(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266419
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】ポリマーの物性値算出装置、物性値算出方法及びコンピュータプログラム。
(51)【国際特許分類】
G01N 3/00 20060101AFI20180115BHJP
G06F 17/50 20060101ALI20180115BHJP
G06F 19/16 20110101ALI20180115BHJP
【FI】
G01N3/00 K
G06F17/50 638
G06F17/50 612A
G06F19/16
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-84748(P2014-84748)
(22)【出願日】2014年4月16日
(65)【公開番号】特開2015-203682(P2015-203682A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2016年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】日野 理
【審査官】
福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−338449(JP,A)
【文献】
特開2007−107968(JP,A)
【文献】
特開2013−069167(JP,A)
【文献】
特開2004−287812(JP,A)
【文献】
田崎 弘恭,シミュレーションによる高分子の粘弾性予測,CICSJ Bulletin Vol.17,No.6,1999年,27〜30頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/00
G06F 17/50
G06F 19/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子動力学計算用のポリマーモデルを用いて予め設定された解析条件下において分子動力学計算を行い、各粒子の座標及び速度の時系列データを算出する分子動力学計算実行部と、
前記時系列データに基づき各解析時間における応力データを算出する応力算出部と、
前記時系列データに基づき緩和弾性率を算出する緩和弾性率算出部と、
前記緩和弾性率に基づき複素弾性率を算出する粘弾性算出部と、を備え、
前記分子動力学計算用のポリマーモデルは、
コンピュータが読取り可能なデータであり、分子鎖を複数有するポリマーモデルデータであって、
各分子鎖は、所定ポテンシャルにおける平衡距離離れて一直線上に等間隔でならんだ複数の粒子を有するロッドを複数備え、各ロッドは、ロッドを構成する粒子の位置関係が固定された剛体として定義されていると共に、ロッドの端部同士が所定ポテンシャルで結合されている、ポリマーの物性値算出装置。
【請求項2】
コンピュータが実行する方法であって、
分子動力学計算用のポリマーモデルを用いて予め設定された解析条件下において分子動力学計算を行い、各粒子の座標及び速度の時系列データを算出するステップと、
前記時系列データに基づき各解析時間における応力データを算出するステップと、
前記時系列データに基づき緩和弾性率を算出するステップと、
前記緩和弾性率に基づき複素弾性率を算出するステップと、を含み、
前記分子動力学計算用のポリマーモデルは、
コンピュータが読取り可能なデータであり、分子鎖を複数有するポリマーモデルデータであって、
各分子鎖は、所定ポテンシャルにおける平衡距離離れて一直線上に等間隔でならんだ複数の粒子を有するロッドを複数備え、各ロッドは、ロッドを構成する粒子の位置関係が固定された剛体として定義されていると共に、ロッドの端部同士が所定ポテンシャルで結合されている、ポリマーの物性値算出方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分子動力学計算により緩和弾性率、複素弾性率などの物性値を算出するために用いられる分子動力学計算用のポリマーモデル、ポリマーの物性値算出装置、物性値算出方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー系の物性計算、特に複素弾性率等の粘弾性を計算するにあたり、従来では、非特許文献1及び2に示されるように、Kremer-Grestモデル(ビーズスプリングモデル)を用いて分子動力学計算を行うことが知られている。当該Kremer-Grestモデルは、低分子量のポリマー系の粘弾性を適切に再現することができる点で有用である。このモデルでは、分子鎖を構成する各粒子間にボンドのバネポテンシャル「Finitely extensible nonlinear elastic (FENE) potential」を設定したものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】"Linear Viscoelasticity from Molecular Dynamics Simulation of Entangled Polymers",Alexei E. Likhtman, Sathish K. Sukumaran, and Jorge Ramirez,American Chemical Society Macromolecules 2007, 40, 6748-6757,Published on Web 08/14/2007.
