(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記中空弾性体シールの圧接により、前記移動側部材が前記固定側部材に対して固定され、前記中空弾性体シールの圧接状態が解除されることにより、前記移動側部材が前記固定側部材に対して移動可能になることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体処理装置のシール装置。
前記接続部が、第2の中空弾性体シールで構成され、前記作動部は、前記第2の中空弾性体シールに対して圧縮空気を供給・排出し、圧縮空気の供給・排出に伴う前記第2の中空弾性体シールの膨張・収縮により、前記第2の中空弾性体シールが前記進退方向に変位することを特徴とする請求項1又は2に記載の粉粒体処理装置のシール装置。
前記粉粒体処理装置が流動層装置であり、前記固定側部材が流動層容器であり、前記移動側部材が、前記流動層容器の処理室の天井部を構成すると共に、固気分離用のフィルターを支持するフィルター支持部材であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の粉粒体処理装置のシール装置。
前記フィルター支持部材に第3の中空弾性体シールが装着されており、前記接続部が前記シール部に接続した状態で、圧縮空気が前記空気供給通路及び前記シール部を介して前記第3の中空弾性体シールにも供給され、該第3の中空弾性体シールが膨張して、前記フィルターと前記フィルター支持部材とに圧接して両者の間をシールすると共に、前記フィルターを前記フィルター支持部材に対して固定し、前記接続部が前記シール部から離れることにより、前記第3の中空弾性体シール内の空気も排出され、該第3の中空弾性体シールが収縮して、前記フィルターが前記フィルター支持部材から取り外し可能になることを特徴とする請求項5に記載の粉粒体処理装置のシール装置。
前記フィルター支持部材に第3の中空弾性体シールが装着されていると共に、圧縮空気源に連通する第2の空気供給通路が前記圧縮空気供給部に設けられており、前記接続部が前記シール部に接続した状態で、圧縮空気が前記第2の空気供給管部及び前記シール部を介して前記第3の中空弾性体シールにも供給され、該第3の中空弾性体シールが膨張して、前記フィルターと前記フィルター支持部材とに圧接して両者の間をシールすると共に、前記フィルターを前記フィルター支持部材に対して固定し、前記接続部が前記シール部から離れることにより、前記第3の中空弾性体シール内の空気も排出され、該第3の中空弾性体シールが収縮して、前記フィルターが前記フィルター支持部材から取り外し可能になることを特徴とする請求項5に記載の粉粒体処理装置のシール装置。
【背景技術】
【0002】
例えば、流動層装置は、一般に、流動層容器の底部から導入した気体(流動化気体)によって、流動層容器内で粉粒体を浮遊流動させて流動層を形成しつつ、造粒、コーティング、乾燥を行うものである。この種の流動層装置には、粉粒体粒子の転動、噴流、及び攪拌等を伴うものも含まれ(複合型流動層装置と呼ばれている。)、その代表的なものとして、流動層容器の底部に回転体を配設した転動流動層装置、流動層容器の内部にドラフトチューブ(内塔)を設置したワースター式流動層装置がある。
【0003】
この種の流動層装置では、固気分離用のフィルターを流動層容器の処理室の上方に配設している。例えば、特許文献1の流動層装置では、流動層容器の処理室の天井部を構成するフィルター支持部材にフィルターを支持している。フィルター支持部材は、昇降機構により昇降移動させることができ、流動層容器内の洗浄時(フィルターの洗浄を含む)やフィルターの交換時等に、フィルター支持部材をフィルターと伴に下降させて作業を行う。同文献の
図3に示されているように、フィルター支持部材の外周部と流動層容器の内周部との間は、膨張シールと呼ばれる中空弾性体シールを主体とするシール部によってシールされる。シール部の中空弾性体シールは流動層容器の内周部に装着され、中空弾性体シールには圧縮空気の供給配管が接続される(供給配管の図示は省略されている)。この供給配管を介して、外部の圧縮空気源から中空弾性体シールの中空部に圧縮空気を供給すると、中空弾性体シールが膨張して、フィルター支持部材の外周部と流動層容器の内周部とに圧接する。これにより、フィルター支持部材の外周部と流動層容器の内周部との間がシールされると共に、フィルター支持部材が流動層容器内の所定位置に固定される。