特許第6266184号(P6266184)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6266184
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】監視システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20180115BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20180115BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   G08B25/00 510M
   G08B25/10 D
   H04M11/00 302
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-540805(P2017-540805)
(86)(22)【出願日】2017年3月16日
(86)【国際出願番号】JP2017010613
【審査請求日】2017年8月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩村 光貴
(72)【発明者】
【氏名】横田 守真
(72)【発明者】
【氏名】三輪 剛久
(72)【発明者】
【氏名】木皿 尚宏
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−217055(JP,A)
【文献】 特開2007−133694(JP,A)
【文献】 特開平10−191311(JP,A)
【文献】 特開2006−338187(JP,A)
【文献】 特開2013−101559(JP,A)
【文献】 特開2004−030136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 19/00−31/00
H04M 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視システムであって、
カメラが撮像した画像データを格納すると共に、前記カメラが撮像した画像データを分析し、異常を検出した際に異常発生時刻を含むアラーム信号を生成する画像分析格納装置と、
前記画像分析格納装置と通信し、前記画像分析格納装置から前記アラーム信号を受信した際に、前記画像分析格納装置に格納された画像データの内の前記異常発生時刻の前後における設定時間分の画像データを記録画像データとして前記画像分析格納装置から受信する通信装置と、
前記通信装置と通信し、前記通信装置から前記アラーム信号と前記記録画像データとを受信し、受信した前記アラーム信号に基づいて異常検出連絡メールを携帯端末に送信し、受信した前記記録画像データを保存するサーバと、を備え、
前記携帯端末は、前記サーバから受信した前記異常検出連絡メールに応じて前記サーバと通信し、前記サーバから前記記録画像データを受信し、
前記サーバは、前記携帯端末から受信した指定時刻を含む閲覧画像要求を前記通信装置に送信し、
前記通信装置は、前記閲覧画像要求を受信した際に、前記画像分析格納装置に格納された画像データの内の前記指定時刻の前後における前記設定時間分の画像データを閲覧画像データとして前記画像分析格納装置から受信し、
前記サーバは、前記通信装置から前記閲覧画像データを受信し、受信した前記閲覧画像データを保存すると共に、前記携帯端末に送信する監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視システムであって、
前記通信装置と通信し、侵入が発生した際に侵入発生時刻を含む侵入発生信号を生成する侵入防止装置を備え、
前記通信装置は、前記侵入防止装置から前記侵入発生信号を受信した際に、前記画像分析格納装置に格納された画像データの内の前記侵入発生時刻の前後における前記設定時間分の画像データを侵入記録画像データとして前記画像分析格納装置から受信し、
前記サーバは、前記通信装置から前記侵入発生信号と前記侵入記録画像データとを受信し、受信した前記侵入発生信号に基づいて侵入発生検知連絡メールを前記携帯端末に送信し、受信した前記侵入記録画像データを保存し、
前記携帯端末は、前記サーバから受信した前記侵入発生検知連絡メールに応じて前記サーバと通信し、前記サーバから前記侵入記録画像データを受信する監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラを用いた監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラを用いた監視システムが多く用いられている。例えば、ビルの入口やドアの近傍にカメラを配置し、訪問者の姿を常時記録しておき、侵入等の異常が発生した場合に後で詳しい状況を確認することが行われている。
