(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266013
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】電解金属、好適には銅の、基板上への垂直堆積装置および当該装置の受容に適した容器
(51)【国際特許分類】
C25D 21/00 20060101AFI20180115BHJP
C25D 7/12 20060101ALI20180115BHJP
C25D 17/00 20060101ALI20180115BHJP
C25D 17/12 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
C25D21/00 J
C25D7/12
C25D17/00 J
C25D17/12 Z
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-548332(P2015-548332)
(86)(22)【出願日】2013年12月3日
(65)【公表番号】特表2016-504499(P2016-504499A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】EP2013075411
(87)【国際公開番号】WO2014095355
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2015年6月19日
【審判番号】不服2016-13876(P2016-13876/J1)
【審判請求日】2016年9月15日
(31)【優先権主張番号】12075143.3
(32)【優先日】2012年12月20日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】300081877
【氏名又は名称】アトテツク・ドイチユラント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Atotech Deutschland GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ラウエンブッシュ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】レイ ヴァインホルト
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ クリングル
【合議体】
【審判長】
板谷 一弘
【審判官】
鈴木 正紀
【審判官】
長谷山 健
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−220700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 17/00-17/28
C25D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解金属の、基板上への垂直堆積装置(1,1’,1’’,1’’’)において、
少なくとも1つの処理溶液を流すための貫通管路を有する少なくとも1つの第1のアノード要素(2)と、少なくとも1つの処理溶液を流すための貫通管路を含み前記第1のアノード要素(2)が配置される少なくとも1つの第1の支持要素(3,3’)と、処理溶液を少なくとも1つの前記第1の支持要素(3,3’)内に導く少なくとも1つの第1の流体供給要素(4,4’)と、少なくとも1つの第1の固定手段(5)と、少なくとも1つの第1の電気接続要素(6)とを備え、前記少なくとも1つの第1のアノード要素(2)および前記少なくとも1つの第1の支持要素(3,3’)が互いに堅く接続され、当該装置(1,1’,1’’,1’’’)の受容に適した容器(16,16’,16’’)内に当該装置(1,1’,1’’,1’’’)全体を取り外し可能に固定する少なくとも1つの前記第1の固定手段(5)および少なくとも1つの前記第1のアノード要素(2)に電流を供給する少なくとも1つの前記第1の電気接続要素(6)の両者が、少なくとも1つの前記第1の支持要素(3,3’)の、前記第1のアノード要素(2)が配置されている面とは反対面である背面上に配置されており、
前記第1のアノード要素(2)および前記第1の支持要素(3,3’)が、当該第1のアノード要素(2)または当該第1の支持要素(3,3’)の各表面上にそれぞれ配置された複数の前記貫通管路を備えるとともに、前記第1のアノード要素(2)の各貫通管路は、前記第1の支持要素(3,3’)の少なくとも1つの貫通管路と、処理する基板に対する処理溶液の体積流量が一定となるように整列していることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1のアノード要素(2)の少なくとも一部が前記少なくとも1つの第1の支持要素(3,3’)に囲まれ、前記少なくとも1つの第1の支持要素(3,3’)の、前記少なくとも1つの第1のアノード要素(2)が配置されている平面が、当該少なくとも1つの第1の支持要素(3,3’)および当該少なくとも1つの第1のアノード要素(2)の上縁が整列となるように当該少なくとも1つの第1のアノード要素(2)を収容する空洞を有したことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のアノード要素(2)が少なくとも2つの部分を備え、当該アノード要素の各部分が互いに独立して電気的に調整可能であることを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の電気接続要素(6)が、当該第1の電気接続要素(6)と当該装置(1,1’,1’’,1’’’)の前記アノード要素(2)のアノード部分とを接続する少なくとも1つの第2の電気接続要素(11)によって、少なくとも1つのアノード部分に電流を供給し、前記第1の電気接続要素(6)が、当該装置の前記第1の支持要素(3,3’)に当該第1の電気接続要素(6)を取り外し可能に固定する少なくとも1つの第1の固定要素(12)をさらに備えたