(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、録音録画データの収録に参加するのは、
選曲予約者のみとは限らない。例えば、歌唱に合わせてダンスを踊ったり、バックコーラスを歌ったり、合いの手を入れたりすることが一般的に行われている。そして、このようにカラオケ歌唱に参加した利用者も、自らが参加している録音録画データを公開したいという要望がある。
【0006】
しかしながら、現在のカラオケシステムでは、カラオケ歌唱に参加した利用者が録音録画データを公開する機能を有していないため、上述した要望に応えることはできなかった。また、何ら基準を設けずに、録音録画データの公開を許可したのでは、
選曲予約者を始めとして、カラオケ歌唱に参加した他の利用者の利益を害するおそれがある。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、
選曲予約者以外の者であっても、当該選曲予約されたカラオケ楽曲の歌唱を同時に楽しんだ利用者であれば、所定の条件下で、
選曲予約者と同様の権限を許諾することが可能なカラオケシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のカラオケシステムは、上述した事情に鑑み提案されたもので、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明のカラオケシステムは、予約管理手段と、追加予約者確認手段と、権限許諾手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
予約管理手段は、任意の利用者が選曲予約する際に、少なくとも、当該利用者の利用者IDと当該選曲されたカラオケ楽曲の楽曲IDとを紐付けした予約待ち行列を作成して管理するための手段である。追加予約者確認手段は、
選曲予約者以外の追加予約者が、予約待ち行列にて管理された任意の予約楽曲について、自らの利用者IDを追加するための追加予約要求入力を行った場合に、追加予約者が
選曲予約者の歌唱を同時に楽しめるか否かを判断するための手段である。
【0010】
権限許諾手段は、
選曲予約者の歌唱を同時に楽しめると判断された追加予約者の利用者IDを予約待ち行列に含めて、追加予約者に対して、
自らが参加したカラオケ歌唱の録音録画データに関わる権限であって、選曲予約者と同様
あるいはそれより範囲を制限された権限を許諾するための手段である。また、
選曲予約者は、少なくともカラオケ歌唱の録音録画データの公開及び閲覧の権限を有し、権限許諾手段は、
選曲予約者の判断入力に基づき、追加予約者に対してカラオケ歌唱の録音録画データの閲覧のみに制限された権限を許諾することが可能である。
【0011】
本発明のカラオケシステムは、上述した構成に加えて、複数のマイクロホンと、複数のマイクロホンのうち歌唱者
である選曲予約者の歌唱以外の音声を集音したマイクロホンを識別し当該マイクロホンが出力した非歌唱者信号を解析する非歌唱者信号解析手段とを備えることが可能である。
【0012】
このような構成の場合には、非歌唱者信号解析手段により非歌唱者信号が所定の条件を満たしていると判定された場合に、
追加予約者確認手段は追加予約者が選曲予約者の歌唱を同時に楽しんでいると判断する。
【0013】
本発明のカラオケシステムは、上述した構成に加えて、複数のビデオカメラと、複数のビデオカメラのうち歌唱者である選曲予約者以外の利用者を撮影した非歌唱者映像を解析する非歌唱者映像解析手段とを備えることが可能である。
【0014】
このような構成の場合には、非歌唱者映像解析手段により非歌唱者映像が所定の条件を満たしていると判定された場合に、
追加予約者確認手段は追加予約者が選曲予約者の歌唱を同時に楽しんでいると判断する。
【0015】
上述した構成からなるカラオケシステムでは、利用者がカラオケリモコン装置等を用いて選曲予約を行うと、予約管理手段の機能により、選曲予約を行った利用者IDと当該選曲されたカラオケ楽曲の楽曲IDとを紐付けした予約待ち行列を作成して管理する。
【0016】
ここで、
選曲予約者以外であっても、追加予約者確認手段の機能により、
選曲予約者の歌唱を同時に楽しめる環境に居たと判断された場合には、権限許諾手段の機能により、追加予約者の利用者IDを予約待ち行列に含めて、追加予約者に対して、
自らが参加したカラオケ歌唱の録音録画データに関わる権限であって、選曲予約者と同様あるいはそれより範囲を制限された権限を許諾することができる。
選曲予約者は、少なくともカラオケ歌唱の録音録画データの公開及び閲覧の権限を有している。そして、追加予約者に許諾される権限とは、自らが参加したカラオケ歌唱の録音録画データに関わる権限であり、選曲予約者と同様の権限、あるいは選曲予約者の判断入力に基づき、追加予約者に対してカラオケ歌唱の録音録画データの閲覧のみに制限された権限のことである。
【0017】
