特許第6266132号(P6266132)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.の特許一覧

<>
  • 特許6266132-ミルク含有飲料のための濃縮物 図000004
  • 特許6266132-ミルク含有飲料のための濃縮物 図000005
  • 特許6266132-ミルク含有飲料のための濃縮物 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266132
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】ミルク含有飲料のための濃縮物
(51)【国際特許分類】
   A23C 9/142 20060101AFI20180115BHJP
   A47J 31/41 20060101ALN20180115BHJP
   A47J 31/40 20060101ALN20180115BHJP
   A47J 31/44 20060101ALN20180115BHJP
【FI】
   A23C9/142
   !A47J31/41
   !A47J31/40 107
   !A47J31/44 410
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-567013(P2016-567013)
(86)(22)【出願日】2015年5月6日
(65)【公表番号】特表2017-521048(P2017-521048A)
(43)【公表日】2017年8月3日
(86)【国際出願番号】IB2015000750
(87)【国際公開番号】WO2015170164
(87)【国際公開日】20151112
【審査請求日】2016年11月7日
(31)【優先権主張番号】1408223.4
(32)【優先日】2014年5月9日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512164779
【氏名又は名称】コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ, ユーリア エル.
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフショーン−ポンボ, アラン
(72)【発明者】
【氏名】アイベル, ヘルマン
【審査官】 松原 寛子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−516907(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0196031(US,A1)
【文献】 特表平05−508784(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23C 9/142
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/AGRICOLA/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状乳製品濃縮物を製造する方法であって、該方法は:
クリームを含有し、かつ、少なくとも35重量%の脂肪分を有する液状乳製品材料を提供する工程;
該液状乳製品材料を限外濾過および/または透析濾過により濃縮して、濃縮された液状乳製品材料を保持物として得る工程;
スクロースおよび/またはクエン酸三ナトリウムを添加して改変保持物を形成する工程;
該改変保持物を、乳ミネラルおよびカゼインを含むさらなる材料とブレンドする工程であって、該カゼインが濃縮されたミルク材料として提供される、工程;ならびに
該ブレンドしたものを均質化して液状乳製品濃縮物を形成する工程
を包含し、ここで該改変保持物を該さらなる材料とブレンドする工程中に、該改変保持物は、最低60℃の温度にあり、そして、スクロースおよび/またはクエン酸三ナトリウムを該保持物に添加する工程の後に、該保持物は、最高8℃の温度で少なくとも2分間貯蔵される、方法。
【請求項2】
スクロースおよび/またはクエン酸三ナトリウムを前記保持物に添加する前記工程の後に、前記改変保持物は、最高8℃の温度で最大24時間貯蔵される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
記さらなる材料は、バッファー、安定剤および香料ら選択される材料をさらに含む、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記ブレンドの前記均質化は、二段高圧均質化である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記保持物は、45〜55重量%の固体を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記保持物は、少なくとも44重量%の脂肪および/または1重量%未満のラクトースを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記保持物を前記さらなる材料とブレンドする前記工程中に、該保持物は65℃より高い温度にある、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記液状乳製品材料は38〜45重量%の脂肪分を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