【0003】
このような監視システムでは、カメラで撮像した画像データを現場に設置したレコーダ等に記録、保存している。このため、異常の発生した際の画像を確認するためにはビルの管理者が異常の発生したビルに行く必要がある。しかし、中小規模のビルでは、管理者が常駐していないことが多く、管理者が異常の発生に気付くのが遅れてしまう場合があった。
【0004】
そこで、カメラで撮像した画像データをサーバに送信して画像ファイルとして保存すると共に、サーバが画像データを基準値と比較して異常の判断を行い、異常がある場合に携帯端末にトリガー信号を送信すると携帯端末がトリガー信号に応じてサーバの画像ファイルを受信する監視システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この監視システムによれば、ビル管理者は、異常が発生した際に遠隔地から現場の画像を確認することができる。
【0005】
また、監視カメラと共に監視センサを配置し、監視センサが反応した際にセンサ情報を端末装置に送信し、これに応じて端末装置側から監視映像の送信が要求されたら監視センサの反応時点の前後一定時間分についての監視映像を端末装置に送信する監視システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−101559号公報
【特許文献2】特開2004−30136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載された監視システムでは、カメラで撮像した画像データを常時サーバに送信することが必要で、データ通信量が多くなってしまう。また、サーバ上に多くの画像データを保存しておくことが必要で、サーバに格納するデータ容量が膨大になってしまうという問題があった。
【0008】
また、特許文献2に記載された監視システムは、画像ではなく監視センサによって異常の発生を検出しているので、異常を的確に認識することができず、監視画像の誤送信が多くなってしまうという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、少ないデータ通信量と少ないデータ格納容量で的確に異常発生時の画像を遠隔地から確認可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の監視システムは、カメラが撮像した画像データを格納すると共に、前記カメラが撮像した画像データを分析し、異常を検出した際に異常発生時刻を含むアラーム信号を生成する画像分析格納装置と、前記画像分析格納装置と通信し、前記画像分析格納装置から前記アラーム信号を受信した際に、前記画像分析格納装置に格納された画像データの内の前記異常発生時刻の前後における設定時間分の画像データを記録画像データとして前記画像分析格納装置から受信する通信装置と、前記通信装置と通信し、前記通信装置から前記アラーム信号と前記記録画像データとを受信し、受信した前記アラーム信号に基づいて異常検出連絡メールを携帯端末に送信し、受信した前記記録画像データを保存するサーバと、を備え、前記携帯端末は、前記サーバから受信した前記異常検出連絡メールに応じて前記サーバと通信し、前記サーバから前記記録画像データを受信し、前記サーバは、前記携帯端末から受信した指定時刻を含む閲覧画像要求を前記通信装置に送信し、前記通信装置は、前記閲覧画像要求を受信した際に、前記画像分析格納装置に格納された画像データの内の前記指定時刻の前後における前記設定時間分の画像データを閲覧画像データとして前記画像分析格納装置から受信し、前記サーバは、前記通信装置から前記閲覧画像データを受信し、受信した前記閲覧画像データを保存すると共に、前記携帯端末に送信することを特徴とする。
【0011】
