)が:
− 前記後半部位(1)が前記頭上コンベアの前記運搬器具(10)によってもはや運搬されないように、前記後半部位(1)の前記脚部(2)を前記頭上コンベアの前記運搬器具(10)から取り外すように構成された取り外し案内部と、
− 前記後半部位(1)の前記鞍下(3)と係合し、かつ前記鞍下(3)を、少なくとも前記脚部採取機(200)を通して、運ぶように構成された鞍下コンベア(15,30,50)と、
− 前記鞍下肉部が前記鞍下(3)に接合されたままとなるように、各々の脚部(2)と前記鞍下(3)との間における前記後半部位(1)の付根領域で切開を行うように構成された付根カッター(16)と、
− 前記股関節を脱臼するように構成された股関節脱臼案内部と、
− 前記枝肉部の後部領域で各々の脚部(2)と前記鞍下(3)との間で切開を行うように構成された後部カッター(35)であって、その後部切開は、行った後に、組織接合が前記各々の脚部(2)と前記鞍下肉部との間で残るように行われる、後部カッター(35)と、
− 前記鞍下肉部が前記鞍下(3)の左側および/または右側に接合されたままとなるように前記脚部(2)が前記鞍下(3)から分離されるように、前記鞍下(3)から前記脚部(2)を引っ張り離すように構成された脚部分離部(40)と、
を備え、
前記脚部分離部(40)は、前記脚部(2)を前記鞍下(3)から分離するための前記脚部(2)の引っ張りが下方への引っ張りとなるように構成される、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屠殺された家禽の枝肉部から鞍下肉を採取するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脚部が、屠殺された家禽の枝肉部から、例えば屠殺された家禽の後半部位から採取されるとき、枝肉部のいわゆる鞍下が残る。鞍下は、一般的に言えば、股関節同士の間の部分であり、任意で下背の小片が付随する。鞍下には、いくらかの肉が付着しているが、採取するのが難しく、特に自動化された手法で採取するのは難しい。
【0003】
脚部に付着したできるだけ多くの皮部と、しばしばぼろぼろになったできるだけ小さな肉部と共に、脚部を採取することが望まれていたときがあった。皮部および小さい肉部が脚部の重量に加わるため、脚部は比較的高い価格で販売できる。これらの種類の方法では、脚部を採取した後に脚部に付着されたまま残った肉および/または皮のぼろぼろの部分は、脚部ごとに不確定で異なっている。
【0004】
しかしながら、顧客の要望は、現在、見た目が良く、きちんと切り取られ、脚部に骨破片の危険性のない脚部を求めるように変化している。これが、脚部と鞍下との解剖学的な分離を行う脚部採取機械の開発をもたらしている。解剖学的な分離を行うとき、身体構造物を切断することによってではなく、身体構造物自体ができるだけ無傷に保たれるように、身体構造物同士は互いから分離される。解剖学的な分離には、股関節を脱臼することも含まれる。
【0005】
例えば、特許文献1には、このような、脚部を、例えば後半部位から始まって、鞍下から解剖学的に分離するための方法およびシステムが記載されている。特許文献1の装置および方法では、後半部位などの枝肉部が、運搬器具が設けられた頭上コンベアによって装置に持っていかれる。各々の後半部位は運搬器具から吊り下げられ、運搬器具は、脚部の自由端の近傍で後半部位と係合する。
【0006】
後半部位が特許文献1の装置に入るとき、脚の付根の切断が、各々の脚部と鞍下との間の付根領域で行われる。そして、股関節脱臼案内部が、脚同士を互いから離すように押す。そのため、脚部が頭上コンベアの運搬器具から取り外されることになる。股関節脱臼案内部は、股関節が取り外されることになり、脚部がその自然位置である上方を向く代わりに、鞍下からぶら下がることになるような程度まで、脚同士を離すように押し続ける。
【0007】
コンベアが特許文献1の装置に設けられており、そのコンベアは、後半部位が頭上コンベアの運搬器具によってもはや運搬されなくなると、後半部位の搬送を提供する。このコンベアは鞍下と係合する。
【0008】
股関節の脱臼の後、後部カッターを用いて、枝肉部の後部領域で各々の脚部と鞍下との間で切開が行われ、その後部切開は、行った後に、組織接合が各々の脚部と鞍下部との間で残るように行われる。そのため、脚部は鞍下にまだ接合されている。
【0009】
そして、後半部位は、鞍下と係合するスパイク付きチェーンによって、装置内でさらに運ばれる。後半部位は、この移動の間に、支持案内部によって支持される。
【0010】
そして、各脚部は、脚把持部によって把持される。脚把持部は、脚部を係合するための脚把持スロットを有し、鞍下が続く経路と平行に水平に延びる走路に沿って移動可能である。複数の脚把持部が無端チェーンに搭載されており、無端チェーンの上部フライトは、鞍下用の支持案内部と平行に延びる。
【0011】
脚把持部は、鞍下が運ばれる速度より速い速度で移動する。そのため、脚把持部が脚部と係合するとき、脚が鞍下より速く移動される。これによって、脚部を鞍下から分離する引っ張り動作を作り出す。
【0012】
特許文献1のシステムおよび方法では、オイスター部が脚部と共に採取され、これは、オイスター部が脚部に付着されたままであることを意味している。オイスター部は、脚が背骨の近傍で背肉に付着される領域の黒ずんだ肉の部分である。オイスター部を脚部と共に採取することは、有利であると一般的に考えられている。
【0013】
脚部の他方の側において、付根領域には、採取する価値があると考えられる他の部分の肉が存在する。これらの部分の肉(後半部位あたり2つ)は、「鞍下肉部」と呼ばれる。これらの鞍下肉部は、斜位の腹筋(外腹斜筋、内腹斜筋)、または、その一部、および/または、その直に近接している筋肉組織を含む。
【0014】
脚部を採取するための現在の装置および方法(例えば、特許文献1に記載されるようなもの)では、鞍下肉部は鞍下に付着されたままである。鞍下肉部は、しばしば鞍下と共に廃棄されるか、または、鞍下から手作業で採取される場合もある。鞍下肉部の手作業の採取は、労働集約的であり、あまり効率的ではない。
【0015】
