【文献】
Angewandte Chemie, International Edition,2003年,42,P4592-4633
【文献】
Angewandte Chemie, International Edition,2005年,44(29),4490-4527
【文献】
Angewandte Chemie, International Edition,2006年,45(37),6086-6101
【文献】
Journal of the American Chemical Society,2005年,127(23),8526-8533
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
環Aが、場合により置換されている12〜18員飽和または部分不飽和環であり、環Aの0〜6つのメチレン単位が、場合により、独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、または−S(O)2−、−OSO2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−、または−Cy1−によって置き換えられている、請求項1に記載の方法。
環Aが、場合により置換されている12〜18員飽和または部分不飽和環であり、環Aの0〜6つのメチレン単位が、場合により、独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、または−S(O)2−、−OSO2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−、または−Cy1−によって置き換えられている、請求項3に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.本発明の特定の実施形態の一般説明
本発明は、モリブデン系またはタングステン系触媒による有効な制御の結果として、一部の実施形態では97%までのZ異性体をもたらす、高効率および立体選択性で進行する触媒RCM反応による大環状アルケンの合成方法を提供する。抗癌エポチロンAおよび抗菌ナカドマリンAをはじめとする幾つかの生物活性分子の調製−これらの合成は、後期非選択的RCMによって妨げられてきた−への応用によって有用性を実証する。タングステンまたはモリブデンから誘導される錯体が比較的高濃度であっても、高効率および立体選択性をもたらすことを本明細書において実証する。反応は、望ましくない選択肢に優先的な所望の経路(効率的RCM、および最低限の大環状Z−アルケン異性化以外に基質を再生させる、有利に形成されるホモカップリング生成物とエチレンとの交差メタセシス)を経由して進行する。
【0013】
金属がステレオジェニックである(Attygalle,A.B.、McCormick,K.D.、Blankespoor,C.L.、Eisner,T.およびMeinwald,J.「Azamacrolides:A family of alkaloids from the pupal defensive secretion of a ladybird beetle(Epilachna varivestis)」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90、5204−5208(1993))触媒が、下で詳細に説明するように、閉環メタセシス反応による効率的かつ高Z選択的オレフィン形成を促進することを、驚くべきことに発見した。金属がステレオジェニックでない触媒が、下で詳細に説明するように、閉環メタセシス反応による効率的かつ高Z選択的三置換大環状オレフィン形成を促進することを、驚くべきことに発見した。金属がステレオジェニックである触媒が、下で詳細に説明するように、閉環メタセシス反応による効率的かつ高Z選択的三置換大環状オレフィン形成を促進することを、驚くべきことに発見した。
【0014】
本発明の方法は、Z立体配置が富化された大環状アルケンの合成に有用である。一部の実施形態において、本発明は、Z−アルケンを含む多種類の生物活性化合物の合成に有用な方法を提供する。一部の実施形態において、本発明は、生物活性化合物の中間体として役立つ、Z−アルケンを含む多種類の化合物の合成に有用な方法を提供する。例示的なかかる生物活性天然生成物および/またはそれらの中間体を、以下および本明細書に記載する。
【0015】
ケーススタディ:エピラクネン、エポチロンAおよびナカドマリンA
大環状天然生成物エピラクネン(Hofle,G.ら「Epothilone A and B−novel 16−membered macrolides with cytotoxic activity:Isolation,crystal structure,and conformation in solution」、Angew.Chem.Int.Edn、35、1567−1569(1996))、エポチロンC(Kowalski,R.J.、Giannakakou,P.およびHamel,E.「Activities of the microtubule−stabilizing agents epothilones A and B with purified tubulin and in cells resistant to paclitaxel(taxol)」、J.Biol.Chem.272、2534−2541(1997);Bollag,D.M.ら「Epothilones,a new class of microtubule−stabilizing agents with a taxol−like mechanism of action」、Cancer Res.55、2325−2333(1995);Kobayashi,J.、Watanabe,D.、Kawasaki,N.およびTsuda,M.「Nakadomarin A,a novel hexacyclic manzamine−related alkaloid from Amphimedon Sponge」、J.Org.Chem.62、9236−9239(1997))およびナカドマリンA(Schrock,R.R.およびHoveyda,A.H.「Molybdenum and tungsten imido alkylidene complexes as efficient olefin metathesis catalysts」、Angew.Chem.Int.Edn、42、4592−4633(2003))を入手するために、4つの一般に用いられている金属錯体で行った、
図1に示す3セットの非選択的触媒RCM反応は、現状技術の厳しい欠点を例証する。多数の主要研究所からの努力は、エポチロンファミリーの様々なメンバーの必須大環状部分を合成するための手段として触媒RCMを含んでいる;普及している触媒、例えば、錯体1(Scholl,M.、Ding,S.、Lee,C.W.およびGrubbs,R.H.「Synthesis and activity of a new generation of ruthenium−based olefin metathesis catalysts coordinated with 1,3−dimesityl−4,5−dihydroimidazol−2−ylidine ligands」、Org.Lett.1、953−956(1999))および2a〜c(Garber,S.B.、Kingsbury,J.S.、Gray,B.L.およびHoveyda,A.H.「Efficient and recyclable monomeric and dendritic Ru−based metathesis catalysts」、J.Am.Chem.Soc.122、8168−8179(2000);Nicolaou,K.C.ら「Synthesis of epothilones A and B in solid and solution phase」、Nature 387、268−272(1997))(
図1)の使用は、結果として立体選択性を殆どまたは全くもたらさない(2b〜cとの反応の詳細については実施例を参照されたし)(Nicolaou,K.C.ら「The olefin metathesis approach to epothilone A and its analogues」、J.Am.Chem.Soc.119、7960−7973(1997);Meng,D.ら「Total synthesis of epothilones A and B」、J.Am.Chem.Soc.119、10073−10092(1997);Nagata,T.、Nakagawa,M.およびNishida,A.「The first total synthesis of nakadomarin A」、J.Am.Chem.Soc.125、7484−7485(2003))。触媒大環状RCMを含む4つの異なる経路から成る、ナカドマリンAに関するより最近の構想は、同じく思わしくなかった(Ono,K.,Nakagawa,M.およびNishida,A.「Asymmetric total synthesis of(−)−nakadomarin A.」、Angew.Chem.Int.Edn、43、2020−2023(2004);Young,I.S.およびKerr,M.A.「Total synthesis of(+)−nakadomarin A.」、J.Am.Chem.Soc.129、1465−1469(2007);Jakubec,P.、Cockfield,D.M.およびDixon,D.J.「Total synthesis of(−)−nakadomarin A.」、J.Am.Chem.Soc.131、16632−16633(2009);Fuerstner,A.およびLangemann,K.「Macrocycles by ring−closing metathesis.」、Synthesis 792−803(1997))。
【0016】
エピラクネンを生じさせる触媒Z選択的RCMは、他のわずかに置換されている大環状分子の入手を可能にする、以前に概説されたもの(Xu,Z.ら「Applications of Zr−catalyzed carbomagnesation and Mo−catalyzed macrocyclic ring−closing metathesis in asymmetric synthesis. Enantioselective total synthesis of Sch 38516(fluvirucin B)」、J.Am.Chem.Soc.119、10302−10316(1997))より効率的なアプローチの表す。より複雑なジエン、例えば、4および6(
図1)の反応は、幾つかの理由のため特に説得力のある対象である。第一に、エポチロンCはもちろんナカドマリンAも並はずれた生物活性(例えば、それぞれ、抗癌および抗菌活性)を呈示する、天然生成物の重要なクラスに属する。かかる標的の実験室合成のための有効な方法は、より大量のこれらの分子およびそれらの類似体をもたらすことになる。第二に、用いられるプロトコルにかかわらず、かかる標的における大員環の形成は高官能化基質を必要とし、長い多段階経路の後期に起こるので、非選択的変換は、費用の嵩む総合効率低下を招く。より複雑な基質、例えば4または6に関しては、より単純な類似体を伴う予備的モデリング研究を用いて、RCM戦略の実現可能性を確証することができると予見することができる(Nagata,T.、Nakagawa,M.およびNishida,A.「The first total synthesis of nakadomarin A」、J.Am.Chem.Soc.125、7484−7485(2003))。しかし、特定の置換基およびそれらの立体化学的独自性が触媒閉環の効率および立体選択性に重要な役割を果たし、それらの不在が、多くの場合、RCM反応に大きな影響を及ぼすので、かかる作戦は賢明でない(Meng,D.ら「Total synthesis of epothilones A and B」、J.Am.Chem.Soc.119、10073−10092(1997);Fuerstner,A.、Mathes,C.およびLehmann,C.W.「Alkyne metathesis:development of a novel molybdenum−based catalyst system and its application to the total synthesis of epothilone A and C」、Chem.Eur.J.7、5299−5317(2001))。
【0017】
触媒RCMは、合成経路の後期に起こり、相当な効率低下を招くので、立体選択的閉環のかかる困難は特に有害である。例えば、抗癌剤エポチロンCの全合成に用いられるジエン前駆体4は、16段階順路によって調製される。触媒により制御されるZ選択的RCMは、基質構造の属性の影響を受けにくいだろう。
【0018】
(所望のアルケン立体化学をもたらす触媒の同定に対して)より一般的だがあまり有効ではない基質構造改変戦略によって上述の厄介な問題の解決策を見つけようと試みられてきた。あるケースでは、Moにより触媒されるアルキンメタセシス、続いてPdにより触媒される制御された水素化を含む、大環状Zアルケンを入手するための二段階手順が開発された(Nilson,M.G.およびFunk,R.L.「Total synthesis of(−)−nakadomarin A」、Org.Lett.12、4912−4915(2010);Coutelier,O.およびMortreux,A.「Terminal alkyne metathesis:A further step towards selectivity」、Adv.Synth.Catal.348、2038−2042(2006))。したがって、一方の触媒プロセスが環系を生じさせ、もう一方が酸化状態を調整して、所望の立体化学をもたらす。しかし、内在的でなければならない(触媒長寿命を増進させ、オリゴマー化を回避するために、メチル置換されている)必須アルキン前駆体の合成(Wang,Y.ら「Control of olefin geometry in macrocyclic ring−closing metathesis using a removable silyl group」、J.Am.Chem.Soc.133、ASAP)は、追加の操作を要する。さらに、アルキン還元は、パラジウム塩および有毒な鉛添加剤を含有する触媒を用いて行われる;過度の還元は、特に、所望のアルケンからの望ましくないアルカン副生成物の分離が困難であり得るので、厄介な問題をもたらし得る。より最近になって、内部ビニルシランと末端アルケンとの大環状RCM反応が開示された(Malcolmson,S.J.、Meek,S.J.、Sattely,E.S.、Schrock,R.R.およびHoveyda,A.H.「Highly efficient molybdenum−based catalysts for alkene metathesis」、 Nature 456、933−937(2008))。この問題に対処するために追加の二段階がまた用いられている:(1)必須ビニルシランを、先ず、末端アルキンのRu触媒ヒドロシリル化によって調製する;そして(2)得られた三置換シリル置換アルケンをフッ化アンモニウムとフッ化銀塩と酢酸の混合物での処理によってプロト脱シリル化して、Zアルケンを隠していたものを除去(unmask)する。
【0019】
Moがステレオジェニックである(stereogenic−at−Mo)(Ibrahem,I.、Yu,M.、Schrock,R.R.およびHoveyda,A.H.「Highly Z− and enantioselective ring−opening/cross−metathesis reactions catalyzed by stereogenic−at−Mo adamantylimido complexes」、J.Am.Chem.Soc.131、3844−3845(2009))触媒は、開環/交差メタセシス(Meek,S.J.、O’Brien,R.V.、Llaveria,J.、Schrock,R.R.およびHoveyda,A.H.「Catalytic Z−selective olefin cross−metathesis for natural product synthesis」、Nature 471、461−466(2011))、ホモカップリングおよび交差メタセシス(Jiang,A.J.、Zhao,Y.、Schrock,R.R.およびHoveyda,A.H.「Highly Z−selective metathesis homocoupling of terminal olefins」、J.Am.Chem.Soc.131、16630−16631(2009))によって効率的かつ高Z選択的オレフィン形成を促進する;モリブデン錯体はもちろん関連タングステンアルキリデンもホモカップリングプロセスに有効であった(Rossini,C.、Gonzalez,A.、Farmer,J.、Meinwald J.およびEisner,T.「Antiinsectan activity of epilachnene,a defensive alkaloid from pupae of Mexican bean beetles(Epilachna varivestis)」、J.Chem.Ecol.26、391−397(2000))。上述の変換では、2つのアルケン含有基質が反応して、非環式1,2−二置換内部炭素−炭素二重結合を生じさせ、これは、触媒とのさらなる反応を受けにくく、その結果、多くの場合エネルギー的により好適なE異性体の平衡が生じ、その形成を引き起こす。オレフィンメタセシスが2つの比較的制約されていない(例えば、アリル置換基がない)アルケンを含む場合、初期Zアルケン生成物がより容易に異性体化を受け得るので、立体異性体的純度がより失われやすくなる傾向がある(Jiang,A.J.、Zhao,Y.、Schrock,R.R.およびHoveyda,A.H.「Highly Z−selective metathesis homocoupling of terminal olefins」、J.Am.Chem.Soc.131、16630−16631(2009))。
図1に図示するものなどの多くの応用には、大環状Zアルケンと触媒の会合を妨げ、平衡プロセスの速度を遅らせるアリル置換基がない。したがって、立体選択性の有効な制御には、最低限の開環/Eアルケンの形成を生じさせるRCM以外の有効なRCMが存在するように、反応性の微妙なバランスをとる触媒が要求される。閉環と開環による平衡の間の敏感な相互作用は、別の複雑化要因を強調する。環の歪みは、交差メタセシスにはあてはまらないが、環状アルケンにRCM後の変換を受けやすくさせる。さらに対照的に、触媒交差メタセシスにおける極めて重要な戦略は、(ホモカップリングまたは異性体化に対して)所望の生成物の形成に好適であるような過剰量の一方の交差パートナーの使用を含む;後者のアプローチは、2つの反応するアルケンが正確に同じ濃度でのみ存在し得るRCMプロセスでは実現可能でない。
【0020】
一部の実施形態において、本発明は、適するジエンを金属がステレオジェニックである金属触媒と反応させることを含む、cis二重結合を有する大環の形成方法を提供する。一部の実施形態において、本発明は、適するジエンを金属がステレオジェニックである触媒と反応させて、式Iの化合物を形成することを含む方法を提供する:
【0021】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
描かれている二重結合は、cis立体配置でのものであり、ならびに
環Aは、場合により置換されている8〜30員飽和または部分不飽和環であり、環Aの0〜6つのメチレン単位は、場合により、独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、または−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−、または−Cy
1−によって置き換えられており、各−Cy
1−は、独立して、
フェニレン、3〜8員飽和もしくは部分不飽和カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和ヘテロシクリレンから独立して選択される、二価の場合により置換されている単環式環;あるいは
8〜10員アリーレン、7〜10員飽和もしくは部分不飽和カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員飽和もしくは部分不飽和ヘテロシクリレンから独立して選択される、二価の場合により置換されている二環式環;あるいは
14員アリーレン、9〜20員飽和もしくは部分不飽和カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する9〜14員ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する9〜20員飽和もしくは部分不飽和ヘテロシクリレンから独立して選択される、二価の場合により置換されている三環式環;あるいは
16〜18員アリーレン、11〜30員飽和もしくは部分不飽和カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する15〜18員ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜12個のヘテロ原子を有する11〜30員飽和もしくは部分不飽和ヘテロシクリレンから独立して選択される、二価の場合により置換されている四環式環
であり;
nは、0〜20であり;
各Rは、独立して、水素であるか、あるいはC
1〜6脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり、この場合、
同じ窒素原子上の2つのR基は、該窒素原子と場合により一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和もしくはアリール環を形成し;または
同じ炭素原子上の2つのR基は、それらの間にある原子と場合により一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和もしくは部分不飽和スピロ環式環を形成し;または
隣接する原子上の2つのR基は、それらの間にある原子と場合により一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和もしくはアリール環を形成し;
各R
Aは、−R、−QR、−OR、適切に保護されたヒドロキシル基、−SR、適切に保護されたチオール基、−S(O)R、−SO
2R、−OSO
2R、−N(R)
2、適切に保護されたアミノ基、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)C(O)R、−N(R)C(O)N(R)
2、−N(R)C(O)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R)
2、または−OC(O)N(R)
2から独立して選択され、この場合、
同じ炭素原子上の2つのR
Aは、場合により一緒になって、オキソ部分、オキシム、場合により置換されているヒドラゾン、場合により置換されているイミン、場合により置換されているC
2〜6アルキリデン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和もしくは部分不飽和スピロ環を形成するか、あるいは
隣接原子上の2つのR
Aは、場合により一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和もしくはアリール環を形成し;
各Qは、独立して、場合により置換されている二価のC
1〜10炭化水素鎖であり、この場合、Qの1、2または3つのメチレン単位は、場合により、独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、または−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−、または−Cy
2−によって置き換えられており;そして、
各−Cy
2−は、独立して、フェニレン、3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式ヘテロシクリレン、8〜10員二環式アリーレン、7〜10員飽和もしくは部分不飽和二環式カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員飽和もしくは部分不飽和二環式ヘテロシクリレンから選択される、二価の場合により置換されている環である)。
【0022】
一部の実施形態において、本発明は、Z二重結合を有する大環の形成方法であって、適するジエンを触媒と反応させることを含み、前記Z二重結合が三置換されているものである方法を提供する。一部の実施形態において、本発明は、Z二重結合を有する大環の形成方法であって、適するジエンを金属がステレオジェニックである触媒と反応させることを含み、前記Z二重結合が三置換されているものである方法を提供する。一部の実施形態において、本発明は、Z二重結合を有する大環の形成方法であって、適するジエンを金属がステレオジェニックでない触媒と反応させることを含み、前記Z二重結合が三置換されているものである方法を提供する。一部の実施形態において、本発明は、適するジエンを触媒と反応させて、式I−aの化合物を形成することを含む方法を提供する:
【0023】
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
描かれている二重結合は、Z立体配置でのものであり、ならびに
環Aは、場合により置換されている8〜30員飽和または部分不飽和環であり、環Aの0〜6つのメチレン単位は、場合により、独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、または−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−、または−Cy
1−によって置き換えられており、各−Cy
1−は、独立して、
フェニレン、3〜8員飽和もしくは部分不飽和カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和ヘテロシクリレンから独立して選択される、二価の場合により置換されている単環式環;あるいは
8〜10員アリーレン、7〜10員飽和もしくは部分不飽和カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員飽和もしくは部分不飽和ヘテロシクリレンから独立して選択される、二価の場合により置換されている二環式環;あるいは
14員アリーレン、9〜20員飽和もしくは部分不飽和カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する9〜14員ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する9〜20員飽和もしくは部分不飽和ヘテロシクリレンから独立して選択される、二価の場合により置換されている三環式環;あるいは
16〜18員アリーレン、11〜30員飽和もしくは部分不飽和カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する15〜18員ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜12個のヘテロ原子を有する11〜30員飽和もしくは部分不飽和ヘテロシクリレンから独立して選択される、二価の場合により置換されている四環式環
であり;
nは、0〜20であり;
各Rは、独立して、水素であるか、あるいはC
1〜6脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり、この場合、
同じ窒素原子上の2つのR基は、該窒素原子と場合により一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和もしくはアリール環を形成し;または
同じ炭素原子上の2つのR基は、それらの間にある原子と場合により一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和もしくは部分不飽和スピロ環式環を形成し;または
隣接する原子上の2つのR基は、それらの間にある原子と場合により一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和もしくはアリール環を形成し;
各R
Aは、−R、−QR、−OR、適切に保護されたヒドロキシル基、−SR、適切に保護されたチオール基、−S(O)R、−SO
2R、−OSO
2R、−N(R)
2、適切に保護されたアミノ基、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)C(O)R、−N(R)C(O)N(R)
2、−N(R)C(O)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R)
2、または−OC(O)N(R)
2から独立して選択され、この場合、
同じ炭素原子上の2つのR
Aは、場合により一緒になって、オキソ部分、オキシム、場合により置換されているヒドラゾン、場合により置換されているイミン、場合により置換されているC
2〜6アルキリデン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和もしくは部分不飽和スピロ環を形成するか、あるいは
隣接原子上の2つのR
Aは、場合により一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和もしくはアリール環を形成し;
R
Bは、−R、−QR、−OR、適切に保護されたヒドロキシル基、−SR、適切に保護されたチオール基、−S(O)R、−SO
2R、−OSO
2R、−N(R)
2、適切に保護されたアミノ基、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)C(O)R、−N(R)C(O)N(R)
2、−N(R)C(O)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R)
2、または−OC(O)N(R)
2であり;
各Qは、独立して、場合により置換されている二価のC
1〜10炭化水素鎖であり、この場合、Qの1、2または3つのメチレン単位は、場合により、独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、または−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−、または−Cy
2−によって置き換えられており;そして、
各−Cy
2−は、独立して、フェニレン、3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式ヘテロシクリレン、8〜10員二環式アリーレン、7〜10員飽和もしくは部分不飽和二環式カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員飽和もしくは部分不飽和二環式ヘテロシクリレンから選択される、二価の場合により置換されている環である)。
【0024】
本明細書において用いる場合、「適するジエン」という句は、提供する閉環メタセシス反応を受けて式Iの化合物を形成することができる任意のジエンを指す。例示的なかかるジエンを本明細書に記載し、本明細書における実施例において図示する。
【0025】
本明細書において用いる場合、別段の指定がない限り、環内の三置換二重結合のE/Z立体配置を決定するとき、該環の環原子に、該環の一部ではない原子に比べて高い優先順位(prority)を与える。別段の指定がない限り、R
AおよびR
Bのいかんを問わず、下の式I−aに図示する二重結合は、環AにおけるZ二重結合であり、この場合の各変数は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0026】
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、前記Z−大環状アルケンは、エステルまたはアミドを含む。式Iの化合物のさらなる態様を下で詳細に説明する。
【0027】
一部の実施形態において、本発明は、式IまたはI−aの化合物の形成方法であって、適するジエンを適する条件下で式II−aの金属錯体と反応させることを含む方法を提供する:
【0028】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
Mは、モリブデンまたはタングステンであり;
R
1は、C
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;
R
2およびR
3の各々は、独立して、R’、−OR’、−SR’、−N(R’)
2、−OC(O)R’、−SOR’、−SO
2R’、−SO
2N(R’)
2、−C(O)N(R’)
2、−NR’C(O)R’、または−NR’SO
2R’であるが、但し、R
2およびR
3が同時に水素でないことを条件とし;
R
4は、−Ar、C
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜14員二環式もしくは三環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;
Arは、次の式:
【0029】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
mは、0〜3であり;
環Bは、フェニル、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;
pおよびqは、独立して、0〜6であり;
環Cおよび環Dの各々は、独立して、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;
R
x、R
yおよびR
zは各々独立して、ハロゲン、−OR’、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2、−NR’OR’であるか、またはC
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族から選択される、場合により置換されている基である)
のものであり;
R
5は、ハロゲン、−OR
6、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2または−NR’OR’であるか、あるいは少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子とを有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、または少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子とを有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子とを有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環、または少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子とを有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;
R
6は、C
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜14員二環式もしくは三環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;そして、
各R’は、独立して、水素であるか、あるいはC
1〜6脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;この場合、
同じ窒素原子上の2つのR’基は、該窒素原子と場合により一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和もしくはアリール環を形成する)。
【0030】
一部の実施形態において、本発明は、式IまたはI−aの化合物の形成方法であって、適するジエンを適する条件下で式II−bの金属錯体と反応させることを含む方法を提供する:
【0031】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
Mは、モリブデンまたはタングステンであり;
R
1は、C
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;
R
2’およびR
3’は、それらの間にある金属原子と一緒になって、場合により置換されている3〜8員飽和もしくは部分不飽和環を形成し、該環は、前記間にある金属原子に加えて、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有し;
R
4は、−Ar、C
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜14員二環式もしくは三環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;
Arは、次の式:
【0032】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
mは、0〜3であり;
環Bは、フェニル、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;
環Cおよび環Dの各々は、独立して、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;
pおよびqは、独立して、0〜6であり;
R
x、R
yおよびR
zは各々独立して、ハロゲン、−OR
6、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2、−NR’OR’であるか、またはC
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族から選択される、場合により置換されている基である)
のものであり;
R
5は、ハロゲン、−OR
6、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2または−NR’OR’であるか、あるいは少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子とを有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、または少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子とを有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子とを有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環、または少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子とを有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;
R
6は、C
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜14員二環式もしくは三環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;そして、
各R’は、独立して、水素であるか、あるいはC
1〜6脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;この場合、
同じ窒素原子上の2つのR’基は、該窒素原子と場合により一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和もしくはアリール環を形成する)。
【0033】
一部の実施形態において、本発明は、式IまたはI−aの化合物の形成方法であって、適するジエンを適する条件下で式II−cの金属錯体と反応させることを含む方法を提供する:
【0034】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
Mは、モリブデンまたはタングステンであり;
R
8は、R
1であるか、または1つから5つのR
9で場合により置換されているフェニルであり;
各R
9は、独立してハロゲンまたはR
1であり;
R
1は、C
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;
R
2およびR
3の各々は、独立して、R’、−OR’、−SR’、−N(R’)
2、−OC(O)R’、−SOR’、−SO
2R’、−SO
2N(R’)
2、−C(O)N(R’)
2、−NR’C(O)R’、または−NR’SO
2R’であるが、但し、R
2およびR
3が同時に水素でないことを条件とし;
各R
7は、独立して、−Ar’、C
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜14員二環式もしくは三環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;そして、2つのR
7は、それらが結合している酸素原子と場合により一緒になって、二座配位子を形成し;
Ar’は、次の式:
【0035】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
tは、0〜4であり;
pは、0〜6であり;
環B’および環C’の各々は、独立して、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;そして、
各R
Sは、独立して、ハロゲン、R’,−OR’、−SR’、−S(O)R’、−S(O)
2R’、−OSi(R’)
3、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2、または−NR’OR’である)
のものであり;
各R’は、独立して、水素であるか、あるいはC
1〜6脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;この場合、
同じ窒素原子上の2つのR’基は、該窒素原子と場合により一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和もしくはアリール環を形成する)。
【0036】
一部の実施形態において、本発明は、式II−cの金属錯体を提供する:
【0037】
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
Mは、モリブデンまたはタングステンであり;
R
8は、R
1であるか、または1つから5つのR
9で場合により置換されているフェニルであり;
各R
9は、独立してハロゲンまたはR
1であり;
R
1は、C
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;
R
2およびR
3の各々は、独立して、R’、−OR’、−SR’、−N(R’)
2、−OC(O)R’、−SOR’、−SO
2R’、−SO
2N(R’)
2、−C(O)N(R’)
2、−NR’C(O)R’、または−NR’SO
2R’であるが、但し、R
2およびR
3が同時に水素でないことを条件とし;
各R
7は、独立して、−Ar’、C
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜14員二環式もしくは三環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;そして、2つのR
7は、それらが結合している酸素原子と場合により一緒になって、二座配位子を形成し;
Ar’は、次の式:
【0038】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
tは、0〜4であり;
pは、0〜6であり;
環B’および環C’の各々は、独立して、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;そして、
各R
Sは、独立して、ハロゲン、R’,−OR’、−SR’、−S(O)R’、−S(O)
2R’、−OSi(R’)
3、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2、または−NR’OR’である)
のものであり;
各R’は、独立して、水素であるか、あるいはC
1〜6脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;この場合、
同じ窒素原子上の2つのR’基は、該窒素原子と場合により一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和もしくはアリール環を形成する)。
【0039】
本明細書中で提供する方法において有用な式II−a、II−bおよびII−cの金属錯体のさらなる態様を下で詳細に説明する。
【0040】
一部の実施形態において、本発明は、Z大環状アルケンの合成に有用な金属錯体を提供する。詳細には、提供する金属錯体は、Z選択的閉環メタセシス反応に有用である。特定の実施形態において、提供する金属錯体は、式III−aまたはIII−bのいずれかのものである。
【0041】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、式III−aの提供する金属錯体は、
【0042】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Adは、アダマンチル(adamantly)であり、Phは、フェニルであり、Tripは、2,4,6−i−PrC
6H
2であり、R’は、水素またはメチルである)
以外である。
【0043】
式III−aおよびIII−bの錯体のさらなる態様を下で詳細に説明する。
【0044】
一部の実施形態において、本発明は、アルケン含有大環状化合物を含む組成物であって、該化合物のZ立体配置が富化されている組成物を提供する。かかる組成物のさらなる態様を下で詳細に説明する。
【0045】
2.定義
本発明の化合物は、本明細書に全般的に記載するものを含み、本明細書に開示するクラス、サブクラスおよび化学種によってさらに例示される。本明細書において用いる場合、別段の指示がない限り、以下の定義が適用されるものとする。本発明のために、化学元素は、元素周期表、CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics、第75版に従って同定される。加えて、有機化学の一般原則は、「Organic Chemistry」、Tomas Sorrell、University Science Books、Sausalito:1999、および「March’s Advanced Organic Chemistry」、第5版、編集: Smith,M.B.およびMarch,J.、John Wiley & Sons、New York:2001に記載されており、この参考文献の全内容が参照により本明細書に援用されている。
【0046】
