特許第6266126号(P6266126)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6266126調光器対応の無線周波数(RF)制御ランプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266126
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】調光器対応の無線周波数(RF)制御ランプ
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20180115BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
   H05B37/02 U
   H05B37/02 C
   H05B37/02 A
   H04Q9/00 301A
【請求項の数】15
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-558703(P2016-558703)
(86)(22)【出願日】2015年3月12日
(65)【公表番号】特表2017-510952(P2017-510952A)
(43)【公表日】2017年4月13日
(86)【国際出願番号】IB2015051792
(87)【国際公開番号】WO2015145287
(87)【国際公開日】20151001
【審査請求日】2016年9月23日
(31)【優先権主張番号】61/969,517
(32)【優先日】2014年3月24日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】リナーツ ヨハン‐ポール マリエ ゲラルド
(72)【発明者】
【氏名】ディックスラー ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ジョー イーフェン
(72)【発明者】
【氏名】ブーネン ポール テオドルス ヤコブス
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−050313(JP,A)
【文献】 特開2012−023010(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0266974(US,A1)
【文献】 特表2015−515092(JP,A)
【文献】 特表2015−526849(JP,A)
【文献】 特開2013−149497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源からの入力主電源電圧の位相カット角を可調整調光レベルに従って調整する調光器、及びオン状態とオフ状態との間の選択を行う電子スイッチの少なくとも一方に接続するのに適した無線周波数(RF)制御される照明ユニットであって、
固体光源と、
無線制御信号を受信して、当該照明ユニットの制御を可能にする無線回路と、
前記調光器又は前記電子スイッチから入力される前記入力主電源電圧を整流する整流器回路と、
前記固体光源を整流された前記入力主電源電圧に応答して駆動すると共に、前記無線回路に電力を供給する第1電力変換器と、
前記整流された入力主電源電圧の前記位相カット角又は前記電子スイッチのオフ状態により前記整流された入力主電源電圧が前記第1電力変換器にとり不十分となった場合に、前記無線回路に電力を供給する第2電力変換器と、
を有する、照明ユニット。
【請求項2】
前記無線回路が、更に、前記整流された入力主電源電圧の前記位相カット角又はオフ状態が全機能にとり十分である場合に前記第1電力変換器から電力を受け、前記整流された入力主電源電圧の前記位相カット角又はオフ状態が全機能にとり不十分となった場合に前記第2電力変換器から代わりに電力を受ける、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項3】
前記無線回路が、更に、前記第2電力変換器から電力を受ける場合にユーザに対して少なくとも1つのメッセージを送信する、請求項2に記載の照明ユニット。
【請求項4】
前記無線回路が、更に、前記第2電力変換器からの電力しか利用可能でない場合にエネルギ消費を低減し、該エネルギ消費の低減が前記ユーザに対して送信されるメッセージのタイプを選択的に減少させることによる送信活動の低減を含む、請求項3に記載の照明ユニット。
【請求項5】
送信される唯一のタイプのメッセージが、要求された照明レベルが前記整流された入力主電源電圧の現在の位相カット角又は前記電子スイッチの状態では達成することができないことを警告する警告メッセージである、請求項4に記載の照明ユニット。
【請求項6】
前記第2電力変換器は、前記第1電力変換器と並列に接続されると共に、
前記固体光源が前記主電源から十分な電力を抽出しない場合でも最小限の電流が当該照明ユニットを介して流れるように前記入力主電源電圧に抵抗性負荷を掛けて、前記固体光源が前記整流された入力主電源電圧の位相カット角又は前記電子スイッチのオフ状態により光を放出しないことを保証する抵抗性ブリーダ回路と、
前記抵抗性ブリーダ回路に接続され、前記固体光源が前記主電源から十分な電力を抽出しない場合に前記無線回路に電力を供給して該無線回路が前記無線制御信号を受信することを可能にする電力抽出器と、
を有する、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項7】
前記電力抽出器が前記抵抗性ブリーダ回路と直列に接続される、請求項6に記載の照明ユニット。
【請求項8】
前記抵抗性ブリーダ回路がブリーダ抵抗を有する、請求項6に記載の照明ユニット。
【請求項9】
前記抵抗性ブリーダ回路が、前記ブリーダ抵抗に直列に接続されたブリーダコンデンサを更に有する、請求項8に記載の照明ユニット。
【請求項10】
前記抵抗性ブリーダ回路は実質的に一定の電流を供給する電流源を有し、該電流源が、
ブリーダトランジスタと、
前記ブリーダトランジスタのエミッタに接続されたエミッタ抵抗と、
前記ブリーダトランジスタのベースに接続されたベース抵抗と、
前記ブリーダトランジスタのベースと電圧Vccとの間に接続されたブリーダツェナーダイオードと、
を有する、請求項6に記載の照明ユニット。
【請求項11】
前記無線回路が、
遠隔制御装置から前記無線制御信号を受信すると共に、電力線又はセンサからの制御信号を測定する送受信器と、
前記無線制御信号及び前記測定された制御信号に対する応答を決定及び実行するマイクロコントローラと、
を有する、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項12】
前記遠隔制御装置が、手持ちRF送信器又はユーザに対し遠隔制御機能をアプリケーションとして提供するスマートフォンを有する、請求項11に記載の照明ユニット。
【請求項13】
前記無線制御信号は前記遠隔制御装置から、該無線制御信号を中継すると共に或る規格から他のものへ翻訳するルータ又はブリッジを介して受信される、請求項12に記載の照明ユニット。
【請求項14】
前記マイクロコントローラは、前記送受信器を介して前記遠隔制御装置にメッセージを送信し、所望の照明レベルを得るために前記調光器を手動で操作することについての命令を更に供給する、請求項11に記載の照明ユニット。
【請求項15】
前記マイクロコントローラは、前記固体光源を前記電力線又は前記無線制御信号を介して以前に送信された最後に指定された又は最も低く指定された調光レベルで光を出力するように設定する、請求項11に記載の照明ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、広くは固体照明器具の制御に関する。更に詳細には、ここに開示される種々の本発明の装置及び方法は、調光器対応ランプを遠隔的に制御することに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] デジタル又は固体照明技術、即ち発光ダイオード(LED)等の半導体光源に基づく照明は、伝統的な蛍光灯、高輝度放電(HID)ランプ及び白熱電球に対する発展性のある代替品を提供している。LEDの機能的利点及び有益性は、高いエネルギ変換及び光学効率、耐久性、低運転コスト並びに多くの他のものを含む。LED技術における近年の進歩は、多くの用途において種々の照明効果を可能にするような効率的且つ丈夫な全スペクトル光源を提供している。
【0003】
[0003] これらの光源を具現化した照明器具の幾つかは、例えば米国特許第6,016,038号及び第6,211,626号(参照により、本明細書に組み込まれる)に詳細に説明されているように、白色光及び/又は例えば赤、緑及び青等の異なるカラーの光を生じることができる1以上のLED並びに斯かるLEDの出力を独立に制御して種々のカラー及び色変化照明効果を発生させるためのコントローラ又はプロセッサを含む照明ユニットを特徴としている。LED技術は、Philips Color Kinetics社から入手可能なEssentialWhite(登録商標)等のライン電圧で給電される白色照明器具を含む。EssentialWhite(登録商標)は、220VのACライン電圧(即ち、入力主電源電圧)用の電気的低電圧(ELV)型調光器等の後縁調光器を用いて調光可能である。
【0004】
[0004] 多くの照明応用例が調光器を利用している。従来の調光器は白熱(電球及びハロゲン)ランプに対して良好に動作する。しかしながら、小型蛍光ランプ(CFL)、電子トランスを用いる低電圧ハロゲンランプ並びにLED及びOLED等の固体照明(SSL)ランプを含む他のタイプの電子ランプに対しては問題を生じる。特に、電子トランスを用いる低電圧ハロゲンランプは、入力部に力率補正(PFC)回路を持つ負荷に対して適切に動作するELV型調光器又は抵抗容量(RC)調光器等の特別な調光器を用いて調光することができる。
【0005】
[0005] 従来の調光器は、典型的に、入力主電源電圧信号の各波形における一部を切断(チョップ)し、該波形の残部を照明器具に受け渡す。前縁(リーディングエッジ)又は順方向位相調光器は電圧信号波形の前縁(立ち上がり縁)を切断する。後縁(トレーリングエッジ)又は逆方向位相調光器は、電圧信号波形の後縁(立ち下がり縁)を切断する。LEDドライバ等の電子負荷は、典型的に、後縁調光器により一層良好に動作する。位相切断調光器により生成される切断された正弦波に対して誤差なく自然に応答する白熱性又は他の抵抗性照明装置とは異なり、LED及び他の固体照明負荷は、このような位相切断調光器に対して配置された場合、下端部の抜け、トライアックの点弧ミス、最小限の負荷の問題、上端部のちらつき、及び光出力の大きな段差等の多くの問題を被る。
【0006】
[0006] 無線又は無線周波数(RF)制御照明ユニットは、通常、内蔵の無線送受信器又はモデムを含み、しばしば、“Philips Hue”のように“接続ランプ”と称される。しかしながら、接続ランプは壁調光器又は電子スイッチと組み合わされた場合に常に良好に動作するとは限らない。このような電子スイッチは、例えば、昼光センサ、存在/占有検出器を含む当該照明ユニットの自動運転を可能にする種々のセンサ、又は例えばクリックオンクリックオフ(COCO)ポートフォリオにおけるような遠隔制御されるスイッチにおいて使用される。将来において、複数の制御システム(例えば、無線制御されるランプ+電灯ソケットのグループを切り換えるビル管理システム)が一緒に動作しなければならない場合、電子スイッチは一層普通になり得る。