しかしながら、鞍下肉部は、それ自体では、むしろ優れた組織の有用な肉部であるため、鞍下肉部を採取する価値はある。具体的にはアジアにおいて、解剖学的に採取された脚部と分離してかまたは接合されてのいずれかで、これらの鞍下肉部に対する要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0459580号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明による装置および方法の目的は、鞍下肉部が分離して採取され得るか、または、鞍下肉部が脚部と共に採取され、この採取が定義された目的にかなう自動化された手法で行われる方法を提供することである。鞍下肉部が脚部と共に採取される場合、鞍下肉部は、採取された脚部に付着されたままである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的は、請求項1または2の方法と、請求項9または10のシステムとで達成される。
【0019】
本発明は、2つの変形形態を包含している。第1の変形形態では、鞍下肉部同士が別々の肉部として採取される。第2の変形形態では、鞍下肉部は、鞍下肉部が採取される脚部に付着された状態で、脚部と共に採取される。本発明の両変形形態は、鞍下肉部が定義された目的にかなう自動化された手法で採取され得る方法を提供する。
【0020】
両変形形態による方法では、枝肉部が、最初に2つの脚部と鞍下とを備え、脚部は股関節を介して鞍下に接合されており、枝肉部が、さらに、枝肉部の付根領域に配置された2つの鞍下肉部を備える。
【0021】
鞍下肉部が別々の肉部として採取される本発明による方法は、以下のステップを含む。
− 鞍下肉部を鞍下に接合させたまま、脚部を鞍下肉部および鞍下から分離するステップ。
− 一方の鞍下肉部が鞍下の左側にあり、他方の鞍下肉部が鞍下の右側にあるように、鞍下を鞍下肉採取装置で配置するステップ。
− 鞍下肉部が、組織接合によって鞍下肉部の一方の側において鞍下に接合されたまま、鞍下肉部を枝肉部から延びるようにするステップ。
− 左鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を左カッターと一直線に位置決めし、右鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を右カッターと一直線に位置決めするステップ。
− 鞍下肉部と共に鞍下を左カッターおよび右カッターに向かって移動し、この移動の間に、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合が張るように、抵抗力を鞍下肉部に与えるステップ。
− 左鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を左カッターで切断し、右鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を右カッターで切断し、それに伴って鞍下肉部を鞍下から分離するステップ。
前記切断は、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合が張っている間に開始される。
− 分離された鞍下肉部を回収するステップ。
【0022】
鞍下肉部が別々の肉部として採取される本発明によるシステムは、以下の要素を備える。
− 鞍下肉部を鞍下に接合させたまま、脚部を鞍下肉部および鞍下から分離するための脚部採取機。
− 鞍下の左側にある一方の鞍下肉部と鞍下の右側にある他方の鞍下肉部とを伴う枝肉部を受け入れるように適合された、鞍下肉部を採取するための鞍下肉採取装置。
鞍下肉採取装置は脚部採取機の下流に配置される。
鞍下肉採取装置は、以下の要素を備える。
− 前記鞍下肉部が、組織接合によって鞍下肉部の一方の側において鞍下に接合されたまま、鞍下肉部を枝肉部から延びるようにするための伸長装置。
− 左鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を切断するための左カッター、および、右鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を切断するための右カッター。
− 左鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を左カッターと一直線に位置決めするための左位置決め案内部、および、右鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を右カッターと一直線に位置決めするための右位置決め案内部。
− 鞍下肉部と共に枝肉部を左カッターおよび右カッターに向かって移動するための枝肉部コンベア。
− 鞍下肉部と鞍下との間の組織接合が張るように、枝肉部コンベアによって鞍下肉部と共に枝肉部を運ぶ間に、抵抗力を鞍下肉部に与えるための抵抗要素。
前記抵抗要素は、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合が張っている間に、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合の切断が開始されるように、左カッターおよび右カッターに対して位置決めされる。
− 分離された鞍下肉部を回収するための鞍下肉部受入部。
【0023】
鞍下肉部が脚部と共に採取される本発明による方法は、以下のステップを含む。
− 一方の鞍下肉部が鞍下の左側にあり、他方の鞍下肉部が鞍下の右側にあるように、枝肉部を鞍下肉採取装置で配置するステップ。
− 鞍下肉部が、組織接合によって鞍下肉部の一方の側において鞍下に接合されたまま、鞍下肉部を枝肉部から延びるようにするステップ。
− 左鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を左カッターと一直線に位置決めし、右鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を右カッターと一直線に位置決めするステップ。
− 鞍下肉部と共に枝肉部を左カッターおよび右カッターに向かって移動し、この移動の間に、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合が張るように、抵抗力を鞍下肉部に与えるステップ。
