特許第6266005号(P6266005)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266005
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】ターボ機械内の排気管用ホルダ
(51)【国際特許分類】
   F02K 1/04 20060101AFI20180115BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20180115BHJP
   F01D 25/28 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   F02K1/04
   F02C7/00 B
   F02C7/00 C
   F02C7/00 F
   F01D25/28 Z
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-541213(P2015-541213)
(86)(22)【出願日】2013年11月7日
(65)【公表番号】特表2015-535050(P2015-535050A)
(43)【公表日】2015年12月7日
(86)【国際出願番号】FR2013052663
(87)【国際公開番号】WO2014072643
(87)【国際公開日】20140515
【審査請求日】2016年10月18日
(31)【優先権主張番号】1260747
(32)【優先日】2012年11月12日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516227272
【氏名又は名称】サフラン・エアクラフト・エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スルタナ,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ベンサラ,バウシフ
(72)【発明者】
【氏名】デュラン,ヤニック
(72)【発明者】
【氏名】レノン,オリビエ
【審査官】 西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭52−039125(JP,B1)
【文献】 特開2009−243311(JP,A)
【文献】 特開2009−174528(JP,A)
【文献】 特表2004−514841(JP,A)
【文献】 特表2011−525955(JP,A)
【文献】 特表2011−511905(JP,A)
【文献】 特開平07−293274(JP,A)
【文献】 特開2007−224912(JP,A)
【文献】 特開2007−255421(JP,A)
【文献】 米国特許第03041832(US,A)
【文献】 英国特許出願公告第00848864(GB,A)
【文献】 米国特許第02636665(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/24、28、30
F02C 7/00
F02K 1/04
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンエンジンから油を含んだ空気を排出するための管(4)を支承し、前記管(4)の周囲に取り付けるための半径方向内側環状部(6)を備える支持体(5)であって、支持体は半径方向面において環状部(6)から直接、外側に伸びるフィン(11)を含み、それぞれのフィンは半径方向に対して角度(α)を成し、フィン(11)は外周部に締結領域(16)を有し、前記締結領域(16)はタービンエンジンの排気コーン(1)に締結するのに適するように支持体(5)の軸方向(A)に傾斜されることを特徴とする、支持体(5)。
【請求項2】
締結領域(16)それぞれが、コーンの一部の形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の支持体(5)。
【請求項3】
それぞれのフィン(11)が、第1の端部(13)が支持体(5)の内側環状部(6)に締結するための内側締結領域(14)に接続され、第2の端部(15)が排気コーン(1)に締結するための外側締結領域(16)に接続された中間領域(12)であって、第1の端部(13)を通る環状部(6)の接線に対して直角でない角度を成す平面内に伸びる中間領域(12)を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の支持体(5)。
【請求項4】
それぞれの中間領域(12)が、内側環状部(6)の軸(A)に平行な平面内に伸びることを特徴とする、請求項3に記載の支持体(5)。
【請求項5】
それぞれの内側締結領域(14)が、内側環状部(6)の形状と相補的形状を有することを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の支持体(5)。
【請求項6】
フィン(11)および内側環状部(6)が、ニッケル基超合金製であることを特徴とする、請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載の支持体(5)。
【請求項7】
内側環状部(6)の長さが、内径の0.4倍以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に記載の支持体(5)。
【請求項8】
フィン(11)の数が3〜10であることを特徴とする、請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項に記載の支持体(5)。
【請求項9】