流動層装置の運転時は、この状態を維持するため、中空弾性体シールへの圧縮空気の供給が継続される。フィルター支持部材を下降させる時は、中空弾性体シール内の圧縮空気を排出させ、中空弾性体シールを収縮させて、上記の圧接状態を解除する。これにより、フィルター支持部材が流動層容器に対して昇降移動可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、シール部の中空弾性体シールは、移動側のフィルター支持部材ではなく、固定側の流動層容器に装着されている。これは、圧縮空気を供給するための供給配管を中空弾性体シールに接続する必要があるためである。そして、中空弾性体シールが固定側の流動層容器に装着されていることにより、流動層容器内の洗浄時等にフィルター支持部材を下降させても、中空弾性体シールは流動層容器内の高所位置に装着された状態で残ることになる。一方、コンタミネーションを効果的に防止するためには、中空弾性体シールをシール部から取り外して、中空弾性体シール及びシール部(中空弾性体シールを装着する個所)も洗浄する必要があるが、上記のように、中空弾性体シールは流動層容器内の高所位置に装着されているため、中空弾性体シールの取り外し作業や洗浄後の取り付け作業に手間が掛かる。また、中空弾性体シールを取り外した後のシール部の洗浄及び洗浄確認作業にも手間が掛かる。
【0006】
本発明の課題は、シール部の中空弾性体シールの取り外し・取り付け作業、および、シール部の洗浄及び洗浄確認作業が容易なシール装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、粉粒体処理装置の固定側部材と、該固定側部材に対して移動可能な移動側部材との間をシールするシール装置であって、前記移動側部材に装着され、中空弾性体シールを有するシール部と、前記固定側部材に装着され、前記シール部の中空弾性体シールの中空部に圧縮空気を供給するための圧縮空気供給部とを備え、前記圧縮空気供給部は、圧縮空気源に連通する空気供給通路と、前記シール部に対して進退方向に変位可能な接続部と、該接続部を前記進退方向に変位させる作動部とを備え、前記作動部により、前記接続部が前進方向に変位して前記シール部に接続した状態で、前記圧縮空気源からの圧縮空気が前記空気供給通路を介して前記シール部の中空弾性体シールに供給され、該中空弾性体シールが膨張して、前記移動側部材と前記固定側部材とに圧接して両者の間をシールし、前記作動部により、前記接続部が後退方向に変位して前記シール部から離れることにより、前記中空弾性体シール内の圧縮が排出され、該中空弾性体シールが収縮して、前記圧接状態が解除されることを特徴とする粉粒体処理装置のシール装置を提供する。
【0008】
上記構成において、前記中空弾性体シールの圧接により、前記移動側部材が前記固定側部材に対して固定され、前記中空弾性体シールの圧接状態が解除されることにより、前記移動側部材が前記固定側部材に対して移動可能になる構成とすることができる。
【0009】
上記構成において、前記接続部を、前記空気供給通路を有する空気供給部材で構成することができる。
【0010】
上記構成において、前記接続部が、第2の中空弾性体シールで構成され、前記作動部は、前記第2の中空弾性体シールに対して圧縮空気を供給・排出し、圧縮空気の供給・排出に伴う前記第2の中空弾性体シールの膨張・収縮により、前記第2の中空弾性体シールが前記進退方向に変位する構成とすることができる。
【0011】
例えば、前記粉粒体処理装置は流動層装置であり、前記固定側部材は流動層容器であり、前記移動側部材は、前記流動層容器の処理室の天井部を構成すると共に、固気分離用のフィルターを支持するフィルター支持部材である。
【0012】
上記構成において、前記フィルター支持部材に第3の中空弾性体シールが装着されており、前記接続部が前記シール部に接続した状態で、圧縮空気が前記空気供給通路及び前記シール部を介して前記第3の中空弾性体シールにも供給され、該第3の中空弾性体シールが膨張して、前記フィルターと前記フィルター支持部材とに圧接して両者の間をシールすると共に、前記フィルターを前記フィルター支持部材に対して固定し、前記接続部が前記シール部から離れることにより、前記第3の中空弾性体シール内の空気も排出され、該第3の中空弾性体シールが収縮して、前記フィルターが前記フィルター支持部材から取り外し可能になる構成とすることができる。
