特許第6266154号(P6266154)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6266154
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】収納業務支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20120101AFI20180115BHJP
   G06Q 20/08 20120101ALI20180115BHJP
【FI】
   G06Q40/02
   G06Q20/08
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-70413(P2017-70413)
(22)【出願日】2017年3月31日
【審査請求日】2017年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】502018486
【氏名又は名称】株式会社りそなホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(73)【特許権者】
【識別番号】594082800
【氏名又は名称】AGS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】米澤 雅行
(72)【発明者】
【氏名】高橋 裕子
(72)【発明者】
【氏名】尾竹 愼一
(72)【発明者】
【氏名】須藤 俊広
【審査官】 梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−203388(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3202298(JP,U)
【文献】 特開2014−026342(JP,A)
【文献】 特開2007−156701(JP,A)
【文献】 特開2004−234257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融機関の各店舗に設けられ、領収済み払込書の表面に記された収納情報を読み取るとともに、複数の前記領収済み払込書それぞれを一意に識別するための仕分け情報を、前記収納情報の読み取り処理と同期させて前記領収済み払込書それぞれの裏面に印字する読取・印字装置と、
前記読取・印字装置に接続され、読み取られた前記収納情報と印字された前記仕分け情報とを関連付けて収納管理情報を生成し、ネットワークを介して各店舗から収納管理装置に送信する店舗側端末装置と、
複数の各店舗の前記店舗側端末装置それぞれとネットワークを介して接続され、前記各店舗から送信される前記収納管理情報を記憶する前記収納管理装置と、
複数の各店舗で受け付けられた前記領収済み払込書が搬送されて集約される事務センターに設置され、前記領収済み払込書の裏面に印字された前記仕分け情報を読み取る仕分け情報読取装置と、
前記収納管理装置から提供される前記収納管理情報と、前記仕分け情報読取装置から出力された前記仕分け情報とをマッチングするセンター側端末装置と、を有し、
前記収納管理装置は、前記事務センターでマッチングされる前記領収済み払込書に関連して、前記各店舗から受信した前記収納管理情報を用い、前記事務センターでの前記領収済み払込書に対する所定の仕分けルールに応じた集計情報を生成して、前記センター側端末装置に送信することを特徴とする収納業務支援システム。
【請求項2】
前記店舗側端末装置は、
前記事務センターに複数の収納機関を関連付けて複数の前記事務センターを区分するセンター区分マスタ情報を記憶する記憶部と、
前記収納情報に含まれる収納機関に基づいて、前記領収済み払込書のセンター区分を特定し、特定された前記センター区分を含む前記収納管理情報を生成する収納管理情報生成部と、
前記センター区分毎に、前記領収済み払込書の枚数及び前記領収済み払込書の合計金額を含む店舗側集計情報を生成する集計管理部と、
前記事務センター別に、生成された前記店舗側集計情報を含む店舗側仕分け管理用の帳票を所定の印刷装置に印刷させる印刷制御部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の収納業務支援システム。
【請求項3】
前記仕分け情報読取装置は、前記仕分け情報が読み取られた前記領収済み払込書を所定の仕分けルールに基づいて複数の各仕分けポケットに自動仕分けするソーター装置を備え、
前記センター側端末装置は、
前記収納管理装置から提供される複数の収納機関を管理する収納機関マスタ情報と前記収納管理情報とを記憶する記憶部と、
前記ソーター装置の複数の各仕分けポケットと前記収納機関とを関連付けて前記仕分けルールを生成する仕分け制御部と、
前記記憶部に記憶された前記収納管理情報と、前記仕分け情報読取装置から出力された前記仕分け情報とをマッチングする仕分け情報照合部と、を有し、
前記ソーター装置は、読み取られた前記仕分け情報に該当する前記収納管理情報から前記領収済み払込書の前記収納機関を特定し、特定された前記収納機関と前記仕分けルールとを照合して、前記領収済み払込書に対応する仕分けポケットを判別して振り分け、
前記収納管理装置は、前記センター側端末装置から受信する前記仕分けルールに基づいて、前記収納機関別の集計情報を生成し、前記センター側端末装置に送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の収納業務支援システム。
【請求項4】
前記センター側端末装置は、前記収納管理装置から受信した前記集計情報を含むセンター側仕分け管理用の帳票を、所定の印刷装置に印刷させる印刷制御部を含むことを特徴とする請求項3に記載の収納業務支援システム。
【請求項5】
前記仕分け情報は、金融機関を識別する金融機関コード、金融機関の各店舗を識別する支店コード及び前記読取・印字装置で印字又は読み取られた前記領収済み払込書の順番を示す情報を含んで構成され、