また、歌唱者の歌唱以外の音声を集音したマイクロホンを識別し当該マイクロホンが出力した非歌唱者信号を解析して、当該非歌唱者信号が所定の条件を満たしていると判定された場合に、
追加予約者確認手段は追加予約者が
選曲予約者の歌唱を同時に楽しんでいると判断してもよい。同様に、歌唱者以外の利用者を撮影した非歌唱者映像を解析して、当該非歌唱者映像が所定の条件を満たしていると判定された場合に、
追加予約者確認手段は追加予約者が
選曲予約者の歌唱を同時に楽しんでいると判断してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明のカラオケシステムによれば、
選曲予約者以外の利用者であっても、当該
選曲予約者の歌唱を同時に楽しめる環境に居たと判断された追加予約者について、当該追加予約者の利用者IDを予約待ち行列に含めることにより、追加予約者に対して
選曲予約者と同様あるいはそれより範囲を制限された権限を許諾することができる。
【0019】
したがって、例えば、歌唱に合わせてダンスを踊ったり、バックコーラスを歌ったり、合いの手を入れたりするように、
選曲予約者と一緒にカラオケ歌唱を楽しんだ利用者が、自らが参加したカラオケ歌唱の録音録画データを公開し、
あるいはカラオケ歌唱の録音録画データの閲覧のみを行えるという、選曲予約者と同様の特典を享受することができるので、カラオケの興趣をさらに一層高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照して、本発明のカラオケシステムの実施形態について説明する。
図1〜
図3は本発明の実施形態に係るカラオケシステムを示すもので、
図1はカラオケシステムの構成を示すブロック図、
図2は予約待ち行列の構成を示す説明図、
図3は追加予約者の登録処理の手順を示すフローチャートである。
【0022】
<カラオケシステムの概要>
本発明の実施形態に係るカラオケシステム10は、
選曲予約者だけではなく、当該
選曲予約者の歌唱を同時に楽しむことができる環境に居た他の利用者
であって所定の条件を満たした利用者(以下、追加予約者という)に対して、
選曲予約者と同様あるいはそれより範囲を制限された権限を許諾するための技術であり、主要な構成要素として、
図1に示すように、予約管理手段47と、追加予約者確認手段48と、権限許諾手段49とを備えている。本実施形態の各手段等は、カラオケ演奏端末30及びその付帯装置の機能手段として実現する。
【0023】
なお、以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0024】
<カラオケ演奏端末>
本発明の実施形態に係るカラオケシステム10は、
図1に示すように、カラオケ演奏端末30及びこれに付帯した機器により構成されるシステムであり、カラオケ本体40、カラオケリモコン装置31、ビデオカメラ32、スピーカ33、マイクロホン34、表示装置35、ミキシングアンプ36を備えている。また、本実施形態のカラオケ演奏端末30は、ルータ20及びデータ通信回線70を介して、管理サーバ60にネットワーク接続されている。
【0025】
<管理サーバ>
管理サーバ60は、会員情報の管理、カラオケ演奏端末30に対する楽曲データの配信、録音録画データの公開等を行うためのサーバである。データ通信回線70は、例えば、インターネット回線、デジタル通信回線、アナログ通信回線、無線通信回線、LAN等、環境に応じてどのような回線を用いてもよいが、ネットワークに対する第三者の侵入やデータの傍聴及び改竄が困難であるとともに、帯域を独占せずに安価な通信網であるという点で、インターネットにより構成されるVPNを利用することが好ましい。
【0026】
なお、単独の管理サーバ60により、上述した複数の機能を実現するのではなく、各機能に特化したサーバを設け、各サーバにより各機能を実現してもよい。この際、仮想化技術により、1つのサーバに複数の機能を持たせることもできる。
【0027】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置31は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体40のローカル送受信手段46との間で有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置31は、楽曲検索手段31aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース31b、種々のデータを記憶するためのデータ記憶部31c、データの入出力を行うための入出力表示部31d等を備えている。このカラオケリモコン装置31に付帯するスイッチ類や、入出力表示部31dに表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0028】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段31aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース31bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース31bは、カラオケ演奏端末30で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0029】