【0007】
[0007] 殆どの消費者用照明コントローラは2線式装置である。従って、調光器又は電子スイッチが後述するように2線のうちの一方だけを遮断する場合に問題が生じる。事実、殆どの消費者用照明コントローラは、生きた線のみを遮断する2線式装置である。このような構成においては、照明ユニット(又は複数のユニット)を介してオフ状態電流が流れることを可能にする、当該照明コントローラへの中性接続は存在しない。調光器がオフされた場合に当該照明ユニットがちらつかない又は発光しないことを保証するために、オフ状態ブリーダを含めることができる。しかしながら、実際的な問題として、上記調光器又はスイッチがオフ状態の場合、従来の無線制御照明装置における無線ラジオ部(送受信器又はモデム)は、最早、機能しない。
【0008】
[0008] 例えば2線式装置により制御される照明ユニットは、白熱電球の場合におけるように、当該ランプが低インピーダンス負荷に見える場合に良好に動作する。当該ランプは前記調光器又はスイッチを動作状態に維持するために電流経路を提供しなければならない。しかしながら、当該ランプがLEDランプを有する場合、負荷は高インピーダンスであり得るので、当該スイッチを経る非常に小さな残存漏れ電流でもってさえも該ランプが(幾らかの)光を放出し始めると共に自身の内部マイクロコントローラ上で動作するソフトウェアをブートし始め得る。このような挙動は、当該調光器又はスイッチがオフ状態に設定された場合に、見える発光又はちらつきを生じ、好ましくない。
【0009】
[0009] このような望ましくない動作を防止するために、従来のLEDランプは該LEDランプに並列に接続される小型電子回路である“オフ状態ブリーダ”を含むことができる。オフ状態ブリーダは、当該調光器又はスイッチが機能し続けることができるように常に十分な電流が流れると共に、該調光器又は電子スイッチがオフ状態である場合は当該LEDランプがオフ状態に留まることを保証する。この構成は、電子スイッチ又はランプがオフ状態の場合に小さな電流の流れを供給することにより問題を解決する。
【0010】
[0010] しかしながら、前記接続ランプは斯かる電流を流させるには少な過ぎる電力しか取り込まない。結果として調光器又は電子スイッチが最早機能しない場合、再びオンに切り換わらないことがあり得る。また、該接続ランプには自身の主電源電力線コネクタ上に幾らかの電力が見えるので、該ランプは起動しようと試み得る。このような試行の間に該接続ランプはちらつき得、このことはユーザにとり不快であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
[0011] このように、現状技術においては、調光器及び/又は固体照明負荷ドライバ等の照明システムの構成部品の不適切な動作を検出すると共に、斯かる不適切な動作を補正し及び/又は上記固体照明負荷に対する電力を除去して光のちらつき等の望ましくない効果を取り除くための補正動作を認識及び実施することの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[0012] 本開示は、RF制御照明ユニットにおける無線装置(ラジオ装置)のための発明的装置及び方法であって、前記照明ユニットが該無線装置の送受信器及びマイクロプロセッサに電力を供給し続けるためのブリーダ回路から電力を抽出する改良ブリーダ回路を介して、調光器の非常に低い調光状態(整流された入力主電源電圧の低い位相カット角)及び/又は該調光器若しくは電子スイッチのオフ状態の間においても機能し続ける装置及び方法に関するものである。本開示は、相互作用を一層ユーザに優しくさせるための新たなフィーチャも可能にする。
【0013】
[0013] 一態様においては、主電源からの入力主電源電圧の位相カット角を可調整調光レベルに従って調整するように構成された調光器、及びオン状態とオフ状態との間の選択を行うように構成された電子スイッチの少なくとも一方に接続するのに適した無線周波数(RF)制御照明ユニットが概して提供される。該照明ユニットは、固体光源と;無線制御信号を受信して、当該照明ユニットの制御を可能にするように構成された無線回路と;前記調光器又は前記電子スイッチから入力される前記入力主電源電圧を整流するように構成された整流器回路と;前記固体光源を前記整流された入力主電源電圧に応答して駆動すると共に、前記無線回路に電力を供給するように構成された第1電力変換器と;前記整流された入力主電源電圧の前記位相カット角又は前記電子スイッチの前記オフ状態により前記整流された入力主電源電圧が前記第1電力変換器にとり不十分となった場合に前記無線回路に電力を供給するように構成された第2電力変換器と;を含む。
【0014】
[0014] 他の態様においては、主電源からの入力主電源電圧の位相カット角を可調整調光レベル及びオン状態とオフ状態との間の選択を行うように構成された電子スイッチの少なくとも一方に従って調整するように構成された照明ユニットを遠隔的に制御するための方法が提供される。該方法は、抵抗性ブリーダ回路を前記照明ユニットの発光ダイオード(LED)光源に並列に接続するステップであって、前記抵抗性ブリーダ回路は前記入力主電源電圧が該入力主電源電圧の前記位相カット角又は前記オフ状態により前記LED光源を駆動するには不十分となった場合に前記調光器に抵抗性負荷を掛けるステップと;前記抵抗性ブリーダ回路が前記LED光源に並列に接続された場合に、該抵抗性ブリーダ回路から無線回路に給電するための電力を抽出するステップと;前記無線回路が前記抵抗性ブリーダ回路から抽出された電力により給電されている場合に該無線回路において前記LED光源の所望の照明レベルを示す制御信号を無線で受信するステップと;を含む。
【0015】
[0015] 本開示の目的のために本明細書で使用される場合、“LED”なる用語は、如何なる発光(エレクトロルミネッセント)ダイオード、又は電気信号に応答して放射を発生することが可能な他のタイプの電荷注入/接合型システムをも含むものと理解されるべきである。従って、LEDなる用語は、これらに限定されるものではないが、電流に応答して光を放出する種々の半導体型構造体、発光ポリマ、有機発光ダイオード(OLED)、エレクトロルミネッセント・ストリップ等を含む。特に、LEDなる用語は、赤外スペクトル、紫外スペクトル及び可視スペクトルの種々の部分(通常、約400ナノメートルから約700ナノメートルまでの放射波長を含む)の1以上において放射を発生するように構成することができる全てのタイプの発光ダイオード(半導体及び有機発光ダイオードを含む)を指す。LEDの幾つかの例は、これらに限定されるものではないが、種々のタイプの赤外LED、紫外LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、黄色LED、琥珀色LED、橙色LED及び白色LEDを含む(後に更に説明する)。また、LEDは所与のスペクトルに対して種々の(例えば、狭い帯域幅、広い帯域幅)帯域幅(例えば、半値全幅又はFWHM)及び所与の一般色分類内で種々の優勢波長を持つ放射を発生するよう構成及び/又は制御することができると理解されるべきである。
【0016】
[0016] 例えば、実質的に白色光を発生するように構成されたLEDの一構成例(例えば、LED白色照明器具)は、組み合わせで実質的に白色光を形成するように混ざり合うような、異なるスペクトルのエレクトロルミネッセンスを各々放出する複数のダイを含むことができる。他の構成例では、LED白色照明器具は、第1スペクトルを持つエレクトロルミネッセンスを別の第2のスペクトルに変換する蛍光体材料に関連され得る。この構成の一例において、相対的に短い波長及び狭い帯域幅のスペクトルを持つエレクトロルミネッセンスは上記蛍光体材料を“ポンピング”し、該蛍光体材料は幾らか広いスペクトルを持つ一層長い波長の放射を放出する。
【0017】
[0017] また、LEDなる用語はLEDの物理的及び/又は電気的パッケージのタイプを限定するものではないと理解されるべきである。例えば、LEDは、前述したように異なるスペクトルの放射を各々放出するように構成された複数のダイ(例えば、個別に制御することが可能であるか又は可能でない)を有する単一の発光デバイスを指し得る。また、LEDは、当該LEDの一体部分と見なされる蛍光体と関連され得る(例えば、幾つかのタイプの白色光LED)。一般的に、LEDなる用語は、パッケージ化LED、非パッケージ化LED、表面実装LED、チップオンボードLED、Tパッケージ実装LED、ラジアルパッケージLED、電力パッケージLED、何らかのタイプのケース及び/又は光学素子(例えば、拡散レンズ)を含むLED等を指すことができる。
【0018】
[0018] “光源”なる用語は、これらに限定されるものではないが、LED型光源(先に定義したような1以上のLEDを含む)、白熱光源(例えば、フィラメント電球、ハロゲン電球等)、蛍光光源、燐光光源、高輝度放電光源(例えば、ナトリウム蒸気、水銀蒸気及び金属ハライド電球)、レーザ、他のタイプのエレクトロルミネッセント光源、熱発光光源(例えば、炎)、キャンドル発光光源(例えば、ガスマントル、炭素アーク放射光源)、光ルミネッセント光源(例えば、ガス放電光源)、電子飽和を使用するカソード発光光源、電流発光光源、結晶発光光源、キネ発光光源、熱発光光源、摩擦発光光源、音発光光源、電波発光光源及び発光ポリマを含む種々の放射光源の何れか1以上を指すと理解されたい。
【0019】
[0019] 所与の光源は、可視スペクトル内、可視スペクトル外、又はこれら両方の組み合わせで電磁放射を発生するように構成することができる。従って、“光”及び“放射”なる用語は、ここでは入れ替え可能に使用される。更に、光源は、一体部品として、1以上のフィルタ(例えば、カラーフィルタ)、レンズ又は他の光学部品を含むことができる。また、光源は、これらに限定されるものではないが、指示、表示及び/又は照明を含む種々の用途のために構成することができると理解されるべきである。“照明光源”は、内部又は外部空間を効果的に照明するために十分な輝度を持つ放射を発生するように特別に構成された光源である。この点において、“十分な輝度”とは、周囲照明(即ち、間接的に知覚され得ると共に、例えば全体的に又は部分的に知覚される前に1以上の種々の介在表面から反射され得る光)を供給するために当該空間又は環境において発生される可視スペクトルにおける十分な放射パワーを指す(放射パワー又は“光束”に関しては、しばしば、“ルーメン”なる単位が光源から全方向への全光出力を表すために使用される)。
【0020】
[0020] “照明器具(照明固定具)”なる用語は、ここでは、特定のフォームファクタ、アセンブリ若しくはパッケージでの1以上の照明ユニットの構成又は配置を指すため使用されている。“照明ユニット”なる用語は、ここでは、同一又は異なるタイプの1以上の光源を含む装置を指すために使用されている。所与の照明ユニットは、光源(又は複数の光源)のための種々の取付配置、エンクロージャ/ハウジング配置及び形状、並びに/又は電気的及び機械的接続構造の何れかを有することができる。更に、所与の照明ユニットは、オプションとして、当該光源(又は複数の光源)の動作に関係する種々の他の部品(例えば、制御回路)に関連され得る(例えば、含む、結合される及び/又は一緒にパッケージ化される)。“LED照明ユニット”とは、前述したような1以上のLED型光源を単独で又は他の非LED型光源との組み合わせで含む照明ユニットを指す。“多チャンネル”照明ユニットとは、異なるスペクトルの放射を各々発生するように構成された少なくとも2つの光源を含むLEDの又は非LEDの照明ユニットを指し、上記異なる光源スペクトルの各々を当該多チャンネル照明ユニットの“チャンネル”と称することができる。
