特許第6266208号(P6266208)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266208
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】熱変色性筆記具
(51)【国際特許分類】
   B43K 25/02 20060101AFI20180115BHJP
   B43K 29/02 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   B43K25/02 140
   B43K25/02 180
   B43K29/02 F
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-272031(P2012-272031)
(22)【出願日】2012年12月13日
(65)【公開番号】特開2014-117803(P2014-117803A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(72)【発明者】
【氏名】小野 俊宏
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−315179(JP,A)
【文献】 特開2011−88397(JP,A)
【文献】 特開2005−313329(JP,A)
【文献】 特開2011−156832(JP,A)
【文献】 特開2013−22815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 5/00− 8/24
B43K 25/00−25/02
B43K 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筆記具を構成する筒体の外周面に、該筒体の一方の端部に、長手方向に沿って延びるクリップを具備し、該クリップに、熱変色性インキの筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性インキの筆跡を熱変色可能なゴム状弾性を有する摩擦体を装着してなる熱変色性筆記具であって、前記摩擦体が、クリップ表面より外方に隆起した前記熱変色性インキの筆跡を摩擦する摩擦部と、前記クリップの裏面よりも筒体側に突出した裏面部とを有し、前記裏面部の少なくとも一部が、前記クリップと筒体間に位置するとともに、前記摩擦部と裏面部とで、前記クリップが保持され、前記クリップに第一係合孔を形成し、前記摩擦体に設けた脚部を、前記クリップの表面側から前記第一係合孔を挿通し、前記摩擦体の脚部に第一係止部を設け、前記第一係合孔に第一係止部を係止して装着して、前記摩擦体が、前記筒体に装着してあることを特徴とする熱変色性筆記具。
【請求項2】
前記摩擦体の裏面部の少なくとも一部が、前記クリップと筒体間に挟持されていることを特徴とする請求項1に記載の熱変色性筆記具。
【請求項3】
前記筒体に第二係合孔を設けるとともに、前記摩擦体に設けた脚部に、第二係止部を設け、前記第二係合孔に前記第二係止部を係止して装着していることを特徴とする請求項1または2に記載の熱変色性筆記具。
【請求項4】
前記クリップと筒体が、前記摩擦体の脚部を介して連設してあることを特徴とする請求項3に記載の熱変色性筆記具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記具を構成する筒体に外周面にクリップを具備し、該クリップの表面に、熱変色性インキの筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性インキの筆跡を熱変色可能なゴム状弾性を有する摩擦体を装着してなる熱変色性筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、筆記具を構成する筒体の一方の端部外周面に、該筒体の他方の端部に向かって、長手方向に沿って延びるクリップを具備してなる筆記具はよく知られていて、特開2004−330513号「塗布具用クリップ組付け構造」等に開示されている。
【0003】
こうしたクリップを具備してなる筆記具において、特開2012−192730号公報「筆記具用クリップ及び筆記具」」では、クリップに飾り部材を係止し、装着した飾り部材を摩擦体として、熱変色性インキの筆跡を熱変色可能とした筆記具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−330513号公報
【特許文献2】特開2012−192730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記した特許文献2など、クリップに摩擦体を装着する場合、摩擦体の使用時に摩擦体が外れないように、強い装着力が必要であった。そのため、摩擦体の装着し難くなる問題があった。
【0006】
