特許第6266262号(P6266262)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6266262-ラベル印字、貼付装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266262
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】ラベル印字、貼付装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/42 20060101AFI20180115BHJP
【FI】
   B65C9/42
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-163805(P2013-163805)
(22)【出願日】2013年8月7日
(65)【公開番号】特開2015-30534(P2015-30534A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年7月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】池田 克善
(72)【発明者】
【氏名】大田 和弘
(72)【発明者】
【氏名】柴尾 賢一
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−151214(JP,A)
【文献】 特開2001−151215(JP,A)
【文献】 特開2001−010616(JP,A)
【文献】 特開2010−120663(JP,A)
【文献】 実開平04−086709(JP,U)
【文献】 特開昭59−115231(JP,A)
【文献】 特表2011−512307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 9/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台紙なしラベル連続体のラベルに印字を行うラベル印字機構と、該ラベル印字機構で印字がなされたラベルをラベル連続体から切り離すラベル切離機構と、ラベル連続体から切り離されたラベルを、搬送機構によって搬送されている被貼付物に順次貼付するラベル貼付機構とを備えたラベル印字、貼付装置において、ラベル貼付機構のラベル移送ベルトを、該ラベル移送ベルトのラベル移送面が斜め上を向くように設置し、ラベル印字機構のプラテンローラ及び印字ヘッドと、ラベル貼付機構のラベル移送ベルト及びニップローラとの間にラベル切離機構を配設し、ラベル移送面にラベルの印字面側を吸着するようにして、ラベルを被貼付物の底面にラベルの反印字面側に形成された粘着剤層を介して貼付するようにするとともに、ラベル印字機構のプラテンローラの駆動源にステッピングモータを用いラベル貼付機構のラベル移送ベルトの駆動源にブラシレスDCモータを用い、制御機構により、ラベル印字時にステッピングモータ及びブラシレスDCモータの駆動速度を同期させ、ラベル切離時にステッピングモータ及びブラシレスDCモータを停止させ、ラベル貼付時にブラシレスDCモータの駆動速度を搬送機構によって搬送されている被貼付物の搬送速度と同期させるようにしたことを特徴とするラベル印字、貼付装置。
【請求項2】
搬送機構の被貼付物の搬送面に対するラベル貼付機構のラベル移送ベルトの先端の位置を調節可能に配設したことを特徴とする請求項記載のラベル印字、貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル印字、貼付装置に関し、特に、台紙なしラベル連続体のためのラベル印字、貼付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、印字機構を備えることによって、ラベルに印字しながら、搬送機構によって搬送されている被貼付物に、順次ラベルを貼付するようにしたラベル印字、貼付装置が汎用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、近年の省資源化の要請に対応して、台紙をなくしたラベル連続体が用いられるようになってきている。
この台紙なしラベル連続体は、表面に印刷等が施されるとともに、裏面に粘着剤層が形成され、さらに、ラベル連続体から一片のラベルを正確に切離できるように所定の間隔でミシン目等の脆弱切離部が形成されている。
【0004】
