(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266426
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/37 20060101AFI20180115BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20180115BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
A61K8/37
A61K8/73
A61Q19/00
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-91567(P2014-91567)
(22)【出願日】2014年4月25日
(65)【公開番号】特開2015-209394(P2015-209394A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2017年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】592262543
【氏名又は名称】日本メナード化粧品株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山田 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】坂 貞徳
(72)【発明者】
【氏名】中田 悟
【審査官】
松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−031415(JP,A)
【文献】
特開2007−254387(JP,A)
【文献】
特開2007−254388(JP,A)
【文献】
特開2007−254389(JP,A)
【文献】
特開2009−096769(JP,A)
【文献】
特開2009−062332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/37
A61K 8/73
A61Q 19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】
化学式1(Rは炭素数12〜22のアシル基を表し、M
1、M
2及びM
3はそれぞれ水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び有機塩基から選ばれる)で表されるアシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類及び発酵セルロースを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項2】
化学式1で表わされるアシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類のRが、炭素数16のアシル基であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
化学式1で表わされるアシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類のM1、M2及びM3が水素であることを特徴とする、請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
化学式1で表わされるアシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類の含有量が0.01〜3重量%、及び発酵セルロースの含有量が0.01〜0.25重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
pHが8以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の皮膚外用剤。
【請求項6】
水中油型乳化物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の皮膚外用剤。
【請求項7】
油分を6〜15重量%含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類を含有し、経時安定性が優れるとともに、ぬるつきがなく、みずみずしい使用感を有する皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒドロキシクエン酸誘導体は、脂肪合成抑制作用、抗老化作用、抗肌荒れ作用、美白作用等を示すことが知られており、化粧品への配合が検討されている。特に、ヒドロキシクエン酸誘導体の中でも、ヒドロキシクエン酸の2位の水酸基をアシル基で修飾したアシル化ヒドロキシクエン酸は、皮膚親和性及び経皮吸収性が高く、上記効果が十分に期待できる成分として、化粧品への応用が期待されている(特許文献1〜4)。
【0003】
しかしながら、アシル化ヒドロキシクエン酸は、一般的に用いられる化粧品基材への溶解性が悪いため製剤中で結晶化し易く、安定に配合することが困難であった。そのため、種々の化合物を組み合わせて結晶化を抑制したり、溶解性を向上させる等の工夫が必要であった。
【0004】
この課題に対する具体的な試みとしては、アシル化ヒドロキシクエン酸と有機塩基を用い、さらに製剤のpHを8.2〜9.4にする試みが開示されている(特許文献5)。この試みによって、アシル化ヒドロキシクエン酸の水への溶解性を向上させることができる。しかしながら、塗布時にアルカリ特有のぬるつきが生じること、さらには配合成分がアルカリ領域で安定である必要があり、制限される問題があった。そのため上記pH領域に限らず、幅広いpH領域にてアシル化ヒドロキシクエン酸を安定に配合する技術が望まれていた。