こうした問題を鑑みて、摩擦体をクリップに接着すること、クリップと二色成形により一体に成形すること等が考えられるが、前者は、摩擦体とクリップの接着力や使用する接着剤の種類等、新たな課題が発生し、後者は、クリップ及び摩擦体の形状や材質に制約が発生する問題があった。
【0007】
本発明はこれらの従来技術に鑑みてなされたものであって、クリップに装着した摩擦体の使用時に、摩擦体が外れ難い熱変色性筆記具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記問題を解決するために、筆記具を構成する筒体外周面に、該筒体の一方の端部に、長手方向に沿って延びるクリップを具備し、該クリップに、熱変色性インキの筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性インキの筆跡を熱変色可能なゴム状弾性を有する摩擦体を装着してなる熱変色性筆記具であって、前記摩擦体が、クリップ表面より外方に隆起した前記熱変色性インキの筆跡を摩擦する摩擦部と、前記クリップの裏面よりも筒体側に突出した裏面部とを有し、前記裏面部の少なくとも一部が、前記クリップと筒体間に位置するとともに、前記摩擦部と裏面部とで、前記クリップが保持され、前記摩擦体が、前記筒体に装着してあることを特徴とする。
【0009】
また、前記摩擦体の裏面部の少なくとも一部が、前記クリップと筒体間に挟持されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記クリップに第一係合孔を形成し、前記摩擦体に設けた脚部を、前記クリップの表面側から前記第一係合孔を挿通し、前記摩擦体の脚部に第一係止部を設け、前記第一係合孔に第一係止部を係止して装着することを特徴とする。
【0012】
さらにまた、前記筒体に第二係合孔を設けるとともに、前記摩擦体に設けた脚部に、第二係止部を設け、前記第二係合孔に前記第二係止部を係止して装着していることを特徴とする。
【0013】
また、前記摩擦体の脚部が、前記前記クリップの表面と筒体の内周面間で伸張した状態で装着してあることを特徴とする。
【0014】
さらにまた、前記クリップと筒体が、前記摩擦体の脚部を介して連設してあることを特徴とする。
【0015】
本願発明の第1の構成によれば、前記摩擦体が、前記クリップの表面より外方に隆起した前記熱変色性インキの筆跡を摩擦する摩擦部と、前記クリップの裏面よりも筒体側に突出した裏面部とを有し、前記裏面部の少なくとも一部が、前記クリップ片と筒体間に位置するとともに、前記摩擦部と裏面部とで、前記クリップを保持することで、摩擦体を使用するときに、摩擦体を外れ難くする効果を奏する。これは、クリップの表面より外方に隆起した摩擦部を、紙面等に筆記した熱変色性インキの筆跡を摩擦するときに、直接、紙面等に当接しない裏面部によって、表面側の摩擦体の移動を抑制しているためである。
【0016】
本願発明の第2の構成によれば、前記摩擦体が、前記筒体に装着していることで、摩擦体の外れを効果的に抑制することができる。尚、摩擦体と筒体の装着方法は、特に限定されるものではなく、凹凸嵌合、乗り越し嵌合、圧入嵌合、融着であってもよい。また、摩擦体は、クリップとは別体であり、筒体とも別体であることが好ましいが、筒体と二色成形によって一体に成形することもできる。
【0017】
本願発明の第3の構成によれば、前記摩擦体の裏面部の少なくとも一部が、前記クリップと筒体間に挟持されていることで、より摩擦体の外れを効果的に抑制するとともに、ゴム状弾性を有する摩擦体が、前記クリップと筒体間に挟持してあることで、クリップをポケット等に挟持した時、クリップの撓みによるクリップと筒体との連設する部分に生じる応力を、挟持した摩擦体が緩和するため、クリップの破損や装着力の低下を抑制する効果も奏する。
【0018】
本願発明の第4の構成によれば、前記クリップに第一係合孔を形成し、前記摩擦体に設けた脚部を、前記クリップの表面側から前記第一係合孔を挿通し、前記筒体に装着することで、摩擦体を使用するときに、摩擦体の移動を抑制し、摩擦体を外れ難くする効果を奏する。また、摩擦体の脚部を筒体に装着することで、クリップ自体が撓んでも、移動を抑制することができる。
【0019】
本願発明の第5の構成によれば、前記筒体に第二係合孔を設けるとともに、前記摩擦体の脚部に第一係止部及び第二係止部を設け、前記第一係合孔に第一係止部を係止し、前記第二係合孔に前記第二係止部を係止して装着することで、第一係止部と第二係止部の両者で、摩擦体の外れを抑制することができる。
【0020】
摩擦体の脚部と第一係合孔、第二係合孔の嵌合方法は、特に限定されるものではなく、凹凸嵌合、乗り越し嵌合、圧入嵌合等、特に限定されるものではないが、クリップ表面から挿通し易く、外れ方向(逆方向)で抵抗の大きい乗り越し嵌合とすることが好ましい。
【0021】
本願発明の第6の構成によれば、前記摩擦体が、前記クリップの表面と筒体の内周面間で伸張した状態で装着することで、摩擦体がクリップの移動を抑制することができ、摩擦体の使用するとき等に生じるクリップ自体の横ブレや撓みを抑制することができる。
【0022】