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの前記第1の固定手段(5)が、窪み、トラック、ガイドバーまたは目違い継ぎの一部分等の円形ガイド要素または線形ガイド要素を含む少なくとも1つの案内要素を備え、前記第1の固定手段(5)が、当該装置(1,1’,1’’,1’’’)の前記第1の支持要素(3,3’)に当該第1の固定手段(5)を取り外し可能に固定する少なくとも1つの第2の固定要素(13)をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の固定手段(5)および前記第1の電気接続要素(6)が、少なくとも1つの第1の複合装置要素(14)を構成し、前記第1の電気接続要素(6)が前記第1の固定手段(5)の一部としても機能することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも2つの複合装置要素(14)を備え、前記複合装置要素(14)が、当該装置(1,1’,1’’,1’’’)の前記アノード要素(2)のアノード部分の幾何学的構造とは独立して、当該装置(1,1’,1’’,1’’’)の前記第1の支持要素(3,3’)の背面上における付加的な第1の電気接続要素(6)とともに配置されたことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも2つの複合装置要素(14)が前記第1の支持要素(3,3’)の前記背面に配置される一方、付加的な第1の電気接続要素(6)が当該第1の支持要素(3,3’)の背面のこれら少なくとも2つの複合装置要素(14)間の領域に配置されたことを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
当該装置(1,1’,1’’,1’’’)の前記容器(16,16’,16’’)からの撤去または当該装置(1,1’,1’’,1’’’)の当該容器(16,16’,16’’)への挿入を行う手動または自動手順に対応するのに適した少なくとも1つの第1の把持要素(15,15’)をさらに備え、前記第1の把持要素(15,15’)が、取り外し可能に前記第1の支持要素(3,3’)に接続されたことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記電解金属は銅であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも1つの第1の装置(1,1’,1’’,1’’’)と、処理する基板の受容に適した少なくとも1つの第1の基板ホルダーとを受容するのに適した容器(16,16’,16’’)であって、
前記少なくとも1つの第1の装置(1,1’,1’’,1’’’)および前記少なくとも1つの第1の基板ホルダーが、互いに平行に配置されるように構成され、当該容器(16,16’,16’’)が、閉塞可能な天井部(17,17’,17’’)と、少なくとも1つの第2の固定手段であって、前記少なくとも1つの第1の装置(1,1’,1’’,1’’’)の少なくとも1つの前記第1の固定手段(5)の窪み、トラック、ガイドバーまたは目違い継ぎの一部分等の円形ガイド要素または線形ガイド要素を含む前記案内要素の対向片を提供する少なくとも1つの第2の固定手段と、受容した前記第1の装置の第1の電気接続要素に電流を送る少なくとも1つの第3の電気接続要素(18,18’)と、少なくとも1つの第1の封止要素と、をさらに備え、
前記第2の固定手段および前記第3の電気接続要素(18,18’)が、当該容器の内壁のうちの少なくとも1つに配置されることにより、前記挿入された少なくとも1つの第1の装置(1,1’,1’’,1’’’)の背面上の少なくとも1つの前記第1の固定手段(5)および少なくとも1つの前記第1の電気接続要素(6)に取り外し可能に接続され、前記第1の封止要素が、前記少なくとも1つの第1の装置(1,1’,1’’,1’’’)の少なくとも1つの前記第1の流体供給要素(4,4’)と当該容器(16,16’,16’’)とを取り外し可能に接続して処理溶液の漏洩を防止するように設けられ、前記閉塞可能な天井部(17,17’,17’’)が、前記少なくとも1つの第1の装置(1,1’,1’’,1’’’)全体が完成ユニットとして撤去または挿入可能な程度まで開放可能であることを特徴とする容器。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも1つの第1の装置(1,1’,1’’,1’’’)の少なくとも1つの前記第1の電気接続要素(6)および請求項11に記載の容器(16,16’,16’’)の前記第3の電気接続要素(18,18’)が、少なくとも1つの、前記第3の電気接続要素との電気コンタクトを閉塞または開放する第4の電気接続要素(19,19’)によって取り外し可能に接続されたことを特徴とする、請求項11に記載の容器。
【請求項13】
前記第3の電気接続要素(18,18’)から当該容器の壁を貫通して延びる少なくとも1つの第5の電気接続要素(20,20’)と、電流ケーブル用のプラグイン要素またはボルト締めアセンブリである少なくとも1つの第6の電気接続要素(21,21’)と、前記第5の電気接続要素(20,20’)を当該容器(16,16’,16’’)の外壁に取り外し可能に接続する少なくとも1つの第3の固定要素(22,22’)と、をさらに備えることを特徴とする、請求項11又は12に記載の容器。
【請求項14】
当該容器(16,16’,16’’)の前記第2の固定手段および前記第3の電気接続要素(18,18’)が、少なくとも1つの第2の複合装置要素を構成し、前記少なくとも1つの第1の装置(1,1’,1’’,1’’’)の前記第1の固定手段(5)および前記第1の電気接続要素(6)が、前記少なくとも1つの第1の複合装置要素(14)を構成する場合、前記第3の電気接続要素(18,18’)が前記第2の固定手段の一部としても機能し、前記第1の電気接続要素(6)が前記第1の固定手段(5)の一部としても機能することを特徴とする、請求項7を引用する請求項11〜13のいずれか一項に記載の容器。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第1の装置(1,1’,1’’,1’’’)および前記少なくとも1つの第1の基板ホルダーとそれぞれ平行に配置されるように構成された、請求項1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも1つの第2の装置を受容することを特徴とする、請求項11〜14のいずれか一項に記載の容器(16,16’,16’’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解金属、好適には銅の、基板上への垂直堆積装置に関する。