本発明の監視システムにおいて、前記通信装置と通信し、侵入が発生した際に侵入発生時刻を含む侵入発生信号を生成する侵入防止装置を備え、前記通信装置は、前記侵入防止装置から前記侵入発生信号を受信した際に、前記画像分析格納装置に格納された画像データの内の前記侵入発生時刻の前後における前記設定時間分の画像データを侵入記録画像データとして前記画像分析格納装置から受信し、前記サーバは、前記通信装置から前記侵入発生信号と前記侵入記録画像データとを受信し、受信した前記侵入発生信号に基づいて侵入発生検知連絡メールを前記携帯端末に送信し、受信した前記侵入記録画像データを保存し、前記携帯端末は、前記サーバから受信した前記侵入発生検知連絡メールに応じて前記サーバと通信し、前記サーバから前記侵入記録画像データを受信することとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の監視システムは、少ないデータ通信量と少ないデータ格納容量で的確に異常発生時の画像を遠隔地から確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態における監視システムの構成を示す系統図である。
図2図1に示す監視システムの画像格納部中の第1メモリと第2メモリの画像格納時間を示す説明図である。
図3図1に示す監視システムの画像分析部の画像分析動作を示す説明図である。
図4図1に示す監視システムの動作処理を示すシーケンス図である。
図5図4に示す動作処理におけるレコーダの動作を示すフローチャートである。
図6図4に示す動作処理における通信装置の動作を示すフローチャートである。
図7図4に示す動作処理におけるサーバの動作を示すフローチャートである。
図8】本発明の他の実施形態における監視システムの構成を示す系統図である。
図9図8に示す監視システムの動作処理を示すシーケンス図である。
図10図9に示す動作処理における侵入防止装置のコントローラの動作を示すフローチャートである。
図11図9に示す動作処理における侵入防止装置のレコーダの動作を示すフローチャートである。
図12図9に示す動作処理における通信装置の動作を示すフローチャートである。
図13図9に示す動作処理におけるサーバの動作を示すフローチャートである。
図14図1図8に示す監視システムの他の動作処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら実施形態の監視システム100について説明する。図1に示すように、監視システム100は、カメラ11の撮像した画像データを格納するともに画像処理を行う画像分析格納装置10と、画像データを保存するサーバ40と、遠隔通信網35を介して画像分析格納装置10とサーバ40との間で信号、画像データの授受を行う通信装置30と、通信ネットワーク36を介してサーバ40との間で信号、画像データ、メールの授受を行う携帯端末50とを含んでいる。以下の説明では、監視システム100は、カメラ11によってビル内の画像を撮像し、この画像に基づいて、不審者の侵入、災害の発生等、ビル内での異常発生を監視するシステムとして説明するが、監視システム100は、例えば、病院、学校、工場等他の建物にも適用可能である。
【0016】
画像分析格納装置10は、監視対象のビルに設置される装置で、監視対象のビルの内部の画像を撮像する複数のカメラ11と画像データを格納するレコーダ12とを含んでいる。カメラ11は動画の撮像を行うことができる監視カメラである。レコーダ12は、カメラ11に接続されてカメラ11の撮像した画像データを格納する画像格納部13と、画像格納部13と接続されてカメラ11の撮像した画像データを分析してビル内に異常の発生があるかどうかを分析する画像分析部16と、画像分析部16から異常発生の信号を受けてアラーム信号を生成するアラーム信号生成部17とを含んでいる。レコーダ12は、内部に演算処理を行うCPUとデータ、プログラムを格納する記憶装置とで構成されるコンピュータであり、画像格納部13、画像分析部16、アラーム信号生成部17は、CPUがプログラムを実行することにより構成される機能ブロックである。
【0017】
レコーダ12の画像格納部13は、第1メモリ14、第2メモリ15の2つの画像データ格納領域を有している。図2に示すように、第1メモリ14は、カメラ11で撮像した、1日、あるいは数日、あるいは一週間程度の長期間の画像データを更新しながら保存しておくものである。例えば、1日分の画像データを保存する場合、第1メモリ14には現時点から1日前までの画像データが保存され、それ以前の画像データは順次消去されていく。数日、一週間分の画像データを保存する場合も同様である。第1メモリ14に格納される画像データには撮像時刻が入っている。図2に示すように、第2メモリ15は、第1メモリ14に格納された画像データの中から、ある時刻tの前後の設定時間分の短期間の画像データを1つまたは複数保存するものである。設定時間は、例えば、30秒でもよいし、1分、あるいは5分でもよい。画像格納部13は、外部から画像要求信号が入力された場合に、第2メモリ15に格納されている画像データを外部に出力することができるよう構成されている。