【0013】
あるいは、上記構成において、前記フィルター支持部材に第3の中空弾性体シールが装着されていると共に、圧縮空気源に連通する第2の空気供給通路が前記圧縮空気供給部に設けられており、前記接続部が前記シール部に接続した状態で、圧縮空気が前記第2の空気供給管部及び前記シール部を介して前記第3の中空弾性体シールにも供給され、該第3の中空弾性体シールが膨張して、前記フィルターと前記フィルター支持部材とに圧接して両者の間をシールすると共に、前記フィルターを前記フィルター支持部材に対して固定し、前記接続部が前記シール部から離れることにより、前記第3の中空弾性体シール内の空気も排出され、該第3の中空弾性体シールが収縮して、前記フィルターが前記フィルター支持部材から取り外し可能になる構成とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シール部の中空弾性体シールの取り外し・取り付け作業、および、シール部の洗浄及び洗浄確認作業が容易な粉粒体処理装置のシール装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
【0017】
図1は、この実施形態に係る流動層装置の一構成例を模式的に示している。
【0018】
流動層容器1は、粉粒体Mの処理、例えば粉粒体Mの造粒又はコーティングを行う処理室2と、処理室2の上方に配置されたフィルター部3と、フィルター部3の上方に設けられた排気室4とを備えている。
【0019】
処理室2の底部には、パンチングメタル等の多孔板(又は金網)で構成された気体分散板2aが配設されている。給気ダクト5から給気チャンバ6に供給された熱風等の気体Aは、気体分散板2aを介して流動層容器1内に導入される。また、処理室2の上部にはスプレー液(膜剤液、結合剤液等)を噴霧するスプレーノズル7が設置されている。
【0020】
この実施形態において、フィルター部3は、固気分離用の複数のカートリッジ式のフィルター3aと、フィルター3aを支持するフィルター支持部材3bとを備えている。フィルター支持部材3bは、処理室2の天井部を構成して、処理室2と排気室4とを区画する。各フィルター3aは、それぞれ、フィルター支持部材3bの取付穴部に適宜の手段で着脱自在に装着される。
【0021】
フィルター支持部材3bの外周部と流動層容器1の壁部1aの内周部との間は、後述するシール装置8によってシールされる。また、フィルター支持部材3bは、昇降駆動手段、例えば昇降シリンダ(エアーシリンダ)9のシリンダロッド9aに連結され、昇降シリンダ9の作動によって流動層容器1内を昇降移動可能である。
【0022】
流動層容器1の処理室2に収容された粉粒体Mは、気体分散板2aを介して流動層容器1内に導入される気体Aによって浮遊流動される。そして、この粉粒体Mの流動層に向けてスプレーノズル7からスプレー液(膜剤液、結合剤液等)が噴霧される。スプレーノズル7から噴霧されるスプレー液、例えば膜剤液のミストによって粉粒体粒子Mが湿潤を受けると同時に、膜剤液中に含まれる固形成分が粉粒体粒子Mの表面に付着し、乾燥固化されて、粉粒体粒子Mの表面に被覆層が形成される(コーティング)。あるいは、スプレーノズル7から噴霧されるスプレー液、例えば結合剤液のミストによって粉粒体粒子Mが湿潤を受けて付着凝集し、乾燥されて、所定径の粒子に成長する(造粒)。
【0023】
粉粒体Mを浮遊流動させた気体Aは、処理室2を上昇し、フィルター部3の各フィルター3aによって固気分離されて排気室4に流入する。そして、排気室4に接続された排気ダクト(図示省略)を通って流動層容器1の外部に排気される。
【0024】
図2は、第1の実施形態に係るシール装置8の周辺部(
図1のX部)を拡大して示している。この実施形態において、シール装置8は、フィルター支持部材3bの外周部に装着され、ゴムや樹脂等の弾性材で形成された中空弾性体シール8A1を有するシール部8Aと、流動層容器1の壁部1aの外周部に装着され、シール部8Aの中空弾性体シール8A1の中空部に圧縮空気を供給するための圧縮空気供給部8Bとを備えている。
【0025】
シール部8Aにおいて、中空弾性体シール8A1はリング形状をなし、フィルター支持部材3bの外周部に沿って設けられた凹部、例えば断面コ字形の凹部3b1に装着される。中空弾性体シール8A1の円周方向の1箇所(又は複数個所)には給気口8A2が接続され、この給気口8A2に接続部材8A3が接続される。接続部材8A3は空気通路8A4を有し、この空気通路8A4の一端は給気口8A2に接続され、他端は接続部材8A3の端面で開口する。また、接続部材8A3の端面には、空気通路8A4の開口を外周側から覆うようにシール部材、例えばOリング8A5が装着される。
