【実施例】
【0046】
≪導電性材料前駆体1の作製≫
支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製ルミラーU34(両面易接着タイプ))を用いた。該支持体の全光線透過率をダブルビーム方式ヘーズコンピューター(スガ試験機株式会社製)を用いて測定したところ、92.4%であった。下記の通り調製した硫化パラジウムゾルを用いて下記の組成の下地層1の塗液を作製した。直径が60mm、斜線角度が45度、線数90線/インチ、溝深さ110μmの斜線グラビアロールを用い、リバース回転且つキスタッチで前記支持体上に下地層1の塗液を塗布・乾燥し、皮膜形成後に40℃の加温庫にて1週間加温した。
【0047】
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
5規定塩酸 48g
蒸留水 1000g
B液 硫化ナトリウム 8.6g
蒸留水 1000g
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
【0048】
<下地層1の塗液の組成/導電性材料前駆体の1m
2あたりの量>
ポリビニルアルコール 12mg
(株式会社クラレ製PVA217 鹸化度88%、重合度1700)
界面活性剤 12mg
(泰光油脂化学工業株式会社製タイポールNPS−436)
1規定水酸化ナトリウム 110mg
グルタルアルデヒド 18mg
硫化パラジウムゾル 0.4mg
【0049】
このようにして得られた下地層1上に、クレゾールノボラック樹脂及びナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを含有する感光性液状レジストを、前記した斜線グラビアロールを用いリバース回転且つキスタッチで塗布し、90℃で2分間乾燥して、乾燥膜厚が1.5μmのポジ型感光性レジスト層を設けることで、導電性材料前駆体1を得た。
【0050】
≪導電性材料前駆体2の作製≫
下地層1の塗液の作製において、ポリビニルアルコールとしてPVA217の代わりにPVA117(株式会社クラレ製 鹸化度99%、重合度1700)を用いた以外は導電性材料前駆体1の作製と同様にして、導電性材料前駆体2を得た。
【0051】
≪導電性材料前駆体3の作製≫
下地層1の塗液の作製において、ポリビニルアルコールとしてPVA217の代わりにカチオン変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製CM−318 鹸化度88%、重合度1800)を用いた以外は導電性材料前駆体1の作製と同様にして、導電性材料前駆体3を得た。
【0052】
≪導電性材料前駆体4の作製≫
下地層1の塗液の作製において、グルタルアルデヒドの代わりにグリオキザールを用いた以外は導電性材料前駆体1の作製と同様にして、導電性材料前駆体4を得た。
【0053】
≪導電性材料前駆体5の作製≫
下地層1の塗液の作製において用いた硫化パラジウムゾルの代わりに、下記の通り調製した硫化スズゾルを用いた以外は導電性材料前駆体1の作製と同様にして、導電性材料前駆体5を得た。
【0054】
<硫化スズゾルの調製>
A液 塩化スズ 5g
5規定塩酸 48g
蒸留水 1000g
B液 硫化ナトリウム 8.6g
蒸留水 1000g
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化スズゾルを得た。
【0055】
≪導電性材料前駆体6の作製≫
下地層1の塗液の作製において、グルタルアルデヒドの代わりにブチルアルデヒドを用いた以外は導電性材料前駆体1の作製と同様にして、導電性材料前駆体6を得た。
【0056】
≪導電性材料前駆体7の作製≫
下地層1の塗液の代わりに、下記の通り調製したパラジウムゾルを用いて下記の組成の下地層2の塗液を作製し、用いた以外は導電性材料前駆体1の作製と同様にして、導電性材料前駆体7を得た。
【0057】
<パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
5規定塩酸 25g
