(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266349
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】蒸着マスク
(51)【国際特許分類】
C23C 14/24 20060101AFI20180115BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20180115BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
C23C14/24 G
H05B33/10
H05B33/14 A
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-1168(P2014-1168)
(22)【出願日】2014年1月7日
(65)【公開番号】特開2014-145130(P2014-145130A)
(43)【公開日】2014年8月14日
【審査請求日】2016年12月22日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0010023
(32)【優先日】2013年1月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】韓 政 ▲えん▼
【審査官】
末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05268068(US,A)
【文献】
特開2005−093484(JP,A)
【文献】
米国特許第08169768(US,B1)
【文献】
特開2008−150660(JP,A)
【文献】
特開2010−180438(JP,A)
【文献】
特開2002−067267(JP,A)
【文献】
特開2012−153595(JP,A)
【文献】
特開2011−127218(JP,A)
【文献】
特開2012−246209(JP,A)
【文献】
特開2002−305079(JP,A)
【文献】
特開2010−159454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
C23C 16/00−16/56
C01B 32/00−32/39
H01L 51/50−51/56
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸着基板に接触する第1面及び前記第1面に対向する第2面を含み、前記第2面から前記第1面を貫通する複数個の開口部が形成されたボディー部と、
少なくとも前記第1面に配置され、炭素ナノチューブ及びグラフェンのうち少なくともいずれか1つを含む炭素層と、を含む蒸着マスク。
【請求項2】
前記炭素層は前記炭素ナノチューブで構成された第1層を含む請求項1に記載の蒸着マスク。
【請求項3】
前記炭素層は前記第1層に重畳するように配置され、前記グラフェンで構成された第2層を含む請求項2に記載の蒸着マスク。
【請求項4】
前記炭素層は前記炭素ナノチューブで構成された複数個の第1層と前記グラフェンで構成された複数個の第2層とを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
【請求項5】
前記炭素層は前記第2面上にさらに配置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
【請求項6】
前記複数個の開口部の各々は、前記第1面と前記第2面とを連結する側壁を含み、前記炭素層は前記側壁上にさらに配置されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
【請求項7】
前記側壁は、
第1傾斜面、前記第1傾斜面に対向する第2傾斜面、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とを連結する第3傾斜面、及び前記第3傾斜面に対向し、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とを連結する第4傾斜面を含む請求項6に記載の蒸着マスク。
【請求項8】
前記第1傾斜面、前記第2傾斜面、前記第3傾斜面、及び前記第4傾斜面の各々は前記第1面と鋭角を成し、前記第2面と鈍角を成すことを特徴とする請求項7に記載の蒸着マスク。
【請求項9】
前記第1傾斜面と前記第2傾斜面は前記第1面に対して同一の挟み角を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の蒸着マスク。
【請求項10】
前記炭素層は前記第1傾斜面、前記第2傾斜面、前記第3傾斜面、及び前記第4傾斜面上にさらに配置されたことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蒸着マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、平板ディスプレイや半導体デバイスでは、基板上に蒸着物質が配置される。基板上に配置される蒸着物質は、パターンを形成する。このパターン化された蒸着物質を形成するために蒸着マスクが利用される。
【0003】