【0026】
圧縮空気供給部8Bは、シール部8Aに対して進退方向に変位(移動)可能な接続部、この実施形態では空気供給部材8B1と、空気供給部材8B1を進退方向に変位(移動)させる作動部8B2とを備えている。
【0027】
この実施形態において、空気供給部材8B1は、空気供給通路8B11を有する空気供給管8B12と、空気供給管8B12の先端部に装着された可動側の接続部材8B13とで構成される。空気供給管8B12は、空気配管8B14を介して圧縮空気源(図示省略)に接続される。
【0028】
この実施形態において、作動部8B2は、エアー駆動式のアクチュエータ、例えば空気供給管8B12をシリンダロッドとする複動式エアーシリンダの機構を有している。このエアーシリンダ機構は、円筒状のハウジング8B21と、ハウジング8B21に進退移動自在に挿通された空気供給管8B12(及び接続部材8B13)と、空気供給管8B12の中央部外周に設けられ、ハウジング8B21の内周を摺動可能なピストン8B15と、ピストン8B15によって仕切られたハウジング8B21の内部の空気室8B22、8B23とで構成される。空気室8B22、8B23は、それぞれ、空気配管8B24、8B25を介して圧縮空気源(図示省略)に接続される。
【0029】
図2は、空気供給部材8B1(空気供給管8B12及び接続部材8B13)がシール部8Aに対して後退した状態を示している。この状態では、接続部材8B13の端面と接続部材8A3の端面との間に所定の間隔部があり、また、中空弾性体シール8A1は収縮して(同図に実線で示す状態)、流動層容器1の内周部(壁部1aの内周面)から離隔する。これにより、シール部8Aが圧縮空気供給部8B及び流動層容器1の内周部から分離され、フィルター支持部材3bが流動層容器1内で昇降移動可能になる。
【0030】
ハウジング8B21の空気室8B23に空気配管8B25を介して圧縮空気を供給し、空気室8B22を空気配管8B24を介して排気側に連通させると、空気供給部材8B1が
図2に示す位置からシール部8Aの側に前進移動し、接続部材8B13の端面がOリング8A5を介して接続部材8A3の端面に当接する。これにより、空気供給管8B12の空気供給通路8B11が、接続部材8A3の空気通路8A4に接続される。この状態で、空気供給管8B12の空気供給通路8B11に空気配管8B14を介して圧縮空気を供給すると、この圧縮空気は、空気供給通路8B11から接続部材8A3の空気通路8A4と給気口8A2を通って中空弾性体シール8A1の中空部に流入する。これにより、
図2に一点鎖線で示すように、中空弾性体シール8A1が膨張して、フィルター支持部材3bの外周部と流動層容器1の内周部(壁部1aの内周面)に圧接する。そして、中空弾性体シール8A1がフィルター支持部材3bの外周部と流動層容器1の内周部に圧接することにより、両者の間がシールされると共に、フィルター支持部材3bが流動層容器1の内周部に対して固定される。流動層装置の運転時は、この状態が継続される。
【0031】
上記の状態から、空気供給管8B12の空気供給通路8B11への圧縮空気の供給を止め、空気配管8B24、8B25に対する圧縮空気の供給・排出を切り換えて、ハウジング8B21の空気室8B22に空気配管8B24を介して圧縮空気を供給し、空気室8B23を空気配管8B24を介して排気側に連通させると、空気供給部材8B1がシール部8Aに対して後退移動して
図2に示す状態に戻り、接続部材8B13が接続部材8A3から離れる。これにより、中空弾性体シール8A1の中空部の圧縮空気が給気口8A2と空気通路8A4を通って空気通路8A4の開口から排出され、中空弾性体シール8A1が収縮して(同図に実線で示す状態)、シール部8Aが圧縮空気供給部8B及び流動層容器1の内周部から分離され、フィルター支持部材3bが流動層容器1内で昇降移動可能になる。そして、流動層容器1の洗浄時等に、昇降シリンダ9を作動させて、フィルター支持部材3bを適当な位置まで下降させると、シール部8Aもフィルター支持部材3bと伴に下降するので、シール部8Aに対する中空弾性体シール8A1の取り外し・取り付け作業を容易に行うことができる。そのため、中空弾性体シール8A1の洗浄及び洗浄確認作業が容易になると共に、中空弾性体シール8A1を取り外した後のシール部8Aの洗浄及び洗浄確認作業も容易になる。