前記仕分け情報は、文字情報、QRコード又はバーコードの形式で、前記領収済み払込書の裏面に印字されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の収納業務支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行等の金融機関で領収する払込書の収納業務支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関は、収納機関(民間・地方公共団体・官公庁)が発行した払込書を窓口で受け付け、収納機関への収納代行業務を行う。金融機関は、納付金の収納機関への資金移動と共に、紙ベースの領収済み払込書を収納機関(または収納機関が指定する指定金融機関)に送付(運搬)する。
【0003】
金融機関の店舗では、受け付けた領収済み払込書を収納機関毎に仕分けするとともに、その合計金額を算出する。つまり、来店客が持ち込んだ払込書の枚数と、その合計金額を収納機関別に集計する(例えば、特許文献1)。
【0004】
一方で、金融機関の各店舗(支店)で受け付けた領収済み払込書は、事務センターに運搬される。事務センターは、複数の各店舗から運搬された領収済み払込書が集約されると共に、払込内容毎に領収済み払込書を仕分けし、紙媒体である払込書を収納機関に一括して送付する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−162643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、金融機関の各店舗における仕分け作業(店舗側仕分け作業)の負担を軽減するために、受領済み払込書をスキャナで読み取り、画像データを生成している。画像データから読み取られる納付書IDから納付種別を判定し、種別毎に枚数と納付書合計金額を算出している。
【0007】
一方で、各店舗で仕分けされた領収済み払込書は、事務センターに集約されるが、事務センターにおいても、各店舗と同様に、領収済み払込書の枚数と、その合計金額を収納機関別に集計している。例えば、大型のOCR機能を備えるソーターで、払込書の表面の情報を再度読み取りつつ、収納機関別に仕分けするセンター側仕分け作業が、店舗側仕分け作業と独立して行われている。
【0008】
これは、一連の収納業務の上流(窓口受付)側で集計や仕分けミスが生じると、下流(収納機関別の集計・仕分け及び搬送)にも影響するため、店舗と事務センターは、基本的に連動しておらず、特許文献1のように、店舗側の収納業務の負担軽減による業務効率の向上を図ることに重点が置かれて、センター側仕分け作業は考慮されていない。
【0009】
しかしながら、一連の収納業務の上流側と下流側とで、領収済み払込書のスキャナ読み込みによる払込書の識別、集計、仕分けをそれぞれ独立して行っており、現状の仕組みでは、収納業務の効率化をこれ以上望めないおそれがある。
【0010】
特に、事務センターでの仕分け作業は、各店舗の読み取り処理と独立して、改めて領収済み払込書の表面から収納先コードや納付金額等を読み取らなければ仕分け作業を行うことができない。また、各店舗から集約された膨大な枚数の領収済み払込書を処理しなければならないことから、大型のソーターを導入したり、精度のよいOCR機を導入したりする必要があり、収納業務の運用コストも高くなる。
【0011】
そこで、本発明は、店舗での窓口受付から事務センターでの各収納機関に向けた仕分け作業を一元的に管理し、収納業務の効率化を図ることができる収納業務支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明の収納業務支援システムは、金融機関の各店舗に設けられ、領収済み払込書の表面に記された収納情報を読み取るとともに、複数の前記領収済み払込書それぞれを一意に識別するための仕分け情報を、前記収納情報の読み取り処理と同期させて前記領収済み払込書それぞれの裏面に印字する読取・印字装置と、前記読取・印字装置に接続され、読み取られた前記収納情報と印字された前記仕分け情報とを関連付けて収納管理情報を生成し、ネットワークを介して各店舗から収納管理装置に送信する店舗側端末装置と、複数の各店舗の前記店舗側端末装置それぞれとネットワークを介して接続され、前記各店舗から送信される前記収納管理情報を記憶する前記収納管理装置と、複数の各店舗で受け付けられた前記領収済み払込書が搬送されて集約される事務センターに設置され、前記領収済み払込書の裏面に印字された前記仕分け情報を読み取る仕分け情報読取装置と、前記収納管理装置から提供される前記収納管理情報と、前記仕分け情報読取装置から出力された前記仕分け情報とをマッチングするセンター側端末装置と、を有する。前記収納管理装置は、前記事務センターでマッチングされる前記領収済み払込書に関連して、前記各店舗から受信した前記収納管理情報を用い、前記事務センターでの前記領収済み払込書に対する所定の仕分けルールに応じた集計情報を生成して、前記センター側端末装置に送信することを特徴とする。
【0013】
(2)上記(1)において、前記店舗側端末装置は、前記事務センターに複数の収納機関を関連付けて複数の前記事務センターを区分するセンター区分マスタ情報を記憶する記憶部と、前記収納情報に含まれる収納機関に基づいて、前記領収済み払込書のセンター区分を特定し、特定された前記センター区分を含む前記収納管理情報を生成する収納管理情報生成部と、前記センター区分毎に、前記領収済み払込書の枚数及び前記領収済み払込書の合計金額を含む店舗側集計情報を生成する集計管理部と、前記事務センター別に、生成された前記店舗側集計情報を含む店舗側仕分け管理用の帳票を所定の印刷装置に印刷させる印刷制御部と、を含んで構成することができる。
【0014】