本明細書において用いる場合の用語「脂肪族」または「脂肪族基」は、その分子の残部への単一結合点を有する、完全に飽和しているもしくは1つ以上の不飽和単位を含有する直鎖(すなわち、非分子鎖)もしくは分枝鎖状、置換もしくは非置換炭化水素鎖、または完全に飽和しているもしくは1つ以上の不飽和単位を含有するが、芳香族でない単環式炭化水素、二環式炭化水素もしくは三環式炭化水素(本明細書では「炭素環」、「環状脂肪族」または「シクロアルキル」とも呼ぶ)を意味する。別段の明記が無い限り、脂肪族基は、1〜30個の脂肪族炭素原子を含有する。一部の実施形態において、脂肪族基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態において、脂肪族基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態において、脂肪族基は、1〜5個の脂肪族炭素原子を含有し、さらに他の実施形態において、脂肪族基は、1、2、3または4個の脂肪族炭素原子を含有する。適する脂肪族基としては、直鎖または分枝鎖状、置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル基およびそれらのハイブリッド、例えば、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
本明細書において用いる場合の用語「環状脂肪族」は、3から14員を有する、本明細書に記載するとおりの飽和または部分不飽和環式脂肪族の単環式、二環式または多環式環系を指し、該脂肪族環系は、上で定義したおよび本明細書に記載するように、場合により置換されている。環状脂肪族基としては、限定ではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、ノルボルニル、アダマンチルおよびシクロオクタジエニルが挙げられる。一部の実施形態において、前記シクロアルキルは、3〜6個の炭素を有する。用語「環状脂肪族」は、ラジカルまたは結合点が脂肪族環上にある、1つ以上の芳香環または非芳香環と縮合している脂肪族環、例えばデカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチルも含み得る。一部の実施形態において、炭素環式基は、二環式である。一部の実施形態において、炭素環式基は、三環式である。一部の実施形態において、炭素環式基は、多環式である。一部の実施形態において、「環状脂肪族」(または「炭素環」または「シクロアルキル」)は、単環式C
3〜C
6炭化水素、またはその分子の残部への単一結合点を有し、完全に飽和しているもしくは1つ以上の不飽和単位を含有するが芳香族でない、C
8〜C
10二環式炭化水素;またはその分子の残部への単一結合点を有し、完全に飽和しているもしくは1つ以上の不飽和単位を含有するが芳香族でない、C
9〜C
16三環式炭化水素を指す。
【0048】
本明細書において用いる場合、用語「アルキル」は、当該技術分野におけるその通常の意味が与えられ、そして、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基を含み得る。特定の実施形態において、直鎖または分枝鎖アルキルは、その主鎖に約1〜20個の炭素原子(例えば、直鎖についてはC
1〜C
20、分枝鎖についてはC
2〜C
20)、または約1〜10個の炭素原子を有する。一部の実施形態において、シクロアルキル環は、かかる環が単環式もしくは二環式である場合にはそれらの環構造内に約3〜10個の炭素原子を有し、またはその環構造内に約5、6もしくは7個の炭素を有する。一部の実施形態において、アルキル基は、1〜4個の炭素原子(例えば、直鎖低級アルキルについてはC
1〜C
4)を含む低級アルキル基であり得る。
【0049】
本明細書において用いる場合、用語「アルケニル」は、1つ以上の二重結合を有する、本明細書において定義するとおりのアルキル基を指す。
【0050】
本明細書において用いる場合、用語「アルキニル」は、1つ以上の三重結合を有する、本明細書において定義するとおりのアルキル基を指す。
【0051】
用語「ヘテロアルキル」は、当該技術分野におけるその通常の意味が与えられ、そして、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄およびこれらに類するもの)で置き換えられている本明細書に記載するとおりのアルキル基を指す。ヘテロアルキル基の例としては、アルコキシ、ポリ(エチレングリコール)−、アルキル置換アミノ、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、モルホリニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
単独で用いられるかまたは「アラルキル」、「アラルコキシ」もしくは「アリールオキシアルキル」の場合のようにより大きな部分の一部として用いられる用語「アリール」は、合計5個から14個の環員を有する単環式または二環式環系であって、該系内の少なくとも1つの環が芳香族であり、該系内の各環が3個から7個の環員を含有するものである環系を指す。用語「アリール」を用語「アリール環」と交換して用いることができる。本発明の特定の実施形態において、「アリール」は、1つ以上の置換基を保有することがある、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ビナフチル、アントラシルおよびこれらに類するものを含むがこれらに限定されない芳香環系を指す。用語「アリール」の範囲には、それを本明細書において用いる場合、芳香環が1つ以上の非芳香環と縮合している基、例えばインダニル、フタルイミジル、ナフトイミジル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロナフチルおよびこれらに類するものである基も含まれる。
【0053】
単独で用いられるかまたはより大きな部分の一部、例えば、「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアラルコキシ」として用いられる用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアラ−(heteroar−)」は、5から10個の環原子を有する基(すなわち、単環式または二環式)、一部の実施形態では5、6、9または10個の環原子を有する基を指す。一部の実施形態において、かかる環は、環式配列の中で共有される6、10または14個のπ電子を有し、炭素原子に加えて1から5個のヘテロ原子を有する。用語「ヘテロ原子」は、窒素、酸素または硫黄を指し、ならびに窒素または硫黄の任意の酸化形態、および塩基性窒素の任意の四級化形態を含む。ヘテロアリール基としては、限定ではないが、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニルおよびプテリジニルが挙げられる。一部の実施形態において、ヘテロアリールは、ヘテロビアリール基、例えば、ビピリジルおよびこれに類するものである。本明細書において用いる場合の用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアラ−」は、ヘテロ芳香環が1つ以上のアリール、環状脂肪族またはヘテロシクリル環と縮合している基であって、そのラジカルまたは結合点が前記ヘテロ芳香環上にある基も含む。非限定的な例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルおよびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式、二環式、三環式、四環式および/または別様に多環式であり得る。用語「ヘテロアリール」を用語「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」または「ヘテロ芳香族」と交換して用いることができ、これらの用語のいずれもが、場合により置換されている環を含む。用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールによって置換されているアルキル基であって、そのアルキルおよびヘテロアリール部分が、独立して、場合により置換されている基を指す。
【0054】
本明細書において用いる場合、用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式ラジカル」および「複素環式環」は、交換して用いられており、ならびに飽和しているか部分不飽和であり、かつ炭素原子に加えて1個以上の、好ましくは1から4個の、上で定義したとおりのヘテロ原子を有する、安定した5員から7員の単環式または7〜10員二環式複素環式部分を指す。複素環の環原子に関して用いるとき、用語「窒素」は、置換されている窒素を含む。一例として、酸素、硫黄または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和もしくは部分不飽和環において、窒素は、(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルの場合のように)Nであることもあり、(ピロリジニルの場合のように)NHであることもあり、(N置換ピロリジニルの場合のように)
+NRであることもある。
【0055】
安定した構造を生じさせる結果となる任意のヘテロ原子または炭素原子で複素環式環をそのペンダント基に結合させることができ、それらの環原子のいずれもが、場合により置換されていることがある。かかる飽和または部分不飽和複素環式ラジカルの例としては、限定ではないが、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニルおよびキヌクリジニルが挙げられる。用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環式基」、「複素環式部分」および「複素環式ラジカル」は、本明細書では交換して用いられており、またヘテロシクリル環が1つ以上のアリール、ヘテロアリールまたは環状脂肪族環と縮合している基、例えば、インドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロキノリニルも含む。ヘテロシクリル基は、単環式、二環式、三環式、四環式および/または別様に多環式であり得る。用語「ヘテロシクリルアルキル」は、ヘテロシクリルによって置換されているアルキル基であって、そのアルキルおよびヘテロシクリル部分が、独立して、場合により置換されている基を指す。
【0056】
本明細書において用いる場合、用語「部分不飽和」は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む環部分を指す。用語「部分不飽和」は、多数の不飽和部位を有する環を包含することを意図したものであるが、本明細書において定義するとおりのアリールまたはヘテロアリールを含むことを意図したものではない。
【0057】
用語「ヘテロ原子」は、酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素(窒素、硫黄、リンもしくはケイ素の任意の酸化形態;任意の塩基性窒素の四級化形態;または複素環式環の置換可能な窒素、例えば、(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルの場合のような)N、(ピロリジニルの場合のような)NHもしくは(N置換ピロリジニルの場合のような)NR
+を含む)の1つ以上を意味する。
【0058】
本明細書において用いる場合の用語「不飽和」は、ある部分が1つ以上の不飽和単位を有することを意味する。
【0059】
用語「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIを意味する。
【0060】
本明細書に記載の本発明の化合物は、「場合により置換されている」部分を含有することがある。一般に、用語「置換されている」は、用語「場合により」が前にあろうと、なかろうと、指定部分の1つ以上の水素が適する置換基で置き換えられていることを意味する。別段の指示がない限り、「場合により置換されている」基は、その基の各々の置換可能な位置に適する置換基を有することがあり、任意の所与の構造内の1より多くの位置が、明記されている群から選択される1つより多くの置換基で置換されていることがある場合、その置換基は、すべての位置で同じであることもあり、位置ごとに異なることもある。本発明により予見される置換基の組み合わせは、好ましくは、結果として安定なまたは化学的に実現可能な化合物が形成されることになるものである。本明細書において用いる場合の用語「安定な」は、化合物であって、それらの生産、検出ならびに特定の実施形態ではそれらの回収、精製、および本明細書に開示する目的のうちの1つ以上の目的での使用を可能にする条件に付されたとき、実質的に改変されない化合物を指す。
【0061】
「場合により置換されている」基の置換可能な炭素原子上の適する一価置換基は、独立して、ハロゲン;−(CH
2)
0〜4R
〇;−(CH
2)
0〜4OR
〇;−(CH
2)
0〜4SR
〇;−(CH
2)
0〜4S(O)R
〇;−(CH
2)
0〜4S(O)
2R
〇;−O(CH
2)
0−4R
〇;−O−(CH
2)
0〜4C(O)OR
〇;−(CH
2)
0〜4CH(OR
〇)
2;R
〇で置換されていることがある−(CH
2)
0〜4Ph;R
〇で置換されていることがある−(CH
2)
0〜4O(CH
2)
0〜1Ph;R
〇で置換されていることがある−CH=CHPh;R
〇で置換されていることがある−(CH
2)
0〜4O(CH
2)
0〜1−ピリジル;−NO
2;−CN;−N
3;−(CH
2)
0〜4N(R
〇)
2;−(CH
2)
0〜4N(R
〇)C(O)R
〇;−N(R
〇)C(S)R
〇;−(CH
2)
0〜4N(R
〇)C(O)NR
〇2;−N(R
〇)C(S)NR
〇2;−(CH
2)
0〜4N(R
〇)C(O)OR
〇;−N(R
〇)N(R
〇)C(O)R
〇;−N(R
〇)N(R
〇)C(O)NR
〇2;−N(R
〇)N(R
〇)C(O)OR
〇;−(CH
2)
0〜4C(O)R
〇;−C(S)R
〇;−(CH
2)
0〜4C(O)OR
〇;−(CH
2)
0〜4C(O)SR
〇;−(CH
2)
0〜4C(O)OSiR
〇3;−(CH
2)
0〜4OC(O)R
〇;−OC(O)(CH
2)
0〜4SR−;SC(S)SR
〇;−(CH
2)
0〜4SC(O)R
〇;−(CH
2)
0〜4C(O)NR
〇2;−C(S)NR
〇2;−C(S)SR
〇;−SC(S)SR
〇;−(CH
2)
0〜4OC(O)NR
〇2;−C(O)N(OR
〇)R
〇;−C(O)C(O)R
〇;−C(O)CH
2C(O)R
〇;−C(NOR
〇)R
〇;−(CH
2)
0〜4SSR
〇;−(CH
2)
0〜4S(O)
2R
〇;−(CH
2)
0〜4S(O)
2OR
〇;−(CH
2)
0〜4OS(O)
2R
〇;−S(O)
2NR
〇2;−(CH
2)
0〜4S(O)R
〇;−N(R
〇)S(O)
2NR
〇2;−N(R
〇)S(O)
2R
〇;−N(OR
〇)R
〇;−C(NH)NR
〇2;−P(O)
2R
〇;−P(O)R
〇2;−OP(O)R
〇2;−OP(O)(OR
〇)
2;−PR
〇2;−OPR
〇2;−SiR
〇3;−OSiR
〇3;−(C
1〜4直鎖または分枝鎖アルキレン)O−N(R
〇)
2;または−(C
1〜4直鎖または分枝鎖アルキレン)C(O)O−N(R
〇)
2であり;この場合、各R
〇は、下で定義するように置換されていることがあり、そして、独立して、水素、C
1〜6脂肪族、−CH
2Ph、−O(CH
2)
0〜1Ph、−CH
2−(5〜6員ヘテロアリール環)、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和もしくはアリール環であるか、あるいは上記定義にもかかわらず、2つの独立して存在するR
〇がそれらの間にある原子(単数または複数)と一緒になって、下で定義するように置換されていることがある、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜6個のヘテロ原子を有する3〜12員飽和、部分不飽和またはアリールの単環式または二環式環を形成する。
【0062】
R
〇(または2つの独立して存在するR
〇を、それらの間の原子と一緒にして形成される環)上の適する一価置換基は、独立して、ハロゲン、−(CH
2)
0〜2R
●、−(ハロR
●)、−(CH
2)
0〜2OH、−(CH
2)
0〜2OR
●、−(CH
2)
0〜2CH(OR
●)
2;−O(ハロR
●)、−CN、−N
3、−(CH
2)
0〜2C(O)R
●、−(CH
2)
0〜2C(O)OH、−(CH
2)
0〜2C(O)OR
●、−(CH
2)
0〜2SR
●、−(CH
2)
0〜2SH、−(CH
2)
0〜2NH
2、−(CH
2)
0〜2NHR
●、−(CH
2)
0〜2NR
●2、−NO
2、−SiR
●3、−OSiR
●3、−C(O)SR
●、−(C
1−4直鎖または分枝鎖アルキレン)C(O)OR
●、または−SSR
●であり、各R
●は、非置換であるか、または「ハロ」が前にある場合は1つ以上のハロゲンのみで置換されており、そして、独立して、C
1〜4脂肪族、−CH
2Ph、−O(CH
2)
0〜1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和もしくはアリール環から独立して選択される。R
〇の飽和炭素原子上の適する二価置換基としては、=Oおよび=Sが挙げられる。
【0063】
「場合により置換されている」基の飽和炭素原子上の適する二価置換基としては、次のもの:=O、=S、=NNR
*2、=NNHC(O)R
*、=NNHC(O)R
*、=NNHS(O)
2R
*、=NR
*、=NOR
*、−O(C(R
*2))
2〜3O−、または−S(C(R
*2))
2〜3S−が挙げられ、この場合、各々独立して存在するR
*は、水素、下で定義するように置換されていることがあるC
1〜6脂肪族、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和もしくはアリール環から選択される。「場合により置換されている」基の隣接する置換可能な炭素に結合している、適する二価置換基としては、−O(CR
*2)
2〜3O−が挙げられ、この場合の各々独立して存在するR
*は、水素、下で定義するように置換されていることがあるC
1〜6脂肪族、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和もしくはアリール環から選択される。
【0064】
R
*の脂肪族基上の適する置換基としては、ハロゲン、−R
●、−(ハロR
●)、−OH、−OR
●、−O(ハロR
●)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR
●、−NH
2、−NHR
●、−NR
●2、または−NO
2が挙げられ、この場合の各R
●は、非置換であるか、または「ハロ」が前にある場合には1つ以上のハロゲンのみで置換されており、そして、独立して、C
1〜4脂肪族、−CH
2Ph、−O(CH
2)
0〜1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和もしくはアリール環である。
【0065】
「場合により置換されている」基の置換可能な窒素上の適する置換基としては、−R
†、−NR
†2、−C(O)R
†、−C(O)OR
†、−C(O)C(O)R
†、−C(O)CH
2C(O)R
†、−S(O)
2R
†、−S(O)
2NR
†2、−C(S)NR
†2、−C(NH)NR
†2、または−N(R
†)S(O)
2R
†が挙げられ;各R
†は、独立して、水素、下で定義するように置換されていることがあるC
1〜6脂肪族、非置換−OPh、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員飽和、部分不飽和もしくはアリール環であるか、あるいは上記定義にもかかわらず、2つの独立して存在するR
†が、それらの間にある原子(単数または複数)と一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する3〜12員飽和、部分不飽和またはアリールの単環式または二環式環を形成する。
【0066】
R
†の脂肪族基上の適する置換基は、独立してハロゲン、−R
●、−(ハロR
●)、−OH、−OR
●、−O(ハロR
●)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR
●、−NH
2、−NHR
●、−NR
●2、または−NO
2であり、この場合の各R
●は、非置換であるか、または「ハロ」が前にある場合には1つ以上のハロゲンのみで置換されており、そして、独立して、C
1〜4脂肪族、−CH
2Ph、−O(CH
2)
0〜1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和もしくはアリール環である。
【0067】
本明細書において用いる場合、用語「ステレオジェニック金属原子」は、その通常の意味が与えられ、そして、少なくとも2つの配位子(例えば、少なくとも4つの配位子)によって配位されている金属原子であって、構造物全体(例えば、金属錯体)には、該金属原子に関しての対称面がないように該配位子が該金属原子の周りに配列されている金属原子を指す。ある場合には、ステレオジェニック金属原子は、少なくとも3つの配位子、少なくとも4つの配位子、少なくとも5つの配位子、少なくとも6つの配位子、またはそれ以上の配位子によって配位されていることがある。特定の実施形態において、ステレオジェニック金属原子は、4つの配位子によって配位されていることがある。ステレオジェニック金属中心を含む金属錯体は、該金属錯体の反応部位における十分な空間特異性をもたらし得、その結果、対称面を有する分子基質を該反応部位で反応させて、対称面がない生成物を形成することができる。すなわち、前記金属錯体のステレオジェニック金属中心は、有効にステレオジェネシティを誘導してキラル生成物を生成するのに十分な形状特異性を付与することができる。かかる金属錯体は、以前の系と比べて改善された触媒活性および立体選択性を呈示することができ、ならびに望ましくない副反応(例えば、該金属錯体の二量体化またはオリゴマー化)を低減させることができる。
【0068】
用語「キラル」は、当該技術分野におけるその通常の意味を与えられ、そして、その鏡像と重ね合せることができない分子を指し、結果として生ずる重ね合せることができない鏡像は、「エナンチオマー」として公知であり、(R)エナンチオマーまたは(S)エナンチオマーと呼ばれる。典型的に、キラル分子には対称面がない。
【0069】
用語「アキラル」は、当該技術分野におけるその通常の意味を与えられ、その鏡像と重ね合せることができる分子を指す。典型的に、アキラル分子は、対称面を有する。
【0070】
本明細書において用いる場合、「窒素含有配位子」は、窒素原子を含む任意の化学種であり得る。ある場合には、窒素原子は、金属原子に結合し得る。ある場合には、窒素含有配位子は、異なる原子を介して金属中心と結合し得る。ある場合には、窒素原子は、ヘテロアリールまたはヘテロアルキル基の環原子であり得る。ある場合には、窒素原子は、置換アミン基であり得る。本明細書に記載する触媒前駆体において、窒素含有配位子が、金属中心(例えばMoまたはW金属中心)に配位するのに十分なイオン特性を有し得ることは理解されるはずである。窒素含有配位子の例としては、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、インドリル、インダゾリル、カルバゾリル、モルホリニル、ピペリジニル、オキサジニル、これらの置換誘導体、およびそれらに類するものが挙げられるが、それらに限定されない。例えば、窒素含有配位子は、ピロリドまたは2,5−ジメチルピロリドであり得る。酸素含有配位子がプレ触媒における窒素含有配位子と容易に置き換わって触媒を生成することができるように、窒素含有配位子が、酸素含有配位子と相互作用するように選択され得る。触媒組成物をin situで生成して化学反応を行うことができる場合、第一に、酸素含有配位子によって置き換えられたときに窒素含有配位子またはそれらのプロトン化バージョンがその化学反応に干渉しないように窒素含有配位子を選択することができる。一部の実施形態において、前記窒素含有配位子はキラルであり得、前記プレ触媒をラセミ混合物または精製された立体異性体として提供することができる。
【0071】
本明細書において用いる場合、用語「酸素含有配位子」は、少なくとも1個の酸素原子を含む配位子を指すために用いることができる。ある場合には、酸素原子が金属原子に結合し、その結果、エーテル結合を形成する。他のケースでは、酸素含有配位子は、異なる原子を介して金属中心と結合し得る。用語「酸素含有配位子」は、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む配位子前駆体(例えば、ヒドロキシル含有配位子)を説明することもあり、この場合、該ヒドロキシル基の脱プロトン化は、金属原子に配位できる負電荷を有する酸素原子を生じさせる結果となる。酸素含有配位子は、少なくとも1個の酸素環原子を含むヘテロアリールまたはヘテロアルキル基であり得る。ある場合には、酸素原子は、アルキル、ヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基の置換基上に位置し得る。例えば、酸素含有配位子は、ヒドロキシ置換アリール基であり得、この場合、該ヒドロキシル基は、金属中心に配位すると脱プロトン化される。
【0072】
本明細書において用いる場合の「保護基」という句は、望ましくない化学変換から潜在的に反応性の官能基を保護する一時的置換基を指す。かかる保護基の例としては、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、ならびにアルデヒドおよびケトンのそれぞれアセタールおよびケタールが挙げられる。「Si保護基」は、Si原子を含む保護基、例えば、Si−トリアルキル(例えば、トリメチルシリル、トリブチルシリル、t−ブチルジメチルシリル)、Si−トリアリール、Si−アルキル−ジフェニル(例えば、t−ブチルジフェニルシリル)、またはSi−アリール−ジアルキル(例えば、Si−フェニルジアルキル)である。一般に、Si保護基は、酸素原子に結合する。保護基化学の分野は、総説されている(Greene,T.W.、Wuts,P. G.M.「Protective Groups in Organic Synthesis」、第2版、Wiley:New York、1991)。かかる保護基(および関連する保護部分)を下で詳細に説明する。
【0073】
別段の記述がない限り、本明細書において図示する構造は、該構造のすべての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび幾何異性体(または配座異性体))形態、例えば、各不斉中心についてのRおよびS立体配置、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)および(E)配座異性体を含むことを意図したものでもある。したがって、本化合物の単一の立体化学異性体はもちろん、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび幾何異性体(または配座異性体)混合物も、本発明の範囲内である。
【0074】
別段の記述がない限り、本発明の化合物のすべての互変異性体形態が本発明の範囲内である。
【0075】
加えて、別段の記述がない限り、本明細書において図示する構造は、1種以上の同位体富化原子が存在するという点でのみ異なる化合物を含むことを意図したものでもある。例えば、ジュウテリウムまたはトリチウムによって水素が置き換えられていること、または
11Cもしくは
13Cもしくは
14C富化炭素によって炭素が置き換えられていることを除き本構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。かかる化合物は、例えば、生物学的アッセイにおける分析ツールまたはプローブとして有用である。
【0076】
保護ヒドロキシル基は、当該技術分野において周知であり、「Protecting Groups in Organic Synthesis」、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、第3版、John Wiley & Sons、1999に詳細に記載されているものを含み、該参考文献の全体が参照により本明細書に援用されている。適切に保護されたヒドロキシル基の例としては、エステル、炭酸エステル、スルホン酸エステル、アリルエーテル、エーテル、シリルエーテル、アルキルエーテル、アリールアルキルエーテルおよびアルコキシアルキルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。適するエステルの例としては、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、ペンタン酸エステル、クロトン酸エステルおよび安息香酸エステルが挙げられる。適するエステルの具体的な例としては、ギ酸エステル、ベンゾイルホルメート、クロロ酢酸エステル、トリフルオロ酢酸エステル、メトキシ酢酸エステル、トリフェニルメトキシ酢酸エステル、p−クロロフェノキシ酢酸エステル、3−フェニルプロピオン酸エステル、4−オキソペンタン酸エステル、4,4−(エチレンジチオ)ペンタン酸エステル、ピバル酸エステル(トリメチル酢酸エステル)、クロトン酸エステル、4−メトキシ−クロトン酸エステル、安息香酸エステル、p−フェニル安息香酸エステル、2,4,6−トリメチル安息香酸エステルが挙げられる。適する炭酸エステルの例としては、炭酸9−フルオレニルメチル、炭酸エチル、炭酸2,2,2−トリクロロエチル、炭酸2−(トリメチルシリル)エチル、炭酸2−(フェニルスルホニル)エチル、炭酸ビニル、炭酸アリルおよび炭酸p−ニトロベンジルが挙げられる。適するシリルエーテルの例としては、トリメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテル、t−ブチルジメチルシリルエーテル、t−ブチルジフェニルシリルエーテル、トリイソプロピルシリルエーテル、および他のトリアルキルシリルエーテルが挙げられる。適するアルキルエーテルの例としては、メチルエーテル、ベンジルエーテル、p−メトキシベンジルエーテル、3,4−ジメトキシベンジルエーテル、トリチルエーテル、t−ブチルエーテルおよびアリルエーテル、またはこれらの誘導体が挙げられる。アルコキシアルキルエーテルとしては、アセタール、例えば、メトキシメチルエーテル、メチルチオメチルエーテル、(2−メトキシエトキシ)メチルエーテル、ベンジルオキシメチルエーテル、ベータ−(トリメチルシリル)エトキシメチルエーテル、およびテトラヒドロピラン−2−イルエーテルが挙げられる。適するアリールアルキルエーテルの例としては、ベンジルエーテル、p−メトキシベンジル(MPM)エーテル、3,4−ジメトキシベンジルエーテル、O−ニトロベンジルエーテル、p−ニトロベンジルエーテル、p−ハロベンジルエーテル、2,6−ジクロロベンジルエーテル、p−シアノベンジルエーテル、2−ピコリルエーテルおよび4−ピコリルエーテルが挙げられる。
【0077】
保護アミンは、当該技術分野において周知であり、Greene(1999)に詳細に記載されているものを含む。適する一保護アミンとしては、さらに、アラルキルアミン、カルバメート、アリルアミン、アミドおよびこれらに類するものが挙げられるが、それらに限定されない。適する一保護アミノ部分の例としては、t−ブトキシカルボニルアミノ(−NHBOC)、エチルオキシカルボニルアミノ、メチルオキシカルボニルアミノ、トリクロロエチルオキシカルボニルアミノ、アリルオキシカルボニルアミノ、(−NHAlloc)、ベンジルオキシカルボニルアミノ(−NHCBZ)、アリルアミノ、ベンジルアミノ(−NHBn)、フルオレニルメチルカルボニル(−NHFmoc)、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、フェニルアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、ベンズアミド、t−ブチルジフェニルシリルおよびこれらに類するものが挙げられる。適する二保護アミンとしては、一保護アミンとして上に記載したものから独立して選択される2つの置換基で置換されているアミンが挙げられ、ならびにさらに、環式イミド、例えば、フタルイミド、マレイミド、スクシンイミドおよびこれらに類するものが挙げられる。適する二保護アミンとしては、ピロールおよびこれらに類するもの、2,2,5,5−テトラメチル−[1,2,5]アザジシロリジンおよびこれらに類するもの、ならびにアジドも挙げられる。
【0078】
保護アルデヒドは、当該技術分野において周知であり、Greene(1999)に詳細に記載されているものを含む。適する保護アルデヒドとしては、非環式アセタール、環式アセタール、ヒドラゾン、イミンおよびこれらに類するものがさらに挙げられるが、それらに限定されない。かかる基の例としては、ジメチルアセタール、ジエチルアセタール、ジイソプロピルアセタール、ジベンジルアセタール、ビス(2−ニトロベンジル)アセタール、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、セミカルバゾン、およびこれらの誘導体が挙げられる。
【0079】
保護カルボン酸は、当該技術分野において周知であり、Greene(1999)に詳細に記載されているものを含む。適する保護カルボン酸としては、場合により置換されているC
1〜6脂肪族エステル、場合により置換されているアリールエステル、シリルエステル、活性化エステル、アミド、ヒドラジドおよびこれらに類するものがさらに挙げられるが、それらに限定されない。かかるエステル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ベンジルおよびフェニルエステルが挙げられ、この場合、各基は、場合により置換されている。追加の適する保護カルボン酸としては、オキサゾリンおよびオルトエステルが挙げられる。
【0080】
保護チオールは、当該技術分野において周知であり、Greene(1999)に詳細に記載されているものを含む。適する保護チオールとしては、ジスルフィド、チオエーテル、シリルチオエーテル、チオエステル、チオカーボネートおよびチオカルバメートならびにこれらに類するものがさらに挙げられるが、それらに限定されない。かかる基の例としては、少数だが名を挙げると、アルキルチオエーテル、ベンジルチオエーテルおよび置換ベンジルチオエーテル、トリフェニルメチルチオエーテル、ならびにトリクロロエトキシカルボニルチオエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
別段の指定がない限り、環内の三置換二重結合のE/Z立体配置を決定するとき、該環の環原子に、該環の一部ではない原子に比べて高い優先順位(prority)を与える。したがって、別段の指定がない限り、R
AおよびR
Bのいかんを問わず、下の式I−aに示す二重結合は、環AにおけるZ二重結合であり、この場合の各変数は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0082】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
3.本発明の特定の実施形態の説明
本発明の方法
本発明の方法は、Z立体配置が富化された大環状アルケンの合成に有用である。一部の実施形態において、本発明の方法は、詳細に上でおよび本明細書に記載するような、式Iの化合物を生成するためのZ選択的閉環メタセシス反応に有用である。一部の実施形態において、本発明の方法は、詳細に上でおよび本明細書に記載するような、式I−aの化合物を生成するためのZ選択的閉環メタセシス反応に有用である。
【0083】
本明細書において用いる場合、用語「メタセシス反応」は、当該技術分野におけるその通常の意味を与えられ、そして、2つの反応する化学種が遷移金属触媒の存在下でパートナーを交換する化学反応を指す。ある場合には、メタセシス反応の副生成物は、エチレンである。メタセシス反応は、例えばオレフィンおよび/またはアルキンを含む化学種間の反応を含み得る。異なる種類のメタセシス反応の例としては、交差メタセシス、閉環メタセシス、開環メタセシス、非環式ジエンメタセシス、アルキンメタセシス、エニンメタセシスおよびこれらに類するものが挙げられる。メタセシス反応は、結合によって連結されていない2つの基質間で起こることもあり(例えば、分子間メタセシス反応)、単一の基質の2つの部分間で起こることもある(例えば、分子内メタセシス反応)。
【0084】
一般に上に記載したように、本発明は、式Iの化合物:
【0085】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
描かれている二重結合は、cis立体配置でのものであり、ならびに環A、nおよびR
Aの各々は、個々にでも組み合わせででも、上で定義したとおりのものおよび本明細書中の実施形態において説明するとおりのものである)
の形成方法を提供する。
【0086】
一般に上に記載したように、本発明は、式I−aの化合物:
【0087】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
描かれている二重結合は、Z立体配置でのものであり、ならびに環A、nおよびR
Aの各々は、個々にでも組み合わせででも、上で定義したとおりのものおよび本明細書中の実施形態において説明するとおりのものである)
の形成方法を提供する。
【0088】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、最終生成物である。一部の実施形態において、式Iの化合物は、最終生成物の合成に有用な中間体である。一部の実施形態において、式I−aの化合物は、最終生成物である。一部の実施形態において、式I−aの化合物は、最終生成物の合成に有用な中間体である。かかる中間体が、例えば酸化反応、還元反応などのようなアルケンが一般に受けやすい様々な変換に有用であることは、当業者には認識されるであろう。
【0089】
一部の実施形態において、環Aは、環Aの0〜6つのメチレン単位が場合により、独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている8〜30員飽和または部分不飽和環である。
【0090】
一部の実施形態において、環Aは、環Aの0〜6つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている9〜12員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、環Aの1〜5つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている9〜12員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、環Aの2〜4つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている9〜12員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、環Aの1、2または3つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている9〜12員飽和または部分不飽和環である。特定の実施形態において、環Aは、ナカドマリンAまたはその誘導体を形成する。一部の実施形態において、環Aは、環Aの1〜6つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている9員飽和または部分不飽和環である。特定の実施形態において、環Aは、環Aの1つのメチレン単位が−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている9員飽和または部分不飽和環である。
【0091】
一部の実施形態において、環Aは、環Aの0〜6つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている12〜18員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、環Aの1〜5つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている12〜18員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、環Aの2〜4つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている12〜18員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、環Aの1、2または3つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている12〜18員飽和または部分不飽和環である。
【0092】
一部の実施形態において、環Aは、環Aの0〜6つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている12〜14員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、ユズラクトンまたはその誘導体である。特定の実施形態において、環Aは、環Aの1〜5つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている12〜14員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、環Aの2〜4つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている12〜14員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、環Aの1、2または3つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている12〜14員飽和または部分不飽和環である。
【0093】
一部の実施形態において、環Aは、環Aの2〜3つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−または−OC(O)O−によって置き換えられている、場合により置換されている12〜14員飽和または部分不飽和環である。
【0094】
一部の実施形態において、環Aは、環Aの2つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−または−C(O)−によって置き換えられている、場合により置換されている12員飽和または部分不飽和環である。
【0095】
一部の実施形態において、環Aは、環Aの2つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−または−C(O)−によって置き換えられている、場合により置換されている13員飽和または部分不飽和環である。
【0096】
一部の実施形態において、環Aは、環Aの2つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−または−C(O)−によって置き換えられている、場合により置換されている14員飽和または部分不飽和環である。
【0097】
一部の実施形態において、環Aは、環Aの0〜6つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている15〜17員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、エピラクネンまたはその誘導体である。特定の実施形態において、環Aは、環Aの1〜5つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている15〜17員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、環Aの2〜4つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている15〜17員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、環Aの1、2または3つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている15〜17員飽和または部分不飽和環である。
【0098】
一部の実施形態において、環Aは、環Aの1、2または3つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている15員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、環Aの3つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−または−OC(O)O−によって置き換えられている、場合により置換されている15員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、環Aの3つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−または−C(O)−によって置き換えられている、場合により置換されている15員飽和または部分不飽和環である。
【0099】
一部の実施形態において、環Aは、環Aの1、2または3つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている16員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、環Aの2つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−または−C(O)−によって置き換えられている、場合により置換されている16員飽和または部分不飽和環である。
【0100】
一部の実施形態において、環Aは、環Aの1、2または3つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている17員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、アンブレットリドまたはその誘導体である。特定の実施形態において、環Aは、環Aの2つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
1−によって置き換えられている、場合により置換されている17員飽和または部分不飽和環である。一部の実施形態において、環Aは、環Aの2つのメチレン単位が場合によりおよび独立して−O−または−C(O)−によって置き換えられている、場合により置換されている17員飽和または部分不飽和環である。
【0101】
上で定義したおよび本明細書に記載するように、各−Cy
1−は、独立して:
フェニレン、3〜8員飽和もしくは部分不飽和カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和ヘテロシクリレンから独立して選択される、二価の場合により置換されている単環式環;あるいは