【0002】
さらに、本発明は一般的に、上記装置と、処理する基板の受容に適した基板ホルダーとを受容するのに適した容器に関する。また、本発明は、電解金属、特に銅の、基板上への堆積のための少なくとも1つの上記装置の上記容器内での使用に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体ウェハから半導体集積回路等の半導体デバイスを製造するには通常、ウェハ上に複数の金属層を形成することによって、集積回路の種々デバイスを電気的に相互接続する必要がある。電気メッキ金属としては通常、銅、ニッケル、金、および鉛が挙げられる。電気メッキは、いわゆるシード層を初めに極薄の金属層の形態でウェハ上に形成することによって実現されるため、ウェハの表面は導電性を呈する。この導電性によって、その後、反応器中での電気メッキにより所望の金属のいわゆるブランケット層が形成可能となる。化学機械平坦化等の後続の処理では、電気メッキで形成された金属ブランケット層の不要部分が除去されることにより、半導体集積回路または微視的機構において、所望のパターン金属層が形成される。パターン金属層の形成は、電気メッキによっても実現可能である。
【0004】
電気メッキの後、通常の半導体ウェハ等のワークピースは、多数の個別の半導体コンポーネントに細分される。コンポーネントごとに所望のメッキ均一性を実現しつつ、各コンポーネントにおいて所望の回路構成を実現するには、ワークピースの表面全体で極力均一な厚さに各金属層を形成するのが望ましい。ただし、各ワークピースは通常、電気メッキ装置の回路において、その周辺部で接合されている(通常、ワークピースがカソードとして機能する)ため、ワークピースの表面全体で電流密度を変化させることが必須となる。従来は、金属堆積の均一性を向上させる試みとして、拡散器等の流れ制御装置を電気メッキ反応器内に配置することにより、ワークピースに対して電気メッキ溶液の流れを案内および制御していた。
【0005】
通常の電気メッキ装置においては、装置の反応器内の電気メッキ溶液に装置のアノード(消耗品または非消耗品)を浸すことにより、ワークピースの表面に所望の電位を発生させて金属堆積を実現する。これまで採用されているアノードは通常、大略ディスク状の構成であり、アノードの大略上方に間隔を空けて配置された穿孔拡散板を介して、アノードの周辺に電気メッキ溶液が案内される。電気メッキ溶液は、拡散板を通り、当該拡散器上の適所に保持された関連するワークピースに対して流れる。金属堆積の均一性は、表面上への金属の堆積に際してワークピースを回転駆動することにより向上する。
【0006】
ただし、市場においては依然として、電解金属の堆積、特に電解金属の垂直堆積のための改良された装置および当該改良された新たな装置を用いる方法の提供が強く求められている。
【0007】
特に、従来技術において既知の装置を利用するシステム保守、交換、および点検においては一般的に、多くの労働力が必要となる一方、多大な時間を要することから、プロセス全体が非効率的かつ高コストとなっている。このような作業では、アノード等の不可欠なシステムコンポーネントを交換可能とするために、電解金属堆積装置全体のビルドダウンを行う。したがって、通常少なくとも1営業日にわたるこれらの期間中は、装置全体を停止させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上の従来技術を考慮して、本発明の第1の目的は、既知の従来技術装置に関する上述の欠点がない、基板上への電解金属の垂直堆積装置を提供すること、特に、有利な複合ユニットをこれに適した種類の容器と併せて構成するのに適した装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の第2の目的は、基板上への電解金属の垂直堆積装置の受容のみならず、このような装置と併せて有利な複合ユニットを構成するのにも適した一種の容器を提供すること、特に、システム保守、交換、および点検の要求に合わせて複合ユニットの機能を改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの目的および明記はしていないが導入として本明細書に記載の関連性から直ちに導出または認識可能なその他の目的については、請求項1のすべての特徴を有する装置によって達成される。本考案装置の然るべき改良は、従属請求項2〜8において保護される。さらに、請求項9は、少なくともこのような考案装置を受容するのに適した考案容器を含み、本考案容器の然るべき改良は、従属請求項10〜14において保護される。さらに、請求項15は、電解金属、特に銅の、基板上への堆積のための少なくとも1つの上記考案装置の上記考案容器内での使用を含む。
【0011】
したがって、本発明は、電解金属、好適には銅の、基板上への垂直堆積装置において、少なくとも1つの貫通管路を有する少なくとも1つの第1のアノード要素と、少なくとも1つの貫通管路を含む少なくとも1つの第1の支持要素と、処理溶液を前記少なくとも1つの第1の支持要素内に導く少なくとも1つの第1の流体供給要素と、少なくとも1つの第1の固定手段と、少なくとも1つの第1の電気接続要素とを備え、前記少なくとも1つの第1のアノード要素および前記少なくとも1つの第1の支持要素が互いに堅く接続され、当該装置の受容に適した容器内に当該装置全体を取り外し可能に固定する前記少なくとも1つの第1の固定手段および前記少なくとも1つの第1のアノード要素に電流を供給する前記少なくとも1つの第1の電気接続要素の両者が、前記少なくとも1つの第1の支持要素の背面上に配置されたことを特徴とする装置を提供する。