ところで、特許文献1に記載のラベル印字、貼付装置は、ラベル連続体から一片のラベルを切離する機構を備えていないこと等から、台紙なしラベル連続体は、そのままでは使用できない。
【0005】
他方、台紙なしラベル連続体を使用可能にしたラベル印字、貼付装置も提案されている(例えば、特許文献2及び3参照。)が、ラベル印字時、ラベル切離時及びラベル貼付時における印字機構及びラベル貼付機構によるラベル連続体及び該ラベル連続体から切り離されたラベルの移送速度の調整が十分取られていなかったり(例えば、特許文献2参照。)、その調整のためにトルクリミッター等の複雑で不確実な機構を用いなければならない(例えば、特許文献3参照。)という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−49128号公報
【特許文献2】特開2001−151214号公報
【特許文献3】特開2004−175443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来のラベル印字、貼付装置の問題点に鑑み、簡易な機構によって、印字中のラベル連続体が必要以上に引っ張られることによって印字伸び等の問題が生じることなく、ラベルへの印字及びラベル貼付作業を効率よく行うことができる、台紙なしラベル連続体を使用可能にしたラベル印字、貼付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のラベル印字、貼付装置は、台紙なしラベル連続体のラベルに印字を行うラベル印字機構と、該ラベル印字機構で印字がなされたラベルをラベル連続体から切り離すラベル切離機構と、ラベル連続体から切り離されたラベルを、搬送機構によって搬送されている被貼付物に順次貼付するラベル貼付機構とを備えたラベル印字、貼付装置において、ラベル貼付機構のラベル移送ベルトを、該ラベル移送ベルトのラベル移送面が斜め上を向くように設置し、ラベル印字機構のプラテンローラ及び印字ヘッドと、ラベル貼付機構のラベル移送ベルト及びニップローラとの間にラベル切離機構を配設し、ラベル移送面にラベルの印字面側を吸着するようにして、ラベルを被貼付物の底面にラベルの反印字面側に形成された粘着剤層を介して貼付するようにするとともに、ラベル印字機構のプラテンローラの駆動源にステッピングモータを用いるとともに、ラベル貼付機構のラベル移送ベルトの駆動源にブラシレスDCモータを用い、制御機構により、ラベル印字時にステッピングモータ及びブラシレスDCモータの駆動速度を同期させ、ラベル切離時にステッピングモータ及びブラシレスDCモータを停止させ、ラベル貼付時にブラシレスDCモータの駆動速度を搬送機構によって搬送されている被貼付物の搬送速度と同期させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
この場合において、搬送機構の被貼付物の搬送面に対するラベル貼付機構のラベル移送ベルトの先端の位置を調節可能に配設することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のラベル印字、貼付装置によれば、ラベル印字機構のプラテンローラの駆動源にステッピングモータを用いるとともに、ラベル貼付機構のラベル移送ベルトの駆動源にブラシレスDCモータを用い、制御機構により、ラベル印字時にステッピングモータ及びブラシレスDCモータの駆動速度を同期させ、ラベル切離時にステッピングモータ及びブラシレスDCモータを停止させ、ラベル貼付時にブラシレスDCモータの駆動速度を搬送機構によって搬送されている被貼付物の搬送速度と同期させるようにすることにより、簡易な機構によって、印字中のラベル連続体が必要以上に引っ張られることによって印字伸び等の問題が生じることなく、ラベルへの印字及びラベル貼付作業を効率よく行うことができる、台紙なしラベル連続体を使用可能にしたラベル印字、貼付装置を提供することができる。
【0011】
そして、ラベル貼付機構のラベル移送ベルトを、該ラベル移送ベルトのラベル移送面が斜め上を向くように設置するとともに、ラベル移送面にラベルの印字面側を吸着するようにして、ラベルを被貼付物の底面にラベルの反印字面側に形成された粘着剤層を介して貼付するようにすることにより、ラベルを被貼付物の底面に円滑かつ確実に貼付することができる。
【0012】
また、搬送機構の被貼付物の搬送面に対するラベル貼付機構のラベル移送ベルトの先端の位置を調節可能に配設することにより、ラベルを被貼付物の底面の所定位置まで確実に案内して貼付することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のラベル印字、貼付装置の一実施例を示す平面図である。
