(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1及び
図2は実施形態に係るストリップ包装機の全体的な構成を示す図であり、
図1は平面図、
図2は側面図である。
図3〜
図5は実施形態に係るストリップ包装機の部分的な構成を示す図であり、
図3は充填シュートを示す正面一部断面図、
図4はシャッタ板を示す平面図、
図5は位置決め部を示す正面図である。
図6は実施形態に係るストリップ包装機の動作を示す側面断面図、
図7は実施形態に係る位置決めアームの動作を示す拡大図である。
図8は実施形態に係るストリップ包装体を示す図である。
【0019】
図1〜
図2に示すように、実施形態に係るストリップ包装機10は主として、一対のダイロール20a、20bと、充填シュート30と、位置決め装置50と、を備える。ストリップ包装機10により、錠剤T(物品)が充填されたストリップ包装体11が製造される。
【0020】
ストリップ包装体11は、フィルム材12a、12bを重ね合わせて構成される。フィルム材12a、12bは、シーラントフィルムを有する積層フィルムまたは単体フィルムからなる。
図8(a)(b)には、最終的な製品形態としての1ユニット分のストリップ包装体11’を示している。ストリップ包装機10により、このようなストリップ包装体11’が上下左右に連なった帯状のストリップ包装体11が製造される。図示しないが、ストリップ包装機10には、ストリップ包装体11を個々のストリップ包装体11’へと切断する切断装置やミシン目17を形成するミシン目装置が適宜付設される。
【0021】
図8(a)(b)に示すように、ストリップ包装体11’は、シール部14と、ポケット部15と、を備える。シール部14は、フィルム材12a、12bをヒートシールして形成される。ポケット部15は、フィルム材12a、12bをそれぞれ外方に膨張して成形することで設けられる。ポケット部15は正面視で正方形状をなし、上下左右に一定間隔で配置される。
各ポケット部15には、錠剤Tが1個ずつ充填される。錠剤Tは、やや厚みのある略円盤状に形成され、表裏面がフィルム材12a、12bに接するようにしてポケット部15内の略中央に挟持される。錠剤Tは一例であり、本発明に係る「物品」としては、この他に、例えば球状、円柱状、直方体状、角柱状、多面体状、板状等で比較的小さい固形物品が好ましく用いられる。
【0022】
ストリップ包装機10の構成について、具体的に説明する。
図1〜
図2に示すように、ダイロール20a、20bは、比較的大径の円筒状をなし、互いに同一形状に構成される。ダイロール20a、20bは、左右方向に水平に延びる回転軸22a、22bにより軸支される。ダイロール20a、20bは、フィルム材12a、12bを密着させて下方に送り出す。そのため、ダイロール20a、20bは、同一の高さに設けられ、ダイロール20a、20b間にフィルム材12a、12bを挟み込むことができるように前後に隣接して配設される。
ダイロール20a、20bは、同期して互いに逆向きとなる所定方向に連続又は間欠的に回転される。図示しないが、実施形態では、一方の回転軸22aにサーボモータ等の駆動源が接続され、他方の回転軸22bが、回転軸22aにギア等を介して係合される。
【0023】
図1〜
図2に示すように、ダイロール20a、20bの外周面には、多数の凹部25が設けられる。凹部25は、ストリップ包装体11(11’)のポケット部15に対応する形状と配置にて規則的に設けられる。対向する凹部25内で、フィルム材12a、12bを錠剤Tの形状に沿って窪ませることにより、ポケット部15が成形される。
ダイロール20a、20bの外周面における凹部25以外の箇所には、加熱面26が形成される。図示しないが、ダイロール20a、20bは、ヒーターが内蔵されて温度制御されるとともに、加熱面26には、細かな格子状のシール目が刻設されている。加熱面26を介してフィルム材12a、12bをヒートシールすることにより、ストリップ包装体11(11’)のシール部14が形成される。
【0024】
図1〜
