(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来の手法では、観察画像を取得するためにイオンビームを試料表面で走査する必要があるため、イオンビームのエッチングによって試料の広範囲にダメージを与えてしまうといった問題点があった。また、エッジ構造に起因する信号を利用する手法には、試料上に何らかの構造がないと焦点調整を行えないという問題点があった。
【0005】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、試料に与えるダメージを最小限に抑え、且つ試料の構造に依存せずに焦点調整を行うことが可能な集束イオンビーム装置及びイオンビームの焦点調整方法を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、試料に集束イオンビームを照射して加工する集束イオンビーム装置であって、
イオンビームを発生するイオン源と、
イオンビームを試料に集束させるレンズ系と、
試料から発生する二次電子を検出する検出器と、
前記レンズ系を制御する制御部とを含み、
前記制御部は、
試料上にイオンビームを走査せずに照射させ、前記イオンビームの照射中に対物レンズの強度を変化させて前記イオンビームの焦点を変化させる制御を行い、前記対物レンズの強度を変化させている間に前記試料から発生する二次電子の信号強度を測定し、測定された二次電子の信号強度が最小となるときの前記対物レンズの強度に基づいて、イオンビームの焦点調整を行うことを特徴とする集束イオンビーム装置に関する。
【0007】
また、本発明は、集束イオンビーム装置におけるイオンビームの焦点調整方法であって、
試料上にイオンビームを走査せずに照射するステップと、
前記イオンビームの照射中に対物レンズの強度を変化させて前記イオンビームの焦点を変化させるステップと、
前記対物レンズの強度を変化させている間に前記試料から発生する二次電子の信号強度
を測定するステップと、
測定された二次電子の信号強度が最小となるときの前記対物レンズの強度に基づいて、イオンビームの焦点調整を行うステップとを有することを特徴とするイオンビームの焦点調整方法に関する。
【0008】
本発明によれば、試料にイオンビームを走査せずに照射し、対物レンズの強度を変化させている間に試料から発生する二次電子の信号強度に基づいて焦点調整を行うことで、イオンビームの照射によって試料に与えるダメージを最小限に抑え、且つ、試料の構造に依存せずに焦点調整を行うことが可能となる。
【0009】
(2)また、本発明に係る集束イオンビーム装置及びイオンビームの焦点調整方法では、
前記制御部は、
測定された二次電子の信号強度が最小となるときの前記対物レンズの強度に基づいて、試料加工時の焦点調整を行い、測定された二次電子の信号強度が最小となるときの前記対物レンズの強度を所定値だけオフセットした値に基づいて試料観察時の焦点調整を行ってもよい。
【0010】
本発明によれば、試料加工時に最適な焦点調整と、試料観察時に最適な焦点調整の両方を行うことが可能となる。
【0011】
(3)また、本発明に係る集束イオンビーム装置及びイオンビームの焦点調整方法では、
前記制御部は、
前記イオンビームの照射中に非点収差補正器の強度を変化させて前記イオンビームの非点収差を変化させる制御を行い、前記非点収差補正器の強度を変化させている間に前記試料から発生する二次電子の信号強度を測定し、測定された二次電子の信号強度が最小となるときの前記非点収差補正器の強度に基づいて、イオンビームの非点収差調整を行ってもよい。
【0012】
本発明によれば、試料にイオンビームを走査せずに照射し、非点収差補正器の強度を変化させている間に試料から発生する二次電子の信号強度に基づいて非点収差調整を行うことで、イオンビームの照射によって試料に与えるダメージを最小限に抑え、且つ、試料の構造に依存せずに非点収差調整を行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0015】
1.構成
図1は、本実施形態に係る集束イオンビーム装置の構成の一例を示す図である。なお本実施形態の集束イオンビーム装置は
図1の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0016】
図1に示すように、集束イオンビーム装置は、集束イオンビーム装置本体1、駆動部30、増幅器32、ステージ制御装置34、処理部40、操作部50、表示部52、記憶部54を含む。集束イオンビーム装置本体1は、イオン源10、集束レンズ12、ブランカー14、可動絞り16、非点収差補正器18(スティグメータ)、対物レンズ20、偏向器22、ステージ24、検出器26を含む。
【0017】