【非特許文献2】"Dynamics of entangled linear polymer melts: A molecular-dynamics simulation",Kurt Kremer, Gary S. Grest,J. Chem. Phys., Vol.92,No.8, 15 April 1990.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゴム材料のシミュレーションにおいては、高分子量のポリマー系が使用されるために、粘弾性、特に貯蔵弾性率にプラトー領域を有することが必須である。しかしながら、上記従来のモデルでは、ビーズスプリングモデルであるので粒子が比較的自由に動け、立体障害が生じにくい。従来のモデルを用いてプラトー領域を計算で再現するためには、モデルの粒子数を膨大にしなければならず、当然ながら粒子数が増えれば、長時間の計算が必要となり、非実用的である。
【0005】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、その目的は、モデルの粒子数が少なくても、分子動力学計算によりプラトー領域を再現可能な分子動力学計算用のポリマーモデル、ポリマーの物性値算出装置、物性値算出方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、次のような手段を講じている。
【0007】
すなわち、本発明の分子動力学計算用のポリマーモデルは、コンピュータが読取り可能なデータであり、分子鎖を複数有するポリマーモデルデータであって、各分子鎖は、所定ポテンシャルにおける平衡距離離れて一直線上に等間隔でならんだ複数の粒子を有するロッドを複数備え、各ロッドは、ロッドを構成する粒子の位置関係が固定された剛体として定義されていると共に、ロッドの端部同士が所定ポテンシャルで結合されていることを特徴とする。
【0008】
このように、1つのロッドは、粒子同士の位置関係が固定された剛体であるので、分子鎖の可動部は、ロッドを所定ポテンシャルで結合した部分のみとなる。その結果、粒子の自由度が減り、分子鎖間の立体障害が生じ、絡み合い効果が顕著になり、緩和が遅くなり、少ない粒子数であってもプラトー領域を再現することが可能となる
【0009】
ポリマーの物性値算出装置の具体的な装置構成は、上記分子動力学計算用のポリマーモデルを用いて予め設定された解析条件下において分子動力学計算を行い、各粒子の座標及び速度の時系列データを算出する分子動力学計算実行部と、前記時系列データに基づき各解析時間における応力データを算出する応力算出部と、前記時系列データに基づき緩和弾性率を算出する緩和弾性率算出部と、前記緩和弾性率に基づき複素弾性率を算出する粘弾性算出部と、を備えることが挙げられる。
【0010】
ポリマーの物性値算出方法の具体的なステップの構成は、コンピュータが実行する方法であって、上記分子動力学計算用のポリマーモデルを用いて予め設定された解析条件下において分子動力学計算を行い、各粒子の座標及び速度の時系列データを算出するステップと、前記時系列データに基づき各解析時間における応力データを算出するステップと、前記時系列データに基づき緩和弾性率を算出するステップと、前記緩和弾性率に基づき複素弾性率を算出するステップと、を含むことが挙げられる。
【0011】
本発明は、上記方法を構成するステップをコンピュータに実行させるプログラムとして特定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のポリマーの物性値算出装置を示すブロック図。
【
図2】本発明の分子動力学計算用のポリマーモデルを示す図。
【
図3】本発明の装置で実行される物性値算出処理ルーチンを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0014】
[ポリマーモデル]
本実施形態の分子動力学用のポリマーモデルは、コンピュータに読取り可能なデータであり、
図2に示すように、分子鎖2を複数有するポリマーモデルデータである。各分子鎖2は、所定ポテンシャルにおける平衡距離離れて一直線上に等間隔にならんだ複数の粒子21を有するロッド20を複数備える。各ロッド20は、ロッド20を構成する粒子21の位置関係が固定された剛体として定義されていると共に、ロッド20の端部同士が所定ポテンシャルUで結合されている。ロッド同士を結合する所定ポテンシャルはロッドの位置関係の変更を許容するポテンシャルである。
【0015】
これにより、1つのロッド20は、粒子21同士の位置関係が固定された剛体であるので、分子鎖2の可動部は、ロッド20を所定ポテンシャルUで結合した部分のみとなる。その結果、粒子の自由度が減り、分子鎖間の立体障害が大きくなり、絡み合い効果が顕著になる。
【0016】