【0032】
図3は、第2の実施形態に係るシール装置81を示している。この実施形態に係るシール装置81が、上述した第1の実施形態に係るシール装置8と実質的に異なる点は、可動側の接続部材8B13の端面にOリング8B16を装着した点にある。その他の事項は第1の実施形態に準じるので、実質的に同一の部材及び部分を同じ符号で示し、重複する説明を省略する。
【0033】
図4は、第3の実施形態に係るシール装置82を示している。この実施形態に係るシール装置82が、上述した第1の実施形態に係るシール装置8と実質的に異なる点は、中空弾性体シール8A1の給気口8A2と接続部材8A3の空気通路8A4とを、継手、例えばワンタッチ式の継手8A9、8A6と空気管8A7で接続した点にある。その他の事項は第1の実施形態に準じるので、実質的に同一の部材及び部分を同じ符号で示し、重複する説明を省略する。
【0034】
図5は、第4の実施形態に係るシール装置83を示している。この実施形態に係るシール装置83が、上述した第1の実施形態に係るシール装置8と実質的に異なる点は、空気供給部材8B1を空気供給管8B12で構成し、可動側の接続部材8B13を省略すると共に、空気供給管8B12の先端部を、接続部材8A3の端面に設けた接続穴8A8に挿入して接続する構成とした点にある。尚、接続穴8A8の内周にはOリングが装着されている。その他の事項は第1の実施形態に準じるので、実質的に同一の部材及び部分を同じ符号で示し、重複する説明を省略する。
【0035】
図6は、第5の実施形態に係るシール装置84を示している。この実施形態に係るシール装置84が、上述した第1の実施形態に係るシール装置8と実質的に異なる点は、空気供給部材8B1を、空気供給通路8B17を有するL字形の管部材8B18で構成すると共に、管部材8B18に複動式又は単動式(スプリングリターン方式)のエアーシリンダ8B26を連結して作動部8B2を構成した点にある。また、この実施形態では、管部材8B18の端面が、Oリング8A5を介して接続部材8A3の端面に当接する。その他の事項は第1の実施形態に準じるので、実質的に同一の部材及び部分を同じ符号で示し、重複する説明を省略する。
【0036】
図7は、第6の実施形態に係るシール装置85を示している。この実施形態に係るシール装置85が、上述した第1の実施形態に係るシール装置8と実質的に異なる点は、作動部8B2を、エアー駆動式又は電動式のモータMと、モータMの回転運動を空気供給部材8B1の進退方向移動に変換する動力変換機構Dとで構成した点にある。動力変換機構Dとしては、ボールねじ機構、ラック&ピニオン機構、カム機構等の種々の公知の機構を採用することができる。その他の事項は第1の実施形態に準じるので、実質的に同一の部材及び部分を同じ符号で示し、重複する説明を省略する。
【0037】
図8は、第7の実施形態に係るシール装置86を示している。この実施形態に係るシール装置86が、上述した第1の実施形態に係るシール装置8と実質的に異なる点は、シール部8Aに対して進退方向に変位可能な接続部を、ゴムや樹脂等の弾性材で形成された第2の中空弾性体シール8B3で構成し、作動部8B2は中空弾性体シール8B3に対して圧縮空気を供給・排出する構成にした点にある。この実施形態において、空気供給部材8B1、具体的には、空気供給通路8B11を有する空気供給管8B12は所定位置に保持され、移動しない。作動部8B2により、図示されていない空気供給経路を介して第2の中空弾性体シール8B3に圧縮空気を供給すると、第2の中空弾性体シール8B3が前進方向(シール部8A側)に膨張変位して、接続部材8A3の端面に圧接する。この状態で、空気供給管8B12の空気供給通路8B11を介して、シール部8Aの中空弾性体シール8A1に圧縮空気を供給する。一方、作動部8B2により、第2の中空弾性体シール8B3から圧縮空気を排出させると、第2の中空弾性体シール8B3が後退方向(シール部8Aと反対側)に収縮変位して、接続部材8A3の端面から離れる。その他の事項は第1の実施形態に準じるので、実質的に同一の部材及び部分を同じ符号で示し、重複する説明を省略する。
【0038】
図9及び
