特許第6266328号(P6266328)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266328
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】信号多重化装置
(51)【国際特許分類】
   H04J 3/04 20060101AFI20180115BHJP
   H03K 17/16 20060101ALI20180115BHJP
   H03K 17/693 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   H04J3/04 Z
   H03K17/16 D
   H03K17/693 A
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-256794(P2013-256794)
(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公開番号】特開2015-115800(P2015-115800A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】399011195
【氏名又は名称】ザインエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100110582
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 昌聰
(72)【発明者】
【氏名】藤田 悠介
(72)【発明者】
【氏名】三浦 賢
(72)【発明者】
【氏名】久保 俊一
【審査官】 阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−114610(JP,A)
【文献】 特開平11−136112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 3/04
H03K 17/16
H03K 17/693
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次に有意レベルとなるM個の選択信号を入力するとともに、M個の入力信号を入力し、前記M個の選択信号のうちの第m選択信号が有意レベルであるときに前記M個の入力信号のうちの第m入力信号に応じた信号を出力する信号多重化装置であって、
第1基準電位が与えられる第1端と、前記第1基準電位と異なる第2基準電位が与えられる第2端と、第3基準電位が与えられる第3端と、前記第1端と前記出力端との間に設けられ抵抗成分を有する抵抗部と、前記第2端と前記出力端との間に並列的に設けられたM個の駆動部と、を備え、
前記M個の駆動部のうちの各第m駆動部は、
前記M個の選択信号のうちの第m入力信号のレベルに応じて開閉する駆動用スイッチと、前記M個の入力信号のうちの第m選択信号が有意レベルであるときに閉状態となる選択用スイッチと、前記第m選択信号が非有意レベルであるときに閉状態となる電位安定化用スイッチと、を含み、
前記駆動用スイッチおよび前記選択用スイッチのうちの一方が前記出力端と中間ノードとの間に設けられ、他方が前記第2端と前記中間ノードとの間に設けられており、
前記電位安定化用スイッチが前記第3端と前記中間ノードとの間に設けられている、
ことを特徴とする信号多重化装置(ただし、Mは2以上の整数、mは1以上M以下の各整数)。
【請求項2】
前記抵抗部および前記M個の駆動部を2組備え、
その2組のうちの第1組の前記第m駆動部に入力する第m選択信号と、第2組の前記第m駆動部に入力する第m選択信号とを、共通の信号として入力し、
前記第1組の前記第m駆動部に入力する第m入力信号と、前記第2組の前記第m駆動部に入力する第m入力信号とを、差動信号として入力し、
前記第1組の前記出力端から出力する信号と、前記第2組の前記出力端から出力する信号とを、差動信号として出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の信号多重化装置。
【請求項3】
前記第1組の前記第m駆動部の前記選択用スイッチと、前記第2組の前記第m駆動部の前記選択用スイッチとが、共通のものである、ことを特徴とする請求項2に記載の信号多重化装置。
【請求項4】
前記第1組の前記第m駆動部の前記電位安定化用スイッチと、前記第2組の前記第m駆動部の前記電位安定化用スイッチとが、共通のものである、ことを特徴とする請求項2または3に記載の信号多重化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の入力信号を多重化して出力する信号多重化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