(3)上記(1)又は(2)において、前記仕分け情報読取装置は、前記仕分け情報が読み取られた前記領収済み払込書を所定の仕分けルールに基づいて複数の各仕分けポケットに自動仕分けするソーター装置を備えることができる。前記センター側端末装置は、前記収納管理装置から提供される複数の収納機関を管理する収納機関マスタ情報と前記収納管理情報とを記憶する記憶部と、前記ソーター装置の複数の各仕分けポケットと前記収納機関とを関連付けて前記仕分けルールを生成する仕分け制御部と、前記記憶部に記憶された前記収納管理情報と、前記仕分け情報読取装置から出力された前記仕分け情報とをマッチングする仕分け情報照合部と、を有するように構成することができる。
【0015】
前記ソーター装置は、前記収納機関マスタ情報及び前記収納管理情報を参照して、読み取られた前記仕分け情報に基づいて前記領収済み払込書の前記収納機関を特定し、特定された前記収納機関と前記仕分けルールとに基づいて、前記領収済み払込書に対応する仕分けポケットを判別して振り分けることができ、前記収納管理装置は、前記センター側端末装置から受信する前記仕分けルールに基づいて、前記収納機関別の集計情報を生成し、前記センター側端末装置に送信するように構成することができる。
【0016】
(4)上記(3)において、前記センター側端末装置は、前記収納管理装置から受信した前記集計情報を含むセンター側仕分け管理用の帳票を、所定の印刷装置に印刷させる印刷制御部を含むように構成することができる。
【0017】
(5)上記(1)から(4)において、前記仕分け情報は、金融機関を識別する金融機関コード、金融機関の各店舗を識別する支店コード及び前記読取・印字装置で印字又は読み取られた前記領収済み払込書の順番を示す情報を含んで構成することができる。このとき、前記仕分け情報は、文字情報、QRコード(登録商標)又はバーコードの形式で、前記領収済み払込書の裏面に印字することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、店舗での窓口受付から事務センターでの各収納機関に向けた仕分け作業を一元的に管理し、収納業務の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態の収納業務支援システムのシステム構成図である。
図2】実施形態の一元管理される収納管理情報の一例を示す図であり、払込書の表面から読み取られる情報と、払込書の裏面に印字される仕分け情報と、を説明するための図である。
図3】実施形態のマスタ情報の一例を示す図である。
図4】実施形態の各店舗で出力される集計表の一例を示す図である。
図5】実施形態の事務センターで出力される集計表の一例を示す図である。
図6】実施形態の各店舗に設置される端末装置及び読取・印字装置の構成ブロック図である。
図7】実施形態の金融機関の各店舗における仕分け業務の各処理フローを示す図である。
図8】実施形態の収納管理装置及び事務センターに設けられる端末装置の構成ブロック図である。
図9】実施形態の収納管理装置の処理フローを示すフローチャートである。
図10】実施形態の事務センターの処理フローを示すフローチャートである。
図11】実施形態の事務センター側仕分け業務における仕分けルールと、仕分けルールに基づく仕分け処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施形態につき、図面を参照して説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1から図11は、第1実施形態を示す図である。図1は、本実施形態の収納業務支援システム(以下、支援システムと称する)のシステム構成図である。支援システムは、収納管理装置300を中心に、金融機関の各店舗に設けられる端末装置(店舗側端末装置)100が収納管理装置300に接続され、事務センターに設けられる端末装置(センター側端末装置)400が、収納管理装置300に接続されている。
【0022】
店舗には、端末装置100と接続された読取・印字装置200が設置されている。読取・印字装置200は、複数の領収済み払込書を連続して読み込み、各領収済み払込書の表面に印字された収納情報を読み取って文字データに変換するOCR機能(収納情報の読み取り処理)を備えている。読み取った収納情報は、端末装置100に出力される。読取・印字装置200は、端末装置100と有線又は無線で通信することができる。なお、OCR機能は、領収済み払込書に手書きであとから書き込まれた情報も読み取ることができる。
【0023】
そして、本実施形態の読取・印字装置200は、読み込まれる領収済み払込書の裏面に、仕分け情報を印字する印字機能を備えている。印字機能は、収納情報の読み取り処理と同期させて領収済み払込書それぞれの裏面に、複数の各領収済み払込書それぞれを一意に識別するための仕分け情報を印字する。
【0024】
端末装置100は、少なくとも読取・印字装置200から出力された収納情報と、領収済み払込書の裏面に印字された仕分け情報とを関連付けて収納管理情報を生成し、ネットワークを介して収納管理装置300に送信する。収納管理装置300は、複数の各店舗の端末装置100それぞれとネットワークを介して接続され、各店舗から送信される収納管理情報を記憶する。
【0025】
図2は、収納管理情報の一例を示す図である。収納管理情報は、領収済み払込書の表面に記載された収納情報と、ヘッダー情報とを含んで構成されている。収納情報は、収納日(納付日)、収納先コード(収納機関)、科目コード(科目)、収納金額、納付期限、種別(国税、地方税、公共料金など)、延滞金、収入印紙額、手数料などの情報が含まれる。なお、科目コードは、収納機関が請求する請求項目であり、例えば、〇〇市税(地方税)、〇〇市水道料金(公共料金)、保険料などである。また、種別は、科目コードの上位分類であり、例えば、厚生労働省が収納機関であるである国庫金(国税)は、国民年金保険料、厚生年金保険料、船員保険料などが含まれ、「国税」が種別、それに紐付く「国民年金保険料」、「厚生年金保険料」、「船員保険料」などの各保険料が科目(コード)となる。種別「地方税」も同様であり、各市税が科目(コード)として種別「地方税」に分類される。種別「公共料金」は、例えば、各市町村の水道料金、各電力会社の電気料金などが、種別「公共料金」に分類される。