【0021】
[0021] “コントローラ”なる用語は、ここでは、1以上の光源の動作に関係する種々の装置を広く記述するために使用されている。コントローラは、ここで述べる種々の機能を果たすために、多数の形態で(例えば、専用のハードウェアによる等)実施化することができる。“プロセッサ”は、ここで述べる種々の機能を実行するために、ソフトウェア(例えば、マイクロコード)を用いてプログラムすることができる1以上のマイクロプロセッサを使用するコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを使用するか又は使用しないで実施化することができ、幾つかの機能を実行するための専用のハードウェアと、他の機能を実行するためのプロセッサ(例えば、1以上のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連する回路)との組み合わせとして実施化することもできる。本開示の種々の実施態様で使用することが可能なコントローラ部品の例は、これらに限定されるものではないが、通常のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)及びフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)を含む。
【0022】
[0022] 種々の構成において、プロセッサ及び/又はコントローラは1以上の記憶媒体(例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読出専用メモリ(ROM)、プログラマブル・リードオンリメモリ(PROM)、電気的にプログラム可能なリードオンリメモリ(EPROM)及び電気的に消去可能且つプログラム可能なリードオンリメモリ(EEPROM)等の揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ、汎用直列バス(USB)ドライブ、フロッピーディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ等であり、ここでは広く“メモリ”と称する)に関連され得る。幾つかの構成例において、上記記憶媒体は、1以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行された場合に本明細書で述べる機能の少なくとも幾つかを実行する1以上のプログラムによりコード化することができる。種々の記憶媒体は、プロセッサ若しくはコントローラ内に固定され、又は当該記憶媒体上に記憶された1以上のプログラムをプロセッサ又はコントローラにロードして、ここで述べる本発明の種々の態様を実施することができるように、移送可能なものとすることができる。“プログラム”又は“コンピュータプログラム”なる用語は、ここでは、1以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために使用することが可能な如何なるタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)をも示すように汎用的な意味で使用されている。
【0023】
[0023] 一ネットワーク構成例において、ネットワークに結合された1以上の装置は、該ネットワークに結合された1以上の他の装置に対するコントローラとして働く(例えば、マスタ/スレーブ関係で)。他の構成例において、ネットワーク環境は、当該ネットワークに結合された装置の1以上を制御するように構成された1以上の専用のコントローラを含むことができる。一般的に、当該ネットワークに結合された複数の装置は、各々、当該通信媒体上に存在するデータにアクセスすることができる。しかしながら、所与の装置は、当該ネットワークに対し、例えば自身に割り当てられた1以上の特定の識別子(例えば、“アドレス”)に基づいてデータを選択的に交換する(即ち、データを受信し及び/又はデータを送信する)ことができるという点で“アドレス指定可能”であり得る。
【0024】
[0024] ここで使用される“ネットワーク”なる用語は、2以上の装置(コントローラ又はプロセッサを含む)間の相互接続であって、何れかの2以上の装置の間の、及び/又は当該ネットワークに結合された複数の装置の間での情報(例えば、装置制御、データ記憶、データ交換等のための)の伝送を容易にする如何なる相互接続をも指すものである。容易に理解されるように、複数の装置を相互接続するのに適したネットワークの種々の構成は、種々のネットワークトポロジの何れかを含むと共に、種々の通信プロトコルの何れかを使用することができる。更に、本開示による種々のネットワークにおいて、2つの装置の間の何れか1つの接続は、斯かる2つの装置の間の専用の接続を表すことができ、又は代わりに非専用接続を表すこともできる。当該2つの装置のための情報を伝送することに加えて、このような非専用接続は、必ずしも上記2つの装置のいずれのためのものでもない情報を伝送することができる(例えば、開放型ネットワーク接続)。更に、ここで述べる装置の種々のネットワークが、当該ネットワークを介しての情報伝送を容易化するために1以上の無線、有線/ケーブル及び/又は光ファイバリンクを使用することができることは容易に理解されよう。
【0025】
[0025] 上述した概念及び後に詳述する追加の概念の全ての組み合わせ(斯かる概念が互いに矛楯しない限り)は、ここに開示される本発明の主題の一部であると意図されることが理解されるべきである。特に、この開示の最後に現れる請求項に記載の主題の全ての組み合わせは、ここに開示される本発明の主題の一部であると意図される。また、参照により本明細書に組み込まれる何れかの文献にも現れる、ここで明示的に使用される用語は、ここに開示される特定の概念と最も一貫性のある意味が付与されるべきであると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
[0026] 尚、図面において同様の符号は、異なる図を通して、同様の部分を概して示している。また、各図は必ずしも寸法通りではなく、代わりに本発明の原理を解説するに当たり概して誇張されている。
【0027】
図1】[0027] 図1は、代表的実施態様による無線周波数(RF)制御照明システムを示すブロック図である。
図1a】[0028] 図1aは、代表的実施態様によるRF制御照明システムの電子スイッチを示すブロック図である。
図2】[0029] 図2は、代表的実施態様によるRF制御照明システムの電力抽出器を示すブロック図である。
図3A】[0030] 図3Aは、代表的実施態様による前記電力抽出器と共に使用される或る抵抗性ブリーダ回路を含む図1のRF制御照明システムの第2電力変換器を示すブロック図である。
図3B】[0030] 図3Bは、代表的実施態様による前記電力抽出器と共に使用される他の抵抗性ブリーダ回路を含む図1のRF制御照明システムの第2電力変換器を示すブロック図である。
図3C】[0030] 図3Cは、代表的実施態様による前記電力抽出器と共に使用される他の抵抗性ブリーダ回路を含む図1のRF制御照明システムの第2電力変換器を示すブロック図である。
図3D】[0030] 図3Dは、代表的実施態様による前記電力抽出器と共に使用される他の抵抗性ブリーダ回路を含む図1のRF制御照明システムの第2電力変換器を示すブロック図である。
図3E】[0030] 図3Eは、代表的実施態様による前記電力抽出器と共に使用される他の抵抗性ブリーダ回路を含む図1のRF制御照明システムの第2電力変換器を示すブロック図である。
図4】[0031] 図4は、代表的実施態様による、抵抗性ブリーダ回路から供給される電力が他の電源からの電力と組み合わされるRF制御照明システムを示すブロック図である。
図5】[0032] 図5は、他の代表的実施態様によるRF制御照明システムを示すブロック図である。
図6】[0033] 図6は、代表的実施態様によるRF制御照明システムを動作させる方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[0034] 以下の詳細な説明においては、限定ではなく説明の目的で、本教示の完全な理解を提供するために固有な細部を開示する代表的実施態様が記載される。しかしながら、本開示の利益を受けた当業者にとり、ここに開示される固有の細部からは外れた本教示による他の実施態様も添付請求項の範囲内に入ることは明らかであろう。更に、良く知られた装置及び方法の説明は、斯かる代表的実施態様の説明を不明瞭にしないように省略され得るものである。このような方法及び装置も、本教示の範囲内であることは明らかである。
【0029】
[0035] 一般的に、ユーザ又はセンサにとり、例えば調光器が非常に低い調光状態である及び/又は調光器若しくは電子スイッチがオフ状態(又は、後述するように略オフ状態)である場合等のように、さもなければ当該照明ユニットを制御する調光器及び/又は電子スイッチが不十分な電力を供給している場合に無線制御照明ユニットをオンすることができることが望ましい。出願人は、ブリード電流により給電されたままとなる回路を設け、ユーザ又はセンサが無線信号を介して当該照明ユニットをオンしようと試みる場合に該照明ユニットをオンし又は当該調光器又は電子スイッチが低調光又はオフ状態である故に該照明ユニットをオンすることができないことを該ユーザに送信メッセージを介して通知する等のように、当該調光器又は電子スイッチが低調光又はオフ状態である場合にコマンドを受信すると共に該コマンドに応答することができるようにすることが有益であろうと認識及び理解した。種々の実施態様によれば、オフ状態抵抗性ブリーダ回路は、無線回路に対してバイアス給電を行って、ユーザ又はセンサに対して継続した無線通信を可能にすると同時に、調光器の設定に無関係に照明ユニットからの安定した光出力(例えば出力光レベルのちらつき又は無制御な変動のない)を供給するように修正される。
【0030】
[0036] 上記に鑑みて、本発明の種々の実施態様及び構成例は、調整可能な調光レベルの少なくとも1つに従って主電源からの入力主電源電圧の位相カット角を調整するように構成された調光器及び/又はオン状態とオフ状態との間での選択を行うように構成された電子スイッチに接続可能であって、上記位相カット角が非常に小さい又は上記調光器及び/又は電子スイッチがオフ状態である場合に動作することができる無線周波数(RF)制御照明ユニット(又はランプ)に向けられたものである。
【0031】
[0037] 図1は、代表的実施態様による無線周波数(RF)制御照明システムを示すブロック図である。
【0032】
[0038] 図1を参照すると、RF制御照明システム100は調光器105及びRF制御照明ユニット(ランプ)110を含み、調光器105は電圧主電源101からの未整流入力主電源電圧の位相カット角を可調整調光レベルに従って調整するように構成されている。電圧主電源101は、種々の構成に従って100VAC、120VAC、230VAC及び277VAC等の、異なる未整流入力主電源電圧値を供給することができる。調光器105は、例えば電圧主電源101からの電圧信号波形の後縁(トレーリングエッジ調光器)又は前縁(リーディングエッジ調光器)を例えばスライダ又は摘まみ(ノブ)の手動操作に応答して切断(チョップ)することにより調光能力を発揮する位相切断(チョップ)調光器とすることができる。