信号多重化装置は、複数の入力信号を多重化して出力することで、少ない本数の信号線を用いて信号を送信することができる。信号多重化装置として例えば特許文献1,2に記載されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−205268号公報
【特許文献2】特表2009−507425公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、信号多重化装置において入力信号の波形パターンに応じて電源ノイズが生じて出力信号の波形にジッタが生じることを見出した。本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、出力信号波形のジッタを低減することができる信号多重化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の信号多重化装置は、順次に有意レベルとなるM個の選択信号を入力するとともに、M個の入力信号を入力し、M個の選択信号のうちの第m選択信号が有意レベルであるときにM個の入力信号のうちの第m入力信号に応じた信号を出力する信号多重化装置であって、第1基準電位が与えられる第1端と、第1基準電位と異なる第2基準電位が与えられる第2端と、第3基準電位が与えられる第3端と、第1端と出力端との間に設けられ抵抗成分を有する抵抗部と、第2端と出力端との間に並列的に設けられたM個の駆動部と、を備えることを特徴とする。さらに、M個の駆動部のうちの各第m駆動部は、M個の選択信号のうちの第m入力信号のレベルに応じて開閉する駆動用スイッチと、M個の入力信号のうちの第m選択信号が有意レベルであるときに閉状態となる選択用スイッチと、第m選択信号が非有意レベルであるときに閉状態となる電位安定化用スイッチと、を含み、駆動用スイッチおよび選択用スイッチのうちの一方が出力端と中間ノードとの間に設けられ、他方が第2端と中間ノードとの間に設けられており、電位安定化用スイッチが第3端と中間ノードとの間に設けられていることを特徴とする。ただし、Mは2以上の整数であり、mは1以上M以下の各整数である。
【0006】
本発明の信号多重化装置は、抵抗部およびM個の駆動部を2組備え、その2組のうちの第1組の第m駆動部に入力する第m選択信号と、第2組の第m駆動部に入力する第m選択信号とを、共通の信号として入力し、第1組の第m駆動部に入力する第m入力信号と、第2組の第m駆動部に入力する第m入力信号とを、差動信号として入力し、第1組の出力端から出力する信号と、第2組の出力端から出力する信号とを、差動信号として出力するのが好適である。このとき、第1組の第m駆動部の選択用スイッチと、第2組の第m駆動部の選択用スイッチとが、共通のものであるのが好適である。また、第1組の第m駆動部の電位安定化用スイッチと、第2組の第m駆動部の電位安定化用スイッチとが、共通のものであるのが好適である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、信号多重化装置における出力信号波形のジッタを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態の信号多重化装置1の構成を示す図である。
図2】第1実施形態の信号多重化装置1における入出力信号の波形例を示す図である。
図3】第2実施形態の信号多重化装置2の構成を示す図である。
図4】第1実施形態の信号多重化装置1の回路構成例を示す図である。
図5】第1実施形態の信号多重化装置1の回路構成例を示す図である。
図6】第1実施形態の信号多重化装置1の回路構成例を示す図である。
図7】第1実施形態の信号多重化装置1の回路構成例を示す図である。
図8】第2実施形態の信号多重化装置2の回路構成例を示す図である。
図9】シミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
図1は、第1実施形態の信号多重化装置1の構成を示す図である。信号多重化装置1は、順次に有意レベルとなる2個の選択信号CLK<1>,CLK<2>を入力するとともに、2個の入力信号IN<1>,IN<2>を入力し、2個の選択信号のうちの第m選択信号CLK<m>が有意レベルであるときに2個の入力信号のうちの第m入力信号IN<m>に応じた信号OUTを出力端14から出力するものである。mは1または2である。
【0011】
信号多重化装置1は、第1端11、第2端12、第3端13、抵抗部20および2個の駆動部30,30を備える。第1端11には第1基準電位が与えられる。第2端12には第2基準電位が与えられる。第3端13には第3基準電位が与えられる。第1基準電位と第2基準電位とは互いに異なる。例えば、第1基準電位および第2基準電位のうち一方は電源電位であり、他方は接地電位である。第3基準電位は、第1基準電位および第2基準電位の何れかと同じであってもよいし、第1基準電位および第2基準電位の何れとも異なっていてもよい。
【0012】
