(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は第1の実施の形態に関する画像形成装置の構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、ユーザインターフェイスである表示入力部1、表示入力部1と接続され表示入力部1を制御する表示入力制御部4を有する。表示入力制御部4は、画像形成装置100の装置状態及び表示言語等の設定を表示・変更可能とする。更に、画像形成装置100は、図示しない用紙に画像を形成する画像形成部15、表示入力制御部4を制御し画像形成装置100の機能を実現するメイン制御部10から構成される。メイン制御部10は、画像形成部15及び前記表示入力制御部4と接続される。
【0010】
表示入力部1は、ユーザからの要求を受付ける入力部2、画像形成装置100の装置状態及び表示言語によるメニュー設定情報をユーザへ表示する表示部3から構成される。表示入力制御部4は、メニュー表示データとしてのメニュー文字列を格納した後述するメニュー表示情報格納部6、メニュー表示用のフォントを格納した表示用フォント7、現在の設定値を保持するメニュー設定記録部8、及びこれらを利用してユーザに対してメニュー設定情報の表示と更新を可能とするメニュー制御部5がある。
【0011】
メニュー制御部5は、メニュー表示情報格納部6、表示用フォント7及びメニュー設定記録部8と接続され後述するメニュー設定処理を実行する。メニュー設定記録部8はユーザにより設定が変更された場合に変更された設定値を特定するためこれを保持する。また、メニュー設定記録部8は、メニュー制御部5によって表示言語として設定される表示言語設定情報を特定するためこれを保持する。メニュー設定記録部8が保持する表示に関する表示言語設定情報は、例えば、英語及び日本語である。
【0012】
メイン制御部10は、メニュー設定情報の印刷のためメニュー文字列を格納した後述するメニュー印刷情報格納部12、メニュー印刷用のフォントである英語印刷用フォント13及び日本語印刷用フォント14を有する。更に、メイン制御部10は、英語印刷用フォント13及び日本語印刷用フォント14に基づいてメニュー設定情報の印刷データを生成するメニュー印刷データ生成手段としてのメニュー印刷データ生成部11を有する。また、メニュー印刷データ生成部11はメニュー印刷情報格納部12、メニュー設定記録部8、英語印刷用フォント13及び日本語印刷用フォント14と接続される。メニュー印刷データ生成部11により生成されたメニュー設定情報の印刷データは前記画像形成部15に送られ、用紙に印刷される。
【0013】
メニュー設定記録部8は、前述のようにユーザにより設定が変更された場合に変更された設定値を特定するためこれを保持する。また、メニュー設定記録部8は、メニュー印刷データ生成部11によって印刷言語として設定される印刷言語設定情報も特定するためこれを保持する。メニュー設定記録部8が保持する印刷に関する印刷言語設定情報は、例えば、英語、日本語及び後述するヘボン式ローマ字である。よって、メニュー設定記録部8はメニュー設定情報を印刷するのに使用される言語を特定する言語特定手段として機能する。英語印刷用フォント13は、言語特定手段としてのメニュー設定記録部8によって英語又はヘボン式ローマ字が特定されたとき、これに対応することになる。日本語印刷用フォント14は、言語特定手段としてのメニュー設定記録部8によって日本語が特定されたとき、これに対応することになる。
【0014】
英語印刷用フォント13には、A、B、C・・・からなるローマ字の大文字及び小文字からなるフォントが格納され、これによって英語を印刷することが可能になる。また、日本語印刷用フォント14には漢字、ひらがな、カタカナからなるフォントが格納され、これによって日本語を印刷することが可能になる。また、後述するヘボン式ローマ字は、日本語の発音をローマ字で表記するためのルールに基づくものである。従って、その文字はA、B、C・・・からなるローマ字からなる。例えば「YOUSHI NO SETTEI」(英語ではPaper Setup)である。
なお、画像形成装置100は、日本語印刷用フォント14が存在しない場合があるものとする。また、前記表示用フォント7には図示しない英語表示用フォント及び日本語表示用フォントの両者が格納されているものとする。
【0015】
本実施の形態は、言語特定手段としてのメニュー設定記録部8によって特定された言語が日本語であるにもかかわらず、日本語印刷用フォント14が存在しない場合、日本語印刷用フォント14に対応する日本語とは異なる他の言語、即ち英語に対応する英語印刷用フォント13にもとづいてメニュー設定情報の印刷データを生成する。具体的にはヘボン式ローマ字によって印刷データを作成する。
【0016】