10員アリーレン、7〜10員飽和もしくは部分不飽和カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員飽和もしくは部分不飽和ヘテロシクリレンから独立して選択される、二価の場合により置換されている二環式環;あるいは
14員アリーレン、9〜20員飽和もしくは部分不飽和カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する9〜14員ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する9〜20員飽和もしくは部分不飽和ヘテロシクリレンから独立して選択される、二価の場合により置換されている三環式環;あるいは
16〜18員アリーレン、11〜30員飽和もしくは部分不飽和カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する15〜18員ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜12個のヘテロ原子を有する11〜30員飽和もしくは部分不飽和ヘテロシクリレンから独立して選択される、二価の場合により置換されている四環式環
である。
【0102】
環Aが、1つ以上の場合により置換されている−Cy
1−基を含むとき、本発明が、原子価が許す限り、1つ以上の場合により置換されている−Cy
1−基の任意の置換可能な原子(単数または複数)の、1つ以上のR
Aでの置換を企図することは、当業者には理解されるであろう。
【0103】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている単環式環である。
【0104】
特定の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されているフェニレンである。
【0105】
特定の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている3〜8員飽和カルボシクリレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている3〜8員部分不飽和カルボシクリレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている5〜6員飽和カルボシクリレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている5〜6員部分不飽和カルボシクリレンである。
【0106】
特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている5員ヘテロアリーレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている5員ヘテロアリーレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている6員ヘテロアリーレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている6員ヘテロアリーレンである。
【0107】
特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている3〜8員飽和ヘテロシクリレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている3〜8員飽和ヘテロシクリレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている5〜6員飽和ヘテロシクリレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている5〜6員飽和ヘテロシクリレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている5員飽和ヘテロシクリレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている6員飽和ヘテロシクリレンである。
【0108】
特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている3〜8員不飽和ヘテロシクリレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている3〜8員不飽和ヘテロシクリレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている5〜6員不飽和ヘテロシクリレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている5〜6員不飽和ヘテロシクリレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている5員不飽和ヘテロシクリレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている6員不飽和ヘテロシクリレンである。
【0109】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されているナフチレンである。
【0110】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている二環式7〜10員飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている二環式7員飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている二環式8員飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている二環式9員飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている二環式10員飽和カルボシクリレンである。
【0111】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている二環式7〜10員部分不飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている二環式7員部分不飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている二環式8員部分不飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている二環式9員部分不飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている二環式10員部分不飽和カルボシクリレンである。
【0112】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式8〜10員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式8〜10員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式8員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式8員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式9員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式9員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式10員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式10員ヘテロアリーレンである。
【0113】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式7〜10員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式7〜10員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式7員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式7員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式8員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式8員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式9員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式9員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式10員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式10員飽和ヘテロシクリレンである。
【0114】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式7〜10員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式7〜10員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式7員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式7員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式8員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式8員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式9員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式9員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式10員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている二環式10員部分不飽和ヘテロシクリレンである。
【0115】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている三環式14員アリーレンである。
【0116】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている三環式9〜20員飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている三環式10〜20員飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている三環式12〜20員飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている三環式12〜18員飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている三環式12〜14員飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている三環式14〜16員飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている三環式16〜18員飽和カルボシクリレンである。
【0117】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている三環式9〜20員部分不飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている三環式10〜20員部分不飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている三環式12〜20員部分不飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている三環式12〜18員部分不飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている三環式12〜14員部分不飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている三環式14〜16員部分不飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている三環式16〜18員部分不飽和カルボシクリレンである。
【0118】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜14員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜14員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜14員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜14員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜14員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜14員ヘテロアリーレンである。
【0119】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式10〜14員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式10〜14員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式10〜14員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式10〜14員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式10〜14員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式10〜14員ヘテロアリーレンである。
【0120】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員ヘテロアリーレンである。
【0121】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜20員飽和ヘテロシクリレンである。
【0122】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜20員飽和ヘテロシクリレンである。
【0123】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜18員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜18員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜18員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜18員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜18員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜18員飽和ヘテロシクリレンである。
【0124】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員飽和ヘテロシクリレンである。
【0125】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式14〜16員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式14〜16員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式14〜16員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式14〜16員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式14〜16員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式14〜16員飽和ヘテロシクリレンである。
【0126】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式16〜18員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式16〜18員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式16〜18員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式16〜18員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式16〜18員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式16〜18員飽和ヘテロシクリレンである。
【0127】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式9〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。
【0128】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。
【0129】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜18員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜18員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜18員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜18員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜18員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜18員部分不飽和ヘテロシクリレンである。
【0130】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式12〜14員部分不飽和ヘテロシクリレンである。
【0131】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式14〜16員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式14〜16員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式14〜16員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式14〜16員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式14〜16員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式14〜16員部分不飽和ヘテロシクリレンである。
【0132】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式16〜18員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式16〜18員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式16〜18員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式16〜18員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式16〜18員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている三環式16〜18員部分不飽和ヘテロシクリレンである。
【0133】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている四環式16〜18員アリーレンである。
【0134】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている四環式11〜30員飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている四環式11〜25員飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている四環式12〜24員飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている四環式14〜24員飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている四環式15〜20員飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている四環式20〜24員飽和カルボシクリレンである。
【0135】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている四環式11〜30員部分不飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている四環式11〜25員部分不飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている四環式12〜24員部分不飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている四環式14〜24員部分不飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている四環式15〜20員部分不飽和カルボシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、二価の場合により置換されている四環式20〜24員部分不飽和カルボシクリレンである。
【0136】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜18員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜18員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜18員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜18員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される2〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜18員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜18員ヘテロアリーレンである。
【0137】
特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜18員ヘテロアリーレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15員ヘテロアリーレンである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する二価の四環式15員ヘテロアリーレンであり、この場合の−Cy
1−は、少なくとも2つのR基で置換されている。特定の実施形態において、−Cy
1−は、酸素および窒素から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する二価の四環式15員ヘテロアリーレンであり、この場合の−Cy
1−は、少なくとも2つのR基で置換されており、前記少なくとも2つのR基は、隣接原子上にあり、それらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和またはアリール環を形成する。特定の実施形態において、−Cy
1−は、酸素または窒素から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する二価の四環式15員ヘテロアリーレンであり、この場合の−Cy
1−は、少なくとも2つのR基で置換されており、前記少なくとも2つのR基は、隣接原子上にあり、それらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8員部分不飽和環を形成する。特定の実施形態において、上記場合により置換されている8員部分不飽和環の1個のヘテロ原子は、窒素である。
【0138】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜12個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される6〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員飽和ヘテロシクリレンである。
【0139】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜12個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される6〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員飽和ヘテロシクリレンである。
【0140】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜12個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される6〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員飽和ヘテロシクリレンである。
【0141】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜12個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される6〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員飽和ヘテロシクリレンである。
【0142】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜12個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される6〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員飽和ヘテロシクリレンである。
【0143】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜12個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される6〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜30員部分不飽和ヘテロシクリレンである。
【0144】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜12個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される6〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式11〜25員部分不飽和ヘテロシクリレンである。
【0145】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜12個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される6〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式12〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。
【0146】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜12個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される6〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式15〜20員部分不飽和ヘテロシクリレンである。
【0147】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜12個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜6個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される4〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。一部の実施形態において、−Cy
1−は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される6〜8個のヘテロ原子を有する二価の場合により置換されている四環式20〜24員部分不飽和ヘテロシクリレンである。
【0148】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、場合により置換されており、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0149】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、Rおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。一部の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の同じ炭素原子上の2つのR
Aが一緒になって、オキソ部分、オキシム、場合により置換されているヒドラゾン、場合により置換されているイミン、または場合により置換されているC
2〜6アルキリデンを形成する。特定の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の同じ炭素原子上の2つのR
Aが一緒になって、オキソ部分を形成する。一部の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の隣接原子上の2つのR
Aが一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和またはアリール環を形成する。特定の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の隣接原子上の2つのR
Aが一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員飽和、部分不飽和またはアリール環を形成する。特定の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の隣接原子上の2つのR
Aが一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員飽和、部分不飽和環を形成する。
【0150】
一部の実施形態において、−Cy
1−は、場合により置換されており、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0151】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、RおよびR
Aは各々、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。一部の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の同じ炭素原子上の2つのR
Aが一緒になって、オキソ部分、オキシム、場合により置換されているヒドラゾン、場合により置換されているイミン、または場合により置換されているC
2〜6アルキリデンを形成する。特定の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の同じ炭素原子上の2つのR
Aが一緒になって、オキソ部分を形成する。特定の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の少なくとも1つのR
Aは、独立して−C(O)ORである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の少なくとも1つのR
Aは、独立して−C(O)ORであり、この場合のRは、場合により置換されているC
1〜6脂肪族基である。特定の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の少なくとも1つのR
Aは、独立して−C(O)ORであり、この場合のRは、t−ブチルである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の少なくとも1つのR
Aは、独立して−QRである。特定の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の少なくとも1つのR
Aは、独立して−QRであり、Qは、場合により置換されている二価のC
1〜10炭化水素鎖であり、Qの1、2または3つのメチレン単位は、場合により、独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、または−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−または−Cy
2−によって置き換えられている。特定の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の少なくとも1つのR
Aは、独立して−QRであり、Qは、場合により置換されている二価のC
1〜10炭化水素鎖であり、Qの1つまたは2つのメチレン単位は、場合により、独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−によって置き換えられており、Rは、水素またはC
1〜6脂肪族である。一部の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の隣接原子上の2つのR
Aが一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和またはアリール環を形成する。一部の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の隣接原子上の2つのR
Aが一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員飽和、部分不飽和またはアリール環を形成する。一部の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の隣接原子上の2つのR
Aが一緒になって、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和またはアリール炭素環を形成する。一部の実施形態において、−Cy
1−は、上に図示したとおりであり、式中の隣接原子上の2つのR
Aが一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和またはアリール環を形成する。
【0152】
特定の実施形態において、−Cy
1−は、場合により置換されており、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0153】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、RおよびR
Aは各々、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0154】
特定の実施形態において、−Cy
1−は、場合により置換されており、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0155】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、RおよびR
Aは各々、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
特定の実施形態において、−Cy
1−は、場合により置換されており、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0156】
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、RおよびR
Aは各々、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0157】
特定の実施形態において、−Cy
1−は、場合により置換されており、次の式のものである:
【0158】
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、RおよびR
Aは各々、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0159】
特定の実施形態において、−Cy
1−は、場合により置換されており、次の式のうちのいずれか1つのものである。
【0160】
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
【0161】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
上で定義し、本明細書に記載するとおり、nは0〜20である。一部の実施形態において、nは0〜15である。一部の実施形態において、nは0〜10である。一部の実施形態において、nは0〜5である。一部の実施形態において、nは1〜2である。一部の実施形態において、nは1〜5である。一部の実施形態において、nは5〜10である。一部の実施形態において、nは5〜15である。一部の実施形態において、nは10〜15である。一部の実施形態において、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。一部の実施形態において、nは、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20である。
【0162】
特定の実施形態において、nは0である。
【0163】
特定の実施形態において、nは1である。
【0164】
特定の実施形態において、nは2である。
【0165】
特定の実施形態において、nは3である。
【0166】
特定の実施形態において、nは4である。
【0167】
特定の実施形態において、nは5である。
【0168】
特定の実施形態において、nは6である。
【0169】
特定の実施形態において、nは7である。
【0170】
上で定義し、本明細書に記載するとおり、各R
Aは、−R、−QR、−OR、適切に保護されたヒドロキシル基、−SR、適切に保護されたチオール基、−S(O)R、−SO
2R、−OSO
2R、−N(R)
2、適切に保護されたアミノ基、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)C(O)R、−N(R)C(O)N(R)
2、−N(R)C(O)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R)
2、もしくは−OC(O)N(R)
2から独立して選択されるか、または:
同じ炭素原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、オキソ部分、オキシム、場合により置換されているヒドラゾン、場合により置換されているイミン、場合により置換されているC
2〜6アルキリデン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和もしくは部分不飽和スピロ環を形成するか、あるいは
隣接原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和もしくはアリール環を形成する。
【0171】
一部の実施形態において、各R
Aは、R、−QR、−OR、適切に保護されたヒドロキシル基、−SR、適切に保護されたチオール基、−S(O)R、−SO
2R、−OSO
2R、−N(R)
2、適切に保護されたアミノ基、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)C(O)R、−N(R)C(O)N(R)
2、−N(R)C(O)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R)
2、または−OC(O)N(R)
2から独立して選択される。
【0172】
一部の実施形態において、各R
Aは、R、−QR、−OR、適切に保護されたヒドロキシル基、−SR、適切に保護されたチオール基、−N(R)
2、または適切に保護されたアミノ基から独立して選択される。
【0173】
一部の実施形態において、各R
Aは、R、−QR、−OR、または適切に保護されたヒドロキシル基から独立して選択される。
【0174】
特定の実施形態では、1つ以上のR
Aが独立してRであり、この場合のRは、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである。特定の実施形態では、1つ以上のR
Aが独立してメチルである。
【0175】
特定の実施形態では、1つ以上のR
Aが独立してORである。特定の実施形態では、1つ以上のR
Aが独立してOHである。特定の実施形態では、1つ以上のR
Aが、独立して、適切に保護されたヒドロキシル基である。
【0176】
一部の実施形態では、1つ以上のR
Aが独立してハロゲンである。
【0177】
一部の実施形態では、1つ以上のR
Aが、−SR、適切に保護されたチオール基、−S(O)R、−SO
2R、または−OSO
2Rから独立して選択される。
【0178】
一部の実施形態では、1つ以上のR
Aが、−N(R)
2、適切に保護されたアミノ基、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)C(O)R、−N(R)C(O)N(R)
2、−N(R)C(O)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R)
2、または−OC(O)N(R)
2から独立して選択される。
【0179】
一部の実施形態では、同じ炭素原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、オキソ部分、オキシム、場合により置換されているヒドラゾン、または場合により置換されているイミンを形成する。一部の実施形態では、同じ炭素原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、場合により置換されているC
2〜6アルキリデンを形成する。一部の実施形態では、同じ炭素原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和スピロ環を形成する。一部の実施形態では、同じ炭素原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員飽和スピロ環を形成する。一部の実施形態では、同じ炭素原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和スピロ環を形成する。一部の実施形態では、同じ炭素原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員飽和スピロ環を形成する。
【0180】
一部の実施形態では、同じ炭素原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員部分不飽和スピロ環を形成する。一部の実施形態では、同じ炭素原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員部分不飽和スピロ環を形成する。一部の実施形態では、同じ炭素原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員部分不飽和スピロ環を形成する。
【0181】
一部の実施形態では、隣接原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和環を形成する。一部の実施形態では、隣接原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員飽和環を形成する。一部の実施形態では、隣接原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和環を形成する。一部の実施形態では、隣接原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員飽和環を形成する。
【0182】
一部の実施形態では、隣接原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員部分不飽和環を形成する。一部の実施形態では、隣接原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員部分不飽和環を形成する。一部の実施形態では、隣接原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員部分不飽和環を形成する。一部の実施形態では、隣接原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員部分不飽和環を形成する。
【0183】