− 左鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を左カッターで切断し、右鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を右カッターで切断し、それに伴って鞍下肉部を鞍下から分離するが、左鞍肉部を左脚部に付着させたままにし、かつ、右鞍肉部を右脚部に付着させたままにするステップ。
前記切断は、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合が張っている間に開始される。
− 左鞍肉部を左脚部に付着させたままにし、かつ、右鞍肉部を右脚部に付着させたままにしつつ、脚部を鞍下から分離するステップ。
− 鞍下肉部が付着された分離された脚部を回収するステップ。
【0024】
鞍下肉部が脚部と共に採取される本発明によるシステムは、以下の要素を備える。
− 鞍下の左側にある一方の鞍下肉部と鞍下の右側にある他方の鞍下肉部とを伴う枝肉部を受け入れるように適合された、鞍下肉部を採取するための鞍下肉採取装置。
鞍下肉採取装置は、以下の要素を備える。
− 前記鞍下が、組織接合によって鞍下肉部の一方の側において鞍下に接合されたまま、鞍下肉部を枝肉部から延びるようにするための伸長装置。
− 左鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を左カッターと一直線に位置決めするための左位置決め案内部、および、右鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を右カッターと一直線に位置決めするための右位置決め案内部。
− 鞍下肉部と共に枝肉部を左カッターおよび右カッターに向かって移動するための枝肉部コンベア。
− 鞍下肉部と鞍下との間の組織接合が張るように、枝肉部コンベアによって鞍下肉部と共に枝肉部を運ぶ間に、抵抗力を鞍下肉部に与えるための抵抗要素。
前記抵抗要素は、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合が張っている間に、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合の切断が開始されるように、左カッターおよび右カッターに対して位置決めされる。
− 左鞍肉部を左脚部に付着させたままにし、かつ、右鞍肉部を右脚部に付着させたままにしつつ、脚部を鞍下から分離するための、鞍下肉採取装置の下流に配置された脚部採取機。
− 鞍下肉部が付着された分離された脚部を回収するための脚部受入部。
【0025】
本発明による方法およびシステムで処理される枝肉部は、後半部位または後半部位の一部である。後半部位は、鞍下と2つの脚部とを備える。脚部は、股関節を介して鞍下に接合されている。本発明による方法およびシステムで処理される枝肉部は、最初に2つの脚部と鞍下とを備え、脚部は股関節を介して鞍下に接合されている。枝肉部は、さらに、枝肉部の右側に1つと、枝肉部の左側に1つとで、2つの鞍下肉部を備える。各々の鞍下肉部は、組織接合によって、一方の側で鞍下に最初に接合されている。
【0026】
枝肉部は、一方の鞍下肉部が鞍下の左側にあり、他方の鞍下肉部が鞍下の右側にあるように、本発明による鞍下肉採取装置で配置される。枝肉部は、枝肉部コンベアによって、鞍下肉採取装置を通って運ばれる。
【0027】
最初に鞍下肉部が鞍下の表面または脚部の表面に付いていることが、しばしばある。このような状況では、鞍下肉部は自動化された手法では採取できない。そのため、鞍下肉部を採取する際の第1のステップは、鞍下肉部を鞍下の残部から延びるようにすることである。これは、例えば、鞍下肉部を枝肉部から離すように折ることによって、または、鞍下肉部を真っ直ぐにすること、もしくは、引き伸ばすことによって行われ得る。鞍下肉部を枝肉部から伸ばさせた直ぐ後、鞍下肉部は、組織接合によって鞍下になおも付着されている。
【0028】
鞍下肉部を枝肉部から伸ばさせることは、多くの方法で実用的に実現できる。本発明によるシステムは、鞍下肉部を枝肉部の残部から延びるようにするために、伸長装置を備える。これは、鞍下肉部に、枝肉部に対する小さな移動を与え、鞍下肉部の表面と、鞍下肉部が付いている枝肉部の表面との間に小さな隔たりを単に作り出すことによって、行われ得る。代替で、鞍下肉部に、枝肉部の残部に対するより大きな移動が与えられ、鞍下肉部の表面と、鞍下肉部が付いている枝肉部の表面との間により大きな隔たりを作り出すか、または、鞍下肉部を鞍下と垂直に延びるようにさせてもよい。
【0029】
しばしば、伸長装置は、伸長要素、例えば、左鞍下肉部を枝肉部の残部から延びるようにするための左伸長要素、および、右鞍下肉部を枝肉部の残部から延びるようにするための右伸長要素を備えるものである。
【0030】
伸長装置は、例えば、左伸長案内部の形態で左伸長要素を備え、右伸長案内部の形態で右伸長要素を備え得る。伸長案内部が、鞍下肉部と、鞍下肉部が付いている枝肉部の表面との間に位置決めされることになるように、枝肉部は左伸長案内部および右伸長案内部に対して移動される。それに伴って、枝肉部が左伸長案内部および右伸長案内部を通過するとき、これらの案内部は、枝肉部から離すように、鞍下肉部を移動する、例えば折る。
【0031】
代替または追加で、伸長装置は、好ましくは螺旋形状が設けられた、2つのローラの形態で伸長要素を備えてもよい。一方のローラは、左鞍下肉部と係合するように位置決めされることになり、他方のローラは、右鞍下肉部と係合するように位置決めされることになる。ローラは、鞍下肉部を枝肉部の残部から延びるようにする、例えば折り畳むために、自身の長手方向軸線周りに回転可能である。
【0032】
代替または追加で、伸長装置は、例えば、鞍下肉部に係合し、鞍下肉部を枝肉部の残部から延びるようにするために、1つまたは複数のブラシ、例えば回転ブラシの形態で伸長要素を備えてもよい。
【0033】
異なる手法では、伸長装置は、鞍下肉部が枝肉部の残部から下方にぶら下がることになるように、枝肉部を位置決めする装置である。この実施形態では、重力が、鞍下肉部を枝肉部の残部から延びるようにする。一般的に、これは、鞍下をひっくり返すことを含むことになる。