【0018】
画像分析部16は、カメラ11が撮像した動画を分析し、異常の発生を検出す。図3を参照しながらカメラ11でビルの入口ドア22を監視する場合を例に動画の分析と異常検知について簡単に説明する。
【0019】
ビルの入口ドア22が施錠されている場合、画像分析部16にはビルの入口ドア22の基準画像として図3の(a)に示すような入口ドア22が閉じた状態の画像が格納されている。画像分析部16は、カメラ11から入力される画像と図3(a)に示す基準画像とを比較して両者に差が無い場合には、異常は発生していないと判断する。一方、カメラ11から図3(b)に示すように入口ドア22が開いた状態の画像が入力された場合、この画像と図3(a)に示す基準画像とに差異が発生する。このように、カメラ11から入力された画像と基準画像との間に差異が発生した場合、画像分析部16は、入口ドア22に異常が発生の可能性があると判断する。
【0020】
次に、画像分析部16は、図3(b)に示すように、入口ドア22から入って来る人を認識する。そして、その人の着用している服と予め基準画像として格納しているが警備員の制服とを比較し、その人が警備員であるかどうかを判断する。画像分析部16は、入口ドア22から入ってきた人が警備員であった場合には、入口ドア22からの侵入は発生していないと判断する。一方、入口ドア22から入ってきた人が警備員では無い場合には、入口ドア22に侵入が発生したと判断する。そして、異常が発生したことをアラーム信号生成部17に出力する。
【0021】
アラーム信号生成部17は、画像分析部16から異常発生の信号を受信すると異常発生時刻を含むアラーム信号を生成する。アラーム信号は、例えば、「侵入発生」、「1階Aゾーン」等の異常の種類と異常の発生場所等と異常発生時刻とで構成される信号である。異常の種類については、例えば、数字4ケタによる「0010」等のコードを用いるようにしてもよい。
【0022】
サーバ40は、レコーダ12の第2メモリ15に保存されている短期間の画像データを格納する画像データ記憶部43と、監視システム100のユーザであるビルの管理者、オーナー等のメールアドレス、住所、電話番号等を格納するユーザデータ記憶部45と、画像分析格納装置10あるいはユーザの携帯端末50との間の信号、画像データ、メールの授受を制御する演算部42と、信号、画像データ、メールの通信を行う通信部41とを含んでいる。サーバ40は、ネットワークに接続されていれば、例えば、クラウド上のサーバ装置でもよいし、監視対象のビルから離れた遠隔地にあるデータセンター等に設置したサーバ装置でもよい。
【0023】
通信装置30は、画像分析格納装置10の接続されているビル内のLAN回線とセキュリティの確保された遠隔通信網35を接続するゲートウェイ装置である。
【0024】
携帯端末50は、監視システム100のユーザであるビルの管理者、オーナー等が所有し、メールの送受信、画像データの受信、閲覧ができるスマートフォン、タブレット端末等である。携帯端末50は、監視対象のビルから離れた遠隔地に位置していてもよい。
【0025】
次に、図4から図7を参照して監視システム100の動作について説明する。図4に示すように、カメラ11で撮像した動画の画像データはレコーダ12に送られる。図5のステップS101に示すように、レコーダ12はカメラ11から受け取った画像データを第1メモリ14に格納していく。また、図5のステップS102に示すように、レコーダ12の画像分析部16は、先に説明したような方法で画像データと基準データとを比較、分析して異常発生の検出を行う。異常発生が検出されない場合には、レコーダ12は図5のステップS101に戻ってカメラ11の画像データの格納と異常発生の検出動作を繰り返し実行する。
【0026】
一方、通信装置30は、図6のステップS201に示すようにレコーダ12に対してポーリングを行っている。ポーリングは、例えば、1回/分程度の頻度で行ってもよい。
【0027】
そして、図5のステップS103で画像分析部16が異常発生を検出したら、画像分析部16は、異常発生を検出した信号をアラーム信号生成部17に送信する。アラーム信号生成部17は、画像分析部16から送信された信号に基づいて異常の種類と異常の発生場所等と異常発生時刻とで構成されるアラーム信号を生成する。
【0028】
レコーダ12は、アラーム信号を生成した後に、図5のステップS105に示すように通信装置30からのポーリングを受信したら、図5のステップS106に示すように、アラーム信号生成部17が生成したアラーム信号を通信装置30に送信する。