図10は、第8の実施形態に係るシール装置87を示している。この実施形態に係るシール装置87が、上述した第1の実施形態に係るシール装置8と実質的に異なる点は、作動部8B2に、単動式(スプリングリターン方式)のエアーシリンダの機構を採用した点、ゴムや樹脂等の弾性材で形成された第3の中空弾性体シール8C1をフィルター支持部材3bの取付穴部3b2に装着した点にある。
【0039】
作動部8B2において、ピストン8B15によって仕切られたハウジング8B21の内部の一方の空間はスプリング室8B22’、他方の空間は空気室8B23になる。スプリング室8B22’には、スプリング、例えばコイルスプリング8B26が収容され、空気室8B23は、空気配管を介して圧縮空気源(何れも図示省略)に接続される。空気室23に圧縮空気を供給すると、空気供給部材8B1がコイルスプリング8B26の弾性力に抗して
図9に示す位置からシール部8Aの側に前進移動する。一方、空気室8B23を排気側に切り換えると、空気供給部材8B1がコイルスプリング8B26の弾性力によって後退移動して、
図9に示す位置に戻る。
【0040】
第3の中空弾性体シール8C1はリング形状をなし、フィルター支持部材3bの取付穴部3b2の内周部に沿って設けられた凹部、例えば断面コ字形の凹部3b3に装着される。第3の中空弾性体シール8C1の円周方向の1箇所(又は複数個所)には給気口8C2が接続され、この給気口8C2は連通室8C3に接続される。また、連通室8c3には、中空弾性体シール8A1の給気口8A2と、接続部材8A3の空気通路8A4が接続される。
【0041】
フィルター3aは、フィルター支持部材3bの取付穴部3b2にシール材3a1を介して着脱自在に装着(挿入)される。
【0042】
作動部8B2により、空気供給部材8B1を前進移動させて接続部材8A3に接続した状態で、空気供給管8B12の空気供給通路8B11に圧縮空気を供給すると、この圧縮空気は、空気供給通路8B11から接続部材8A3の空気通路8A4を通って連通室8C3に入り、連通室8cから給気口8A2を通って中空弾性体シール8A1に流入すると共に、連通室8C3から給気口8C2を通って第3の中空弾性体シール8C1にも流入して、中空弾性体シール8A1と第3の中空弾性体シール8C1が膨張する。第3の中空弾性体シール8C1が膨張することにより、第3の中空弾性体シール8C1がフィルター支持部材3bの取付穴部3b2の内周部とフィルター3aの外周部とに圧接して、両者の間をシールすると共に、フィルター3aをフィルター支持部材3bの取付穴部3b2に対して固定する。一方、作動部8B2により、空気供給部材8B1が後退移動して接続部材8A3から離れると、中空弾性体シール8A1と第3の中空弾性体シール8C1から圧縮空気が排出されて、中空弾性体シール8A1と第3の中空弾性体シール8C1が収縮する。第3の中空弾性体シール8C1が収縮することにより、フィルター3aがフィルター支持部材3bの取付穴部3b2から取り外し可能になる。
【0043】
図10に示すように、この実施形態では、フィルター支持部材3bに複数(この例では4つ)のフィルター3aが上記の態様で着脱自在に装着されている。連通室8C3は、各フィルター3aを外周側から囲むように、フィルター支持部材3bの円周方向に沿って連続した環状体に形成され、フィルター支持部材3bの各取付穴部3b2の内周部に装着された第3の中空弾性体シール8C1は、それぞれ給気口8C2を介して連通室8C3に接続される。そして、作動部8B2により、空気供給部材8B1を前進移動させて接続部材8A3に接続した状態で、空気供給管8B12の空気供給通路8B11に圧縮空気を供給すると、各取付穴部3b2の第3の中空弾性体シール8C1が同時に膨張し、また、作動部8B2により、空気供給部材8B1が後退移動して接続部材8A3から離れると、各取付穴部3b2の第3の中空弾性体シール8C1が同時に収縮する。
【0044】
中空弾性体シール8A1の動作及び機能を含め、その他の事項は第1の実施形態に準じるので、実質的に同一の部材及び部分を同じ符号で示し、重複する説明を省略する。尚、第8の実施形態に係るシール装置87は、中空弾性体シール8A1を分離して、第3の中空弾性体シール8C1のみを上記の態様で膨張・収縮させて上記の機能を奏するように改変することもできる。
【0045】