タービンエンジンから油を含んだ空気を排出するための管(4)を有するタービンエンジン用アセンブリであって、前記管(4)は回転可能な上流側部分と回転しない下流側部分(4a)とを備え、前記下流側部分(4a)は排気コーン(1)を通過して前記排気コーン(1)の軸(A)に沿って伸び、前記下流側部分(4a)は請求項1〜請求項8のうちのいずれか一項に記載の支持体(5)の内側環状部(6)によって取り囲まれて前記内側環状部(6)内で自由に軸方向に並進運動かつ回転運動できるように取り付けられ、支持体(5)の傾斜締結領域(16)も排気コーン(1)に締結される、アセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載のアセンブリを含むことを特徴とする、タービンエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービンエンジンからの油を含んだ空気を排出するための管の支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の形では、ターボプロップもしくはターボジェットのようなタービンエンジンは、ガスの流れ方向の上流側から下流側に向かって、ファン、低圧圧縮機、高圧圧縮機、燃焼室、高圧タービン、低圧タービン、およびガス排気ノズルを備える。それぞれの圧縮段はタービン段に対応しており、2つの段はシャフトによって互いに接続されてスプールを形成し、特に、低圧スプールおよび高圧スプールを形成する。
【0003】
低圧スプールのシャフトは、中空とすることができ、一般に、中央通気管(CVT)と呼ばれる管を含むことができる。この管は、回転可能であり下流側部分によって延長される上流側部分を有し、下流側部分は、回転せず、タービンエンジンの特定のエンクロージャからの油を含んだ空気を排出する働きをする。
【0004】
管の下流側部分は、管を取り囲む略Ω字状部の内側環状部を備える支持体によって接続される排気コーンと、排気コーンおよび内側環状部に締結された円錐状部とを通過する。円錐状部は、排気コーンを通過する冷却空気の流れを通す穴を有する。さらに、支持体の円錐状部は、ねじによって内側環状部に締結される。
【0005】
該支持体は、以下の欠点を有する。
【0006】
第一に、管が支持体に当接する領域は支持体が排気コーンに締結される領域から軸方向にずれており、そのことで支持体の剛性が大幅に低減される。この剛性は、冷却空気の流れを通すことができる穴があることでさらに低減される。
【0007】
排気コーンは650℃〜680℃の温度にさらされるが、管は450℃〜480℃の温度となる可能性がある。この大きな温度差(240℃)は、熱膨張現象、応力、および動きを発生させ、支持体はこれらを吸収できると同時に支持体の剛性を維持できなければならない。
【0008】
先行技術の支持体は、上記妥協点を達成するために、比較的重くなり、その結果、タービンエンジンの総重量は増加し、さらに支持体は高価である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の特定の目的は、上述の問題に対して、簡単、効果的、かつコストのかからない解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するために、タービンエンジンから油を含んだ空気を排出するための管を支承し、前記管の周囲に取り付けるための半径方向内側環状部を備える支持体であって、支持体は半径方向面において環状部から外側に伸びるフィンを含み、それぞれのフィンは半径方向に対して角度を成し、フィンは外周部に締結領域を有し、前記締結領域はタービンエンジンの排気コーンに締結するのに適するように支持体の軸方向に傾斜されることを特徴とする支持体を提供する。
【0011】
このように、管が支持体に当接する領域は支持体が排気コーンに締結される領域と軸方向に一致する位置にあり、そのことで支持体が十分な剛性を有することができる。また、フィンが半径方向に対して傾斜することにより、動作時に発生する恐れのある熱膨張の影響に適切に適応することができる。最後に、該支持体は、比較的軽量であり、冷却空気を排気コーンに通過させることができ、そして該支持体は安価である。比較として、該支持体の重量は先行技術の支持体の重量の約10分の1である。
【0012】
本発明の特徴によれば、締結領域それぞれは、コーンの一部の形状を有する。
【0013】
さらに、それぞれのフィンは、第1の端部が支持体の内側環状部に締結するための内側締結領域に接続され、第2の端部が排気コーンに締結するための外側締結領域に接続された中間領域であって、第1の端部を通る環状部の接線に対して直角でない角度を成す平面内に伸びる中間領域を有することができる。
【0014】
このような特徴により、支持体は熱膨張の影響に有効に適応することができる。
【0015】
それぞれの中間領域は、内側環状部の軸に平行な平面内に伸びてもよい。
【0016】
したがって、中間領域は、排気コーンを通過する空気流の抵抗をほとんど受けない。
【0017】
さらに、それぞれの内側締結領域は、内側環状部の形状と相補的形状を有する。
【0018】
フィンの内側領域は、例えば、ろう付けによって、内側環状領域に締結される。
【0019】
有利には、フィンおよび内側環状部は、例えば、インコネル(Inconel)625もしくはインコネル718のようなニッケル基超合金製である。
【0020】
好ましくは、内側環状部の長さは、内径の0.4倍以下である。
【0021】
このように、内側環状部は、管と支持体との間の一種の玉継手を構成する短い案内部を形成する。
【0022】
例えば、フィンの数は3〜10とすることができる。
【0023】