蒸着マスクは金属で構成される。このような金属マスクは、蒸着基板と接触するとき、蒸着基板を損傷してしまう虞がある。例えば、金属マスクは、静電気によりアーク放電現象を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公開第2006/0157319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、蒸着基板の損傷を防止し、耐久性が向上した蒸着マスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る蒸着装置は、蒸着チャンバー、蒸着源、及び蒸着マスクを含む。前記蒸着源は前記蒸着チャンバーの内部に配置され、蒸着基板に蒸着物質を提供する。前記蒸着マスクは前記蒸着基板に重畳するように配置される。
【0007】
前記蒸着装置は、前記蒸着チャンバーの内部に配置され、前記蒸着基板を固定するホルダをさらに含む。前記ホルダは回転される。
【0008】
前記蒸着マスクはボディー部及び炭素層を含む。前記ボディー部は蒸着基板に接触する第1面及び前記第1面に対向する第2面を含む。前記ボディー部は前記第2面から前記第1面を貫通する複数個の開口部が形成される。前記炭素層は少なくとも前記第1面に配置され、炭素ナノチューブ及びグラフェンのうち少なくともいずれか1つを含む。
【0009】
前記炭素層は前記炭素ナノチューブで構成された第1層を含む。前記炭素層は前記第1層に重畳するように配置され、前記グラフェンで構成された第2層をさらに包含する。前記炭素層は前記炭素ナノチューブで構成された複数個の第1層と前記グラフェンで構成された複数個の第2層とを包含する。
【0010】
前記炭素層は前記第2面上にさらに配置される。前記複数個の開口部の各々は、前記第1面と前記第2面とを連結する側壁を含み、前記炭素層は前記側壁上にさらに配置され得る。
【0011】
前記側壁は、第1傾斜面、前記第1傾斜面に対向する第2傾斜面、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とを連結する第3傾斜面、前記第3傾斜面に対向し、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とを連結する第4傾斜面を含む。
【0012】
前記第1傾斜面、前記第2傾斜面、前記第3傾斜面、及び前記第4傾斜面の各々は前記第1面と鋭角を成し、前記第2面と鈍角を成す。前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とは前記第1面に対して同一の挟み角を有する。前記炭素層は前記第1傾斜面、前記第2傾斜面、前記第3傾斜面、及び前記第4傾斜面上にさらに配置される。
【発明の効果】
【0013】
上述の蒸着マスクは、外層をなす炭素層を含む。炭素層は、グラフェン及び炭素ナノチューブのうち少なくともいずれか1つにより構成される。この炭素層は、表面抵抗が低く、電気伝導率が高い。そして、熱伝導率が高く、耐久性も高い。このような炭素層が外層に配置されることにより、蒸着マスクの強度は向上する。また、蒸着マスクと蒸着基板が接触するときに発生するアーク放電現象を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る蒸着装置の断面図である。
【
図3】
図2のI−I’線に沿って切断した断面図である。
【
図4A】本発明の他の実施形態に係る蒸着マスクの断面図である。
【
図4B】本発明の他の実施形態に係る蒸着マスクの断面図である。
【
図4C】本発明の他の実施形態に係る蒸着マスクの断面図である。
【
図4D】本発明の他の実施形態に係る蒸着マスクの断面図である。
【
図5A】本発明の他の実施形態に係る蒸着マスクの正面図及び背面図である。
【
図5B】本発明の他の実施形態に係る蒸着マスクの正面図及び背面図である。
【
図6】
図5BのII−II’線に沿って切断した断面図である。
【
図7A】本発明の他の実施形態に係る蒸着マスクの断面図である。
【
図7B】本発明の他の実施形態に係る蒸着マスクの断面図である。
【
図7C】本発明の他の実施形態に係る蒸着マスクの断面図である。
【
図8】本発明の他の実施形態に係る蒸着装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0016】
なお、下記の実施形態は、本発明の要旨を例示することを意図し、本発明を限定するものではない。多くの代替物、修正、変形例は当業者にとって明らかである。
【0017】
また、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0018】
図1は本発明の一実施形態に係る蒸着装置の断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る蒸着装置10は、蒸着チャンバーCPと、蒸着源SPと、蒸着マスク100とを含む。
【0019】
蒸着チャンバーCPは、蒸着源SPと、蒸着マスク100と蒸着基板SUBとを収容する。蒸着工程が進行している間、蒸着チャンバーCPの内部は真空に維持される。蒸着チャンバーCPには、蒸着チャンバーCPの内部に真空を形成するための真空ポンプ(図示せず)が連結される。
【0020】
蒸着チャンバーCPの内部には、蒸着基板SUBを固定するためのホルダHPがさらに配置される。ホルダHPは、電磁気力によって蒸着基板SUBと蒸着マスク100とを固定できる。均一な蒸着パターンを形成するために、ホルダHPは回転される。