一部の実施形態では、隣接原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員アリール環を形成する。一部の実施形態では、隣接原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員アリール環を形成する。一部の実施形態では、隣接原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6員アリール環を形成する。一部の実施形態では、隣接原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員アリール環を形成する。一部の実施形態では、隣接原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6員アリール環を形成する。一部の実施形態では、隣接原子上の2つのR
Aが場合により一緒になって、場合により置換されているフェニルを形成する。
【0184】
一部の実施形態では、1つ以上のR
Aが−QRである。
【0185】
上で定義し、本明細書に記載するとおり、R
Bは、−R、−QR、−OR、適切に保護されたヒドロキシル基、−SR、適切に保護されたチオール基、−S(O)R、−SO
2R、−OSO
2R、−N(R)
2、適切に保護されたアミノ基、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)C(O)R、−N(R)C(O)N(R)
2、−N(R)C(O)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R)
2、または−OC(O)N(R)
2であり、この場合の各Rは、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。一部の実施形態において、R
Bは、−R、−QR、−OR、適切に保護されたヒドロキシル基、−SR、適切に保護されたチオール基、−S(O)R、−SO
2R、−OSO
2R、−N(R)
2、適切に保護されたアミノ基、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)C(O)R、−N(R)C(O)N(R)
2、−N(R)C(O)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R)
2、または−OC(O)N(R)
2であるが、水素ではなく、この場合の各Rは、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。一部の実施形態において、R
Bは、−R、−QR、−OR、適切に保護されたヒドロキシル基、−SR、適切に保護されたチオール基、−S(O)R、−SO
2R、−OSO
2R、−N(R)
2、適切に保護されたアミノ基、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)C(O)R、−N(R)C(O)N(R)
2、−N(R)C(O)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R)
2、または−OC(O)N(R)
2であり、この場合のR
Bは水素でなく、各Rは、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0186】
一部の実施形態において、R
BはRであり、この場合のRは、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。一部の実施形態において、R
Bは、C
1〜6脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基である。
【0187】
一部の実施形態において、R
BはRであり、この場合のRは、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。一部の実施形態において、R
Bは、場合により置換されているC
1〜6脂肪族である。一部の実施形態において、R
Bはメチルである。一部の実施形態において、R
Bはエチルである。一部の実施形態において、R
Bは、場合により置換されているフェニルである。一部の実施形態において、R
Bは、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基である。
【0188】
一部の実施形態において、R
Bは、−QR、−OR、適切に保護されたヒドロキシル基、−SR、適切に保護されたチオール基、−S(O)R、−SO
2R、−OSO
2R、−N(R)
2、適切に保護されたアミノ基、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)C(O)R、−N(R)C(O)N(R)
2、−N(R)C(O)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R)
2、または−OC(O)N(R)
2であり、この場合の各Rは、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0189】
上で定義し、本明細書に記載するとおり、各Qは、独立して、場合により置換されている二価のC
1〜10炭化水素鎖であり、この場合、Qの1、2または3つのメチレン単位は、場合により、独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、または−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−、または−Cy
2−によって置き換えられている。
【0190】
一部の実施形態において、各Qは、独立して、場合により置換されている二価のC
1〜10炭化水素鎖であり、この場合、該炭化水素鎖は、1つ以上の不飽和単位を含む脂肪族基であり、Qの1、2または3つのメチレン単位は、場合により、独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、または−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−、または−Cy
2−によって置き換えられている。
【0191】
一部の実施形態において、各Qは、独立して、場合により置換されている二価のC
1〜10炭化水素鎖であり、この場合、該炭化水素鎖は、1つ以上の不飽和単位を含む脂肪族基であり、Qの1、2または3つのメチレン単位は、場合により置き換えられている−Cy
2−である。特定の実施形態において、少なくとも1つのQは、独立して、場合により置換されている二価のC
1〜5炭化水素鎖であり、この場合、該炭化水素鎖は、1つ以上の不飽和単位を含む脂肪族基であり、Qの1つのメチレン単位は、場合により置き換えられている−Cy
2−である。
【0192】
上で定義し、本明細書に記載するとおり、各−Cy
2−は、独立して、フェニレン、3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式ヘテロシクリレン、8〜10員二環式アリーレン、7〜10員飽和もしくは部分不飽和二環式カルボシクリレン、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリーレン、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員飽和もしくは部分不飽和二環式ヘテロシクリレンから選択される、二価の場合により置換されている環である。
【0193】
特定の実施形態において、−Cy
2−基は、独立して、二価の場合により置換されているフェニレンである。
【0194】
特定の実施形態において、−Cy
2−基は、独立して、場合により置換されている3〜8員飽和単環式カルボシクリレンである。特定の実施形態において、−Cy
2−基は、独立して、場合により置換されている5〜6員飽和単環式カルボシクリレンである。
【0195】
特定の実施形態において、−Cy
2−基は、独立して、場合により置換されている3〜8員部分不飽和単環式カルボシクリレンである。特定の実施形態において、−Cy
2−基は、独立して、場合により置換されている5〜6員部分不飽和単環式カルボシクリレンである。
【0196】
特定の実施形態において、−Cy
2−基は、独立して、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員単環式ヘテロアリーレンである。特定の実施形態において、−Cy
2−基は、独立して、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員単環式ヘテロアリーレンである。
【0197】
特定の実施形態において、−Cy
2−基は、独立して、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員単環式ヘテロアリーレンである。特定の実施形態において、−Cy
2−基は、独立して、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員単環式ヘテロアリーレンである。特定の実施形態において、−Cy
2−基は、独立して、窒素または硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員単環式ヘテロアリーレンである。
【0198】
例示的な場合により置換されている−Cy
2−ヘテロアリーレン基としては、チエニレン、フラニレン、ピロリレン、イミダゾリレン、ピラゾリレン、トリアゾリレン、テトラゾリレン、オキサゾリレン、イソオキサゾリレン、オキサジアゾリレン、チアゾリレン、イソチアゾリレン、チアジアゾリレン、ピリジレン、ピリダジニレン、ピリミジニレン、およびピラジニレンが挙げられる。
【0199】
特定の実施形態において、−Cy
2−基は、独立して、場合により置換されているチアゾリレンである。
【0200】
特定の実施形態において、−Cy
2−は、式:
【0201】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。
【0202】
特定の実施形態において、−Cy
2−基は、独立して、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6員単環式ヘテロアリーレンである。特定の実施形態において、−Cy
2−基は、独立して、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6員単環式ヘテロアリーレンである。
【0203】
一部の実施形態において、−QRは、次の式のものである:
【0204】
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、各Rは、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。特定の実施形態において、−QRは、上に図示したとおりであり、式中の各Rは、水素または場合により置換されているC
1〜6脂肪族から独立して選択される。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは、独立してメチルである。特定の実施形態において、2つのRは、独立してメチルである。
【0205】
一部の実施形態において、−QRは、次の式のものである:
【0206】
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、各Rは、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0208】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0209】
ユズラクトンおよび関連化合物
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0210】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、Rおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0211】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0212】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0213】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、R
B、Rおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0214】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の構造のうちのいずれか1つのものである。
【0215】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
エピラクネンおよび関連化合物
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0216】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0217】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、Rおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0218】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0219】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【0220】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、R
Bおよびnの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0221】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0222】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、Rおよびnの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0223】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0224】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
Aおよびnの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。特定の実施形態において、式Iの化合物は、上に図示したとおりであり、式中の少なくとも1つのR
Aは、独立してRである。特定の実施形態において、式Iの化合物は、上に図示したとおりであり、式中の少なくとも1つのR
Aは、独立してRであり、該Rは、低級アルキルである。特定の実施形態において、式Iの化合物は、上に図示したとおりであり、式中の少なくとも1つのR
Aは、独立してn−プロピルである。
【0225】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0226】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0227】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の構造のうちのいずれか1つのものである。
【0228】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
【0229】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
アンブレットリドおよび関連化合物
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のものである:
【0230】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
Aおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0231】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0232】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、R
Bおよびnの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0233】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の構造のものである。
【0234】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のものである:
【0235】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、Rおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0236】
エポチロンCおよび関連化合物
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のものである:
【0237】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
Aおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0238】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のものである:
【0239】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
Aおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0240】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のものである:
【0241】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
Aおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0242】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のものである:
【0243】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
Aおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0244】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のものである:
【0245】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
Aおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。特定の実施形態において、式Iの化合物は、上に図示したとおりであり、式中の各R
Aは、R、−QR、−OR、または適切に保護されたヒドロキシル基から独立して選択される。
【0246】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のものである:
【0247】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
Aおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。特定の実施形態において、式Iの化合物は、上に図示したとおりであり、式中の各R
Aは、R、−QR、−OR、または適切に保護されたヒドロキシル基から独立して選択される。
【0248】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0249】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【0250】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、Rおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0251】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のものである:
【0252】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、Rおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0253】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のものである:
【0254】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
Aおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0255】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のものである:
【0256】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、Rおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0257】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のものである:
【0258】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、Rおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0259】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のものである:
【0260】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、Rおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0261】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のいずれかのものである:
【0262】
【化59】
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(式中、R
Aおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。特定の実施形態において、式Iの化合物は、上に図示したとおりであり、式中の各R
Aは、R、−OR、または適切に保護されたヒドロキシル基から独立して選択される。
【0263】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のいずれかのものである:
【0264】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、Rおよびnの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。特定の実施形態において、式Iの化合物は、上に図示したとおりであり、式中の各R
Aは、R、−OR、または適切に保護されたヒドロキシル基から独立して選択される。
【0265】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の構造のいずれか(ither)のものである。
【0266】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の構造のいずれか(ither)のものである。
【0267】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の構造のものである。
【0268】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の構造のものである。
【0269】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
エポチロンDおよび関連化合物
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0270】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、R
Bおよびnの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0271】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0272】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、R
B、Rおよびnの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0273】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0274】
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
AおよびR
Bの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0275】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0276】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、R
BおよびRの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0277】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0278】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
AおよびR
Bの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。特定の実施形態において、式I−aの化合物は、上に図示したとおりであり、式中のR
AおよびR
Bの各々は、R、−QR、−OR、または適切に保護されたヒドロキシル基から独立して選択される。
【0279】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0280】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、R
BおよびRの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。特定の実施形態において、式I−aの化合物は、上に図示したとおりであり、式中の各R
Aは、R、−QR、−OR、または適切に保護されたヒドロキシル基から独立して選択される。
【0281】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0282】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
【0283】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、R
B、Rおよびnの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0284】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0285】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、R
B、Rおよびnの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0286】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0287】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、R
Bおよびnの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0288】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0289】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、R
BおよびRの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0290】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のいずれかのものである:
【0291】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、R
BおよびRの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0292】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のいずれかのものである:
【0293】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、R
BおよびRの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0294】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0295】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
【0296】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
AおよびR
Bの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。特定の実施形態において、式I−aの化合物は、上に図示したとおりであり、式中のR
AおよびR
Bの各々は、R、−OR、または適切に保護されたヒドロキシル基から独立して選択される。
【0297】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0298】
【化80】
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(式中、R
A、R
BおよびRの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。特定の実施形態において、式I−aの化合物は、上に図示したとおりであり、式中のR
AおよびR
Bの各々は、R、−OR、または適切に保護されたヒドロキシル基から独立して選択される。
【0299】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の構造のうちのいずれか1つのものである:
【0300】
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
【0301】
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、R
BおよびRの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0302】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の構造のうちのいずれか1つのものである。
【0303】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の構造のうちのいずれか1つのものである:
【0304】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
【0305】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、各R
Bは、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0306】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の構造のものである:
【0307】
【化86】
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(式中、各R
Bは、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0308】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の構造のものである:
【0309】
【化87】
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(式中、各R
Bは、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0310】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、
【0311】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0312】
ナカドマリンAおよび関連化合物
上に記載したように、特定の実施形態において、式Iの環Aは、少なくとも1つの−Cy
1−基を含み、該少なくとも1つの−Cy
1−基は、独立して、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する二価の四環式15員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、前記少なくとも1つの−Cy
1−基は、原子価が許す限り、任意の置換可能な原子において1つ以上のR
A基で場合により置換される。一部の実施形態において、−Cy
1−は、少なくとも2つのR基で置換されており、この場合の少なくとも2つのR基は、隣接原子上にあり、それらの間にある原子と一緒なって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和またはアリール環を形成する。
【0313】
上に記載したように、特定の実施形態において、式I−aの環Aは、少なくとも1つの−Cy
1−基を含み、該少なくとも1つの−Cy
1−基は、独立して、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する二価の四環式15員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態において、前記少なくとも1つの−Cy
1−基は、原子価が許す限り、任意の置換可能な原子において1つ以上のR
A基で場合により置換される。一部の実施形態において、−Cy
1−は、少なくとも2つのR基で置換されており、この場合の少なくとも2つのR基は、隣接原子上にあり、それらの間にある原子と一緒なって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和またはアリール環を形成する。
【0314】
一部の実施形態において、式Iの環Aは、場合により置換されている8〜30員飽和または部分不飽和環であり、この場合、少なくとも1つのメチレン単位は、−Cy
1−によって置き換えられており、該少なくとも1つの−Cy
1−基は、場合により置換されており、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0315】
【化89】
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【0316】
【化90】
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(式中、RおよびR
Aは各々、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0317】
一部の実施形態において、式I−aの環Aは、場合により置換されている8〜30員飽和または部分不飽和環であり、この場合、少なくとも1つのメチレン単位は、−Cy
1−によって置き換えられており、該少なくとも1つの−Cy
1−基は、場合により置換されており、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0318】
【化91】
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(式中、RおよびR
Aは各々、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0319】
特定の実施形態において、式Iの化合物は、上に記載および図示したとおりであり、式中の1〜5つの追加のメチレン単位は、場合により、独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、または−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−、または−Cy
1によって置き換えられている。特定の実施形態において、式I−aの化合物は、上に記載および図示したとおりであり、式中の1〜5つの追加のメチレン単位は、場合により、独立して−O−、−N(R)−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−S(O)−、または−S(O)
2−、−OSO
2O−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)NR−、−N(R)C(O)NR−、または−Cy
1によって置き換えられている。
【0320】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0321】
【化92】
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(式中、R
Aおよびnは、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。R
Aが、上の構造に描かれている任意の置換可能な原子上に存在してもよいことは、当業者には理解されるであろう。
【0322】
特定の実施形態において、式Iの化合物は、次の構造のいずれかのものである。
【0323】
【化93】
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一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の式のうちのいずれか1つのものである:
【0324】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0325】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
A、R
Bおよびnの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。R
Aが、上の構造に描かれている任意の置換可能な原子上に存在してもよいことは、当業者には理解されるであろう。
【0326】
一部の実施形態において、式I−aの化合物は、次の構造のうちのいずれか1つのものである:
【0327】
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、各R
Bは、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0328】
本発明の方法において使用するための金属錯体
一部の実施形態において、提供する方法は、式IのZ−アルケンを形成するための式II−aの金属錯体:
【0329】
【化97】
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の使用を含み、式II−aのR
1、R
2、R
3、R
4およびR
5の各々は、個々にでも組み合わせででも、上で定義したとおりのものであり、本明細書中の実施形態において説明するとおりのものである。
【0330】
一部の実施形態において、提供する方法は、式IのZ−アルケンを形成するための式II−bの金属錯体:
【0331】
【化98】
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の使用を含み、式II−bのR
1、R
2’、R
3’、R
4およびR
5の各々は、個々にでも組み合わせででも、上で定義したとおりのものであり、本明細書中の実施形態において説明するとおりのものである。
【0332】
一部の実施形態において、提供する方法は、式I−aのZ−アルケンを形成するための式II−aの金属錯体:
【0333】
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
の使用を含み、式II−aのR
1、R
2、R
3、R
4およびR
5の各々は、個々にでも組み合わせででも、上で定義したとおりのものであり、本明細書中の実施形態において説明するとおりのものである。
【0334】
一部の実施形態において、提供する方法は、式I−aのZ−アルケンを形成するための式II−bの金属錯体:
【0335】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
の使用を含み、式II−bのR
1、R
2’、R
3’、R
4およびR
5の各々は、個々にでも組み合わせででも、上で定義したとおりのものであり、本明細書中の実施形態において説明するとおりのものである。
【0336】
一部の実施形態において、提供する方法は、式IのZ−アルケンを形成するための式II−cの金属錯体:
【0337】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
の使用を含み、式II−cのR
8、R
2、R
3およびR
7の各々は、個々にでも組み合わせででも、上で定義したとおりのものであり、本明細書中の実施形態において説明するとおりのものである。
【0338】
一部の実施形態において、提供する方法は、式I−aのZ−アルケンを形成するための式II−cの金属錯体:
【0339】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
の使用を含み、式II−cのR
8、R
2、R
3およびR
7の各々は、個々にでも組み合わせででも、上で定義したとおりのものであり、本明細書中の実施形態において説明するとおりのものである。
【0340】
上で定義したとおり、式II−a、式II−bおよび式II−cのM部分は、適する金属である。適する金属Mが、適切な原子価を達成でき、また結果として反応性メタセシス触媒を生じさせることができるものであることは、当業者には理解されるであろう。上で定義したように、Mは、モリブデンまたはタングステンである。一部の実施形態において、Mはモリブデンである。他の実施形態において、Mはタングステンである。
【0341】
上で全般的に定義したように、式II−a、式II−bおよび式II−cのR
1基は、C
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基である。
【0342】
一部の実施形態において、式II−a、式II−bおよび式II−cのR
1基は、C
1〜20脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、または8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環である。特定の実施形態において、R
1は、場合により置換されているフェニルである。一部の実施形態において、R
1は、置換フェニルである。一部の実施形態において、R
1は、一、二または三置換フェニルである。特定の実施形態において、R
1は、2,6−二置換フェニルである。一部の実施形態において、R
1は、ハロゲンまたはC
1〜4脂肪族で二置換されているフェニルである。かかるR
1基としては、2,6−ジクロロフェニル、2,6−ジブロモフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジ−tert−ブチルフェニル、および2,6−ジイソプロピルフェニルが挙げられる。
【0343】
特定の実施形態において、式II−a、式II−bおよび式II−cのR
1基は、C
1〜20脂肪族から選択される、場合により置換されている基である。一部の実施形態において、R
1は、場合により置換されているC
3〜20単環、二環または三環式脂肪族基である。一部の実施形態において、R
1は、場合により置換されている架橋型二環式または三環式脂肪族基である。特定の実施形態において、R
1は、場合により置換されているアダマンチル基である。他の実施形態において、R
1は、場合により置換されているC
3〜8員シクロアルキル基である。一部の実施形態において、R
1は、本明細書に図示または記載するR
1基のいずれかから選択される。
【0345】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0346】
上で全般的に定義したように、式II−aまたはII−cのR
2およびR
3の各々は、独立して、R’、−OR’、−SR’、−N(R’)
2、−OC(O)R’、−SOR’、−SO
2R’、−SO
2N(R’)
2、−C(O)N(R’)
2、−NR’C(O)R’、または−NR’SO
2R’であるが、但し、R
2およびR
3が同時に水素でないことを条件とし、この場合のR’は、水素であるか、あるいはC
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であるが、但し、R
2およびR
3が同時に水素でないことを条件とする。
【0347】
一部の実施形態において、II−aまたはII−cのR
2およびR
3の一方は、水素であり、他方は、C
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基である。
【0348】
特定の実施形態において、式II−aまたはII−cのR
2基またはR
3基は、場合により置換されているC
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、R
2またはR
3は、場合により置換されているC
1〜20アルキルである。特定の実施形態において、R
2またはR
3は、フェニルと1つまたは2つの追加の置換基とで置換されているC
1〜6アルキルである。特定の実施形態において、R
2またはR
3は、1つまたは2つのメチル基とフェニルとで場合により置換されている低級アルキル基である。特定の実施形態において、R