【0012】
これにより、予見し得ない様態にて、既知の従来技術装置に関する上述の欠点がない、基板上への電解金属の垂直堆積装置を提供すること、特に、有利な複合ユニットをこれに適した種類の容器と併せて構成するのに適した装置を提供することができる。
【0013】
また、本発明は、基板上への電解金属の垂直堆積装置の受容のみならず、このような装置と併せて有利な複合ユニットを構成するのにも適しており、特に、システム保守、交換、および点検のための当該複合ユニットの機能に含まれる容器を提供する。
【0014】
本発明のより完全な理解を可能とするため、添付の図面と併せて考慮した以下の発明の詳細な説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の好適な一実施形態に係る装置の模式的な正面斜視図である。
【
図2】本発明の好適な一実施形態に係る装置の模式的な背面斜視図である。
【
図3】本発明の好適な一実施形態に係る装置を受容した容器の模式図である。
【
図4】本発明の好適な一実施形態に係る装置を受容するのに適した容器の模式的な上面斜視図である。
【
図5】本発明の好適な一実施形態に係る装置を受容した容器の模式的な上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書において、用語「電解金属」は、本発明に係る、基板上への電解金属の垂直堆積装置に適用する場合、このような垂直堆積方法に適することが知られた金属を表す。そのような電解金属としては、金、ニッケル、および銅が挙げられ、好ましくは銅である。
【0017】
なお、処理する基板に対する電解液の体積流量が一定となるように、少なくとも1つの第1のアノード要素の各貫通管路は、少なくとも1つの第1の支持要素の少なくとも1つの各貫通管路と整列している必要がある。
【0018】
本明細書において、用語「堅く接続」は、少なくとも1つの第1の支持要素と当該支持要素の前方にある少なくとも1つの第1のアノード要素とを大きな距離を隔てずに接続することを表す。無視できない程の大きな距離が存在すると、支持要素の貫通管路を通過してから第1のアノード要素の各貫通管路に到達するまでに電解液の流れが広がって、都合が悪い。
【0019】
堅く接続された第1の支持要素と第1のアノード要素との間のこのような距離は、50mm未満、好ましくは25mm未満、より好ましくは10mm未満であれば都合が良いことが分かっている。
【0020】
本明細書において、第1の支持要素に関する用語「背面」は、第1のアノード要素が配置されるように構成された第1の支持要素の面に関する当該第1の支持要素の反対面を表す。
【0021】
本発明は、0.1〜30m/s、好ましくは0.5〜20m/s、より好ましくは1〜10m/sの範囲で処理溶液の体積流速を一定にした装置を提供する。
【0022】
少なくとも1つの第1の支持要素の総厚は、4mm〜25mm、好ましくは6mm〜18mm、より好ましくは8mm〜12mmの範囲である。一方、少なくとも1つの第1のアノード要素の総厚は、1mm〜20mm、好ましくは2mm〜10mm、より好ましくは3mm〜5mmの範囲である。
【0023】
本発明の好適な一実施形態において、少なくとも1つの第1のアノード要素および/または少なくとも1つの第1の支持要素の貫通管路は、0.2mm〜10mm、好ましくは1mm〜8mm、より好ましくは2mm〜5mmの範囲で同じかまたは異なる平均直径を有し得る。
【0024】
本発明の好適な一実施形態において、少なくとも1つの第1のアノード要素および/または少なくとも1つの第1の支持要素の貫通管路は、同じかまたは異なる長さを有し得る。
【0025】
本発明においては、処理溶液の流入が処理溶液の外部源、特に少なくとも1つの処理溶液供給手段から、第1の流体供給要素を通り、少なくとも1つの第1の支持要素に流れ込んでいて都合が良いことが分かっている。ここで、処理溶液の流入は、可能であれば同一かまたは少なくとも相対的に同様の圧力で少なくとも1つの第1の支持要素の背面上の貫通管路の開口に到達することにより、同一かまたは少なくとも相対的に同様の体積流量および体積流速を有し、第1に少なくとも1つの第1の支持要素の貫通管路を通り、第2に少なくとも1つの第1のアノード要素の貫通管路を通って処理する基板の表面に到達する体積流量を一定にしたものであれば都合が良いことが分かっている。
【0026】
一実施形態において、この装置は、少なくとも1つの第1のアノード要素および好ましくは少なくとも1つの第1の支持要素に取り外し可能に接続された第2の支持要素をさらに備え、当該少なくとも1つの第1のアノード要素および好ましくは当該少なくとも1つの第1の支持要素は、少なくとも一部、好ましくは全部が第2の支持要素に囲まれ、第2の支持要素および第1のアノード要素の上縁が整列または非整列、好ましくは整列とされており、および/または第2の支持要素が、少なくとも1つの第1のアノード要素の前面上、特にリング上に配置された少なくとも部分的、好ましくは完全に包囲する要素である。
【0027】
好適な一実施形態において、第2の支持要素は、第1の支持要素の一部である。
【0028】
この装置の一実施形態においては、少なくとも1つの第1のアノード要素の少なくとも一部、好ましくは全部が少なくとも1つの第1の支持要素に囲まれ、少なくとも1つの第1の支持要素の少なくとも1つの第1のアノード要素側の面が、当該少なくとも1つの第1の支持要素および当該少なくとも1つの第1のアノード要素の上縁が整列または非整列、好ましくは整列となるように当該少なくとも1つの第1のアノード要素を収容する空洞を有する。
【0029】
このような装置は、第1の支持要素および第1のアノード要素の上縁の好適な整列に基づいて、配置が非常にコンパクトとなる。このように、第1のアノード要素は、従来技術において知られているような第1の支持要素から間隔を空けた当該装置の別個の部品ではなく、装置が小型化されてコスト削減につながる均一な装置ユニットを表す。第1のアノード要素は、装置全体の安定性にも対応する。
【0030】