図2に示すように、充填シュート30は、ダイロール20a、20b間の上方に配設される。充填シュート30は、左右横長で下方が窄まった箱状に構成される。充填シュート30は、落下通路32と、供給通路33と、シャッタ板34と、を備える。シャッタ板34のスライドにより、錠剤Tが1個ずつ落下通路32内を垂直に落下する。
【0025】
図3(a)〜(b)に示すように、落下通路32は、充填シュート30の下半部に設けられる。供給通路33は、シャッタ板34を挟んで、充填シュート30の上半部に設けられる。錠剤Tは、供給通路33内で上下1列に積み重ねられ、落下通路32に導入されるのを待機する。図示しないが、供給通路33の上端は、可撓性ホース等を介して、ホッパやフィーダに接続されており、錠剤Tが順次供給されるようになっている。
【0026】
図3(a)〜(b)に示すように、落下通路32及び供給通路33は、何れも垂直方向に延設され、錠剤Tが所定の立ち姿勢(錠剤Tの厚み方向が水平で、左右方向と直角をなす姿勢)でちょうど通過できるような断面構成を有する。そのため、落下通路32及び供給通路33は、平面視で錠剤Tよりも僅かに大きい矩形状に構成される。
落下通路32と供給通路33とは、左右方向に適宜の距離Aだけずらして配設される。実施形態では、ダイロール20a、20bの凹部25の配置に対応して、複数の落下通路32が左右一列に所定間隔で設けられ、一の落下通路32ごとに一の供給通路33が設けられる。落下通路32は、ダイロール20a、20b間の真上の位置に配設される。
落下通路32の前面には、垂直方向に延び、落下通路32と通じるスリット状の切欠溝38が形成される。切欠溝38は、落下通路32よりも幅狭で、下方が開口して構成される。また、落下通路32の下方の左右両側には、ダイロール20a、20bの外周面に僅かなクリアランスを介して臨む尖形部39が形成される。尖形部39は、錠剤Tの落下をヒートシールの寸前まで案内する役割を果たす。尖形部39により、錠剤Tの左右方向の位置ずれが確実に防止され得る。
【0027】
図3(a)〜(b)に示すように、シャッタ板34は、落下通路32と供給通路33の間に設けられる。シャッタ板34は、所定の厚みを有する左右横長の板状部材であり、図示しないスライド手段により左右方向に往復スライド可能に支持される。充填シュート30には、シャッタ板34を嵌め入れ可能で、且つ落下通路32及び供給通路33と連通する空間が設けられる。
図3(a)〜(b)及び
図4に示すように、シャッタ板34は、通過部41と、段差部42と、を備える。通過部41は、落下通路32及び供給通路33と平面視で同一の矩形状をなし、錠剤Tを所定の立ち姿勢のまま通過させることができる。段差部42は適宜の厚みを有し、通過部41と左右に連続して形成される。実施形態では、通過部41及び段差部42がシャッタ板34の正面側に切欠状に設けられる。また、落下通路32及び供給通路33に対応して、複数の通過部41が左右一列に所定間隔で設けられ、一の通過部41ごとに一の段差部42が設けられる。
【0028】
図3(a)〜(b)に示すように、シャッタ板34は、所定の距離Aだけ往復スライドする。
図3(a)に示すように、通過部41が供給通路33の真下に位置すると、落下通路32がシャッタ板34により閉鎖される。通過部41内には、供給通路33から供給される錠剤Tが1個だけ収容される。この状態から、
図3(b)に示すように、シャッタ板34のスライドにより、通過部41が落下通路32の真上の位置に移動すると、通過部41内の錠剤Tが落下通路32に導入される。供給通路33の下方には、段差部42が位置するようになっており、段差部42の上に、待機中の次の錠剤Tが一時載置される。このような構成により、シャッタ板34のスライドに伴う錠剤Tに対する衝撃が緩和され、錠剤Tの破損や損耗等を防止することができる。落下通路32の上端には、錠剤Tの導入を容易にするための傾斜面36が形成されている。
【0029】
図1〜
図2に示すように、位置決め装置50は、充填シュート30の前方に配設される。位置決め装置50は、位置決め部51と、揺動手段52と、を備える。
【0030】
図1〜
図2及び