イオン源10は、イオンビームBを発生する。イオン源10で発生したイオンは引き出し電極(図示省略)によってイオン源10から引き出され、加速電極(図示省略)によって加速される。集束レンズ12は、イオン源10で発生したイオンビームBを集束する。ブランカー14は、イオンビームBのブランキングを行う。可動絞り16は、イオンビームBの電流量を選択的に制限する。非点収差補正器18は、イオンビームBの照射断面が円形になるようにビーム形状を整形する。対物レンズ20は、イオンビームBを試料Sの表面で集束する。偏向器22は、対物レンズ20によって集束されたイオンビームBを試料S上で走査させる。ステージ24は、試料Sを水平方向や垂直方向に移動させ、また試料Sを回転、傾斜させる。
【0018】
検出器26は、イオンビームBの照射に基づいて試料Sから発生する二次電子を検出する。検出器26によって検出された検出信号(二次電子の強度信号)は、増幅器32によって増幅された後、処理部40に供給される。
【0019】
駆動部30は、処理部40からの制御信号に基づいて、集束レンズ12、ブランカー14、可動絞り16、非点収差補正器18、対物レンズ20及び偏向器22を駆動する。ステージ制御装置34は、処理部40からの制御信号に基づいて、ステージ24の動作を制御する。
【0020】
操作部50は、ユーザが操作情報を入力するためのものであり、入力された操作情報を処理部40に出力する。操作部50の機能は、キーボード、マウス、ボタン、タッチパネル型ディスプレイなどのハードウェアにより実現することができる。
【0021】
表示部52は、処理部40によって生成された画像(例えば、集束されたイオンビームBの走査に基づく試料Sの二次電子像)を表示するものであり、その機能は、LCD、CRTなどにより実現できる。
【0022】
記憶部54は、処理部40の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部40のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。
【0023】
処理部40は、駆動部30やステージ制御装置34を制御する処理や、増幅器32によって増幅された検出信号を、偏向器22に供給されるイオンビームBの走査信号と同期された画像データ(二次電子像)とする処理などの処理を行う。処理部40の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、
プログラムにより実現できる。処理部40は、制御部42を含む。
【0024】
制御部42は、制御信号を生成し、生成した制御信号を駆動部30に出力して、レンズ系(集束レンズ12、ブランカー14、可動絞り16、非点収差補正器18、対物レンズ20及び偏向器22)を制御する。
【0025】
特に本実施形態の制御部42は、焦点調整時において、試料S上にイオンビームBを走査せずに照射させ、イオンビームBの照射中に対物レンズ20の強度を変化させてイオンビームBの焦点を変化させる制御を行う。また、制御部42は、対物レンズ20の強度を変化させている間に試料Sから発生する二次電子の信号強度を検出し、検出した二次電子の信号強度が最小となるときの対物レンズ20の強度に基づいて、イオンビームBの焦点調整を行う。すなわち、検出した二次電子の信号強度が最小となるときの対物レンズ20の強度を、合焦点の対物レンズ20の強度とする。また、制御部42は、検出二次電子の信号強度が最小となるときの対物レンズ20の強度に基づいて、試料加工時の焦点調整を行い、検出した二次電子の信号強度が最小となるときの対物レンズ20の強度を所定値だけオフセットした値に基づいて試料観察時の焦点調整を行ってもよい。
【0026】
また制御部42は、非点収差調整(非点収差補正)時において、試料S上にイオンビームBを走査せずに照射させ、イオンビームBの照射中に非点収差補正器18の強度を変化させてイオンビームBの非点収差を変化させる制御を行う。また、制御部42は、非点収差補正器18の強度を変化させている間に試料Sから発生する二次電子の信号強度を検出し、検出した二次電子の信号強度が最小となるときの非点収差補正器18の強度に基づいて、イオンビームBの非点収差調整を行う。すなわち、検出した二次電子の信号強度が最小となるときの非点収差補正器18の強度を、非点収差を補正する際の非点収差補正器18の強度とする。また、制御部42は、検出した二次電子の信号強度が最小となるときの非点収差補正器18の強度に基づいて、試料加工時の非点収差補正を行い、検出した二次電子の信号強度が最小となるときの非点収差補正器18の強度を所定値だけオフセットした値に基づいて試料観察時の非点収差補正を行ってもよい。
【0027】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
【0028】
本実施形態の焦点調整の手法では、試料S表面にイオンビームを走査しないで照射し、イオンビームの照射中に対物レンズ20の強度を変化させてイオンビームの焦点を連続的に変化させ、対物レンズ20の強度を変化させている間に試料Sから発生する二次電子の信号強度を測定することで焦点調整を行う。
【0029】
図2は、低電流のイオンビームを照射して対物レンズの強度を変化させた場合に測定された二次電子の信号強度の変化を示す図である。また、
図2には、対物レンズの強度(印加電圧)を図中A、B、C、D、E、F、Gとしたときに取得された各二次電子像を示している。
