特許第6266151号(P6266151)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6266151情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6266151
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20180115BHJP
   G06Q 50/28 20120101ALI20180115BHJP
【FI】
   G06Q10/08 308
   G06Q50/28
【請求項の数】16
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2017-43346(P2017-43346)
(22)【出願日】2017年3月7日
【審査請求日】2017年4月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】入山 高光
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−292161(JP,A)
【文献】 特開2002−334137(JP,A)
【文献】 特開2004−295576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品サンプルに関する情報を含むユーザの要求を受け付ける受付部と、
各移動体の移動状態と提供する商品サンプルとに関する情報を含む移動体情報と、前記受付部によって受け付けられた前記要求を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記要求と、前記記憶部に記憶された前記移動体情報とに基づき、物品の配送を主たる第1の移動目的とし、前記第1の移動目的で移動中の複数の移動体のうち、前記要求に対応する前記配送の対象とは異なる商品サンプルの提供を目的とする従たる第2の移動目的を与える移動体を選定する選定部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
商品サンプルに関する情報を含むユーザの要求を受け付ける受付部と、
各移動体の移動状態と提供する商品サンプルとに関する情報を含む移動体情報と、前記受付部によって受け付けられた前記要求を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記要求と、前記記憶部に記憶された前記移動体情報とに基づき、主たる第1の移動目的で移動中の複数の移動体のうち、前記要求に対応する商品サンプルの提供を目的とする従たる第2の移動目的を与える移動体を選定する選定部と、
前記選定部により選定された前記移動体によって第2の移動目的が実行された場合に、前記第2の移動目的の実行に対してインセンティブを付与する付与部と
を備え、
前記付与部は、
前記移動体が有する前記商品サンプルのうち所定の数以上の商品サンプルが前記移動体に関係する他の第2移動体に引き渡されたことを示す情報が前記記憶部に記憶された場合に、前記移動体に対してインセンティブを付与すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記要求には、
前記ユーザによって指定された位置を示す位置情報が含まれ、
前記選定部は、
前記位置情報と前記移動体の位置とに基づいて前記移動体を選定すること
を特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記要求には、
前記ユーザによって指定された時間を示す時間情報が含まれ、
前記選定部は、
前記時間情報と前記移動体の位置とに基づいて前記移動体を選定すること
を特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記選定部により選定された前記移動体によって第2の移動目的が実行された場合に、前記第2の移動目的の実行に対してインセンティブを付与する付与部をさらに備えること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記選定部は、
前記複数の移動体のうち、前記要求に応じた商品サンプルを有する前記移動体を前記第2の移動目的を与える移動体として選定し、
前記付与部は、
前記商品サンプルの提供に対してインセンティブを付与すること
を特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ユーザの属性情報を記憶する記憶部から前記ユーザの属性に適合する商品サンプルを抽出する抽出部をさらに備え、
前記選定部は、
前記複数の移動体のうち、前記第2の移動目的に加えて前記抽出部によって抽出された前記商品サンプルの提供を第3の移動目的として与える移動体を選定すること
を特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記移動体は、人またはロボットであること
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ユーザの端末に対して、所定の商品サンプルの情報または所定のサービスの情報を通知する通知部をさらに備え、
前記通知部は、
前記ユーザの位置情報と前記移動体の位置とに基づき、前記ユーザの現在位置が前記移動体の現在位置から所定範囲内に入った場合に、当該移動体が有する前記所定の商品サンプルの情報または前記所定のサービスの情報を前記ユーザへ通知すること
を特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
地図情報から所定の地域を指定する指定部をさらに備え、
前記通知部は、
前記指定部によって指定された地域に前記ユーザの現在位置が入った場合に、前記所定の商品サンプルの情報または前記所定のサービスの情報を前記ユーザへ通知すること
を特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記商品サンプルには、固有の識別IDが付与されており、
前記付与部は、
前記受付部が受け付けた前記識別IDに基づいて前記移動体に対してインセンティブを付与すること
を特徴とする請求項2または6に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記付与部は、
前記移動体から直接もしくは前記移動体に関係する第2移動体を経て他の移動体もしくはユーザに提供された前記商品サンプルの数量、または提供された前記商品サンプルに付された固有の識別IDが通信ネットワーク経由で送信されたことに基づく貢献実績、の少なくとも一方に基づいて、前記移動体に対してインセンティブを付与すること
を特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
商品サンプルに関する情報を含むユーザの要求を受け付ける受付工程と、
各移動体の移動状態と提供する商品サンプルとに関する情報を含む移動体情報と、前記受付工程によって受け付けられた前記要求を記憶部に記憶する記憶工程と、
前記記憶工程によって前記記憶部に記憶された前記要求と、前記記憶部に記憶された前記移動体情報とに基づき、物品の配送を主たる第1の移動目的とし、前記第1の移動目的で移動中の複数の移動体のうち、前記要求に対応する前記配送の対象とは異なる商品サンプルの提供を目的とする従たる第2の移動目的を与える移動体を選定する選定工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
商品サンプルに関する情報を含むユーザの要求を受け付ける受付工程と、
各移動体の移動状態と提供する商品サンプルとに関する情報を含む移動体情報と、前記受付工程によって受け付けられた前記要求を記憶部に記憶する記憶工程と、
前記記憶工程によって前記記憶部に記憶された前記要求と、前記記憶部に記憶された前記移動体情報とに基づき、主たる第1の移動目的で移動中の複数の移動体のうち、前記要求に対応する商品サンプルの提供を目的とする従たる第2の移動目的を与える移動体を選定する選定工程と、
前記選定工程により選定された前記移動体によって第2の移動目的が実行された場合に、前記第2の移動目的の実行に対してインセンティブを付与する付与工程と
を含み、
前記付与工程は、
前記移動体が有する前記商品サンプルのうち所定の数以上の商品サンプルが前記移動体に関係する他の第2移動体に引き渡されたことを示す情報が前記記憶工程によって前記記憶部に記憶された場合に、前記移動体に対してインセンティブを付与すること
を特徴とする情報処理方法。
【請求項15】
商品サンプルに関する情報を含むユーザの要求を受け付ける受付手順と、
各移動体の移動状態と提供する商品サンプルとに関する情報を含む移動体情報と、前記受付手順によって受け付けられた前記要求を記憶部に記憶する記憶手順と、
前記記憶手順によって前記記憶部に記憶された前記要求と、前記記憶部に記憶された前記移動体情報とに基づき、物品の配送を主たる第1の移動目的とし、前記第1の移動目的で移動中の複数の移動体のうち、前記要求に対応する前記配送の対象とは異なる商品サンプルの提供を目的とする従たる第2の移動目的を与える移動体を選定する選定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項16】