【0029】
通信装置30は、図6のステップS202に示すように、レコーダ12からアラーム信号を受信したら、図6のステップS203に進み、レコーダ12に対して記録画像データ要求信号を出力する。
【0030】
レコーダ12は、図5のステップS107に示すように通信装置30から記録画像データ要求信号を受信するまで待機する。そして、レコーダ12は、通信装置30から記録画像データ要求信号を受信したら、第1メモリ14に格納されている画像データの内、図2に示すように画像分析部16によって特定された異常発生時刻の前後の設定時間分の画像データを記録画像データとして第2メモリ15に書き出す。そして、レコーダ12は、図5のステップS108に示すように、第2メモリ15に書き出した記録画像データを通信装置30に送信する。
【0031】
通信装置30は、図6のステップS204に示すように、レコーダ12から記録画像データを受信するまで待機し、記録画像データを受信したら図6のステップS205に進んで、サーバ40に対してアラーム信号を送信する。
【0032】
図7のステップS301に示すように、サーバ40は、通信装置30からアラーム信号を受信するまで待機し、アラーム信号を受信したら、図7のステップS302に示すように、通信装置30に対して記録画像データ要求信号を送信する。
【0033】
通信装置30は、図6のステップS206に示すように、サーバ40からの記録画像データ要求信号を受信するまで待機し、記録画像データ要求信号を受信したら図6のステップS207に進んで記録画像データをサーバ40に送信する。
【0034】
サーバ40は、図7のステップS303に示すように、記録画像データを受信するまで待機し、記録画像データを受信したら、図7のステップS304に進み、画像データ記憶部43に記録画像データを格納、保存する。
【0035】
サーバ40は、記録画像データを画像データ記憶部43に保存したら、図7のステップS305に進み、ユーザデータ記憶部45から監視対象ビルの管理者、あるいはオーナー等のユーザのメールアドレスを読み出し、そのメールアドレスに異常を検出したことを連絡する異常検出連絡メールを送信する。
【0036】
携帯端末50に送信された異常検出連絡メールを監視対象のビルの管理者等のユーザが確認し、記録画像を確認したい場合には、ユーザは、携帯端末50からサーバ40にアクセスして記録画像データ要求信号を送信する。
【0037】
サーバ40は、異常検出連絡メール送信後、図7のステップS306に示すように、携帯端末50から記録画像データ要求信号を受信するまで待機し、記録画像データ要求信号を受信したら、図7のステップS307に示すように、携帯端末50に記録画像データを送信する。
【0038】
監視対象のビルの管理者は、サーバ40から記録画像データが送信されたら、その画像を携帯端末50のディスプレイに表示して確認する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態の監視システム100は、監視対象のビルに設置した画像分析格納装置10でカメラ11の撮像した動画を分析して異常発生を検出するので、特許文献2に記載された従来技術の監視システムのような監視センサ等により異常発生を検出するより的確に異常の発生を検出することができる。また、監視システム100は、異常発生時刻の前後における設定時間分の画像データを記録画像データとして通信装置30からサーバ40に送信してサーバ40に格納保存するので、特許文献1に記載された従来技術の監視システムのように、カメラ11の撮像した動画データをサーバ40に送信してサーバ40で画像分析、異常検出を行う場合よりも通信装置30とサーバ40との間のデータ通信量を低減することができる。また、サーバ40の画像データ記憶部43には、異常発生時刻の前後における設定時間分の画像データである記録画像データを保存格納すれば足りるので、サーバ40のデータ格納保存容量を少なくすることができる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態の監視システム100は、従来技術の監視システムに比較して少ないデータ通信量と少ないデータ格納容量でより的確に異常発生時の画像を遠隔地から確認することができる。
【0041】