【0021】
蒸着基板SUBは、ディスプレイ、或いは半導体デバイスを構成する平板部材である。蒸着基板SUBは、ガラス、シリコン、金属、またはプラスチックで構成される。以下、蒸着基板SUBは、有機発光表示装置のための表示基板として説明される。
【0022】
蒸着基板SUBは、複数個の画素領域(図示せず)と、画素領域に隣接する非画素領域(図示せず)とを包含する。画素領域には、有機発光素子をなす有機発光層が配置される。
【0023】
蒸着源SPは、蒸着物質DMを蒸発させて蒸着基板SUBへ提供する。蒸着源SPは、蒸着物質DMを収容する容器(図示せず)と、蒸着物質DMを蒸発させる熱源(図示せず)とを含む。
【0024】
蒸着物質DMは、蒸着マスク100の一部の領域を介して通過して、蒸着パターンを形成する。蒸着物質DMによって形成される蒸着パターンは、有機発光層であり得る。
【0025】
図2は
図1に示された蒸着マスクの正面図であり、
図3は
図2のI−I’線に沿って切断した断面図である。以下、
図2及び
図3を参照して蒸着マスク100に対して詳細に検討する。
【0026】
蒸着マスク100は、ボディー部110と、炭素層120とを含む。ボディー部110は、蒸着マスク100の骨格を成し、金属からなる。ボディー部110は、蒸着基板(SUB:
図1参照)に接触する第1面100S1及び蒸着物質DMの進入側の第2面100S2を含む。蒸着マスク100は、長方形のプレートである。
【0027】
ボディー部110は、第2面100S2から第1面100S1を貫通する複数個の開口部100−OPを含む。複数個の開口部100−OPの各々は、側壁100−SWによって輪郭が決められる。複数個の開口部100−OPは、マトリックス状に配列される。
図2には、長方状の4×9行列に配列された複数個の開口部100−OPが例示的に示されている。
【0028】
炭素層120は、少なくとも第1面100S1上に配置される。炭素層120は、炭素ナノチューブ及びグラフェンのうち少なくともいずれか1つを含む。炭素ナノチューブは、6つの炭素原子を有する六角形の各単量体(モノマー)が互いに連結されて形成される。炭素ナノチューブの直径は、数ナノメータから数十ナノメータにまで至る。グラフェンは、6つの炭素原子を有する六角形の単量体によって形成される単層構造をなす。グラフェンは、約0.2ナノメータの厚みを有する。
【0029】
グラフェン及び炭素ナノチューブは、表面抵抗が低く、電気伝導率が高い。そして、熱伝導率が高く、耐久性も高い。このようなグラフェン又は炭素ナノチューブが外層に配置されることにより、蒸着マスク100の強度は向上する。また、蒸着マスク100と蒸着基板SUBとが接触するときに発生する静電気が炭素層120を通じて放電されることによって、アーク放電現象の発生が抑制される。炭素層120は、蒸着法、スパッタリング法、溶射法(スプレー法)、浸漬法(ディピング法)等によって形成される。
【0030】
図4A乃至
図4Dは、本発明の他の実施形態に係る蒸着マスクの断面図である。以下、
図4A乃至
図4Dを参照して蒸着マスク(100−1乃至100−4)を説明する。但し、
図1乃至
図3を参照して説明した構成と同一である構成についての詳細な説明は省略する。
【0031】
図4Aに示したように、炭素層120は、第1面100S1と第2面100S2との上に配置されてもよい。また、
図4Bに示したように、炭素層120は、第1面100S1と側壁100−SWとの上に配置されてもよい。また、
図4Cに示したように、炭素層120は、第1面100S1、第2面100S2、側壁100−SW上に配置されてもよい。炭素層120が形成される面積が広いほど、蒸着マスク100−1乃至100−3の強度が増加し、静電気放電率が向上する。
【0032】
図4Dに示したように、炭素層120は、多層構造を有していてもよい。第1層121は、炭素ナノチューブ及びグラフェンのうち、いずれか1つで構成される。第2層122は、炭素ナノチューブ及びグラフェンのうち、第1層121とは異なる方の1つで構成される。第1層121及び第2層122は、ボディー部110上に複数個配置される。第1層121及び第2層122は、例えば交互に規則的に積層されるか、或いは不規則的に積層される。また、
図4Dに示されたものと異なり、第1層121及び第2層122は、第1面100S1のみならず、第2面100S2及び側壁100−SWに配置されてもよい。
【0033】
図5A及び
図5Bは、本発明の他の実施形態に係る蒸着マスクの正面図及び背面図である。
図6は、
図5BのII−II’線に沿って切断した断面図である。以下、
図5A乃至
図6を参照して蒸着マスク100−5を説明する。但し、
図1乃至
図4Dを参照して説明した構成と同一である構成についての詳細な説明は省略する。
【0034】
蒸着マスク100−5は、ボディー部110と、炭素層120とを含む。ボディー部110は、第2面100S2から第1面100S1を貫通する複数個の開口部100−OPを含む。炭素層120は、第1面100S1上に配置される。
【0035】
複数個の開口部100−OPの各々は、側壁100−SWによって輪郭が決められる。側壁100−SWは、第1傾斜面100−SW1、第2傾斜面100−SW2、第3傾斜面100−SW3、及び第4傾斜面100−SW4を含む。第1傾斜面100−SW1と第2傾斜面100−SW2とは、第1方向DR1において対向する。第3傾斜面100−SW3と第4傾斜面100−SW4とは、第1方向DR1と直交する第2方向DR2において対向する。第3傾斜面100−SW3と第4傾斜面100−SW4とは、第1傾斜面100−SW1と第2傾斜面100−SW2とを連結する。