本願発明の第7の構成によれば、前記クリップと筒体が、前記摩擦体の脚部を介して連設することで、クリップをポケット等に挟持した時、クリップの撓みによるクリップと筒体との連設する部分に生じる応力が、ゴム状弾性を有する摩擦体の脚部によって緩和するため、繰り返しによるクリップの挟持力の低下を抑制する効果も奏する。
【0023】
尚、本発明の筆記具を構成する筒体には、軸筒やキャップ等、筆記具を構成する従来から知られている筒体を適宜用いることができる。
【0024】
また、摩擦体には、ゴム状弾性を有する弾性体、例えば、シリコーンゴム、フッ素系ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ポリエステル系ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、オレフィン系エラストマー等、ゴム状弾性を有するゴム、エラストマー等が挙げられ、適宜選択して用いることができる。また、硬さは、ショアA硬度40以上、100以下が好ましい。
【0025】
本発明に用いる熱変色性インキには、可逆熱変色性インキが好ましい。前記可逆熱変色性インキは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態または消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、または、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独または併用して構成することができる。
【0026】
また、前記可逆熱変色性インキに含有される色材は、従来より公知の(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体、の必須三成分を少なくとも含む可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が好適に用いられる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、クリップに装着した摩擦体の使用時に、摩擦体が外れ難い熱変色性筆記具を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施形態1の熱変色性筆記具を示す縦断面図である。
図2図1における一部省略した要部拡大断面図である。
図3図1におけるA−A拡大断面図である。
図4図1における摩擦体を使用する状態の一例を示す図である。
図5】実施形態2の熱変色性筆記具を示す縦断面図である。
図6図5における一部省略した要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1図3に、実施形態1の熱変色性筆記具1を示す。筆記具1は、前軸2と後軸3を螺着して得た軸筒本体内に収容したボールペンレフィルを、前軸2内に配設したコイルスプリング12によって、後軸3の後端方向に向かって、摺動自在に付勢して収容してある。また、後軸3内には、回転カム4からなる出没機構が内設される。また、図示はしていないが、後軸3の内面には、カム溝を設けてある。
【0030】
また、回転カム4の後方には、後軸3の後端から後方に突出するように操作体5が配設される。操作体5の先端部には、回転カム5を前方に移動するとともに回転を誘導するように先端に複数の鋸歯状のカム部(図示せず)を具備している。
【0031】
後軸3の後端部の側面には、外方に突出する突部3Aを一体に設けてあり、この突部3Aにクリップ6を装着してある。具体的には、後軸3の後端部の側面に、外方に向かって突出する突部3Aを設け、この突部3Aをクリップ6に設けた内外を連通する係合孔6Cに挿通し、突部3Aに設けた凸部(図示せず)と係合孔6C内に設けた凸部(図示せず)とを落とし込み係合することで、後軸3の後端部(一方の端部)から先端部(他方の端部)方向に、長手方向に沿って延びるクリップ6を装着してある。
【0032】
また、クリップ6の表面には、ポリエステル系エラストマーかなる摩擦体7を装着し、クリップ6の表面6Aより外方に隆起した摩擦部7Aと、クリップ6の裏面6Bよりも後軸3側に突出した裏面部7Cとを得ている。具体的には、摩擦体7は、クリップ6の表面6Aから突出する突部3Aを覆うとともに、このクリップ表面6Aから外方に隆起した摩擦部7Aと、クリップ6の裏面6B方向に向かって延出する脚部7Dと、クリップ6の裏面6Bに位置する裏面部7B、7Cとを設けてあり、摩擦体7の摩擦部7Aと裏面部7B、7C間でクリップ6を保持して装着してある。また、クリップ6の後端部側の裏面部7Cでは、クリップ6と後軸3間で裏面部7Cを圧縮挟持して保持している。
【0033】
また、摩擦体7を装着したクリップ6の後端部は、クリップ6の後端に向かって、熱変色性筆記具の軸心J側へ傾斜して設けて、熱変色性筆記具の軸心Jから摩擦部7Aの先端部に対向するクリップ表面6Aまでの距離Hに比べ、熱変色性筆記具の軸心Jからクリップ表面6Aまでの距離Kを短くすることで、熱変色性筆記具の軸心Jから距離が一定距離であっても摩擦部7Aの先端部(他方の端部)側におけるクリップ表面6Aからの肉厚Lに対し、摩擦部7Aの後端部(一方の端部)側のクリップ表面7Aからの肉厚Mを厚くしてある。さらにまた、前記熱変色性筆記具の軸心からの距離が最も離間している摩擦部7Aの頂部Tは、摩擦部7Aの長手方向において、摩擦部7Aの後端部に設けてあり、摩擦部7Aの後端部が、最も厚い肉厚となる部分としてある。