<マイクロホン>
マイクロホン34は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン34から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ36により、音楽再生制御手段51から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、スピーカ33へ出力される。なお、マイクロホン34からの音声入力信号は、A/Dコンバータ52によりデジタル変換され、歌唱採点手段(図示せず)における歌唱採点等に使用される。なお、マイクロホン34は複数あってもよく、その場合には歌唱者以外の利用者の音声等を集音することができる。
【0030】
<ビデオカメラ>
ビデオカメラ32は、利用者の歌唱姿態を撮影するための撮影手段として機能する装置であり、撮像レンズ及び撮像素子を主要な構成要素とし、フォーカシング機構、ズーム機構、パン・チルト機構等を備えていてもよい。ビデオカメラ32で撮影が行われると、映像信号(ビデオ信号)が、録音録画データ作成手段50に入力される。なお、ビデオカメラ32は複数あってもよく、その場合には歌唱者以外の利用者の映像を撮影することができる。
【0031】
<表示装置>
表示装置35は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0032】
<カラオケ本体>
カラオケ本体40は、ネットワーク送受信手段41、中央制御手段42、ROM43、RAM44、HDD45、ローカル送受信手段46、予約管理手段47、追加予約者確認手段48、権限許諾手段49、録音録画データ作成手段50、音楽再生制御手段51、A/Dコンバータ52、映像再生制御手段53を備えている。また、非歌唱者信号解析手段71、非歌唱者映像解析手段72を備えた構成としてもよい。
【0033】
<中央制御手段>
中央制御手段42は、カラオケ本体40を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM43等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0034】
<ROM/RAM>
ROM43は、カラオケ本体40を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM44は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM44を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM44を構成してもよい。
【0035】
本実施形態では、RAM44に、予約待ち行列44a、録音録画データ44bが記憶されるようになっている。なお、予約待ち行列44aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、楽曲IDと選曲予約者の利用者IDを紐付けして演奏順に並べて構成したデータテーブルであり、録音録画データを作成する旨のフラグ等、他の識別データが紐付けされている場合もある。
【0036】
予約待ち行列44aは、
図2に示すように、カラオケ楽曲の演奏順に、楽曲ID、利用者ID、追加利用者ID、録音録画フラグ等を紐付けしたデータテーブルからなる。そして、予約待ち行列44aに記憶された順番でカラオケ楽曲の演奏が行われる。なお、予約待ち行列44aの構成は
図2に示すものに限定されず、最低限必要なデータのみの構成としたり、他のデータを付加したりすることができる。本実施形態では、利用者IDとして、選曲予約者のみではなく、追加予約者の利用者IDを含ませることができるようになっている。
【0037】
また、録音録画データ44bは、録音録画データ作成手段50により作成されたデータであり、歌唱者の歌唱姿態及び歌唱音声を含む動画データ、歌唱者の歌唱姿態及び歌唱音声とともに、バックコーラスやネットワーク接続された他のカラオケ演奏端末30を用いてデュエット等を行っている利用者の映像データ及び音声データ、又は歌唱音声のみの音声データからなる。
【0038】
<HDD>