2またはR
3は、−C(Me)
2Phである。特定の実施形態において、R
2またはR
3は、C(Me)
3である。一部の実施形態において、R
2またはR
3は、本明細書に図示または記載するR
2またはR
3基のいずれかから選択される。
【0349】
上で定義し、本明細書に記載するとおり、式II−bのR
2’およびR
3’は間にある金属原子と一緒に、場合により置換されている3〜8員飽和または部分不飽和環を形成し、該環は、前記間にある金属原子に加えて、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する。
【0350】
一部の実施形態において、式II−bのR
2’およびR
3’は間にある金属原子と一緒に、場合により置換されている3〜8員飽和環を形成し、該環は、前記間にある金属原子に加えて、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、式II−bのR
2’およびR
3’は間にある金属原子と一緒に、場合により置換されている3〜8員飽和環を形成し、該環は、前記間にある金属原子に加えて、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、式II−bのR
2’およびR
3’は間にある金属原子と一緒に、場合により置換されている5〜6員飽和環を形成し、該環は、前記間にある金属原子に加えて、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、式II−bのR
2’およびR
3’は間にある金属原子と一緒に、場合により置換されている5〜6員飽和環を形成し、該環は、前記間にある金属原子に加えて、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、式II−bのR
2’およびR
3’は前記間にある金属原子と一緒に、場合により置換されている3〜4員飽和環を形成し、該環は、前記間にある金属原子に加えて、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、式II−bのR
2’およびR
3’は間にある金属原子と一緒に、場合により置換されている3〜4員飽和環を形成し、該環は、前記間にある金属原子に加えて、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する。
【0351】
一部の実施形態において、式II−bのR
2’およびR
3’は間にある金属原子と一緒に、場合により置換されている4員飽和環を形成する。特定の実施形態において、式II−bのR
2’およびR
3’は間にある金属原子と一緒に、メタラシクロブタンを形成する。
【0352】
一部の実施形態において、式II−bのR
2’およびR
3’は間にある金属原子と一緒に、場合により置換されている3〜8員部分不飽和環を形成し、該環は、前記間にある金属原子に加えて、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、式II−bのR
2’およびR
3’は間にある金属原子と一緒に、場合により置換されている3〜8員部分不飽和環を形成し、該環は、前記間にある金属原子に加えて、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、式II−bのR
2’およびR
3’は間にある金属原子と一緒に、場合により置換されている5〜6員部分不飽和環を形成し、該環は、前記間にある金属原子に加えて、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、式II−bのR
2’およびR
3’は間にある金属原子と一緒に、場合により置換されている5〜6員部分不飽和環を形成し、該環は、前記間にある金属原子に加えて、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、式II−bのR
2’およびR
3’は間にある金属原子と一緒に、場合により置換されている3〜4員部分不飽和環を形成し、該環は、前記間にある金属原子に加えて、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、式II−bのR
2’およびR
3’は間にある金属原子と一緒に、場合により置換されている3〜4員部分不飽和環を形成し、該環は、前記間にある金属原子に加えて、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する。
【0353】
上で定義し、本明細書に記載するとおり、R
4は、−Ar、C
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜14員二環式もしくは三環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基である。
【0354】
一部の実施形態において、−OR
4はフェノールである。
【0355】
一部の実施形態において、−OR
4は、不斉配位子である。特定の実施形態において、−OR
4は、シリル保護BINOL誘導体である。
【0356】
一部の実施形態において、−OR
4は、以下の
【0357】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される、場合により置換されている基であり、これらの式中、各
【0358】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
は、金属Mへの結合点を表す。
【0359】
特定の実施形態において、R
4は、場合により置換されている−Arである。
【0360】
上で定義し、本明細書に記載するとおり、−Arは、次の式のものである:
【0361】
【化106】
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(式中、
mは、0〜3であり;
環Bは、フェニル、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;
pおよびqは、独立して、0〜6であり;
環Cおよび環Dの各々は、独立して、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;
R
x、R
yおよびR
zは各々独立して、ハロゲン、−OR’、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2、−NR’OR’であるか、またはC
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族から選択される、場合により置換されている基である)。
【0362】
一部の実施形態において、mは0である。一部の実施形態において、mは1である。一部の実施形態において、mは2である。一部の実施形態において、mは3である。
【0363】
一部の実施形態において、環Bは、場合により置換されているフェニル基である。一部の実施形態において、環Bは、次の構造のものである:
【0364】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
xおよびmは、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0365】
特定の実施形態において、環Bは、次の構造のものである。
【0366】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、環Bは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環Bは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環である。
【0367】
一部の実施形態において、環Bは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環Bは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5員単環式ヘテロアリール環である。
【0368】
一部の実施形態において、環Bは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する6員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環Bは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する6員単環式ヘテロアリール環である。
【0369】
例示的な場合により置換されている環Bヘテロアリール基としては、チエニレン、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびこれらに類するものが挙げられる。
【0370】
一部の実施形態において、各R
xは、独立して、ハロゲン、−OR’、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2、−NR’OR’であるか、またはC
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族から選択される、場合により置換されている基である。
【0371】
特定の実施形態において、少なくとも1つのR
xは、独立してハロゲンである。
【0372】
特定の実施形態において、少なくとも1つのR
xは、−OR’、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2または−NR’OR’から独立して選択される。
【0373】
特定の実施形態において、各R
xは、独立して、場合により置換されているC
1〜20脂肪族である。
【0374】
特定の実施形態において、各R
xは、独立して、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されているC
1〜20ヘテロ脂肪族である。
【0375】
一部の実施形態において、pは0である。一部の実施形態において、pは1である。一部の実施形態において、pは2である。一部の実施形態において、pは3である。一部の実施形態において、pは4である。一部の実施形態において、pは5である。一部の実施形態において、pは6である。
【0376】
一部の実施形態において、環Cは、場合により置換されているフェニルである。
【0377】
一部の実施形態において、環Cは、次の式のものである:
【0378】
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
yおよびpは、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0379】
特定の実施形態において、環Cは、次の式のものである:
【0380】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
yは、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0381】
特定の実施形態において、環Cは、次の構造のものである:
【0382】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、環Cは、場合により置換されている3〜7員飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環Cは、場合により置換されている5〜6員飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環Cは、場合により置換されている3〜7員部分不飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環Cは、場合により置換されている5〜6員部分不飽和炭素環式環である。
【0383】
一部の実施形態において、環Cは、場合により置換されている8〜10員二環式飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環Cは、場合により置換されている8〜10員二環式部分不飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環Cは、場合により置換されている10員二環式アリール環である。
【0384】
一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員単環式ヘテロアリール環である。
【0385】
一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員単環式ヘテロアリール環である。
【0386】
一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6員単環式ヘテロアリール環である。
【0387】
一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている4〜7員飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員飽和複素環式環である。
【0388】
一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている4〜7員部分不飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員部分不飽和複素環式環である。
【0389】
一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7〜10員二環式飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8〜10員二環式飽和複素環式環である。
【0390】
一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7〜10員二環式部分不飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8〜10員二環式部分不飽和複素環式環である。
【0391】
一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8〜10員二環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8員二環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている9員二環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環Cは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている10員二環式ヘテロアリール環である。
【0392】
一部の実施形態において、各R
yは、独立して、ハロゲン、−OR’、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2、−NR’OR’であるか、またはC
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族から選択される、場合により置換されている基である。
【0393】
特定の実施形態において、少なくとも1つのR
yは、独立してハロゲンである。
【0394】
特定の実施形態において、少なくとも1つのR
yは、−OR’、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2または−NR’OR’から独立して選択される。
【0395】
特定の実施形態において、各R
yは、独立して、場合により置換されているC
1〜20脂肪族である。特定の実施形態において、各R
yは、独立して、場合により置換されているC
1〜10脂肪族である。特定の実施形態において、各R
yは、独立して、場合により置換されているC
1〜5脂肪族である。特定の実施形態において、R
yはアルキルである。特定の実施形態において、各R
yは、メチル、エチル、プロピルまたはブチルから独立して選択される。特定の実施形態において、各R
yはイソプロピルである。
【0396】
特定の実施形態において、各R
yは、独立して、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されているC
1〜20ヘテロ脂肪族である。
【0397】
一部の実施形態において、qは0である。一部の実施形態において、qは1である。一部の実施形態において、qは2である。一部の実施形態において、qは3である。一部の実施形態において、qは4である。一部の実施形態において、qは5である。一部の実施形態において、qは6である。
【0398】
一部の実施形態において、環Dは、場合により置換されているフェニルである。
【0399】
一部の実施形態において、環Dは、次の式のものである:
【0400】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
zおよびqは、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0401】
特定の実施形態において、環Dは、次の式のものである:
【0402】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
zは、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0403】
特定の実施形態において、環Dは、次の構造のものである。
【0404】
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、環Dは、場合により置換されている3〜7員飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環Dは、場合により置換されている5〜6員飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環Dは、場合により置換されている3〜7員部分不飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環Dは、場合により置換されている5〜6員部分不飽和炭素環式環である。
【0405】
一部の実施形態において、環Dは、場合により置換されている8〜10員二環式飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環Dは、場合により置換されている8〜10員二環式部分不飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環Dは、場合により置換されている10員二環式アリール環である。
【0406】
一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員単環式ヘテロアリール環である。
【0407】
一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員単環式ヘテロアリール環である。
【0408】
一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6員単環式ヘテロアリール環である。
【0409】
一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている4〜7員飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員飽和複素環式環である。
【0410】
一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている4〜7員部分不飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員部分不飽和複素環式環である。
【0411】
一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7〜10員二環式飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8〜10員二環式飽和複素環式環である。
【0412】
一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7〜10員二環式部分不飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8〜10員二環式部分不飽和複素環式環である。
【0413】
一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8〜10員二環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8員二環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている9員二環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環Dは、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている10員二環式ヘテロアリール環である。
【0414】
一部の実施形態において、各R
zは、独立して、ハロゲン、−OR’、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2、−NR’OR’であるか、またはC
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族から選択される、場合により置換されている基である。
【0415】
特定の実施形態において、少なくとも1つのR
zは、独立してハロゲンである。
【0416】
特定の実施形態において、少なくとも1つのR
zは、−OR’、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2または−NR’OR’から独立して選択される。
【0417】
特定の実施形態において、各R
zは、独立して、場合により置換されているC
1〜20脂肪族である。特定の実施形態において、各R
zは、独立して、場合により置換されているC
1〜10脂肪族である。特定の実施形態において、各R
zは、独立して、場合により置換されているC
1〜5脂肪族である。特定の実施形態において、R
zはアルキルである。特定の実施形態において、各R
zは、メチル、エチル、プロピルまたはブチルから独立して選択される。特定の実施形態において、各R
zはイソプロピルである。
【0418】
特定の実施形態において、各R
zは、独立して、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されているC
1〜20ヘテロ脂肪族である。
【0419】
一部の実施形態において、−Arは、式:
【0420】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
x、m、環C、R
y、p、環D、R
zおよびqの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)
のものである。
【0421】
一部の実施形態において、−Arは、式:
【0422】
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
x、m、環C、R
y、p、環D、R
zおよびqの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)
のものである。
【0423】
一部の実施形態において、−Arは、式:
【0424】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、環C、R
y、p、環D、R
zおよびqの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)
のものである。
【0425】
一部の実施形態において、−Arは、式:
【0426】
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
x、m、環C、R
y、p、R
zおよびqの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)
のものである。
【0427】
一部の実施形態において、−Arは、式:
【0428】
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
x、m、環C、R
y、p、環D、R
zおよびqの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)
のものである。
【0429】
一部の実施形態において、−Arは、式:
【0430】
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
x、m、R
y、p、R
zおよびqの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)
のものである。
【0431】
一部の実施形態において、−Arは、式:
【0432】
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
y、p、R
zおよびqの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)
のものである。
【0433】
一部の実施形態において、−Arは、式:
【0434】
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
yおよびR
zの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)
のものである。−Arが上に図示したとおりである特定の実施形態において、各R
yおよび各R
zは、場合により置換されているC
1〜20脂肪族から独立して選択される。−Arが上に図示したとおりである特定の実施形態において、各R
yおよび各R
zは、場合により置換されているC
1〜10脂肪族から独立して選択される。−Arが上に図示したとおりである特定の実施形態において、各R
yおよび各R
zは、場合により置換されているアルキルから独立して選択される。例示的R
yおよびR
z基としては、メチル、エチル、プロピルおよびブチルが挙げられる。
【0435】
特定の実施形態において、−Arは、次の構造を有する:
【0436】
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
上で一般に定義したように、R
5は、ハロゲン、−OR
6、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2または−NR’OR’であるか、あるいは少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子とを有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子とを有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子とを有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環、または少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子とを有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基である。
【0437】
一部の実施形態において、R
5はハロゲンである。他の実施形態において、R
5は、−OR
6、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2または−NR’OR’であるか、あるいは少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子とを有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子とを有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子とを有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環、または少なくとも1個の窒素と窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子とを有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり、R
5は、窒素によってMに配位している。
【0438】
特定の実施形態において、R
5は、−N(R’)
2である。一部の実施形態において、R
5は、−N(R’)
2であり、この場合、一方のRは水素であり、他方は、場合により置換されているC
1〜20脂肪族である。
【0439】
他の実施形態において、R
5は、−N(R’)
2であり、この場合、2つのR’基は窒素と一緒になって、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和またはアリール環を形成し、該環は、N(R’)
2からのN原子を含めずに窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有し、該R
5は、窒素によってMに配位している。一部の実施形態では、2つのR’基が窒素と一緒になって、場合により置換されている5員ヘテロアリール環を形成し、該環は、N(R’)
2からのN原子を含めずに0〜3個の窒素原子を有する。かかる環としては、場合により置換されている、ピロール−1−イル、ピラゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル、およびトリアゾール−1−イルが挙げられる。一部の実施形態において、かかる環は、非置換の、ピロール−1−イル、ピラゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル、およびトリアゾール−1−イルである。
【0440】
一部の実施形態において、R
5は、少なくとも1個の窒素と、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子とを有する、場合により置換されている5〜6員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、R
5は、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル(isoxazoly)、オキサジアゾリル(oxadiazoyl)、チアゾリルおよびチアゾリルから選択される、場合により置換されている基である。一部の実施形態において、R
5は、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリルおよびチアゾリルから選択される非置換の基である。一部の実施形態において、R
5は、非置換ピロリルである。一部の実施形態において、R
5は、非置換ピロリルである。
【0441】
他の実施形態において、R
5は、少なくとも1個の窒素と窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子とを有する、場合により置換されている8〜10員二環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、R
5は、インドリル、ベンゾイミダゾリルおよびインダゾリルから選択される、場合により置換されている基である。一部の実施形態において、R
5は、インドリル、ベンゾイミダゾリルおよびインダゾリルから選択される非置換の基である。
【0443】
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される、場合により置換されている基であり、これらの式中、各
【0444】
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
は、金属への結合点を表す。一部の実施形態において、R
5は、
【0445】
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される非置換の基である。
【0446】
上で一般に定義したように、R
6は、C
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基である。
【0447】
一部の実施形態において、R
6は、場合により置換されているC
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、R
6は、非置換C
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されているC
1〜20ヘテロ脂肪族である。一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する非置換C
1〜20ヘテロ脂肪族である。
【0448】
一部の実施形態において、R
6は、場合により置換されているフェニルである。一部の実施形態において、R
6は、非置換フェニルである。
【0449】
一部の実施形態において、R
6は、場合により置換されている3〜7員飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、R
6は、場合により置換されている5〜6員飽和炭素環式環である。
【0450】
一部の実施形態において、R
6は、場合により置換されている3〜7員部分不飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、R
6は、場合により置換されている5〜6員部分不飽和炭素環式環である。
【0451】
一部の実施形態において、R
6は、場合により置換されている8〜10員二環式飽和環である。一部の実施形態において、R
6は、場合により置換されている8〜10員二環式部分不飽和環である。一部の実施形態において、R
6は、場合により置換されている10員二環式アリール環である。一部の実施形態において、R
6は、非置換10員二環式アリール環である。
【0452】
一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員単環式ヘテロアリール環である。
【0453】
一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員単環式ヘテロアリール環である。
【0454】
一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6員単環式ヘテロアリール環である。
【0455】
一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている4〜7員飽和複素環式環である。一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員飽和複素環式環である。一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている4〜7員部分不飽和複素環式環である。一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員部分不飽和複素環式環である。
【0456】
一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7〜10員二環式飽和複素環式環である。一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7〜10員二環式飽和複素環式環である。一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7〜10員二環式部分不飽和複素環式環である。一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7〜10員二環式部分不飽和複素環式環である。
【0457】
一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8〜10員二環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、R
6は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8〜10員二環式ヘテロアリール環である。
【0458】
上で定義し、本明細書に記載するとおり、各R
7は、独立して、−Ar’、C
1〜20脂肪族、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜20ヘテロ脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜14員二環式もしくは三環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;そして、2つのR
7は、それらが結合している酸素原子と場合により一緒になって、二座配位子を形成する。
【0459】
一部の実施形態において、2つの−OR
7は、同じである。一部の実施形態において、2つの−OR
7は、異なる。
【0460】
一部の実施形態において、少なくとも1つのR
7は、独立して、場合により置換されているフェニルである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
7は、独立して、場合により置換されているC
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
7は、独立して、1つ以上のハロゲンで置換されているC
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
7は、独立して、1つ以上の−Fで置換されているC
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
7は、独立して、1つ以上の−Fで置換されている第三級C
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
7は、独立して、1つ以上の−Fで置換されている第三級C
1〜20アルキルである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
7は、tert−ブチル、−C(CF
3)
2(Me)および−C(CF
3)
3から独立して選択される。
【0461】
一部の実施形態において、各R
7は、独立して、場合により置換されているフェニルである。一部の実施形態において、各R
7は、独立して、場合により置換されているC
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、各R
7は、独立して、1つ以上のハロゲンで置換されているC
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、各R
7は、独立して、1つ以上の−Fで置換されているC
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、各R
7は、独立して、1つ以上の−Fで置換されている第三級C
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、各R
7は、独立して、1つ以上の−Fで置換されている第三級C
1〜20アルキルである。一部の実施形態において、各R
7は、tert−ブチル、−C(CF
3)
2(Me)および−C(CF
3)
3から独立して選択される。
【0462】
一部の実施形態において、−OR
7は、不斉配位子である。一部の実施形態において、−OR
7は、対称配位子である。特定の実施形態において、−OR
7は、シリル保護BINOL誘導体である。
【0463】
一部の実施形態において、−OR
7は、
【0464】
【化127-1】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される、場合により置換されている基であり、これらの式中の各
【0465】
【化127-2】
[この文献は図面を表示できません]
は、金属、M、への結合点を表す。
【0466】
特定の実施形態において、R
7は、場合により置換されている−Ar’であり、該Ar’は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0467】
上で定義し、本明細書に記載するとおり、Ar’は、次の式のものである:
【0468】
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
tは、0〜4であり;
pは、0〜6であり;
環B’および環C’’の各々は、独立して、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;そして、
各R
Sは、独立して、ハロゲン、R’、−OR’、−SR’、−S(O)R’、−S(O)
2R’、−OSi(R’)
3、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2、または−NR’OR’であり;
各R’は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0469】
一部の実施形態において、tは0である。一部の実施形態において、tは1である。一部の実施形態において、tは2である。一部の実施形態において、tは3である。一部の実施形態において、tは4である。
【0470】
一部の実施形態において、pは0である。一部の実施形態において、pは1である。一部の実施形態において、pは2である。一部の実施形態において、pは3である。一部の実施形態において、pは4である。一部の実施形態において、pは5である。一部の実施形態において、pは6である。
【0471】
一部の実施形態において、tは、原子価が許す限り0〜4であり、pは、原子価が許す限り0〜6である。
【0472】
一部の実施形態において、環B’は、場合により置換されているフェニルである。
【0474】
【化129-1】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される基であり、これらの式中、各
【0475】
【化129-2】
[この文献は図面を表示できません]
は、独立して、環C’または酸素への結合点を表し;該環B’は、0〜4のR
Sで場合により置換されており;ならびに環C’およびR
Sの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0476】
一部の実施形態において、環B’は、次の式のものである:
【0477】
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
Sおよびtの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0478】
一部の実施形態において、環B’は、場合により置換されている3〜7員飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環B’は、場合により置換されている5〜6員飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環B’は、場合により置換されている3〜7員部分不飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環B’は、場合により置換されている5〜6員部分不飽和炭素環式環である。
【0479】
一部の実施形態において、環B’は、場合により置換されている8〜10員二環式飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環B’は、場合により置換されている8〜10員二環式部分不飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環B’は、場合により置換されている10員二環式アリール環である。
【0480】
一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員単環式ヘテロアリール環である。
【0481】
一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員単環式ヘテロアリール環である。
【0482】
一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6員単環式ヘテロアリール環である。
【0483】
一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている4〜7員飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員飽和複素環式環である。
【0484】
一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている4〜7員部分不飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員部分不飽和複素環式環である。
【0485】
一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7〜10員二環式飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8〜10員二環式飽和複素環式環である。
【0486】
一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7〜10員二環式部分不飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8〜10員二環式部分不飽和複素環式環である。
【0487】
一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8〜10員二環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8員二環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている9員二環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環B’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている10員二環式ヘテロアリール環である。
【0488】
一部の実施形態において、環C’は、場合により置換されているフェニルである。
【0490】
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される基であり、これらの式中、各
【0491】
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
は、環B’への結合点を表し;該環C’は、0〜6のR
Sで場合により置換されており;そして、環B’およびR