スクロースが10〜40重量%の量で添加される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記液状乳製品濃縮物を飲料カプセルに充填する工程、および/または前記液状乳製品濃縮物を低温殺菌する工程をさらに包含する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
均質化と、前記液状乳製品濃縮物を飲料カプセルに充填する工程との間に、さらなる材料が該液状乳製品濃縮物に添加されない、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ミルク含有飲料、またはラテなどの飲料のミルク含有部分を作るための、濃縮された材料を製造する方法に関する。特に、本開示は、溶解のときに改善された泡立ちを提供する、好ましくはクリーム由来の材料を、バター形成の危険なしに形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ミルク飲料をミルク濃縮物から作ることは公知であり、そして実際に、コーヒー飲料を白くするためのスキムミルク粉末の使用は、ありふれたことである。このようなミルク粉末は、水での再構成のときにミルク飲料を作るために働き、そしてしばしば、喫茶店風の飲料を家庭で再現しようとする消費者のために、飲料作製機において、簡便なミルクの供給源を提供するために使用される。例えば、コーヒー粉末とミルク粉末との混合物(これは溶解してラテ飲料を与え得る)を含む飲料カプセルを提供することは、公知である。
【0003】
このような飲料作製システムにおいて使用するための液状乳製品材料を提供することもまた、公知である。例えば、欧州特許出願公開第1676786号は、濃縮された液状ミルク材料(これは、ミルク飲料を与えるために使用され得る)の使用を記載する。具体的には、泡立ったミルク飲料を提供することが、欧州特許出願公開第1676786号の目的であり、そして再構成された粉末材料と比較して、液状材料の使用が、泡の発生を促進することが見出された。
【0004】
国際公開第2006/012506号および国際公開第2012/033927号は、希釈によって飲料を作るときに使用するための、濃縮された液状濃縮物の製造を開示する。
【0005】
英国特許出願公開第2212380号は、ミルク濃縮物およびその調製のためのプロセスに関する。
【0006】
米国特許出願公開第2013/196031号は、乳ミネラルを強化した液状乳製品、およびこの製品を作製する方法に関する。
【0007】
米国特許出願公開第2010/055290号は、熱安定な濃縮された乳製品液体およびクリーム製品に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1676786号明細書
【特許文献2】国際公開第2006/012506号
【特許文献3】国際公開第2012/033927号
【特許文献4】英国特許出願公開第2212380号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2013/196031号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2010/055290号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、改善された製造方法を提供すること、および/または先行技術に関連する問題のうちの少なくともいくつかに取り組むこと、または少なくとも、市場で有用な、先行技術の代替物を提供することが、望ましい。
【0010】
従って、第一の局面において、本開示は、液状乳製品濃縮物を製造する方法を提供し、この方法は:
少なくとも35重量%の脂肪分を有する液状乳製品材料を提供する工程;
この液状乳製品材料を限外濾過および/または透析濾過により濃縮して、濃縮された液状乳製品材料を保持物(retentate)として得る工程;
スクロースおよび/またはクエン酸三ナトリウムを添加して改変保持物を形成する工程;
この改変保持物を1つまたはより多くのさらなる材料とブレンドする工程;ならびに
このブレンドしたものを均質化して、液状乳製品濃縮物を形成する工程
を包含し、ここでこの改変保持物をこの1つまたはより多くのさらなる材料とブレンドする工程中に、この保持物は、最低60℃の温度にある。
【0011】
特定の局面では以下の項目が提供される:
(項目1)
液状乳製品濃縮物を製造する方法であって、該方法は:
少なくとも35重量%の脂肪分を有する液状乳製品材料を提供する工程;
該液状乳製品材料を限外濾過および/または透析濾過により濃縮して、濃縮された液状乳製品材料を保持物として得る工程;
スクロースおよび/またはクエン酸三ナトリウムを添加して改変保持物を形成する工程;
該改変保持物を1つまたはより多くのさらなる材料とブレンドする工程;ならびに