【0026】
また、収納管理情報は、領収済み払込書の表面に記載された収納情報(OCRで読み取られた情報)以外にも、マッチングや計算によって得られる情報を含むことができる。例えば、種別は、領収済み払込書の表面に記載されている場合、OCRで読み取ることができるが、記載されていない場合は、後述する収納機関マスタ情報(図3)を参照して特定し、収納情報に含ませるように構成することができる。また、延滞金や収入印紙額も同様であり、延滞金は、図2に示すように、領収済み払込書の表面に記載された延滞金を読み取る方法以外にも、領収済み払込書の表面に記載された納付期限と現在日付との差分と算出し、予め収納機関毎に設定された延滞金定義情報(例えば、納付遅延日数(差分)に応じた延滞金が設定された情報)に基づいて、自動的に領収済み払込書の延滞金を算出することができる。収入印紙額も、領収済み払込書の表面に記載されていなくても、領収済み払込書の表面に記載された収納金額と、予め収納機関毎に設定された収入印紙情報(例えば、収納金額に応じた収入印紙額が設定された情報)に基づいて、自動的に収入印紙額を算出することができる。
【0027】
ヘッダー情報は、管理番号、仕分け情報及びセンター区分を含んで構成されている。管理番号は、収納管理情報に付与される整理番号である。仕分け情報は、作成日、シーケンス番号、金融機関コード及び支店コードを含んでいる。金融機関コード及び支店コードは、予め設定される金融機関及び金融機関に属する店舗(支店)を識別する情報である。
【0028】
仕分け情報に含まれる作成日は、領収済み払込書が読取・印字装置200で読み取られた(仕分け情報が印字された)日時である。シーケンス番号は、複数の領収済み払込書が読取・印字装置200で読み取られた(仕分け情報が印字された)順番を示す情報である。したがって、仕分け情報は、作成日とシーケンス番号によって一意に特定できると共に、支店コードによって各店舗を識別することができる。このため、収納管理情報は、仕分け情報によって一意に識別することができる。なお、読取・印字装置200が1店舗に複数台設置されている場合は、不図示の読取・印字装置200の識別情報(例えば、スキャナ番号)を設定することができる。スキャナ番号は、読取・印字装置200の号機番号であり、この場合、仕分け情報は、作成日、スキャナ番号、及びシーケンス番号によって一意に特定できる。
【0029】
なお、領収済み払込書の裏面に印字される仕分け情報は、図2に示した文字情報や、この文字情報をコード変換して、例えば、バーコードの形式で領収済み払込書の裏面に印字することができる。さらに、仕分け情報として、作成日、シーケンス番号、金融機関コード及び支店コードなどを含む態様を一例に説明しているが、これに限らず、例えば、各店舗別に領収済み払込書それぞれを識別可能な情報、すなわち、収納管理情報と領収済み払込書との対応関係を一意に識別可能な情報であればよい。
【0030】
収納管理装置300は、各店舗から受信する収納管理情報を蓄積すると共に、各種のマスタ情報を管理する。図3は、収納機関マスタ情報とセンター区分マスタ情報の一例を示す図である。収納機関マスタ情報には、税公金や提供される商品やサービスの料金など(以下、税公金等という)に対する払込書(払込通知書(票)、払込取扱書(票)、納付通知書(票)など)を発行する収納機関(請求書発行企業であり、国庫金を取り扱う官公庁、地方公共団体、民間収納機関などがある)が登録されている。収納機関マスタ情報は、収納区分(国、地方公共団体、民間など)、収納機関コード、収納機関名、種別、科目コード、科目名、センター区分などを含んで構成されている。
【0031】
なお、収納機関マスタ情報に登録されている収納機関は、本実施形態の支援システムの対象となる収納機関であり、金融機関の各店舗で取り扱いができる/できない収納機関であるかは問わない。例えば、金融機関毎に取り扱いができる/できない収納機関が決められていることがある。この場合、取り扱いができない収納機関の払込書に対して来店客が所定の手数料を支払えば、実質的に取り扱い可能な収納機関として受け付けることもできる場合がある。したがって、金融機関の各店舗で原則取り扱いができない収納機関であっても、手数料を徴収して受け付けた払込書の収納機関は、収納機関マスタ情報に登録されることになり、収納機関マスタ情報の各収納機関に対し、取り扱い可能/取り扱い不可の項目を関連付けると共に、取り扱い不可の収納機関には所定の手数料を予め設定することができる。そして、上述した延滞金や収入印紙額と同様の取り扱いで、収納機関マスタ情報を参照し、特定された収納機関が取り扱い不可である場合、手数料を自動計算して収納情報に含ませるように構成することができる。
【0032】
センター区分は、センター区分マスタ情報で管理されており、複数の各事務センターで取り扱う払込書(収納機関)を分類したものである。例えば、事務センターは、東日本、西日本などの任意のエリア別に複数設けられ、事務センター別に、取り扱い可能な領収済み払込書が予め決められている。具体的には、大阪市税(収納機関が大阪市)の払込書であれば、西日本に拠点を構える事務センターBに、東京都水道料金(収納機関が東京都)の払込書であれば、東日本に拠点を構える事務センターAに、各店舗から搬送されることになる。なお、金融機関が運営する事務センター以外にも、例えば、収納業務を代行する会社(外部委託センターXなど)も、本実施形態の事務センターに含まれる。
【0033】