Sの各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0492】
一部の実施形態において、環C’’は、次の式のものである:
【0493】
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
yおよびpは、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0494】
特定の実施形態において、環C’は、次の式のものである:
【0495】
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
yは、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0496】
特定の実施形態において、環C’は、次の構造のものである。
【0497】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、環C’は、場合により置換されている3〜7員飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環C’は、場合により置換されている5〜6員飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環C’は、場合により置換されている3〜7員部分不飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環C’は、場合により置換されている5〜6員部分不飽和炭素環式環である。
【0498】
一部の実施形態において、環C’は、場合により置換されている8〜10員二環式飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環C’は、場合により置換されている8〜10員二環式部分不飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、環C’は、場合により置換されている10員二環式アリール環である。
【0499】
一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員単環式ヘテロアリール環である。
【0500】
一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員単環式ヘテロアリール環である。
【0501】
一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている6員単環式ヘテロアリール環である。
【0502】
一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている4〜7員飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員飽和複素環式環である。
【0503】
一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている4〜7員部分不飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員部分不飽和複素環式環である。
【0504】
一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7〜10員二環式飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8〜10員二環式飽和複素環式環である。
【0505】
一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7〜10員二環式部分不飽和複素環式環である。一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8〜10員二環式部分不飽和複素環式環である。
【0506】
一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8〜10員二環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8員二環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている9員二環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、環C’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている10員二環式ヘテロアリール環である。
【0507】
一部の実施形態において、各R
Sは、独立して、ハロゲン、R’,−OR’、−SR’、−S(O)R’、−S(O)
2R’、−OSi(R’)
3、−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2、または−NR’OR’であり;この場合の各R’は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0508】
特定の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、独立してハロゲンである。特定の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、独立して−Fである。特定の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、独立して−Clである。特定の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、独立して−Brである。特定の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、独立して−Iである。
【0509】
特定の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、独立して、R’、−OR’、−SR’、−S(O)R’、−S(O)
2R’、−OSi(R’)
3、または−N(R’)
2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)OR’、−NR’C(O)N(R’)
2、−NR’SO
2R’、−NR’SO
2N(R’)
2、または−NR’OR’であり;この場合の各R’は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0510】
特定の実施形態において、少なくとも1つのR
SはR’であり、この場合のR’は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、場合により置換されているC
1〜6脂肪族である。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、場合により置換されているC
1〜6アルキルである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、場合により置換されているC
1〜6ハロアルキルである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、1つの置換基が−Fである、場合により置換されているC
1〜6ハロアルキルである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、2つ以上の置換基が−Fである、場合により置換されているC
1〜6ハロアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、メチル、エチル、プロピルまたはブチルから選択される。特定の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、イソプロピルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、−CF
3である。
【0511】
一部の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、水素であるか、あるいはC
1〜6脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基である。
【0512】
一部の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、−OSi(R’)
3であり、この場合、各R’は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0513】
一部の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、−OR’であり、この場合、各R’は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0514】
一部の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、−SR’、−S(O)R’、−S(O)
2R’から選択され、この場合、各R’は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0515】
上で一般に定義したおよび本明細書の中で一般に定義するとおり、各R’は、独立して、水素であるか、あるいはC
1〜6脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基であり;この場合、
同じ窒素原子上の2つのR’基は、該窒素原子と場合により一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている3〜8員飽和、部分不飽和もしくはアリール環を形成する)。
【0516】
一部の実施形態において、各R’は、独立して、場合により置換されているC
1〜6脂肪族である。一部の実施形態において、各R’は、独立して、場合により置換されているC
1〜6アルキルである。一部の実施形態において、各R’は、独立して、場合により置換されているC
1〜6ハロアルキルである。一部の実施形態において、各R’は、独立して、1つの置換基が−Fである、場合により置換されているC
1〜6ハロアルキルである。一部の実施形態において、各R’は、独立して、2つ以上の置換基が−Fである、場合により置換されているC
1〜6ハロアルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのR’は、メチル、エチル、プロピルまたはブチルから独立して選択される。特定の実施形態において、少なくとも1つのR
Sは、イソプロピルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのR’は、−CF
3である。
【0517】
一部の実施形態において、少なくとも1つのR’は、水素である。一部の実施形態において、少なくとも1つのR’は、C
1〜6脂肪族、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、8〜10員二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される、場合により置換されている基である。
一部の実施形態において、少なくとも1つのR’は、C
1〜6脂肪族である。一部の実施形態において、少なくとも1つのR’は、場合により置換されているフェニルである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR’は、場合により置換されている3〜7員飽和または部分不飽和炭素環式環である。一部の実施形態において、少なくとも1つのR’は、場合により置換されている8〜10員二環式飽和、部分不飽和またはアリール環である。一部の実施形態において、少なくとも1つのR’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5〜6員単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態において、少なくとも1つのR’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている4〜7員飽和または部分不飽和複素環式環である。一部の実施形態において、少なくとも1つのR’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている7〜10員二環式飽和または部分不飽和複素環式環である。一部の実施形態において、少なくとも1つのR’は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている8〜10員二環式ヘテロアリール環である。
【0518】
一部の実施形態において、少なくとも1つの−OR
7は、不斉配位子である。一部の実施形態において、少なくとも1つの−OR
7は、対称配位子である。特定の実施形態において、少なくとも1つの−OR
7は、シリル保護BINOL誘導体である。
【0519】
一部の実施形態において、各−OR
7は、独立して、
【0520】
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
【0521】
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される、場合により置換されている基であり、これらの式中、各
【0522】
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
は、金属、M、への結合点を表し、ならびにR
SおよびR’の各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0523】
一部の実施形態において、少なくとも1つの−OR
7は、独立して、
【0524】
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
【0525】
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される、場合により置換されている基であり、これらの式中、
各
【0526】
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
は、金属、M、への結合点を表し;
R
SおよびR’の各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりであり;ならびに
1つ以上のR
Sが−Fである。
【0527】
一部の実施形態において、2つのR
7は、それらが結合している酸素原子と場合により一緒になって、二座配位子を形成する。一部の実施形態において、2つのR
7は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、二座配位子を形成する。
【0528】
一部の実施形態において、2つのR
7は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、次の構造のうちの1つを有する二座配位子を形成する:
【0529】
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
(これらの式中、
各
【0530】
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
は、金属、M、への結合点を表し;および
各R
Sは、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0531】
一部の実施形態において、2つのR
7は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、次の構造のうちの1つを有する二座配位子を形成する:
【0532】
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
(これらの式中、
各
【0533】
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
は、金属、M、への結合点を表し;
各R
Sは、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりであり;そして、
1つ以上のR
Sが−Fである)。
【0534】
一部の実施形態において、2つのR
7は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、次の構造のうちの1つを有する二座配位子を形成する。
【0535】
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
上で一般に定義したおよび本明細書の中で一般に定義するとおり、R
8は、R
1であるか、または1つから5つのR
9で場合により置換されているフェニルであり、この場合、R
1およびR
9の各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0536】
一部の実施形態において、R
8は、R
1であり、この場合のR
1は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。一部の実施形態において、R
8は、1つから5つのR
9で場合により置換されているフェニルであり、この場合、各R
9は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0537】
一部の実施形態において、R
8は、アダマンチルである。一部の実施形態において、R
8は、tert−ブチルである。
【0538】
上で一般に定義したおよび本明細書の中で一般に定義するとおり、各R
9は、独立して、ハロゲンまたはR
1であり、この場合のR
1は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0539】
一部の実施形態において、少なくとも1つのR
9は、ハロゲンである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
9は、−Fである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
9は、−Clである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
9は、−Brである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
9は、−Iである。
【0540】
一部の実施形態において、少なくとも1つのR
9はR
1であり、この場合のR
1は、場合により置換されているC
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
9は、場合により置換されているC
1〜20アルキルである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
9は、場合により置換されている直鎖C
1〜20アルキルである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
9は、場合により置換されている第二級C
1〜20アルキルである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
9は、場合により置換されているC
1〜20シクロアルキルである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
9は、場合により置換されている第三級C
1〜20アルキルである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
9は、tert−ブチルである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
9は、アダマンチルである。一部の実施形態において、少なくとも1つのR
9は、第四級炭素を含有する、場合により置換されているC
1〜20脂肪族である。
【0541】
一部の実施形態において、R
9はR
1であり、この場合のR
1は、1つ以上の−Fで場合により置換されている。一部の実施形態において、R
9は、−CF
3である。一部の実施形態において、R
9は、−C
2F
5である。
【0543】
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される、場合により置換されている基であり、これらの式中、各
【0544】
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
は、窒素原子への結合点を表し、各R
9は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである。
【0546】
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される、場合により置換されている基であり、これらの式中、
各
【0547】
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
は、窒素原子への結合点を表し、各R
9は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりであり;そして、
1つ以上のR
9が−Fである。
【0548】
一部の実施形態において、式II−cのMはモリブデンである。一部の実施形態において、式II−cのMはタングステンである。
【0550】
【化151-1】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0552】
【化151-2】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0553】
一部の実施形態では、式II−a、II−bまたはII−cの金属錯体の立体異性体のうちの1つを式Iまたは式I−aの化合物の調製に使用する。一部の実施形態では、式II−a、II−bまたはII−cの金属錯体の立体異性体のうちの2つ以上を式Iまたは式I−aの化合物の調製に使用する。一部の実施形態では、式II−a、II−bまたはII−cの金属錯体の1つのエナンチオマーを式Iまたは式I−aの化合物の調製に使用する。一部の実施形態では、式II−a、II−bまたはII−cの金属錯体の1つのエナンチオマーを式Iまたは式I−aの化合物の調製に使用する。一部の実施形態において、式Iまたは式I−aの化合物の調製に使用するための式II−a、II−bまたはII−cの金属錯体は、立体化学的に純粋である。一部の実施形態において、式Iまたは式I−aの化合物の調製に使用するための式II−a、II−bまたはII−cの金属錯体は、立体異性体の混合物である。一部の実施形態において、式Iまたは式I−aの化合物の調製に使用するための式II−a、II−bまたはII−cの金属錯体は、エナンチオマーの混合物である。一部の実施形態において、式Iまたは式I−aの化合物の調製に使用するための式II−a、II−bまたはII−cの金属錯体は、ジアステレオマーの混合物である。一部の実施形態において、式Iまたは式I−aの化合物の調製に使用するための式II−a、II−bまたはII−cの金属錯体は、ラセミ体である。
【0554】
一部の実施形態において、式Iまたは式I−aの化合物の調製に使用するための式II−aの金属錯体は、下に図示するとおりである:
【0555】
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
(これらの式中、各R
19は、独立して、F、Cl、BrまたはIである)。特定の実施形態において、R
19はBrである。一部の実施形態において、金属錯体は、上に図示したとおりであり、式中のMoは、Wで置き換えられる。
【0556】
一部の実施形態において、式Iまたは式I−aの化合物の調製に使用するための式II−aの金属錯体は、下に図示するとおりである。
【0557】
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、金属錯体は、上に図示したとおりであり、式中のMoは、Wで置き換えられる。
【0558】
一部の実施形態において、式Iまたは式I−aの化合物の調製に使用するための式II−aの金属錯体は、下に図示するとおりである:
【0559】
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、各Xは、独立して、BrまたはIである)。一部の実施形態において、金属錯体は、上に図示したとおりであり、式中のMoは、Wで置き換えられる。
【0560】
一部の実施形態において、式Iまたは式I−aの化合物の調製に使用するための式II−aの金属錯体は、下に図示するとおりである:
【0561】
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
【0562】
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
【0563】
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
【0564】
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
(これらの式中、Mesは、2,4,6−トリメチルフェニルであり、各Xは、独立して、Br、IまたはCF
3である)。上に図示したシリル基(例えば、TESおよびTBSO)を、酸素保護基として機能することが当該技術分野において公知である任意の他のシリル基で置き換えることができることは、当業者には明白であろう。あるいは、低級アルキル基で上に図示したシリル基を置き換えて、例えば−OMe(これも上に図示した)などのアルコキシ置換基をもたらすことができることも、当業者には理解されるであろう。上に図示したシリル基を場合により置換されている脂肪族基で置き換えることで誘導される例示的な他のかかるアルコキシ基も、本発明により企図される。
【0565】
一部の実施形態において、式II−bの錯体は、下に図示するとおりである:
【0566】
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
【0567】
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、式Iまたは式I−aの化合物の調製に使用するための式II−bの化合物は、下に図示するとおりである:
【0568】
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、式Iまたは式I−aの化合物の調製に使用するための式II−cの化合物は、下に図示するとおりである:
【0569】
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
【0570】
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、式II−cの錯体は、下に図示するとおりである:
【0571】
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
【0572】
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、式II−cの錯体は、
【0573】
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0574】
式Iの化合物の調製に使用するための例示的な他のかかる金属錯体は、下に図示するとおりである。
【0575】
本発明の新規金属錯体
一部の実施形態において、本発明は、大環状z−アルケンの合成に使用するための新規金属錯体を提供する。
【0576】
一部の実施形態において、提供する金属錯体は、式III−aまたはIII−bのいずれかのものである:
【0577】
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
(これらの式中、M、R
1、R
2、R
2’、R
3、R
3’、−ArおよびR
5の各々は、式II−aおよびII−bに関して上で定義したおよび本明細書中の実施形態において説明するとおりである。上に図示した式III−aの金属錯体が式II−aのサブセットであることは、当業者には理解されるであろう。同様に、上に図示した式III−bの金属錯体は、式II−bのサブセットである。したがって、本発明は、組み合わせで新規金属錯体を含む実施形態を含む上に記載したおよび本明細書に記載する様々な実施形態のうちのいずれかを含む、式III−aまたは式III−bのいずれかの金属錯体を企図している。
【0578】
一部の実施形態において、本発明は、−Arが上に記載したおよび本明細書に記載する実施形態のうちのいずれかのものである、式III−aまたはIII−bのいずれかの金属錯体を提供する。特定の実施形態において、−Arは、下に図示するとおりである:
【0579】
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
yおよびR
zの各々は、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。−Arが上に図示したとおりである特定の実施形態において、各R
yおよび各R
zは、場合により置換されているC
1〜20脂肪族から独立して選択される。−Arが上に図示したとおりである特定の実施形態において、各R
yおよび各R
zは、場合により置換されているC
1〜10脂肪族から独立して選択される。−Arが上に図示したとおりである特定の実施形態において、各R
yおよび各R
zは、場合により置換されているアルキルから独立して選択される。例示的R
yおよびR
z基としては、メチル、エチル、プロピルおよびブチルが挙げられる。
【0580】
特定の実施形態において、提供する金属錯体は、−Arが次の構造を有する、式III−aまたはIII−bのものである。
【0581】
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
特定の実施形態において、式III−aの提供する金属錯体は、次の構造を有する:
【0582】
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、金属錯体は、上に図示したとおりであり、式中のWは、Moで置き換えられる。
【0583】
一部の実施形態において、式II−bの錯体は、下に図示するとおりである:
【0584】
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
【0585】
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、提供する金属錯体は、式II−cのものである:
【0586】
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、M、R
2、R
3、R
7およびR
8の各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0587】
一部の実施形態において、提供する金属錯体は、式II−cのものである:
【0588】
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Mはモリブデンであり、R
2、R
3、R
7およびR
8の各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりである)。
【0589】
一部の実施形態において、式II−c中のR
8は、場合により置換されているフェニルであり、この場合、1つ以上の置換基が−Fである。一部の実施形態において、R
8は、
【0590】
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0591】
一部の実施形態において、式II−c中のR
8は、
【0592】
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される、場合により置換されている基であり、これらの式中、
各
【0593】
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
は、窒素原子への結合点を表し、各R
9は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりであり;そして、
1つ以上のR
9が−Fである。
【0594】
一部の実施形態において、式II−c中のR
2は、−C(CH
3)
3であり、式II−c中のR
3は、水素である。一部の実施形態において、式II−c中のR
2は、−C(CH
3)
2Phであり、式II−c中のR
3は、水素である。
【0595】
一部の実施形態において、式II−c中の各−OR
7は、独立して、
【0596】
【化178-1】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される、場合により置換されている基であり;
各
【0597】
【化178-2】
[この文献は図面を表示できません]
は、金属、M、への結合点を表し;
R
SおよびR’の各々は、独立して、上で定義したとおりであり、本明細書に記載するとおりであり;ならびに
1つ以上のR
sが−Fである。
【0598】
一部の実施形態において、各R
7は、独立して、場合により置換されているフェニルである。一部の実施形態において、各R
7は、独立して、場合により置換されているC
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、各R
7は、独立して、1つ以上のハロゲンで置換されているC
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、各R
7は、独立して、1つ以上の−Fで置換されているC
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、各R
7は、独立して、1つ以上の−Fで置換されている第三級C
1〜20脂肪族である。一部の実施形態において、各R
7は、独立して、1つ以上の−Fで置換されている第三級C
1〜20アルキルである。一部の実施形態において、各R
7は、tert−ブチル、−C(CF
3)
2(Me)および−C(CF
3)
3から独立して選択される。
【0599】
一部の実施形態において、式II−cの錯体は、下に図示するとおりである。
【0600】
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
【0601】
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、式II−cの錯体は、
【0602】
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0603】
条件
上に記載したように、本発明は、適するジエンを式II−a、II−bまたはII−cの金属がステレオジェニックである触媒と適する条件下で反応させて式Iまたは式I−aの化合物を形成することを含む方法を提供する。
【0604】
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態において、金属がステレオジェニックである触媒は、式II−a、II−bまたはII−cの金属錯体であり、合成により入手できるまたは市販の金属錯体と1つ以上の適する配位子とから生成される。特定の実施形態では、式II−a、II−bまたはII−cの金属錯体の生成をin situで行う。一部の実施形態では、次の構造:
【0605】
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
のいずれかの金属錯体を使用して、式II−a、II−bまたはII−cの金属錯体を製造する。
【0606】
特定の実施形態において、式II−a、II−bまたはII−cの金属錯体のMo金属中心は、W金属中心で置き換えられる。式II−a、II−bまたはII−cの金属錯体の製造方法は、本明細書における実施例においてさらに詳細に説明する。
【0607】
一部の実施形態では、適する条件下で1つ以上の配位子を供給して、提供する方法で使用するための式II−a、II−bまたはII−cの金属錯体を生成する。一部の実施形態では、金属錯体に対して約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1または1:1のモル比で配位子を供給する。一部の実施形態では、金属錯体に対して約0.9:1、0.8:1、0.7:1、0.6:1、0.5:1、0.4:1、0.3:1、0.2:1または0.1:1のモル比で配位子を供給する。特定の実施形態では、金属錯体に対して約1:1のモル比で配位子を供給する。配位子の金属錯体に対する最適なモル比が、なかんずく、その配位子が一座であるのか、または二座であるのかに依存することになることは、当業者には理解されるであろう。
【0608】
一部の実施形態において、提供する方法は、充填量が基質(すなわち、適するジエン)に対して約0.01mol%から約20mol%の触媒であるような触媒量を要する。特定の実施形態では、触媒を約0.1mol%から約10mol%の間の量で使用する。特定の実施形態では、触媒を約0.1mol%から約5mol%の間の量で使用する。特定の実施形態では、触媒を約0.1mol%から約3mol%の間の量で使用する。特定の実施形態では、触媒を約3mol%、4mol%、5mol%、6mol%、7mol%、8mol%、9mol%または10mol%の量で使用する。
【0609】
提供する方法の実施に適する条件は、一般に、1つ以上の溶媒を用いる。特定の実施形態では、1つ以上の有機溶媒を使用する。かかる有機溶媒の例としては、炭化水素、例えばベンゼン、トルエンおよびペンタン、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、または極性非プロトン性溶媒、例えば、エーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサンを含むエーテル性溶媒、またはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。特定の実施形態では、1つ以上の溶媒をジュウテリウム化する。一部の実施形態では、単一溶媒を使用する。特定の実施形態において、溶媒は、ベンゼンまたはトルエンである。特定の実施形態において、溶媒は、ジクロロメタンである。
【0610】
一部の実施形態では、2つ以上の溶媒の混合物を使用し、ある場合には、単一溶媒のほうが好ましいことがある。溶媒混合物は、同体積の各溶媒から成ることもあり、1つの溶媒を他の溶媒(単数もしくは複数)より過剰に含有することもある。溶媒混合物が2つの溶媒から成る特定の実施形態において、それらの溶媒は、約20:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、または約1:1の比で存在することがある。他の溶媒混合物および/または比が、ここで企図されること、かかる他の溶媒混合物および/または比の選択が、反応に存在する化学種(例えば、基質、添加剤など)の溶解度に依存することになること、ならびに溶媒混合物および/または比を最適化するために必要とされる実験が、当該技術分野において常例的なものであり、過度なものでないだろうことは、当業者には理解されるであろう。
【0611】
本発明の方法は、典型的に、周囲反応温度を用いる。一部の実施形態において、適する反応温度は、約15℃、約20℃、約25℃または約30℃である。一部の実施形態において、適する反応温度は、約15℃から約25℃である。特定の実施形態において、適する反応温度は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃または25℃である。
【0612】
一部の実施形態では、本発明の方法を周囲圧で実施する。一部の実施形態では、本発明の方法を減圧で実施する。一部の実施形態では、本発明の方法を約20トル未満の圧力で実施する。一部の実施形態では、本発明の方法を約15トル未満の圧力で実施する。一部の実施形態では、本発明の方法を約10トル未満の圧力で実施する。一部の実施形態では、本発明の方法を約9、8、7、6、5、4、3、2または1トルの圧力で実施する。特定の実施形態では、本発明の方法を約7トルの圧力で実施する。特定の実施形態では、本発明の方法を約1トルの圧力で実施する。
【0613】
一部の実施形態において、本発明の方法は、反応系の濃度が約0.01Mと約1Mの間になるような溶媒量を必要とする。一部の実施形態において、反応系の濃度は、約0.01Mと約0.1Mの間である。一部の実施形態において、反応系の濃度は、約0.01Mと約0.05Mの間である。一部の実施形態において、反応系の濃度は、約0.01Mである。一部の実施形態において、反応系の濃度は、約0.05Mである。一部の実施形態において、反応系の濃度は、約0.1Mである。
【0614】
一部の実施形態において、本発明の方法は、約1分から約1日の反応時間を要する。一部の実施形態において、反応時間は、約0.5時間から約20時間に及ぶ。一部の実施形態において、反応時間は、約0.5時間から約15時間に及ぶ。一部の実施形態において、反応時間は、約1.0時間から約12時間に及ぶ。一部の実施形態において、反応時間は、約1時間から約10時間に及ぶ。一部の実施形態において、反応時間は、約1時間から約8時間に及ぶ。一部の実施形態において、反応時間は、約1時間から約6時間に及ぶ。一部の実施形態において、反応時間は、約1時間から約4時間に及ぶ。一部の実施形態において、反応時間は、約1時間から約2時間に及ぶ。一部の実施形態において、反応時間は、約2時間から約8時間に及ぶ。一部の実施形態において、反応時間は、約2時間から約4時間に及ぶ。一部の実施形態において、反応時間は、約2時間から約3時間に及ぶ。一部の実施形態において、反応時間は、約1時間である。一部の実施形態において、反応時間は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12時間である。一部の実施形態において、反応時間は、約12時間である。特定の実施形態において、反応時間は、約1時間未満である。特定の実施形態において、反応時間は、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50または55分である。一部の実施形態において、反応時間は、約30分である。一部の実施形態において、反応時間は、約1、1.5、2、2.5または3時間である。
【0615】
一部の実施形態において、本発明の方法は、本明細書に記載する方法(例えば、HPLC)を用いて判定して、約1:1より大きい、約2:1より大きい、約3:1より大きい、約4:1より大きい、約5:1より大きい、約6:1より大きい、約7:1より大きい、約8:1より大きい、約9:1より大きい、約95:5より大きい、約96:4より大きい、約97:3より大きい、約98:2より大きい、あるいは、ある場合には、約99:1より大きいZ:E比の二重結合を有する生成物を生成する。ある場合には、メタセシス反応において生成される二重結合の約100%がZ立体配置を有し得る。Zまたはcis選択性を形成される生成物の百分率として表すこともできる。ある場合には、生成物は、約50%Zより高い、約60%Zより高い、約70%Zより高い、約80%Zより高い、約90%Zより高い、約95%Zより高い、約96%Zより高い、約97%Zより高い、約98%Zより高い、約99%Zより高い、またはある場合には約99.5%Zより高いことがある。
【0616】
本発明の組成物
一部の実施形態では、本発明の方法(すなわち、閉環メタセシス反応)により、Z立体配置が富化されたアルケン含有大環状化合物を含む組成物が得られる。したがって、本発明は、Z立体配置が富化されたアルケン含有大環状化合物を含む組成物を提供する。本明細書において用いる場合、「Z立体配置が富化された」という句は、メタセシス反応で生成される二重結合の少なくとも約50%がZ立体配置を有する組成物を指す。一部の実施形態において、Z立体配置が富化された、提供する組成物は、メタセシス反応で生成される二重結合の少なくとも55%がZ立体配置を有することを特徴とする。一部の実施形態において、Z立体配置が富化された、提供する組成物は、メタセシス反応で生成される二重結合の少なくとも60%がZ立体配置を有することを特徴とする。一部の実施形態において、Z立体配置が富化された、提供する組成物は、メタセシス反応で生成される二重結合の少なくとも65%がZ立体配置を有することを特徴とする。一部の実施形態において、Z立体配置が富化された、提供する組成物は、メタセシス反応で生成される二重結合の少なくとも70%がZ立体配置を有することを特徴とする。一部の実施形態において、Z立体配置が富化された、提供する組成物は、メタセシス反応で生成される二重結合の少なくとも75%がZ立体配置を有することを特徴とする。一部の実施形態において、Z立体配置が富化された、提供する組成物は、メタセシス反応で生成される二重結合の少なくとも80%がZ立体配置を有することを特徴とする。一部の実施形態において、Z立体配置が富化された、提供する組成物は、メタセシス反応で生成される二重結合の少なくとも85%がZ立体配置を有することを特徴とする。一部の実施形態において、Z立体配置が富化された、提供する組成物は、メタセシス反応で生成される二重結合の少なくとも90%がZ立体配置を有することを特徴とする。一部の実施形態において、Z立体配置が富化された、提供する組成物は、メタセシス反応で生成される二重結合の少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%がZ立体配置を有することを特徴とする。一部の実施形態において、Z立体配置が富化された、提供する組成物は、メタセシス反応で生成される二重結合の少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%または99.9%がZ立体配置を有することを特徴とする。
【実施例】
【0617】
一般:別段の断り書きがない限り、すべての反応は、標準的なドライボックスまたは真空ライン技術を用いてオーブン(135℃)乾燥または火炎乾燥ガラス器具の中で乾燥N
2雰囲気下、蒸留かつ脱気溶媒を用いて実施した。すべての基質を、MoおよびW系錯体との反応に使用する前に、C
6H
6との共沸蒸留によって乾燥させた。基質3(Furstner,A.;Langemann,K.「Synthesis」、1997、792−803)、4(Meng,D.;Bertinato,P.;Balog,A.;Su,D.−S.;Kamenecka,T.;Sorensen,E.J.;Danishefsky,S.J.「J.Am.Chem.Soc.」、1997、119、10073−10092)、13(Furstner,A.;Langemann,K.「J.Org.Chem.」、1996、61、3942−3943)、15の前駆体(Furstner,A.;Langemann,K.「Synthesis」、1997、792−803)および18(Jakubec,P.;Cockfield,D.M.;Dixon,D.J.「J.Am.Chem.Soc.」、2009、131、16632−16633)を、以前に報告された手順に従って合成した。赤外(IR)スペクトルは、cm