該ブレンドしたものを均質化して液状乳製品濃縮物を形成する工程
を包含し、ここで該改変保持物を該1つまたはより多くのさらなる材料とブレンドする工程中に、該改変保持物は、最低60℃の温度にある、方法。
(項目2)
スクロースおよび/またはクエン酸三ナトリウムを前記保持物に添加する前記工程の後に、該保持物は、最高8℃の温度で少なくとも2分間貯蔵される、項目1に記載の方法。
(項目3)
スクロースおよび/またはクエン酸三ナトリウムを前記保持物に添加する前記工程の後に、該保持物は、最高8℃の温度で最大24時間貯蔵される、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記1つまたはより多くのさらなる材料は、バッファー、安定剤、香料、ミネラルおよびカゼインから選択される、前出の項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
前記ブレンドの前記均質化は、二段高圧均質化である、前出の項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
前記保持物は、45〜55重量%の固体を含む、前出の項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
前記保持物は、少なくとも44重量%の脂肪および/または1重量%未満のラクトースを含む、前出の項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
前記保持物を前記1つまたはより多くのさらなる材料とブレンドする前記工程中に、該保持物は、約65℃より高い温度にある、前出の項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
前記液状乳製品材料は、クリームを含み、そして好ましくは、38〜45重量%、好ましくは約40重量%の脂肪分を有する、前出の項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
スクロースが、好ましくは顆粒化形態で、10〜40重量%の量で添加される、前出の項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
前記1つまたはより多くのさらなる材料がカゼインを含み、ここで該カゼインは、濃縮されたミルク材料として提供される、前出の項目のいずれかに記載の方法。
(項目12)
前記液状乳製品濃縮物を飲料カプセルに充填する工程、および/または前記液状乳製品濃縮物を低温殺菌する工程をさらに包含する、前出の項目のいずれかに記載の方法。
(項目13)
均質化と、前記液状乳製品濃縮物を飲料カプセルに充填する工程との間に、さらなる材料が該液状乳製品濃縮物に添加されない、項目12に記載の方法。
(項目14)
項目1〜13のいずれかに記載の方法により得られ得る液状乳製品濃縮物。
(項目15)
項目14に記載の液状乳製品濃縮物、または項目1〜13のいずれかに記載の方法により製造された液状乳製品濃縮物、および必要に応じて、泡立て手段を含む、飲料カプセル。
(項目16)
前記泡立て手段はエダクターである、項目15に記載の飲料カプセル。
(項目17)
飲料を作る方法であって、該方法は、水性媒質を、項目15または項目16に記載のカプセルに導入して、該液状乳製品濃縮物の希釈によって飲料を作る工程、および該飲料を該カプセルから注ぐ工程を包含する、方法。
(項目18)
飲料を作るためのシステムであって、該システムは、項目15または項目16に記載のカプセル、および該カプセルを通る水性媒質の流れを提供して飲料を注ぐための飲料作製機を備える、システム。
本発明が、ここでさらに記載される。以下の節において、本発明の様々な局面が、より詳細に規定される。このように規定される各局面は、そうではないことが明確に示されない限り、他の任意の局面(単数または複数)と組み合わせられ得る。具体的には、好ましいかまたは有利であると示される任意の特徴が、好ましいかまたは有利であると示される他の任意の特徴(単数または複数)と組み合わせられ得る。
【0012】
乳製品材料(dairy ingredient)とは、哺乳動物(代表的には牝牛)のミルクから製造される食品である。乳製品材料は代表的に、ミルク、クリーム、およびバターを含めた、多数の形態をとる。直接得られたミルク製品は、その相対脂肪分に依存して、フラクションに分離する傾向がある(または分離し得る)。このようにして、クリーム層がミルクの上部(top)に形成され得、そして相対脂肪分は、クリームについては少なくとも18重量%、そしてミルクについては5.5重量%未満である。ミルクフラクションとクリームフラクションとを濃縮および/または混合することによって、様々な脂肪レベルが達成され得る。
【0013】
「液状」乳製品材料とは、汲み出し可能なために十分な水を含む材料である。本プロセスのための代表的な液状乳製品材料は、30〜55重量%の範囲の固形分を有する。液状材料は、ミルク由来の脂肪およびタンパク質の懸濁物であることが理解される。
【0014】