【0036】
第1傾斜面100−SW1、第2傾斜面100−SW2、第3傾斜面100−SW3、及び第4傾斜面100−SW4は、開口部100−OPに蒸着物質DMを進入可能にする角度を拡大させる。そして、開口部100−OPの形状に対応する蒸着パターンは、均一な厚さを有する。
【0037】
第1傾斜面100−SW1及び第2傾斜面100−SW2は、第1面100S1と鋭角を成し、第2面100S2と鈍角を成す。図示していないが、第3傾斜面100−SW3及び第4傾斜面100−SW4も、第1面100S1と鈍角を成し、第2面100S2と鋭角を成す。
【0038】
図6に示したように、第1傾斜面100−SW1は、第1面100S1と第1挟み角θ1を成し、第2面100S2と第2挟み角θ2を成す。第2傾斜面100−SW2は、第1面100S1と第1挟み角θ1を成し、第2面100S2と第2挟み角θ2を成す。図示していないが、第3傾斜面100−SW3及び第4傾斜面100−SW4は、第1面100S1に対して同一の挟み角を有し、第2面100S2に対して同一の挟み角を有する。
【0039】
図7A乃至
図7Cは、本発明の他の実施形態に係る蒸着マスクの断面図である。以下、
図7A乃至
図7Cを参照して蒸着マスク(100−6、100−7)を説明する。但し、
図1乃至
図6を参照して説明した構成と同一である構成についての詳細な説明は省略する。
【0040】
図7Aに示したように、炭素層120は、第1面100S1と側壁100−SW(第1傾斜面100−SW1、第2傾斜面100−SW2、第3傾斜面100−SW3、及び第4傾斜面100−SW4)との上に配置されてもよい。また、
図7Bに示したように、炭素層120は、第1面100S1、第2面100S2、及び側壁100−SW(第1傾斜面100−SW1、第2傾斜面100−SW2、第3傾斜面100−SW3、及び第4傾斜面100−SW4)の上に配置されてもよい。炭素層120が形成された面積が広いほど、蒸着マスク100−6乃至100−7の強度が増加し、静電気放電率が向上する。
【0041】
図7Cに示したように、炭素層120は、多層構造を有していてもよい。例えば、第1層121及び第2層122が重畳するように配置される。第1層121は、炭素ナノチューブ及びグラフェンのうち、いずれか1つで構成される。第2層122は、炭素ナノチューブ及びグラフェンのうち、第1層121とは異なる方の1つで構成される。第1層121及び第2層122は、ボディー部110上に複数個配置される。
【0042】
図8は、本発明の他の実施形態に係る蒸着装置の平面図である。
図9は、
図8に示された蒸着装置の断面図である。以下、
図8及び9を参照して本発明の他の実施形態に係る蒸着装置20を説明する。但し、
図1乃至
図7Cを参照して説明した構成と同一である構成についての詳細な説明は省略する。
【0043】
図8及び
図9に示したように、蒸着装置20は、蒸着チャンバーCP、複数個の蒸着源SP1〜SP4、蒸着マスク100、及び移送部TPを含む。
【0044】
蒸着チャンバーCPは、機能によって複数個の領域に区分される。蒸着チャンバーCPは、ローディング領域CP−L、蒸着領域CP−D、及びアンローディング領域CP−ULを包含する。
【0045】
ローディング領域CP−Lでは、蒸着基板SUBと蒸着マスク100とが結合される。アンローディング領域CP−ULでは、蒸着基板SUBと蒸着マスク100とが分離される。ローディング領域CP−L、蒸着領域CP−D、及びアンローディング領域CP−ULの気圧は、互いに異なる。蒸着領域CP−Dが真空に維持されるように、ローディング領域CP−Lと蒸着領域CP−Dとの間、及び蒸着領域CP−Dとアンローディング領域CP−ULとの間には、それぞれドアが設置される。
【0046】
蒸着領域CP−Dには、複数個の蒸着源SP1〜SP4が配置される。
図8及び
図9には、4つの蒸着源SP1〜SP4が例示的に示されている。4つの蒸着源SP1〜SP4は、第1方向DR1に沿って互いに離隔されて配置される。蒸着領域CP−Dは、複数個の隔壁B1〜B3により区分される。
【0047】
結合された蒸着基板SUBと蒸着マスク100は、移送部TPによって移動される。移送部TPは、ローラー又はロボットアーム等でよい。
【0048】
結合された蒸着基板SUBと蒸着マスク100は、複数個の蒸着源SP1〜SP4から互に異なる蒸着物質DM1〜DM4を受信する。これにより、蒸着基板SUB上に形成された蒸着パターンは多層構造を有する。
【0049】
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想及び範囲を逸脱せずに多様に修正及び変形が可能であることは、この技術分野で通常の知識を有する者には明確である。したがって、そのような変形例又は修正例らは、本発明の特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0050】
10、20 蒸着装置、
SUB 蒸着基板、
SP 蒸着源、
CP 蒸着チャンバー、
DM 蒸着物質、
100 蒸着マスク、
110 ボディー部、
120 炭素層。