−1でのν
maxをBruker FTIR Alpha(ATRモード)分光計で記録した。バンドを広幅(br)、強(s)、中(m)または弱(w)として特徴づけた。
1H NMRスペクトルは、Varian Unity INOVA 400(400MHz)分光計で記録した。内部標準としての不完全ジュウテリウム組み込みの結果として生ずる溶媒共鳴(CDCl
3:δ7.26ppm、C
6D
6:δ7.16ppm、CD
3OD:δ3.31ppm)を有するテトラメチルシランからのppmで化学シフトを報告する。データを次のように報告する:化学シフト、積分比、多重度(s=一重線、d=二重線、q=四重線、br=広幅、m=多重線)、およびカップリング定数(Hz)。
13C NMRスペクトルは、完全プロトンデカップリングを用いてVarian Unity INOVA 400(100MHz)分光計で記録した。内部標準としての溶媒共鳴(CDCl
3:δ77.16ppm、CD
3OD:δ49.00ppm)を有するテトラメチルシランからのppmで化学シフトを報告する。高分解能質量分析は、Boston College Mass Spectrometry FacilityにおいてMicromass LCT ESI−MS(ポジティブモード)で実施した。5、7、ユズラクトン、14、15、16およびエピラクネンのZ:E比は、
1H NMRによって決定した;17およびアンブレットリド(Furstner,A.;Guth,O.;Rumbo,A.;Seidel,G.「J.Am.Chem.Soc.」、1999、121、11108−11113)のZ:E比は、
13C NMRによって決定した。大環状アルケンの立体化学を報告データ(ユズラクトン(Furstner,A.;Guth,O.;Rumbo,A.;Seidel,G.「J.Am.Chem.Soc.」、1999、121、11108−11113)、14(Furstner,A.;Langemann,K.「J.Org.Chem.」、1996、61、3942−3943)、15(Furstner,A.;Langemann,K.「Synthesis」、1997、792−803)、エピラクネン(Furstner,A.;Langemann,K.「Synthesis」、1997、792−803))との比較によって検証した;立体化学16をnOe研究に基づいて判定した;7および17の立体化学の証拠を主異性体の結晶構造に基づいて決定した。旋光度は、Rudolph Research Analytical Autopol IV Polarimeterで測定した。
【0618】
真空ポンプ:Edwards RV8二段回転翼形ポンプは、反応容器へ接続点で1.0トルの真空を生じさせる。KNF Laboport N840.3FTPダイヤフラム真空ポンプは、反応容器との接続点で7.0トルの真空を生じさせる。
【0619】
溶媒:溶媒をアルゴンでパージし、改変Innovative Technologies精製システムにより乾燥アルゴンの正圧下で精製した。トルエン(Fisher)、ジクロロメタン(Fisher)およびベンゼン(Aldrich)は、活性化銅およびアルミナカラムに順次通した;ベンゼン(Aldrich)およびペンタン(Fisher;n−ペンタンは、溶媒精製システムでの使用前に、濃H
2SO
4上で3日間撹拌させ、水、続いてNaHCO
3飽和水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過した)は、活性化Cuおよびアルミナカラムに順次通した。テトラヒドロフラン(Fisher)は、使用直前にナトリウムベンゾフェノンケチルからの蒸留によって精製した。N,N−ジメチルホルムアミド(Acros;モレキュラーシーブで追加乾燥)は、受け取ったままの状態で使用した。試薬等級溶媒(Doe & Ingallsから購入)に関しては、すべての後処理および精製手順を空気雰囲気下で行った。
【0620】
金属系錯体:Mo系ビス(アルコキシド)錯体1は、以前に報告された手順(Schrock,R.R.;Murdzek,J.S.;bazan,G.C.;Robbins,J.;DiMare,M.;O’Regan,M.「J.Am.Chem.Soc.」、1990、112、3875−3886)に従って調製した。MoまたはWモノピロリド−モノアリールオキシド錯体8a、8bおよび9(Malcolmson,S.J.;Meek,S.J.;Sattely,E.S.;Schrock,R.R.;Hoveyda,A.H.「Nature」、2008、456、933−937)は、Moビス(ピロリド)錯体A、BおよびCから、発表された手順(((a) Hock,A.S.;Schrock,R.R.;Hoveyda,A.H.「J.Am.Chem.Soc.」、2006、128、16373−16375.(b) Singh,R.;Czekelius,C.;Schrock,R.R.;Muller,P.M.;Hoveyda,A.H.「Organometallics」、 2007、26、2528−2539)に従ってin situで調製し;10および12(Jiang,A.J.;Zhao,Y.;Schrock,R.R.;Hoveyda,A.H.「J.Am.Chem.Soc.」、2009、131、16630−16631)は、以前に開示された手順(Jiang,A.J.;Simpson,J.H.;Muller,P.;Schrock,R.R.「J.Am.Chem.Soc.」、2009、131、7770−7780)に従って調製および精製した。Moモノピロリド−モノアリールオキシドメタラシクロブタン錯体11は、報告された手順(Jiang,A.J.;Simpson,J.H.;Muller,P.;Schrock,R.R.「J.Am.Chem.Soc.」、2009、131、7770−7780)に従って調製および精製した。Ru系カルベン錯体2a〜dは、Materia,Inc.から入手し、使用前にシリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶(ジクロロメタン/ペンタン)によって精製した。別段の断り書きがない限り、ドライボックスにおいてN
2の不活性雰囲気下ですべてのMoおよびW錯体を取り扱った。
【0621】
チャート1.Moビス−ピロリド錯体およびエナンチオマー的に純粋なキラルアルコール
【0622】
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
試薬:
無水酢酸は、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0623】
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)は、Janssen Chimicaから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0624】
d
6−ベンゼンは、Cambridge Isotope Laboratoriesから購入し、使用前にNaから活性4Åモレキュラーシーブへと蒸留した。
【0625】
6−ブロモ−1−ヘキセンは、Fluorochemから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0626】
トリフルオロメタンスルホン酸tert−ブチルジメチルシリル(TBSOTf)は、TCIから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0627】
ブタ−3−エン−1−アミンは、Alfa Aesarから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0628】
ブタ−3−エン−1−オールは、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0629】
(+)−樟脳スルホン酸は、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0630】
d−クロロホルムは、Cambridge Isotope Laboratoriesから購入し、使用前に塩基性アルミナに通して活性化4Åモレキュラーシーブの中で保存した。
【0631】
デカ−9−エン−1−オールは、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0632】
デカ−9−エン酸は、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)は、Stremから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0633】
ジメチルスルホキシドは(DMSO)は、Acrosから購入し、使用前にCaH
2を用いて蒸留し、4Å活性化モレキュラーシーブで乾燥させた。
【0634】
二炭酸ジ−tert−ブチルは、Alfa Aesarから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0635】
4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)は、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0636】
N,N−ジメチルホルムアミド(N,N−Dimethylformaamide)(DMF)は、Acrosから購入し、使用前に4Å活性モレキュラーシーブで乾燥させた。
【0637】
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)は、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0638】
ホルムアルデヒド(水中の37%溶液)は、Fisher Scientificから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0639】
ヘキサ−5−エン酸は、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0640】
フッ化水素・ピリジン錯体は、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0641】
1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOBT)は、Advance Tech.から購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0642】
2−ヨードキシ安息香酸(IBX)は、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0643】
水素化トリエチルホウ素リチウム(THF中の1.0M溶液)は、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0644】
2,6−ルチジンは、Aldrichから購入し、使用前にCaH
2を用いて蒸留した。
【0645】
メシチレンは、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0646】
メタノールは、Aldrichから購入し、使用前に4Å活性化モレキュラーシーブで乾燥させた。
【0647】
d
4−メタノールは、Cambridge Isotope Laboratoriesから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0648】
メチルトリフェニルホスホニウムブロミドは、Alfa Aesarから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0649】
オクタ−7−エン酸は、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0650】
塩化オキサリルは、Acrosから購入し、使用前にCaH
2を用いて蒸留した。
【0651】
カリウムtert−ブトキシドは、Alfa Aesarから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0652】
水素化トリブチルすずは、Alfa Aesarから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0653】
トリエチルアミンは、Aldrichから購入し、使用前にCaH
2を用いて蒸留した。
【0654】
トリフルオロ酢酸は、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0655】
p−トルエンスルホン酸(PTSA)は、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0656】
ウンデカ−10−エン酸は、Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0657】
ウンデカ−10−エン−1−アミンは、CFS Chemicalから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0658】
わずかに置換されている(sparsely substituted)大環状分子の合成のためのZ選択的RCM
本発明者らは、16員環カルボン酸エステル14を生じさせるためにジエン13のRCMを促進する種々のモリブデンアルキリデンおよびタングステンアルキリデンの能力を調査することから始めた(表1);ルテニウムカルベン2aの使用を伴う以前の試みは、77%E選択性を有する環の形成に至った(4.0mol%、22℃、30時間)(Xu,Z.ら「Applications of Zr−catalyzed carbomagnesation and Mo−catalyzed macrocyclic ring−closing metathesis in asymmetric synthesis.Enantioselective total synthesis of Sch 38516(fluvirucin B).」、J.Am.Chem.Soc.、119、10302−10316(1997))。予備計算により、E−14はそのZ異性体よりエネルギーが1.2kcal/mol低いことが明らかになり、これは、E異性体が富化されたおおよそ88:12の混合物が平衡時に存在することになることを示唆していた。エントリー1〜5にまとめたデータによって実証されるように、錯体1または2c〜dを用いるとE−14が優先的に形成された;エチレン濃度を低下させるおよび異性体化を最低限にするために用いた戦略である減圧は、効率および選択性を向上させなかった(エントリー1対2、および4対5を参照されたし)。きわめて対照的に、モリブデンモノピロリド8a〜bを用いてRCMを行うとZ−14は中等度の優先度で生成された(エントリー6〜8)。アダマンチルイミド9は、7.0トルの圧力下でRCMを行ったとき85%のZ選択性をもたらす(62%収率;エントリー10);1.2mol%触媒充填量では、効率は同様だが立体選択性は92%Zに増加する(エントリー11;対エントリー10の3.0mol%)が、おそらく、触媒をあまり利用できずに環状Zアルケンの異性体化が低減されたためである。
【0659】
タングステンアルキリデン10との反応は、同様に高い収率および立体化学制御(62%および91%Z;エントリー13)をもたらし、誘導メタラシクロブタン11は、より効率的な(73%収率)RCMをもたらし、これは、同等のZ選択度(90%)で進行した。ジクロロイミドWアルキリデン12は並外れた立体選択性を示した(95%Z;エントリー15、表1)。この反応は、14%転換まで進行した。
【0660】
【表1】
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述べたように、窒素ガス雰囲気下または真空下、精製トルエン中でこれらの反応を行った;エントリー3における反応は、CH
2Cl
2中、40℃で行った;詳細については下記を参照されたし。
†錯体1、2cおよび10〜12は、調製し、その後、使用したが、アルキリデン8a〜bおよび9は、対応するビス−ピロリドおよびアリールアルコールからin situで合成した。この合成は、8a〜bについては収率>98%で進行するが、9のケースでは60%(±2%)収率で進行する(したがって、後者の錯体についての触媒充填量は3.0mol%である)。詳細については下記を参照されたし。
§未精製混合物の400MHz
1H NMRスペクトルの分析によって判断した転換率およびZ:E比;値の分散は、<±2%であると予測される。
§§精製後の単離生成物の収率;値の分散は、<±5%であると予測される。
【0661】
モリブデンアルキリデンまたはタングステンアルキリデン9〜11を使用することにより、前例のないZ選択性で、およびこの方法を著しく有用なものにする効率レベルで、種々の環サイズの大環状エステルまたは大環状アミドを合成した(表2);転換率と収率間の格差は、主として偶発的オリゴマー化に起因した。これらの大環状分子のうちの3つは、天然生成物であった:樟脳臭およびミント臭のある13員ユズラクトン(エントリー1〜4、表2)、インゲンテントウ(Mexican bean beetle)によってその蛹防御メカニズムの一部として分泌される(Rossini,C.、Gonzalez,A.、Farmer,J.、Meinwald J.およびEisner,T.「Antiinsectan activity of epilachnene,a defensive alkaloid from pupae of Mexican bean beetles(Epilachna varivestis)」、J.Chem.Ecol.、26、391−397(2000))15員アザ−マクロライドエピラクネン(エントリー13〜14;スキーム1も参照されたし)、および麝香の香りをもつ17員アンブレットリド(エントリー19〜22)。比較を目的として、および高いZ選択性をもたらすモノピロリドアルキリデンの独特な能力を強調するために、モリブデンアルキリデン1およびルテニウムカルベン2cによって促進されるRCMに関するデータも表2に提示する;すべてのケースで、相当な量のEアルケンが形成され、そして同時に、有意な優先度を伴った(エントリー5〜6において93%E、表2)。錯体9および11を用いると、16員環17を用いて得られる93:7 Z:E比に対して、中等度のZ選択性(69〜73%Z)が13員ユズラクトンの形成において達成された。かかる調査結果は、歪がより大きい環のほうが開環され、それによりアルケン異性体化を促進することができることと一致する;錯体9でのユズラクトンに至るRCMを10分後(20%転換)に分析したとき、Z選択性は(1時間後の69%に対して)82%である。したがって、1または2cを用いてユズラクトンを合成すると(83〜85%E、エントリー1〜2)、歪がより小さい17が所望の生成物であった場合(34〜44%E、エントリー15〜16、表2)より、開環/異性体化はより効率的であり、かつE選択性はより高かった。
【0662】
【表2】
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述べたように、窒素ガス雰囲気下(錯体1および2cに関して)または真空下(錯体9および11に関して)、精製トルエン中で1時間これらの反応を行った;Ru錯体2cとの反応は、CH
2Cl
2中、40℃(1.0時間)で行った;詳細については下記を参照されたし。
§未精製混合物の400MHz
1H NMRスペクトルの分析によって判断した転換率およびZ:E比;値の分散は、≦±2%であると予測される。
§§精製後の単離生成物の収率;値の分散は、≦±2%であると予測される。
ND=決定せず。
【0663】
エポチロンAおよびエポチロンCの合成についてのZ選択的RCM
16員環マクロラクトンを含有するエポチロンは、過去15年にわたって広範に研究されてきた天然に存在する強力なチューブリン重合および微小管安定剤である。生物学的研究により、この大環状アルケンの幾何形状がこの名高い分子ファミリーの活性に影響を及ぼすことが証明されている。さらに、エポチロンCのZ大環状アルケンは、エポチロンAをもたらす、エポキシ化プロセスにおける所望の立体化学的結果に必要とされる;適正なエポキシド立体化学は、生物活性に必要不可欠である(Altmann,K.H.ら「The total synthesis and biological assessment of trans−epothilone A」、Helv.Chim.Acta 85、4086−4110(2002))。
【0664】
エポチロンへの途中でZ選択的RCMを促進するモリブデンモノピロリドおよびタングステンモノピロリドの能力を探るために、本発明者らは、先ず、以前に開発された16段階順路(Meng,D.ら「Total synthesis of epothilones A and B」、J.Am.Chem.Soc.、119、10073−10092(1997))に主として基づいてジエン4を調製した。10mol%Mo系アリールイミドアルキリデン8aでの4の処理は、3時間以内に大環状アルケン5への57%転換に至ったが、Z異性体へのわずかな優先度しかなかった(64%Z;エントリー1、表3)。アダマンチルイミド9を同じ条件下で利用したとき(エントリー2、表3)、おそらく、より容易に接近できる金属中心、およびアリールオキシド単位とアルキルイミド単位間のより大きなサイズ差の結果として、効率および選択性が向上した(1.5時間で87%転換、および85%Z);減圧の使用は、転換率および立体選択率の限られた向上しかもたらさない(エントリー3対2)。タングステンアリールイミド11の存在下でRCMが進行する効率およびZ選択性は、対応するモリブデン異形体で観察されるものと同様である(エントリー4、表3)。しかし、(8〜11におけるアリールオキシドに対して)2,6−ジクロロフェニルイミドおよびより大きな2,5−ジ−[2,4,6−(i−Pr)]
3−フェノキシ配位子を保有するタングステンアルキリデン12を用いて閉環を行ったとき、2.5時間以内のマクロラクトン5への転換率は77%であり、RCM立体選択性は96%Zに向上する(エントリー5、表3)。
【0665】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
減圧下(エントリー6、表3)、反応は、同じ時間量でほぼ完了へと進行して(97%転換、2.5時間)、所望の大環状分子を85%収率(96%Z)で単離することができた。表3のエントリー7に関してまとめた調査結果が例証するように、10倍高い濃度(0.01M)の反応混合物を用いると、高効率的およびZ選択的RCM(86%収率、96%Z)に5mol%の12で十分である。3.0mol%の同じアルキリデンを使用したとき、および溶液が50倍高い濃度(0.05M)であるとき、所望の生成物(5)が63%収率および97%Z選択性で得られた(エントリー8、表3);前と同様、転換率値と収率値(それぞれ、97%および63%)の間のより広範な差は、主として、偶発的オリゴマー化の結果であり、これは基質の濃度増加によって助長された可能性が高かった。タングステン触媒によりもたらされるより高い立体選択性は、これらの触媒の顕著な利点を強調する;減弱された活性を呈示する上、それらは、大環状アルケンと反応してE異性体を生じさせる可能低も低い。したがって、タングステンモノピロリド12は、効率的なRCMだがZアルケンとのさらなる反応がほとんどまたは全くないような、反応性の望ましいバランスをもたらす。表3に図示するようなマクロラクトン5は、2つのシリルエーテルの除去により81%収率でエポチロンCに転換された。エポチロンCの立体選択的エポキシ化によりエポチロンAが得られた。Nagata,T.、Nakagawa,M.およびNishida,A.「The first total synthesis of nakadomarin A」、J.Am.Chem.Soc.、125、7484−7485(2003)(Ono,K.、Nakagawa,M.およびNishida,A.「Asymmetric total synthesis of(−)−nakadomarin A」、Angew.Chem.Int.Ed.、43、2020−2023(2004))。
【0666】
ナカドマリンAの大環状部分の合成のためのZ選択的RCM
上の調査結果は、微細な量でしか単離されなかった並外れて強力な抗癌および抗菌剤(Schrock,R.R.およびHoveyda,A.H.「Molybdenum and tungsten imido alkylidene complexes as efficient olefin metathesis catalysts」、Angew.Chem.Int.Edn、42、4592−4633(2003);Fuerstner,A.およびLangemann,K.「Macrocycles by ring−closing metathesis」、Synthesis、792−803(1997))である、ナカドマリンA(
図1参照)について、その15員環アルケン部分の触媒Z選択的合成の問題について疑問を提起する。
【0667】
モノピロリド錯体の使用によってこれに対処することができる。表4のエントリー1〜2に関するデータが例証するように、天然生成物の前駆体である、7への10%転換をもたらす、立体的要求の多いアリールイミドモリブデンアルキリデン8bとは対照的に、より入手しやすいアダマンチルイミド9は、6を五環式構造に69:31 Z:E比でより容易に変換した。8bでのRCMに類似して、タングステンアルキリデン10との反応は、容易に進行しなかった(エントリー3、表4)、これは、不十分な開始速度に起因する可能性が高い。より反応性が高いメチリデンの適便な前駆体であるメタラシクロブタン11を利用したとき、RCMは、著しく容易になった(95%転換率、69%収率;エントリー4、表4);しかし、Z選択性は低減された(55%)。かくて、タングステンアルキリデン12が、効率的かつ比類なく立体選択的な触媒の源として浮上した:表4のエントリー5で例証されるように、四環式ジエン6を使用して、精製後90%収率でおよび注目に値する97%Z選択性で所望の五環式7を合成した(107mgの基質を用いて行った)。
【0668】
とりわけ顕著であるのは、競合的ホモカップリングである可能性が低い、より小さい環(例えば、5または6員環)のはるかに単純な触媒RCMプロセスを遂行するために通常用いられる条件(すなわち0.1M;エントリー7、表4)下で、驚くべきことにオレフィンメタセシスによる環化が進行して、52%収率および94%Z選択性で所望の大環状分子をもたらすことである。6のRCMを0.1M濃度で行ったとき、減圧がもはや必要でなかったことは、注目に値する;そうでない場合、より低収率でおよび低減された選択性で7が得られた(7.0トル下で39%および90%Z、エントリー6、表4)。
【0669】
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
述べたように、精製ベンゼン中、窒素ガス雰囲気下でまたは真空中でこれらの反応を行った。7の立体化学的同一性をX線結晶学によって判定した。詳細については下記を参照されたし。
§未精製混合物の400MHz
1H NMRスペクトルの分析によって判断した転換率およびZ:E比;値の分散は、≦±2%であると予測される。
§§精製後の単離生成物の収率;値の分散は、≦±5%であると予測される。
Boc=tert−ブトキシカルバマート;ND=決定せず。
【0670】
より高いジエン6濃度でホモカップリングは増加するので、副生成物として形成されるエチレンは、単量体RCM基質を再生するための、ホモカップリング生成物の非環式二置換アルケンと反応した高反応性メチリデンの利用可能性を増加させる可能性が高い;かかるプロセスは、標的の15員環を生成する効率を増加させた。さらに、エチレンは、前記ホモカップリング副生成物に由来するアルキリデンと反応し、メチリデンを再生してそのRCMを阻害して、30員環構造の形成をもたらすことができる。前述のシナリオ、およびZ選択性が0.1M濃度で依然として高い(94%Z)ことは、タングステンメチリデンが(7の環式アルケンに対して)ホモカップリングトリエンの非環式アルケンと好ましく反応したことを含意する。理論により拘束されることを望まないが、真空下で観察される、より低い立体選択性(90:10対94:6 Z:E、エントリー6〜7)は、ホモカップリング分子の内部ZまたはE二置換オレフィンとの末端アルキリデンの反応から多少の大環状生成物が得られるためであり得、この形成は、周囲圧ではあまり優勢でない;かかるプロセスは、単量体ジエンの末端アルケンを伴うものより、十分、選択性が低いだろう。したがって、それぞれの微妙な反応性優先度の蓄積が、驚くべきことに、0.1M濃度の錯体12を用いて行って効率的にかつ高いZ選択性で起こるメタセシス反応において最高点に達する。
【0671】
後期Z選択的RCMおよびナカドマリンAの全合成
ナカドマリンAの全合成を後期RCMによって遂行した;かかるアプローチは、さらなる難題を提示し、前記触媒法の確実性をさらに強調する。1つの可能な経路は、シクロオクテン含有18の(6→7に対して)より要求の多いRCMを伴う(Fuerstner,A.およびLangemann,K.「Macrocycles by ring−closing metathesis」、Synthesis、792−803(1997))。
【0672】
五環式ジエン基質内のより高度の環の歪みは、閉環速度を遅らせ、大環状アルケンのまたは、より可能性は低いが、8員環の偶発的破断に対するバリアを低下させる。したがって、同じく
図2に示すようなナカドマリンAへの18の変換を達成する過去の試みは、大環状アルケンのRCM後異性体化を最少にするために、(2b〜2cに対して)より反応性の低いルテニウムカルベン2aを伴った。しかし、こうした気が進まない触媒の使用は、ホモカップリング副生成物が単量体ジエンに逆戻りまたは所望の大環状分子に直接転換され得ないので、高い触媒充填量および高温(20mol%、40℃)ならびに極めて希薄な条件(0.2mM)となる。加えて、63%Z選択性を達成するためにRu触媒RCMにおいて相当な量(300mol%)の樟脳スルホン酸、強いブロンステッド酸、の存在が必要とされる(そうでないと、わずかに過剰のEアルケンが得られる)(Fuerstner,A.およびLangemann,K.「Macrocycles by ring−closing metathesis」、Synthesis、792−803(1997))。
【0673】
全く対照的に、室温で8時間の5.0mol%12での18の処理は、63%収率および94%Z選択性でのナカドマリンAの形成に至った。もう1つの困難なRCMプロセスは、7から合成した五環状19(下記参照)の、ナカドマリンAへの転換(
図2)を伴う。このアプローチにおける難題は、大環状Zアルケンの異性体化を促進することなく歪んだ六環式天然生成物の形成を達成することに関する。
図2に示すように、19は、56%収率および91%Z選択性でナカドマリンAに転換された。19の触媒RCMは、18のものより遅かった;結果として、完全転換にはより高濃度(5.0対1.0mM)が必要とされ(1.0mMでは50%転換)、これは、大環状アルケンの立体化学的純度の小さな損失(91%対95%Z)を生じさせる結果となる可能性が高かった。比較として、同じ変換には、40mol%のルテニウム錯体2aを要した。20〜40mol%のルテニウム錯体2aによって促進されるプロセスに対するW触媒プロセスのもう1つの顕著な態様は、純粋なナカドマリンAを確保することの容易さである。
【0674】
2aを使用したとき、その反応混合物は、クロマトグラフィーによって容易に除去することができない、有意な量のトリシクロヘキシルホスフィンオキシドを含有する。したがって、このアルカノイドのアミン部位を二重プロトン化してそれを水性相に溶けるようにするための1.0N HClでの処理を要した;ホスフィンオキシド含有有機層のその後の分離および水性相の塩基性化はナカドマリンAの再生成につながり、そのナカドマリンAをシリカゲルに通すことによってさらに精製した(詳細については補足情報を参照されたし)。タングステン錯体12を用いると、RCMから得られるナカドマリンAの純粋な試料(94〜95%Z)を得るために常例的なクロマトグラフィーだけですむ(酸処理または水性抽出なし)。
【0675】
Z選択的な大環の形成を促進するモリブデンモノピロリドおよびタングステンモノピロリドの能力は、化学合成分野にとって大いに有意である触媒法の一般的有用性を向上させる。エポチロンA、エポチロンC、およびナカドマリンAの全合成への応用成功は、これらの注目に値する生物活性天然生成物を入手できる総合効率をほぼ倍にすることになり、上で説明したプロトコルの確実性を強調する。本発明者らの調査結果は、錯体分子の調製のための多段階経路を計画する際、全合成の後期に所望の成果を得るためにモリブデンアルキリデンまたはタングステンアルキリデンに頼ることが実際にできることを例証する。本発明者らは、有意な異性体化なしでRCMを促進する、かつエチレンとの反応による偶発的ホモカップリング副生成物の回収が可能である、タングステン触媒により呈示される適切な反応性の結果として、前記2つの天然生成物を生じさせる触媒閉環を、一般に用いられる反応濃度下で行うことができることを実証する。実際には、これは、本発明者らの研究のより注目すべき成果の1つである、タングステンアルキリデン(立体選択的触媒オレフィンメタセシスにおいてめったに利用されない有機金属錯体の1クラス)によってもたらされる、みごとにバランスのとれた活性プロファイルである。
【0676】
触媒Z選択的RCMの影響は、この研究において調査した大環状構造に限定されない;錯体および生物活性分子についての非常に多くの他の全合成(Fuerstner,A.、Stelzer,F.、Rumbo,A.およびKrause,H.「Total synthesis of the turrianes and evaluation of their DNA−cleaving properties」、Che.Eur.J.、8、1856−1871(2002);She,J.、Lampe,J.W.、Polianski,A.B.およびWatson,P.S.「Examination of the olefin-olefin ring−closing metathesis to prepare latrunculin B」、Tetrahedron Lett.、50、298−301(2009);Smith,B.J.およびSulikowski,G.A.「Total synthesis of(±)−haliclonacyclamine C」、Angew.Chem.Int.Edn、49、1599−1602(2010))が、上に開示した戦略から有意な恩恵を受けることになる。炭素系置換基はもちろん様々なヘテロ原子置換基(すなわち、O、NもしくはS系置換基またはこれらの組み合わせ)も含有する10から18員環またはさらにいっそう大きい環式構造内に存する多彩なZアルケンの合成に、大環状分子を利用するその能力を応用することができる。本明細書において詳述する進歩は、医学、生物学および材料研究の際に研究の対象となる多数の大環状分子の合成に広範かつ即時的な影響を及ぼすと予想される。
【0677】
Moモノアルコキシド−モノピロリド錯体の調製
チャート2.in situ生成されたMoモノアルコキシド−モノピロリド錯体。
【0678】
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順:N
2充填グローブボックスの中で、磁気撹拌棒が入っている4mLバイアルにMoビスピロリド錯体C(8.6mg、15.2μmol)、キラルアルコールD(8.5mg、15.2μmol)およびC
6D
6(760μL)を投入した。そのバイアルにしっかりと蓋をし、その混合物を1時間撹拌させ、1時間の時点でピペットによってNMRチューブに移した(スクリューキャップ NMR)。そのNMRチューブに蓋をし、Teflonテープで封止した。(in situ生成錯体については、syn−アルキリデンのα−炭素の診断シグナルのみを報告することに留意していただきたい)。
1H NMR(400MHz,C
6D
6):δ 12.94 (1H, s), 12.74 (1H, s), 12.46 (1H, s), 12.38 (1H, s);dr=3:1(エントリー1、表1)。
【0679】
(in situで調製されて使用される)Mo錯体9の代表的調製手順:N
2充填グローブボックスの中で、磁気撹拌棒が入っている4mLバイアルにC(6.0mg、10.5μmol)、キラルアルコールD(6.0mg、10.5μmol)およびC
6H
6(500μL、0.02M)を投入し、それに起因して混合物がオレンジ色になった。そのバイアルに蓋をし、その混合物を1時間、22℃で撹拌させ、その後、(真空下、65℃で乾燥させた)シリンジによって触媒溶液を反応混合物に移した。
【0680】
Z選択的閉環メタセシス(RCM)による大環状アルケンの合成
Mo系触媒またはW系触媒での触媒閉環メタセシス(RCM)反応についての一般手順:N
2充填グローブボックスの中で、磁気撹拌棒が入っているオーブン乾燥35mLバイアルにジエン基質を投入した。上で述べたように調製した、C
6H
6(またはトルエン)中の錯体の保存溶液をトルエン中の基質の溶液(0.005M)にシリンジによって添加した。得られた混合物を2〜3分間撹拌させて、触媒を完全に開始させ、rotavapポンプから生成された7トル真空に真空アダプタによって接続した。得られた溶液を必要な期間、真空下で撹拌させ;適切な濃度を維持するためにトルエンを数回添加した。その後、空気への曝露によって反応をクエンチし、真空下で濃縮した(転換率を400MHz
1H NMR分析によって判定した)。シリカゲルクロマトグラフィーによって精製を行った。
【0681】
Ru系触媒での触媒閉環メタセシス(RCM)反応の一般手順:還流冷却器を取り付けた、磁気撹拌棒が入っている火炎乾燥50mL丸底フラスコに、ジクロロメタンまたはトルエン中のジエン基質の溶液を投入した。Ru系カルベンを計量し、対応する溶媒に溶解した。その後、触媒の溶液をシリンジによってその基質に添加した。得られた混合物を40℃で必要な期間、撹拌させた。その後、過剰なエチルビニルエーテルの添加によって反応をクエンチし、2時間、撹拌させた。その後、その混合物を真空下で濃縮した(転換率を400MHz
1H NMR分析によって判定した)。シリカゲルクロマトグラフィーによって精製を行った。
【0682】
ジエン基質を含有するエステルの代表的調製手順:磁気撹拌棒が入っている100mL丸底フラスコにカルボキシル酸およびアルコールを投入した。その混合物をジクロロメタンに溶解し、室温で撹拌させた;1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.1当量)および4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(0.1当量)を添加した。12時間撹拌した後、ブラインを添加して反応をクエンチした。層を分配し、水性層をジクロロメタンで2回洗浄した。併せた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。その粗製混合物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。
【0683】
ジエン基質を含有するアミドの代表的調製手順:磁気撹拌棒が入っている100mL丸底フラスコにカルボキシル酸およびアミンを投入した。その混合物をジクロロメタンに溶解し、室温で撹拌させた;ヒューニッヒ塩基(2当量)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.1当量)および1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(1.1当量)を添加した。12時間撹拌した後、ブラインを添加して反応をクエンチした。層を分配し、水性層をジクロロメタンで2回洗浄した。併せた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。その未精製混合物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。
【0684】
Z選択的大環状閉環メタセシス(RCM):
デカ−9−エン酸ブタ−3−エン−1−イル(ユズラクトンの前駆体)。上述の手順に従って、デカ−9−エン酸およびブタ−3−エン−1−オールからジエンを調製した。得られた黄色油をシリカゲルクロマトグラフィー(30:1 ヘキサン:ジエチルエーテル)によって精製して、所望の生成物を無色油として得た。IR(ニート):3077(m)、2927(s)、2855(s)、1737(s)、1641(m)、1458(m)、1418(m)、1353(m)、1243(s)、1170(s)、1115(m)、992(s)、912(s)、725(m)、635(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.86-5.74 (2H, m), 5.14-4.91 (4H, m), 4.12 (2H, t, J = 6.8 Hz), 2.38 (2H, ddt, J = 13.6, 6.8, 1.4 Hz), 2.29 (2H, t, J = 7.6 Hz), 2.06-2.01 (2H, m), 1.63-1.59 (2H, m), 1.39-1.26 (8H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ174.0, 139.3, 134.2, 117.3, 114.3, 63.4, 34.5, 33.9, 33.3, 29.2, 29.2, 29.1, 29.0, 25.1; HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
14H
25O
2についての計算値:225.1855、測定値:225.1855。
【0685】
N−(ブタ−3−エン−1−イル)ウンデカ−10−エナミド(16の前駆体)。上述の手順に従って、ウンデカ−10−エン酸およびブタ−3−エン−1−アミンからジエンを調製した。得られた黄色固体をシリカゲルクロマトグラフィー(5:1 ヘキサン:酢酸エチル)によって精製して、所望の生成物を白色固体として得た。IR(ニート):3296(br,s)、3078(m)、2925(s)、2854(s)、1640(s)、1548(s)、1437(s)、1359(m)、1271(m)、1151(m)、991(s)、909(s)、722(m)、634(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.85-5.71 (2H, m), 5.45 (1H, s, br), 5.12-4.91 (4H, m), 3.33 (2H, dt, J = 6.8, 6.4 Hz), 2.25 (2H, ddd, J = 13.6, 6.8, 0.8 Hz), 2.14 (2H, t, J = 7.6 Hz), 2.06-2.00 (2H, m), 1.65-1.57 (2H, m), 1.38-1.24 (10H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ173.2, 139.3, 135.5, 117.3, 114.3, 38.4, 37.0, 34.0, 33.9, 29.5, 29.4, 29.4, 29.2, 29.0, 25.9;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
15H
12N
1O
1についての計算値:238.2171、測定値:238.2167。立体化学の証拠については
図3を参照されたし。
【0686】
N−(ウンデカ−10−エン−1−イル)ヘキサ−5−エナミド(17の前駆体)。上述の手順に従って、ヘキサ−5−エン酸およびウンデカ−10−エン−1−アミンからジエンを調製した。得られた黄色固体をシリカゲルクロマトグラフィー(5:1 ヘキサン:酢酸エチル)によって精製して、所望の生成物を白色固体として得た。IR(ニート):3291(br,s)、3078(m)、2924(s)、2853(s)、1640(s)、1550(s)、1438(s)、1369(m)、1257(m)、991(s)、908(s)、722(m)、634(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.86-5.73 (2H, m), 5.39 (1H, s, br), 5.05-4.91 (4H, m), 3.23 (2H, dt, J = 13.2, 7.2, 6.6 Hz), 2.16 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.12-2.00 (4H, m), 1.78-1.70 (2H, m), 1.50-1.46 (2H, m), 1.38-1.27 (12H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ172.8, 139.3, 138.1, 115.4, 114.3, 39.6, 36.2, 33.9, 33.3, 29.8, 29.6, 29.5, 29.4, 29.2, 29.1, 27.1, 24.9;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
17H
32N
1O
1についての計算値:266.2484、測定値:266.2491。
【0687】
オクタ−7−エン酸デカ−9−エン−1−イル(アンブレットリドの前駆体)。上述の手順に従って、オクタ−7−エン酸およびデカ−9−エン−1−オールからジエンを調製した。得られた黄色油をシリカゲルクロマトグラフィー(50:1 ヘキサン:ジエチルエーテル)によって精製して、所望の生成物を無色油として得た。IR(ニート): 3077(m)、2926(s)、2855(s)、1736(s)、1641(m)、1462(m)、1417(m)、1351(m)、1255(s)、1168(s)、1113(m)、1076(m)、993(s)、909(s)、734(m)、632(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.86-5.75 (2H, m), 5.02-4.91 (4H, m), 4.05 (2H, t, J = 6.8 Hz), 2.29 (2H, t, J = 7.6 Hz), 2.08-2.01 (4H, m), 1.67-1.59 (4H, m), 1.42-1.27 (14H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ174.0, 139.2, 138.9, 114.5, 114.3, 64.5, 34.4, 33.9, 33.7, 29.5, 29.3, 29.1, 29.0, 28.8, 28.7, 28.6, 26.0, 25.0;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
18H
33O
2についての計算値:281.2481、測定値:281.2475。
【0688】