【0033】
[0039] 種々の実施態様において、調光器105は、例えば遠隔制御装置及び/又はセンサ(例えば、占有センサ)から受信される無線調光制御信号に応答して、遠隔的に動作させることもできる。遠隔的に制御されるために、調光器105は、当業者にとり明らかなように、前記無線調光制御信号を受信、復調及び処理するよう構成された無線受信器又は送受信器並びに該調光器105の動作を処理された制御信号に応答して電子的に制御するように構成されたコントローラを必要とする。一例において、前記遠隔制御装置は、ユーザに対して遠隔制御機能がアプリケーション(“アプリ”)の形態で提供される、スマートフォン等の手持ちRF送信器とすることができる。他の例として、該遠隔制御装置は、調光器105を特別に及び/又はRF制御照明システム100を全般的に動作させるための、例えば見通し内通信のための専用の送信装置とすることもできる。該遠隔制御装置からの無線制御信号の受信は、無線制御信号を中継すると共に、該無線制御信号を或る規格から他のものへと翻訳するブリッジ又はルータ(図示略)を介して生じ得る。例えば、上記ルータ又はブリッジは、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)コマンドによるWi-Fi(IEEE 802.11)及びジグビー光リンクコマンドの間で翻訳する等のように、前記無線制御信号を種々の規格の間で翻訳することができる。
【0034】
[0040] 電子スイッチを調光器105に代えて又は加えて含めることもでき、その場合、該電子スイッチは“オン状態”と“オフ状態”との間の選択を行う。図1aは、代表的実施態様によるRF制御照明システムの電子スイッチを示したブロック図である。
【0035】
[0041] 図1aを参照すると、電子スイッチ105aはコントローラ1052により電子的に制御される機械式又は固体(例えば、トライアック)スイッチ1053により特徴付けられる。コントローラ1052は、ワイヤ1055及び1056を介して給電される電源1051を必要とする。ここで、オフ状態とは、典型的にはワイヤ1055及び1056並びに電源1051を介しての、又は固体スイッチ1053を介する漏れとしての(電源からの完全な切断とは反して)少量の電流漏れを可能にする状態を指すことができ、このことは当該電子スイッチ、特にコントローラ1052が低レベルで機能し続けることを可能にする。例えば、上記電流漏れは電源1051に給電し、このことは、該電子スイッチ105aがセンサ1054による観測に対して、例えばオフ状態からオン状態に入ることにより反応することを可能にする。
【0036】
[0042] 種々の構成例において、図1の調光器105は、電子スイッチ105a等の電子スイッチのオフ状態に対応する完全に調光された設定を含むことができる。大体において、調光器105及び電子スイッチ105aに関する問題点及び解決策は実質的に同一である。例えば、オフ状態漏れ電流(例えば、電源1051並びにワイヤ1055及び1056を介する)は、固体光源140のLED141〜143等の発光ダイオード(LED)を発光させ又はちらつかせ得、このことは対策を要する。一方、このような電流は、RF制御照明ユニット110内の無線回路160が、後述するように、幾つかの基本的動作のための十分な電力を受けることを可能にし得る。無線回路160は、例えば少なくともアンテナ及び無線周波数発振器エレメントからなる簡単な無線装置、及び/又は無線集積回路(IC)等として構成することができる。
【0037】
[0043] 種々の実施態様において、電子スイッチ105aも、例えば遠隔制御装置及び/又はセンサ(例えば、センサ1054)から受信される無線スイッチ制御信号に応答して、遠隔的に動作させることができる。調光器105に関して前述したように、遠隔的に制御されるために、電子スイッチ105aは、当業者にとり明らかなように、上記無線スイッチ制御信号を受信、復調及び処理するよう構成された無線受信器(又は送受信器)並びに該電子スイッチ105aの動作を処理された制御信号に応答して制御するように構成されたコントローラを必要とする。
【0038】
[0044] 図1を再び参照すると、RF制御照明ユニット110は電圧主電源101から未整流(AC)電圧を受け、該ユニットは例えば調光器105の位相カット角設定(即ち、調光器設定)及び/又は回路構成に依存して調光又は調光解除することができる。該RF制御照明ユニット110は、整流回路120、第1電力変換器130、固体光源140、第2電力変換器150及び無線回路160を含んでいる。整流器(整流回路)120は、全波整流器(例えば、4つのダイオード)を含むことができるが、DC電圧を平滑するための蓄積コンデンサは含んでいない。この構成は、位相カット情報が取り出されることを可能にする。図示された構成において、固体光源140は代表的なLED141〜143により示された直列接続された複数のLEDを含んでいる。
【0039】
[0045] 整流回路120は電圧主電源101から、(調光された)整流された電圧を供給する。蓄積コンデンサ820は該DC電圧を一定値に平滑するために使用される。通常、整流され且つ平滑された電圧Vの大きさ(振幅)は、一層低い設定に対応する低位相カット角が一層低い整流電圧を生じ、及びその逆となるように、調光器105の位相カット角、即ち調光器設定に依存する。他の実施態様においては、ブロッキングダイオード(逆流防止ダイオード)810を省略することができ、LED141〜143が調光される程度は、位相カット角に対する整流電圧V及び平均ブリーダ電圧Vの依存度に直接従う。実際には、最も少ない調光は調光器105が高い設定値(高位相カット角に対応する)にある場合に生じる一方、最大の調光は調光器105が低設定値(低位相カット角に対応する)にある場合に生じる。けれども、依存性は線形からはほど遠いので、このことは典型的には所望の調光曲線にはつながらない。一実施態様において、第1電力変換器130又は無線回路160は、(オプションとして)ライン800又は位相検出ライン802を各々介して位相カット角を測定し、該測定された位相カット角を適切なLED電流Iに翻訳する。適切な位相カット角測定を可能にするために、平滑コンデンサ820の効果は、ブロッキングダイオード810により角度検出点(例えば、オプションとしてのライン800又は位相検出ライン802)から遮断される。このような場合において、ブリーダ電圧Vは、位相カット角に従う整流されているが平均化されていない電圧である一方、整流された電圧Vは第1電力変換器130及び第2電力変換器150のための一層良好に安定化された供給電圧である。
【0040】
[0046] 第1電力変換器130は、固体光源140を、整流回路120からの整流された入力主電源電圧に応答した駆動電圧で駆動するように構成されている。通常、第1電力変換器130は、LED141〜143を介して一定の駆動電流Iを供給するために、整流された入力主電源電圧を固体光源140に供給される適切なDC駆動電圧Vに変換する。例えば、RF制御照明ユニット110、第1電力変換器130又は無線回路160は、整流された電圧に基づいて調光器105の位相カット角の値を決定又は測定するための調光器位相カット角検出回路(図示略)を含むことができ、該第1電力変換器130が上記適切なDC駆動電圧を供給することができるようにする。位相カット角を測定する目的で、第1電力変換器130はマイクロコントローラ又は他のコントローラ(図示略)を含むことができる。代わりに、この作業は第2電力変換器150により実行されるようにする。即ち、種々の実施態様において、第1電力変換器130は上記調光器位相カット角検出回路から電力制御信号を入力することができ、該電力制御信号は、選択されたデューティサイクルに従って高及び低レベルの間で交番する(入れ替わる)パルス幅変調(PWM)信号とすることができる。例えば、該電力制御信号は、調光器105の最大オン時間(高位相カット角)に対応する高デューティサイクル(例えば、100%)、及び調光器105の最小オン時間(低位相カット角)に対応する低デューティサイクル(例えば、0%)を有することができる。調光器105が最大位相カット角と最小位相カット角との間に設定された場合、該電力制御信号のデューティサイクルは、検出される位相カット角に固有に対応するように設定される。このように、第1電力変換器130は、整流された電圧とDC駆動電圧との間を、少なくとも上記整流された電圧の振幅及び上記位相カット角検出回路から入力される電力制御信号の値に基づいて変換する。また、該第1電力変換器130は、調光器105が動作可能な調光設定にある(即ち、非常に低い調光設定又はオフ状態ではない)、及び/又は前記電子スイッチがオン状態にある(オフ状態ではない)場合に無線回路160(後述する)に電力を供給することもできる。
【0041】
[0047] 種々の実施態様において、第1電力変換器130は、例えばLysの米国特許第7,256,554号に記載されたような開ループ又はフィードフォワード態様で動作するものであり、該文献は参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、他のタイプの固体光源140及び/又は他のタイプの電灯負荷も、本教示の範囲から逸脱することなしに含まれ得るものである。固体光源140にDC駆動電圧及び駆動電流を供給する種々の技術も、本教示の状況から逸脱することなしに実施化することができる。
【0042】
[0048] 第1電力変換器130及び第2電力変換器150は、共に、整流器120により給電される。実際に、第1及び第2電力変換器130及び150は並列に接続されていると見なすことができる。ブロッキングダイオード810及びコンデンサ820は、第1電力変換器130の一部と考えることができる。ブロッキングダイオード810は、位相カット角の正確な測定を可能にするために元々の波形が損なわれないままとなることを保証する。更に、第2電力変換器150の抵抗性ブリーダ回路152は、整流された未平滑波形に接続された場合に最も効果的なものであり得、従って、蓄積コンデンサ820は第1電力変換器130にとっては特に有効であるが、ブリーダ電圧V及び第2電力変換器150にとってはそうではない。固体光源140は第1電力変換器130により給電される。
【0043】
[0049] 第2電力変換器150は、抵抗性ブリーダ回路152及び電力抽出器154を含む。抵抗性ブリーダ回路152は、電圧主電源101からの入力主電源電圧に抵抗性負荷を掛け、固体光源104が電圧主電源101から十分な電力を抽出しない場合でも当該照明ユニット110を介して最小限の電流が流れるように構成される。このことは、調光器105及び/又は電子スイッチ105aが電力を受け続けることを保証する。このように、該抵抗性ブリーダ回路152は、調光器105が非常に低い調光器設定又はオフ状態にある(及び/又は電子スイッチ105aがオフ状態にある)場合に、例えば固体光源140の両端間の電圧の振れを抑圧することにより、該固体光源140が光を放出しないことを保証する。
【0044】