処理する基板の各面と対向する少なくとも1つの第1の支持要素および少なくとも1つの第1のアノード要素の面が、当該少なくとも1つの第1の支持要素と当該少なくとも1つの第1のアノード要素との高さの違いの形態の障害なく均一な平坦表面を有するという事実に起因する当該少なくとも1つの第1のアノード要素の総厚に関する上述の制限は、当該少なくとも1つの第1の支持要素および当該少なくとも1つの第1のアノード要素の上縁の整列によって対応される。
【0031】
この装置の一実施形態においては、第1のアノード要素および第1の支持要素が、当該第1のアノード要素または当該第1の支持要素の各中心周りの同心円の形態で当該第1のアノード要素または当該第1の支持要素の各表面上にそれぞれ配置された複数の貫通管路を備え、および/または第1のアノード要素の上記複数の貫通管路が、当該第1のアノード要素の表面上の垂線に関して0°〜80°、好ましくは10°〜60°、より好ましくは25°〜50°、または0°の角度を有する直線の形態で当該第1のアノード要素を貫通しており、および/または貫通管路が丸型、好ましくは楕円形の断面、および/または長円孔の断面を有し、当該長円孔が好ましくは第1のアノード要素の中心から外側に配向しており、および/または第1の支持要素の上記複数の貫通管路が、当該支持要素の表面上の垂線に関して10°〜60°、好ましくは25°〜50°の角度を有する直線の形態で当該第1の支持要素を貫通しており、および/または貫通管路が丸型、好ましくは円形の断面を有する。
【0032】
この装置の一実施形態においては、第1のアノード要素が少なくとも2つの部分を備え、当該アノード要素の各部分が互いに独立して電気的に制御および/または調整可能であり、および/または1つの第1の電気接続要素が、当該第1の電気接続要素と当該装置のアノード要素のアノード部分とを接続する少なくとも1つの第2の電気接続要素によって、少なくとも1つ、好ましくは厳密に1つのアノード部分に電流を供給し、第1の電気接続要素が、当該装置の第1の支持要素に当該第1の電気接続要素を取り外し可能に固定する少なくとも1つの第1の固定要素をさらに備える。
【0033】
ここで、これらのアノード部分間には、非導電層および/または中間空間が存在可能である。特に、処理する基板の表面の所望部位における金属、特に銅の堆積を抑制するには、電流の制御および/または調整が好都合となる可能性がある。
【0034】
本発明においては、1つのアノード部分に対して、第2の電気接続要素を可能な限り多く利用することにより、各アノード部分の表面上の電気力線を均等化して、理論的には、理想的な電界を生成する最良の形態を提供するのが望ましい。ただし、このように第2の電気接続要素が理論的に多数であると、アノード部分の表面上の開口数が最多となって、処理溶液を失う危険性が大幅に高くなる可能性がある。さらに、少なくとも1つの第1のアノード要素の貫通管路を提供するのに適したアノード表面を大幅に失って、処理する平行配置基板上への電解金属の堆積が不良となる。以上から、十分に均等な電界の生成に対する要求と同時に、第2の電気接続要素の開口による漏洩によって処理溶液が失われることのないように安全を最大化することの妥協点を見出す必要がある。このように、最内のアノード部分には、当該アノード部分の中心に配置された1つの第2の電気接続要素と、これらの外部の、他のアノード部分に対して互いに対向して配置された2つの第2の電気接続要素とが最低限必要である。
【0035】
本発明においては、1つの第1の電気接続要素から、厳密に1つのアノード部分に対して電流を供給するのが好ましい。技術的には、1つの第1の電気接続要素によって、2つ以上のアノード部分に電流を供給可能である。ただし、そのためには、当該1つの第1の電気接続要素の内側に中間の電気絶縁層を追加する必要があり、厳密に1つの第1の電気接続要素を利用する場合よりもシステムが複雑になって、非効率的となり、さらに重要なこととしてコストが高くなる。
【0036】
この装置の一実施形態においては、少なくとも1つの第1の固定手段が、窪み、トラック、ガイドバー、および/または目違い継ぎの一部分等の円形ガイド要素または線形ガイド要素を含む少なくとも1つの案内要素を備え、および/または第1の固定手段が、当該装置の第1の支持要素に当該第1の固定手段を取り外し可能に固定する少なくとも1つの第2の固定要素をさらに備え、および/または第1の固定手段および第1の電気接続要素が、少なくとも1つの第1の複合装置要素を構成し、当該第1の電気接続要素が当該第1の固定手段の一部としても機能する。
【0037】
特に、第1の電気接続要素が第1の固定手段の一部としても機能するこのような第1の複合装置要素を使用することによって、本発明の目的を達成するのに必要な装置要素の数をさらに最少化することができ、当該電解金属堆積装置の監視、制御、および/または調整がはるかに容易化されるという利点がある。さらに、必要な装置要素の数が最少化されることにより当然、コスト、作業時間、および労働力が削減される。
【0038】
一実施形態において、この装置は、好ましくは第1の支持要素の背面の中心に1つの複合装置要素または少なくとも2つの複合装置要素を備え、当該複合装置要素が、当該装置のアノード要素のアノード部分の幾何学的構造とは独立して、当該装置の第1の支持要素の背面上における付加的な第1の電気接続要素の有無いずれかにて配置され、好ましくは少なくとも2つの複合装置要素が第1の支持要素の背面の外部領域に配置される一方、付加的な第1の電気接続要素が存在する場合は、当該第1の支持要素の背面のこれら少なくとも2つの複合装置要素間の領域に配置されている。
【0039】
このような構成は、適当な種類の容器により後で受容するのに適して設けられた装置の幾何学的安定性に利点がある。
【0040】
一実施形態において、この装置は、当該装置の上記容器からの撤去または当該装置の当該容器への挿入を行う手動または自動手順に対応するのに適した少なくとも1つの第1の把持要素をさらに備え、当該第1の把持要素が、取り外し可能または取り外し不可能に当該装置、好ましくは第1の支持要素に接続されている。
【0041】