以上説明した実施形態の監視システム100では、記録画像データは、通信装置30から記録画像データ要求信号を受信したら、第1メモリ14に格納されている画像データの内、画像分析部16によって特定された異常発生時刻の前後の設定時間分の画像データを記録画像データとして第2メモリ15に書き出すこととして説明したがこれに限定されない。例えば、画像格納部13が画像分析部16によって異常が検出された信号を受信したら、画像分析部16によって特定された異常発生時刻の前後の設定時間分の画像データを記録画像データとして第2メモリ15に書き出すようにしてもよい。この場合、記録画像データは、図5のステップS107でレコーダ12が通信装置30から記録画像データ要求信号を受信する前に第2メモリ15に書き出されているので、レコーダ12は、図5のステップS107で記録画像データ要求信号を受信したら、第2メモリ15に格納されている記録画像データを通信装置30に送信する。
【0042】
また、画像分析格納装置10は、複数のカメラ11とレコーダ12とで構成されるものとして説明したが、カメラ11の内部にCPUとメモリを備え、これにより、画像格納部13、画像分析部16、アラーム信号生成部17の動作を行うことができるような撮像機能と画像データの格納、分析、アラーム信号生成機能とを有するカメラ装置によって構成してもよい。
【0043】
次に、図8から図13を参照しながら、他の実施形態の監視システム200について説明する。監視システム200は、図1から図7を参照して説明した監視システム100の監視対象ビル内のLAN回線に侵入防止装置20を接続したものである。図1から図7を参照して説明したと同様の部位には同様の符号を付して説明は省略する。以下の説明では、監視対象のビルは、企業が入居するオフィスビルとして説明するが、監視システム200は、例えば、病院、学校、工場等他の種類の建物にも適用することができる。また、侵入防止装置20が監視している入口ドア22の画像を撮像するために、カメラ11が入口ドア22の近傍に配置されている。
【0044】
侵入防止装置20は、ビルの入口ドア22の近傍に取り付けらけれたカードリーダ21と、入口ドア22の鍵の開錠、施錠を行うドア施錠装置23と、コントローラ24とで構成されている。コントローラ24は、カードリーダ21とドア施錠装置23の信号に基づいて侵入検知を行う侵入検知部25と、侵入が発生した場合に侵入発生信号を生成する侵入発生信号生成部26とを備えている。コントローラ24は、内部に演算処理を行うCPUとデータ、プログラムを格納する記憶装置とで構成されるコンピュータであり、侵入検知部25、侵入発生信号生成部26は、CPUがプログラムを実行することにより構成される機能ブロックである。
【0045】
カードリーダ21は、監視対象のビルに入居している企業の従業員が所持しているIDカードのデータを読み取るものである。ドア施錠装置23は、コントローラ24からの指令によりビルの入口ドア22の鍵の開錠、施錠を行うものである。
【0046】
侵入防止装置20は、カードリーダ21で読み取ったIDカードのデータをコントローラ24に送信し、コントローラ24がIDカードのデータからIDカードの所持者がビル内への入室が許可されている企業の従業員と判断した場合、コントローラ24の指令によりドア施錠装置23により入口ドア22を開錠する。また、侵入防止装置20は、コントローラ24がIDカードの所持者がビル内への入室が許可されているものでない場合には、入口ドア22を開錠しない。これにより、侵入防止装置20は、入室許可を受けていない者がビル内に入室することを防止するものである。
【0047】
コントローラ24の侵入検知部25は、カードリーダ21からIDカードのデータが入力されないのに、強制的に入口ドア22の鍵が開錠された場合、あるいは、すでにビル内に入室している従業員と同一のIDカードにより他の者が入室してしまったような場合に侵入を検知する。侵入検知部25は、侵入を検知したことを侵入発生信号生成部26に出力する。
【0048】
侵入発生信号生成部26は、侵入検知部25から侵入を検知した信号を受信すると侵入発生時刻を含む侵入発生信号を生成する。侵入発生信号は、例えば、「1階第5ドアから侵入発生」等の侵入発生の場所等の情報と侵入発生時刻とで構成される信号である。
【0049】
次に、図9から図11を参照して監視システム200の動作について説明する。監視システム200の画像分析格納装置10は、カメラ11から画像データを取得し、随時更新しながら1日分等所定期間の画像データを第1メモリ14に格納している。
【0050】
図9に示すように、カードリーダ21、ドア施錠装置23からIDカードのデータ、入口ドア22の開閉状況のデータがコントローラ24に送られる。図10のステップS401に示すように、コントローラ24の侵入検知部25は、IDカードのデータと入口ドア22の開閉状況のデータとから侵入発生検知を行う。侵入発生が検知されない場合には、コントローラ24は図10のステップS401に戻ってIDカードのデータ、入口ドア22の開閉状況のデータの取得と侵入検知動作を繰り返し実行する。