[0050] 例えば、抵抗性ブリーダ回路152は、低電流時において固体光源140との並列接続に切り換えられて、該固体光源140と一緒に余分な電流を流し、これにより、負荷を調光器105の動作のための十分な最小値まで増加さるような抵抗を含むことができる。調光器105が大量の光を供給するために固体光源140に対して十分な電力を供給している場合、十分な電力が利用可能である故に無線回路160も第1電力変換器130から電力を受けることができ(図1には示されていないが、後に図4において詳述する)、かくして、無線回路160は全機能で動作することができる。しかしながら、低位相カット角及び/又はオフ状態では、無線回路160は事実上第2電力変換器150を介しての限られた電力に制限される。即ち、無線回路160は、通常、整流された入力主電源電圧の位相カット角又はオフ状態が全機能のために十分である場合は第1電力変換器130から電力を受ける一方、整流された入力主電源電圧の位相カット角又はオフ状態が不十分になると、代わりに第2電力変換器から電力を受けるように構成される。
【0045】
[0051] 例えば、図4を参照して後述するように、第2電力変換器150及び/又は第1電力変換器130からの電力の電力結合器(例えば、電力結合器495)による結合を、2つのダイオード及び第1電力変換器130から到来する電圧を低下させる調節器(例えば、オン状態制御電源490)により実施することができる。他の例として、電圧の低下は、固体光源140における第1LED141(又は第1及び第2LED141及び142)のみからの電流の中間取り出し及び無線回路160の電源電圧ピンに向けたダイオードにより達成することもできる。
【0046】
[0052] 更に、無線回路160は第2電力変換器150から電力を受ける場合にユーザに対し少なくとも1つのメッセージを送信するよう構成することもできる。該無線回路160は、第2電力変換器150からの電力しか利用可能でない場合にエネルギ消費を低減することもできる。例えば、エネルギ消費の低減は、送信されるメッセージのタイプを選択的に減少させることにより送受信器564の送信活動を減少させることを含むことができる。例えば、エネルギ消費を低減するために、送信される唯一のタイプのメッセージを、例えば、要求された光レベルは現在の整流入力主電源電圧の位相カット角(調光器105により実施される)及び/又は電子スイッチ105aの状態では達成することはできないことを警告する警告メッセージとすることができる。このような警告メッセージはマイクロプロセッサ162により発生され又はメモリから取り込まれると共に、送受信器164により例えば遠隔制御装置又は他の無線通信装置に送信することができ、そこでユーザに対し表示され、及び/又は対応する処理装置により処理されて応答の形成を可能にする。他のタイプのメッセージは、例えば所望の照明レベルを得るために調光器105及び/又は電子スイッチ105aを手動操作することについての命令を供給することができる。
【0047】
[0053] 電力抽出器154は抵抗性ブリーダ回路152に接続されると共に、例えば固体光源140が電圧主電源101から十分な電力を抽出しない場合に無線回路160(又は他の機能部)に電力を供給するように構成され、調光器105が非常に低い調光器設定又はオフ状態である(及び/又は電子スイッチ105aがオフ状態である)場合においても該無線回路160が無線信号を受信することを可能にする。図示された構成において、電力抽出器154は抵抗性ブリーダ回路152から電力を抽出するために該抵抗性ブリーダ回路152に直列に接続される一方、無線回路160は該電力抽出器154に並列に接続されているが、本教示の範囲を逸脱することなく他の構成も実施することができる。このように、電力抽出器154の役割は、通常、無線回路160のための電力を抽出することである。該電力抽出器154は、無線回路160に供給される電圧を調整する(該無線回路160自体が、これを実施しない場合)と同時に、調光器105が機能し続けることを保証するために前記抵抗性ブリーダ回路152を経る電流を支援することができる。
【0048】
[0054] 無線回路160は、命令を受信し及び/又は情報を供給するために手持ち遠隔制御装置及び種々のセンサ等の種々の制御源との無線通信を可能にするためのアンテナ170に接続された送受信器164を含んでいる。即ち、送受信器164は遠隔制御装置から無線制御信号を受信すると共に応答メッセージを送信するように構成することができる。送受信器164及びアンテナ107は、調光器105及び/又は電子スイッチ105aとの無線通信を可能にして、ステータス情報(例えば、調光器設定及びオン/オフ状態)を無線で受信すると共に、調光器105及び/又は電子スイッチ105aを遠隔操作するための制御信号を出力することもできる。種々の実施態様において、送受信器164は、電力線(例えば、主電源電力線)から制御信号を受信及び測定し、並びに/又は該電力線(又は他の物理的チャンネル)を介して調光器105及び/又は電子スイッチ105aと電子的に通信することもできる。前記センサは、無線送信器を有し、その受信器の無線受信範囲内にある限りにおいて、何処にでも配置することができる。無線回路160は、受信されたステータス情報を処理すると共に、それに応答して適切な制御信号を決定及び発生するためのマイクロコントローラ(マイクロプロセッサ)162も含んでいる。従って、該マイクロコントローラ162は前記無線制御信号及び/又は測定された制御信号に対する応答を決定及び実施するよう構成される。例えば、斯かる応答は、前述したような、光出力設定値(例えば、光レベル、カラー等)並びに/又は現在の調光器の設定及び/又は電子スイッチの状態では当該光レベルを達成することができないとの警告メッセージ等の無線チャンネルを介して送信されるメッセージを含むことができる。
【0049】
[0055] 即ち、マイクロコントローラ162は、無線制御信号に応答して固体光源140の所望の照明レベルを決定すると共に、調光器105に対し該調光器105に入力主電源電圧を上記の決定された所望の照明レベルに一致するように調整させ、及び/又は前記電子スイッチに対してオン状態に切り換えさせるフィードバック制御信号を送信するよう構成することができる。該マイクロコントローラ162は上記フィードバック制御信号を調光器105及び/又は電子スイッチ105aに無線チャンネルを介して無線的に又は電力線を介して送信することができる。例えば、無線回路160の送受信器164は、無線信号を送信及び/又は受信して当該マイクロコントローラ162が上記フィードバック信号を無線で送信することを可能にするための第1送受信器ユニット、並びに/又は信号を有線で送信及び/又は受信して該マイクロコントローラ162が電力線を介して上記フィードバック制御信号を送信することを可能にする第2送受信器ユニットを含むことができる。種々の実施態様において、マイクロコントローラ162は固体光源140により出力される光レベルを必ずしも調光器105と通信することなく変更することもできる。例えば、調光器105の調光器設定が高い(即ち、殆ど又は全く調光しない)場合、マイクロコントローラ162は、前記整流された主電源電圧を変化させることなく第1電力変換器130に固体光源140により出力される光を単に減少させることができる。代わりに、マイクロコントローラ162は送受信器を介して遠隔制御装置にメッセージを送信し、所望の照明レベルを得るために調光器105及び/又は電子スイッチを手動で操作することについての命令を供給することができる。
【0050】
[0056] 種々の実施態様において、マイクロコントローラ162は固体光源140の出力光を、無線制御信号又は電力線を介して以前に送信された最後に指定された調光レベル(例えば、最後に変更されたどちらかの信号)に設定することができる。同様に、マイクロコントローラ162は固体光源140を、電力線又は無線制御信号を介して以前に送信された最も低い指定された調光レベル(例えば、最低の設定を要求するどちらかの信号)で光を出力するように設定することができる。また、マイクロコントローラ162は当該固体光源を、例えば無線遠隔制御装置から受信されるルックアップテーブル(図示略)に基づいて光を出力するように設定することもできる。測定される位相カット角は上記ルックアップテーブルに入力することができ、該ルックアップテーブルから対応する所望の光設定値を出力することができる。
【0051】
[0057] 図2は、代表的実施態様による図1のRF制御照明システムの電力抽出器を示すブロック図である。図示された実施態様において、該電力抽出器の構成は前記抵抗性ブリーダ回路とは事実上独立しており、従って該電力抽出器は、配置され得る抵抗性ブリーダ回路のタイプとは無関係に、記載されたように動作する(その例は、図3A図3Dを参照して後述される)。
【0052】
[0058] 図2を参照すると、電力抽出器154は、電圧Vccと接地電圧との間に接続されたコンデンサ255及び該コンデンサ255と並列に接続されたツェナーダイオード256を含んでいる。ツェナーダイオード256のカソードは電圧Vccに接続され、該ツェナーダイオードのアノードは接地電圧に接続されている。ツェナーダイオード256は、コンデンサ255が完全に充電された場合においてもブリーダ漏れ電流が流れ得ることを保証している。このことは、無線回路160が少量の電力又は低電流しか抽出しない場合における調光器105及び/又は電子スイッチの動作を改善する。コンデンサ255は、調光器105が電流が流れることを可能にする主電源101の50Hz/60Hzサイクルにおける小さな部分の間のみにおいて充電されることを可能にするほど十分に大きくなければならない。また、無線回路160は、数ミリ秒の送信の間(コンデンサ255を過度に放電してはならない)に大きなピーク電流を引き出す(流す)ことができる。電圧Vccの接続部は無線回路160のための電源を供給するもので、無線回路160は端子257(Vcc接続部)及び258(接地接続部)を介して当該電力抽出器154と並列に接続される。一実施態様において、電力抽出器154は、該電力抽出器154から無線回路160に供給される電圧Vccを安定化させるように構成された電圧調節器(図示略)を更に含むことができる。該電圧調節器は図5を参照して後に更に説明する。
【0053】
[0059] 図3A図3Eは、代表的実施態様による上記電力抽出器と一緒に使用される種々の抵抗性ブリーダ回路を含む、図1のRF制御照明システムの第2電力変換器を示したブロック図である。
【0054】
[0060] 図3Aを参照すると、第2電力変換器150−1は抵抗性ブリーダ回路152−1及び電力抽出器154を含んでいる。抵抗性ブリーダ回路152−1は単にブリーダ抵抗351を含む。電力抽出器154は図2を参照して前述したように構成されており、従って、その説明は繰り返さない。第2電力変換器150−1の左側に配置された端子151及び152は、該第2電力変換器150−1(即ち、抵抗性ブリーダ回路152−1及び電力抽出器154の直列接続)を前記第1電力変換器130及び固体光源140の各々に対して並列に接続するためのものである。勿論、他の構成例では、固体光源140及び第2電力変換器150−1が互いに並列に接続される限り、固体光源140は該第2電力変換器150−1の右側に接続することもできる。該第2電力変換器150−1の右側に配置された端子257及び258は当該電力抽出器を無線回路160と並列に接続し、該無線回路160が前述したように電圧Vccを受けることを可能にするためのものである。
【0055】
[0061] 図3Bを参照すると、第2電力変換器150−2は抵抗性ブリーダ回路152−2及び電力抽出器154を含んでいる。抵抗性ブリーダ回路152−2は、直列に接続されたブリーダ抵抗352及びブリーダコンデンサ353を含む。前述したように、端子151及び152は該第2電力変換器150−2を前記第1電力変換器130及び固体光源140の各々に並列に接続し、端子257及び258は当該電力抽出器154を無線回路160に並列に接続する。
【0056】