このような第1の把持要素としては、装置の容器からの上記のような手動または自動撤去に対応するのに適した任意の種類の機械的装置要素が可能である。第1の把持要素としては、ハンドル要素および/またはフック要素が可能であると好ましい。
【0042】
さらに、本発明の第2の目的は、上記のような少なくとも1つの装置と、処理する基板の受容に適した少なくとも1つの基板ホルダーとを受容するのに適した容器であって、少なくとも1つの第1の装置および少なくとも1つの第1の基板ホルダーが、互いに平行に配置されるように構成され、当該容器が、閉塞可能な天井部、少なくとも1つの第2の固定手段、少なくとも1つの第3の電気接続要素、および少なくとも1つの第1の封止要素をさらに備え、第2の固定手段および第3の電気接続要素が、当該容器の内壁のうちの少なくとも1つに配置されることにより、上記挿入された少なくとも1つの第1の装置の背面上の少なくとも1つの第1の固定手段および少なくとも1つの第1の電気接続要素に取り外し可能に接続され、第1の封止要素が、少なくとも1つの第1の装置の少なくとも1つの第1の流体供給要素と当該容器とを取り外し可能に接続して処理溶液の漏洩を防止するように設けられ、閉塞可能な天井部が、少なくとも1つの第1の装置全体が完成ユニットとして撤去または挿入可能な程度まで開放可能である容器を提供することによって達成される。
【0043】
これにより、予見し得ない様態にて、上記のような、基板上への電解金属の垂直堆積装置の受容のみならず、このような装置と併せて有利な複合ユニットを構成するのにも適しており、特に、システム保守、交換、および点検のための当該複合ユニットの機能に含まれる容器を提供することができる。
【0044】
本発明の容器は、少なくとも1つの第1の流体供給要素と当該容器との取り外し可能な接続を開放すること、第2の固定手段および第3の電気接続要素と少なくとも1つの第1の固定手段および少なくとも1つの第1の電気接続要素との取り外し可能な各接続を開放すること、また当然のことながら当該容器自体の天井部を開放することのほかに、大きな障害なく、少なくとも第1の装置全体を容易に挿入および撤去可能である。
【0045】
特に、本発明の容器であれば、通常は多くの労働力および多大な時間を要して非効率的かつ高コストとなる大幅に改良されたシステムの保守、消耗材料および/または欠陥材料の交換、ならびに点検が可能である。アノード等の不可欠なシステムコンポーネントを交換可能とするのに必要な電解金属堆積装置全体のビルドダウンも不要である。したがって、通常少なくとも1営業日にわたるこれらの期間中に装置全体を中断および/または停止させる必要はもはやない。
【0046】
さらに、上記のような考案容器中に配置された上記のような考案装置は、本発明のさらに別の目的を果たす。すなわち、このような少なくとも1つの装置および容器を備えた完成ユニットの全体サイズは、静止位置で構築された周知の従来技術装置よりもはるかに小さい。したがって、特に処理する基板が高コストなクリーンルーム領域を必要とするウェハである場合は、完成ユニットが非常に小さいという事実から、これら既知の装置およびシステムに比べてコストの大部分が削減される。
【0047】
また、このような容器のサイズ縮小によって、電解金属堆積プロセスを実行するのに必要な化学的電解槽コンポーネントの量が大幅に少なくなる。この結果、コスト、必要な材料、および電流等の資源も抑えられる。
【0048】
本発明において、この容器は、電解金属、特に銅の堆積プロセスに適した器、箱、または一般的に任意の種類の室内が可能であり、当該容器は、規定の処理領域を生成するように閉塞可能であり、および/または可動または非可動である。
【0049】
好適な一実施形態において、この容器は、2つの対向する内壁に配置された第3の電気接続要素および第2の固定手段を備えることによって、処理する基板の両面上に電解金属、特に銅を堆積できる上記のような2つの考案装置を受容可能である。
【0050】
本発明においては、1つの第3の電気接続要素から、厳密に1つのアノード部分に対して電流を供給するのが好ましい。技術的には、1つの第3の電気接続要素によって、2つ以上のアノード部分に電流を供給可能である。ただし、そのためには、当該1つの第3の電気接続要素の内側に中間の電気絶縁層を追加する必要があり、厳密に1つの第3の電気接続要素を利用する場合よりもシステムが複雑になって、非効率的となり、さらに重要なこととしてコストが高くなる。
【0051】
一実施形態において、この容器の天井部は、角度付きの天井部または平らな天井部が可能であり、特にその開放のため、水平方向に可動である。
【0052】
天井部は特に、処理する基板を備えた基板ホルダーのみならず、装置全体の挿入または撤去が可能であり、システムの保守および制御を容易に行うことができて非常に都合が良い。
【0053】
一実施形態において、処理する少なくとも1つの第1の基板は、丸型、好ましくは円形、もしくは角型、好ましくは長方形、正方形、または三角形等の多角形、または半円等の丸型および角型構造要素の混合であり、および/または処理する少なくとも1つの第1の基板が、丸型構造の場合は50mm〜1000mm、好ましくは100mm〜700mm、より好ましくは120mm〜500mmの範囲の直径を有し、角型、好ましくは多角形構造の場合は10mm〜1000mm、好ましくは25mm〜700mm、より好ましくは50mm〜500mmの範囲の辺長を有しており、および/または処理する少なくとも1つの第1の基板が、プリント配線板、プリント配線箔、半導体ウェハ、太陽電池、光電セル、またはモニタセルである。
【0054】
さらに、本発明によれば、第1および/または第3の装置要素の少なくとも1つの第1のアノード要素および/または少なくとも1つの第1の支持要素の全体形状は、処理する基板および/または第2の装置要素の基板ホルダーの全体形状に適応させたものとすることも可能である。これにより、電解金属の堆積は、装置構成の所要条件を抑えることによって、より効率的かつ低コストにすることができる。
【0055】
この容器の好適な一実施形態においては、少なくとも1つの第2の固定手段が、少なくとも1つの第1の装置の少なくとも1つの第1の固定手段の窪み、トラック、ガイドバー、および/または目違い継ぎの一部分等の円形ガイド要素または線形ガイド要素を含む案内要素の対向片を提供する。