抵抗部20は、少なくとも抵抗成分を有し、第1端11と出力端14との間に設けられている。2個の駆動部30,30は、共通の構成を有しており、第2端12と出力端14との間に並列的に設けられている。駆動部30,30それぞれの第2端12には共通の第2基準電位が与えられる。駆動部30,30それぞれの第3端13にも共通の第3基準電位が与えられる。
【0013】
各駆動部30は、駆動用スイッチ31、選択用スイッチ32および電位安定化用スイッチ33を含む。各駆動部30の駆動用スイッチ31は、第m入力信号IN<m>のレベルに応じて開閉する。各駆動部30の駆動用スイッチ31は、第m入力信号IN<m>がハイレベルであるときに閉状態となってもよいし、第m入力信号IN<m>がローレベルであるときに閉状態となってもよい。各駆動部30の選択用スイッチ32は、第m選択信号CLK<m>が有意レベルであるときに閉状態となる。
【0014】
各駆動部30の電位安定化用スイッチ33は、第m選択信号CLK<m>が非有意レベルであるときに閉状態となる。すなわち、各駆動部30において選択用スイッチ32および電位安定化用スイッチ33のうち一方が閉状態であるときに他方は開状態である。M=2である場合には、第1電位安定化用スイッチ33は第2選択信号CLK<2>(=第1選択信号CLK<1>の反転信号)が入力されてもよいし、第2電位安定化用スイッチ33は第1選択信号CLK<1>(=第2選択信号CLK<2>の反転信号)が入力されてもよい。
【0015】
駆動用スイッチ31および選択用スイッチ32のうちの一方は出力端14と中間ノード34との間に設けられ、他方は第2端12と中間ノード34との間に設けられている。電位安定化用スイッチ33は第3端13と中間ノード34との間に設けられている。中間ノード34は、駆動用スイッチ31,選択用スイッチ32および電位安定化用スイッチ33の共通のノードである。図1では、選択用スイッチ32は出力端14と中間ノード34との間に設けられ、駆動用スイッチ31は第2端12と中間ノード34との間に設けられている。
【0016】
駆動用スイッチ31および電位安定化用スイッチ33それぞれは、単純なスイッチであってもよいし、スイッチ機能を有する電流源であってもよい。後者の場合、駆動用スイッチ31および電位安定化用スイッチ33それぞれは、スイッチが閉状態であるときに一定電流を流し、スイッチが開状態であるときに電流を流さない。
【0017】
図2は、第1実施形態の信号多重化装置1における入出力信号の波形例を示す図である。同図には、上から順に、第1入力信号IN<1>,第2入力信号IN<2>,第1選択信号CLK<1>,第2選択信号CLK<2>および出力信号OUTが示されている。2個の入力信号IN<1>,IN<2>は、互いに異なる位相で変化する多相の信号であってもよい。2個の選択信号CLK<1>,CLK<2>は、順次に有意レベル(ハイレベル)となる。2個の選択信号CLK<1>,CLK<2>のうち一方がハイレベルであるとき、他方はローレベルである。2個の入力信号IN<1>,IN<2>のビットレートと2個の選択信号CLK<1>,CLK<2>の周波数とは互いに等しい。
【0018】
第1選択信号CLK<1>がハイレベルである期間では、第2選択信号CLK<2>はローレベルである。この期間では、一方の第1駆動部30において、選択用スイッチ32は閉状態であり、電位安定化用スイッチ33は開状態である。また、他方の第2駆動部30において、選択用スイッチ32は開状態であり、電位安定化用スイッチ33は閉状態である。したがって、出力端14から出力される信号OUTは、第1駆動部30の駆動用スイッチ31に入力される第1入力信号IN<1>に応じたものとなる。
【0019】
第1選択信号CLK<1>がローレベルである期間では、第2選択信号CLK<2>はハイレベルである。この期間では、一方の第1駆動部30において、選択用スイッチ32は開状態であり、電位安定化用スイッチ33は閉状態である。また、他方の第2駆動部30において、選択用スイッチ32は閉状態であり、電位安定化用スイッチ33は開状態である。したがって、出力端14から出力される信号OUTは、第2駆動部30の駆動用スイッチ31に入力される第2入力信号IN<2>に応じたものとなる。
【0020】
ここで、仮に各駆動部30において電位安定化用スイッチ33が設けられていない場合を想定する。この場合、選択用スイッチ32が開状態である期間に、駆動用スイッチ31に入力される入力信号のレベルが遷移することも遷移しないこともある。選択用スイッチ32が開状態である期間に駆動用スイッチ31に入力される入力信号のレベル遷移によっては、中間ノード34と第2端12との間に電流が流れることも流れないこともある。すなわち、駆動用スイッチ31に入力される入力信号の波形パターンによって、中間ノード34と第2端12との間に流れる電流が異なることになって、電流パターンに依存する電源ノイズが発生し、出力信号OUTの波形にジッタが生じる。
【0021】