[0062] 図3Cを参照すると、第2電力変換器150−3は抵抗性ブリーダ回路152−3及び電力抽出器154を含んでいる。抵抗性ブリーダ回路152−3は、実質的に一定なブリーダ電流Iを供給するように構成された電流源を含む。図示された例において、該電流源はバイポーラ接合トランジスタ(BJT)355により実施化されている。該BJT355は、端子151に接続されたコレクタ、エミッタ抵抗356を介して端子257(電力抽出器154における)に接続されたエミッタ、及びベース抵抗358を介して端子151に接続されると共にツェナーダイオード359を介して端子257に接続されたベースを含んでいる。前記実質的に一定な電流Iは、ブリーダツェナーダイオード359の両端間の電圧VとBJT355のベースエミッタ間電圧Vbeとの間の差をエミッタ抵抗356の抵抗値Rにより割ったものに略等しい(即ち、I=(V−Vbe)/R)。前述したように、端子151及び152は該第2電力変換器150−3を前記第1電力変換器130及び固体光源140の各々に並列に接続し、端子257及び258は当該電力抽出器154を無線回路160に並列に接続する。
【0057】
[0063] 図3Dを参照すると、第2電力変換器150−4は抵抗性ブリーダ回路152−4及び電力抽出器154を含んでいる。抵抗性ブリーダ回路152−4は、例えば参照により本明細書に組み込まれるブラウン(Brown)他の米国特許出願公開第2006/0192502号(2006年8月31日公開)に記載された一層複雑なブリーダ回路の一例である。特に、該抵抗性ブリーダ回路152−4は、ブラウン他の文献の図2と同様に、第1ゲート、第1ドレイン及び第1ソースを有する第1金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)361と、第2ゲート、第2ドレイン及び第2ソースを有する第2MOSFET362とを含んでいる。第2MOSFET362の第2ドレインは抵抗377を介して端子151に接続されている。該第2MOSFET362の第2ソースは端子257(従って、電力抽出器154)に接続されている。第2ベースは、抵抗376を介しノード341において第1MOSFET361の第1ドレインに接続されている。更に、ノード341と端子151との間に抵抗374が接続され;ノード341と端子257との間には抵抗375が接続され;ノード341と抵抗375との間にはダイオード380が接続され;ノード341と端子257との間にはツェナーダイオード383が接続されている。
【0058】
[0064] 第1MOSFET361の第1ソースは端子257に接続され、該第1MOSFET361の第1ゲートは抵抗373を介してノード342に接続されている。更に、ノード342と端子151との間には抵抗372及びツェナーダイオード381が接続され;ノード342と端子257との間には抵抗371が接続され;ノード342と端子257との間にはツェナーダイオード382が接続されている。
【0059】
[0065] 抵抗371、372及びツェナーダイオード381を有する抵抗/ツェナーダイオード回路は、第1MOSFET361の第1ゲートに供給されるべき整流された主電源電圧の振幅を決定するように構成される。第2MOSFET362は第2ゲートにおいて第1MOSFET361の第1ドレインからの反転出力を受けるように構成され、該第2MOSFET362は調整された入力主電源電圧がゼロを通過する場合にもオンとなる。第2MOSFET362の第2ドレインに接続された抵抗377は、調光器105に掛かる抵抗性負荷の大きさを決定するように構成される。この構成において、抵抗性ブリーダ回路152−4は、例えば、電圧主電源101により該抵抗性ブリーダ回路152−4に供給される電力が実質的に+10ボルトとゼロボルトとの間及び−10ボルトとゼロボルトとの間である期間内に活性化され得る。前述したように、端子151及び152は該第2電力変換器150−4を前記第1電力変換器130及び固体光源140の各々に並列に接続し、端子257及び258は当該電力抽出器154を無線回路160に並列に接続する。
【0060】
[0066] 図3Eを参照すると、第2電力変換器150−5は抵抗性ブリーダ回路152−5と、該抵抗性ブリーダ回路152−5に統合された電力抽出器154とを含んでいる。特に、抵抗性ブリーダ回路152−5は、電力抽出器154の回路が、それ以外では前述した抵抗性ブリーダ回路152−4(例えば、米国特許出願公開第2006/0192502号の図2に対応する)と実質的に同一である抵抗性ブリーダ回路152−5内に組み込まれている点を除き、該抵抗性ブリーダ回路152−4と同様である。
【0061】
[0067] 当該構成は、抵抗性ブリーダ回路及び電力抽出器が本質的に互いから独立しており、種々の組み合わせで配置することができる前述した第2電力変換器150−1〜150−4とは、当該電力変換器150−5内の電力が第2MOSFET362(即ち、主電力トランジスタ)の第2エミッタから電流で抽出される点で相違している。該抵抗性ブリーダ回路152−5は、無線回路160に電力を供給する追加の出力(端子257及び258)を有している。図示された構成において、第2MOSFET362の第2ソースからのブリーダ主電流を伝達するワイヤは、電力抽出器154(コンデンサ255と並列なツェナーダイオード256)の挿入のために分断されている。
【0062】
[0068] 例示的実施態様において、コンデンサ255は約47マイクロファラッド(μf)の値を有することができる一方、ツェナーダイオード256は例えば約3.3ボルト又は5ボルトのツェナー電圧値を有することができる。前述したように、ツェナーダイオード256は、コンデンサ255が完全に充電された場合でもブリーダ漏れ電流が流れることができることを保証するためにVcc(端子257)と接地(端子258)との間に接続される。有効な拡張は、上記ツェナー電圧値を例えば約9ボルトから約12ボルトのように僅かに高く選定すると共に、無線回路160に供給される電圧Vccを安定化させるためにフェアチャイルド・セミコンダクタ社(登録商標)から入手可能な電圧レギュレータIC7805のような既知の線形レギュレータIC等の電圧調節器を追加することである。
【0063】
[0069] 第2MOSFET362における電流は、調光器105がオン状態の場合において主電源ゼロ交差の右側(即ち、直後)にのみ1つの“耳部”(即ち、短期間の大電流)を有する。該第2MOSFET362は、第1MOSFET361が未だ活性状態でない間において、主電源電圧が例えば30Vより高く上昇すると完全にオンされる。該第2MOSFET362は約70Vにおいてオフされる。該第2MOSFET362の第2ゲートは、第1及び第2MOSFET361及び362の寄生容量並びにダイオードの逆電流の阻止により、主電源のゼロ交差においては実質的に浮遊状態である。従って、第2MOSFET362における電流は、主電源電圧が数ボルトより高く(例えば、約10ボルトより高く)なると、既に流れ始める。勿論、種々の代替構成例において、本教示の範囲から逸脱することなく、上記MOSFETのソース及びドレインを入れ替えることができるか、又はBJT及び他のタイプのFETを含む他のタイプのトランジスタを組み込むこともできる。また、本教示の範囲から逸脱することなく、部品の値を組み入れることもできる。
【0064】
[0070] 幾つかの状況下において、抵抗性ブリーダ回路から抽出される電力は、当該照明ユニットがオンされている場合に無線回路(例えば、無線IC)及び他の機能のために給電するのに十分ではない可能性がある。図4は、代表的実施態様による、抵抗性ブリーダ回路から供給される電力が他の電源からの電力と組み合わされるようなRF制御照明システムを示すブロック図である。
【0065】
[0071] 図4を参照すると、RF制御照明システム400は調光器105及びRF制御照明ユニット410(ランプ)を含み、調光器105は電圧主電源101からの未整流入力主電源電圧の位相カット角を可調整調光レベルに従って調整するように構成されている。RF制御照明ユニット410は整流回路120、第1電力変換器130、第2電力変換器150及び無線回路160を含み、これらは図1図3Dを参照して前述したものと実質的に同一であるので、対応する説明は繰り返さない。例えば、第2電力変換器150(電力抽出器を備える抵抗性ブリーダ回路)は、前述した実施態様である第2電力変換器150−1〜150−5の何れか1つとして実施化することができる。該RF制御照明ユニット410は、オン状態制御電源490、電力結合器495、及び例示的LED441〜445を含む固体光源440も含んでいる。LED441〜445への電力は、ブロッキングダイオード810に続いて、蓄積コンデンサ820及び第1電力変換器130の更なるドライバ電子回路を介して進行する。図示された実施態様において、オン状態制御電源490に対する入力は、固体光源440のLED列における低い側のLEDの幾つか(例えば、LED444及び445)にまたがるものである。他の例として、オン状態制御電源490に対する入力は、本教示の趣旨から逸脱することなしに、ブロッキングダイオード810より前、ブロッキングダイオード810より後、又は第1電力変換器130より後とすることもできる。該オン状態制御電源490は、通常のオン状態の間又は当該調光器による中程度の位相カット調光の間における動作に対して最適化される。
【0066】
[0072] 図4に示されるように、電力結合器495は第1供給源(例えば、第2電力変換器150)又は第2供給源(例えば、第1電力変換器130及び/又は固体光源440)のどちらか最も高い電圧を供給する方から電力を取り込むように構成された第1及び第2ダイオードD1及びD2を含んでいる。図示されたように、第1ダイオードD1は第2電力変換器150から無線回路160に向かう方向に導通するよう配置され、第2ダイオードD2はオン状態制御電源490から無線回路160に向かう方向に導通するよう配置される。代わりに、該第1及び第2ダイオードD1及びD2の機能を、能動的に切り替えられる1以上のトランジスタにより実施化することもできる。オン状態制御電源490は、固体光源440から幾らかの電流を“窃取する”ことになる。
【0067】
[0073] 供給電圧の調節は、LED441〜445の両端間の電圧が該LED441〜445を経る電流に無関係に約3ボルトとなるから、潜在的に生じる。電力結合器495は、第2電力変換器150において電力抽出器154により抵抗性ブリーダ回路152から抽出される電力及びオン状態制御電源490により供給される電力を結合するように構成される。一実施態様において、該結合の比は電力の要求に依存して変化する。例えば、一実施態様において、該電力結合器495により出力される電力は、十分な場合、全て第2電力変換器150から取り込まれる一方、オン状態制御電源490からの電力が需要に応じて増加的に追加される。基本的に、電力結合器495における第1及び第2ダイオードD1及びD2は、無線回路160が相対的に高電力の第1電力変換器130から給電され、固体光源440が(殆ど)完全にオフである場合にのみ第2電力変換器150からの少量の電力を抽出することを保証する。このことは、無線回路160がオン状態及びオフ状態の間に動作することを可能にする。一実施態様において、電力結合器495は無線回路160に組み込むことができる。
【0068】
[0074] 図5は、他の代表的実施態様によるRF制御照明システムを示すブロック図である。
【0069】