商品サンプルに関する情報を含むユーザの要求を受け付ける受付手順と、
各移動体の移動状態と提供する商品サンプルとに関する情報を含む移動体情報と、前記受付手順によって受け付けられた前記要求を記憶部に記憶する記憶手順と、
前記記憶手順によって前記記憶部に記憶された前記要求と、前記記憶部に記憶された前記移動体情報とに基づき、主たる第1の移動目的で移動中の複数の移動体のうち、前記要求に対応する商品サンプルの提供を目的とする従たる第2の移動目的を与える移動体を選定する選定手順と、
前記選定手順により選定された前記移動体によって第2の移動目的が実行された場合に、前記第2の移動目的の実行に対してインセンティブを付与する付与手順と
をコンピュータに実行させ、
前記付与手順は、
前記移動体が有する前記商品サンプルのうち所定の数以上の商品サンプルが前記移動体に関係する他の第2移動体に引き渡されたことを示す情報が前記記憶手順によって前記記憶部に記憶された場合に、前記移動体に対してインセンティブを付与すること
を特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークを介して、例えば、荷物を配送する移動体を、荷物の配送要求をしたユーザの元へ向かわせる技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−117302号公報
【特許文献2】特開2010−228281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、移動体は、荷物を配送するという移動目的のみを有しているだけであり、かかる移動体がユーザの要求に応じた他の移動目的として有効に利用されていないという問題があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、移動体の有効利用を図ることができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、受付部と、選定部とを備える。受付部は、ユーザの要求を受け付ける。選定部は、受付部によって受け付けられた要求に応じて、主たる第1の移動目的を有する複数の移動体のうち、要求に対応する従たる第2の移動目的を与える移動体を選定する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、移動体の有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るユーザ情報データベースに登録されるユーザの属性情報の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るユーザ情報データベースに登録される商品サンプルを要求したユーザの情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る移動体情報データベースに登録される配送車の情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る移動体情報データベースに登録されるユーザが要求した商品サンプルを積載する配送車の情報の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理システムによる情報処理の一例を示すシーケンス図である。
図8図8は、実施形態に係る商品広告画面の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る商品サンプル申込画面の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態の変形例に係る移動体データベースに登録されるサンプル提供者の情報の一例を示す図である。
図11図11は、実施形態の変形例に係る移動体データベースに登録されるユーザが要求した商品サンプルを所持するサンプル提供者の情報の一例を示す図である。
図12図12は、実施形態の変形例に係る情報処理システムによる情報処理の一例を示すシーケンス図である。
図13図13は、実施形態の変形例に係るサンプル提供者存在画面の一例を示す図である。
図14図14は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
また、以下の説明では、情報処理装置が実行する処理として、ユーザの要求に応じて主たる第1の移動目的を有する移動体のうち、かかるユーザの要求に対応する従たる第2の移動目的を与える移動体を選定する情報処理の一例について説明する。
【0011】
ここで、第1の移動目的とは、移動体が、例えば、荷物を配送する配送車である場合、荷物を目的地に配送することがかかる移動体にとって主たる目的であり、移動体が、例えば、人を運ぶタクシーである場合、人を目的地まで運ぶことがかかる移動体にとって主たる目的である。
【0012】
また、第2の移動目的とは、例えば、ユーザが物品を要求した場合、予め積載している要求に応じた物品を、かかるユーザへ届けることが上記した移動体にとって従たる目的である。すなわち、上記した移動体は、主業務を遂行するための第1の移動目的を有しており、かかる第1の移動目的に加えて、予め積載している要求に応じた物品をユーザへ届けるための第2の移動目的を有する。
【0013】
なお、要求に応じた物品としては、例えば、商品サンプル、販売商品、非常用品、救助用品などを挙げることができる。また、移動体が配送車である場合には、要求に応じた物品とは、主業務である配送の対象とは異なる物品である。
【0014】
[1−1.情報処理の概念]
次に、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。なお、図1では、実施形態に係る情報処理に基づいて、荷物Lを配送する配送車3がユーザUの要求に対応する商品サンプルMを積載している場合、かかる商品サンプルMをユーザUへ届ける場合を示している。
【0015】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、自装置である情報処理装置10、ユーザUが保持するユーザ端末2、および配送車3に搭載される配送車端末30を含む。情報処理装置10、ユーザ端末2、および配送車端末30は、例えば、インターネットを介して接続される。
【0016】
かかる情報処理システム1における情報処理装置10は、例えば、会社QにいるユーザUがユーザ端末2を利用して商品サンプルMの要求情報を送信した場合、かかる要求情報を受け付ける(ステップS1)。そして、情報処理装置10は、荷物Lを配送する第1の移動目的を有する複数の配送車3の中から、ユーザUが要求した商品サンプルMを積載する配送車3を選定する(ステップS2)。続いて、情報処理装置10は、商品サンプルMを積載する配送車3の配送車端末30へユーザUが要求した商品サンプルMの配送の指令情報を送信する(ステップS3)。
【0017】
そして、配送車端末30は、情報処理装置10からの指令情報を受信すると、荷物Lの配送途中にある配送車3を運転するドライバに対して、ユーザUが要求した商品サンプルMを会社QにいるユーザUへ届けるように指示する。
【0018】
つまり、情報処理装置10は、例えば、集荷営業所K→家P1→ビルP2→家P3→集荷営業所Kの順の経路で荷物Lを配送する主たる第1の移動目的R1を有する複数の配送車3の中からユーザUが要求した商品サンプルMを積載する配送車3を選定する。これにより、情報処理装置10は、かかる配送車3に対して、例えば、ユーザUがいる会社Qから一番近い家P1への荷物Lの配送が終わったあとユーザUがいる会社Qへ商品サンプルMを届けるために向かわせる従たる第2の移動目的R2を与えることになる。
【0019】
このように、情報処理装置10は、荷物Lを配送する第1の移動目的を有する複数の配送車3の中からユーザUが要求した商品サンプルMを積載する配送車3を選定することで、選定した配送車3に商品サンプルMをユーザUへ届けさせることができる。よって、かかる情報処理装置10によれば、移動体である配送車3の有効利用を図ることができる。
【0020】
なお、図1に示す例においては、情報処理装置10は、荷物Lを配送する第1の移動目的を有する複数の配送車3の中からユーザUが要求した商品サンプルMを積載する配送車3を選定した。他の選定方法としては、ユーザUによって指定された位置を示す位置情報および/またはユーザUによって指定された時間を示す時間情報と配送車3の位置とに基づいてユーザUが要求した商品サンプルMを積載する複数の配送車3の中から最適な配送車3を選定してもよい。かかる種々の選定方法については、以下の実施形態において詳細に説明する。
【0021】
[1−2.情報処理システムの構成例]
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の構成例について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図2に示すように、情報処理システム1は、ユーザ端末2と、配送車端末30と、情報処理装置10とを含む。なお、情報処理装置10については後述することにする。
【0022】