HDD45は、大容量記憶装置として機能するもので、少なくとも、楽曲データベース45a、映像データベース45bが格納されている。なお、HDD45に替えて、あるいはHDD45と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0039】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース45aは、演奏制御データ(MIDI規格のデータ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。演奏制御データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース45bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0040】
<送受信手段>
ローカル送受信手段46は、カラオケ本体40とカラオケリモコン装置31との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体40とカラオケリモコン装置31との間でデータの送受信が行われる。また、本実施形態では、ルータ20との間でデータの送受信を行うためのネットワーク送受信手段41を備えている。
【0041】
<予約管理手段>
予約管理手段47は、任意の利用者が選曲予約する際に、少なくとも、当該選曲予約者の利用者IDと当該選曲されたカラオケ楽曲の楽曲IDとを紐付けした予約待ち行列44aを作成して管理するためのプログラムからなる。すなわち、予約管理手段47は、
選曲予約者により楽曲検索手段31aの機能を用いて選曲された楽曲IDと当該選曲予約者の利用者IDとを紐付けして演奏順に並べることにより予約待ち行列44aを作成し、この予約待ち行列44aをRAM44に格納して管理する。
【0042】
なお、利用者IDは、利用者IDカードに記憶された利用者IDをカードリーダにより読み取り、あるいは、カラオケリモコン装置31の入出力表示部31dを用いて入力された利用者ID及びパスワードに基づいて取得すればよい。さらに、利用者が携帯する携帯情報端末を用いて予約を行う機能を有する場合には、当該携帯情報端末の機器IDに紐付けされた利用者IDを取得してもよい。また、カラオケ演奏端末30を使用する際に、利用者に対して一時的に利用者IDを付与してもよい。
【0043】
<追加予約者確認手段>
追加予約者確認手段48は、
選曲予約者以外の追加予約者が、予約待ち行列44aにて管理された任意の予約楽曲について、自らの利用者IDを追加するための追加予約要求入力を行った場合に、追加予約者が
選曲予約者の歌唱を同時に楽しめるか否かを判断するためのプログラムからなる。
【0044】
選曲予約者の歌唱を同時に楽しめるとは、例えば、同時に同じカラオケルームに入室して、同一のカラオケ演奏装置を含むシステムにログインしている利用者、通信ネットワークを介してデュエットを行うために、ペアリングされた複数のカラオケ演奏装置を含むシステムにログインしている利用者、
選曲予約者の仲間としてグループ登録されている利用者等である。追加予約者となり得る予約者は、カラオケシステムの管理者や
選曲予約者の設定に応じて、種々の態様とすることができる。
【0045】
また、追加予約者確認手段48は、
選曲予約者の判断入力に基づき、追加予約者の権限の許諾範囲を制限することが可能である。例えば、上述した例では、同時に同じカラオケルームに入室して、同一のカラオケ演奏装置を含むシステムにログインしている利用者、通信ネットワークを介してデュエットを行うために、ペアリングされた複数のカラオケ演奏装置を含むシステムにログインしている利用者、
選曲予約者の仲間としてグループ登録されている利用者の中から、追加予約者の範囲を限定したり、録音録画データを閲覧できる利用者を限定したりすることができる。
【0046】
<権限許諾手段>
権限許諾手段49は、
選曲予約者の歌唱を同時に楽しめると判断された追加予約者の利用者IDを予約待ち行列に含めて、追加予約者に対して、
自らが参加したカラオケ歌唱の録音録画データに関わる権限であって、選曲予約者と同様あるいはそれより範囲を制限された権限を許諾するためのプログラムからなる。権限を許諾する追加予約者は、一人に限られず、複数人とすることができる。また、権限許諾手段49は、制限された範囲で権限を許諾
してもよい。
【0047】
選曲予約者と同様あるいはそれより範囲を制限された権限とは、自らが参加したカラオケ歌唱の録音録画データに関わる権限のことである。また、制限された範囲で権限を許諾するとは、選曲予約者がカラオケ歌唱の録音録画データの公開及び閲覧の権限を有している場合に、選曲予約者の判断入力に基づき、追加予約者に対してカラオケ歌唱の録音録画データの閲覧のみに権限を制限することである。
【0048】
<非歌唱者信号解析手段>
前述したように、複数のマイクロホン34を用いれば、歌唱者以外の利用者である非歌唱者の音声等をも集音することができる。当該マイクロホンが集音している音声が歌唱者の歌唱ではないことを識別するには、例えば採点機能(図示しない)を用いて歌唱すべきメロディとは全く関係ない音声入力であることを確認すればよい。非歌唱者信号解析手段70は、この非歌唱者によって入力された非歌唱者信号を解析し、非歌唱者信号が所定の条件を満たしているかどうかを判定するためのプログラムからなる。所定の条件とは、例えば、楽曲のリズムに同期したタイミングで音量のピークが検出される、歌唱者が歌唱すべき歌唱のメロディと調性が一致している、歌唱者の歌唱を妨げていないなどである。この判定に基づいて、