図2は、第1の実施の形態における表示入力部の外観図である。表示入力部1においてメニュー設定が実行されている画面を示す。表示入力部1は、ユーザに装置状態やメニュー設定情報を表示する表示部3及びユーザからの要求を受付ける入力部2から構成される。表示部3には、表示される内容のタイトル表示20、メニュー項目21(以後、アイテム21という)及びアイテム21に対する設定値22(以後、セレクション22という)が表示される。入力部2は、ユーザの要求を入力するために、複数のテンキー、矢印キー及び決定キーを有する。詳細は図示を省略する。
【0017】
メニュー設定情報は、画像形成装置100に関してユーザが設定した各種設定情報である。例えば用紙関係では、用紙サイズ、用紙種類、用紙厚等がある。メニュー設定情報は、ユーザの操作によって、表示部3に表示することが可能であり、また画像形成部15により用紙に印刷することも可能である。メニュー設定情報は英語又は日本語で表示又は印刷される。
【0018】
本実施の形態では、表示部3に表示するメニュー設定情報はメニュー表示情報格納部6に格納され、一方、画像形成部15により印刷するメニュー設定情報はメニュー印刷情報格納部12に格納される。メニュー印刷情報格納部12は、英語及び日本語によるメニュー設定情報とともに、英語の文字を使用して日本語の発音を表記したヘボン式ローマ字を用いた所定の単語によるメニュー設定情報を有する。
【0019】
図3は、第1の実施の形態に関するメニュー表示情報格納部の構成を示した説明図である。メニュー表示情報格納部6は、メニューとして表示するアイテム/セレクションを一意に定義したメニュー文字列ID情報を格納するメニュー文字列ID情報欄31と、メニュー文字列ID情報に対応する英語及び日本語(カナ)に相当するメニュー表示文字列情報を格納するメニュー表示文字列情報欄32から構成される。更に、メニュー表示文字列情報欄32は「Paper Setup」等を格納した英語欄33と、「ヨウシ セッテイ」等を格納した日本語(カナ)欄34からなる。
【0020】
一方、
図4は第1の実施の形態に関するメニュー印刷情報格納部の構成を示した説明図である。メニュー印刷情報格納部12は、前記メニュー文字列ID情報を格納するメニュー文字列ID情報欄31と、メニュー文字列ID情報に対応する英語、ヘボン式ローマ字及び日本語(漢字)に相当するメニュー印刷文字列情報を格納するメニュー印刷文字列情報欄35から構成される。メニュー印刷文字列情報欄35は、「Paper Setup」等を格納した英語欄33と、「YOUSHI NO SETTEI」等を格納したヘボン式ローマ字欄36及び「用紙設定」等を格納した日本語欄37からなる。
【0021】
次に、動作について説明する。まず、
図5を用いて第1の実施の形態に関するメニュー設定処理について説明する。
図5は第1の実施の形態に関するメニュー制御部におけるメニュー設定処理を示すフローチャートである。
S101:表示入力制御部4は、ユーザによる入力部2を介したメニュー設定画面の表示の要求を受けると、メニュー制御部5に対してメニュー設定処理を実行するよう指示する。メニュー設定処理を指示されたメニュー制御部5は、後述するように表示するアイテム21を決定して、そのアイテム21に該当するセレクション22を決定するために、まずメニュー設定記録部8から現在の設定値を読み出す。
【0022】
S102:メニュー制御部5は、読出した設定値をもとに表示するアイテム21とセレクション22のメニュー文字列ID(前記メニュー文字列ID情報欄31参照)を決定する。例えば、表示するアイテム21のメニュー文字列IDが「ITEM_PAPER_SIZE_CHR_ID」(前記メニュー文字列ID情報欄31参照)とし、セレクション22のメニュー文字列IDが「SELECTION_A4_CHR_ID」と決定したとする。
【0023】
S103:メニュー制御部5は、決定したメニュー文字列IDをもとにメニュー表示情報格納部6からメニュー表示文字列情報欄32における該当するアイテム21とセレクション22の文字列を生成する。例えば、アイテム21についての文字列は、英語欄33からは「Paper Size」が生成され、日本語(カナ)欄34からは「ヨウシ サイズ」が生成される(
図3参照)。また、セレクション22についての文字列は、英語欄33及び日本語(カナ)欄34ともに「A4」が生成される。
【0024】
S104:表示入力制御部4は、表示部3に対して、生成した文字列を現在の設定値として表示するよう指示する。
S105:表示入力制御部4は、入力部2に対してユーザからの入力指示を監視するよう指示する。即ち、表示入力制御部4は、入力指示待ちとなる。
S106:その後、表示入力制御部4は、入力部2からユーザの入力指示を受けたことを認識すると、その入力指示がどのような要求であったかを判断する。その要求が、次のアイテム21の表示要求であるときは、ステップ107へ移行し、そうでないときはステップ108へ移行する。