情報処理システム1において、ユーザ端末2、配送車端末30、および情報処理装置10は、ネットワークNを介して、互いに有線または無線通信可能に接続される。なお、図2に示される情報処理システム1に含まれる端末および装置の数は、図示した数に限られない。例えば、情報処理システム1は、ユーザU1,U2,U3…の数と同じ数のユーザ端末2がネットワークNに接続され、配送車G1,G2,G3…の数と同じ数の配送車端末30がネットワークNに接続される。つまり、一人のユーザUに対して一個のユーザ端末2が割り当てられ、一台の配送車Gに対して一個の配送車端末30が割り当てられている。なお、G1,G2,G3…は、後述する各配送車3の識別子である。
【0023】
[1−3.ユーザ端末の構成例]
ユーザ端末2は、ユーザによって利用される情報処理端末であり、例えば、スマートフォンを含む携帯電話機、タブレット型端末、ノート型パーソナルコンピュータ(Personal Computer;PC)、デスクトップ型PC、またはパーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant;PDA)によって実現される。また、ユーザ端末2は、眼鏡型または時計型の情報処理端末であるウェアラブルデバイス(Wearable Device)、および自動車などのスマートビークル(Smart Vehicle)をも含む。かかるユーザ端末2は、通信部40と、入力部41と、表示部42と、位置検出部43と、記憶部44と、制御部45とを有する。
【0024】
通信部40は、ネットワークNに通信可能に接続された配送車端末30および情報処理装置10との間で通信するNIC(Network Interface Card)等のインターフェイスである。入力部41は、キーボードや電源ボタンなどを有する。表示部42は、例えば、小型のLCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイである。
【0025】
位置検出部43は、GPS(Global Positioning System)受信機能を有し、ユーザ端末2(ユーザU)の現在の位置を示す位置情報を取得する。位置情報は、緯度および経度であるが、住所であってもよい。なお、位置検出部43は、GPS受信機能に限られず、ビーコン、Wi−Fi、ジオフェンスまたは屋内位置測定技術を利用することによって、ユーザ端末2(ユーザU)の現在の位置を示す位置情報を取得してもよい。
【0026】
記憶部44は、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスクなどである。記憶部44は、例えば、OS(Operating System)や商品検索アプリケーションのプログラムなどを記憶する。
【0027】
制御部45は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を有している。制御部45は、かかるMPUが記憶部44に記憶されたOSや商品検索アプリケーションなどのプログラムを実行することで、例えば、商品検索のための処理や位置情報提供のための処理を実行する。
【0028】
かかるユーザ端末2は、取得した位置情報を情報処理装置10へ送信する。例えば、ユーザ端末2は、情報処理装置10の要求に従って、取得した位置情報を情報処理装置10へ継続的に送信する。
【0029】
[1−4.配送車端末の構成例]
配送車端末30は、配送車3に搭載され、配送車3を運転するドライバによって利用される情報処理端末であり、例えば、カーナビゲーション装置によって実現される。
【0030】
また、配送車端末30は、ドライバによる配送車端末30の操作または配送車端末30の機能に応じて、配送車端末30(配送車3)の位置情報を取得する。例えば、配送車端末30は、カーナビゲーション機能を利用することによって、配送車端末30(配送車3)の現在の位置を示す位置情報を取得する。
【0031】
かかる配送車端末30は、取得した位置情報を情報処理装置10へ送信する。例えば、配送車端末30は、情報処理装置10の要求に従って、取得した位置情報を情報処理装置10へ継続的に送信する。
【0032】
なお、図2に示す例においては、情報処理装置10が、ユーザ端末2(ユーザU)の位置情報をユーザ端末2から取得し、配送車端末30(配送車3)の位置情報を配送車端末30から取得する場合を示した。しかしながら、情報処理装置10は、ユーザ端末2および配送車端末30からの送信によらず、所定時間ごとにユーザ端末2および配送車端末30をクロール(Crawl)することでユーザ端末2(ユーザU)の位置情報および配送車端末30(配送車3)の位置情報を取得してもよい。
【0033】
また、情報処理装置10は、ユーザ端末2にインストールされたプログラム(例えば、スマートフォン専用のアプリ)を介して、ユーザ端末2(ユーザU)の位置情報を継続的に取得してもよい。この場合には、情報処理装置10は、ユーザ端末2によって取得されたユーザ端末2の位置情報を取得することなく、ユーザ端末2から検出された情報に基づいてユーザ端末2の位置を特定することによって、ユーザ端末2(ユーザU)の位置情報を取得してもよい。
【0034】
また、同様に、情報処理装置10は、配送車端末30にインストールされたプログラム(例えば、車両専用のアプリ)を介して、配送車端末30(配送車3)の位置情報を継続的に取得してもよい。この場合には、情報処理装置10は、配送車端末30によって取得された配送車端末30の位置情報を取得することなく、配送車端末30から検出された情報に基づいて配送車端末30の位置を特定することによって、配送車端末30(配送車3)の位置情報を取得してもよい。
【0035】
[1−5.情報処理装置の構成例]
情報処理装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを含む。なお、情報処理装置10は、情報処理装置10の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボード、マウス等)および各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を含むものであってもよい。
【0036】
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。また、通信部11は、ネットワークNに有線または無線の手段によって接続され、ユーザ端末2と情報処理装置10との間、配送車端末30と情報処理装置10との間、およびユーザ端末2と配送車端末30との間で情報の送受信を行う。
【0037】
記憶部12は、例えば、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory;RAM)またはフラッシュメモリ(Flash Memory)のような半導体メモリ素子、または、ハードディスクまたは光ディスクのような記憶装置によって実現される。また、記憶部12は、ユーザ情報データベース50と、移動体情報データベース51と、地図情報データベース52と、広告情報データベース53とを有する。
【0038】
ユーザ情報データベース50は、ユーザの属性情報や商品サンプルを要求したユーザの情報などが登録されるデータベースである。
【0039】
図3は、実施形態に係るユーザ情報データベース50に登録されるユーザの属性情報の一例を示す図である。図3に示す例では、「ユーザID」、「性別」、「年齢」、「住所」、「職業」、「趣味」、および「購入履歴」といった項目を有する情報が登録される。つまり、ユーザIDによって識別されるデモグラフィック属性情報およびサイコグラフィック属性情報が登録される。なお、ユーザ情報データベース50には、図3に示す項目以外にも、任意の項目を有する情報が登録されていてよい。
【0040】
ここで、「ユーザID」とは、ユーザ端末2を使用しているユーザUを示す識別子である。例えば、ユーザID「U1」、「U2」、「U3」…で識別されるユーザは、以下、「ユーザU1」、「ユーザU2」、「ユーザU3」…と称することにする。なお、ユーザIDは、例えば、クッキーのID、または、ユーザUがユーザ端末2を用いて情報処理装置10に対して会員登録した際に情報処理装置10から払い出されるIDであってもよい。
【0041】
また、「購入履歴」とは、ユーザU1,U2,U3…がネットワークN上のショッピングサイトで購入した商品に関する情報を示す。例えば、ユーザU1が過去にネットワークN上のショッピングサイトで「料理本」を購入していた場合、「購入履歴」の項目には「料理本」が登録される。
【0042】
図4は、実施形態に係るユーザ情報データベース50に登録される商品サンプルを要求したユーザの情報の一例を示す図である。図4に示す例では、「ユーザID」、「商品サンプル」、「位置情報」、「指定場所」、および「指定時間」といった項目を有する情報が登録される。なお、ユーザ情報データベース50には、図4に示す項目以外にも、任意の項目を有する情報が登録されていてよい。
【0043】
ここで、「商品サンプル」とは、ユーザU1,U2,U3…が要求した商品サンプルに関する情報を示す。例えば、ユーザU1の要求した商品サンプルが「洗剤」であった場合、「商品サンプル」の項目には「洗剤」が登録される。
【0044】
また、「位置情報」とは、ユーザU1,U2,U3…が使用するユーザ端末2によって測定されたユーザ端末2(ユーザU1,U2,U3…)の位置を示す情報である。
【0045】