本明細書中に記載される方法によって製造される製品の文脈において、濃縮物とは、飲料を形成するために水性媒質と混合するために適切な組成物である。すなわち、濃縮物は、好ましくは、飲む準備ができた配合物ではなく、その代わりに、希釈した状態での消費による。希釈の比は、好ましくは、5:1から、および9:1の量である。例えば、25gの濃縮物は、好ましくは、150〜250gの最終飲料を形成するために、125g〜225gの水で希釈される。
【0015】
濃縮物中に存在する脂肪は、好ましくは、乳脂肪である。すなわち、補充または添加された脂肪成分ではなく、ミルク由来の脂肪である。
【0016】
カゼインとは、ミルクプロテインであり、そして乳製品材料中のホエイタンパク質とともに周知である。異なる乳製品材料中に見出され得る脂肪およびタンパク質のレベルは、材料のタイプおよび行われた何らかの加工によって、有意に変わる。クリーム材料は代表的に、高い脂肪分および低いタンパク質含有量を有する。例えば、40重量%の脂肪分のクリームのタンパク質含有量は、およそ2〜3重量%であり得、このうちの80重量%が代表的に、カゼインタンパク質であり得る。しかし、0.03重量%の脂肪分のスキムミルク製品のタンパク質含有量は、およそ8〜10重量%であり得、このうちの90重量%が代表的に、カゼインタンパク質であり得る。従って、本発明者らは、クリームを濃縮し、次いでスキムミルク濃縮物を導入することによって、クリーム中のカゼインのレベルを増大させ得ることを見出した。
【0017】
天然ミセル状カゼイン(Native micellular casein)とは、カゼインが変性しておらず、そして溶液中でミセルを形成しているように水性形態で提供されるカゼインである。これらは、ミルク中に存在するミネラルの観点から、代表的にカルシウムミセルである。天然ミセル状カゼインの理想的な供給源は、濃縮されたミルクであり、特に、精密濾過(microfiltrate)されたスキムミルク濃縮物であり、これらは、水溶液であり、そしてカゼインに富む。
【0018】
限外濾過は、当該分野において周知であるプロセスである。限外濾過(UF)は、圧力または濃度勾配などの条件が半透膜を通しての分離をもたらす、種々の膜濾過である。懸濁した固体および高分子量の溶質が、いわゆる保持物中に保持され、一方で、水および低分子量の溶質は、膜を通って透過物(permeate)に入る。限外濾過は、保持する分子のサイズの観点以外には、精密濾過、ナノ濾過または膜ガス分離と本質的に異ならない。本方法の限外濾過は、上昇した温度で、好ましくは少なくとも30℃、好ましくは40〜60℃、そして最も好ましくは約50℃で行われる。
【0019】
透析濾過は、当該分野において周知であるプロセスである。透析濾過とは、純粋な溶液を得る目的で、マイクロ分子透過性フィルタを使用することによる、分子サイズに基づく、溶液の成分(塩、小タンパク質、溶媒などのような、透過性分子)の除去または分離を包含する希釈プロセスである。乳製品材料の処理において、透析濾過は、ラクトースを乳製品材料から除去するために使用される。
【0020】
均質化は、2つの非混和性の液体の均質性を確実にするために使用されるプロセスである。脂肪分が乳製品組成物の水性部分に等しく分布することを確実にするために、この乳製品組成物を均質化することは、周知である。均質化は、脂肪を、それ以上は分離できないほど小さいサイズに破壊して、任意の脂肪規格での非分離ミルクの販売を可能にする。均質化は、好ましくは、二段高圧プロセスであり、例えば、100〜300Bar(好ましくは、約140〜200Bar)での第一段階、および10〜30Bar(好ましくは、約20Bar)での第二段階である。
【0021】
低温殺菌またはレトルト処理は、当該分野において周知であるプロセスである。これは、食物組成物を特定の温度で所定の長さの時間にわたって加熱すること、および次いで、この組成物をその加熱から取り出した後にすぐに冷却することを包含する。このプロセスは、この食物内での微生物増殖により引き起こされる、腐敗を遅くする。滅菌とは異なり、低温殺菌は、食物内の全ての微生物を殺傷することを意図されない。その代わりに、低温殺菌は、生存可能な病原体が疾患を引き起こしにくくするように、生存可能な病原体の数を減少させることを目的とする。
【0022】
理解されるように、濃縮された材料から作られるミルク飲料のサイズは、その望ましい風味を失うことなくこれらの材料が希釈され得る程度に依存する。従って、EP1676786(これは、本明細書中に参考として援用される)に開示されるもののようなカプセルについては、十分な濃縮物が提供され得ることを確実にするように、カプセルのサイズを調整することが必要である。
【0023】
本発明者らは、減量した飲料濃縮物からフルサイズのミルク飲料を提供することが望ましいことを見出した。本発明者らは、ミルク由来の材料を用いて達成され得るよりも高い希釈での、クリーム由来の濃縮物の希釈によって、ミルク風味の飲料が提供され得ることを、ここで見出した。しかし、より濃縮されたミルク材料の使用は、過度にプロセス集約的であることが見出され、そして高脂肪の組成物が加工中にバターを形成する、増加した可能性が存在した。
【0024】