【0030】
図2に示すように、二次電子の信号強度の変化を示すグラフは下に凸のピークを持ったグラフとなり、このピーク位置に対応する対物レンズの強度が、合焦点(ジャストフォーカス時)の対物レンズの強度となる。すなわち、測定された二次電子の信号強度が最小となるときの対物レンズの強度が、合焦点の対物レンズの強度となる。
図2に示す例では、二次電子信号強度のピーク位置に対応する対物レンズ強度はDであり、このときに取得された二次電子像が最も焦点が合っており、二次電子信号強度のピーク位置に対応する対物レンズ強度が合焦点であることがわかる。
【0031】
試料表面にイオンビームを走査しないで照射(スポットビームとして照射)すると、試料表面の原子がはじきとばされることで、試料表面に孔が形成される。そして、イオンビームの焦点が合っているほど、試料表面に形成される孔は細く深い孔となり、プローブ径が十分小さくなったイオンビームがこの細く深い孔に入り込むと、試料から発生する二次電子の信号強度は小さくなる。本実施形態の手法では、このような現象(試料表面に照射するイオンビームの焦点が合っているほど試料から発生する二次電子の信号強度が小さくなる現象)に着目して、試料表面にイオンビームを走査しないで照射しつつ対物レンズの強度を変化させ、測定された二次電子の信号強度が最小となるときの対物レンズの強度に基づき焦点調整を行う。
【0032】
本実施形態の手法によれば、イオンビームを試料上で走査せずにイオンビームの焦点を合わせることができるため、焦点調整を行う際にイオンビームの照射による試料に与えるダメージを最小限に抑えることができる。また、イオンビームの走査に掛かる時間が不要となるため短時間で焦点調整を行うことができる。また、試料上にエッジ構造等が無くてもイオンビームの焦点を合わせることができるため、試料の構造に依存せずに焦点調整を行うことができる。
【0033】
図3は、大電流(ここでは、10nA以上)のイオンビームを照射して対物レンズの強度を変化させた場合に測定された二次電子の信号強度の変化を示す図である。また、
図3には、対物レンズの強度(印加電圧)を図中A、B、C、D、E、F、Gとしたときに取得された各二次電子像を示している。
【0034】
図3に示す例においても、
図2に示す場合と同様に、二次電子の信号強度の変化を示すグラフは下に凸のピークを持ったグラフとなり、このピーク位置に対応する対物レンズの強度が、合焦点(ジャストフォーカス時)の対物レンズの強度となる。
図3に示す例では、二次電子信号強度変化のピーク位置に対応する対物レンズ強度はCであり、これが合焦点となっている。但し、
図3に示す例では、対物レンズ強度が二次電子信号強度変化のピーク位置に対応する値(C)であるときに取得された二次元電子像は合焦しておらず、対物レンズ強度がDであるときに取得された二次電子像が最も焦点が合っている。これは、
図3に示す例において、二次電子信号強度のピーク位置は、試料加工時の合焦点を示しており、試料観察時(画像)の合焦点ではないことを示している。すなわち、大電流のイオンビームを照射する場合には、試料加工時の合焦点と試料観察時の合焦点との間にズレが生じることを示している。
【0035】
図4は、様々な焦点値に設定された大電流のイオンビームを走査せずに試料に照射してスポット加工を行ったときに形成される孔(加工跡)を示す二次電子像である。ここでは、まずイオンビームの焦点値を試料観察時の合焦点に設定してスポット加工を行い、そこから焦点値(対物レンズの強度)を−aVずつオフセットさせて同様にスポット加工を行った。
図4に示す加工跡は、スポットビームによる加工により形成されたものであるから、加工跡を示す濃淡は、イオンビームの電流密度分布を表している。
【0036】
図4に示すように、試料観察時の合焦点では、ビームの中心部分は最も細く絞られているものの、その周りに散乱ビームが多く存在していることがわかる。ここで、ビーム中心部分が細く絞られていると、試料観察に適したビームとなるものの、ビーム中心部分の電流密度が小さくなるため、深い孔を形成することができず、試料加工には適さないビームとなる(
図5(A)を参照)。
【0037】
試料観察時の合焦点から焦点値をマイナス方向にオフセットしていくと、ビーム中心部分は徐々に太くなっていくものの、散乱ビームの領域が狭くなっていくことがわかる。ここで、ビーム中心部分が太くなり散乱ビームの領域が狭くなると、ビーム中心部分の電流
密度が大きくなるため、深い孔を形成することができ、試料加工に適したビームとなる(
図5(B)を参照)。散乱ビームの領域が無くなる焦点値が、試料加工時の合焦点であり、
図3に示す二次電子信号強度変化のピーク位置と一致する。
図4に示す例では、試料観察時の合焦点から−6aVだけオフセットした値が試料加工時の合焦点となる。言い換えると、試料加工時の合焦点から+6aVだけオフセットした値が試料観察時の合焦点となる。
【0038】