図5に示すように、位置決め部51は、位置決めアーム54と、横架部55と、により構成される。位置決めアーム54は、細幅で薄厚の板状部材であり、本体部57と、突端部58と、屈曲部59と、を備える。突端部58は、平面視で落下通路32と略相似する矩形状をなし、先端にはごく狭小な平坦面からなる当接部61が設けられる。当接部61は、錠剤Tの形状に対応する湾曲面からなるものであってもよい。突端部58は、先細り形状の屈曲部59を介して本体部57と連なり、本体部57の斜め下方に設けられる。屈曲部59の下半部は、突端部58と同一の断面形状を有する。
実施形態では、充填シュート30の落下通路32の配置に対応して、複数の位置決めアーム54が左右一列に所定間隔で配設される。これにより、平面視でダイロール20a、20bの凹部25、充填シュート30の落下通路32、位置決めアーム54の当接部61の各中心線が一致するように構成されている。本体部57は、横架部55にネジ又はボルト等で固定され、位置決め部51は、正面視で略くし型の形状を呈する。
【0031】
揺動手段52は、シャッタ板34のスライドと連動して、位置決めアーム54の当接部61を揺動させる。実施形態の揺動手段52は、当接部61の水平を保ちながら揺動させるリンク機構からなる。リンク機構により、揺動手段52の構造が煩雑化するのを回避できる。
【0032】
図1〜
図2に示すように、揺動手段52は、第1リンク機構71と、第2リンク機構72と、を備える。第1リンク機構71は、横架部55を介して位置決めアーム54と連結され、揺動軸73の回動により、位置決めアーム54の当接部61に所定の揺動運動を行わせる両梃子機構からなる。第2リンク機構72は、第1リンク機構71と揺動軸73で連結され、揺動軸73を駆動させる梃子クランク機構からなる。
【0033】
図1〜
図2に示すように、第1リンク機構71は、揺動軸73と、原動部74と、媒介部75と、従動部76と、従動軸77と、を備える。揺動軸73と従動軸77、原動部74と従動部76は、それぞれ互いに同一形状に構成される。
揺動軸73及び従動軸77は、所定位置で上下に配設される。揺動軸73及び従動軸77は、左右方向に水平に延びるように設けられ、それぞれ回動自在に支持される。
原動部74、媒介部75、従動部76は、やや細長で所定長さを有する板状部材である。原動部74は、揺動軸73と直交するようにして、前端側が揺動軸73と一体に(相対回動不能に)固定される。従動部76は、従動軸77と直交するようにして、前端側が従動軸77と一体に(相対回動不能に)固定される。原動部74及び従動部76は、図示しない締め付け手段により固定され、好ましくは、それぞれ揺動軸73及び従動軸77に対して固定位置(固定角度)を変更自在に設けられる。従動部76は、原動部74の真下の位置に配設される。
媒介部75は、回動軸75a、75bを介して、両端側が原動部74及び従動部76の後端側とそれぞれ回動自在に連結される。原動部74及び従動部76の後半部は、媒介部75を嵌め入れ可能なように二股の形状を有する。媒介部75の連結により、原動部74と従動部76とは、側面視で互いに平行状態とされる。
実施形態では、
図1に示すように、原動部74、媒介部75、従動部76が、左右2箇所に対称に設けられる。左右の媒介部75の後端面には、横架部55の両端が固定される。媒介部75の後端面は垂直状態とされ、横架部55を介して位置決めアーム54の当接部61が水平(突端部58が垂直)となるように固定される。
【0034】
図1〜
図2に示すように、第2リンク機構72は、上記の揺動軸73を含み、この他に、揺動レバー81と、連結部82と、回転板83と、を備える。
揺動レバー81は、揺動軸73に直交するようにして、下端側が揺動軸73と一体に(相対回動不能に)固定される。揺動レバー81は、上記の原動部74から適宜の間隔を空けて配設され、原動部74とは異なる固定位置(固定角度)にて揺動軸73に固定される。揺動レバー81は、図示しない締め付け手段により固定され、好ましくは、揺動軸73に対して固定位置(固定角度)を変更自在に設けられる。
連結部82は、両端に揺動端部82aとクランク端部82bを有する棒状部材からなる。
回転板83は、揺動レバー81の前方に所定の間隔を空けて配設される。回転板83は、左右方向に水平に延びる回転駆動軸85の一端に同心状に固定され、一定方向に回転自在に支持される。図示しないが、回転駆動軸85には、サーボモータ等の駆動源が接続され、この一の駆動源により、回転板83の回転とシャッタ板34のスライドとが連動されるようになっている。