また、「指定場所」とは、ユーザU1,U2,U3…が要求した商品サンプルの受け取り場所に関する情報を示す。例えば、ユーザU1の商品サンプルの受け取りを指定する場所が「東京都渋谷区○○町1−2−3××ビル4階」であった場合、「指定場所」の項目には「東京都渋谷区○○町1−2−3××ビル4階」が登録される。
【0046】
また、「指定時間」とは、ユーザU1,U2,U3…が要求した商品サンプルの受け取り時間に関する情報を示す。例えば、ユーザU1の商品サンプルの受け取りを指定する時間が「12:00〜13:00」であった場合、「指定時間」の項目には「12:00〜13:00」が登録される。
【0047】
移動体情報データベース51は、配送車の情報やユーザが要求した商品サンプルを積載する配送車の情報などが登録されるデータベースである。
【0048】
図5は、実施形態に係る移動体情報データベース51に登録される配送車の情報の一例を示す図である。図5に示す例では、「配送車」、「端末ID」、「運行情報」、「位置情報」、および「積載商品サンプル/サンプルID」といった項目を有する情報が登録される。なお、移動体情報データベース51には、図5に示す項目以外にも、任意の項目を有する情報が登録されていてよい。
【0049】
ここで、「端末ID」とは、GPS等の測位機能を用いて、配送車G1,G2,G3…に対応付けて位置情報を取得した配送車端末30を示す識別子である。
【0050】
また、「運行情報」とは、荷物Lを配送する配送車G1,G2,G3…に関する情報を示す。例えば、配送車G1が荷物Lの配送のために運行している場合、「運行情報」の項目には「運行中」が登録される。
【0051】
また、「位置情報」とは、ドライバが使用する配送車端末30によって測定された配送車端末30(配送車G1,G2,G3…)の位置を示す情報である。
【0052】
また、「積載商品サンプル/サンプルID」とは、配送車G1,G2,G3…に積載されている商品サンプルおよびかかる商品サンプルに付与される識別IDに関する情報を示す。例えば、配送車G1が荷物Lの他に商品サンプルMとして、「洗剤」、「飲料」、「化粧品」、および「サプリメント」を積載している場合、「積載商品サンプル/サンプルID」の項目には、「洗剤」、「飲料」、「化粧品」、および「サプリメント」が登録される。また、かかる商品サンプルMには、予め固有の識別IDが付与されている。例えば、配送車G1が積載している商品サンプルの「洗剤」が10個であれば、各「洗剤」ごとに数字列や二次元コードなどの固有の識別ID「IDA001〜IDA010」が付与されている。したがって、「積載商品サンプル/サンプルID」の項目には、商品サンプルの登録とともに、商品サンプルに対応した固有の識別IDも登録される。
【0053】
図6は、実施形態に係る移動体情報データベース51に登録されるユーザが要求した商品サンプルを積載する配送車の情報の一例を示す図である。図6に示す例では、「配送車」、「端末ID」、「運行予定情報」、「運行履歴情報」、および「位置情報」といった項目を有する情報が登録される。なお、移動体情報データベース51には、図6に示す項目以外にも、任意の項目を有する情報が登録されていてよい。
【0054】
また、「運行予定情報」とは、配送車G1,G4,G5,G7における荷物Lの配送のための運行予定経路に関する情報を示す。例えば、配送車G1が集荷営業所K→家P1→ビルP2→家P3→集荷営業所Kの順の経路で荷物Lを配送する予定情報を「予定経路21」とした場合(図1参照)、「運行予定情報」の項目には、「予定経路21」が登録される。
【0055】
また、「運行履歴情報」とは、配送車G1,G4,G5,G7が荷物Lの配送のために過去に走行した運行経路に関する情報を示す。例えば、配送車G1が集荷営業所K→家P1→ビルP2→家P3→集荷営業所Kの順の経路で荷物Lを配送した履歴情報を「履歴経路21」とした場合、「運行履歴情報」の項目には、「履歴経路21」が登録される。
【0056】
地図情報データベース52は、ユーザU1,U2,U3…および配送車G1,G2,G3…に対して案内処理を実行するために用いられる地図データなどの情報が登録されるデータベースである。例えば、地図情報データベース52には、ユーザ端末2および配送車端末30において経路検索や経路表示を行うための各種データが登録されている。
【0057】
広告情報データベース53は、ユーザU1,U2,U3…への配信対象となる広告などの情報が登録されるデータベースである。例えば、広告情報データベース53には、ユーザU1,U2,U3…に対して新商品などを紹介したい場合、かかる新商品に関する情報が登録されている。
【0058】
図2に戻り、説明を続ける。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムが、RAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。図2に示す例では、制御部13は、通知部60、受付部61、選定部62、付与部63、抽出部64、および指定部65を有する。
【0059】
なお、制御部13が有する各処理部60〜65の接続関係は、以下に説明するような推定処理や判定処理の機能・作用(例えば図1)を実現・実行するものであるが、これらは説明のために整理した機能単位であり、実際のハードウェア要素やソフトウェアモジュールとの一致は問わない。すなわち、以下の情報処理や情報処理の機能・作用を実現・実行することができるのであれば、情報処理装置10は、任意の機能単位で推定処理や判定処理を実現・実行してよい。
【0060】
[1−6.情報処理の作用効果の一例]
次に、図7を用いて、各処理部60〜65が実行する情報処理の内容について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理システム1による情報処理の一例を示すシーケンス図である。
【0061】
図7に示すように、まず、情報処理装置10が有する通知部60は、広告情報データベース53に記憶されている新商品などの広告情報を、ネットワークNを介してユーザU1,U2,U3…が使用するユーザ端末2へ配信する(ステップS101)。
【0062】
ユーザ端末2は、情報処理装置10から配信された新商品などの広告情報を受信した場合、かかる広告情報を表示部42に表示する(ステップS102)。なお、ユーザ端末2側において、情報処理装置10から配信される広告情報の受信を拒否している場合(オプトアウト)、かかる広告情報は表示部42に表示されない。
【0063】
ここで、図8を用いて、ユーザ端末2が有する表示部42に、情報処理装置10から配信された新商品などの広告情報が表示された場合について説明する。図8は、実施形態に係る商品広告画面の一例を示す図である。
【0064】
図8に示すように、ユーザ端末2が、情報処理装置10から配信された新商品などの広告情報を受信すると、表示部42に新商品などの広告情報70が表示される。図8に示す例では、「洗剤」の新商品に関する広告情報70であり、かかる広告情報70には、「洗剤」の商品サンプルが無料でもらえる情報が含まれている。
【0065】
ユーザU1,U2,U3…が表示部42における「商品サンプル申込画面へ」のボタン表示71を指でタッチした場合、ユーザ端末2は、「洗剤」の商品サンプルを申し込むための申込画面の要求情報を、ネットワークNを介して情報処理装置10へ送信する(ステップS103)。
【0066】
情報処理装置10が有する受付部61は、ユーザ端末2からの申込画面の要求情報を受け付けると、かかる要求情報に基づいて申込画面の表示情報を送信する(ステップS104)。
【0067】
ユーザ端末2は、情報処理装置10から送信された申込画面の表示情報を受信すると、かかる表示情報を表示部42に表示する(ステップS105)。
【0068】
ここで、図9を用いて、ユーザ端末2が有する表示部42に、情報処理装置10から送信された表示情報が表示された場合について説明する。図9は、実施形態に係る商品サンプル申込画面の一例を示す図である。
【0069】
図9に示すように、ユーザ端末2が、情報処理装置10から送信された表示情報を受信すると、表示部42に、現在の日時を示す欄72と、要求した商品サンプルを表示する欄73と、商品サンプルの受け取りを指定する場所を入力または選択する欄74と、商品サンプルの受け取りを指定する時間を入力または選択する欄75とが表示される。
【0070】
図9に示す例では、現在の日時を示す欄72には「2017年02月23日午前8時34分」が自動的に表示され、要求した商品サンプルを表示する欄73には「洗剤」が自動的に表示される。
【0071】
また、商品サンプルの受け取りを指定する場所を入力または選択する欄74は、ユーザU1,U2,U3…が自ら入力または選択する欄であり、この例では、「東京都渋谷区○○町1−2−3××ビル4階」が入力または選択されている。
【0072】
また、商品サンプルの受け取りを指定する時間を入力または選択する欄74は、ユーザU1,U2,U3…が自ら入力または選択する欄であり、この例では、「12:00〜13:00」が入力または選択されている。
【0073】
ユーザU1,U2,U3…が指定場所および指定時間を入力または選択したあと、表示部42における「申込」のボタン表示76を指でタッチした場合、ユーザ端末2は、「洗剤」の商品サンプルの要求情報を、ネットワークNを介して情報処理装置10へ送信する(ステップS106)。
【0074】