従って、大電流のイオンビームを用いて試料を加工する際には、低電流のイオンビームを用いる場合と同様に、二次電子信号強度変化のピーク位置(最小値)に対応する対物レンズ強度を、合焦点として焦点調整を行えばよい。また、大電流のイオンビームを用いて試料を観察する(試料の二次電子像を取得する)際には、二次電子信号強度変化のピーク位置に対応する対物レンズ強度から所定値だけオフセットした値を、合焦点として焦点調整を行えばよい。オフセット量は予め測定しておき、装置固有のパラメータとして記憶部54に格納しておく。また、オフセット量は、イオンビームの電流値や加速電圧によって変化するため、
図6に示すように、電流値と加速電圧の各値の組み合わせに対応するオフセット量を予め測定してテーブル情報として記憶部54に格納しておく。そして、焦点調整時に当該テーブルを参照して、電流値と加速電圧の設定値に対応するオフセット量を取得し、試料観察時の焦点調整を行えばよい。このように、本実施形態の手法によれば、二次電子の信号強度が最小となるときの対物レンズ強度に基づいて、試料加工時に適した焦点調整と試料観察時に適した焦点調整の両方を行うことができる。
【0039】
上記の焦点調整と同様の手法により、イオンビームの非点収差補正を行うことができる。非点収差補正を行う場合には、試料S表面にイオンビームを走査しないで照射し、イオンビームの照射中に非点収差補正器18の強度を変化させてイオンビームの非点収差を連続的に変化させ、非点収差補正器18の強度を変化させている間に試料Sから発生する二次電子の信号強度変化を測定することで非点収差補正を行う。すなわち、二次電子信号強度変化のピーク値(最小値)に対応する非点収差補正器18の強度を、非点収差を補正する際の非点収差補正器18の強度として非点収差補正を行う。また、大電流のイオンビームを用いて試料を観察する際には、二次電子信号強度変化のピーク位置に対応する非点収差補正器18の強度から所定値(予め測定したオフセット量)だけオフセットした値を、非点収差を補正する際の非点収差補正器18の強度として非点収差補正を行えばよい。このように、本実施形態の手法によれば、非点収差補正を行う際にも、イオンビームの照射による試料に与えるダメージを最小限に抑えることができ、また、短時間で且つ試料の構造に依存せずに非点収差補正を行うことができる。
【0040】
3.処理
次に、本実施形態の集束イオンビーム装置の焦点調整処理の一例について
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0041】
まず、制御部42は、駆動部30を制御して、試料上にイオンビームを走査せずに照射する制御を行う(ステップS10)。なお、イオンビームを照射する試料上の位置は、操作部50からの操作情報に基づきステージ24を移動して決定する。
【0042】
次に、制御部42は、対物レンズ20の強度V(印加電圧)を所定の最小値V
minに設定して変更する(ステップS12)。なお、対物レンズ20の強度Vは所定の最小値V
minから最大値V
maxまでの範囲で変化させるが、この範囲は、イオンビームの加速電圧の設定値に応じて決定する。
【0043】
次に、制御部42は、増幅器32から供給される二次電子の強度信号を取得する(ステップS14)。取得した二次電子の信号強度は、そのときの対物レンズ20の強度Vに対
応付けて記憶部54に記憶される。
【0044】
次に、制御部42は、現在の対物レンズ20の強度Vが所定の最大値V
maxに達したか否かを判断し(ステップS16)、最大値V
maxに達していない場合(ステップS16の「N」)には、対物レンズ20の強度Vを所定値ΔV(ΔV<V
max−V
min)だけ増加させて変更し(ステップS18)、ステップS14に移行する。そして、対物レンズ20の強度Vが最大値V
maxに達するまで、ステップS14〜S18の処理を繰り返す。
【0045】
対物レンズ20の強度Vが最大値V
maxに達した場合(ステップS16の「Y」)には、制御部42は、取得した二次電子の信号強度が最小となるときの対物レンズの強度(取得した二次電子信号強度の最小値に対応する対物レンズの強度)を合焦点として設定し、焦点調整を実行する(ステップS20)。ここで、試料観察時の焦点調整を実行する場合には、ステップS20において、
図6に示すようなテーブル情報を参照してオフセット量を取得し、取得したオフセット量に基づき二次電子信号強度が最小となるときの対物レンズの強度をオフセットした値を合焦点として焦点調整を実行する。
【0046】
なお、ステップS12において、対物レンズの強度Vを最大値V
maxに設定し、ステップS16において、対物レンズの強度Vが最小値V
minに達したか否かを判断し、ステップS18において、対物レンズ20の強度Vを所定値ΔVだけ減少させるようにしてもよい。
【0047】
4.変形例
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0048】
例えば、上記実施形態では、対物レンズの強度を変化させてイオンビームの焦点調整を行う場合について説明したが、集束イオンビーム装置が備えるフォーカスレンズの強度を変化させてイオンビームの焦点調整を行うように構成してもよい。