連結部82は、回動軸82cを介して、揺動端部82aが揺動レバー81の上端側と回動自在に連結され、回動軸82dを介して、クランク端部82bが回転板83と回動自在に連結される。連結部82は、その長手方向が揺動軸73と直角をなすようにして連結される。回動軸82dは、回転板83の中心から偏心して設けられる。実施形態では、連結部82がターンバックルにより構成されており、揺動端部82a及びクランク端部82bは所定のネジ手段を有する。
【0035】
次に、ストリップ包装機10を用いてストリップ包装体11を製造する方法について説明する。
【0036】
図6(a)〜(c)は、ストリップ包装機10の動作を時系列的に示している。
図6(a)〜(c)に示すように、ダイロール20a、20bは、所定速度で回転している。ダイロール20a、20bには、図示しないフィルムリールやテンションローラ等を介して、フィルム材12a、12bが別個に供給される。充填シュート30では、適時のタイミングでシャッタ板34がスライドし、落下通路32に錠剤Tが1個ずつ導入されて落下する。錠剤Tは、ダイロール20a、20b間を通る垂直な落下軌道87に沿って落下する。錠剤Tの落下に合わせて、位置決め装置50では、位置決めアーム54の当接部61が、錠剤Tの落下軌道87と接近及び離反するように揺動されている。
【0037】
図6(a)〜(c)に示すように、位置決め装置50の第2リンク機構72においては、回転板83が一定方向に連続回転している。回転板83に偏心して連結された連結部82のクランク端部82bは、所定の円軌道84に沿って回転運動を行う。クランク端部82bの回転により、連結部82の揺動端部82aに連結された揺動レバー81が揺動軸73廻りに所定の揺動角度θだけ往復揺動される。揺動レバー81の揺動に伴って、揺動軸73が回動されている。
揺動軸73の回動により、第1リンク機構71においては、原動部74が揺動軸73廻りに揺動角度θだけ往復揺動され、媒介部75を介して、従動部76が従動軸77廻りに揺動角度θだけ往復揺動される。原動部74及び従動部76は、互いに平行状態を保ちながら揺動される。媒介部75の後端面は、垂直状態を保ちながら揺動され、これにより、媒介部75に横架部55を介して固定された位置決めアーム54の当接部61が、水平を保ちながら揺動される。
図6(c)に示すように、位置決めアーム54の当接部61が最下端の位置に揺動されるとき、揺動レバー81は最も後方に傾斜し、原動部74及び従動部76は何れも水平状態となる。また、このとき当接部61は、平面視で落下通路32のちょうど中央に一致する位置にある。
【0038】
図7に示すように、位置決めアーム54の当接部61は、所定の揺動心88廻りを揺動角度θだけ往復揺動される。また、当接部61は、揺動心88を中心とする円弧状軌道91に沿って往復揺動される。実施形態では、錠剤Tの落下軌道87と当接部61の円弧状軌道91が、接点92で接するように構成される。落下軌道87及び円弧状軌道91は、それぞれ側面視で錠剤T及び当接部61の各中心部が描く経路に相当する。落下軌道87は、側面視で落下通路32の中心線に一致する。
位置決めアーム54の屈曲部59により、当接部61は落下軌道87に向けて突き出した形状とされる。また、当接部61は、所定の切欠溝38を介して、落下通路32内を出入りするようにされている。切欠溝38は、位置決めアーム54の当接部61及び突端部58、屈曲部59の揺動を妨害しないように構成されている。
【0039】
錠剤Tが落下通路32に導入されるとき、位置決めアーム54の当接部61は、おおむね最上端の位置にある(
図6(a))。錠剤Tの落下に伴って、当接部61は、上記の円弧状軌道91に沿って下降し、落下軌道87と接近しながら落下中の錠剤Tを追跡する(
図6(b))。
当接部61は、