【0051】
一方、通信装置30は、図12のステップS501に示すようにコントローラ24に対してポーリングを行っている。ポーリングは、例えば、1回/分程度の頻度で行ってもよい。
【0052】
そして、図10のステップS402で侵入検知部25が侵入発生を検知したら、侵入検知部25は、侵入発生を検知した信号を侵入発生信号生成部26に送信する。侵入発生信号生成部26は、図10のステップS403に示すように、侵入検知部25から送信された信号に基づいて侵入発生の場所等の情報と侵入発生時刻とで構成される侵入発生信号を生成する。
【0053】
コントローラ24は、侵入発生信号を生成した後に、図10のステップS404に示すように通信装置30からのポーリングを受信したら、図10のステップS405に示すように、侵入発生信号生成部26が生成した侵入発生信号を通信装置30に送信する。
【0054】
通信装置30は、図12のステップS502に示すように、コントローラ24から侵入発生信号を受信したら、図12のステップS503に進み、レコーダ12に対して侵入発生時刻データを含む侵入記録画像データ要求信号を出力する。
【0055】
図11のステップS411に示すように、レコーダ12は、通信装置30から侵入記録画像データ要求信号を受信するまで待機する。そして、レコーダ12は、通信装置30から侵入記録画像データ要求信号を受信したら、第1メモリ14に格納されている画像データの内、侵入記録画像データ要求信号に含まれる侵入発生時刻の前後の設定時間分の画像データを侵入記録画像データとして第2メモリ15に書き出す。そして、レコーダ12は、図11のステップS412に示すように、第2メモリ15に書き出した侵入記録画像データを通信装置30に送信する。
【0056】
通信装置30は、図12のステップS504に示すように、レコーダ12から侵入記録画像データを受信するまで待機し、侵入記録画像データを受信したら図12のステップS505に進んで、サーバ40に対して侵入発生信号を送信する。
【0057】
図13のステップS601に示すように、サーバ40は、通信装置30から侵入発生信号を受信するまで待機し、侵入発生信号を受信したら、図13のステップS602に示すように、通信装置30に対して侵入記録画像データ要求信号を送信する。
【0058】
通信装置30は、図12のステップS506に示すように、サーバ40からの侵入記録画像データ要求信号を受信するまで待機し、侵入記録画像データ要求信号を受信したら図12のステップS507に進んで侵入記録画像データをサーバ40に送信する。
【0059】
サーバ40は、図13のステップS603に示すように、侵入記録画像データを受信するまで待機し、侵入記録画像データを受信したら、図13のステップS604に進み、画像データ記憶部43に侵入記録画像データを格納、保存する。
【0060】
サーバ40は、侵入記録画像データを画像データ記憶部43に保存したら、図13のステップS605に進み、ユーザデータ記憶部45から監視対象ビルの管理者、あるいはオーナー等のユーザのメールアドレスを読み出し、そのメールアドレスに侵入発生を検知したことを連絡する侵入発生検知連絡メールを送信する。
【0061】
携帯端末50に送信された侵入発生検知連絡メールを監視対象のビルの管理者等のユーザが確認し、侵入記録画像を確認したい場合には、ユーザは、携帯端末50からサーバ40に侵入記録画像データ要求信号を送信する。
【0062】
サーバ40は、侵入発生検知連絡メール送信後、図13のステップS606に示すように、携帯端末50から侵入記録画像データ要求信号を受信するまで待機し、侵入記録画像データ要求信号を受信したら、図13のステップS607に示すように、携帯端末50に侵入記録画像データを送信する。
【0063】
監視対象のビルの管理者は、サーバ40から侵入記録画像データが送信されたら、その画像を携帯端末50のディスプレイに表示して確認する。
【0064】
以上説明したように、本実施形態の監視システム200は、先に説明した監視システム100と同様の作用、効果に加え、侵入防止装置20によって侵入発生を検知して侵入発生時刻の前後の動画を侵入記録画像データとしてサーバ40に送信、格納するので、例えば、深夜に警備員の制服を着た他社が監視対象のビルに侵入した場合のように、画像分析格納装置10では異常の検出が困難な場合でも、的確に侵入発生を検出し、侵入発生時刻の前後の画像データを記録として格納し、監視システム200のユーザに提供することができる。