蒸留水 565g
B液 ポリビニルピロリドン 7.5g
(東京化成工業株式会社製K90)
1規定水酸化ナトリウム 250g
蒸留水 437.5g
C液 ホルムアルデヒド 5g
蒸留水 626g
B液をスターラーで撹拌し、A液とC液を同時にゆっくりと添加し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通しパラジウムゾルを得た。
【0058】
<下地層2の塗液/導電性材料前駆体の1m
2あたりの量>
ゼラチン 50mg
界面活性剤 12mg
(泰光油脂化学工業株式会社製タイポールNPS−436)
1規定水酸化ナトリウム 110mg
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩
5mg
パラジウムゾル 0.4mg
【0059】
≪導電性材料前駆体8の作製≫
下地層1の塗液の作製において用いた硫化パラジウムゾルの代わりに、前記下地層2の塗液を作製する際に用いたパラジウムゾルを用いた以外は、導電性材料前駆体1の作製と同様にして、導電性材料前駆体8を得た。
【0060】
≪導電性材料前駆体9の作製≫
下地層1の塗液の作製において用いた硫化パラジウムゾルの代わりに、下記の通り調製したスズゾルを用いた以外は導電性材料前駆体1の作製と同様にして、導電性材料前駆体9を得た。
【0061】
<スズゾルの調製>
A液 塩化スズ 5g
5規定塩酸 25g
蒸留水 565g
B液 ポリビニルピロリドン 7.5g
(東京化成工業株式会社製K90)
1規定水酸化ナトリウム 250g
蒸留水 437.5g
C液 ホルムアルデヒド 5g
蒸留水 626g
B液をスターラーで撹拌し、A液とC液を同時にゆっくりと添加し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通しスズゾルを得た。
【0062】
≪導電性材料前駆体10の作製≫
下地層1の塗液の作製において硫化パラジウムゾルを除いた以外は、導電性材料前駆体1の作製と同様にして、導電性材料前駆体10を得た。
【0063】
≪導電性材料前駆体11の作製≫
導電性材料前駆体1の作製で支持体として用いたポリエチレンテレフタレートフィルムを、1質量%の塩化パラジウム溶液に2分間浸漬して一旦乾燥して支持体とし、下地層は設けず、支持体上にポジ型感光性レジスト層を、導電性材料前駆体1の作製と同様にして設けて、導電性材料前駆体11を得た。
【0064】
≪導電性材料前駆体12の作製≫
導電性材料前駆体1の作製で支持体として用いたポリエチレンテレフタレートフィルムを、1質量%の塩化スズ溶液に2分間浸漬して一旦乾燥して支持体とし、下地層は設けず、支持体上にポジ型感光性レジスト層を、導電性材料前駆体1の作製と同様にして設けて、導電性材料前駆体12を得た。
【0065】
≪導電性材料前駆体13の作製≫
導電性材料前駆体1の作製で支持体として用いたポリエチレンテレフタレートフィルムに下地層は設けず直接、ポジ型感光性レジスト層を、導電性材料前駆体1の作製と同様にして設けて、導電性材料前駆体13を得た。
【0066】
<導電性材料の作製>
上記のようにして得られた導電性材料前駆体1〜13の各々について、感光性レジスト層表面に、線幅が3μm(透光部)、線間隔が300μm(遮光部)で、全体が正方形の格子パターン画像のマスク画像と、線幅が10μm(透光部)、線間隔が10μm(遮光部)で、平行に細線が並んだライン/スペース画像からなるマスク画像とを有するガラスマスクを真空密着させ、感光性レジスト層の感光域の波長を有する光(超高圧水銀灯)を集光し、コリメーターレンズを通して平行光露光を行った。露光後の導電性材料前駆体1〜13は各々、現像液として液温30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用い、現像液をシャワー方式にて感光性レジスト層に30秒間吹き掛けて現像し、レジスト画像を得た。なお露光量は、ライン/スペース画像部のレジスト画像で被覆されていない領域(下地層が露出している領域)の線幅が10μmになるように設定した。レジスト画像部の線幅は共焦点顕微鏡(Lasertec社製OPTELICS C130)で確認した。