一方、裏面に仕分け情報が印字された領収済み払込書は、センター区分マスタ情報に従って店舗側で事務センター別に仕分けされ、該当する各事務センターに搬送される。このとき、図4に示すように、店舗側では、端末装置100に接続される所定のプリンタで、事務センター別の集計表を印刷することができる。端末装置100は、予め図3に示した各マスタ情報を収納管理装置300から取得し、後述するように各払込書のセンター区分を特定して収納管理情報を生成する。このため、図4に示した集計表を事務センター別に印刷し、各事務センターに搬送する複数の領収済み払込書の仕分け作業(枚数(件数)や合計金額等の照合)に利用することができる。図4は、事務センターAに集約される種別「国税」の集計表例を示しており、合計金額と種別毎の件数(枚数)が印刷されている。端末装置100で印刷する事務センター別の集計表は、図4の例に限らず、任意のフォーマットで、かつ仕分け作業に必要な任意の情報を含むように構成することができる。
【0034】
事務センターは、金融機関の複数の店舗(支店)の窓口で受け付けられた領収済み払込書を一括して取りまとめる機関であり、各店舗から領収済み払込書が事務センターに運搬(搬送)されて集約される。
【0035】
事務センターでは、各店舗から集約された領収済み払込書を収納機関別に仕分けし、各収納機関(又は収納機関が指定する指定金融機関)に仕分けされた領収済み払込書を配送する。事務センターでの仕分け作業は、手作業で行うこともできるが、大量の領収済み払込書を仕分けするため、自動仕分け機500が設置されている。自動仕分け機500は、領収済み払込書を読み込む読取装置と、読み取った領収済み払込書を複数の各ポケット(仕分けポケット)に自動仕分けするソーター装置と、を備えている。なお、自動仕分け機500は、既知の仕分け機を適用することができ、詳細な説明は省略する。
【0036】
また、事務センターには、自動仕分け機500と接続される端末装置400が設けられている。端末装置400は、収納管理装置300とネットワークを介して接続され、収納管理装置300に蓄積された収納管理情報や収納管理装置300で管理されるマスタ情報を取得する。
【0037】
本実施形態の自動仕分け機500は、領収済み払込書の裏面に印字された仕分け情報を読み取る仕分け情報読取装置として機能し、読み取った仕分け情報を端末装置400に出力する。端末装置400は、収納管理装置300から提供される収納管理情報と、自動仕分け機500から出力された仕分け情報と、をマッチングする。つまり、本実施形態では、事務センター側で領収済み払込書の表面に記された収納情報を読み取らず、店舗で印字された仕分け情報のみを読み取る。
【0038】
収納管理装置300は、事務センターでマッチングされる領収済み払込書の収納管理情報を用いて、事務センターでの領収済み払込書に対する所定の仕分けルールに応じた集計情報を生成して、端末装置400に送信することができる。端末装置400は、後述するように、収納管理装置300から受信した集計情報に基づいて、所定のプリンタで収納機関別の集計表を印刷する。図5は、事務センターで印刷される集計表の一例を示す図であり、各店舗から集約された領収済み払込書を収納機関別に集計するとともに、さらにその収納機関に関連する複数の科目毎に払込書の枚数(件数)を集計することができる。各科目の記載欄には、その明細(各払込書の収納情報など)が出力されるように構成することもできる。
【0039】
このように、事務センターでは、各店舗から収納管理装置300に送信された収納管理情報を用いて生成された集計情報に基づいて、図5に示した集計表を収納機関別に印刷し、各収納機関に搬送する複数の領収済み払込書の仕分け作業(枚数や合計金額等の照合)に利用することができる。
【0040】
図6は、本実施形態の端末装置100及び読取・印字装置200の構成ブロック図である。図6に示すように、読取・印字装置200は、領収済み払込書の表面に記された収納情報を読み取り、収納情報が数値化された文字データ(OCR読取データ)を端末装置100に出力するデータ読取装置(OCR部)210、データ読取装置210の読取動作と同期して、領収済み払込書の裏面に仕分け情報を印字する印字装置220、記憶装置230及び通信装置240を含んで構成されている。読取・印字装置200は、セットされた複数の領収済み払込書を連続して読み込んで、処理することができる。
【0041】
読取・印字装置200は、読み取った収納情報と印字した仕分け情報との対応関係を保持したまま、言い換えれば、読み取った収納情報と印字した仕分け情報とを関連付けて端末装置100に出力する。なお、仕分け情報自体は、読取・印字装置200で自動的に生成することができる。つまり、読取・印字装置200は、端末装置100から予め金融機関コード及び支店コードがセットされ、記憶装置230に記憶されている。また、読取・印字装置200は、内蔵のカレンダー機能などから日時情報を取得し、かつ自動連番機能でシーケンス番号を順次、自動生成することができる。このため、読み込まれた領収済み払込書の裏面への印字処理の度に、シーケンス番号をインクリメントさせて、日時情報、シーケンス番号、金融機関コード及び支店コードを含む仕分け情報をリアルタイムに生成し、印字処理を行うことができる。
【0042】
端末装置100は、通信装置110、制御部120及び記憶装置130を含んで構成されている。通信装置110は、読取・印字装置200との接続及びデータ通信を管理すると共に、収納管理装置300との間のIP網を介した接続及びデータ通信を制御する。
【0043】
制御部120は、読取・印字装置200の読取動作を制御するデータ読取制御部121と、収納管理情報を生成する収納管理情報生成部122と、集計処理を行う集計管理部123と、表面の読取処理と同期して印字される仕分け情報の印字処理を制御する印字制御部124と、印刷制御部125とを含んで構成されている。
【0044】
記憶装置130は、収納管理装置300から取得される収納機関マスタ情報やセンター区分マスタ情報の各マスタ情報を記憶するとともに、生成された収納管理情報や該当する金融機関コード及び支店コードを記憶する。
【0045】