【0034】
そのため、例えば、鞍下肉部は、伸長案内部によって、もしくは、伸長ローラによって、もしくは、ブラシによって、もしくは、重力の影響によって、枝肉部から延びるようにされ得る。
【0035】
任意選択で、伸長要素は、水平案内板および/もしくはローラ、例えば表面に螺旋形状があるローラ、またはブラシである。
【0036】
本発明によるシステムは、左カッターと右カッターとをさらに備える。左カッターは、左鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を切断するように適合されている。右カッターは、右鞍下肉部と鞍下との間の組織接合を切断するように適合されている。この切断によって、鞍下肉部は鞍下から分離されることになる。
【0037】
カッターは、例えば、円板形の回転するナイフ、または、静止した刃であり得る。
【0038】
鞍下肉部は、枝肉部の残部から分離され得る前に、カッターに対して位置決めされる必要がある。鞍下肉部は、鞍下および/または脚部にもはや付いていないのであれば、切断のための適切な位置に持って行くことができる。具体的には、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合は、鞍下肉部を鞍下から分離することになるカッターに対して位置決めされる必要がある。この位置決めは、左位置決め案内部と右位置決め案内部とによって行われる。左位置決め案内部は、左鞍下肉部と鞍下との間の組織接合に位置決めする。右位置決め案内部は、右鞍下肉部と鞍下との間の組織接合に位置決めする。
【0039】
本発明によるシステムは、鞍下肉部と共に枝肉部をカッターに移動するように適合される枝肉部コンベアを備える。鞍下肉部が採取される前に脚部が枝肉部から除去されているとき、このコンベアは、鞍下肉部と共に枝肉部をカッターに移動する。任意選択で、この枝肉部コンベアはまた、位置決め案内部に沿って枝肉部(または、脚部がすでに除去されている場合は鞍下)を移動する。
【0040】
任意選択で、位置決め案内部は鉛直案内板である。
【0041】
任意選択で、位置決め案内部は、その上流側において傾斜部を有する。この傾斜部は、任意選択で、伸長装置の伸長要素の下に少なくとも一部延びている。
【0042】
鞍下コンベアが、鞍下を伸長装置の伸長要素を超えて移動するとき、位置決め案内部の傾斜部は、鞍下肉部を鞍下の残部に接合する組織接合の下に来る。これは、当然ながら、左側と右側との両方で行われる。
【0043】
任意選択で、システムは、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合の切断の間に、鞍下肉部を支持するための支持案内部をさらに備える。この支持案内部は、好ましくは、左支持案内部品と右支持案内部品とを備え、左支持案内部品は、切断の間に、左鞍下肉部を支持するように適合され、右支持案内部品は、切断の間に、右鞍下肉部を支持するように適合される。そのため、鞍下肉部は、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合の切断の間に、支持案内部によって支持される。
【0044】
任意選択で、支持案内部の部品は、位置決め案内部の下流にある真っ直ぐな部品である。真っ直ぐな部品は、鞍下肉部を鞍下の残部に下から接続する組織接合に隣接する鞍下肉部と係合する。鞍下肉部は、支持案内部を超えて外側に延び、鞍下の残部は左支持案内部品と右支持案内部品との間で運ばれる。
【0045】
任意選択で、左位置決め案内部は左支持案内部品に接続され、右位置決め案内部が右支持案内部品に接続される。
【0046】
任意選択で、左位置決め案内部と左支持案内部品とは、単一の左案内板に一体化される。任意選択で、右位置決め案内部と右支持案内部品とは、単一の右案内板に一体化される。
【0047】
任意選択で、左カッターは左支持案内部品の上部の下に延び、および/または、右カッターは右支持案内部品の上部の下に延びる。このような実施形態では、左支持案内部品および右支持案内部品に、カッターの近傍における組織の屑の堆積を防止する開口が設けられる場合、有利である。
【0048】
任意選択で、支持案内部は鉛直案内板である。
【0049】
本発明によるシステムは、鞍下コンベアによって鞍下を運ぶ間に、抵抗力を鞍下肉部に与えるための抵抗要素をさらに備える。抵抗力は、枝肉部が運ばれる方向と逆に向けられ、そのため、鞍下肉部は、鞍下肉部を鞍下部の後ろに引っ張らせようとする力を受ける。抵抗要素は、前記切断は、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合が張る状態を作り出す。抵抗要素は、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合が抵抗要素により張って保持されている間に、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合の切断が開始されるように、左カッターおよび右カッターに対して位置決めされる。
【0050】
抵抗要素は多くの形態を取ることができる。例えば、伸長要素および位置決め案内部は、左側と右側とにおいて、位置決め案内部と伸長要素(例えば、伸長案内部)との間にスロットが存在するように互いに対して配置されてもよく、そのスロットは、位置決め案内部によって係合される領域での鞍下肉部の予想される厚さよりも細い。鞍下肉部をこのスロットを通して案内することで、位置決め案内部および/または伸長要素は、追加的な摩擦を鞍下肉部に加える。この追加的な摩擦は抵抗力をもたらす。枝肉部コンベアが枝肉部をカッターに向かって運び続けると、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合が張ってくる。代替または追加で、このようなスロットが、支持案内部がある場合には、伸長案内部と支持案内部との間に存在してもよい。そのため、任意選択で、抵抗要素は、位置決め案内部と伸長案内部との間のスロット、および/または、支持案内部がある場合には、伸長案内部と支持案内部との間のスロットであり、スロットは、位置決め案内部によって係合される領域での鞍下肉部の予想される厚さよりも細い。