【0067】
次に、各導電性材料前駆体の上記レジスト画像を有する側の面を脱イオン水で洗浄し、圧縮空気により脱イオン水を吹き飛ばした後、下記の通り調製したアンモニア性硝酸銀溶液と還元剤溶液を双頭スプレーガンにて、レジスト画像を有する側の面に同時に30秒間吹き付けて無電解銀めっきを行い、レジスト画像で被覆されていない下地層上に銀めっき層を形成した。その後、脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させた。双頭スプレーガンの吹き付け量は各々240ml/分であった。
【0068】
<アンモニア性硝酸銀溶液の調製>
D液 硝酸銀 20g
脱イオン水 1000g
E液 28質量%アンモニア水溶液 100g
モノエタノールアミン 5g
脱イオン水 1000g
D液とE液を1:1の質量比で混合し、アンモニア性硝酸銀溶液を得た。
【0069】
<還元剤溶液の調製>
硫酸ヒドラジン 10g
モノエタノールアミン 5g
水酸化ナトリウム 10g
これらを脱イオン水1000gに溶解し、還元剤溶液を得た。
【0070】
次に、各導電性材料前駆体のレジスト画像を有する側の面に、5質量%水酸化ナトリウム溶液をシャワー方式にて60秒間吹き掛けてレジスト画像を溶解除去し、水洗後、自然乾燥することで、格子パターンの銀画像とライン/スペースの銀画像からなる導電性パターンを有する導電性材料1〜10を得た。なお導電性材料前駆体11〜13を用いた場合においては、無電解銀めっきによる銀画像は得られなかった。
【0071】
<導電性パターンのシート抵抗値測定>
得られた導電性材料1〜10の格子パターン部のシート抵抗値を、ロレスターGP/ESPプローブ(株式会社ダイアインスツルメンツ製)を用いて、JIS K7194に従い測定した。結果を表1に示す。なお、導電性材料7〜10は、格子パターン部に銀画像は認められるものの、所々に断線や銀画像のムラが見られシート抵抗値が高すぎて、具体的な値が得られなかったため、表中に「測定不能」と記載した。なお、実使用上、シート抵抗値は50Ω/□以下であることが好ましい。
【0072】
<導電性パターンの全光線透過率測定>
得られた導電性材料1〜10の格子パターン部の全光線透過率を、ダブルビーム方式ヘーズコンピューター(スガ試験機株式会社製)を用いて測定した。結果を表1に示す。なお、実使用上、全光線透過率は80%以上であることが好ましい。
【0073】
<導電性パターンのめっき金属積層部の線幅と厚み測定>
得られた導電性材料1〜10のライン/スペース部から任意の5本のラインを選択し、これらの線幅と厚みを共焦点顕微鏡(Lasertec社製OPTELICS C130)にて測定した。得られた線幅の5本の平均値と、得られた各々のライン(N1〜N5)の細線の厚みを表1に示す。なお、線幅の平均値は、マスク画像の線幅である10μmに近いことが好ましく、細線の厚みは、導電性を発現するために十分であると共にバラツキが少ないことが好ましい。
【0074】
【表1】
【0075】
≪導電性材料前駆体14の作製≫
導電性材料前駆体1の作製において、下地層1の塗液の代わりに下記の組成の下地層3の塗液を作製し、用いた以外は導電性材料前駆体1の作製と同様にして、導電性材料前駆体14を得た。
【0076】
<下地層3の塗液の組成/導電性材料前駆体の1m
2あたりの量>
ポリビニルアルコール 12mg
(株式会社クラレ製PVA217 鹸化度88%、重合度1700)
ポリカーボネート系ウレタンポリマーラテックス 17.2mg(固形分6mg)
(DIC株式会社製ハイドランWLS210 平均粒径0.05μm)
界面活性剤 12mg
(泰光油脂化学工業株式会社製タイポールNPS−436)
1規定水酸化ナトリウム 110mg
グルタルアルデヒド 18mg
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
【0077】
≪導電性材料前駆体15の作製≫