情報処理装置10が有する選定部62は、ユーザ端末2からの「洗剤」の商品サンプルの要求情報を受付部61で受け付けると、かかる要求情報に基づいて「洗浄」の商品サンプルを積載する配送車G1,G2,G3…を選定する(ステップS107)。
【0075】
例えば、選定部62は、ユーザU1(図4参照)のユーザ端末2から「洗剤」の商品サンプルの要求情報を受け付けた場合、図5に示す配送車のリストから現在運行中で「洗剤」の商品サンプルを積載している配送車を選定する。この例では、選定部62は、配送車G1と、配送車G4と、配送車G5と、配送車G7とを選定する(図6参照)。
【0076】
そして、選定部62は、ユーザU1によって指定された場所および時間と配送車G1,G4,G5,G7の現在の位置とに基づいてユーザU1に「洗剤」の商品サンプルを届ける配送車を選定する。
【0077】
具体的には、選定部62は、例えば、配送車G1,G4,G5,G7の中で配送車G4の現在位置が指定場所から最も近い場所にあったとしても、配送車G4の指定場所に到達する時間が指定時間よりも前であり、かつ、到達時間と指定時間との時間差が所定の時間を超えている場合、配送車G4を選定しない。
【0078】
一方、選定部62は、例えば、配送車G1,G4,G5,G7の中で配送車G1の現在位置が指定場所から最も遠い場所にあったとしても、荷物Lを配送する主たる第1の移動目的を遂行しながら配送車G1の指定場所に到達する時間が指定時間である場合、配送車G1を選定する。
【0079】
つまり、選定部62は、配送車G1,G4,G5,G7の荷物Lを配送する主たる第1の移動目的を阻害することなく、ユーザU1によって指定された指定場所および指定時間に「洗剤」の商品サンプルを届けることができる配送車G1,G4,G5,G7を選定する。
【0080】
また、選定部62は、ユーザU1によって指定された場所および時間と配送車G1,G4,G5,G7の現在の位置だけでなく、配送車G1,G4,G5,G7の運行予定情報および/または運行履歴情報に基づいて指定場所および指定時間に「洗剤」の商品サンプルを届けることができる配送車G1,G4,G5,G7を選定してもよい。
【0081】
具体的には、選定部62は、例えば、図6に示す配送車G1,G4,G5,G7の運行予定情報の中で配送車G5の「予定経路04」が指定場所から最も離れた経路である場合、配送車G5を選定の対象から除外してもよい。
【0082】
また、選定部62は、例えば、図6に示す配送車G1,G4,G5,G7の運行履歴情報の中で配送車G7の「履歴経路03」が指定場所から最も離れた経路である場合、配送車G7を選定の対象から除外してもよい。
【0083】
次に、選定部62は、商品サンプルの配送の指令情報を、ネットワークNを介して選定した配送車3に搭載された配送車端末30へ送信する(ステップS108)。この例では、選定部62は、「洗剤」の商品サンプルの配送の指令情報を、ネットワークNを介して指定場所および指定時間に「洗剤」の商品サンプルを届けることができる配送車G1に搭載された配送車端末30へ送信する。
【0084】
配送車G1の配送車端末30は、情報処理装置10から送信された指令情報を受信すると、かかる指令情報を配送車端末30が有する表示部に表示する。なお、かかる指令情報には、例えば、ユーザの属性情報などが含まれていてもよい。この例では、ユーザU1からの「洗剤」の商品サンプルの要求であるので、指令情報にはユーザU1の属性情報が含まれている。
【0085】
そして、配送車G1を運転するドライバが表示部における「配送の承認」の表示ボタンを指でタッチすると(ステップS109)、配送車端末30は、ドライバの承認情報を、ネットワークNを介して情報処理装置10へ送信する(ステップS110)。
【0086】
情報処理装置10が有する受付部61は、配送車G1の配送車端末30から送信されたドライバの承認情報を受け付けると、「洗剤」の商品サンプルを届ける配送車G1の紹介情報を、ネットワークNを介してユーザU1が使用するユーザ端末2へ送信する(ステップS111)。
【0087】
ユーザU1が使用するユーザ端末2は、情報処理装置10から送信された紹介情報を受信すると、かかる紹介情報を表示部42に表示する。なお、かかる紹介情報には、例えば、配送車G1を運転するドライバの情報などが含まれていてもよい。
【0088】
そして、ユーザU1が表示部42における「受け取りの承認」の表示ボタンを指でタッチすると(ステップS112)、ユーザU1が使用するユーザ端末2は、ユーザU1の承認情報を、ネットワークNを介して情報処理装置10へ送信する(ステップS113)。
【0089】
情報処理装置10が有する付与部63は、ユーザU1の承認情報を受付部61で受け付けると、ユーザU1の承認情報およびインセンティブの付与情報を、ネットワークNを介して配送車G1の配送車端末30へ送信する(ステップS114)。
【0090】
このように、付与部63は、選定部62により選定された配送車G1が、ユーザU1によって指定された場所および時間にユーザU1が要求した「洗剤」の商品サンプルを届けるという第2の移動目的を実行した場合に、かかる第2の移動目的に対してインセンティブを付与する。
【0091】
このため、インセンティブの付与という対価により、荷物Lの配送を第1の移動目的とする配送車3に対して要求に応じた商品サンプルMをユーザUへ届けるという第2の移動目的を実行する動機付けを与えることができる。
【0092】
また、選定部62は、複数の配送車3のうち、要求に応じた商品サンプルをユーザUへ届けるという第2の移動目的に加えて抽出部64によって抽出されたユーザUの属性に適合する商品サンプルの提供を第3の移動目的として与える配送車3を選定してもよい。
【0093】
具体的には、選定部62は、例えば、ユーザU3が「洗剤」の商品サンプルを要求した場合、ユーザU3によって指定された場所および時間と「洗剤」の商品サンプルを搭載する複数の配送車3の現在の位置とに基づいてユーザU3に「洗剤」の商品サンプルを届けるのに最適な配送車3として配送車G1を選定したとする。
【0094】
抽出部64は、図3に示すユーザU3の属性情報の「購入履歴」から「化粧品」を抽出する。選定部62は、抽出部64による「化粧品」の抽出にしたがって、選定した配送車G1に「化粧品」の商品サンプルが積載されているか否かを判定する。選定部62は、選定した配送車G1に「化粧品」の商品サンプルが積載されていると判定した場合、「洗剤」の商品サンプルの配送の指令情報と併せて、「化粧品」の商品サンプルの配送の指令情報を、ネットワークNを介して選定した配送車G1の配送車端末30へ送信する。
【0095】
このように、選定部62は、複数の配送車3のうち、要求に応じた商品サンプルをユーザUへ届けるという第2の移動目的に加えて抽出部64によって抽出されたユーザUの属性に適合する商品サンプルの提供を第3の移動目的として与える配送車3を選定する。
【0096】
このため、ユーザUに対してユーザUが要求した商品サンプルに加えてユーザUの属性に適合する商品サンプルも届けることができるため、ユーザUがより多くの商品サンプルを試すことができ、ユーザUの顧客接点を増加させることができる。
【0097】
また、上述の実施形態では、移動体は、荷物の配送を第1の移動目的に有する配送車を例に挙げて説明したが、人を運ぶことを第1の移動目的に有するタクシーであっても、かかるタクシーに商品サンプルを積載させることで、上述と同様にして、選定部62において要求に応じた商品サンプルをユーザUへ届けるという第2の移動目的を与えるタクシーが選定される。
【0098】
また、移動体は、配送車やタクシーではなく、例えば、高級車両であってもよい。かかる場合、高級車両における第1の移動目的とは、例えば、高級車両の所有者が高級車両を使って移動することが主たる目的であり、高級車両における第2の移動目的とは、高級車両の試乗というサービスを要求するユーザUへのサービスの提供が従たる目的である。
【0099】
かかる形態においても、上述と同様にして、選定部62において高級車両の試乗というサービスを要求するユーザUへのサービスの提供という第2の移動目的を与える高級車両が選定される。
【0100】
このため、ユーザUは、ユーザUが指定した場所および時間において高級車両の試乗というサービスの提供を受けることができ、高級車両を手軽に試乗することができる。
【0101】
[2−1.変形例]
上述した実施形態に係る情報処理システム1では、移動体が配送車、タクシー、および高級車両である場合について説明したが、移動体が人またはロボットであってもよい。かかる場合、移動体が人またはロボットにおける第1の移動目的とは、例えば、買物のために移動することが主たる目的であり、移動体が人またはロボットにおける第2の移動目的とは、例えば、ユーザUが商品サンプルを要求した場合、予め所持している要求に応じた商品サンプルを、かかるユーザUへ届けることが従たる目的である。
【0102】
そこで、以下では、上記の情報処理システム1において移動体が人である場合について説明する。なお、かかる形態では、図2に示す情報処理システム1において、配送車端末30に代えて、人であるサンプル提供者が使用するサンプル提供者端末80となる他は、同様である。したがって、実施形態の変形例に係る情報処理システム1においても、図2を用いて説明する。
【0103】
図2に示すように、実施形態の変形例に係る移動体情報データベース51は、サンプル提供者の情報やユーザが要求した商品サンプルを所持するサンプル提供者の情報などが登録されるデータベースである。