【0051】
そのため、任意選択で、鞍下肉部への抵抗力は、位置決め案内部と伸長案内部との間のスロット、および/または、支持案内部がある場合には、伸長案内部と支持案内部との間のスロットを通して鞍下肉部を移動することによって得られ、そのスロットは、位置決め案内部によって係合される領域での鞍下肉部の予想される厚さよりも細い。
【0052】
代替または追加で、抵抗要素抵抗要素は弾性要素であってもよい。任意選択で、弾性要素は、鞍下肉部を、位置決め案内部および/または伸長案内部および/または支持案内部に対して押すように適合される。そのため、任意選択で、鞍下肉部への抵抗力が弾性要素によって得られる。任意選択で、弾性要素は、鞍下肉部を、位置決め案内部および/または伸長案内部および/または支持案内部に対して押す。
【0053】
本発明によるシステムは、脚部採取機をさらに備える。
【0054】
本発明によるシステムおよび方法の可能な実施形態では、枝肉部は、単一のコンベアによって、脚部採取機を通って、かつ、鞍下肉機を通って運ばれる。任意選択で、脚部採取機は、脚部採取機を通して枝肉部を運ぶように適合された枝肉部コンベアを備え、その枝肉部コンベアは、鞍下肉採取装置を通して枝肉部を運ぶように、鞍下肉採取装置内に延びている。
【0055】
そのため、本発明による方法の可能な実施形態では、脚部が脚部採取機において鞍下から分離され、その脚部採取機では、枝肉部が枝肉部コンベアによって運ばれ、その枝肉部コンベアは、鞍下肉採取装置を通して枝肉を運ぶこともする。
【0056】
代替で、脚部採取機および鞍下肉採取装置は、各々、自身の別々の枝肉部コンベアを有する。
【0057】
可能な実施形態では、脚部採取機および鞍下肉採取装置は、互いに連結されるか、または、一つに一体化さえされる。枝肉部が鞍下肉採取装置に到達する前に、脚部を採取する処理ステップの一部が枝肉部に実施され、枝肉部が鞍下肉採取装置を出て行った後に、脚部を採取する他の工程ステップが枝肉部に実施されるように、鞍下肉採取装置が脚部採取機に配置されることは可能である。
【0058】
本発明によるシステムの有利な実施形態では、脚部採取機は、脚部を自動的な方法で鞍下から分離するように適合される。本発明による方法の可能な実施形態では、脚部は、自動的な方法で鞍下から分離される。
【0059】
可能な実施形態では、脚部採取機は、特許文献1による装置である。
【0060】
本発明によるシステムの可能な実施形態では、システムは、複数の運搬器具を備える主コンベアを備え、脚部の自由端が上方を向く状態で枝肉部が運搬器具から吊り下げられるように、各々の運搬器具は、脚部の自由端の傍または近傍で枝肉部と係合するように適合され、主コンベアに、運搬器具を経路に沿って移動するための駆動部が設けられる。
【0061】
本発明によるシステムのこの実施形態では、システムは、任意選択で、以下の要素をさらに備える。
− 脚部採取機における、脱臼の後に組織接合が各々の脚部と鞍下との間で残るように股関節を脱臼するように適合され、かつ、脚部の自由端が下方を向くことになるように、脚部を主コンベアの運搬器具から取り外すように適合された股関節脱臼組立体。
− 脚部採取機における、枝肉部が主コンベアの運搬器具から取り外された後、枝肉部の鞍下を支持するように適合された鞍下支持案内部。
− 脚部採取機における、脚部と係合するように適合された脚把持スロットを各々が含む2つの脚把持部を備える脚分離部。
【0062】
この実施形態では、脚把持部は、前記鞍下に対する脚部の引っ張り移動を誘発するように適合されることによって、脚部が鞍下から分離されるように、各々の脚部と鞍下との間の組織接合を引き外し、鞍下支持案内部が脚部の把持および引っ張りの間に鞍下を支持するように、脚分離部が鞍下支持案内部に対して配置される。
【0063】
好ましくは、脚部は、脚部の鞍下からの分離の間に、下方に引っ張られる。
【0064】
本発明による方法の対応する実施形態では、方法は、以下のステップをさらに含む。
− 複数の運搬器具を備える主コンベアの経路に沿って枝肉部を運ぶステップであって、脚部の自由端が上方を向く状態で枝肉部が運搬器具から吊り下げられるように、運搬器具が脚部の自由端の傍または近傍で枝肉部と係合する、ステップ。
− 組織接合が各々の脚部と鞍下との間で残るように、股関節を脱臼するステップ。
− 脚部を主コンベアの運搬器具から取り外すことによって、脚部の自由端を下方に向けさせるステップ。
− 脚部を主コンベアの運搬器具から取り外した後に、鞍下を支持するステップ。
− 各々が脚部と係合するための脚把持スロットを含む脚把持部を備えた脚分離部を用いて、各々の脚部を把持するステップ。
− 鞍下に対する引っ張り移動を脚部に付与することによって、脚部が前記鞍下から分離されるように、各々の脚部と鞍下との間の組織接合を引き外すことで、脚部を鞍下から分離するステップ。
【0065】
任意選択で、脚部が鞍下から分離されるように、鞍下から脚部を引っ張り離すことは、下方に引っ張ることである。
【0066】
任意選択で、本発明によるシステムおよび方法は、後半部位を処理するように適合される。このような実施形態では、システムは、好ましくは、複数の運搬器具を備える頭上コンベアを備え、各々の運搬器具は、後半部位が運搬器具から吊り下げられるように、後半部位の脚部と係合するように適合され、運搬器具は走路に沿って移動可能である。
【0067】
好ましくは、このようなシステムでは、脚部採取機が以下の要素を備える。
− 後半部位が頭上コンベアの運搬器具によってもはや運搬されないように、後半部位の脚部を頭上コンベアの運搬器具から取り外すように適合された取り外し案内部。
− 後半部位の鞍下と係合し、鞍下を、少なくとも脚部採取機を通し、任意選択で鞍下肉採取装置も通して、運ぶように適合された鞍下コンベア。
− 鞍下肉部が鞍下に接合されたままとなるように、各々の脚部と鞍下との間における後半部位の付根領域で切開を行うように適合された付根カッター。
− 股関節を脱臼するように適合された股関節脱臼案内部。
− 枝肉部の後部領域で各々の脚部と鞍下との間で切開を行うように適合された後部カッターであって、その後部切開は、行った後に、組織接合が各々の脚部と鞍下部との間で残るように行われる、後部カッター。