収納管理情報生成部122は、収納機関マスタ情報又はセンター区分マスタ情報を参照して、読取・印字装置200から出力された収納情報に含まれる収納機関が分類されるセンター区分を特定し、特定されたセンター区分、読み取られた収納情報及び印字された仕分け情報を含む収納管理情報を生成する。なお、収納管理情報生成部122は、読取・印字装置200から出力された収納情報に含まれる収納機関を、センター区分マスタ情報とマッチングしなくても、センター区分を特定した収納管理情報を生成することができる。例えば、読取・印字装置200で読み取る複数の領収済み払込書を、予めセンター区分毎に手作業で仕分けし、同じセンター区分の複数の領収済み払込書を連続して読み込むように構成する。この場合、収納管理情報生成部122は、読み込ませる領収済み払込書毎にセンター区分を決め打ちで設定し、収納管理情報を生成することができる。センター区分の設定は、端末装置100への入力操作によって行うことができる。この場合、センター区分マスタ情報に、収納機関コード及び収納機関名の各情報を保持させる必要はない。
【0046】
収納管理情報生成部122は、端末装置100への所定の入力操作があったとき、又は所定のタイミングで、収納管理装置300に生成した収納管理情報を送信する。
【0047】
集計管理部123は、収納管理情報のセンター区分毎に、領収済み払込書の枚数及び領収済み払込書の合計金額を含む店舗側の集計情報を生成する。このとき、上述したように、種別毎に集計情報を生成することもできる。印刷制御部125は、事務センター別に、生成された店舗側の集計情報を含む店舗側仕分け管理用の帳票(集計表)をプリンタに印刷させる制御を行う。つまり、図4に示したような集計表をプリンタで印刷できるようにする。印字制御部124は、印字装置220で印字される仕分け情報の位置、大きさなど印字処理全般を制御すると共に、上述した金融機関コード及び支店コードを記憶装置130から抽出して読取・印字装置200に出力する。
【0048】
図7は、金融機関の各店舗における仕分け業務の各処理フローを示す図である。端末装置100(印字制御部124)は、印刷情報設定処理として、金融機関コード及び支店コードの入力を受け付けたり、記憶装置130に予め記憶されている金融機関コード及び支店コードを抽出したりして、読取・印字装置200に出力する(S101)。
【0049】
作業者は、読取・印字装置200に複数の領収済み払込書をセットし、端末装置100に読取処理及び印字処理の開始指示を入力する。端末装置100は、読取・印字装置200に開始指示を出力する(S102)。
【0050】
読取・印字装置200は、自動連番機能でシーケンス番号を生成し、生成されたシーケンス番号、システム日付に基づく日時情報、金融機関コード及び支店コードを関連付けて仕分け情報を生成する(S201)。読取・印字装置200は、読込処理及び読込処理と同期して仕分け情報の印字処理を行う(S202)。読取・印字装置200は、読み取った収納情報と印字した仕分け情報とを関連付けて、端末装置100に出力する(S203)。
【0051】
読取・印字装置200は、セットされた全ての領収済み払込書の読み込みが完了したか否かを判別し(S204)、完了していない場合は(S204のNO)、シーケンス番号をインクリメントして(S205)、ステップS201に戻り、次の領収済み払込書に対する読取処理及び印字処理と、読み取った収納情報と印字した仕分け情報とを関連付けて端末装置100に出力する処理とを、繰り返し行う。ステップS204において、完了したと判別された場合は(S204のYES)、ステップS206に進み、端末装置100に処理終了通知を出力する。
【0052】
なお、ステップS201及びS205の処理は、端末装置100側で行うことも可能である。すなわち、端末装置100は、読取処理及び印字処理の開始に伴い、仕分け情報を生成して読取・印刷装置200に出力する。読取・印刷装置200は、端末装置100から仕分け情報を受信したことをトリガーに、読取処理及び印字処理を行い、読取処理及び印字処理の完了通知を端末装置100に出力する。端末装置100は、読取処理及び印字処理の完了通知を受信したら、次に読込処理及び印字処理される領収済み払込書に印字するための仕分け情報を生成して、読取・印字装置200に出力する。これを繰り返すことで、端末装置100側での仕分け情報の生成処理による読込処理及び印字処理を実現することができる。
【0053】
また、図7の例では、一枚一枚の読取処理及び印字処理が行われる度に、読み取った収納情報と印字した仕分け情報とを関連付けた情報を端末装置100に出力しているが、全ての領収済み払込書に対する読取処理及び印字処理が終了するまで、読取・印字装置200の記憶装置230に記憶しておき、一括して又は分割して端末装置100に出力するように構成してもよい。
【0054】
次に、端末装置100(収納管理情報生成部122)は、読取・印字装置200から処理終了通知を受信すると、上述した収納管理情報生成処理を行い、記憶装置130に記憶する(S103)。また、端末装置100(集計管理部123)は、生成された収納管理情報をセンター区分毎に集計し、領収済み払込書の枚数及び領収済み払込書の合計金額を含む店舗側の集計情報を生成する(S104)。さらに、端末装置100(印刷制御部125)は、生成された集計情報を用いて、事務センター別の店舗側仕分け管理用の帳票(集計表)をプリンタに印刷させる(S104)。集計情報の生成処理及び印刷処理は、例えば、作業者から端末装置100に、処理指示が入力されたタイミングで、又は任意のタイミングで自動的に行うことができる。
【0055】
作業者は、領収済み払込書を各事務センター別に手作業で仕分けすると共に、例えば、図4に示した集計表を参照して、各事務センターに搬送する複数の領収済み払込書の枚数や合計金額等の照合を行うことができる(S104A,S104B)。
【0056】
そして、端末装置100は、端末装置100への所定の入力操作があったとき(S105)、又は所定のタイミングで、収納管理装置300に生成された収納管理情報を送信する(S106)。
【0057】