追加予約者確認手段48は追加予約者が選曲予約者の歌唱を同時に楽しんでいるかどうかを判断することができる。なお、歌唱前に権限許諾手段49が権限を許諾し、歌唱終了後に非歌唱者信号解析手段70が所定の条件を満たしているかどうかを判定してその結果に応じて
追加予約者確認手段48が追加予約者であるか否かを判断し、判断結果に応じて権限許諾手段49が許諾内容を変更してもよいし、次の追加予約から
権限を許諾するように構成してもよい。
【0049】
<非歌唱者映像解析手段>
前述したように、複数のビデオカメラ32を用いれば、歌唱者以外の利用者である非歌唱者の映像をも撮影することができる。非歌唱者映像解析手段71は、この非歌唱者を撮影した非歌唱者映像を解析し、非歌唱者映像が所定の条件を満たしているかどうかを判定するためのプログラムからなる。所定の条件とは、例えば、非歌唱者の動作映像が楽曲のリズムに同期した動作映像であることが検出される、複数の非歌唱者の動作が一致している、などである。この判定に基づいて、
追加予約者確認手段48は追加予約者が選曲予約者の歌唱を同時に楽しんでいるかどうかを判断することができる。なお、歌唱前に権限許諾手段49が権限を許諾し、歌唱終了後に非歌唱者信号解析手段70が所定の条件を満たしているかどうかを判定してその結果に応じて
追加予約者確認手段48が追加予約者であるか否かを判断し、判断結果に応じて権限許諾手段49が許諾内容を変更してもよいし、次の追加予約から
権限を許諾するように構成してもよい。
【0050】
<予約待ち行列の公開>
また、図示しないが、
選曲予約者の指示入力に基づき、予約待ち行列44aを公開するための予約待ち行列公開手段を備えた構成としてもよい。予約待ち行列公開手段を備えた構成とすることにより、選曲予約者の歌唱を同時に楽しんでいる他の利用者が、選曲予約の内容を知ることができる。
【0051】
<録音録画データ作成手段>
録音録画データ作成手段50は、
選曲予約者等がカラオケ歌唱を行う際に、ビデオカメラ32から入力されたビデオデータと、マイクロホン34から入力された音声データとを同期させて、録音録画データを作成するためのプログラムからなる。録音録画データ作成手段50により作成された録音録画データ44bはRAM44に記憶され、DVD等の記憶媒体に記憶したり、管理サーバ60等にアップロードして公開したりすることができる。
【0052】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段51は、楽曲IDに基づいて演奏データから抽出された演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ36に出力するための電子回路である。上述したように、ミキシングアンプ36は、マイクロホン34から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段51から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ33より出力させるための装置である。
【0053】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段53は、カラオケ楽曲の演奏中に、背景映像データから抽出した背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づいて作成される歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置35に出力するためのプログラムからなる。
【0054】
<追加予約者の登録>
次に、
図3を参照して、追加予約者の登録処理の手順について説明する。追加予約者を登録するためには、予め、選曲予約者による選曲予約が行われて予約待ち行列44aが作成されていることを前提とする。
【0055】
追加予約者の登録処理では、
図3に示すように、追加予約者からの追加予約要求入力があると(S1)、当該追加予約者が、
選曲予約者の歌唱を同時に楽しめる状況に居るか否かを判断する(S2)。
選曲予約者の歌唱を同時に楽しめるとは、例えば、同一のカラオケルームに入室し、同一のカラオケ演奏端末30にシステムログインしている場合等である。
【0056】
ここで、追加予約者が
選曲予約者の歌唱を同時に楽しめる状況に居る場合には、追加予約者の利用者IDを予約待ち行列44aに含めて、追加予約者に対して選曲予約者と同様の権限を許諾する(
S3)。
【0057】
なお、図示しないが、追加予約者への権限許諾処理(S3)において、選曲予約者の判断入力に基づいて、追加予約者の権限の許諾範囲を制限してもよい。
【0058】
<他の実施形態>
本発明のシステム及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。