− 鞍下肉部が鞍下の左側および/または右側に接合されたままとなるように脚部が鞍下から分離されるように、鞍下から前記脚部を引っ張り離すように適合された脚部分離部。
【0068】
任意選択で、このようなシステムでは、脚部を鞍下から分離するために脚部を引っ張ることが、下方に引っ張ることであるように、脚部分離部が配置される。
【0069】
本発明による方法の対応する実施形態では、方法は、以下のステップをさらに含む。
− 後半部位が運搬器具から吊り下げられるように、頭上コンベアの運搬器具に後半部位を配置するステップであって、運搬器具が、脚部が上方を向くように脚部の傍で枝肉部と係合する、ステップ。
− 後半部位を、頭上コンベアによって、脚部採取機に運ぶステップ。
− 脚部採取機において、後半部位を、頭上コンベアの運搬器具から取り外し、後半部位を、鞍下コンベアによって、脚部採取機をさらに通して運ぶステップ。
− 脚部採取機において、鞍下肉部が鞍下に接合されたままとなるように、各々の脚部と鞍下との間における後半部位の付根領域で切開を行うステップ。
− 脚部採取機において、股関節を脱臼するステップ。
− 脚部採取機において、後部カッターを用いて、枝肉部の後部領域で各々の脚部と鞍下との間で切開を行うステップであって、その後部切開は、行った後に、組織接合が前記各々の脚部と鞍下部との間で残るように行われる、ステップ。
− 脚部採取機において、鞍下肉部が鞍下の左側および/または右側に接合されたままとなるように脚部が鞍下から分離されるように、鞍下から脚部を引っ張り離し、オイスター部が、好ましくは、脚部に付着されたままであり、鞍下を、鞍下コンベアによって、鞍下肉採取機に運ぶステップ。
【0070】
任意選択で、脚部が鞍下から分離されるように、鞍下から脚部を引っ張り離すことは、下方に引っ張ることである。
【0071】
分離された鞍下肉部、または、鞍下肉部が付着された脚部は、それらが枝肉部の残りの部分から分離された後に回収される。分離された鞍下肉部は、鞍下肉部受入部で回収される。鞍下肉部が付着された分離された脚部は、脚部受入部で回収される。
【0072】
任意選択で、鞍下肉部受入部はコンベアベルトまたは容器であり、コンベアベルトまたは容器は、それぞれ、鞍下肉採取装置の下に配置される。
【0073】
任意選択で、脚部受入部はコンベアベルトまたは容器であり、コンベアベルトまたは容器は、それぞれ、脚部採取機の脚分離部の下に配置される。
【0074】
そのため、任意選択で、分離された鞍下肉部、または、鞍下肉部が付着された分離された脚部は、コンベアベルト上に、または、容器内で回収され、コンベアベルトまたは容器は、それぞれ、鞍下肉採取装置の下にまたは脚部採取機の脚分離部の下に配置される。
【0075】
可能な実施形態では、鞍下肉採取装置は、枝肉部、または、枝肉部の少なくとも鞍下が鞍下肉採取装置を通って追随する搬走経路の中心に沿って延びる中心軸線を含み、伸長装置、ならびに/または、支持案内部および/もしくは左カッターおよび右カッター、ならびに/または、抵抗要素は、それぞれ、前記中心軸線を通って延びる鉛直平面に対して対称に配置される。
【0076】
任意選択で、鞍下の両側にある鞍下肉部は、実質的に同時に、または、同時に、鞍下から分離される。
【0077】
任意選択で、採取された脚部は、オイスター肉を含む。
【0078】
本発明は、非限定的な手法の例示の実施形態で本発明が示されることになる図面の参照のもと、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1】腹部側から見た鶏の筋肉構造の図である。
図2】鞍下肉採取装置の左手側の詳細図である。
図3】左カッターを含む鞍下肉採取装置の左手側の図である。
図4】本発明によるシステムの第1の実施形態の概観図である。
図5】本発明によるシステムの第2の実施形態の概観図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1は、腹部側から見た鶏の筋肉構造の図を示している。脚部2が、鞍下3と共に示されている。鞍下肉部5が、図1に示すように、斜線の領域内に配置されている。鞍下肉部は、脚部の採取に関連する先行技術で言及されていることがあるオイスター肉またはオイスター部と、異なる肉部である。オイスター肉またはオイスター部は枝肉の背部側に配置されており、一方、鞍下肉部は枝肉の腹部側に配置されている。
【0081】
図2は、鞍下肉採取装置100の左手側の詳細を示している。図2では、矢印Tは、鞍下肉採取装置100を通る、鞍下3、または、後半部位などの枝肉部の運搬の大まかな方向を指し示している。枝肉部コンベア150は、鞍下肉採取装置を通して、鞍下3または枝肉部を運ぶ。この実施形態では、枝肉部コンベアは、上から鞍下と係合する(または、鞍下の傍で枝肉部と係合する)スパイク付きチェーンである。鞍下の下には、鞍下または枝肉部が鞍下肉採取装置を通して運ばれている間に、鞍下または枝肉部を支持する梁状の支持体151が設けられている。
【0082】
図2は、伸長装置をさらに示している。図2の実施形態では、伸長装置は、左伸長案内部110と右伸長案内部(図示せず)とを備えている。右伸長案内部の形および位置は、左伸長案内部110の形および位置と同じであり、枝肉部コンベア150の中心長手方向軸線を鉛直方向に通って延びる対称平面で鏡映しとされているだけである。
【0083】
伸長案内部110は、水平で静止した案内板であり、伸長案内部110と梁状の支持体151とが、鞍下または脚部(脚部がまだある場合)のいずれかである枝肉部の残りの部分に付いている任意の鞍下肉部に係合するように、梁状の支持体151の上方での高さに位置決めされている。伸長案内部110が(運搬の方向Tで見られる)下流方向において外側に徐々に拡がるにつれて、伸長案内部110は、鞍下肉部が枝肉部の残りの部分から延びて枝肉部の残りの部分にもはや付いていない位置に、鞍下肉部を持って行く。
【0084】
左伸長案内部110の下には、左位置決め案内部121が配置されている。鞍下肉採取装置100の右側には、右位置決め案内部(図示せず)が配置されている。右位置決め案内部の形および位置は、左位置決め案内部121の形および位置と同じであり、枝肉部コンベア150の中心軸長手方向軸線を鉛直方向に通って延びる対称平面で鏡映しとされているだけである。位置決め案内部121は、鉛直で静止した案内板である。