[0075] 図5を参照すると、RF制御照明ユニット510は、調光された又は調光されていないものであり得る電圧主電源101(図5には示されていない)からの未整流電圧を受ける。該RF制御照明ユニット510は、整流回路520、第1電力変換器530、固体光源540、第2電力変換器550、電力監視器580、位相カット角検出器590及び無線回路560を含んでいる。無線回路560は、例えば無線ICとすることができ、マイクロコントローラ562及びアンテナ570に接続された送受信器564を含む。整流回路520、第1電力変換器530、固体光源540、第2電力変換器550、無線回路560及びアンテナ570は、図1図3Eを参照して前述した整流回路120、第1電力変換器130、固体光源140、第2電力変換器150、無線回路160及びアンテナ170と、各々、実質的に同一であり、下記の説明は、これら要素の間の相違点に向けられるものとする。例えば、第2電力変換器550の抵抗性ブリーダ回路は、解説目的で抵抗性ブリーダ回路152−2が図示されているが、前記抵抗性ブリーダ回路152−1〜152−5の何れかと実質的に同様に実施化することができる。
【0070】
[0076] 同様に、電力抽出器554は、オプションとしての電圧調節器558を含むことができる点を除き、図2を参照して前述した電力抽出器154と実質的に同一であり得る。電圧調節器558は無線回路560に供給される電圧Vccを安定化する。該電圧調節器558は、例えばマイクロコントローラ562に送信する際にコンデンサ255を排出(放電)させる場合において、該コンデンサ255の両端間の変動が大きくなり過ぎる場合に使用することができる。該電圧調節器558の出力は、第1及び第2ダイオードD1及びD2(本質的に、電力結合器495の機能を果たす)により第2供給源からの電力と結合される。しかしながら、他の構成において、電力抽出器554はダイオード又はワイヤ接続(入力=出力)により置換され、調節器(存在するなら)及びダイオードが一緒に電力結合器495を形成するようにしてもよい。調節器回路の実用的実施態様は、通常、既にダイオードの機能を果たすので、調節器が存在する場合、対応するダイオードは省略することができる。電力抽出器554は、Vcc及び接地(図2における端子257及び257に各々対応する)を介してマイクロコントローラ562を含む無線回路560に電力を供給するように構成される。第2電圧調節器570を、第1電力変換器530から抽出される電圧がマイクロコントローラ562にとり適切なものとなることを保証するために含めることができる。ここで、接地は、当該RF制御照明ユニット510におけるローカルな基準接地である(従って、電圧主電源101から到来する中性ワイヤとは直流的に同一ではない)。
【0071】
[0077] 無線回路560のマイクロコントローラ562は、調光器105(図示略)の位相カット角を検出するように構成される。この目的のために、マイクロコントローラ562は主電源電圧をサンプリングする手段を含んでいる。例えば、マイクロコントローラ562は整流器520より後の電圧を観察することができる。適切な測定を可能にするために、整流された主電源電圧はコンデンサにより平滑されない。しかしながら、第1電力変換器530が幾らかの特別な容量を好む場合、整流器520と該第1電力変換器530との間にダイオード(図示略)を配置することができ、コンデンサ(図示略)を該ダイオードの背後に配置することができる。
【0072】
[0078] 図5の実施態様に示されるように、位相カット角検出器590は、抵抗591及び592により示された分圧器を含む。位相カット角検出器590は、上記の整流された主電源電圧を、位相カット角検出のためのマイクロコントローラ562に対する入力IN1により扱うことができる電圧レベルにまで減少させる。一実施態様において、位相カット角検出器590及び/又はマイクロコントローラ562は、整流された主電源電圧の波形に対応するデジタルパルスをサンプリングすると共に、該サンプリングされたデジタルパルスの長さに基づいて連続する半サイクルを測定することにより位相カット角を検出するように構成することができる。
【0073】
[0079] 上記入力IN1はデジタル入力とすることができ、その場合、マイクロコントローラ562は主電源電圧がゼロでない(例えば、所定の閾値より高い)時間の割合を計算する。これは主電源サイクルが中断されていない時間の割合に相当し、該時間の割合は主電源電圧の位相カット角(調光器105の操作による)に変換することができる。また、入力IN1がデジタル入力として処理される場合、抵抗591は整流された主電源電圧と入力IN1との間で約1メグオームとすることができ、抵抗592は入力IN1と接地との間で約100キロオームとすることができる。他の例として、入力IN1はアナログ入力とすることができ、その場合、マイクロコントローラ562は調光器105の導通時間の間における整流された主電源電圧の正弦波形を監視することができる。
【0074】
[0080] 電力監視器580も同様に、抵抗581及び582により示された分圧器を含み、該分圧器は抵抗性ブリーダ回路152−2により出力される電圧をマイクロコントローラ562の入力IN2により扱うことができる電圧レベルに低減する。該分圧器は、電力抽出器554のコンデンサ255における電圧が調節された電圧Vccよりも高い故に必要とされる。該電力監視器580の出力に基づいて、マイクロコントローラ562は、電力抽出器554が無線回路560に給電するための十分な電力を供給することができるかを監視することができる。入力IN2における電圧レベルが低過ぎる場合、無線回路560は、送信しない、より多くの電力が集められるまで送信を遅延する、又は送受信器(若しくは受信器)をスリープモードにすることを決定することができる。これらの動作は、タイムアウト及び十分な電力が回復された場合に無線回路560を再起動することを必要とし得る、電圧Vccが過度に低下することを防止する。
【0075】
[0081] 他の例として、入力IN2はアナログ入力とすることができ、その場合、無線回路560はアナログ/デジタル変換器(ADC)を含まなければならない。また、他の例として、入力IN2における電圧レベルは閾電圧と比較することができる(例えば、無線回路560の内部で)。入力IN2における電圧レベルが該閾電圧より低い場合、無線回路560は、受信器をデューティサイクル動作させる、送信を控える又は遅延させる等のように、電力消費を減少させるための措置を講じる。このことは、マイクロプロセッサ562の制御の下で実施することができる。
【0076】
[0082] 種々の実施態様において、マイクロプロセッサ162,562は、ソフトウェア、ファームウエア、配線論理回路又はこれらの組み合わせを用いた、コンピュータ、プロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、1以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1以上のFPGA又はこれらの組み合わせ等の1以上の処理装置を用いて実施化することができる。該マイクロプロセッサは、オペレーティングソフトウェア、モジュール、スペクトルの決定及び/又は関心分析質の分析を含む、ここで述べる種々の実施態様を実行するためのデータ及びアルゴリズムを記憶するための非一時的コンピュータ読取可能な媒体を有するメモリ(図示略)にアクセスすることができる。コンピュータ読取可能な媒体の例は、消去可能なプログラマブルROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、スタチックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、DVD及び汎用直列バス(USB)ドライブ等の種々のタイプの不揮発性読取専用メモリ(ROM)及び揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。もっとも、上記マイクロプロセッサ及び/又はコンピュータ読取可能な媒体は本教示の範囲から逸脱することなしに様々なものであり得る。
【0077】
[0083] 図1を再び参照すると、解説目的で、無線回路160は例えば遠隔制御装置及び/又はセンサにより供給される制御信号及び/又は他の入力に応答して種々のフィーチャを実施するように構成することができる。例えば、調光器105が完全に調光された又はオフ状態である間において(又は電子スイッチがオフ状態である間において)ユーザが無線信号を介して当該RF制御照明ユニット110をオンしようと試みた場合、該RF制御照明ユニット110は、マイクロプロセッサ162により発生又はメモリから取り出されると共に送受信器164により送信されるメッセージにより、調光器及び/又は電子スイッチより劣勢であり、無線信号により供給されたコマンドを実行するための十分な電力を得ることができないと応答する。他の例として、調光器105が完全に調光された又はオフ状態である間において(又は電子スイッチがオフ状態である間において)ユーザが無線信号を介して当該RF制御照明ユニット110をオンしようと試みた場合、該RF制御照明ユニット110は調光器及び/又は電子スイッチに制御信号を送信して、オフ状態から(オン状態へ)移行させる。この制御信号はRF制御照明ユニット110と調光器105及び/又は電子スイッチとの間の無線チャンネルを介して送信することができるか、又は該制御信号はRF制御照明ユニット110から調光器105及び/又は電子スイッチへの電力線を介して送信することができる。
【0078】
[0084] 上記遠隔制御装置がアプリケーション(“アプリ”)を使用している場合、例えば、アプリの覆し(オーバールール)に対する後退が存在し得る。即ち、ユーザがアプリを用いて調光器105により供給される照明設定を覆したい場合、該ユーザはそのようにすることができる。しかしながら、調光器の位相カット角が非常に低い値であるか(RF制御照明ユニット110に十分な電力を付与するには低過ぎるか)又はオフ状態である場合、RF制御照明ユニット110はアプリに警告を送信する。該アプリは、このことをスクリーン上で“ホームユーザ様、このアプリにより制御したい設定は現在の調光器設定では実現することができません。調光器をフル位置にしてください。”と示す。言い換えると、マイクロプロセッサ162から送受信器164を介して当該遠隔制御装置にメッセージを供給し、所望の照明を得るための調光器105の手動操作についての命令を供給することができる。
【0079】
[0085] 上記説明の殆どは、手動制御による従来の位相調光器の使用に概して向けられたものであるが、無線受信器が装備された調光器にも等しく当てはまるものである。例えば、RF制御照明ユニット110が自身の無線インターフェース(例えば、無線回路160)を介して制御コマンドを受信したが、調光器105及び/又は電子スイッチが過度に少ない電力しか供給しないので該コマンドを実行することができない場合、該RF制御照明ユニット110は該調光器105及び/又は電子スイッチに制御信号を送信して、位相カット角を変更し又はオフ状態からオン状態に移行することを要求することができる。
【0080】
[0086] RF制御照明ユニット110内の存在検出器は、調光器105及び/又は電子スイッチがオフ状態である期間において存在(在室)を検出することができる。該存在検出器により動き/新たな存在が検出された場合、無線回路160は(壁)調光器105及び/又は(壁)電子スイッチにオン状態にするコマンドメッセージを送信する。
【0081】