【0056】
本発明の好適な一実施形態において、少なくとも1つの第2の固定手段は、上記装置の第1の固定手段と連動しつつその自由度を低減することによって、当該装置の第1の支持要素とこの容器との間に取り外し可能な接続を構成する要素である必要がある。特に、少なくとも1つの第2の固定手段は、設定を後で追加して行う必要がないように提供するものとする。このシステムは自動的に設定されるため、ユーザは、装置を容器に挿入し、当該容器の第2の固定手段および第3の電気接続要素と当該装置の第1の固定手段および第1の電気接続要素との間の取り外し可能な接続を閉塞し、当該装置の第1の流体供給要素および当該容器の取り外し可能な接続を閉塞することによって、電解金属堆積プロセスを実行しさえすればよい。
【0057】
好適な一実施形態において、この装置およびこの容器は、当該容器の第3の電気接続要素の配置を変えさえすればよいという事実により、ユーザに大きな障害を及ぼしたり多大な時間を浪費させたりすることなく、異なるアノード部分間の距離等のアノード部分の形状を非常に柔軟に変更可能であるという利点がある。
【0058】
この容器の別の好適な実施形態において、上記のような考案装置の少なくとも1つの第1の電気接続要素および上記のような考案容器の第3の電気接続要素は、ネジまたはピン等の少なくとも1つの第4の電気接続要素によって取り外し可能に接続されている。
【0059】
好適な一実施形態において、この装置およびこの容器の電気接続要素は、少なくとも1つの部品、特に少なくとも2つの部品で構成可能であって、2つ以上の部品が存在する場合には互いに間隔を空けるのが好ましい。
【0060】
本発明の一実施形態において、この容器は、少なくとも1つの第5の電気接続要素および少なくとも1つの第6の電気接続要素をさらに備え、第5の電気接続要素が、第3の電気接続要素から当該容器の壁を貫通しており、第5の電気接続要素が、少なくとも1つの第3の固定要素によって当該容器の外壁に取り外し可能に接続され、第6の電気接続要素が、電流ケーブル用のプラグイン要素および/またはボルト締めアセンブリである。
【0061】
これによっても、従来技術において既知の容器および装置に比べて、大幅な利点が得られる。容器内の処理溶液流体システムの外側に乾燥入力があるため、このような容器内でユーザが電流ケーブルを取り扱う必要なく、電流ケーブルの容易な差し込みおよび抜き取りおよび/またはボルト締めアセンブリの生成が可能となるためである。このため、従来技術においてはこのような容器内で使用していた電流ケーブルを絶縁するための高価な材料および絶縁手順の利用が回避される。
【0062】
第6の電気接続要素は、電流ケーブルを非常に効率的かつ迅速に挿入および/または撤去する高速接続要素であるのが好ましい。
【0063】
容器内の処理溶液および/または任意の流体が当該容器の外側の領域に到達することがないように、第5および/または第6の電気接続要素を封止する第2の封止要素が設けられているのが好ましい。
【0064】
本発明の別の実施形態においては、この容器の第2の固定手段および第3の電気接続要素が、少なくとも1つの第2の複合装置要素を構成し、少なくとも1つの第1の装置の第1の固定手段および第1の電気接続要素が、少なくとも1つの第1の複合装置要素を構成する場合、第3の電気接続要素が第2の固定手段の一部としても機能し、第1の電気接続要素が第1の固定手段の一部としても機能する。
【0065】
特に、第3の電気接続要素が第2の固定手段の一部としても機能するこのような第2の複合装置要素を使用することによって、好ましくは受容した装置の少なくとも1つの第1の複合装置要素との併用の場合、本発明の目的を達成するのに必要な装置要素の数をさらに最少化することができ、当該電解金属堆積装置の監視、制御、および/または調整がはるかに容易化されるという利点がある。さらに、必要な装置要素の数が最少化されることにより当然、コスト、作業時間、および労働力が削減される。
【0066】
本発明の一実施形態において、この容器は、少なくとも1つの第1の装置および少なくとも1つの第1の基板ホルダーとそれぞれ平行に配置されるように構成された本発明の少なくとも1つの第2の装置を受容するのにさらに適している。
【0067】
また、第1の装置と同じであるか、または異なり得るこのような第2の装置を受容することによって、本発明の容器および装置は、処理する基板の両面上への金属、特に銅の堆積のみならず、処理する基板の相互接続孔における電解金属の架橋を首尾よく効果的に行った後、閉鎖空隙、ガス、電解液等の発生なく孔を充填するのにも適している。
【0068】
また、上記のような考案容器内の上記のような少なくとも1つ、好ましくは2つの考案装置を用いることによって、電解金属、特に銅の、基板上への堆積、好ましくは基板の両面上への堆積、特に同時堆積を行うことができる。
【0069】
以上のように、本発明は、電解金属、特に銅の、処理する基板上への堆積プロセスに必要な空間を最小限に抑えるという課題に対処すると同時に、コストをさらに削減可能である。また、この考案装置およびこの考案容器は、資格の上で劣っているために安価である人員がこれらの目標を達成できるようにすることで、このような装置および容器の改良された、かつ、より簡便な使用方法を提供する。
【0070】
以下の非限定的な例は、本発明の好適な一実施形態を説明するために提供されており、この装置の第1のアノード要素が当該装置の第1の支持要素に完全に囲まれ、第1の支持要素の第1のアノード要素側の面が、当該第1の支持要素および当該第1のアノード要素の上縁が整列となるように当該第1のアノード要素を収容する空洞を有する。この好適な実施形態は、本発明の理解を容易にするが、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を制限するものではない。
【0071】
ここで図面を参照して、