【0065】
以上説明した監視システム200では、レコーダ12は通信装置30から侵入記録画像データ要求信号を受信したら、第1メモリ14に格納されている画像データの内、侵入記録画像データ要求信号に含まれる侵入発生時刻の前後の設定時間分の画像データを侵入記録画像データとして第2メモリ15に書き出すこととして説明したがこれに限定されない。例えば、レコーダ12はコントローラ24からビル内のLANを通して侵入発生信号を受信可能とし、コントローラ24からの侵入発生信号を受信したら、第1メモリ14に格納されている画像データの内の侵入発生時刻の前後の設定時間分の画像データを侵入記録画像データとして第2メモリ15に書き出すようにしてもよい。この場合、侵入記録画像データは、図11のステップS411でレコーダ12が通信装置30から侵入記録画像データ要求信号を受信する前に第2メモリ15に書き出されているので、レコーダ12は、図11のステップS411で侵入記録画像データ要求信号を受信したら、第2メモリ15に格納されている侵入記録画像データを通信装置30に送信する。
【0066】
以上の説明では、監視システム200は、侵入防止装置20によって侵入発生を検知して侵入発生時刻の前後の動画を侵入記録画像データとしてサーバ40に送信、格納することとして説明したが、監視システム100と同様、画像分析格納装置10でカメラ11の撮像した動画を分析して異常発生を検出し、異常発生時刻の前後における設定時間分の画像データを記録画像データとしてサーバ40に送信、保存してもよい。
【0067】
次に、図14を参照しながら、監視システム100、監視システム200の他の動作処理について簡単に説明する。この動作処理は、監視システム100、200のユーザから携帯端末50によって時刻を指定してカメラ11の撮像した画像の閲覧要求があった場合に閲覧画像を携帯端末50に送信する動作である。
【0068】
図14に示すように、監視システム100、200のユーザが携帯端末50からサーバ40にアクセスして指定時刻の画像の閲覧を要求する閲覧画像要求を入力すると、図14に示すように、サーバ40は、通信装置30に対して指定時刻を含む閲覧画像要求を発信する。これを受けた通信装置30は、画像分析格納装置10のレコーダ12に閲覧画像要求を送信する。閲覧画像要求を受信したレコーダ12は、第1メモリ14に格納されている画像データの内、閲覧画像要求に含まれる指定時刻の前後の設定時間分の画像データを閲覧画像データとして第2メモリ15に書き出し、通信装置30に閲覧画像データをサーバ40に送信する。サーバ40は、受信した閲覧画像データを画像データ記憶部43に格納すると共に、ユーザの携帯端末50に閲覧画像データを送信する。ユーザは送信された閲覧画像データを受信し、携帯端末50で指定した時刻の前後の設定時間分の動画を遠隔地から閲覧することができる。
【符号の説明】
【0069】
10 画像分析格納装置、11 カメラ、12 レコーダ、13 画像格納部、14 第1メモリ、15 第2メモリ、16 画像分析部、17 アラーム信号生成部、20 侵入防止装置、21 カードリーダ、22 入口ドア、23 ドア施錠装置、24 コントローラ、25 侵入検知部、26 侵入発生信号生成部、30 通信装置、35 遠隔通信網、36 通信ネットワーク、40 サーバ、41 通信部、42 演算部、43 画像データ記憶部、45 ユーザデータ記憶部、50 携帯端末、100、200 監視システム。
【要約】
カメラ(11)が撮像した画像データを格納し、分析し、異常を検出した際に異常発生時刻を含むアラーム信号を生成する画像分析格納装置(10)と、アラーム信号を受信した際に画像分析格納装置(10)に格納された画像データの内の異常発生時刻の前後における設定時間分の画像データを記録画像データとして画像分析格納装置(10)から受信する通信装置(30)と、通信装置(30)からアラーム信号と記録画像データとを受信し、受信したアラーム信号に基づいて異常検出連絡メールを携帯端末(50)に送信し、受信した記録画像データを保存するサーバ(40)と、を備え、携帯端末(50)はサーバ(40)から受信した異常検出連絡メールに応じてサーバ(40)と通信し、サーバ(40)から記録画像データを受信する。これにより、少ないデータ通信量と少ないデータ格納容量で的確に異常発生時の画像を遠隔地から確認可能となる。
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