図8は、収納管理装置300及び事務センターに設けられる端末装置100の構成ブロック図である。収納管理装置300は、通信装置310、制御装置320及び記憶装置330を備え、通信装置310は、IP網等のネットワークを介した金融機関の各店舗の端末装置100それぞれとの接続及びデータ通信を制御するとともに、複数の各事務センターの端末装置400それぞれとの接続及びデータ通信を制御する。
【0058】
制御装置320は、収納管理部321を備えている。収納管理部321は、各店舗から受信した収納管理情報を記憶装置330に記憶する。また、収納管理部321は、マスタ情報の登録・編集・削除等のマスタ情報登録処理を行う。
【0059】
さらに、収納管理部321は、事務センターでマッチングされる領収済み払込書に関連して、各店舗から受信した(記憶装置330に記憶された)収納管理情報を用い、事務センターでの領収済み払込書に対する所定の仕分けルールに応じた集計情報を生成する。そして、生成した集計情報を、端末装置400に送信する。
【0060】
事務センターに設置される端末装置400は、IP網等のネットワークを介した収納管理装置300との接続及びデータ通信を制御する通信装置410と、制御部420と、記憶装置430とを含んで構成されている。記憶装置430は、収納管理装置300から提供される収納機関マスタ情報と収納管理情報とを記憶する。
【0061】
制御部420は、自動仕分け機500のソーター装置の複数の各ポケットと収納機関とを関連付けて仕分けルールを生成する仕分け制御部421を有する。上述のように、自動仕分け機500は、所定のルールに基づいて複数のポケットに領収済み払込書を仕分けするので、仕分け制御部421は、自動仕分け機500の仕分けルールを生成する機能を提供する。
【0062】
仕分け制御部421は、入力画面を通じて、例えば、複数のポケットを識別するポケット番号と、収納機関マスタ情報に登録された事務センターが取り扱う領収済み払込書の収納機関と、を関連付けて仕分けルールを作成できるように制御する。作成された仕分けルールは、記憶装置430に記憶されると共に、自動仕分け機500に出力する。また、仕分け制御部421は、作成された仕分けルールと共に、収納管理情報を自動仕分け機500に出力する。仕分け制御部421は、作成された仕分けルールを、収納管理装置300にも送信する。
【0063】
図11は、事務センター側の仕分け業務における仕分けルールと、仕分けルールに基づく自動仕分け機500による仕分け処理を説明するための図である。自動仕分け機500は、領収済み払込書の裏面に印字された仕分け情報を読み取り、収納管理情報を参照して、読み取られた仕分け情報に該当する収納管理情報を特定する。収納管理情報が特定されると、自動仕分け機500は、特定された収納管理情報の収納先(収納機関)を特定し、特定された収納機関と仕分けルールを照合する。仕分けルールは、自動仕分け機500の各ポケットに対して、各収納機関が関連付けられているので、自動仕分け機500は、特定された収納先に対応するポケット(領収済み払込書に対応する仕分けポケット)を判別して振り分けを行う。
【0064】
なお、収納機関と科目とが1対多である場合、1つの収納機関に対して科目別に複数のポケットを割り当てるように仕分けルールを作成することもできる。この場合、自動仕分け機500は、読み取られた仕分け情報に該当する収納管理情報から収納先(収納機関)及び科目を特定し、特定された収納機関及び科目を用いて仕分けルールと照合することができる。
【0065】
一方で、自動仕分け機500で読み取られた各領収済み払込書の仕分け情報は、端末装置400に出力される。端末装置400は、記憶装置430に記憶された収納管理情報と、自動仕分け機500から出力された仕分け情報とをマッチングする仕分け情報照合部422を備えている。本実施形態では、自動仕分け機500とは別に、仕分け情報照合部422でも収納管理情報と仕分け情報とをマッチング処理を行い、マッチング結果を収納管理装置300に送信する。
【0066】
収納管理装置300は、端末装置400から仕分けルールとマッチング結果とを受信して、記憶装置330に記憶する。このとき、収納管理部321は、各収納管理情報に対して事務センターでのマッチング結果を反映してもよい。収納管理部321は、仕分けルールに基づいて収納機関別の集計情報を生成する集計処理を行い、集計情報を端末装置400に送信する。
【0067】
端末装置400は、収納管理装置300から受信した集計情報を含むセンター側仕分け管理用の帳票(例えば、図5に示す集計表)を、プリンタに印刷させる印刷制御部423を備えている。
【0068】
図9は、収納管理装置300の処理フローを示すフローチャートである。収納管理装置300は、マスタ情報の登録処理を行うと共に、必要なマスタ情報を端末装置100,400それぞれに配信する(S301,S302)。また、収納管理装置300は、各店舗の端末装置100から収納管理情報を受信して記憶装置330に記憶する(S303,304)。
【0069】
収納管理装置300は、所定のタイミング又は事務センターからの情報取得要求に基づいて、事務センター別に集約した収納管理情報を、各事務センターの端末装置400に送信する(S305)。
【0070】
また、事務センターの端末装置400から自動仕分け機500に設定される仕分けルールを受信し(S306)、仕分けルールに基づく集計処理を行い(S307)、生成された集計情報を端末装置400に送信する(S308)。
【0071】
図10は、事務センターの処理フローを示すフローチャートである。端末装置400は、収納管理装置300から収納管理情報及びマスタ情報を取得する(S401)。また、端末装置400は、自動仕分け機500の仕分けルールを生成する機能を提供する(S402)。作成された仕分けルールは、自動仕分け機500に出力されるとともに、収納管理装置300に送信される(S403)。
【0072】