図1は、第1のアノード要素2、第1の支持要素3、流体供給要素4、および第1の把持要素15を備えた本発明の好適な一実施形態に係る装置1の模式的な正面斜視図である。さらに、第1のアノード要素2は、第1、第2、第3、および第4のアノード部分7、8、9、10に細分される。このような考案装置1の模式正面図においては、特許請求の範囲に含まれる第1のアノード要素2の少なくとも1つの貫通管路を図示していないが、各アノード部分7、8、9、10は、複数の貫通管路を有し得るのが好ましい。また、第1のアノード要素2を第1の支持要素3に固定するとともに、好ましくは各アノード部分7、8、9、10に独立して電流を供給するのに必要な任意の固定または電気接続要素についても図示していない。
【0072】
図2は、第1の把持要素15’および流体供給要素4’を備えた本発明の好適な一実施形態に係る装置1’の模式的な背面斜視図である。さらに、第1の支持要素3’の背面の外側領域に配置された2つの第1の固定手段5が設けられている。本発明の好適な本実施形態において、これら2つの第1の固定手段5は、設けられた3つの第1の電気接続要素6のうちの2つと併せて、2つの第1の複合装置要素14を表している。ここで、第1の固定手段5はそれぞれ、4つの第2の固定要素13によって、第1の支持要素3’の背面上に固定されている。これら2つの第1の複合装置要素14の中間には、その他2つと同一の3つ目の第1の電気接続要素6が存在する。3つの第1の電気接続要素6はすべて、4つの第1の固定要素12および2つの第2の電気接続要素11を備え、特筆すべきこととしては、これら2つの第2の電気接続要素11が第1の各電気接続要素6の異なる部位に配置されることによって、装置1’の前面上の各アノード部分に対して十分に均等な電界を生成している。
【0073】
図3は、少なくとも1つの装置1’’を挿入または撤去するための閉塞可能な天井部17を備えた本発明の好適な一実施形態に係る装置1’’を受容した容器16の模式図である。3つの第3の電気接続要素18を図示しており、これらは、受容した装置1’の第1の電気接続要素(不図示または良好な視認不可)に電流を送ることにより、さらに第2の電気接続要素(不図示)によって、装置1’’の第1のアノード要素の単一のアノード部分に電流を送るものとする。ただし、これら3つの第3の電気接続要素18自体に電流を導くため、本発明の好適な本実施形態は、2つの第3の固定要素22によって容器16の外側にそれぞれ固定された6つの第5の電気接続要素20をさらに備える。これら第5の電気接続要素20は、容器16の外側から当該容器16内の第3の電気接続要素18まで延びている。また、第5の電気接続要素20はそれぞれ、好ましくは高速接続要素として設けられた電流ケーブルのプラグインとして使用可能な第6の電気接続要素21を備える。
【0074】
図4は、少なくとも1つの装置を挿入または撤去するための閉塞可能な天井部17’を備えた本発明の好適な一実施形態に係る装置を受容するのに適した容器16’の模式的な上面斜視図である。容器16’の左側内壁上には、3つの第3の電気接続要素18’を図示しており、これらは、受容に適した装置の第1の電気接続要素(不図示)に電流を送るものとする。3つの第3の電気接続要素18’はそれぞれ、当該第3の電気接続要素18’それぞれとの電気コンタクトを閉塞または開放するのに役立つ第4の電気接続要素19を備える。これら3つの第3の電気接続要素18’のうちの中央の要素は、説明のために、このような第4の電気接続要素19なしで図示しているが、通常は1つ存在する。さらに、容器16’は、2つの第3の固定要素22’によって容器16’の外側に固定された複数の第5の電気接続要素20’を備える。これら第5の電気接続要素20’は、容器16’の各外側から当該容器16’の各内壁上の第3の電気接続要素18’まで延びている。
【0075】
図4においては、説明をより分かり易くするため、容器16’の右側外壁上には第5の電気接続要素20’のみを、容器16’の左側内壁上には第3の電気接続要素18’および第4の電気接続要素19のみを図示している。これらは、本発明の意味において、容器16’の左外側から当該容器16’内に延びる第5の電気接続要素20’に接続されている(不図示)。一方、容器16’の右側外壁上に図示した第5の電気接続要素20’は、容器16’の右側外壁から、当該容器16’の右側内壁上の第3の電気接続要素18’および第4の電気接続要素19まで延びている(不図示)。また、第5の電気接続要素20’はそれぞれ、好ましくは高速接続要素として設けられた電流ケーブルのプラグインとして使用可能な第6の電気接続要素21’を備える。
【0076】
図5は、少なくとも1つの装置を挿入または撤去するための閉塞可能な天井部17’’を備えた本発明の好適な一実施形態に係る2つの装置1’’’を受容した容器16’’の模式的な上面図である。容器16’’は、第3の電気接続要素それぞれとの電気コンタクトを閉塞または開放するのに役立つ複数の第4の電気接続要素19’を明示している。左側のこれら3つの第3の電気接続要素のうちの中央の要素は、説明のために、このような第4の電気接続要素19’なしで図示しているが、通常は1つ存在する。
【0077】
当然のことながら、本明細書に記載の実施形態はほんの一例に過ぎず、当業者は、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、多くの変形および改良を行うことができる。このような変形および改良はすべて、上述したものも含めて、添付の特許請求の範囲に規定する本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0078】
1、1’、1’’、1’’’ 装置
2 第1のアノード要素
3、3’ 第1の支持要素
4、4’ 流体供給要素
5 第1の固定手段
6 第1の電気接続要素
7、8、9、10 第1、第2、第3、第4のアノード部分
11 第2の電気接続要素
12 第1の固定要素
13 第2の固定要素
14 第1の複合装置要素
15、15’ 第1の把持要素
16、16’、16’’ 容器
17、17’、17’’ 閉塞可能な天井部
18、18’ 第3の電気接続要素
19、19’ 第4の電気接続要素
20、20’ 第5の電気接続要素
21、21’ 第6の電気接続要素
22、22’ 第3の固定要素