本発明者らは、加工中にバターの形成を防止するように働く、数個の重要な工程が採用され得ることを、ここで見出した。バター形成は、非常に望ましくない。プロセス中のいずれの時点であっても、製品が少量のバター生成を起こす場合、得られる飲料は、より色が濃く、より甘く、そして完成品中でより薄くなる。その飲料の乳製品部分のみが、コーヒーとは別に淹れられる場合、一般に、油の分離もまた見られる。
【0025】
この方法は、少なくとも35重量%の脂肪分を有する液状乳製品材料を提供する、第一の工程を包含する。この液状乳製品材料は、好ましくはクリームであり、そして好ましくは、約40重量%の脂肪分を有する。
【0026】
この方法は、この液状乳製品材料を限外濾過および/または透析濾過により濃縮して、濃縮された液状乳製品材料を保持物として得る、第二の工程を包含する。これらのプロセス工程は、好ましくは、1.1〜1.3倍の濃度を達成するために行われる。この濃縮された保持物の脂肪分は、好ましくは、少なくとも44重量%である。
【0027】
この方法は、スクロースおよび/またはクエン酸三ナトリウムを添加して改変保持物を形成する工程を包含する。好ましくは、これらはスラリーとして添加され、そして好ましくは、最終配合物の約25重量%を提供するのに適切な量で添加される。
【0028】
好ましくは、このスクロースを補充された保持物は、次いで8℃未満まで冷却され、そして少なくとも2分間貯蔵される。驚くべきことに、この冷却および保持の工程は、達成される最終的な飲料の泡に、重大な効果を有することが見出された。理論によって束縛されることを望まないが、おそらく、タンパク質の構造またはカルシウムミネラルの分布に対する影響が存在し、これが、この有利な効果を与えるのである。
【0029】
次いで、この方法は、この改変保持物を1つまたはより多くのさらなる材料(例えば、香料(flavouring)および安定剤)とブレンドする工程、およびこのブレンドしたものを均質化して液状乳製品濃縮物を形成する工程を包含する。この改変保持物をこの1つまたはより多くのさらなる材料とブレンドする工程中に、この改変保持物は、最低60℃、好ましくはおよそ70〜80℃の温度にある。
【0030】
好ましくは、スクロースおよび/またはクエン酸三ナトリウムをこの保持物に添加する工程の後に、この保持物は、少なくとも2分間、好ましくは少なくとも30分間、好ましくは少なくとも1時間、最高12℃、好ましくは最高8℃の温度で、貯蔵される。より好ましくは、最大72時間、より好ましくは最大24時間、なおよりより好ましくは最大12時間、最高8℃の温度(好ましくは、5〜8℃の範囲)である。濃縮された乳製品材料をこの時間にわたって保持する能力は、製品の標準化、およびより大きいバッチプロセスの性能を有するプロセス効率を可能にする。スクロース(顆粒状と粉末状との両方)またはクエン酸三ナトリウムのいずれかが添加されているという条件で、濃縮された乳製品材料をバター形成なしで冷却条件下で貯蔵することが可能であることが見出された。
【0031】
好ましくは、この1つまたはより多くのさらなる材料は、バッファー、安定剤、香料、ミネラルおよびカゼインから選択される。
【0032】
この液状乳製品濃縮物は、1つまたはより多くの安定剤(例えば、アラビアガム)を含有し得る。この安定剤は、好ましくは、この濃縮物の0.625重量%〜1.0重量%の量で提供される。
【0033】
この液状乳製品濃縮物は、塩を含有し得る。塩は、好ましくは、この濃縮物の0.8重量%〜1.4重量%の量で提供される。この液状乳製品濃縮物は、ビタミンまたはミネラルのサプリメントを含有し得る。ビタミンまたはミネラルのサプリメントは、好ましくはこの濃縮物の0重量%〜2.5重量%、より好ましくは1.25重量%〜2.5重量%の量で提供される。この液状乳製品濃縮物は、1重量%までの他の香料を含有し得る。
【0034】
この液状乳製品濃縮物は、糖(本明細書中で議論されるような任意の添加されるスクロースを含めて)を含有し得る。この糖は、好ましくは、この濃縮物の12.5重量%〜36重量%、好ましくは約25重量の量で提供される。
【0035】
好ましくは、この濃縮物は、香料、安定剤、塩、糖およびビタミン/ミネラルサプリメント、ならびにカゼインの供給源から選択される1つまたはより多くの成分と一緒になった、乳製品材料からなる。
【0036】
好ましくは、このブレンドしたものの均質化は、二段高圧均質化である。
【0037】
好ましくは、この保持物は、45〜55重量%の固体を含む。好ましくは、この保持物は、少なくとも44重量%の脂肪および/または1重量%未満のラクトースを含む。
【0038】
好ましくは、この保持物をこの1つまたはより多くのさらなる材料とブレンドする工程中に、この保持物は、65℃より高い温度、より好ましくは、70〜80℃、そして最も好ましくは、約75℃である。最低60℃の温度での熱時混合は、脂肪粒子の脂肪球膜のための支持を与え、その結果、貯蔵中の遊離脂肪の放出が少なくなり、そしてバター形成が制限されることが見出された。50℃と60℃との比較でさえも、10℃の上昇が、このマトリックス中の遊離脂肪の放出の防止を補助し得ることが示された。
【0039】
好ましくは、上記液状乳製品材料は、クリームを含有し、そして好ましくは、38〜45重量%、好ましくは約40重量%の脂肪分を有する。この高レベルの脂肪は、効率的なプロセス、および一旦、飲料濃縮物を形成するために必要なさらなる材料が含まれると、最終濃縮物の高い濃度を可能にする。