下地層3の塗液の作製において、ポリカーボネート系ウレタンポリマーラテックスの代わりにポリエーテル系ウレタンポリマーラテックス(荒川化学工業株式会社製ユリアーノW600 平均粒径0.05μm)を固形分で6mg用いた以外は導電性材料前駆体14の作製と同様にして、導電性材料前駆体15を得た。
【0078】
≪導電性材料前駆体16の作製≫
下地層3の塗液の作製において、ポリカーボネート系ウレタンポリマーラテックスの代わりにポリエステル系ウレタンポリマーラテックス(第一工業製薬株式会社製スーパーフレックス500 平均粒径0.14μm)を固形分で6mg用いた以外は導電性材料前駆体14の作製と同様にして、導電性材料前駆体16を得た。
【0079】
≪導電性材料前駆体17の作製≫
下地層3の塗液の作製において、グルタルアルデヒドの代わりにグリオキザールを用いた以外は導電性材料前駆体14の作製と同様にして、導電性材料前駆体17を得た。
【0080】
≪導電性材料前駆体18の作製≫
下地層3の塗液の作製において、ポリビニルアルコールとしてPVA217の代わりにPVA117(株式会社クラレ製 鹸化度99%、重合度1700)を用いた以外は導電性材料前駆体14の作製と同様にして、導電性材料前駆体18を得た。
【0081】
≪導電性材料前駆体19の作製≫
下地層3の塗液の作製において用いた硫化パラジウムゾルの代わりに、前記の硫化スズゾルを用いた以外は導電性材料前駆体14の作製と同様にして、導電性材料前駆体19を得た。
【0082】
≪導電性材料前駆体20の作製≫
下地層3の塗液の代わりに下記の組成の下地層4の塗液を作製し、用いた以外は導電性材料前駆体14の作製と同様にして、導電性材料前駆体20を得た。
【0083】
<下地層4の塗液の組成/導電性材料前駆体の1m
2あたりの量>
ゼラチン 30mg
ポリカーボネート系ウレタンポリマーラテックス 17.2mg(固形分6mg)
(DIC株式会社製ハイドランWLS210 平均粒径0.05μm)
界面活性剤 12mg
(泰光油脂化学工業株式会社製タイポールNPS−436)
1規定水酸化ナトリウム 110mg
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩
5mg
硫化パラジウムゾル 0.4mg
【0084】
≪導電性材料前駆体21の作製≫
下地層4の塗液の作製においてポリカーボネート系ウレタンポリマーラテックスの代わりにアクリル系ラテックス(大同化成工業株式会社製ビニゾール1082 平均粒径0.10μm)を固形分で6mg用いた以外は、導電性材料前駆体20の作製と同様にして、導電性材料前駆体21を得た。
【0085】
≪導電性材料前駆体22の作製≫
下地層4の塗液の作製においてポリカーボネート系ウレタンポリマーラテックスの代わりにポリエステルラテックス(高松油脂株式会社製ペストレジンA115GE 平均粒径0.05μm)を固形分で6mg用いた以外は、導電性材料前駆体20の作製と同様にして、導電性材料前駆体22を得た。
【0086】
≪導電性材料前駆体23の作製≫
下地層4の塗液の作製においてポリカーボネート系ウレタンポリマーラテックスの代わりにポリ酢酸ビニルラテックス(大同化成工業株式会社製ビニゾール290 平均粒径0.5μm)を固形分で6mg用いた以外は、導電性材料前駆体20の作製と同様にして、導電性材料前駆体23を得た。
【0087】
≪導電性材料前駆体24の作製≫
下地層4の塗液の作製においてポリカーボネート系ウレタンポリマーラテックスを除いた以外は、導電性材料前駆体20の作製と同様にして、導電性材料前駆体24を得た。
【0088】
≪導電性材料前駆体25の作製≫
下地層4の塗液の作製において用いた硫化パラジウムゾルの代わりに、前記のパラジウムゾルを用いた以外は導電性材料前駆体20の作製と同様にして、導電性材料前駆体25を得た。
【0089】
≪導電性材料前駆体26の作製≫
下地層3の塗液の作製において硫化パラジウムゾルを除いた以外は、導電性材料前駆体14の作製と同様にして、導電性材料前駆体26を得た。
【0090】
<導電性材料の作製>