【0034】
ボールペンレフィル8は、ステンレス鋼線材からなるチップ本体に、ボール抱持室と、ボール抱持室の中央にインキ流通孔と、このインキ流通孔に連通する放射状に延び、チップ後部孔に達しないインキ流通溝を有するとともに、ボール抱持室の底壁に、φ0.38mmのタングステンカーバイド製のボールを載置し、チップ先端部のかしめ部を内側にかしめることにより、ボールの一部がチップ先端縁より突出するように回転自在に抱持したボールペンチップ11を、インキ収容筒9の先端部に、チップホルダー10を介して装着してある。
【0035】
また、インキ収容筒9内には、平均粒径が0.5μmの可逆熱変色性のマイクロカプセル顔料を含有し、EM型回転粘度計における1rpmでのインキ粘度が1020mPa・s(25℃)、100rpmでのインキ粘度が84mPa・s(25℃)で、剪断減粘指数が0.48の熱変色性の水性ボールペン用インキ(図示せず)と、このインキの後端に、グリース状のインキ追従体(図示せず)を直に収容してある。
【0036】
熱変色性筆記具1を使用するには、ボールペンチップ11の先端部が前軸2の先端開口部2Aに没入した状態から、後軸3の後方に突出して配設した操作体5をコイルスプリング12の付勢力に抗して、前軸2の先端開口部2A方向に押圧操作すると、操作体5のカム部が回転カム4を作動させ、ボールペンチップ11の先端部を、前軸2の先端開口部2Aから突出した状態を維持して筆記することができる。前記した出没機構は、回転カム4からなる従来から知られている出没機構であって、ボールペンチップ11を、前軸2の先端開口部2Aから出没可能とするものである。
【0037】
また、図4に示すとおり、この摩擦体9をノート等の筆記面Uに筆記した筆跡に圧接し、擦ることで発生する熱によって、熱変色性インキの筆跡を熱消色又は熱変色させることができる。
【0038】
図5図6に、実施形態2の熱変色性筆記具21を示す。熱変色性筆記具21は、クリップ26に第一係合孔26C、後軸13に第二係合孔23Aを設け、摩擦部27Aからクリップの裏面方向に向かって延出する脚部27Dを、クリップ26の表面26A側から第一係合孔26Cを挿通し、第二係合孔23Aに挿通するとともに、摩擦体27の脚部27Dに第一係止部27B及び第二係止部27Cを設け、第一係合孔26Cに第一係止部27Bを係止し、前記第二係合孔13Aに第二係止部17Cを係止して装着し、クリップ26と後軸23が、摩擦体27の脚部27Dを介して連設した以外は、実施形態1と同様にして熱変色性筆記具を得ている。
【0039】
摩擦体27の脚部27Dに設けた第一係止部27Bは、クリップ26の裏面26Bに位置し、且つクリップ26の裏面26Bよりも後軸23側に突出した裏面部とを兼備している。また、第二係止部27Eは、後軸23内に位置して装着してある。
【0040】
また、摩擦体27の脚部27Dは、クリップ表面26Aと後軸23の内面間で伸張した状態で装着することで、常時、クリップ26を後軸23側に付勢する力が加わるようにすることができる。さらにまた、クリップ26と後軸23を、摩擦体27の脚部27Dを介して連設することで、クリップ26を厚手のポケット等に挟持する場合でも、クリップ26の先端を後軸から大きく離間することができ、且つゴム状弾性によって元に戻り易い。
【0041】
また、本実施形態では、便宜上、筒体として、回転カムからなる出没機構を具備した出没式筆記具の軸筒を例示しているが、筆記具を構成する筒体であれば、回転繰り出し等、出没機構は特に限定されるものではなく、キャップ式筆記具の軸筒やキャップ本体を筒体としてあってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の熱変色性筆記具は、出没式筆記具やキャップ式筆記具等、熱変色性筆記具として広く利用可能である。
【符号の説明】
【0043】
1、21 熱変色性筆記具
2 前軸
2A 先端開口部
3、23 後軸
3A 突部
4 回転カム
5 操作体
6、26 クリップ
6A、26A クリップ表面
6B、26B クリップ裏面
6C 係合孔
7、27 摩擦体
7A、27A 摩擦部
7B、7C 裏面部
7D、27D 脚部
8 ボールペンレフィル
9 インキ収容筒
10 チップホルダー
11 ボールペンチップ
12 コイルスプリング
23A 第二係合孔
26C 第一係合孔
27B、27C 第一係止部(裏面部)
27E 第二係止部(裏面部)
H 摩擦部の他方の端部に対向するクリップ表面までの距離
K 摩擦部の一方の端部に対向するクリップ表面までの距離
L クリップ表面からの摩擦部の他方の端部の肉厚
M クリップ表面からの摩擦部の一方の端部の肉厚
U 筆記面
図1
図2
図3
図4
図5
図6