【0040】
好ましくは、スクロースが添加され、好ましくは、顆粒化形態で、10〜40重量%、より好ましくは約25重量%の量で、添加される。
【0041】
好ましくは、1つまたはより多くのさらなる材料は、カゼインを含有し、ここでこのカゼインは、濃縮されたミルク材料として提供される。好ましくは、カゼインは、天然ミセル状カゼインとして提供される。具体的には、このカゼインは、好ましくは、濃縮されたミルク材料として提供される。このカゼインは、好ましくは、液体形態で提供されて、このカゼインが天然ミセルとして提供されることを確実にする。従って、このカゼインは、好ましくは、濃縮された液状の乳タンパク質源(例えば、精密濾過されたスキムミルク)として提供される。この濃縮された液状の乳タンパク質源は、好ましくは、この濃縮物の8〜22重量%、より好ましくは、12〜18重量%の量で提供される。有利なことに、このタンパク質源は、最終飲料系の下流での滅菌処理において、ホエイタンパク質のゲル化を防止する目的で、ホエイタンパク質と比較して、より高レベルの熱安定カゼインを含有する。この濃縮物中に存在するカゼインのレベルは、好ましくは、1〜4重量%、より好ましくは、2〜3重量%である。
【0042】
好ましくは、この方法は、この液状乳製品濃縮物を飲料カプセルに充填する工程、および/またはこの液状乳製品濃縮物を低温殺菌する工程をさらに包含する。このカプセルは、所望である場合、さらなるパッケージを備え得る。
【0043】
好ましくは、液状乳製品濃縮物を均質化する工程と、この液状乳製品濃縮物を飲料カプセルに充填する工程との間で、実質的に、さらなる材料はこの液状乳製品濃縮物に添加されない。理解されるように、少量の材料(例えば、香料、特に液状香料)が、この時点で、この濃縮物の1重量%未満などで添加されてもよい。重大なさらなる添加を回避することによって、さらなる添加物がバターの形成を促進する危険が防止される。さらなる材料を添加して飲料濃縮物を形成する前の、最初の工程としてではなく、このプロセスの最終工程として、ホモジナイザーを提供することによって、最高の製品の味および舌触りの質を与える役に立つことが見出された。さらに、様々な試行の結果は、このプロセスの下流での均質化、特に熱時均質化が、最高品質の完成した製品を製造する一方で、望まれる場合にはこのプロセスの貯蔵の最大の融通性を、貯蔵タンク内でのバターの生成なしに可能にするための、理想的なユニット操作であることを示した。すなわち、均質化された製品を貯蔵することが必要である場合、この製品は安定なままである。一方で、乳製品材料がさらなる材料の添加前に事前に均質化される場合、この利点は損なわれる。
【0044】
従来のプロセスにおいて、限外濾過の後に、濃縮された乳製品材料を均質化することは公知であった。しかし、ミルクベースの材料からより高脂肪のクリームベースの材料に変わるときに、このアプローチは、貯蔵中のバター形成をもたらすことを、本発明者らは見出した。
【0045】
具体的には、本発明者らは、濃縮された液状乳製品濃縮物を、高度に濃縮された乳脂肪源から調製する場合、脂肪球膜が破壊される危険があり、その結果、遊離脂肪が放出され得ることを見出した。これは、バターの発生の開始であり、これは貯蔵中に、この濃縮物を使用不可能にし得る。
【0046】
本発明者らは、高度に濃縮された乳脂肪源(これは、特定の様式で加工される場合、脂肪球膜の破壊を妨げ、その結果、遊離脂肪の放出を妨げる)を源とする濃縮物を提供することが可能であることを見出した。さらに、本発明者らは、バターを形成することなく中間生成物を貯蔵することを可能にしながら、この目的を達成することが可能であることを見出した。
【0047】
理解されるように、本明細書中に記載されるプロセスは、異なる温度で行われ得る、多数の連続したプロセス工程を包含する。保持物をこれらの温度の間で動かす目的で、熱交換器を使用することが好ましい。好ましくは、温度変化は、加工される保持物の量が多いことを考慮して、実行可能な限り迅速に行われ、そして好ましくは、加熱工程および冷却工程の各々は、取り扱われる保持物の各個々の部分について、10分未満、より好ましくは5分未満、そして好ましくは1分未満で行われる。
【0048】
さらなる局面によれば、本明細書中に開示される方法によって得られ得る液状乳製品濃縮物が提供される。
【0049】
さらなる局面によれば、本明細書中に記載されるような液状乳製品濃縮物、および必要に応じて、泡立て手段を含む、飲料カプセルが提供される。飲料カプセルは、当該分野において周知であり、そして液状材料を保持するために適切な任意の設計が使用され得る。好ましくは、上記泡立て手段はエダクターである。
【0050】
さらなる局面によれば、飲料を作る方法が提供され、この方法は、水性媒質を、本明細書中に記載されるカプセルに導入して、液状乳製品濃縮物の希釈によって飲料を作る工程、およびこの飲料をこのカプセルから注ぐ工程を包含する。
【0051】
さらなる局面によれば、飲料を作るためのシステムが提供され、このシステムは、本明細書中に記載されるようなカプセル、およびこのカプセルを通る水性媒質の流れを提供して飲料を注ぐための飲料作製機を備える。
【0052】