自動仕分け機500は、収納管理情報を参照し、裏面に印字された仕分け情報を読み取って、設定された仕分けルールに基づいて自動仕分けを行う(S501)。このとき、自動仕分け機500は、読み取った仕分け情報を端末装置400に出力する(S502)。自動仕分け機500は、セットされた全ての領収済み払込書の読み込みが完了したか否かを判別し(S503)、完了していない場合は(S503のNO)、ステップS501に戻り、次の領収済み払込書に対する自動仕分け処理と、読み取った仕分け情報を端末装置100に出力する処理とを、繰り返し行う。ステップS503において、完了したと判別された場合は(S503のYES)、ステップS504に進み、端末装置400に処理終了通知を出力する。
【0073】
端末装置400は、記憶装置430に記憶された収納管理情報と、自動仕分け機500から出力された仕分け情報とをマッチングする(S404)。端末装置400は、自動仕分け機500から処理終了通知を受信するまで(S405のNO)、動仕分け機500から出力された仕分け情報と収納管理情報とのマッチング処理を行う。自動仕分け機500から処理終了通知を受信すると(S405のYES)、ステップS404のマッチング処理を終了する。
【0074】
端末装置400は、マッチング結果を収納管理装置300に送信するとともに、仕分けルールに基づいて生成された収納機関別の集計情報を収納管理装置300から受信し(S406)、受信した集計情報を用いて、収納機関別のセンター側仕分け管理用の帳票(集計表)をプリンタに印刷させる(S407)。
【0075】
作業者は、自動仕分けされた領収済み払込書と、図5に示した集計表を参照して、各収納機関に搬送する複数の領収済み払込書の枚数や合計金額等の照合を行うことができる(S407A)。
【0076】
このように本実施形態の収納管理システムは、店舗での窓口受付から事務センターでの各収納機関に向けた仕分け作業を一元的に管理することができ、収納業務の効率化を図ることができる。
【0077】
すなわち、金融機関の各店舗側で、領収済み払込書の表面の収納情報を読み取るとともに、領収済み払込書それぞれの裏面に仕分け情報を識別情報として印字する。各店舗では、読み取った収納情報と印字された仕分け情報とを関連付けて収納管理情報を生成し、収納管理装置300に送信する。事務センターでは、領収済み払込書の裏面に印字された仕分け情報だけを読み取り、収納管理情報と読み取られた仕分け情報とをマッチングして仕分け業務を行う。収納管理装置300では、店舗から収集された収納管理情報を用いて集計結果を事務センターに提供する。
【0078】
したがって、店舗で読み取られた収納情報を、事務センターで再度読み取る必要がなく、収納管理装置300側で、裏面に印字された仕分け情報を含む収納管理情報を管理するだけで、各店舗及び事務センターでの各収納業務が一元的に管理され、事務センター側での収納業務の効率化を図ることができる。
【0079】
以上、実施形態において、上記端末装置100,400、及び収納管理装置300は、ハードウェア構成として上述以外にも、液晶ディスプレイなどの表示装置、装置全体(各部)の制御を司るCPU、メモリ(主記憶装置)、マウス、キーボード、タッチパネル、スキャナ等の操作入力手段、プリンタ、スピーカなどの出力手段、補助記憶装置(ハードディスク等)等を備えることができる。
【0080】
また、本発明の各機能は、プログラムによって実現可能であり、各機能を実現するために予め用意されたコンピュータプログラムが補助記憶装置に格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行することで、コンピュータ装置に本発明の各部の機能を動作させることができる。他方、本発明の各機能は、各々個別の制御装置で構成することができ、複数の制御装置を直接に又はネットワークを介して接続して構成することもできる。
【0081】
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに提供することも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスク、DVD−ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、本発明の目的のために特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
【符号の説明】
【0082】
100 端末装置(店舗側)
110 通信装置
120 制御装置
121 データ読取制御部
122 収納管理情報生成部
123 集計管理部
124 印字制御部
125 印刷制御部
130 記憶装置
200 読取・印字装置
210 データ読取装置
220 印字装置
230 記憶装置
240 通信装置
300 収納管理装置
310 通信装置
320 制御装置
321 収納管理部
330 記憶装置
400 端末装置(事務センター側)
410 通信装置
420 制御部
421 仕分制御部
422 仕分け番号照合部
423 印刷制御部
430 記憶装置
500 自動仕分け機
【要約】
【課題】店舗での窓口受付から事務センターでの各収納機関に向けた仕分け作業を一元的に管理し、収納業務の効率化を図る。
【解決手段】金融機関の各店舗側で、納付書の表面の収納情報を読み取るとともに、納付書それぞれの裏面に仕分け情報を識別情報として印字する。各店舗では、読み取った収納情報と印字された仕分け情報とを関連付けて収納管理情報を生成し、収納管理装置に送信する。事務センターでは、納付書の裏面に印字された仕分け情報だけを読み取り、収納管理情報と読み取られた仕分け情報とをマッチングし、収納管理装置側で、店舗から収集された収納管理情報を用いて集計して事務センターに提供する。このため、各店舗及び事務センターでの各収納業務が収納管理装置を中心に一元的に管理され、事務センター側での収納業務の効率化を図ることができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11