【0005】
一方発酵セルロースは、セルロース生産菌が産生するセルロースであり、植物由来のセルロースとは異なる構造や性質を有することが知られている。発酵セルロースを用いた技術としては、化粧料塗布時のべたつき抑制(特許文献6)、シャンプー等の泡の安定化(特許文献7)、洗浄剤中の固形分の分散安定化(特許文献8)等が報告されている。しかしながら、これら発酵セルロースに関する先行技術において、pHがアルカリでない製剤においてもアシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類の結晶析出を抑制し、経時安定性を向上させる効果についての記述はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−31415号公報
【特許文献2】特開2007−254387号公報
【特許文献3】特開2007−254388号公報
【特許文献4】特開2007−254389号公報
【特許文献5】特開2011−213652号公報
【特許文献6】特開2009−96769号公報
【特許文献7】特開2013−237830号公報
【特許文献8】特開2009−40968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、幅広いpH領域においてアシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類の結晶析出を抑え、経時安定性が良好であるとともに、ぬるつきがなく、みずみずしい使用感を有する皮膚外用剤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討を行った結果、アシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類に発酵セルロースを配合した皮膚外用剤が、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【発明の効果】
【0009】
【化1】
【0010】
本発明は、化学式1(Rは炭素数12〜22のアシル基を表し、M
1、M
2及びM
3はそれぞれ水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び有機塩基から選ばれる)で表されるアシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類に発酵セルロースを配合することにより、アシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類の結晶析出を抑え、経時安定性が良好であるとともに、ぬるつきがなく、みずみずしい使用感を有する皮膚外用剤を提供することを可能とした。また本発明の皮膚外用剤は、幅広いpH領域において効果を示すため、上記必須成分以外に、多種多様な化粧品成分が配合可能となり、処方設計の幅を広げることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の化学式1で表されるアシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類は、Rが炭素数12〜22のアシル基を表し、M
1、M
2及びM
3はそれぞれ水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び有機塩基から選ばれる。好ましくは、Rが炭素数16のアシル基である。さらにはM
1、M
2及びM
3が水素であることがより好ましい。アシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類は昭和電工株式会社から入手可能であり、例えばヒドロキシクエン酸−2−パルミテートが挙げられる。
【0012】
アシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類の含有量は特に限定されないが、0.01〜3重量%が好ましく、0.1〜1.5重量%がより好ましい。0.01重量%よりも少ない場合には、本発明の効果の発現が乏しい。3重量%よりも多い場合には、みずみずしい使用感が得られない場合がある。
【0013】
本発明に用いられる発酵セルロースは、工業的に酢酸菌を通気撹拌培養し、菌体から作られた非常に細かい繊維状のセルロースを分離・回収して得られたものである。植物パルプ由来の結晶セルロースと比較して繊維質が細かく、絡み合いがより緻密であるといった特徴を有する。発酵セルロースを製造するための酢酸菌としては、アセトバクター属等を利用することができる。市販されている商品として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のサンアーティスト[商標]シリーズが挙げられる。
【0014】
発酵セルロースの含有量は、特に限定されないが、0.01〜0.25重量%が好ましく、0.05〜0.2重量%がより好ましい。0.01重量%よりも少ない場合には、経時安定性を高める効果が期待できない場合があり、0.25重量%よりも多い場合では、みずみずしい使用感が得られない場合がある。
【0015】
本発明で用いられるアシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類と発酵セルロースとの重量比は1:50〜50:1が好ましく、1:20〜20:1がより好ましい。この範囲で用いれば、より効率よく経時安定性を高める効果が期待できる。
【0016】
本発明の皮膚外用剤のpHは特に限定されないが、8以下であることが好ましく、5〜8がより好ましい。この範囲であれば、経時安定性が良好であるとともに、ぬるつきがなく、みずみずしい使用感を得ることができる。さらには、上記必須成分以外に、多種多様な化粧品成分が配合可能となり、処方設計の幅を広げることができる。