本実施形態では、粒子21の結合ポテンシャルには、FENE(Finitely extensible nonlinear elastic)ポテンシャルを使用している。このポテンシャルは、次の式(1)で表される。
【数1】
kはバネ乗数であり、R
0は最大伸びきり長である。
【0017】
粒子21間の非結合ポテンシャルには、斥力項のみのレナード・ジョーンズポテンシャルを使用している。このポテンシャルは、次の式(2)で表される。
【数2】
σはレナード・ジョーンズ半径であり、εは相互作用の大きさを表すパラメータである。
【0018】
上記ロッド20同士の結合には、FENEポテンシャルを用いている。なお、所定ポテンシャルとしては、本実施形態の例に限定されず、適宜変更可能である。
【0019】
[ポリマーの物性値算出装置]
本実施形態の装置は、上記ポリマーモデルを用いて、粘弾性(複素弾性率)などの物性値を算出する装置である。
【0020】
図1に示すように、装置1は、設定部10と、分子動力学計算実行部11と、応力算出部12と、緩和弾性率算出部13と、粘弾性算出部14と、を有する。これら各部10〜14は、CPU、メモリ、各種インターフェイス等を備えたパソコン等の情報処理装置において予め記憶されている
図3に示す物性値算出処理ルーチンをCPUが実行することによりソフトウェア及びハードウェアが協働して実現される。
【0021】
図1に示す設定部10は、キーボードやマウス等の既知の操作部を介してユーザからの操作を受け付け、
図2に示すポリマーモデルに関する情報の設定、温度・体積などの分子動力学計算に用いる各種解析条件の設定を実行し、これらをメモリに記憶する。
【0022】
図1に示す分子動力学計算実行部11は、
図2に示す分子動力学計算用のポリマーモデルを用いて予め設定された解析条件下において分子動力学計算を行い、各粒子の座標及び速度の時系列データを算出する。具体的には、ランジュバン動力学のアルゴリズムによる定温における分子動力学計算を行う。ランジュバン動力学の運動方程式は、次の式(3)、(4)で表される。
【数3】
δ
jiはクロネッカーのδ記号、δ(t−t’)はディラックのδ関数、k
Bはボルツマン定数、Tは温度[K]であり、Γは摩擦係数である。
【0023】
図1に示す応力算出部12は、分子動力学計算実行部11の算出結果(時系列データ)を用いて、各解析時間における応力データを算出する。具体的には、解析上の各時刻における応力テンソルを算出する。
【0024】
図1に示す緩和弾性率算出部13は、分子動力学計算実行部11の算出結果(時系列データ)に基づき緩和弾性率を算出する。具体的には、時系列データから、せん断応力テンソルの自己相関関数を計算し、式(5)に示すグリーン・久保公式に代入して緩和弾性率Gを算出する。
【数4】
P
0は平衡分布密度であり、P
xy(t)は時刻tのせん断応力テンソル、Vは体積である。
【0025】
図1に示す粘弾性算出部14は、緩和弾性率算出部13が算出した緩和弾性率G(t)に基づき複素弾性率を算出する。具体的には、次の式(6)に示すように、緩和弾性率の片側フーリエ変換を行い、粘弾性(複素弾性率)を算出する。
【数5】
【0026】
[ポリマーの物性値算出方法]
上記装置1を用いてポリマーの物性値を算出する方法について説明する。
【0027】
まず、ステップST1(
図3参照)において、
図1に示す分子動力学計算実行部11は、メモリに記憶されている
図2に示すポリマーモデルデータを読み込む。次のステップST2において、分子動力学計算実行部11は、上記ポリマーモデルを用いて予め設定された解析条件下において分子動力学計算を行い、各粒子の座標及び速度の時系列データを算出する。次のステップST3において、応力算出部12は、時系列データに基づき各解析時間における応力データを算出する。次のステップST4において、緩和弾性率算出部13は、時系列データに基づき緩和弾性率を算出する。次のステップST5において、粘弾性算出部14は、緩和弾性率に基づき複素弾性率を算出する。
【0028】
上記装置及び方法の有効性を確認するために、次に述べるポリマーモデルを生成し、当該ポリマーモデルを用いて分子動力学計算、応力計算、緩和弾性率の算出、複素弾性率(貯蔵弾性率、損失弾性率、損失正接)の算出を行った。結果を図として示す。
【0029】
実施例1
FENEポテンシャルの平衡距離で一直線上に等間隔にならんだ3つの粒子を剛体(ロッド)として定義し、そのロッドを133個にした。各ロッドの端部をFENEポテンシャルで結合した分子鎖2を50本作成し、ポリマーモデルとした。当該ポリマーモデルを用いて粘弾性計算を行ったところ、120CPUで約3.8日の計算コストを必要とした。なお、解析上の時間は、レナード・ジョーンズ単位系における10
7τステップとした。粒子数は、3×133×50=19950個である。
結果を