[0087] 図6は、代表的実施態様によるRF制御照明システムを動作させる処理を示したフローチャートである。該処理は、例えば、図1図5に示された無線回路160,560により実行されるファームウエア及び/又はソフトウェアにより実施することができる。
【0082】
[0088] 図6を参照すると、入力主電源電圧の位相カット角を調整するように構成された調光器に接続するための照明ユニット(例えば、RF制御照明ユニット110)を遠隔的に制御する方法が提示されている。勿論、必ずしも調光レベルは調整しないが、電子スイッチ(又は調光器)をオン状態とオフ状態との間の切り換えに関して制御するために実質的に同一の方法を適用することもできる。ブロックS611において、抵抗性ブリーダ回路が、発光ダイオード(LED)光源等の当該照明ユニットの固体光源に並列に接続される。該抵抗性ブリーダ回路は、入力主電源電圧が該入力主電源電圧の位相カット角又はオフ状態のために当該LED光源を駆動するには不十分となった場合に、当該調光器に抵抗性負荷を付与する。該抵抗性ブリーダ回路がLED光源に並列に接続された場合、ブロックS612において、無線回路(例えば、無線IC)に給電するために該抵抗性ブリーダ回路から電力が抽出される。
【0083】
[0089] 当該無線回路が上記抵抗性ブリーダ回路から抽出される電力により給電される場合、ブロックS613において、前述したように例えば遠隔制御装置(又は他の制御装置)から照明制御信号が無線で受信される。該照明制御信号は、当該LED光源の所望の照明レベルを示すか、又は該LED光源をオフ状態からオン状態へオンする要求を示すことができる。これに応答して、ブロックS614において、該照明制御信号により示される照明コマンドが、当該RF制御照明ユニットの現在の状態において実行され得るものであるかが判定される。例えば、当該RF制御照明ユニットが高度に調光された又はオフ状態であり、従って該照明制御信号の実行を回避するものであるかが判定される。
【0084】
[0090] 上記照明コマンドを実行することができない場合(ブロックS614:ノー)、ブロックS615において、当該LED光源が例えば入力主電源電圧の現在の位相カット角では十分な電力を受けていない又はオフ状態である故に所望の照明レベルを得ることができない旨を述べるメッセージを、当該遠隔制御装置に無線で送信することができる。ブロックS616において、所望の照明レベルを得るために入力主電源電圧の位相カット角を手動で調整することに関する(又はオン状態に切り換えることに関する)命令を供給する他のメッセージを遠隔制御装置に無線で送信することができる。
【0085】
[0091] 前記照明コマンドを実行することができる場合(ブロックS614:イエス)、ブロックS617においてフィードバック制御信号が発生されて当該無線回路から調光器(又は電子スイッチ)に送信され、該フィードバック制御信号に示されるように入力主電源電圧の位相カット角を調整して(又は電子スイッチをオンして)所望の照明レベルを達成する。該フィードバック制御信号は、調光器に無線チャンネルを介して無線で送信することができるか、又は配線された電力線を介して送信することができる。当該LED光源は、上記フィードバック制御信号により示される所望の照明レベルを放出するように調整することができる。他の例として、当該LED光源は、上記フィードバック制御信号により示される所望の照明レベル若しくは入力主電源電圧の現在の位相カット角のうちの少ない方を放出するように調整することができ、又は該LED光源は上記フィードバック制御信号により示される所望の照明レベル若しくは入力主電源電圧の現在の位相カット角の調整のうちの一層最近のもので放出するように調整することができる。
【0086】
[0092] 上記フィードバック制御信号は、当該LED光源が調光器の調光器設定に従って又は該調光器の調光器設定に従わないで調整されるべきかを示す専用のコマンドを含むことができる。該専用コマンドは、LED光源がフィードバック制御信号により示される所望の照明レベルを放出することを位相カット角が許容しない場合に、該LED光源が調光器の調光器設定に従って調整されるべきことを示す。
【0087】
[0093] 以上、複数の実施態様を本明細書において説明及び図示したが、当業者であれば、ここに説明した機能を実行し、及び/又はここで述べた結果及び/又は利点の1以上を得るための種々の他の手段及び/又は構成に容易に想到するであろう。このような変更及び/又は修正の各々は、ここに述べた本発明の実施態様の範囲内であると見なされる。もっと一般的に言うと、当業者であれば、ここに述べた全てのパラメータ、寸法、材料及び構成は例示的なものであることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構成は、本発明の教示が用いられる特定の用途に依存するであろうことを容易に理解するであろう。
【0088】
[0094] 当業者であれば、ここで述べた本発明の特定の実施態様に対する多くの均等物を認識し、又は通例の実験を用いるだけで確認することができるであろう。従って、上述した実施態様は例示としてのみ提示されたものであり、添付請求項及びその均等物の範囲内で、本発明の実施態様は、特定的に説明及び請求項に記載したもの以外で実施することができると理解されるべきである。本開示の発明的実施態様は、ここで述べた各フィーチャ、システム、物品、材料、キット及び/又は方法に向けられたものである。更に、2以上の斯様なフィーチャ、システム、物品、材料、キット及び/又は方法の如何なる組み合わせも、このようなフィーチャ、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が相互に矛楯しないならば、本開示の発明の範囲内に含まれるものである。
【0089】
[0095] 例えば、上述した様な無線による通信は、赤外線、可視光通信、超音波通信等の種々の代替手段を介して又は電力線通信を介して行うこともできることが理解される。電力線通信が例えば位相カット調光又は電子スイッチ切り換えと組み合わせで使用される場合、高周波電力線信号は当該位相カット調光器により遮断されないであろう。代替通信手段と、前述した実施態様における無線通信との間の1つの大きな相違点は、通信インターフェース(例えば、送受信器164)がアンテナ170に接続されるのではなく、例えば超音波通信部若しくは赤外線IRフォトダイオードに接続されるか又は主電源に対して電力線通信信号を探るように接続されることである。
【0090】
[0096] ここで定められ及び使用された全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれた文献における定義及び/又は定義された用語の通常の意味を規制すると理解されるべきである。
【0091】
[0097] 本明細書及び請求項で使用される単数形は、そうでないと明示しない限り、“少なくとも1つの”を意味すると理解されるべきである。
【0092】
[0098] 本明細書及び請求項において使用される“及び/又は”なる語句は、そのように結合されたエレメントの“何れか又は両方”、即ち或る場合には連接的に存在し、他の場合には離接的に存在するエレメントを意味すると理解されるべきである。“及び/又は”で列挙された複数のエレメントは、同様に、即ちそのように結合されたエレメントの“1以上”であると見なされたい。“及び/又は”なる文により固有に識別されたエレメント以外の他のエレメントも、これらの固有に識別されたエレメントに関係するか関係しないかによらず、オプションとして存在することもできる。このように、限定するものではない例として、“有する”等の非制限的文言との関連で使用される場合、“A及び/又はB”なる言及は、一実施態様ではAのみを(オプションとしてB以外のエレメントを含む)、他の実施態様ではBのみを(オプションとしてA以外のエレメントを含む)、更に他の実施態様ではA及びBの両方を(オプションとして他のエレメントを含む)等を指すことができる。
【0093】
[0099] 本明細書及び請求項で使用される場合、“又は”は上記に定義した“及び/又は”と同じ意味を持つと理解されたい。例えば、リスト内の項目を分ける場合、“又は”又は“及び/又は”は、包含的であると、即ち、少なくとも1つの包含のみならず、複数の又は一連のエレメントのうちの2以上及びオプションとして追加の非掲載項目も含むと解釈されるべきである。“のうちの1つのみ”又は“のうちの正確に1つ”のように、そうでないと明確に示された用語のみ、又は請求項で使用される場合の“からなる”は、複数の又は一連のエレメントのうちの正確に1つのエレメントの包含を指す。一般的に、ここで使用される“又は”なる用語は、“何れか”、“のうちの1つ”、“のうちの1つのみ”又は“のうちの正確に1つ”等の排他性の用語により先行された場合にのみ、排他的な代替物(即ち、“一方又は他方であるが、両方ではない”)を示すと解釈されるべきである。“から本質的になる”は、請求項において使用される場合、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものである。
【0094】
[0100] 本明細書及び請求項で使用される場合、1以上のエレメントのリストを参照する“少なくとも1つの”なる語句は、該エレメントのリストにおけるエレメントの何れか1以上から選択された少なくとも1つのエレメントを意味するものであり、該エレメントのリスト内の各及び全エレメントの少なくとも1つを必ずしも含むものではなく、該エレメントのリスト内のエレメントの如何なる組み合わせをも除くものではないと理解されるべきである。この定義は、上記“少なくとも1つの”なる語句が参照する上記エレメントのリスト内で特定的に識別されるエレメント以外のエレメント(上記の特定的に識別されたエレメントに関係するか又は関係しないかに拘わらず)がオプションとして存在することも可能にする。このように、限定するものではない例として、“A及びBの少なくとも1つ”(又は等価的に“A又はBの少なくとも1つ”若しくは等価的に“A及び/又はBの少なくとも1つ”)は、一実施態様では、少なくとも1つの(オプションとして2以上を含む)Aで、Bは存在しない(オプションとしてB以外のエレメントを含む)場合、他の実施態様では、少なくとも1つの(オプションとして2以上を含む)Bで、Aは存在しない(オプションとしてA以外のエレメントを含む)場合、更に他の実施態様では、少なくとも1つの(オプションとして2以上を含む)A及び少なくとも1つの(オプションとして2以上を含む)B(オプションとして他のエレメントを含む)の場合等を指すことができる。
【0095】
[0101] 明確にそうでないと示さない限り、請求項に記載された2以上のステップ又は動作を含む如何なる方法においても、該方法のステップ又は動作の順序は、該方法の斯かるステップ又は動作が記載された順序に必ずしも限定されるものではないと理解されるべきである。
【0096】
[0102] 請求項及び上記明細書において、“有する”、“含む”、“担持する”、“持つ”、“収容する”、“伴う”、“保持する”及び“からなる”等の全ての移行句は非制限的であると、即ち含むが限定されるものではないことを意味すると理解されるべきである。“からなる”及び“から本質的になる”なる移行句のみが、各々、制限的又は半制限的移行句である(米国特許庁の特許審査手順マニュアル、第2111.03節に記載されているように)。
図1
図1a
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6