図2】同ラベル印字、貼付装置のラベル印字時の状態を示す要部の平面図である。
図3】同ラベル印字、貼付装置のラベル切離時の状態を示す要部の平面図である。
図4】同ラベル印字、貼付装置のラベル貼付時の状態を示す要部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のラベル印字、貼付装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0015】
図1図4に、本発明のラベル印字、貼付装置の一実施例を示す。
【0016】
このラベル印字、貼付装置Laは、台紙なしラベル連続体L0のラベルLに印字を行うラベル印字機構1と、このラベル印字機構1で印字がなされたラベルLをラベル連続体L0から切り離すラベル切離機構2と、ラベル連続体L0から切り離されたラベルLを、搬送機構4によって搬送されている被貼付物Wに順次貼付するラベル貼付機構3とを備え、ラベル印字機構1のプラテンローラ11の駆動源にステッピングモータ12を用いるとともに、ラベル貼付機構3のラベル移送ベルト31の駆動源にブラシレスDCモータ32を用い、制御機構(図示省略)により、ラベル印字時にステッピングモータ12及びブラシレスDCモータ32の駆動速度を同期させ、ラベル切離時にステッピングモータ12及びブラシレスDCモータ32を停止させ、ラベル貼付時にブラシレスDCモータ32の駆動速度を搬送機構4によって搬送されている被貼付物Wの搬送速度と同期させるようにしている。
【0017】
台紙なしラベル連続体L0は、表面に印刷等が施されるとともに、裏面に粘着剤層が形成され、さらに、ラベル連続体L0から一片のラベルLを正確に切離できるように所定の間隔でミシン目等の脆弱切離部が形成されたものを好適に用いることができる。
【0018】
ラベル印字機構1は、ラベル連続体L0のラベルLに印字を行うためのもので、プラテンローラ11の駆動源にステッピングモータ12を用いるとともに、ラベル連続体L0のラベルLを挟んでプラテンローラ11と対応する位置に印字ヘッド13を、ラベル連続体L0の導入位置にラベル連続体L0のラベルLの位置、例えば、脆弱切離部を検知するラベル検知センサ14を、それぞれ備えるようにしている。
【0019】
ラベル切離機構2は、ラベル印字機構1で印字がなされたラベルLをラベル連続体L0から切り離すためのもので、本実施例においては、ラベル印字機構1のプラテンローラ11及び印字ヘッド13と、ラベル貼付機構3のラベル移送ベルト31及びニップローラ34との間に掛け渡された状態のラベル連続体L0の脆弱切離部にチョッパを押し付けることにより、当該脆弱切離部において一片のラベルLを切離するようにしている。
なお、脆弱切離部が形成されていないラベル連続体L0を使用する場合には、チョッパに代えてカッタを使用するようにする。
【0020】
ラベル貼付機構3は、ラベル連続体L0から切り離されたラベルLを、搬送機構4によって搬送されている被貼付物Wに順次貼付するためにもので、ラベル貼付機構3のラベル移送ベルト31の駆動源にブラシレスDCモータ32を用いるとともに、ラベル移送ベルト31を、ラベル貼付機構3の基端部に配設した、ブラシレスDCモータ32によって駆動される駆動ローラ33aと、先端部に配設した従動ローラ33bとの間に掛け渡して循環駆動するようにし、さらに、ラベル移送ベルト31のラベル移送面31aにラベルLの印字面側を吸着することができるようにラベル移送ベルト31の背面側にファンモータからなる吸引機構35を備えるようにしている。
【0021】
ところで、本実施例においては、ラベル貼付機構3のラベル移送ベルト31を、ラベル移送面31aが斜め上を向くように傾斜して設置するようにしている。
ここで、ラベル移送面31aの傾斜角度は、30°〜60°(本実施例においては、45°)程度に設定することが好ましい。
これにより、ラベル移送面31aにラベルの印字面側を吸着するようにし、さらに、ラベル移送ベルト31を介してラベル貼付機構3の先端部に配設した従動ローラ33bが被貼付物Wの送り作用とラベルLの押圧作用を奏することと相俟って、ラベルLを被貼付物Wの底面にラベルLの反印字面側に形成された粘着剤層を介して貼付する動作を円滑かつ確実に行うようにすることができる。
【0022】
また、ラベル貼付機構3は、ラベル移送ベルト31の先端の位置を、搬送機構4の被貼付物Wの搬送面Leに対して調節可能に配設するようにしている。