【0017】
本発明の皮膚外用剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧水、透明ジェル、美容液、乳液、クリーム、パック等に用いることができるが、その剤型が水中油型乳化物であることが好ましい。さらには油分を6〜15質量%配合した水中油型乳化物であることがより好ましい。
【0018】
上記油分としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限はないが、20℃で液状であるものが好ましい。例えば炭化水素、エステル、トリグリセライド等である。さらには高級アルコール及び脂肪酸を含有しないことがより好ましい。これらを配合すると、塗布時に油膜感を感じ、みずみずしい使用感が得にくい場合がある。好ましい油分を具体的に挙げると、アボカド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、メドウフォーム油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、ヤシ油、ヒマシ油、液状ラノリン、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、アジピン酸2−ヘキシルデシル、モノイソステアリン酸アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソトリデシル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、2−エチルヘキサン酸セチル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、エチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、エチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0019】
本発明の皮膚外用剤には、上記必須成分の他に、通常の化粧料に用いられる成分として、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、水性成分、水溶性高分子、キレート剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粉体、香料、防腐剤、着色剤、美容成分等を本発明の効果を損なわない範囲にて含有することができる。
【0020】
以下に、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0021】
表1〜4に示す処方より実施例と比較例をそれぞれ調製し、pH測定及び経時安定性、使用感(ぬるつきのなさ、みずみずしさ)について評価した。以下、表中の数値は重量%を示す。
【0022】
(製造方法)実施例1〜9、実施例11〜18及び比較例1〜8
(1)Aを混合して約80℃に加温した後、Bを添加し溶解する。
(2)CにDを分散した後、Eを添加して約80℃に加温する。
(3)(1)に(2)を添加し、その後30℃まで冷却して皮膚外用剤を得た。
(製造方法)実施例10
(1)A、B,Eを混合して約80℃に加温し溶解する。
(2)CにDを分散した後、約80℃に加温する。
(3)(1)に(2)を添加し、その後30℃まで冷却して皮膚外用剤を得た。
【0023】
(pH測定方法)
得られた皮膚外用剤を、20℃の恒温槽にて24時間保管した後、ガラス電極式水素イオン濃度計(堀場製作所製、F−51)を用いて常法により行った。
【0024】
(経時安定性評価方法)
得られた皮膚外用剤を、5℃及び40℃の恒温槽にて3か月保管し、3か月後の外観変化を以下の基準により判定した。
○:5℃、40℃のいずれにおいても、変化は認められない。
×:5℃及び/又は40℃において、結晶の析出及び凝集が認められる。
【0025】
(使用感評価方法)
(1)ぬるつきのなさ
女性専門パネル(20名)による使用試験を実施し、ぬるつきのなさについて、下記の基準に従って評価した。
◎:18名以上が、ぬるつきを感じないと判定した。
○:14〜17名が、ぬるつきを感じないと判定した。
△:9〜13名が、ぬるつきを感じないと判定した。
×:ぬるつきを感じないと判定した人が8名以下。
(2)みずみずしさ
女性専門パネル(20名)による使用試験を実施し、みずみずしさについて、下記の基準に従って評価した。
◎:18名以上が、みずみずしさを感じると判定した。
○:14〜17名が、みずみずしさを感じると判定した。
△:9〜13名が、みずみずしさを感じると判定した。
×:みずみずしさを感じると判定した人が8名以下。
【0026】
【表1】
ヒドロキシクエン酸−2−パルミテートを0.01〜3重量%含有した皮膚外用剤(実施例1〜4)及びヒドロキシクエン酸−2−パルミテート ナトリウム塩を0.5重量%含有した皮膚外用剤(実施例5)は、いずれも経時安定性に優れ、またすべての使用感評価項目においても良好であり、本発明効果が得られた。特に、ヒドロキシクエン酸−2−パルミテート及びヒドロキシクエン酸−2−パルミテート ナトリウム塩の含有量が1.5重量%以下の皮膚外用剤(実施例1〜3、5)では、すべての使用感評価項目において格段に優れた評価結果であった。
【0027】
【表2】
発酵セルロースを0.01〜0.25重量%含有した皮膚外用剤(実施例6〜9)は、いずれも経時安定性に優れ、またすべての使用感評価項目においても良好であり、本発明効果が得られた。特に、発酵セルロースの含有量が0.2重量%以下の皮膚外用剤(実施例6〜8)では、すべての使用感評価項目において格段に優れた評価結果であった。