なおさらなる局面によれば、本明細書中に開示される第一の局面に基づいて、液状乳製品濃縮物を製造する方法が提供され、この方法は:
少なくとも35重量%の脂肪分を有する液状乳製品材料を提供する工程;
この液状乳製品材料を限外濾過および/または透析濾過により、最低40℃の温度で濃縮して、濃縮された液状乳製品材料を保持物として得る工程;
スクロースおよび/またはクエン酸三ナトリウムを添加して改変保持物を形成する工程;
この改変保持物を最高8℃の温度まで冷却し、そしてこれを少なくとも2分間貯蔵する工程、
この改変保持物を1つまたはより多くのさらなる材料とブレンドする工程;ならびに
このブレンドしたものを均質化して液状乳製品濃縮物を形成する工程
を包含し、ここでこの改変保持物をこの1つまたはより多くのさらなる材料とブレンドする工程中に、この保持物は、最低60℃の温度である。
【0053】
方法の好ましい実施例によれば、液状乳製品濃縮物は、以下の工程で製造される:
・クリームが提供されて低温殺菌され、次いで冷却されて緩衝化される。
・次いで、このクリームが50℃より高温まで加熱され、そして限外濾過および透析濾過に供される。
・糖がこの濃縮されたクリームに添加されて、スラリーを形成する。
・このスラリーが8℃未満まで少なくとも30分間冷却され、次いで70℃より高温に加熱される。
・ある量の水および精密濾過されたミルク濃縮物を含有する、液状添加物が作製される。
・次いで、ミネラルを含有する粉末材料が添加される。
・次いで、この加工された乳製品液体が、200Barおよび20Barでの2工程プロセスで均質化され、次いで飲料カートリッジへの充填のために、8℃未満に冷却される。
・次いで、この充填および密封された飲料カートリッジが、低温殺菌のためにレトルトに通される。
【0054】
液状添加物は:
液体のミセル状のカゼインタンパク質

を含有する。
【0055】
粉末材料添加物は:
スクロース
乳ミネラル(より高いカルシウムとのブレンド)
アラビアガム(親水コロイド)
塩化ナトリウム
天然フレーバー(全ての配合物に含まれるわけではない)
クエン酸三ナトリウム
を含有する。
【0056】
最終製品は、45〜65重量%、好ましくは50〜59重量%の全固形分;12〜30重量%、好ましくは15〜25重量%の脂肪分;および1〜5重量%、好ましくは1.5〜4%のタンパク質含有量を有する。
【0057】
塩は、0.5〜2重量%、好ましくは1〜1.5重量%の量で存在し;糖は、7〜15重量%、好ましくは9〜13重量%の量で存在し;添加されるミネラルは、1〜3重量%、好ましくは1.5〜2.5重量%の量(完成した製品中0.35〜0.55重量%のカルシウムレベルをもたらす)で存在し;クエン酸三ナトリウムは、0.1〜0.5重量%、好ましくは0.2〜0.4重量%の量で存在し;そしてアラビアガムは、0.25〜1.5重量%、好ましくは0.5〜1重量%の量で存在する。
【0058】
コントレートされた(contrated)(MF)カゼイン富化スキムミルクは、5〜25重量%、好ましくは10〜20重量%の量で添加される。
【0059】
最終製品中のラクトース(これは、限外濾過および透析濾過の工程に起因して、クリーム中でのレベルから減少している)は代表的に、0.5〜1.5重量%、好ましくは0.8〜1.1重量%である。
【0060】
上記材料範囲の全ては、個々に、および他の列挙される材料と組み合わせて、考慮される。全ての百分率は、他に特定されない限り、重量基準である。
【0061】
本発明は、ここで以下の非限定的な図に関して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1図1は、コーヒー飲料作製システム(1)を示す。
図2図2は、先行技術の方法のプロセス工程の一例を示す。
図3図3は、本明細書中に記載される方法のプロセス工程の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図2において、フローチャートボックスは、以下のとおりである:
A - ミルクの供給
B - 限外濾過処理
C - 均質化(2段階)
D - 12℃未満への冷却
E - 8℃未満で72時間未満の貯蔵
F - 水、塩および安定剤(など)を添加するための混合工程
G - 12℃未満で12時間未満の貯蔵
H - カプセル充填
I - 124℃で13分間の低温殺菌
図3において、フローチャートボックスは、以下のとおりである(明瞭にするために、同様の参照番号が使用されている):
A’ - 約40%の脂肪を含むクリームの供給
B’ - ラクトースを除去しながらの、限外濾過および透析濾過処理。
【0064】
工程B’は、約50%の固体、2〜3%のタンパク質、44%+の脂肪および1%未満のラクトースを含む濃縮物をもたらす。
【0065】
工程B’の後に、スクロースが工程Jにおいて添加される。
D’ - 12℃未満への冷却
E’ - 8℃未満で72時間未満の貯蔵
F’ - 水、塩およびカゼイン(など)を添加するための混合工程
C’ - 均質化(2段階)
G’ - 12℃未満で12時間未満の貯蔵
H’ - カプセル充填
I’ - 124℃で13分間の低温殺菌
【0066】
本発明が、ここで以下の非限定的な実施例に関して記載される。