本実施形態の信号多重化装置1は、各駆動部30において電位安定化用スイッチ33が設けられている点に特徴を有する。これにより、選択用スイッチ32が開状態である期間に電位安定化用スイッチ33が閉状態となるので、中間ノード34の電位が安定化され、駆動用スイッチ31に入力される入力信号のレベル遷移によらず、中間ノード34と第2端12との間に電流が流れることになる。電流パターンに依存する電源ノイズが低減され、出力信号OUTの波形のジッタが低減される。
【0022】
図3は、第2実施形態の信号多重化装置2の構成を示す図である。第2実施形態の信号多重化装置2は、図1に示される信号多重化装置1の構成と略同様の構成を有する信号多重化装置1p,1nを備える。ただし、第2実施形態における信号多重化装置1p,1nは、第1実施形態の信号多重化装置1の構成と比較すると、各駆動用スイッチ31が出力端14と中間ノード34との間に設けられ、各選択用スイッチ32が第2端12と中間ノード34との間に設けられている点で相違している。
【0023】
第2実施形態の信号多重化装置(以下「差動信号多重化装置」という。)2は、信号多重化装置1pに入力する第m選択信号CLK<m>と、信号多重化装置1nに入力する第m選択信号CLK<m>とを、共通の信号として入力する。差動信号多重化装置2は、信号多重化装置1pに入力する第m入力信号IN<m>pと、信号多重化装置1nに入力する第m入力信号IN<m>mとを、差動信号として入力する。差動信号多重化装置2は、信号多重化装置1pの出力端14pから出力する信号OUTpと、信号多重化装置1nの出力端14nから出力する信号OUTmとを、差動信号として出力する。
【0024】
また、差動信号多重化装置2では、信号多重化装置1pの第m駆動部の選択用スイッチ32と、信号多重化装置1nの第m駆動部の選択用スイッチ32とは、別個に設けられてもよいが、同図に示されるように共通のものとすることができる。また、信号多重化装置1pの第m駆動部の電位安定化用スイッチ33と、信号多重化装置1nの第m駆動部の電位安定化用スイッチ33とは、別個に設けられてもよいが、同図に示されるように共通のものとすることができる。
【0025】
差動信号多重化装置2は、順次に有意レベルとなる2個の選択信号CLK<1>,CLK<2>を入力するとともに、2個の差動入力信号IN<1>,IN<2>を入力する。ここで、第1差動入力信号IN<1>はIN<1>pとIN<1>nとからなり、第2差動入力信号IN<2>はIN<2>pとIN<2>nとからなる。そして、差動信号多重化装置2は、2個の選択信号のうちの第m選択信号CLK<m>が有意レベルであるときに2個の差動入力信号のうちの第m差動入力信号IN<m>に応じた差動出力信号OUTを出力端14p,14nから出力することができる。
【0026】
次に、本実施形態の信号多重化回路の具体的な回路構成例について説明する。図4図7は、第1実施形態の信号多重化装置1の回路構成例を示す図である。図8は、第2実施形態の信号多重化装置2の回路構成例を示す図である。これらの回路構成例では、抵抗部20,各駆動用スイッチ31、各選択用スイッチ32および各電位安定化用スイッチ33は、MOSトランジスタにより構成されている。MOSトランジスタにより構成される抵抗部20は、オフ状態であるとき信号多重化装置を停止状態とすることができ、オン状態であるとき信号多重化装置を動作状態とすることができてオン抵抗を有する抵抗器として用いられる。
【0027】
図4に示される第1構成例の信号多重化装置1Aでは、抵抗部20は、PMOSトランジスタにより構成され、電源電位端と出力端14との間に設けられている。各駆動用スイッチ31は、NMOSトランジスタにより構成され、接地電位端と中間ノード34との間に設けられ、ゲート端子に第m入力信号IN<m>が入力される。各選択用スイッチ32は、NMOSトランジスタにより構成され、出力端14と中間ノード34との間に設けられ、ゲート端子に第m選択信号CLK<m>が入力される。各電位安定化用スイッチ33は、NMOSトランジスタにより構成され、接地電位端と中間ノード34との間に設けられている。第1電位安定化用スイッチ33のゲート端子に第2選択信号CLK<2>が入力される。第2電位安定化用スイッチ33のゲート端子に第1選択信号CLK<1>が入力される。また、各電位安定化用スイッチ33をPMOSトランジスタにより構成する場合は、第1電位安定化用スイッチ33のゲート端子に第1選択信号CLK<1>が入力され、第2電位安定化用スイッチ33のゲート端子に第2選択信号CLK<2>が入力される。
【0028】