一方、発酵セルロースを含有していない皮膚外用剤(比較例1)、発酵セルロースのかわりに他の多糖類を含有した皮膚外用剤(比較例2〜4)は、経時安定性が悪く本発明効果を得ることができなかった。
【0028】
【表3】
油分を含まない皮膚外用剤(実施例10)及び油分を6〜15重量%含有した皮膚外用剤(実施例11〜14)は、いずれも経時安定性に優れ、またすべての使用感評価項目においても良好であり、本発明効果が得られた。特に、油分を6〜15重量%含有し、かつ高級アルコール及び脂肪酸を含んでいない皮膚外用剤(実施例11、12)は、すべての使用感評価項目において格段に優れた評価結果であった。
【0029】
【表4】
pHを変えて調製した皮膚外用剤(実施例15〜18)は、いずれも経時安定性に優れ、またすべての使用感評価項目においても良好であり、本発明効果が得られた。特に、pHが5〜8の皮膚外用剤(実施例16、17)では、すべての使用感評価項目において格段に優れた評価結果であった。
一方、発酵セルロースを含有していない皮膚外用剤(比較例5〜8)では、pHが8.4の皮膚外用剤(比較例8)のみ経時安定性に優れる結果であった。
【0030】
※1:HCAP:昭和電工株式会社製
※2:HCPS:昭和電工株式会社製
※3:NIKKOL SI−10R:日光ケミカルズ株式会社製
※4:KAK 139:高級アルコール工業株式会社製
※5:サンアーティスト H−PN:三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製(発酵セルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム混合品。発酵セルロースとしての有効成分濃度は50%であり、表中は有効成分濃度を表示)
※6:ペミュレン TR−2:日光ケミカルズ株式会社製
※7:セオラス PH−101:旭化成ケミカルズ株式会社製
※8:ゲニュービスコ J−J:CP Kelco社製
※9:KELCOGEL CG−HA:CP Kelco社製
※10:エコーガム:大日本住友製薬株式会社製
※11:CMC−1330:ダイセル化学工業株式会社製
※12:NAA−45:日油株式会社
※13:イソステアリン酸:日産化学工業株式会社製
【0031】
以下に、本発明のその他の実施例を示す。
【0032】
(実施例19) pH6.9
配合成分 配合量(重量%)
(1)ヒドロキシクエン酸−2−パルミテート 0.50
(2)スクワラン 6.00
(3)トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン 3.00
(4)マカデミアナッツ油 3.00
(5)オレイン酸ソルビタン 0.50
(6)イソステアリン酸グリセリル 1.00
(7)精製水 0.20
(8)精製水 100に調整
(9)発酵セルロース 0.15
(10)キサンタンガム 0.099
(11)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.051
(12)カルボキシビニルポリマー 0.20
(13)グリセリン 5.00
(14)1,3−ブチレングリコール 8.00
(15)メチルパラベン 適 量
(16)水酸化カリウム(pH調整剤) 適 量
〔製法〕
(1)〜(6)を混合して約80℃に加温した後、(7)を添加し、(1)を溶解させる。(8)に(9)〜(12)を分散させた後、(13)〜(16)を添加して約80℃に加温する。(1)〜(7)に(8)〜(16)を添加し、その後30℃まで冷却して皮膚外用剤を得た。
【0033】
(実施例20)pH6.5
配合成分 配合量(重量%)
(1)ヒドロキシクエン酸−2−パルミテート 0.50
(2)メチルポリシロキサン 2.00
(3)メチルフェニルポリシロキサン 3.00
(4)ミリスチン酸オクチルドデシル 3.00
(5)PEG−5水添ヒマシ油 0.50
(6)イソステアリン酸ソルビタン 1.00
(7)精製水 0.30
(8)精製水 100に調整
(9)発酵セルロース 0.20
(10)キサンタンガム 0.132
(11)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.068
(12)1,3−ブチレングリコール 8.00
(13)1,2−ペンタンジオール 2.00
(14)メチルパラベン 適 量
(15)アミノメチルプロパンジオール(pH調整剤) 適 量
(16)香料 適 量
〔製法〕
(1)〜(6)を混合して約80℃に加温した後、(7)を添加し、(1)を溶解させる。(8)に(9)〜(11)を分散させた後、(12)〜(15)を添加して約80℃に加温する。(1)〜(7)に(8)〜(15)を添加し、冷却する。45℃で(16)を加え、30℃まで冷却して皮膚外用剤を得た。
【0034】
実施例19、20ともに、経時安定性に優れ、またすべての使用感評価項目においても良好な皮膚外用剤が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、化学式1(Rは炭素数12〜22のアシル基を表し、M
1、M
2及びM
3はそれぞれ水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び有機塩基から選ばれる)で表されるアシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類に発酵セルロースを配合することにより、アシル化ヒドロキシクエン酸及び/又はその塩類の結晶析出を抑え、経時安定性が良好であるとともに、ぬるつきがなく、みずみずしい使用感を有する皮膚外用剤を提供することを可能とした。また本発明の皮膚外用剤は、幅広いpH領域において効果を示すため、上記必須成分以外に、多種多様な化粧品成分が配合可能となり、処方設計の幅を広げることができる。