図4(a)として示す。図中において円で示す貯蔵弾性率に横ばいとなるプラトー領域が生じている。これにより、本発明のモデル、算出装置及び方法で、プラトー領域を有するゴム材料を低計算コストで再現できている。
【0030】
比較例1
従来のモデルを用い、399個のモノマー粒子をFENEポテンシャルで結合した分子鎖を50本作成し、ポリマーモデルとした。当該ポリマーモデルを用いて粘弾性計算を行ったところ、120CPUで約3.2日の計算コストを必要とした。解析上の時間は実施例1と同じにした。粒子数は、399×50=19950個であり、実施例1と同じである。
結果を
図4(b)に示す。図中において円で示す貯蔵弾性率に横ばいとなるプラトー領域が存在していない。この状態では粘性がある液体のような物体を再現できているといえるが、ゴム材料を再現できているとはいえない。
【0031】
比較例2
比較例1の粒子数を増やした例である。具体的には、1500個のモノマー粒子をFENEポテンシャルで結合した分子鎖を200本作成し、ポリマーモデルとした。当該ポリマーモデルを用いて粘弾性計算を行ったところ、120CPUで約19.2日の計算コストを必要とした。解析上の時間は実施例1と同じにした。粒子数は、1500×200=300000個であり、実施例1に比べて膨大な数となった。
結果を
図4(c)に示す。図中において円で示す貯蔵弾性率に横ばいとなるプラトー領域が出現したが、その勾配が実施例1よりも大きい。実施例1よりは液体に近い物体となる。この結果から実施例1と同じ精度のプラトー領域を得るためには、更に粒子数を増やす必要があることが分かる。
【0032】
実施例1、比較例1,2の結果より、本発明のモデル、物性値算出装置及び物性値算出方法によれば、少ない粒子数及び少ない計算コストで、プラトー領域を有する材料(例えばゴム)を適切に再現できることがわかる。
【0033】
以上のように、本実施形態の分子動力学計算用のポリマーモデルは、コンピュータに読取り可能なデータであり、分子鎖2を複数有するポリマーモデルデータであって、各分子鎖2は、所定ポテンシャルにおける平衡距離離れて一直線上に等間隔でならんだ複数の粒子21を有するロッド20を複数備え、各ロッド20は、ロッド20を構成する粒子21の位置関係が固定された剛体として定義されていると共に、ロッド20の端部同士が所定ポテンシャルUで結合されている。
【0034】
ロッド同士を結合する所定ポテンシャルはロッドの位置関係の変更を許容するポテンシャルである。
【0035】
本実施形態のポリマーの物性値算出装置は、上記分子動力学計算用のポリマーモデルを用いて予め設定された解析条件下において分子動力学計算を行い、各粒子の座標及び速度の時系列データを算出する分子動力学計算実行部11と、時系列データに基づき各解析時間における応力データを算出する応力算出部12と、時系列データに基づき緩和弾性率を算出する緩和弾性率算出部13と、緩和弾性率に基づき複素弾性率を算出する粘弾性算出部14と、を備える。
【0036】
本実施形態のポリマーの物性値算出方法は、コンピュータが実行する方法であって、上記分子動力学計算用のポリマーモデルを用いて予め設定された解析条件下において分子動力学計算を行い、各粒子の座標及び速度の時系列データを算出するステップ(ST2)と、時系列データに基づき各解析時間における応力データを算出するステップ(ST3)と、時系列データに基づき緩和弾性率を算出するステップ(ST4)と、緩和弾性率に基づき複素弾性率を算出するステップ(ST5)と、を含む。
【0037】
このように、1つのロッド20は、粒子21同士の位置関係が固定された剛体であるので、分子鎖2の可動部は、ロッド20を所定ポテンシャルUで結合した部分のみとなる。その結果、粒子の自由度が減り、分子鎖間の立体障害が生じ、絡み合い効果が顕著になり、緩和が遅くなり、少ない粒子数であってもプラトー領域を再現することが可能となる。
【0038】
本実施形態に係るコンピュータプログラムは、上記方法を構成する各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。このプログラムを実行することによっても、上記方法の奏する作用効果を得ることが可能となる。言い換えると、上記方法を使用しているとも言える。
【0039】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0040】
例えば、
図1に示す各部10〜14は、所定プログラムをコンピュータのCPUで実行することで実現しているが、各部を専用メモリや専用回路で構成してもよい。
【0041】
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0042】
11…分子動力学計算実行部
12…応力算出部
13…緩和弾性率算出部
14…粘弾性算出部
2…分子鎖
20…ロッド
21…粒子