【実施例】
【0067】
2つのクリームベースの濃縮物を調製し、そして飲料カプセルに充填した。次いで、これらの濃縮物を低温殺菌した。これらの2つの試験配合物のレシピは、以下の通りであった:
【0068】
実施例1
【表1】
【0069】
実施例1の組成物を、以下のように生成した。約40重量%の脂肪分を有するクリーム材料を限外濾過および透析濾過に供して、およそ50重量%の全固形分および低いラクトース含有量を達成した。これらの濾過工程を、およそ50℃で実施した。
【0070】
この保持物を、60℃で最大6時間貯蔵した。次いで、この保持物をミキサー内で、上記配合に従う粉末およびフレーバーと、65℃で少なくとも7分間の最小混合時間にわたり、混合した。
【0071】
次いで、この混合物をホモジナイザーに通し、そして65℃で維持した。これを、142/20barで2段階で均質化した。
【0072】
次いで、この混合物をワイドギャッププレート式熱交換器(wide gap plate and frame heat exchanger)内で10℃未満まで冷却し、次いで、5℃<x<10℃の温度で26.5gの充填重量で、飲料カプセルに充填した。次いで、閉じたカプセルを124℃で11〜14分間レトルト処理した。
【0073】
実施例2
【表2】
【0074】
実施例2の組成物を、以下のように生成した。約40重量%の脂肪分を有するクリーム材料を限外濾過および透析濾過に供して、およそ50重量%の全固形分および低いラクトース含有量を達成した。これらの濾過工程を、およそ50℃で実施した。
【0075】
次いで、保持物を糖およびクエン酸三ナトリウムと混合し、そして8℃未満の温度まで最大72時間冷却した。
【0076】
次いで、この保持物を再度加熱し、そしてミキサー内で、上記配合に従う残りの粉末およびフレーバーと、65℃で少なくとも7分間の最小混合時間にわたり混合した。
【0077】
次いで、この混合物をホモジナイザーに通し、そして65℃で維持した。これを、142/20barで2段階で均質化した。
【0078】
次いで、この混合物をワイドギャッププレート式熱交換器内で10℃未満まで冷却し、次いで、5℃<x<10℃の温度で26.5gの充填重量で、飲料カプセルに充填した。次いで、閉じたカプセルを124℃で11〜14分間レトルト処理した。
【0079】
比較例1
【0080】
組成物を、以下のように生成した。約40重量%の脂肪分を有するクリーム材料を限外濾過および透析濾過に供して、およそ50重量%の全固形分および低いラクトース含有量を達成した。これらの濾過工程を、およそ50℃で実施した。
【0081】
この保持物に精密濾過したミルク濃縮物を補充し、次いでホモジナイザーに通し、そして65℃で維持した。これを、142/20barで2段階で均質化した。
【0082】
この均質化した保持物を8℃で72時間貯蔵した。
【0083】
次いで、この保持物を、ミキサー内で粉末および香料と混合する予定であった。しかし、この濃縮物は、貯蔵中にバターを形成した。
【0084】
比較例2
【0085】
組成物を、以下のように生成した。約40重量%の脂肪分を有するクリーム材料を限外濾過および透析濾過に供して、およそ50重量%の全固形分および低いラクトース含有量を達成した。これらの濾過工程を、およそ50℃で実施した。
【0086】
この保持物をホモジナイザーに通し、そして65℃で維持した。これを、142/20barで2段階で均質化した。
【0087】
この均質化した保持物を8℃で72時間貯蔵した。
【0088】
次いで、この保持物を、ミキサー内で粉末および香料と混合する予定であった。しかし、この濃縮物は、貯蔵中にバターを形成した。
【0089】
比較例3
【0090】
組成物を、以下のように生成した。約40重量%の脂肪分を有するクリーム材料を限外濾過および透析濾過に供して、およそ50重量%の全固形分および低いラクトース含有量を達成した。これらの濾過工程を、およそ50℃で実施した。
【0091】
次いで、保持物を糖(スクロース)およびクエン酸三ナトリウムと混合し、そして8℃未満の温度まで最大72時間冷却した。
【0092】
次いで、この保持物をミキサー内で、上記配合に従う残りの粉末およびフレーバーと、少なくとも7分間の最小混合時間にわたり(50℃で)混合した。
【0093】
次いで、この混合物をホモジナイザーに通した。これを、142/20barで2段階で均質化した。
【0094】
次いで、この混合物をワイドギャッププレート式熱交換器内で10℃未満まで冷却し、次いで、5℃<x<10℃の温度で26.5gの充填重量で、飲料カプセルに充填した。次いで、閉じたカプセルを124℃で11〜14分間レトルト処理した。
【0095】
この例において、プロセス中に何らかの失敗が見られた。なぜなら、これらの完成品はわずかに色が濃く、そしてコーヒーがより濃くなったからである。
【0096】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書中に詳細に記載されたが、本発明または添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対するバリエーションが作られ得ることが、当業者によって理解される。
図1
図2
図3