【0025】
S107:その要求が、次のアイテム21の表示要求であるときは、表示入力制御部4は、入力部2に対して、表示するアイテム21を次に進めるよう指示する。そして、ステップ101へ戻る。
S108:ステップ106において認識した要求が次のアイテム表示要求でない場合、表示入力制御部4は、ステップ105における入力部2からのユーザの入力指示が、次のセレクション22の表示要求であるかどうか判断する。
S109:ステップ108において、次のセレクション表示要求であった場合、表示入力制御部4は、入力部2に対して、表示するセレクション22を次に進めるよう指示する。そして、ステップ103へ移行する。
【0026】
S110:ステップ108において、入力部2からのユーザの入力指示が次のセレクション表示要求でない場合、表示入力制御部4は、表示しているセレクション22への設定値の変更かどうか判断する。
S111:表示しているセレクション22への設定値の変更の場合、表示入力制御部4はメニュー制御部5に対し、メニュー設定記録部8の内容について表示しているセレクション22に相当する設定値に更新するよう指示する。そして、ステップ103へ移行する。
S112:表示入力制御部4は、ステップ105における入力部2からのユーザの入力指示による要求が、終了であるかどうか判断する。終了であるときは本処理を終了する。それ以外のときは、何もせずユーザからの入力指示を監視するステップ105に戻る。
【0027】
次に、
図6により、表示部3にメニューを表示するためのメニュー表示文字列生成処理(S103)を説明する。
図6は第1の実施の形態に関するメニュー設定処理におけるメニュー表示文字列生成処理を示すフローチャートである。
S120:前記ステップ103におけるメニュー表示文字列の生成処理において、メニュー制御部5は、言語特定手段としてのメニュー設定記録部8に対し、英語又は日本語からなる表示言語として設定されている前記表示言語設定情報を読み出すよう指示する。
【0028】
S121:メニュー制御部5は、表示言語設定情報が日本語であるかどうか判断する。
S122:表示言語設定情報が日本語でない場合は、メニュー制御部5は、表示部3に表示するメニュー表示文字列情報(メニュー表示文字列情報欄32参照)を英語に設定する。
S123:表示言語設定情報が日本語であった場合は、メニュー制御部5は、表示部3に表示するメニュー表示文字列情報(メニュー表示文字列情報欄32参照)を日本語に設定する。
【0029】
S124:その後、メニュー制御部5は、メニュー文字列ID情報欄31のメニュー文字列IDと、ステップ122又は123により決定された英語又は日本語からなる前記メニュー表示文字列情報をもとに、メニュー表示文字列情報格納部6の該当する英語欄33又は日本語欄34のメニュー表示文字列を決定する。更に、メニュー制御部5は、メニュー表示用のフォントを格納した表示用フォント7からメニュー表示データを生成する。
【0030】
次に、
図7を用いて画像形成部15にてメニュー印刷を行うためのメニュー印刷処理について説明する。
図7は第1の実施の形態に関する画像形成装置のメイン制御部におけるメニュー印刷処理を示すフローチャートである。
S201:メイン制御部10はユーザからメニュー印刷指示を受けると、メニュー印刷データ生成部11に対して、メニュー設定情報の印刷データを生成するよう指示する。
【0031】
S202:その後、メニュー印刷データ生成部11からメニュー設定情報の印刷データが生成されると、メイン制御部10は画像形成部15に対して印刷を行うよう指示する。印刷指示された画像形成部15は、渡されたメニュー設定情報の印刷データを用紙に印刷する。
【0032】
次に、
図8を用いてメニュー印刷データ生成部11におけるメニュー印刷データ生成処理(S201)を説明する。
図8は第1の実施の形態に関するメニュー印刷データ生成部におけるメニュー印刷データ生成処理を示すフローチャートである。
S301:ステップ201におけるメニュー設定情報の印刷データ生成処理において、メニュー印刷データ生成部11は、言語特定手段としてのメニュー設定記録部8に対し、前記表示言語設定情報を読み出すよう指示する。
【0033】
S302:メニュー印刷データ生成部11は、表示言語設定情報が日本語であるかどうか判断する。
S303:表示言語設定情報が日本語でない場合は、メニュー印刷データ生成部11は、メニュー印刷文字列情報(メニュー印刷文字列情報欄35参照)を英語に設定する。
S304:表示言語設定情報が日本語であった場合は、メニュー印刷データ生成部11は、画像形成装置100に日本語印刷用フォント14が実装されているかどうかを確認する。
【0034】
S305:画像形成装置100に日本語印刷用フォント14が実装されていた場合はステップ306へ移行し、日本語印刷用フォント14が実装されていない場合はステップ307へ移行する。