【0104】
図10は、実施形態の変形例に係る移動体情報データベース51に登録されるサンプル提供者の情報の一例を示す図である。図10に示す例では、「サンプル提供者」、「端末ID」、「行動情報」、「位置情報」、および「所持商品サンプル/サンプルID」といった項目を有する情報が登録される。なお、移動体情報データベース51には、図10に示す項目以外にも、任意の項目を有する情報が登録されていてよい。
【0105】
ここで、「端末ID」とは、GPS等の測位機能を用いて、サンプル提供者H1,H2,H3…に対応付けて位置情報を取得したサンプル提供者H1,H2,H3…が使用するサンプル提供者端末80を示す識別子ID201,ID202,ID203…である。
【0106】
また、「行動情報」とは、商品サンプルを所持するサンプル提供者H1,H2,H3…に関する情報を示す。例えば、サンプル提供者H1が買物のために行動している場合、「行動情報」の項目には「買物中」が登録される。
【0107】
また、「位置情報」とは、サンプル提供者H1,H2,H3…が使用するサンプル提供者端末80によって測定されたサンプル提供者端末80(サンプル提供者H1,H2,H3…)の位置を示す情報である。
【0108】
また、「所持商品サンプル/サンプルID」とは、サンプル提供者H1,H2,H3…が所持している商品サンプルおよびかかる商品サンプルに付与される識別IDに関する情報を示す。例えば、サンプル提供者H1が商品サンプルとして、「洗剤」を所持している場合、「所持商品サンプル/サンプルID」の項目には、「洗剤」が登録される。また、かかる商品サンプルには、予め固有の識別IDが付与されている。例えば、サンプル提供者H1が所持している商品サンプルの「洗剤」が10個であれば、各「洗剤」ごとに数字列や二次元コードなどの固有の識別ID「IDA001〜IDA010」が付与されている。したがって、「所持商品サンプル/サンプルID」の項目には、商品サンプルの登録とともに、商品サンプルに対応した固有の識別IDも登録される。
【0109】
図11は、実施形態の変形例に係る移動体情報データベース51に登録されるユーザが要求した商品サンプルを所持するサンプル提供者の情報の一例を示す図である。図11に示す例では、「サンプル提供者」、「端末ID」、「行動予定情報」、「行動履歴情報」、および「位置情報」といった項目を有する情報が登録される。なお、移動体情報データベース51には、図11に示す項目以外にも、任意の項目を有する情報が登録されていてよい。
【0110】
また、「行動予定情報」とは、サンプル提供者H1,H4,H5における行動予定に関する情報を示す。例えば、サンプル提供者H1が商品サンプルを所持した状態で買物を予定としている場合、「行動予定情報」の項目には、「買物」が登録される。
【0111】
また、「行動履歴情報」とは、サンプル提供者H1,H4,H5が過去に行動した情報を示す。例えば、サンプル提供者H1が過去に商品サンプルを所持した状態で買物および散歩を行っていた場合、「行動履歴情報」の項目には、「買物、散歩」が登録される。
【0112】
[2−2.変形例に係る情報処理の作用効果の一例]
次に、図12を用いて、実施形態の変形例に係る情報処理システム1によって実行される情報処理の手順について説明する。図12は、実施形態の変形例に係る情報処理システム1による情報処理の一例を示すシーケンス図である。
【0113】
図12に示すように、まず、情報処理装置10が有する通知部60は、ユーザUに位置情報とサンプル提供者H1,H2,H3…の位置とに基づき、ユーザUの現在位置がサンプル提供者H1,H2,H3…の現在位置から所定範囲内に入った場合に、かかるサンプル提供者H1,H2,H3…の存在情報を、ネットワークNを介してユーザUが使用するユーザ端末2へ配信する(ステップS201)。
【0114】
ユーザ端末2は、情報処理装置10から配信されたサンプル提供者H1,H2,H3…の存在情報を受信した場合、かかる存在情報を表示部42に表示する(ステップS202)。なお、ユーザ端末2側において、情報処理装置10から配信される存在情報の受信を拒否している場合(オプトアウト)、かかる存在情報は表示部42に表示されない。
【0115】
ここで、図13を用いて、ユーザ端末2が有する表示部42に、情報処理装置10から配信されたサンプル提供者の存在情報が表示された場合について説明する。図13は、実施形態の変形例に係るサンプル提供者存在画面の一例を示す図である。
【0116】
図13に示すように、ユーザ端末2が、情報処理装置10から配信された存在情報を受信すると、表示部42に、ユーザUが現在位置している場所の地図データと、かかる地図データ上に存在するサンプル提供者H1,H2,H7とが表示される。また、併せてサンプル提供者H1,H2,H7の表示とともに、各サンプル提供者H1,H2,H7が所持する商品サンプルの情報が表示される。
【0117】
図13に示す例では、サンプル提供者H1は「洗剤」の商品サンプルを所持していることが表示され、サンプル提供者H2は「サプリメント」の商品サンプルを所持していることが表示され、サンプル提供者H7は「化粧品」の商品サンプルを所持していることが表示されている。
【0118】
ユーザUが、表示部42において、サンプル提供者H1の表示を指でタッチして、サンプル提供者H1の予約がなされると(ステップS203)、ユーザ端末2は、サンプル提供者の予約情報を、ネットワークNを介して情報処理装置10へ送信する(ステップS204)。なお、かかる予約情報には、ユーザUが商品サンプルの受け取りを指定した場所および時間に関する情報が含まれている。
【0119】
情報処理装置10が有する受付部61は、サンプル提供者H1の予約情報を受け付けると、かかる予約情報を、ネットワークNを介してサンプル提供者H1のサンプル提供者端末80へ送信する(ステップS205)。
【0120】
サンプル提供者H1のサンプル提供者端末80は、情報処理装置10から送信された予約情報を受信すると、かかる予約情報をサンプル提供者端末80が有する表示部に表示する。なお、かかる予約情報には、例えば、ユーザの属性情報などが含まれていてもよい。
【0121】
そして、サンプル提供者H1が表示部における「予約の承認」の表示ボタンを指でタッチすると(ステップS206)、サンプル提供者端末80は、サンプル提供者H1の承認情報を、ネットワークNを介して情報処理装置10へ送信する(ステップS207)。
【0122】
情報処理装置10が有する受付部61は、サンプル提供者H1のサンプル提供者端末80から送信されたサンプル提供者H1の承認情報を受け付けると、「洗剤」の商品サンプルを届けるサンプル提供者H1の紹介情報を、ネットワークNを介してユーザUが使用するユーザ端末2へ送信する(ステップS208)。
【0123】
ユーザUが使用するユーザ端末2は、情報処理装置10から送信された紹介情報を受信すると、かかる紹介情報を表示部42に表示する。
【0124】
そして、ユーザUが表示部42における「受け取りの承認」の表示ボタンを指でタッチすると(ステップS209)、ユーザUが使用するユーザ端末2は、ユーザUの承認情報を、ネットワークNを介して情報処理装置10へ送信する(ステップS210)。
【0125】
情報処理装置10が有する受付部61は、ユーザUの承認情報を受け付けると、ユーザUの紹介情報を、ネットワークNを介してサンプル提供者H1のサンプル提供者端末80へ送信する(ステップS211)。なお、かかる紹介情報には、ユーザUの属性情報が含まれていてもよい。
【0126】
このように、通知部60は、ユーザUの位置情報とサンプル提供者H1,H2,H3…の位置とに基づき、ユーザUの現在位置がサンプル提供者H1,H2,H3…の現在位置から所定範囲内に入った場合に、かかるサンプル提供者H1,H2,H3…の存在情報を、ネットワークNを介してユーザUが使用するユーザ端末2へ配信する。
【0127】
このため、ユーザUは、商品サンプルを所持しているサンプル提供者H1,H2,H3…が近くにいることが分かり、ユーザUの要求に応じた商品サンプルを所持するサンプル提供者H1,H2,H3…が近くにいる場合には、かかるサンプル提供者H1,H2,H3…に容易に会うことができる。
【0128】
また、ユーザUは、ユーザUの要求に応じた商品サンプルを所持するサンプル提供者H1,H2,H3…に直接会うことができるため、かかるサンプル提供者H1,H2,H3…から商品サンプルの説明を受けることができる。
【0129】
例えば、ユーザUは、ユーザUが要求した商品サンプルが「化粧品」である場合には、「化粧品」の商品サンプルを所持するサンプル提供者H7から、かかる「化粧品」を用いたメイクの指導を受けることができる。
【0130】
また、ユーザUは、ユーザUの要求に応じた商品サンプルを所持するサンプル提供者H1,H2,H3…から商品サンプルの提供を受けた場合、かかるサンプル提供者H1,H2,H3…から、例えば、商品の販売価格から値引き可能なクーポン券を獲得してもよい。ユーザUは、クーポン券に付与されている固有の識別IDをユーザ端末2に入力することで、クーポン券を利用できる商品を取り扱っているお店を容易に検索することができる。識別IDが、電子商取引で商品購入の際に適用可能な値引クーポンを兼ねてもよい。このような値引クーポンの利用は、その識別IDを帯びた商品サンプルを提供したサンプル提供者(例えばH1,H2またはH3)の貢献実績となる。