図5に示される第2構成例の信号多重化装置1Bでは、抵抗部20は、PMOSトランジスタにより構成され、電源電位端と出力端14との間に設けられている。各駆動用スイッチ31は、NMOSトランジスタにより構成され、出力端14と中間ノード34との間に設けられ、ゲート端子に第m入力信号IN<m>が入力される。各選択用スイッチ32は、NMOSトランジスタにより構成され、接地電位端と中間ノード34との間に設けられ、ゲート端子に第m選択信号CLK<m>が入力される。各電位安定化用スイッチ33は、PMOSトランジスタにより構成され、電源電位端と中間ノード34との間に設けられ、ゲート端子に第m選択信号CLK<m>が入力される。また、各電位安定化用スイッチ33をNMOSトランジスタにより構成する場合は、第1電位安定化用スイッチ33のゲート端子に第2選択信号CLK<2>が入力され、第2電位安定化用スイッチ33のゲート端子に第1選択信号CLK<1>が入力される。
【0029】
図6に示される第3構成例の信号多重化装置1Cでは、抵抗部20は、NMOSトランジスタにより構成され、接地電位端と出力端14との間に設けられている。各駆動用スイッチ31は、PMOSトランジスタにより構成され、電源電位端と中間ノード34との間に設けられ、ゲート端子に第m入力信号IN<m>が入力される。各選択用スイッチ32は、PMOSトランジスタにより構成され、出力端14と中間ノード34との間に設けられ、ゲート端子に第m選択信号CLK<m>が入力される。各電位安定化用スイッチ33は、PMOSトランジスタにより構成され、電源電位端と中間ノード34との間に設けられている。第1電位安定化用スイッチ33のゲート端子に第2選択信号CLK<2>が入力される。第2電位安定化用スイッチ33のゲート端子に第1選択信号CLK<1>が入力される。また、各電位安定化用スイッチ33をNMOSトランジスタにより構成する場合は、第1電位安定化用スイッチ33のゲート端子に第1選択信号CLK<1>が入力され、第2電位安定化用スイッチ33のゲート端子に第2選択信号CLK<2>が入力される。
【0030】
図7に示される第4構成例の信号多重化装置1Dでは、抵抗部20は、NMOSトランジスタにより構成され、接地電位端と出力端14との間に設けられている。各駆動用スイッチ31は、PMOSトランジスタにより構成され、出力端14と中間ノード34との間に設けられ、ゲート端子に第m入力信号IN<m>が入力される。各選択用スイッチ32は、PMOSトランジスタにより構成され、電源電位端と中間ノード34との間に設けられ、ゲート端子に第m選択信号CLK<m>が入力される。各電位安定化用スイッチ33は、NMOSトランジスタにより構成され、接地電位端と中間ノード34との間に設けられている。第1電位安定化用スイッチ33のゲート端子に第1選択信号CLK<1>が入力される。第2電位安定化用スイッチ33のゲート端子に第2選択信号CLK<2>が入力される。また、各電位安定化用スイッチ33をPMOSトランジスタにより構成する場合は、第1電位安定化用スイッチ33のゲート端子に第2選択信号CLK<2>が入力され、第2電位安定化用スイッチ33のゲート端子に第1選択信号CLK<1>が入力される。
【0031】
図8に示される構成例の差動信号多重化装置2Aでは、信号多重化装置1p,1nそれぞれにおいて、抵抗部20は、PMOSトランジスタにより構成され、電源電位端と出力端14との間に設けられている。各駆動用スイッチ31は、NMOSトランジスタにより構成され、出力端14と中間ノード34との間に設けられ、ゲート端子に第m入力信号IN<m>が入力される。各選択用スイッチ32は、NMOSトランジスタにより構成され、接地電位端と中間ノード34との間に設けられ、ゲート端子に第m選択信号CLK<m>が入力される。各電位安定化用スイッチ33は、PMOSトランジスタにより構成され、電源電位端と中間ノード34との間に設けられ、ゲート端子に第m選択信号CLK<m>が入力される。
【0032】
次に、図4に示される第1構成例の信号多重化装置1Aにおいて行ったシミュレーションの結果について説明する。図9は、シミュレーション結果を示す図である。同図(a)は、電位安定化用スイッチ33が設けられていない比較例の場合の出力信号OUTの波形を示す。同図(a)は、電位安定化用スイッチ33が設けられている実施例の場合の出力信号OUTの波形を示す。出力信号OUTのビットレートは6Gbpsであった。比較例では出力信号波形のジッタが0.04UI(Unit Interval)であったの対して、実施例では出力信号波形のジッタは0.02UIであった。このように、電位安定化用スイッチ33が設けられることにより、出力信号波形のジッタが半減された。
【0033】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、具体的な回路構成例は、上述して構成例に限られるものではなく、様々な態様が可能である。上述した実施形態では駆動部の個数Mを2として説明したが、駆動部の個数Mは3以上であってもよい。
【符号の説明】
【0034】
1,2…信号多重化装置、11…第1端、12…第2端、13…第3端、14…出力端、20…抵抗部、30…駆動部、31…駆動用スイッチ、32…選択用スイッチ、33…電位安定化用スイッチ、34…中間ノード。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9