具体的には、搬送機構4を構成する上流側の被貼付物搬送ベルト4aと下流側の被貼付物搬送ベルト4bの間にラベル移送ベルト31の先端部が入り込むようにし、その先端の位置が、ラベルLを貼付する被貼付物Wの底面が平らな場合には、搬送面Leと略面一になるように、また、窪んでいる場合には、窪んだ被貼付物Wの底面にラベル移送ベルト31の先端が当接するように搬送面Leから上方に突出するように配設することが好ましい。
この場合、ラベル移送ベルト31の先端の位置の調節は、ラベル貼付機構3がラベル印字機構1やラベル切離機構2と連結されていないため、ラベル貼付機構3の取付位置を調整、具体的には、ラベル貼付機構3全体を上下に調整したり、ラベル貼付機構3の基端部を中心に揺動することにより行うことができる。
これにより、ラベルLを被貼付物Wの底面の所定位置まで確実に案内して貼付することができる。
【0023】
次に、このラベル印字、貼付装置Laの動作について説明する。
【0024】
ラベル印字時には、図2に示すように、制御機構により、ラベル印字機構1のステッピングモータ12及びラベル貼付機構3のブラシレスDCモータ32の駆動速度を同期させて、具体的には、ラベル印字機構1のプラテンローラ11の周速と、ラベル貼付機構3のラベル移送ベルト31のラベル移送速度とを同一(例えば、100mm/s)にすることによって、ラベル連続体L0からラベルLを繰り出しながら、印字ヘッド13により所定の印字を行うようにする。
【0025】
ラベル切離時には、図3に示すように、制御機構により、ラベル印字機構1のステッピングモータ12及びラベル貼付機構3のブラシレスDCモータ32を停止させ、ラベル印字機構1のプラテンローラ11及び印字ヘッド13と、ラベル貼付機構3のラベル移送ベルト31及びニップローラ34との間に掛け渡された状態のラベル連続体L0の脆弱切離部にラベル切離機構2のチョッパを押し付けることにより、当該脆弱切離部において一片のラベルLを切離する。
【0026】
ラベル貼付時には、図4に示すように、制御機構により、ラベル貼付機構3のブラシレスDCモータ32の駆動速度を搬送機構4によって搬送されている被貼付物Wの搬送速度と同期させて、具体的には、ラベル貼付機構3のラベル移送ベルト31のラベル移送速度と、搬送機構4によって搬送されている被貼付物Wの搬送速度とを同一(例えば、400mm/s)にすることによって、ラベル連続体L0から切り離されたラベルLを、搬送機構4によって搬送されている被貼付物Wに貼付するようにする。
【0027】
このラベル印字、貼付装置Laによれば、台紙なしラベル連続体L0を使用し、簡易な機構によって、制御機構によりラベル印字機構1のステッピングモータ12及びラベル貼付機構3のブラシレスDCモータ32の駆動を制御することで、印字中のラベル連続体L0が必要以上に引っ張られることによって印字伸び等の問題が生じることなく、ラベルLへの印字及びラベル貼付作業を効率よく行うことができる。
【0028】
なお、上記実施例のラベル印字、貼付装置Laにおいては、ラベル貼付機構3の上方を搬送されている被貼付物Wの底面にラベルLを貼付する形態について説明したが、ラベル印字、貼付装置Laのラベル貼付機構3及び搬送機構4の配置を適宜設定することにより、ラベル貼付機構3の下方を搬送されている被貼付物Wの上面にラベルLを貼付するようにしたり、ラベル貼付機構3の側方を搬送されている被貼付物Wの側面にラベルLを貼付するようにすることができる。
【0029】
以上、本発明のラベル印字、貼付装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明のラベル印字、貼付装置は、簡易な機構によって、印字中のラベル連続体が必要以上に引っ張られることによって印字伸び等の問題が生じることなく、ラベルへの印字及びラベル貼付作業を効率よく行うことができることから、台紙なしラベル連続体のためのラベル印字、貼付装置の用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0031】
La ラベル印字、貼付装置
L0 ラベル連続体
L ラベル
Le 搬送面
W 被貼付物
1 ラベル印字機構
11 プラテンローラ
12 ステッピングモータ
13 印字ヘッド
14 ラベル検知センサ
2 ラベル切離機構
3 ラベル貼付機構
31 ラベル移送ベルト
32 ブラシレスDCモータ
33a 駆動ローラ
33b 従動ローラ
34 ニップローラ
35 吸引機構
4 搬送機構
図1
図2
図3
図4