【0131】
また、通知部60は、指定部65によって指定された地域にユーザUが入った場合に、ユーザUの要求に応じた商品サンプルの情報をユーザUが使用するユーザ端末2へ送信してもよい。なお、指定部65は、地図情報データベース52に記憶されている地図情報から所定の地域を指定する。
【0132】
これにより、ユーザUは、指定した地域に関係するユーザUの要求に応じた商品サンプルの情報を知ることができる。このため、指定した地域に関係する商品サンプルの情報をユーザUに告知することができ、指定した地域の活性化の促進を図ることができる。
【0133】
また、商品サンプルを受け取ったユーザUが、ユーザ登録や、上記のような値引クーポンを用いての商品購入などの際、商品サンプルに付与されている固有の識別IDをユーザ端末2に入力し、かかる固有の識別IDの情報を受付部61で受け付けた場合に、付与部63は、インセンティブの付与情報を、ユーザ端末2へ送信してもよい。
【0134】
これにより、サンプル提供者H1,H2,H3…が所持していた商品サンプルの追跡調査やサンプル提供者ごとの効果測定を行うことができる。
【0135】
このため、インセンティブの付与という対価により、サンプル提供者H1,H2,H3…に対して商品サンプルの配布促進を実行する動機付けを与えることができる。
【0136】
また、受付部61は、既存のサンプル提供者による親族、友人または商品サンプルを提供した相手であるユーザなどに対する勧誘や、新たなユーザによる志願などにより、新たなサンプル提供者の登録を受け付け、新たなサンプル提供者の情報を移動体情報データベース51に登録する。
【0137】
受付部61は、新たなサンプル提供者について、既存のサンプル提供者による勧誘や既存のサンプル提供者を指導者乃至管理者とする場合、既存のサンプル提供者を親、新たなサンプル提供者を子とする親子関係や、かかる子に関連付けられるさらに下位の新たなサンプル提供者を孫とするなど、樹形図状の階層的な親子ないし主従の関係を移動体情報データベース51に登録してもよい。この場合、樹形図の頂点(ルート)となる親へ商品サンプルをまとめて配送などで提供し、子や孫へは親から卸売りのように配布させることにより、商品サンプルの配送送料の節約や、サンプル提供者らに対する各種周知事項の徹底を期することもできる。
【0138】
例えば、受付部61は移動体情報データベース51に対し、サンプル提供者H1,H2,H3…が所持していた商品サンプルを第2移動体であるサンプル提供者H1,H2,H3…の親族や友人等に引き渡した場合、サンプル提供者H1,H2,H3…によるその旨のデータ登録に基いて、引き渡したサンプル提供者H1,H2,H3…と、かかるサンプル提供者H1,H2,H3…から商品サンプルを受け取った親族や友人等とが関連付けられた情報を登録する。
【0139】
具体的には、移動体情報データベース51には、例えば、サンプル提供者H1が、商品サンプルの配布を依頼する事業主から3000個の商品サンプルを受け取り、1000個の商品サンプルを親族に引き渡し、1000個の商品サンプルを友人に引き渡した場合、これら一連の情報を登録する。また、かかる情報の登録に併せて親族および友人の属性情報が登録される。
【0140】
かかる場合、移動体情報データベース51のサンプル提供者H1においては、例えば、サンプル提供者H1自ら配布する商品サンプルが1000個であり、引き渡した商品サンプルが2000個であるという情報が登録される。
【0141】
そして、移動体情報データベース51には、1000個の商品サンプルを受け取った親族が、500個の商品サンプルを他の親族に引き渡した場合に、さらにこれらの一連の情報を登録する。また、かかる情報の登録に合わせて他の親族の属性情報が登録される。
【0142】
このように、サンプル提供者H1は、事業主から依頼された商品サンプルを自らが全て配布するのではなく、商品サンプルの全部もしくは一部を勧誘した親族や友人等に引き渡すことで、事業主から受け取った大量の商品サンプルを配布することができる。
【0143】
また、付与部63は、移動体情報データベース51のサンプル提供者H1,H2,H3…に対し各自の貢献実績に基いて、例えば、サンプル提供者H1,H2,H3…の親族や友人等に引き渡された商品サンプルの数に基づいて、サンプル提供者H1,H2,H3…に対してインセンティブを付与する。
【0144】
具体的には、付与部63は、例えば、事業主から依頼された商品サンプルのうち所定の数以上の商品サンプルが勧誘した親族や友人等に引き渡された場合に、サンプル提供者H1,H2,H3…に対してインセンティブを付与する。
【0145】
これにより、インセンティブの付与という対価により、サンプル提供者H1,H2,H3…に対して商品サンプルを要求するユーザへの提供者の人員を増やすという動機付けを与えることができる。なお、インセンティブの基礎となる貢献実績については、商品サンプルを引き渡した数に限らず、引き渡した商品サンプルに基く商品購入やユーザ登録の数量などでもよい。
【0146】
例えば、付与部63は、例えば、サンプル提供者H1が所持していた商品サンプルが親族や友人等を介してユーザへ提供され、かかるユーザが商品サンプルに付与されている固有の識別IDをユーザ端末2に入力し、かかる固有の識別IDの情報を受付部61で受け付けた場合に、インセンティブの付与情報を、サンプル提供者H1のユーザ端末2、情報処理装置10上の図示しない処理部、商品サンプルを企画した事業主の図示しない情報処理システムなどへ送信する。
【0147】
これにより、サンプル提供者H1,H2,H3…から親族や友人等が受け取った商品サンプルの追跡調査を行うことができる。具体的には、サンプル提供者H1,H2,H3…から商品サンプルを受け取った親族や友人等がユーザへの配布を行わずに、自ら商品サンプルを使用していないかなどの追跡調査を行うことができる。
【0148】
また、サンプル提供者H1,H2,H3…から商品サンプルを受け取った親族や友人等が、商品サンプルを要求するユーザへの提供者としてインターネットに登録することで、商品サンプルの配布効果の評価を、サンプル提供者H1,H2,H3…を親とし、サンプル提供者H1,H2,H3…から商品サンプルを受け取った親族や友人等を子とした場合に、親子系列(樹形図)ごとに行うことができる。同様に、前記貢献実績に基づくインセンティブについては、樹形図に含まれる相対的な親に、相対的な子ないし子孫の貢献実績が反映されることが望ましい。
【0149】
これにより、事業主は、商品サンプルの配布効果が大きいサンプル提供者H1,H2,H3…に対して、さらに大量の商品サンプルの配布を依頼したり、その他の報酬を提供することができる。
【0150】
なお、商品サンプルに付与されている固有の識別IDは、例えば、クーポンIDであってもよく、商品サンプルに関係する商品をインターネットで注文する場合に、かかるIDの登録により初回の注文のみ商品の販売価格から所定の値引きが行われる。
【0151】
また、上述の実施形態では、ユーザUは、ユーザUの要求した商品サンプルを所持するサンプル提供者H1,H2,H3…から商品サンプルの提供を受けているが、商品サンプルに関するサービスのみの提供を受けてもよい。
【0152】
具体的には、ユーザUが新商品の化粧品を用いたメイクの指導というサービスを要求する場合、ユーザUの要求に応じたサービスを有する提供者からメイクの指導というサービスの提供を受けてもよい。
【0153】
[3.効果]
上述したように、情報処理装置10は、受付部61と、選定部62とを備える。受付部61は、ユーザの要求を受け付ける。選定部62は、受付部61によって受け付けられた要求に応じて、主たる第1の移動目的を有する複数の移動体のうち、かかる要求に対応する従たる第2の移動目的を与える移動体を選定する。これにより、情報処理装置10は、移動体の有効利用を図ることができる。
【0154】
また、情報処理装置10において、要求には、ユーザによって指定された位置を示す位置情報または/およびユーザによって指定された時間を示す時間情報が含まれ、選定部62は、位置情報または/および時間情報と移動体の位置とに基づいて移動体を選定する。これにより、ユーザの要求に対応する従たる第2の移動目的を有する移動体の中から最適な移動体を選定することができる。
【0155】
また、情報処理装置10において、選定部62は、複数の移動体のうち、ユーザの要求に応じた物品を有する移動体を第2の移動目的を与える移動体として選定する。これにより、主たる第1移動目的を有する移動体に、ユーザの要求に応じた物品を運ばせることができる。
【0156】
また、情報処理装置10において、付与部63は、選定部62により選定された移動体が、ユーザによって指定された場所および時間にユーザが要求した物品を届けるという第2の移動目的を実行した場合に、かかる第2の移動目的に対してインセンティブを付与する。
【0157】
これにより、インセンティブの付与という対価により、第1の移動目的を有する移動体に対して要求に応じた物品をユーザへ届けるという第2の移動目的を実行する動機付けを与えることができる。
【0158】
また、情報処理装置10において、選定部62は、複数の移動体のうち、要求に応じた物品をユーザへ届けるという第2の移動目的に加えて抽出部64によって抽出されたユーザの属性に適合する物品の提供を第3の移動目的として与える移動体を選定する。
【0159】