図7に示すように、所定の高さ位置(当接開始位置93)で錠剤Tに追い着き、錠剤T上端との当接を開始する。錠剤Tに追い着いたのち、当接部61は、上記の円弧状軌道91に沿ってさらに下降し、錠剤Tを所定の変位量δだけ下方に押し込む。このとき、当接部61が水平を保ちながら揺動されていることから、錠剤Tに無理な力が加えられて錠剤Tが姿勢を崩すおれが低い。変位量δは、ごく微小な量に設定され得る。当接部61は、所定の高さ位置(当接終了位置94)まで錠剤Tを押し込むと、錠剤Tとの当接を終了する。
【0040】
実施形態では、錠剤T上端が当接開始位置93又は当接開始位置93よりも下方(但し当接終了位置94よりも上方)の位置に到達したとき、錠剤Tがフィルム材12a、12bに接触する。換言すれば、錠剤Tがフィルム材12a、12bに接触すると同時又は接触するよりも前に、錠剤T上端に当接部61が当接する。これにより、錠剤Tがフィルム材12a、12bに接触した際に滑ったり跳ねる等して位置が不安定になるのを確実に防止できる。
錠剤T上端が当接終了位置94に到達したときには、錠剤Tは正規の位置に位置決めされた状態にあり、フィルム材12a、12bにより位置ずれしない程度に下半部を挟持されている。また、当接開始位置93が、充填シュート30の尖形部39の尖端の高さ位置に略一致するとともに、当接終了位置94が、上記の接点92の高さ位置に略一致するように構成されている。
このようにして、錠剤Tは正規の位置に位置決めされた状態で、フィルム材12a、12bに成形される窪み(ポケット部15)に充填される。当接部61による錠剤Tの押し込み(位置決め)は、シール位置95よりも上方の位置で行われる。
【0041】
錠剤Tの押し込み(位置決め)が完了したとき、位置決めアーム54の当接部61は、最下端の位置にある(
図6(c))。このあと当接部61は、上記の円弧状軌道91に沿って上昇し、落下軌道87と離反しながら次の錠剤Tの落下に備える。ダイロール20a、20bの加熱面26は、所定温度に加熱されており、ダイロール20a、20bの回転に伴って、錠剤Tを充填されたフィルム材12a、12bがシール位置95で所定箇所(シール部14)をヒートシールされる。上記が繰り返されることにより、ダイロール20a、20b間の下方からストリップ包装体11が連続的に排出される。
なお、連結部82の長さを調節することにより、上記の変位量δや当接終了位置94の位置等を適宜変更することができる。実施形態では、連結部82がターンバックルにより構成されており、この変更を簡単に行える。
【0042】
ストリップ包装機10によれば、当接部61が設けられた位置決めアーム54及び揺動手段52等を備えた構成により、落下させた錠剤Tが、正規の位置から位置ずれした状態で充填されるのを防止することができる。しかも、当接部61が、錠剤Tの落下軌道87と接近及び離反するように揺動されることから、錠剤Tの落下が当接部61により邪魔されることがない。従来の自然落下方式のストリップ包装機では、位置ずれの発生を抑止するために、運転速度を非常に低速に制限する必要があったが、ストリップ包装機10であれば、そのような必要がなく、製造能力を格段に向上させることができる。
【0043】
また、揺動手段52が、所定の第1リンク機構71と第2リンク機構72とを備えることから、回転駆動軸85(回転板83)を回転駆動させるだけで、当接部61に所定の揺動運動を行わせることができ、当接部61の揺動と錠剤Tの落下(シャッタ板34のスライド)とを簡単に、且つ確実に同期させることができる。
【0044】
また、位置決めアーム54が、所定の屈曲部59を備えることから、当接部61を所定の円弧状軌道91に沿って揺動させ、錠剤Tを所定の当接開始位置93から当接終了位置94まで変位量δだけ下方に押し込むようにできる。これにより、錠剤Tが略真上の位置から下方に押し込まれ、押し込み時に姿勢を保持し易い。さらに、当接部61が、所定の切欠溝38を介して、落下通路32内を出入りするように構成されることから、当接部61を所定の円弧状軌道91に沿って揺動させることができる一方で、落下通路32をダイロール20a、20b間の近傍まで下方に延設することができる。これにより、錠剤Tの落下が安定し、位置決めを一層正確に行える。
【0045】
以上、本発明に係るストリップ包装機の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変更は本発明に含まれる。