S306:画像形成装置100に日本語印刷用フォント14が実装されていた場合、メニュー印刷データ生成部11は、メニュー印刷文字列情報を漢字に設定する。
S307:画像形成装置100に日本語印刷用フォント14が実装されていない場合、メニュー印刷データ生成部11は、メニュー印刷文字列情報をヘボン式ローマ字に設定する。
【0035】
S308:メニュー印刷データ生成部11は、印刷データを生成しようとするアイテム21に該当するセレクション22を決定するため、現在の設定値をメニュー設定記録部8から読み出す。
S309:メニュー印刷データ生成部11は、読み出した設定値をもとに印刷データを生成するアイテム21とセレクション22のメニュー文字IDを決定する。
S310:メニュー印刷データ生成部11は、決定したメニュー文字IDと決定された前記メニュー印刷文字列情報をもとにメニュー印刷情報格納部12から該当するアイテム21とセレクション22の文字列を決定し、英語印刷用フォント13又は日本語印刷用フォント14に基づいて印刷データを生成する。
【0036】
S311:次に、メニュー印刷データ生成部11は、残りのアイテム21があるかチェックする。
S312:残りのアイテムがある場合は、次のアイテムへ進める。そして、S308へ移行する。残りのアイテムがない場合は本処理を終了する。
【0037】
本処理のステップ303において、メニュー印刷文字列情報(メニュー印刷文字列情報欄35参照)が英語に決定された場合は、
図9に示す印刷結果となる。
図9は第1の実施の形態に関する表示言語設定情報にて、英語が設定されたときのメニュー印刷結果の例を示す説明図である。アイテム21には「Paper Size」等が表示され、セレクション22には「POST CARD」等が表示される。
【0038】
また、ステップ306において、メニュー印刷文字列情報が日本語に決定され、日本語に設定された日本語印刷用フォント14がある場合は、
図10に示す印刷結果となる。
図10は第1の実施の形態に関する表示言語設定情報にて、日本語が設定され日本語印刷用フォント14ありのときのメニュー印刷結果の例を示す説明図である。アイテム21には「用紙サイズ」等が表示され、セレクション22には「はがき」等が表示される。
【0039】
更に、ステップ307において、メニュー印刷文字列情報が日本語に決定され、日本語に設定された日本語印刷用フォント14がない場合は、ヘボン式ローマ字に決定され、
図11に示す印刷結果となる。
図11は第1の実施の形態に関する表示言語設定情報にて、日本語が設定され日本語印刷用フォント14なしのときのメニュー印刷結果の例を示す説明図である。アイテム21には「YOUSHI NO OHKISA」等が表示され、セレクション22には「HAGAKI」等が表示される。
【0040】
以上のように、第1の実施の形態によれば、表示言語設定として日本語が選択され、日本語印刷用フォント14が存在しない場合、ヘボン式ローマ字で構成されたメニュー印刷情報の印刷をすることにより、ゴミ印刷による用紙の無駄を防ぐことができるという効果が得られる。また、ヘボン式ローマ字でメニュー情報が印刷されるので、英語が分からないユーザでもローマ字は理解できる場合が多いので、設定の内容が容易に理解できるという効果も得られる。
【0041】
本実施の形態では、ヘボン(Hepburn)式ローマ字を例に説明したが、これに限らない。本来、ヘボン式ローマ字の表記するルールは、日本語の発音をローマ字で表記するためのルールである。我が国では近年、ヘボン式ローマ字の他に訓令式ローマ字も広く使われている。訓令式ローマ字であっても本発明を適用可能である。
【0042】
本実施の形態では、言語設定として英語、日本語及びヘボン式ローマ字の3つの言語の関係で説明したがこれに限らない。即ち、外国語、自国語及び外国語の文字を使用して自国語の発音を表記した単語の3つの言語の関係でもよい。その場合、画像形成装置100に自国語の文字フォントがないとき、外国語の文字フォントによって自国語の発音を表記した単語により、メニュー設定情報の印刷データを生成すれば、本発明は適用可能となる。
【0043】
逆に、自国語、外国語及び自国語の文字を使用して外国語の発音を表記した単語の3つの言語の関係でもよい。その場合は、画像形成装置100に外国語の文字フォントがないとき、自国語の文字フォントによって外国語の発音を表記した単語により、メニュー設定情報の印刷データを生成すれば、本発明は適用可能となる。
【0044】
更に、A国語、B国語及びA国語の文字を使用してB国語の発音を表記した単語の3つの言語の関係でもよい。その場合、画像形成装置100にB国語の文字フォントがないとき、A国語の文字フォントによってB国語の発音を表記した単語により、メニュー設定情報の印刷データを生成すれば、本発明は適用可能である。