【0085】
鞍下肉部と係合する位置決め案内部121の一部は、枝肉部コンベア150が枝肉部または鞍下を運ぶ際に沿う経路に対して傾斜されている。位置決め案内部121は、伸長案内部110の下に一部延びている。
【0086】
位置決め案内部121は、鞍下から鞍下肉部を分離するための準備において、鞍下肉部に下から係合し、鞍下肉部を位置決めする。
【0087】
位置決め案内部121の下流には、支持案内部122が配置されている。これらの支持案内部は、ここでもまた、鞍下肉採取装置の左側と共に右側にも存在している。支持案内部122は、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合の切断の間に、鞍下肉部を支持する。
【0088】
位置決め案内部121のように、支持案内部122は、鉛直で静止した案内板である。任意選択で、左位置決め案内部と左支持案内部とは、単一の左案内板120に一体化される。同じことが、右位置決め案内部と右支持案内部とでも任意選択で行われ得る。
【0089】
任意選択で、肉および他の組織の屑が、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合の切断のため、支持案内部122の内部に堆積するのを防止するために、開口123が各々の支持案内部122に存在する。
【0090】
図2の実施形態では、伸長案内部110は、下流方向に案内部品130によって伸ばされている。案内部品130は、好ましくは、鞍下肉採取装置の左側と共に右側にも存在している。
【0091】
図2の実施形態では、スロット135は、一方における伸長案内部110(案内部品130を含む)と、他方における位置決め案内部121および支持案内部122との間で延びている。このスロット135は、鞍下肉部が位置決め案内部および/または支持案内部によって支持される領域に、鞍下肉部の予想される厚さよりも細い部分を含んでいる。このため、伸長案内部110、130、位置決め案内部121、および支持案内部122は、追加の摩擦を鞍下肉部に付与し、それに伴って、抵抗力を与え、スロットを抵抗要素として機能させる。枝肉部コンベア150が枝肉部または鞍下を運び続けると、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合が張ってくる。これは、この組織接合を切断し、鞍下肉部を鞍下から分離するのを容易にさせる。
【0092】
スロット135は、鞍下肉採取装置の左側と共に、鞍下肉採取装置の右側にも存在している。
【0093】
図3は、左カッター140を含む鞍下肉採取機100の左手側を示している。同様のカッターは、鞍下肉採取装置の右側にも存在している。
【0094】
図3の実施形態では、左カッター140は、回転可能な円板形のナイフ141を備えている。回転刃の下部は、スリット123に隣接する支持案内部122の上縁の下に延びている。
【0095】
案内部品130を含む伸長案内部110、位置決め案内部121、開口123を含む支持案内部122、梁状の支持体151、および枝肉部コンベア150は、すべて図2の実施形態と同じである。
【0096】
図3において、この実施形態では、円板形状のナイフ141が鉛直に対して角度のある状態で配置されている。このように、カッター140は、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合への良好なアクセスを有している。
【0097】
図3の実施形態では、円板形状のナイフ141が、支持案内部122に隣接してスロット135内に延びている。
【0098】
図3の実施形態には、鞍下肉採取装置の左側に1つと右側に1つとで、2つの追加的な抵抗要素170が設けられている。各々の抵抗要素は、鞍下肉採取装置の枠体に弾性的な方法で搭載された棒材171の形態の抵抗要素を備えている。棒材171は、位置決め案内部121の外側面と係合する。
【0099】
枝肉部が、枝肉部コンベア150によってカッター140に向かって移動されるとき、伸長案内部110は、鞍下肉部を、枝肉部または鞍下に対して外側に、鞍下から離すように折る。位置決め案内部121は、枝肉部がカッター140に向かってさらに移動されるにつれて、鞍下肉部を下から持ち上げる。ここで、鞍下肉部は、位置決め案内部121の側部の外表面に寄り掛かることになる。鞍下肉部が抵抗要素170の棒材171に達すると、鞍下肉部は、棒材171と、位置決め案内部121の側面との間に押し込まれる。棒材171は、鞍下肉部に提供力を付与し、鞍下肉部を位置決め案内部121の側面に押し付ける。これは鞍下肉部に追加的な摩擦を作り出し、この追加的な摩擦は抵抗力をもたらす。
【0100】
その間、枝肉部は、枝肉部コンベア150によって、カッター140に向けてさらに移動される。これは、鞍下肉部と鞍下との間の組織接合が張り、そのため組織接合がより簡単に切断できるようにする。
【0101】
図4は、頭上コンベアの運搬器具10、脚部採取機200、および鞍下肉採取装置100を備えた、本発明によるシステムの第1の実施形態の概観を示している。脚部2と鞍下3とを含む後半部位1は運搬器具10から吊り下げられ、運搬器具10は後半部位の脚部と係合する。後半部位のシステムを通る運搬の主方向は、矢印Tによって指し示されている。
【0102】
頭上コンベアは、後半部位を脚部採取機200に持ってくる。
【0103】
脚部採取機200は、左側20L(運搬の方向で見たとき)と右側20R(運搬の方向で見たとき)とがある案内部20を備えている。案内部20の左側20Lは左脚部と係合し、案内部20の右側20Rは右脚部と係合する。
【0104】
案内部20は、領域21において、拡がって下方に傾斜する。案内部20の領域21の第1の最も上流の部分では、案内部20は、取り外し案内部として採用する。これは、後半部位1が頭上コンベアの運搬器具10によってもはや運搬されないように、後半部位1の脚部2を頭上コンベアの運搬器具10から取り外す。
【0105】