図11は、第9の実施形態に係るシール装置88を示している。この実施形態に係るシール装置88が、上述した第8の実施形態に係るシール装置87と実質的に異なる点は、作動部8B2に、複動式エアーシリンダの機構を採用した点、接続部材8A3の空気通路8A4から空気通路8A41を分岐させ、空気通路8A4に中空弾性体シール8A1の給気口8A2を接続すると共に、空気通路8A41を図示されていない空気通路を介して連通室8C3(図示省略:この連通室8C3は中空弾性体シール8A1と分離される)に接続した点にある。作動部8B2を含む圧縮空気供給部8Bの構成、シール部8Aの構成(空気通路8A41を除く)は、第1の実施形態のシール装置8と同様である。その他の事項は第1及び第8の実施形態に準じるので、実質的に同一の部材及び部分を同じ符号で示し、重複する説明を省略する。
【0046】
図12は、第10の実施形態に係るシール装置89を示している。この実施形態に係るシール装置89が、上述した第8の実施形態に係るシール装置87と実質的に異なる点は、作動部8B2に、2本の空気供給管8B12、8B12’をシリンダロッドとする複動式エアーシリンダの機構を採用した点、接続部材8A3に空気通路8A4と空気通路8A4’を設け、空気通路8A4に中空弾性体シール8A1の給気口8A2を接続すると共に、空気通路8A4’を図示されていない空気通路を介して連通室8C3(図示省略:この連通室8C3は中空弾性体シール8A1と分離される)に接続した点にある。空気供給管8B12’は、空気供給通路8B11’を有し、空気配管8B14’を介して圧縮空気源(図示省略)に接続される。空気供給管8B12、8B12’の中央部外周には、両者に共通のピストン8B15が設けられ、空気供給管8B12、8B12’の先端部には、共通の可動側の接続部材8B13が装着される。
【0047】
ハウジング8B21の空気室8B23に空気配管8B25を介して圧縮空気を供給し、空気室8B22から空気配管8B24を介して空気を排出させると、空気供給管8B12、8B12’が
図12に示す位置からシール部8Aの側に前進移動し、接続部材8B13の端面がOリング8A5、8A5’を介して接続部材8A3の端面に当接する。これにより、空気供給管8B12の空気供給通路8B11が接続部材8A3の空気通路8A4に接続されると共に、空気供給管8B12’の空気供給通路8B11’が接続部材8A3の空気通路8A4’に接続される。この状態で、空気供給管8B12の空気供給通路8B11と空気供給管8B12’の空気供給通路8B11’に圧縮空気を供給すると、空気供給通路8B11からの圧縮空気が空気通路8A4と給気口8A2を通って中空弾性体シール8A1に流入すると共に、空気供給通路8B11’からの圧縮空気が連通室8C3から給気口8C2を通って第3の中空弾性体シール8C1にも流入して、中空弾性体シール8A1と第3の中空弾性体シール8C1が膨張する。
【0048】
一方、ハウジング8B21の空気室8B22に空気配管8B24を介して圧縮空気を供給し、空気室8B23から空気配管8B25を介して空気を排出させると、空気供給管8B12、8B12’が後退移動して、
図12に示す位置に戻る。これにより、接続部材8B13が接続部材8A3から離れ、中空弾性体シール8A1と第3の中空弾性体シール8C1から圧縮空気が排出されて、中空弾性体シール8A1と第3の中空弾性体シール8C1が収縮する。その他の事項は第1及び第8の実施形態に準じるので、実質的に同一の部材及び部分を同じ符号で示し、重複する説明を省略する。
【0049】
本発明のシール装置は、流動層装置におけるフィルター支持部材と流動層容器との間のシール箇所に限らず、流動層容器の底部に移動可能に配設される気体分散板(目皿板)と流動層容器との間のシール箇所にも適用することができる。例えば、特開2008−18297号公報に開示されている流動層装置では、気体分散板(目皿板)を水平方向の回動軸回りに回動可能に構成しているが、この場合、気体分散板(目皿板)の外周部と流動層容器の内周部との間のシール箇所に本発明のシール装置を適用することができる。また、流動層容器に設けられる開閉自在の点検窓その他の開閉部材と流動層容器の壁部との間のシール箇所に本発明のシール装置を適用することができる。また、本発明のシール装置は、軸線回りに回転駆動される通気式の回転ドラムを備えたコーティング装置にも適用することができる。例えば、特開2003−62500号公報や特開2014−4556号公報に開示されたコーティング装置おける前面パネルとケーシングとの間のシール箇所、特開2006−26592号公報に開示されたコーティング装置おける前蓋とケーシングとの間のシール箇所等に本発明のシール装置を適用することができる。