上記のようにして得られた導電性材料前駆体14〜26の各々について、感光性レジスト層表面に、線幅が10μm(透光部)、線間隔が300μm(遮光部)の格子パターン画像からなるマスク画像を有するガラスマスクを真空密着させ、感光性レジスト層の感光域の波長を有する光(超高圧水銀灯)を集光し、コリメーターレンズを通して平行光露光を行った。露光後の導電性材料前駆体14〜26は各々、現像液として液温30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用い、現像液をシャワー方式にて感光性レジスト層に30秒間吹き掛けて現像し、格子パターンのレジスト画像を得た。なお露光量は、格子パターン画像部のレジスト画像で被覆されていない領域(下地層が露出している領域)の線幅が10μmになるように設定した。レジスト画像部の線幅は共焦点顕微鏡(Lasertec社製OPTELICS C130)で確認した。
【0091】
なお導電性材料前駆体26については、上述の導電性材料前駆体14〜25と同様にしてレジスト画像を形成した後に、1質量%の塩化パラジウム溶液に2分間浸漬して一旦乾燥した。
【0092】
次に、各導電性材料前駆体の上記レジスト画像を有する側の面を脱イオン水で洗浄し、圧縮空気により脱イオン水を吹き飛ばした後、前記のアンモニア性硝酸銀溶液と前記の還元剤溶液を双頭スプレーガンにて、レジスト画像を有する側の面に同時に30秒間吹き付けて無電解銀めっきを行い、レジスト画像で被覆されていない下地層上に厚さ0.25μmの銀めっき層を形成した。その後、脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させた。双頭スプレーガンの吹き付け量は各々240ml/分であった。
【0093】
次に、各導電性材料前駆体のレジスト画像を有する側の面に、5質量%水酸化ナトリウム溶液をシャワー方式にて60秒間吹き掛けてレジスト画像を溶解除去し、水洗後、自然乾燥することで、導電性材料14〜26を得た。得られた導電性材料では各々、線幅が10μm、線間隔が300μmの格子パターンの銀画像からなる導電性パターンが得られた。
【0094】
<導電性パターンのシート抵抗値測定>
得られた導電性材料14〜26の格子パターン部のシート抵抗値を、ロレスターGP/ESPプローブ(株式会社ダイアインスツルメンツ製)を用いて、JIS K7194に従い測定した。結果を表2に示す。なお、実使用上、シート抵抗値は50Ω/□以下であることが好ましい。
【0095】
<導電性パターンの全光線透過率測定>
得られた導電性材料14〜26の格子パターン部の全光線透過率を、ダブルビーム方式ヘーズコンピューター(スガ試験機株式会社製)を用いて測定した。結果を表2に示す。なお、導電性材料26においては、銀画像のエッジ部分にレジスト画像の除去不良と見られる汚れが存在していた。なお、実使用上、全光線透過率は80%以上であることが好ましい。
【0096】
<導電性パターンの密着性の評価>
得られた導電性材料14〜26の格子パターン部に粘着テープ(積水化学工業株式会社製セキスイセロハンテープ(テープ規格JIS Z 1522))の12mm幅×5cmを貼り付け、馬楝で粘着テープを上から擦った後、剥離角度60°にてゆっくりとテープを剥がし、格子パターン部の銀画像を共焦点顕微鏡(Lasertec社製OPTELICS C130)にて観察した。銀画像に剥離した部分が無かったものを○、剥離した部分があったものを△として評価した。結果を表2に示す。なお、評価結果が△のものは他の部材との貼合時等において取り扱いに注意が必要であるが、実使用は可能である。
【0097】
【表2】
【0098】
以上の結果より本発明によれば、導電性パターンが線幅25μm以下の微細なパターンであっても、十分な全光線透過率を有した上で良好な導電性を有する導電性パターンを形成することができ、更には、形成した導電性パターンの密着性にも優れている導電性材料前駆体が得られることが判る。更に本発明によれば、無電解めっき時間が短時間であっても良好な導電性を有する導電性パターンの形成が可能であり、高い生産性にて導電性材料を製造することが可能であることが判る。