このため、ユーザに対してユーザが要求した物品に加えてユーザの属性に適合する物品も届けることができるため、ユーザがより多くの物品を試すことができ、ユーザの顧客接点を増加させることができる。
【0160】
また、情報処理装置10において、移動体は、物品または人の輸送を第1の移動目的に有する移動体であり、第2に移動目的は、輸送の対象とは異なる物品であってユーザの要求に応じた物品またはユーザが要求したサービスの提供である。これにより、ユーザは、主たる第1移動目的を有する移動体からユーザの要求に応じた物品またはユーザが要求したサービスの提供を受けることができる。
【0161】
また、情報処理装置10において、移動体は、人またはロボットであり、第2の移動目的は、ユーザの要求に応じた物品またはユーザの要求に応じたサービスの提供である。これにより、ユーザは、主たる第1移動目的を有する人またはロボットからユーザの要求に応じた物品またはユーザが要求したサービスの提供を受けることができる。
【0162】
また、情報処理装置10において、通知部60は、ユーザの位置情報と移動体の位置とに基づき、ユーザの現在位置が移動体の現在位置から所定範囲内に入った場合に、移動体が有する所定の物品の情報を通知する。
【0163】
このため、ユーザは、移動体が近くにいることが分かり、ユーザの要求に応じた物品を有する移動体が近くにいる場合には、かかる移動体に容易に会うことができる。
【0164】
また、情報処理装置10において、通知部60は、指定部65によって指定された地域にユーザの現在位置が入った場合に、ユーザの要求に応じた物品の情報をユーザへ通知する。なお、指定部65は、地図情報から所定の地域を指定する。
【0165】
これにより、ユーザは、指定した地域に関係するユーザの要求に応じた物品の情報を知ることができる。このため、指定した地域に関係する物品の情報をユーザに告知することができ、指定した地域の活性化の促進を図ることができる。
【0166】
また、情報処理装置10において、ユーザの要求に応じた物品は、商品サンプルである。かかる商品サンプルには、固有の識別IDが付与されており、付与部63は、受付部61が受け付けた識別IDに基づいて移動体に対してインセンティブを付与する。
【0167】
これにより、移動体が積載もしくは所持していた商品サンプルの追跡調査や移動体ごとの効果測定を行うことができる。
【0168】
また、情報処理装置10において、付与部63は、移動体が有する商品サンプルのうち所定の数以上の商品サンプルが移動体に関係する他の第2移動体に引き渡されたことに基づいて、移動体に対してインセンティブを付与する。
【0169】
これにより、インセンティブの付与という対価により、サンプル提供者H1,H2,H3…に対して商品サンプルを要求するユーザへの提供者の人員を増やすという動機付けを与えることができる。
【0170】
また、情報処理装置10において、付与部63は、移動体から直接もしくは移動体に関係する第2移動体を経て他の移動体もしくはユーザに提供された商品サンプルの数量、または提供された商品サンプルに付された固有の識別IDが通信ネットワーク経由で送信されたことに基づく貢献実績、の少なくとも一方に基づいて、移動体に対してインセンティブを付与する。
【0171】
これにより、サンプル提供者H1,H2,H3…から商品サンプルを受け取った親族や友人等が、商品サンプルを要求するユーザへの提供者としてインターネットに登録することで、商品サンプルの配布効果の評価を、サンプル提供者H1,H2,H3…を親とし、サンプル提供者H1,H2,H3…から商品サンプルを受け取った親族や友人等を子とした場合に、親子系列(樹形図)ごとに行うことができる。
【0172】
[4.ハードウェア構成]
上述してきた実施形態に係る情報処理装置10は、例えば、図14に示すような構成のコンピュータ100によって実現される。以下、情報処理装置10を例に挙げて説明する。図14は、情報処理装置10の機能を実現するコンピュータ100の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ100は、CPU110、RAM120、ROM130、HDD140、通信インターフェイス(I/F)150、入出力インターフェイス(I/F)160、およびメディアインターフェイス(I/F)170を有する。
【0173】
CPU110は、ROM130またはHDD140に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM130は、コンピュータ100の起動時にCPU110によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ100のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0174】
HDD140は、CPU110によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス150は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU110へ送り、CPU110が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0175】
CPU110は、入出力インターフェイス160を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU110は、入出力インターフェイス160を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU110は、生成したデータを、入出力インターフェイス160を介して出力装置へ出力する。
【0176】
メディアインターフェイス170は、記録媒体180に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM120を介してCPU110に提供する。CPU110は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス170を介して記録媒体180からRAM120上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体180は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0177】
例えば、コンピュータ100が実施形態に係る情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ100のCPU110は、RAM120上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部13の機能を実現する。また、HDD140には、記憶部12内のデータが格納される。コンピュータ100のCPU110は、これらのプログラムを記録媒体180から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0178】
[5.その他]
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0179】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動で行うこともできる、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0180】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0181】
また、上述してきた各実施形態に記載された各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0182】
例えば、上述した情報処理装置10は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0183】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、選定部は、選定手段や選定回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0184】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
2 ユーザ端末
3 配送車
30 配送車端末
50 ユーザ情報データベース
51 移動体情報データベース
52 地図情報データベース
53 広告情報データベース
60 通知部
61 受付部
62 選定部
63 付与部
64 抽出部
65 指定部
【要約】      (修正有)
【課題】移動体の有効利用を図ることができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供する
【解決手段】情報処理システム1において、情報処理装置は、受付部と、選定部とを備える。受付部は、ユーザによって指定された位置を示す位置情報と、時間を示す時間情報が含まれるユーザの要求を受け付ける。選定部は、受付部によって受け付けられた要求に応じて、主たる第1移動目的を有する複数の移動体のうち、かかる要求に対応する従たる第2の移動目的を与える移動体を選定する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14