脚部採取機は、後半部位の鞍下と係合し、鞍下を、少なくとも脚部採取機を通し、任意選択で鞍下肉採取機も通して、運ぶように適合された鞍下コンベアをさらに備えている。この実施形態では、鞍下コンベアは複数の運搬装置のセットであり、それらは、支持コンベア15、第1の鞍下コンベア30、および第2の鞍下コンベア50である。
【0106】
支持コンベア15は、後半部位1の付根領域および/または後部領域における切開が行われるとき、鞍下を支持する。
【0107】
第1の鞍下コンベア30は、上から鞍下3と係合する突起のあるチェーンを備えている。第1の鞍下コンベアの下では、鞍下支持案内部32が延びている。鞍下支持案内部32は、鞍下3が第1の鞍下コンベア30によって運搬されている間、鞍下3を下から支持している。
【0108】
図4の実施形態では、第1の鞍下コンベア30と鞍下支持案内部32とは、取り外し案内部の近くで上流端を有している。しかしながら、代替として、支持コンベア15が存在し、代わりに、第1の鞍下コンベア30および鞍下支持案内部32は、後半部位が脚部採取機に入る位置からずっと延びていることも可能である。
【0109】
第2の鞍下コンベア50は、鞍下3からの脚部2の実際の分離に加わるように適合されている。
【0110】
脚部採取機は、鞍下肉部5が鞍下3に接合されたままとなるように、各々の脚部2と鞍下3との間における後半部位1の付根領域で切開を行うように適合された付根カッター16をさらに備えている。この実施形態では、付根カッターは、案内部20の左部20Lと連結された左刃と、案内部20の右部20Rと連結された右刃とを備えている。
【0111】
脚部採取機は、後半部位の後部領域において脚部2と鞍下3との間の切開を行うように適合された後部カッター35をさらに備えている。後部カッター35は、後部切開を行った後、組織接合が各々の脚部2と鞍下部3との間で残るように用いられる。
【0112】
脚部採取機は、鞍下肉部5が鞍下3の左側および/または右側に接合されたままとなるように脚部2が鞍下3から分離されるように、鞍下3から脚部2を引っ張り離すように適合された脚部分離部40をさらに備え、オイスター部は、好ましくは、脚部2に付着されたままである。
【0113】
脚部分離部40は、図4の実施形態では、2対の脚把持部41が搭載された回転可能な車輪44を備えている。脚把持部41は、車輪44が矢印Rの方向で回転軸線43の周りに回転する間に、通過する後半部位の脚部2と係合する。脚把持部41は、後半部位の脚部2をそれと共に矢印Rの方向にさらに回転させる一方で、同じ後半部位の鞍下3は、第2の鞍下コンベア50によって運搬され、鞍下支持案内部32によって支持される。
【0114】
鞍下3の経路と脚部2の経路とは、脚分離部40において分岐し、概して、第2の鞍下コンベア50が鞍下3に与える搬送速度と、脚把持部41が脚部2に与える搬送速度とには差もある。概して、脚部2の速度は鞍下3の速度よりも速くなっている。分岐する経路と速度の差とは、脚部2に付与される引っ張り力をもたらす。この引っ張り力は、後部領域における切開の後の鞍下3と脚部2との間で残された組織を、引き外すようにさせる。これは、鞍下からの脚部の分離をもたらす。鞍下肉部は、この時点で、鞍下の残りの部分にまだ付着されている。オイスター部は、好ましくは、採取される脚部に接合されている。
【0115】
そして、鞍下は、図4では概略的にのみ示されている鞍下肉採取装置100にさらに運ばれる。鞍下肉採取装置100は、好ましくは、図2および図3に関連して説明された種類のものである。
【0116】
図4の実施形態では、脚部採取機の第2の鞍下コンベア50は、下方チェーンフライト150によって延ばされている。下方チェーンフライト150は、鞍下肉採取装置100を通じて鞍下を運ぶ。この運ぶ間、鞍下3は、鞍下肉採取装置100の鞍下支持案内部132によって支持されている。
【0117】
図4は、(左)支持案内部122と左カッター140とを概略的に指し示している。また、採取された鞍下肉部5を排出するための傾斜板160が示されている。傾斜板160は、分離された鞍下肉部を、箱、容器、またはコンベアベルトなどの鞍下肉部受入部180に案内する。
【0118】
図5は、本発明によるシステムの第2の実施形態を示している。図5の実施形態における脚部採取機は、図4の実施形態の脚部採取機と同じ方法で作動する。
【0119】
しかしながら、この実施形態では、鞍下肉採取装置100は、脚部採取機に一体化されており、鞍下肉部5が脚部2と共に採取されるように組み立てられている。
【0120】
図5の実施形態では、鞍下肉採取装置100は、脚部を採取する処理の一部の処理ステップが、鞍下肉部が鞍下から分離される前に実施され、かつ、脚部を採取する処理の一部の処理ステップが、鞍下肉部が鞍下から分離された後に実施されるように、構成されている。鞍下肉採取装置は鞍下から鞍下肉部を分離するが、鞍下肉部と脚部との間の組織接合は残ったままである。
【0121】
この実施形態において、鞍下肉採取装置は、付根カッターの直ぐ下流に配置されている。しかしながら、他の位置も同様に可能である。例えば、代替で、鞍下肉採取装置は、脚部採取機の上流の全体において配置できる。
【0122】
図5の実施形態では、箱、容器、またはコンベアベルトなどの脚部受入部181が、採取された脚部を、鞍下肉5が脚部に付着された状態で脚部採取装置から回収するために存在する。
【符号の説明】
【0123】
1 後半部位
2 脚部
3 鞍下
5 鞍下肉部
10 運搬器具
15 支持コンベア
16 付根カッター
20 案内部
20L 左側、左部
20R 右側、右部
21 領域
30 第1の鞍下コンベア
35 後部カッター
40 脚部分離部
41 脚把持部
43 回転軸線
44 車輪
50 第2の鞍下コンベア
100 鞍下肉採取装置、鞍下肉採取機
110 左伸長案内部、伸長案内部
120 左案内板
121 左位置決め案内部、位置決め案内部
122 支持案内部
123 開口
130 案内部品
135 スロット
140 左カッター、カッター
141 ナイフ
150 枝肉部コンベア、下方チェーンフライト
151 支持体
160 傾斜板
170 抵抗要素
171 棒材
180 鞍下肉部受入部
181 脚部受入部
200 脚部採取機
R 矢印
T 矢印
図1
図2
図3
図4
図5