本発明はさらに、油を含んだ空気を排出するための管を有するタービンエンジン用アセンブリであって、前記管は回転可能な上流側部分と回転しない下流側部分とを備え、前記下流側部分は排気コーンを通過して前記排気コーンの軸に沿って伸び、前記下流側部分は上述のタイプの支持体の内側環状部によって取り囲まれて前記内側環状部内で自由に軸方向に並進運動かつ回転運動できるように取り付けられ、支持体の傾斜締結領域も排気コーンに締結されるアセンブリを提供する。
【0024】
最後に、本発明は、上述のアセンブリを含むことを特徴とするタービンエンジンを提供する。
【0025】
非限定的な例として添付図面を参照しながら詳述されている以下の説明を読めば、本発明はよりよく理解され、本発明の他の詳細、特徴、および利点がより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】先行技術のタービンエンジンの一部の軸方向断面斜視図である。
図2】先行技術の支持体が排気コーンと油を含んだ空気を排出するための管との間に取り付けられる様子を示した軸方向断面図である。
図3図2の取り付けを示した部分切り取り斜視図である。
図4】本発明の支持体の斜視図である。
図5】本発明の支持体のフィンの斜視図である。
図6】本発明の支持体の環状部の斜視図である。
図7】フィンが前記環状部に取り付けられる様子を示した詳細図である。
図8】本発明のタービンエンジンの一部の部分切り取り斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1には、先行技術のタービンエンジンの下流側部分が示されている。下流側部分は、低圧タービン(図示せず)から下流側に位置する排気ケーシング2から下流側で締結される排気コーン1を備える。排気コーン1は、下流側端部に軸方向開口部3を有する。
【0028】
タービンエンジンはさらに、一般に、中央通気管(CVT)と呼ばれる管4を有し、管4は、回転可能な上流側部分であって、タービンエンジン内の特定のエンクロージャからの油を含んだ空気を排出するための非回転型下流側部分4aによって延長される上流側部分(図示せず)を有する。
【0029】
管4の下流側部分4aは、排気コーン1を通過し、開口部3を通過することによって下流側に向かって開口する。前記下流側部分4aは、支持体5によって排気コーン1に接続される。この支持体は、図2および図3に示されており、管4を取り囲む略Ω字状断面の内側環状部6と、排気コーン1および内側環状部6に締結される円錐状部7とを備える。円錐状部7は、排気コーン1を通過する冷却空気の流れを通す穴8を有する。さらに、支持体5の円錐状部7は、ねじ(図示せず)によって内側環状部6に締結される。
【0030】
上述したように、管4が該支持体5に当接する支承領域9は、支持体5が排気コーン1に締結される締結領域10から軸方向にずれており、そのことにより支持体5の剛性が大幅に低減される。この剛性は、冷却空気の流れを通す穴8があることでさらに低減される。また、該支持体5は比較的重く、そのことによりタービンエンジンの総重量は増加し、また該支持体は高価である。
【0031】
上述の欠点を克服するために、本発明は、図4図8に示されている支持体5を使用して管4の下流側部分4aを排気コーン1に接続することを提案する。この支持体5は、前記管4の周囲に取り付けるための半径方向内側円筒状環状部6と、半径方向面内で環状部6から外側に伸びるフィン11であって、半径方向と角度αを成すフィンとを有する。例えば、フィン11の数は3〜10とすることができる。
【0032】
それぞれのフィン11は、第1の端部13が支持体5の内側環状部6の中間に軸方向に締結するための内側締結領域14に接続され、第2の端部15が排気コーン1に締結するための外側締結領域16に、例えば、ねじ締め、リベット打ち、もしくはろう付けによって接続された中間領域12を有する。中間領域12は、第1の端部13における環状部6の接線に対して直角でない角度を成す平面内に伸びる。さらに、それぞれの中間領域12は、内側環状部6の軸Aに平行な平面内に伸びる。
【0033】
また、外側締結領域16は、排気コーン1の内側面と相補的なコーンの一部の形状を有し、内側締結領域14は、内側環状部6の形状と相補的形状を有する。
【0034】
さらに、環状部6は、支持体5を取り付ける際に管4を損傷させないように、端部が半径方向内側に向かって面取りされてもよい。
【0035】
フィン11および内側環状部6は、例えば、インコネル625(NiCr22Mo9Nb)もしくはインコネル718のようなニッケル基超合金製であるのが好ましく、フィン11の内側締結領域14は、内側環状部6にろう付けされる。さらに、内側環状部6の長さは、内径の0.4倍以下である。このように、内側角度部6は、管4と支持体5との間の一種の玉継手を構成する短い案内部を形成する。また管4は、内側環状部6内で自由に回転運動かつ軸方向並進運動できるように取り付けられる。上述のようにさまざまな自由度を持たせることにより、特に、例えば、機械的応力および熱応力による動作時の任意の変形を補償することができる。
【0036】
本発明の支持体5において、管4が支持体5に当接する領域は支持体5が排気コーン1に締結される領域と軸方向に一致する位置にあり、そのことで支持体5が十分な剛性を有することができることがわかる。また、フィン11が半径方向に対して傾斜することにより、動作時に発生する恐れのある熱膨張の影響に適切に適応することができる。最後に、該支持体5は、比較的軽量であり、冷却空気を排気コーン1に通過させることができ、そして該支持体5は安価である。比較として、該支持体5の重量は図2および図3に示されている先行技術の支持体の重量の約10分の1である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8