(Z)−オキサシクロヘキサデカ−6−エン−2−オン(14)。Mo触媒RCMについての上述の手順に従って、得られた粗製混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(50:1 ヘキサン:ジエチルエーテル)によって精製して、大環状アルケン14を無色油として得た(56%収率、Z:E=92:8)。IR(ニート):3003(m)、2927(s)、2856(s)、1735(s)、1459(m)、1349(m)、1239(m)、1206(m)、1167(m)、1144(m)、1045(m)、715(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.40-5.31 (2H, m), 4.15 (2H, dd, J = 5.2, 5.2 Hz), 2.35 (2H, dd, J = 6.6, 6.6 Hz), 2.13-2.01 (4H, m), 1.75-1.61 (4H, m), 1.44-1.27 (12H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ174.0, 131.2, 129.0, 64.5, 34.3, 28.0, 27.9, 27.4, 27.0, 26.9, 26.8, 26.6, 26.2, 25.6, 25.5;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
15H
27O
2についての計算値:239.2011、測定値:239.2010。
【0689】
(Z)−オキサシクロトリデカ−10−エン−2−オン(ユズラクトン)。W触媒RCMについての上述の手順に従って、得られた粗製混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(30:1 ヘキサン:ジエチルエーテル)によって精製して、大環状アルケンを無色油として得た(46%収率、Z:E=73:27)。IR(ニート):2927(s)、2857(s)、1733(s)、1448(s)、1351(m)、1254(m)、1231(m)、1185(m)、1146(m)、1011(m)、968(m)、864(m)、783(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.60-5.31 (2H, m), 4.24 (1.5H, dd, J = 5.2, 5.2 Hz), 4.15 (0.5H, dd, J = 5.4, 5.4 Hz), 2.45-2.28 (4H, m), 2.10 (1.4H, dd, J = 12.4, 5.4 Hz), 2.03 (0.6H, dd, J = 11.6, 6.8 Hz), 1.71-1.62 (2H, m), 1.53-1.16 (8H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):(Z異性体)δ174.9, 132.4, 127.3, 64.3, 35.5, 29.9, 27.7, 27.4, 26.1, 26.0, 24.7, 23.7;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
12H
21O
2についての計算値:197.1542、測定値:197.1536。
【0690】
(Z)−オキサシクロテトラデカ−11−エン−2−オン(15)。W触媒RCMについての上述の手順に従って、得られた粗製混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(50:1 ヘキサン:ジエチルエーテル)によって精製して、大環状アルケン15を無色油として得た(54%収率、Z:E=82:18)。IR(ニート):3006(m)、2929(s)、2859(s)、1733(s)、1457(m)、1383(m)、1284(s)、1173(m)、1142(m)、1084(m)、1053(m)、1003(m)、716(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.57-5.34 (2H, m), 4.23 (1.7H, dd, J = 5.2, 5.2 Hz), 4.13 (0.3H, dd, J = 5.6, 5.6 Hz), 2.43-2.33 (4H, m), 2.04-2.01 (2H, m), 1.65-1.62 (2H, m), 1.38-1.25 (10H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):(Z異性体)δ174.1, 132.5, 127.2, 63.9, 33.5, 27.9, 27.7, 26.3, 26.2, 25.7, 25.6, 25.4, 23.7;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
13H
23O
2についての計算値:211.1698、測定値:211.1699。
【0691】
(Z)−アザシクロテトラデカ−11−エン−2−オン(16)。Mo触媒RCMについての上述の手順に従って、得られた粗製混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(2:1 ヘキサン:酢酸エチル)によって精製して、大環状アルケン16を白色固体として得た(50%収率、Z:E=95:5)。IR(ニート):3285(br,s)、3070(m)、3003(m)、2924(s)、2861(s)、1637(s)、1549(s)、1461(m)、1436(s)、1362(m)、1264(s)、1180(m)、1024(m)、723(s)、598(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.65-5.57 (2H, m), 5.33-5.26 (1H, m), 3.42-3.38 (2H, m), 2.29-2.24 (2H, m), 2.20-2.16 (2H, m), 2.04-1.97 (2H, m), 1.71-1.65 (2H, m), 1.36-1.29 (10H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ1172.9, 133.6, 127.2, 38.4, 35.2, 28.2, 28.1, 26.4, 26.0, 26.0, 25.3, 24.8, 24.4;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
13H
24N
1O
1についての計算値:210.1858、測定値:210.1860。
【0692】
(Z)−5−プロピル−1−オキサ−4−アザシクロペンタデカ−10−エン−15−オン(エピラクネン)。Mo触媒RCMについての上述の手順に従って、得られた粗製混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(17:2:1 ヘキサン:酢酸エチル:トリエチルアミン)によって精製して、大環状アルケンを無色油として得た(70%収率、Z:E=91:9)。IR(ニート):2953(s)、2927(br,s)、2855(s)、1736(s)、1460(s)、1382(m)、1239(m)、1207(s)、1181(s)、1050(m)、1021(m)、697(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.39 (1H, dd, J = 14.4, 8.0 Hz), 5.30-5.24 (1H, m), 4.37-4.31 (1H, m), 3.96 (1H, ddd, J = 11.2, 4.8, 2.4 Hz), 2.98 (1H, ddd, J = 14.4, 8.0, 2.8 Hz), 2.77 (1H, ddd, J = 14.0, 6.0, 2.0 Hz), 2.46-2.31 (3H, m), 2.22-2.00 (4H, m), 1.86-1.79 (1H, m), 1.74-1.66 (1H, m), 1.49-1.09 (11H, m), 0.90 (3H, t, J = 6.8 Hz);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ173.8, 131.5, 129.6, 63.5, 56.4, 45.8, 38.4, 34.3, 32.3, 29.0, 27.6, 25.9, 25.7, 24.3, 19.3, 14.6;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
16H
30N
1O
1についての計算値:268.2276、測定値:268.2264。
【0693】
(Z)−アザシクロヘキサデカ−6−エン−2−オン(17)。Mo触媒RCMについての上述の手順に従って、得られた粗製混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(2:1 ヘキサン:酢酸エチル)によって精製して、大環状アルケン17を白色固体として得た(69%収率、Z:E=93:7)。IR(ニート):3295(br,s)、3082(m)、3003(m)、2926(s)、2854(s)、1639(s)、1554(s)、1483(s)、1356(m)、1270(m)、1154(m)、705(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.45 (1H, br, s), 5.38-5.30 (2H, m), 3.34 (2H, dt, J = 6.0, 5.6 Hz), 2.22-2.19 (2H, m), 2.12-2.01 (4H, m), 1.76-1.69 (2H, m), 1.52-1.46 (2H, m), 1.42-1.26 (12H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ173.0, 130.8, 129.1, 39.1, 36.5, 29.1, 27.8, 27.5, 27.4, 26.7, 26.5, 26.3, 26.0, 25.8, 25.7;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
15H
28N
1O
1についての計算値:238.2169、測定値:238.2171。17のZ:E比をNMRスペクトルによって決定する。
【0694】
(Z)−オキサシクロヘプタデカ−8−エン−2−オン(アンブレットリド)。Mo触媒RCMについての上述の手順に従って、得られた粗製混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(50:1 ヘキサン:ジエチルエーテル)によって精製して、大環状アルケンを無色油として得た(77%収率、Z:E=91:9)。IR(ニート):3002(m)、2926(s)、2855(s)、1736(s)、1460(s)、1385(m)、1354(m)、1256(s)、1119(m)、1070(m)、968(m)、842(m)、720(m)、696(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.32 (2H, t, J = 4.6 Hz), 4.13 (2H, t, J = 5.4 Hz), 2.32 (2H, t, J = 6.4 Hz), 2.09-2.01 (4H, m), 1.67-1.59 (4H, m), 1.43-1.23 (14H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ174.1, 130.3, 130.2, 63.8, 34.7, 29.5, 28.9, 28.8, 28.6, 28.6, 28.5, 27.8, 27.1, 26.9, 25.5, 25.4;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
16H
29O
2についての計算値:253.2168、測定値:253.2170。アンブレットリドのZ:E比をNMRスペクトルによって決定する。
【0695】
エポチロンCの合成
(3S,6R,7S,8S)−(S,E)−2−メチル−1−(2−メチルチアゾール−4−イル)ヘキサ−1,5−ジエン−3−イル3,7−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−4,4,6,8−テトラメチル−5−オキソトリデカ−12−エノアート:−50℃でDCM中の(3S,6R,7S,8S)−(S,E)−2−メチル−1−(2−メチルチアゾール−4−イル)ヘキサ−1,5−ジエン−3−イル3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−7−ヒドロキシ−4,4,6,8−テトラメチル−5−オキソトリデカ−12−エノアート(Nicolaou,K.C.;He,Y.;Vourloumis,D.;Vallberg,H.; Roschangar,F.;Sarabia,F.;Ninkovic,S.;Yang,Z.;Trujillo,J.I.「J.Am.Chem.Soc.」、1997、119、7960−7973)の溶液を2,6−ルチジン(1.82mL、15.7mmol)、続いてTBSOTf(3.60mL、15.7mmol)で処理した。その反応混合物を同温度で0.5時間撹拌し、NH
4Cl(飽和)によってクエンチし、DCM(3x)で抽出した。併せた有機層を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。SiO
2でのクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルエーテル=100:2から10:1)による精製、その後の第二クロマトグラフィー(ヘキサン:ジエチルエーテル=100:4→100:6→10:1)によって、0.281g(73%)の表題化合物を無色の油として得た。
【0696】
物理的データおよびスペクトルデータは、表題化合物について以前に報告されたものと同一であった。IR(ニート):3076(w)、2954(m)、2929(m)、2886(m)、2856(m)、1736(m)、1696(m)、1641(w)、1505(w)、1471(m)、1385(s)、1292(w)、1259(m)、1177(m)、1084(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):6.95 (1 H, s), 6.90 (1 H, s), 5.85-5.65 (1 H, m), 5.30 (1 H, t, J = 6.8 Hz), 5.13-4.91 (4 H, m), 4.34 (1 H, dd, J = 6.0, 3.6 Hz), 3.73 (1 H, dd, J = 6.8, 2.4 Hz), 3.15 (1 H, dq, J = 14.0, 6.8 Hz), 2.70 (3 H, s), 2.56-2.43 (3 H, m), 2.39 (1 H, dd, J = 16.8, 6.0 Hz), 2.07 (3 H, d, J = 4.0 Hz), 2.05-1.98 (2 H, m), 1.50-1.29 (3 H, m), 1.24 (3 H, s), 1.19-1.06 (2 H, m), 1.06-1.02 (6 H, m), 0.89 (3 H, d, J = 6.8 Hz), 0.89 (9 H, s), 0.87 (9 H, s), 0.15 (3 H), 0.05 (3H, s), 0.03 (6 H, s);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):217.9, 171.4, 164.8, 152.7, 139.2, 137.0, 133.6, 121.3, 118.0, 116.6, 114.6, 78.9, 77.8, 74.3, 53.6, 45.5, 40.5, 39.1, 37.8, 34.6, 30.7, 27.3, 26.4, 26.3, 23.4, 20.6, 19.5, 18.7, 18.4, 17.9, 15.6, 14.8, -3.7, -3.9, -4.3, -4.8;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
40H
72NO
5SSi
2についての計算値:734.4670、測定値:734.4652。
【0697】
(4S,7R,8S,9S,16S,Z)−4,8−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5,5,7,9−テトラメチル−16−((E)−1−(2−メチルチアゾール−4−イル)プロパ−1−エン−2−イル)オキサシクロヘキサデカ−13−エン−2,6−ジオン。N
2充填グローブボックスにおいて、100mL丸底フラスコの中でジエン(36.9mg、50.2μmol、ベンゼンと共沸 3x)をトルエン(50mL)に溶解し、タングステン錯体の溶液(0.126mL、ベンゼン中0.02M、2.51μmol)で処理した。2本の20ゲージ針と真空アダプタを取り付けたセプタムでそのフラスコに蓋をした。反応混合物を真空(1トル)に曝露し、22℃で3.5時間撹拌した。追加のトルエンを反応中(2時間後)に添加して、真空に起因する溶媒の損失を補った。その後、反応混合物をエチルエーテルの添加によりクエンチし、減圧下で濃縮した。SiO
2(ヘキサン:ジエチルエーテル 20:1)での精製により30.3mg(85%、Z:E=96:4)の表題化合物を無色固体として得た。
【0698】
物理的データおよびスペクトルデータは、表題化合物について以前に報告されたもの(Quintard,D.;Bertrand,P.;Bachmann,C.;Gesson,J.P.「Eur.J.Org.Chem.」、2004、4762−4770; Schinzer,D.;Bauer,A.;Bohm,O.M.;Limberg,A.;Cordes,M.「Chem.Eur.J.」、1999、5、2483−2491)と同一であった。IR(ニート):2955(m)、2924(s)、2854(m)、1743(m)、1697(w)、1462(m)、1378(w)、1254(m)、1182(w)、1158(w)、1097(w)、1066(w)、1019(w);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):6.96 (1 H, s), 6.57 (1 H, s)[診断E異性体シグナル: 6.53 (1 H, s)], 5.53 (1 H, dt, J = 11.2, 4.2 Hz), 5.42-5.23 (1 H, m), 5.02 (1 H, d, J = 10.2 Hz), 4.03 (1 H, dd, J = 10.2, 1.2 Hz), 3.89 (1 H, d, J = 8.4 Hz), 3.05-2.96 (1 H, m), 2.82 (1 H, dd, J = 16.2, 1.2 Hz), 2.79-2.70 (2 H, m), 2.70 (3 H, s), 2.67 (1 H, dd, J = 16.2, 10.2 Hz), 2.40-2.33 (1 H, m), 2.11 (3 H, d, J = 1.2 Hz), 2.10-2.06 (1 H, m), 1.90-1.82 (1 H, m), 1.62-1.46 (3 H, m), 1.30-1.00 (1 H, m), 1.19 (3 H, s), 1.14 (3 H, s), 1.09 (3 H, d, J = 6.6 Hz), 0.95 (3 H, d, J = 6.6 Hz), 0.94 (9 H, s), 0.84 (9 H, s), 0.12 (3 H, s), 0.10 (3 H, s), 0.07 (3 H, s), -0.10 (3 H, s);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):215.2, 174.5, 164.8, 152.7, 138.8, 135.3, 123.0, 119.7, 116.3, 79.8, 79.5, 76.6, 53.6, 48.2, 39.1, 38.1, 32.0, 31.6, 29.4, 28.6, 26.6, 26.4, 25.2, 24.4, 19.4, 19.3, 18.9, 18.8, 17.9, 15.5, -3.0, -3.1, -3.5, -5.5。HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
38H
67NO
5SSi
2についての計算値:706.4357、測定値:706.4348。
【0699】
エポチロンC。プラスチックバイアルの中のTHF(3.6mL)中の(4S,7R,8S,9S,16S,Z)−4,8−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5,5,7,9−テトラメチル−16−((E)−1−(2−メチルチアゾール−4−イル)プロパ−1−エン−2−イル)オキサシクロヘキサデカ−13−エン−2,6−ジオン(26.2mg、37.1μmol)の溶液をHF・ピリジン錯体(70%HF、1.09mL)で処理した。その反応混合物を22℃で36時間撹拌し、DCMで希釈し、NaHCO
3(飽和)によってクエンチした。水性層をDCMで抽出した(2x)。併せた有機層を乾燥させ(MgSO
4)、減圧下で濃縮した。SiO
2(ヘキサン:ジエチルエーテル 2:1から1:1)での精製により15.2mg(81%、Z:E=95:5)のエポチロンCを2.6mgのモノ脱シリル化生成物とともに無色固体として得た。
【0700】
物理的データおよびスペクトルデータは、エポチロンCについて以前に報告されたもの(Nicolaou,K.C.;He,Y.;Vourloumis,D.;Vallberg,H.;Roschangar,F.;Sarabia,F.;Ninkovic,S.;Yang,Z.;Trujillo,J.I.「J.Am.Chem.Soc.」、1997、119、7960−7973;Quintard,D.;Bertrand,P.;Bachmann,C.;Gesson,J.P.「Eur.J.Org.Chem.」、2004、4762−4770;Schinzer,D.;Bauer,A.;Bohm,O.M.;Limberg,A.;Cordes,M.「Chem.Eur.J.」、1999、5、2483−2491)と同一であった。IR(ニート):3503(br)、2928(s)、1732(s)、1686(s)、1506(m)、1465(m)、1405(m)、1376(m)、1331(m)、1293(m)、1249(m)、1184(m)、1150(m)、1090(m)、1047(m)、1006(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):6.96 (1 H, s), 6.59 (1 H, s)[診断E異性体シグナル:6.56 (1 H, s)], 5.49-5.34 (2 H, m), 5.29 (1 H, dd, J = 10.0, 2.0 Hz), 4.22 (1 H, d, J = 10.4 Hz), 3.74 (1 H, dd, J = 4.0, 2.0 Hz), 3.22 (1 H, br s), 3.14 (1 H, dq, J = 13.6, 2.4 Hz), 3.02 (1 H, br s), 2.74-2.64 (1 H, m), 2.70 (3 H, s), 2.50 (1 H, dd, J = 15.2, 11.2 Hz), 2.36 (1 H, dd, J = 15.2, 2.8 Hz), 2.30-2.15 (2 H, m), 2.09 (3 H, d, J = 1.6 Hz), 2.06-1.98 (1 H, m), 1.80-1.1.61 (2 H, m), 1.41-1.30 (1 H, m), 1.33 (s, 3 H), 1.28-1.16 (2 H, m), 1.18 (3 H, d, J = 6.8 Hz), 1.08 (3 H, s), 1.00 (3 H, d, J = 7.2 Hz);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):220.8, 170.6, 165.2, 152.2, 138.9, 133.6, 125.2, 119.6, 116.0, 78.6, 74.3, 72.5, 53.6, 41.9, 39.5, 38.8, 32.6, 32.0, 27.8, 27.7, 23.0, 19.3, 18.7, 16.1, 15.7, 13.7。C
26H
40NO
5Sについての計算値:478.2627、測定値:478.2625。
【0701】
ナカドマリンAの合成。
【0702】
チャート3に図示する経路を用いて、ナカドマリンAの全合成に要するRCM基質を調製した。
【0703】
ニトロエステルNak−A。トルエン(82mL)中のメチルエステルNak−A(Kyle,A.F.、Dixon,D.J.が発表のためにChem.Sciに提出したもの)(8.28g、38.83mmol)およびニトロアルケンNak−B(4.95g、25.62mmol)(Jakubec,P.;Cockfield,D.M.;Dixon,D.J.「J.Am.Chem.Soc.」、2009、131、16632−16633)の溶液に、有機触媒
4(4.26g、7.77mmol)を一度に添加した。その反応系を3日間30℃で撹拌した後、真空下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(7:3から3:7 PE:ジエチルエーテル)により精製した。Nak−Cを黄色結晶質固体として得、−20℃に冷却したEt
2Oからの再結晶によりさらに精製した。同様の手法での母液のさらなる精製も要して、所望の化合物を無色結晶質固体(7.50g、72%収率、単一ジアステレオマー)として得た。mp90〜92℃;IR(ニート):2984(w)、2935(w)、1738(s)、1690(s)、1554(s)、1413(m)、1380(m)、1278(m)、1224(m)、1038(w)、923(w)、819(w);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ 7.30 (1H, d, J = 0.8 Hz), 6.03 (1H, d, J = 0.8 Hz), 5.78 (1H, ddt, J = 17.0, 10.3, 6.6 Hz), 5.06-4.86 (4H, m), 4.07 (1H, dd, J = 10.6, 3.8 Hz), 3.94-3.88 (1H, m), 3.82 (3H, s), 3.43-3.30 (2H, m), 2.67 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.40-2.31 (2H, m), 2.21-2.17 (2H, m), 1.68 (3H, s), 1.43 (3H, s);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ 171.7, 167.3, 157.1, 140.3, 137.0, 119.6, 115.6, 105.0, 91.9, 76.8, 69.9, 63.5, 58.7, 53.4, 38.8, 33.4, 31.9, 27.5, 26.3, 23.3;HRMS(ESI
+)[M+Na]
+ C
20H
26N
2NaO
7についての計算値:429.1632、測定値:429.1637;[α]
D21+0.9(c=0.67、CHCl
3)。
【0704】
チャート3.(−)ナカドマリン(Nakadamarin)Aの合成。
【0705】
【化186】
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ニトロラクタムNak−D。DMSO(82mL)中の6−ブロモ−1−ヘキセン(11.40g、69.90mmol)およびNaN
3(6.82g、104.9mmol)の混合物を2時間撹拌した。その反応混合物を水(160mL)に注入し、ジエチルエーテル(50mLx3)で抽出した。併せた有機層をブラインで洗浄し、水を添加した。トリフェニルホスフィン(36.67g、139.8mmol)を10分にわたって添加した。その反応混合物を16時間撹拌し、その後、1M HClで3回抽出した。水性相をジエチルエーテルで抽出し、有機抽出物を廃棄した。氷浴で冷却しながら水性層を固体水酸化ナトリウムで塩基性化した。ジエチルエーテル(50mLx3)で抽出し、併せた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。窒素流で濃縮させることにより、アミンを無色油として調製した。MeOH(100mL)中のニトロエステルNak−C(5.30g、13.04mmol)、ヘキサ−5−エン−1−アミン(1.94g、19.56mmol)およびホルムアルデヒド(水中の37%溶液)(1.59g、1.46mL、19.56mmol)の溶液を5時間還流させた。溶液を室温に冷却し、真空下で濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(1:1から2:8 PE:ジエチルエーテル)によって精製して、ニトロアミドNak−Dを褐色油として得た(4.15g、66%収率)。IR(ニート):2982(w)、2933(w)、2858(w)、1693(s)、1650(s)、1556(s)、1411(m)、1350(m)、1259(m)、1134(w)、916(w)、821(w);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ 7.28 (1H, d, J = 1.0 Hz), 6.06 (1H, d, J = 1.0 Hz), 5.89 (1H, ddd, J = 12.0, 9.5, 6.5 Hz), 5.84-5.72 (2H, m), 5.06-4.93 (4H, m), 4.01 (1H, dd, J = 12.0, 6.4 Hz), 3.90 (1H, dd, J = 8.0, 5.4 Hz), 3.79 (1H, dd, J = 12.1, 9.1 Hz), 3.57-3.47 (3H, m), 3.46-3.34 (2H, m), 3.01 (1H, dd, J = 13.3, 7.2 Hz), 2.66 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.38-2.30 (2H, m), 2.13-2.05 (2H, m), 1.90 (1H, dd, J = 13.1, 7.3 Hz), 1.70-1.56 (2H, m), 1.58 (3H, s), 1.47-1.37 (2H, m), 1.35 (3H, s);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ 168.4, 167.2, 157.2, 139.9, 138.3, 137.0, 118.8, 115.7, 114.9, 104.9, 91.6, 81.5, 69.7, 62.8, 58.7, 49.4, 48.3, 42.9, 33.3, 31.9, 31.6, 27.6, 26.3, 26.2, 25.8, 23.3;HRMS(ESI
+)[M+Na]
+ C
26H
35N
3NaO
6についての計算値:508.2418、測定値:508.2412;[α]
D21+97.3(c=0.640、CHCl
3)。
【0706】
スピロラクタムNak−E。ニトロアミドNak−D(5.60g、11.53mmol)をメシチレン(160mL)に溶解した。これにAIBN(0.38g、2.31mmol)および水素化トリブチルすず(16.78g、15.28mL、57.65mmol)を添加し、その混合物を真空/窒素パージの反復サイクルによって脱気した。その後、予熱した油浴の中で2.5時間、反応混合物を急速加熱して還流させた後、室温に冷却した。その反応混合物をシリカに直接充填し、メシチレンおよび過剰なすず化合物を石油エーテルで溶出させた後、溶媒系を勾配させて(9:1から1:8 PE:ジエチルエーテル)、スピロラクタムNak−Eを淡黄色油として得た(2.95g、58%収率)。IR(ニート):2982(w)、2932(w)、2863(w)、1691(s)、1638(s)、1548(w)、1491(w)、1442(w)、1406(m)、1261(w)、914(w);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ7.24 (1H, br. s), 6.05 (1H, br. s), 5.87-5.74 (2H, m), 5.08-4.91 (4H, m), 3.88 (1H, dd, J = 7.7, 5.2 Hz), 3.54-3.31 (6H, m), 2.99 (1H, dd, J = 12.8, 7.5 Hz), 2.95-2.87 (2H, m), 2.70-2.63 (2H, m), 2.40-2.32 (2H, m), 2.14-2.03 (2H, m), 1.84 (1H, dd, J = 12.6, 7.1 Hz), 1.78-1.71 (1H, m), 1.67-1.53 (5H, m), 1.48-1.36 (2H, m), 1.29 (3H, s);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ169.5, 168.6, 156.2, 138.6, 137.8, 137.2, 124.7, 115.4, 114.6, 105.6, 91.2, 69.9, 63.3, 58.6, 48.3, 47.4, 40.0, 33.4, 33.0, 32.0, 27.6, 26.3, 26.3, 26.0, 25.3, 23.4;HRMS(ESI
+)[M+Na]
+ C
26H
36N
2NaO
4についての計算値:463.2567、測定値:463.2578;[α]
D21+94.1(c=2.30、CHCl
3)。
【0707】
アルコールNak−F。p−トルエンスルホン酸(PTSA)(0.063g、0.33mmol)をメタノール(150mL)中のスピロラクタムNak−E(2.91g、6.61mmol)の溶液に添加し、その溶液を4時間、還流させながら加熱した。この時間の後、PTSA(0.010g、0.05mmol)のさらなる添加を要した。さらに1時間、還流させながら加熱した後、その溶液を室温に冷却し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチルから98:2 酢酸エチル:メタノール)によって精製してNak−Fを無色油として得た(2.11g、80%収率)。IR(ニート):3406(m)、3270(m)、2929(m)、2858(m)、1695(s)、1618(s)、1494(w)、1435(m)、1348(w)、1272(m)、1125(w)、1062(w)、912(m)、734(w);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ7.22 (1H, d, J = 0.8 Hz), 6.28 (1H, br. s), 6.06 (1H, d, J = 0.8 Hz), 5.87-5.73 (2H, m), 5.08-4.91 (4H, m), 4.47 (1H, t, J = 5.4 Hz), 3.59 (2H, t, J = 4.9 Hz), 3.52-3.37 (3H, m), 3.37-3.22 (2H, m), 3.15-3.02 (1H, m), 2.84 (1H, dd, J = 13.4, 2.8 Hz), 2.71-2.60 (3H, m), 2.41-2.32 (2H, m), 2.16-2.03 (3H, m), 1.84-1.72 (1H, m), 1.67-1.54 (2H, m,), 1.45-1.35 (2H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ175.6, 170.5, 156.2, 138.5, 138.1, 137.4, 124.4, 115.3, 114.7, 105.7, 65.7, 55.6, 52.9, 48.5, 47.6, 40.4, 34.0, 33.4, 32.0, 27.6, 26.3, 26.0, 25.3;HRMS(ESI
+)[M+Na]
+ C
23H
32N
2NaO
4についての計算値:423.2254、測定値:423.2258;[α]
D21+112.0(c=0.700、CHCl
3)。
【0708】
ビス−BocラクタムNak−G。CH
2Cl
2(75mL)中のNak−F(1.75g、4.73mmol)の溶液にDMAP(0.053g、0.43mmol)およびトリエチルアミン(2.21g、3.04mL、21.86mmol)を添加した後、二炭酸ジ−tert−ブチル(4.77g、21.86mmol)を少量ずつ添加した。その溶液を15時間、室温で撹拌した。形成された暗黄色溶液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(4:1から3:7 PE:酢酸エチル)によって精製して、ビスBocラクタムNak−Gを無色油として得た(2.55g、97%収率)。IR(ニート):2979(w)、2934(w)、1781(m)、1744(s)、1640(s)、1491(w)、1455(w)、1369(m)、1278(s)、1254(s)、1158(s)、914(w)、856(w);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ7.17 (1H, br. s), 5.93 (1H, br. s), 5.85-5.73 (2H, m), 5.06-4.92 (4H, m), 4.44 (1H, dd, J = 10.0, 4.4 Hz), 4.19 (1H, dd, J = 9.9, 8.6 Hz), 3.82 (1H, “tt”, J = 8.9, 4.5 Hz), 3.52-3.40 (3H, m), 3.29 (1H, ddd, J = 13.1, 8.7, 6.4 Hz), 3.06-2.92 (1H, m), 2.84 (1H, dd, J = 13.4, 2.8 Hz), 2.73 (1H, dd, J = 13.8, 4.7 Hz), 2.65-2.58 (2H, m), 2.37-2.29 (2H, m), 2.13-2.03 (3H, m), 1.79-1.71 (1H, m), 1.66-1.52 (2H, m), 1.48 (9H, s), 1.46 (9H, s), 1.45-1.36 (2H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ172.8, 167.7, 156.7, 153.1, 149.4, 138.5, 138.3, 137.2, 123.9, 115.4, 114.7, 105.1, 83.3, 82.1, 68.2, 57.0, 53.4, 48.3, 47.4, 41.6, 33.5, 32.0, 31.3, 27.9, 27.8, 27.6, 26.4, 26.1, 25.2;HRMS(ESI
+)[M+Na]
+ C
33H
48N
2NaO
8についての計算値:623.3303、測定値:623.3312;[α]
D21+120.0(c=0.700、CHCl
3)。
【0709】
アミノールNak−H。THF(105mL)中のNak−G(2.50g、4.16mmol)の溶液に−78℃で水素化トリエチルホウ素リチウム(11.20mL、11.20mmol、THF中1M溶液)を滴下し、その溶液をこの温度で3時間撹拌した後、NH
4Cl飽和水溶液(100mL)でクエンチした。反応系を1時間にわたって放置して室温に温め、その後、ジエチルエーテル(150mL)で希釈した。水性層を抽出し、有機部分を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。その粗製油をカラムクロマトグラフィー(4:1から7:3 PE:酢酸エチル)によって精製してNak−Hを無色の油として得た(2.04g、81%収率):表題化合物の
1H−NMRスペクトルは、CDCl
3中、298Kで実行すると回転異性体に起因して相当な広幅化を被る。トルエン−d
8中、363Kでデータを収集することによりこのスペクトルを改善する試みは、化合物の分解を生じさせる結果となった。そのためにこの化合物を十分に特徴づけせずに次の段階で使用した。
【0710】
ジエン6。CH
2Cl
2(10mL)中のNak−H(300mg、0.498mmol)の溶液にトリエチルアミン(0.28g、0.39mL、2.79mmol)、無水酢酸(0.29g、0.26mL、2.79mmol)およびDMAP(3mg)を添加した。その反応系を室温で6時間撹拌し、その後、二回目分のDMAP(20mg)を添加した。反応系をさらに15時間撹拌し、その後、シリカパッドに通して濾過し、そのパッドをジエチルエーテルで洗浄した。濾液を濃縮し、粗製残留物をCH
2Cl
2(10mL)に溶解し、(+)−樟脳スルホン酸(21mg、0.09mmol)を添加し、その反応系を室温で1時間撹拌した。その混合物を真空下で濃縮し、その粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(9:1から6:4 PE:酢酸エチル)によって精製してジエン6を無色油として得た(268mg、92%収率)。反応混合物の
1H−NMRスペクトルは、CDCl
3中、298Kで実行すると回転異性体に起因して広幅化を被る。その主回転異性体は、割り当てられている。IR(ニート):2978(m)、2931(m)、1743(s)、1699(s)、1640(s)、1483(w)、1454(w)、1380(s)、1369(s)、1279(s)、1255(s)、1162(s)、1099(w)、913(w)、863(w);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.91-5.68 (3H, m), 5.08-4.90 (5H, m), 4.72 (1H, dd, J = 9.6, 3.5 Hz), 4.35 (1H, “t”, J = 9.5 Hz), 4.13-4.04 (1H, m), 3.37 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.27-3.12 (2H, m), 3.02 (1H, t, J= 6.1 Hz), 2.69 (2H, t, J = 7.6 Hz), 2.59 (1H, dd, J = 13.4, 4.5 Hz), 2.38 (2H, “q”, J = 7.1 Hz), 2.16-1.99 (4H, m), 1.71-1.60 (1H, m), 1.56-1.43 (20H, m), 1.40-1.30 (2H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ172.2, 161.1, 155.0, 153.9, 153.2, 138.4, 137.3, 128.2, 115.4, 114.8, 102.2, 81.7, 80.0, 67.0, 65.9, 63.9, 56.8, 48.0, 45.1, 43.5, 40.5, 33.4, 32.0, 29.2, 28.5, 28.3, 27.8, 26.7, 26.0;HRMS(ESI
+)[M+Na]
+ C
33H
48N
2NaO
7についての計算値:607.3354、測定値:607.3349;[α]
D21+28.9(c=3.40、CHCl
3)。
【0711】
Boc五環7。N
2充填グローブボックスにおいて、100mL丸底フラスコの中でジエン(107mg、0.186mmol)をトルエン(37mL)に溶解し、W錯体12(9.1mg、9.3μmol、0.05当量)で処理した。その後、3分間撹拌させ、そのフラスコに真空アダプタによって7トル真空システムを取り付けた。22℃で2時間撹拌した後、反応混合物をグローブボックスの外に出し、空気に曝露した。その粗製混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(2:1から1:2 ヘキサン:ジエチルエーテル)によって精製して大環状アルケン7を白色固体として得た(94.1mg、0.168mmol、90%収率、Z:E=97:3)。IR(ニート):2978(s)、2938(s)、2868(m)、1742(s)、1694(s)、1634(s)、1488(m)、1453(m)、1393(s)、1367(s)、1351(s)、1277(s)、1254(s)、1155(s)、1106(s)、953(m)、859(m)、792(m)、761(m)、732(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.82 (1H, s), 5.44 (1H, dd, J = 12.2, 5.6 Hz), 5.26 (1H, dd, J = 12.0, 5.6 Hz), 4.81-4.72 (2H, m), 4.46 (1H, dt, J = 8.8, 2.4 Hz), 4.28-4.25 (1H, m), 4.17 (1H, dd, J = 6.6, 5.4 Hz), 3.27 (1H, s), 3.14 (1H, dt, J = 7.6, 2.4 Hz), 2.90 (1H, dd, J = 8.0, 2.8 Hz), 2.75 (1H, t, J = 8.4 Hz), 2.59-2.41 (4H, m), 2.19 (2H, dd, J = 8.8, 4.0 Hz), 2.10 (1H, d, J = 8.4 Hz), 1.93-1.88 (2H, m), 1.62-1.59 (1H, m), 1.53-1.40 (19H, m), 1.28-1.23 (1H, m), 0.99-0.96 (1H, m), 0.03--0.05 (1H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ171.6, 159.9, 157.0, 154.2, 153.4, 130.5, 128.7, 128.5, 103.0, 82.1, 80.2, 69.0, 67.7, 67.6, 58.3, 46.8, 43.5, 39.5, 36.0, 28.8, 28.3, 27.9, 27.6, 26.6, 26.3, 25.6, 22.3;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
31H
45N
2O
7についての計算値:557.3227、測定値:557.3218;[α]
D20−63.17(c=0.640、CHCl
3)。
【0712】
アミノールNak−J。磁石棒が入っている35mLバイアルの中で大環状アルケン(130mg、0.233mmol)をニートトリフルオロ酢酸(1.0mL、過剰)で処理し、5分間、22℃で撹拌させた。その後、その酸を真空によって除去した。得られた黄色油をNaHCO
3飽和水溶液(6mL)およびジクロロメタン(6mL)で処理した。層を分配し、水性層をクロロホルム/イソプロパノールの4:1混合物(6mLx3)で抽出した。併せた有機層を乾燥させ、濃縮した。その粗製混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(9:1 ジクロロメタン:メタノール)によって精製してアミノールNak−Jを白色固体として得た(80mg、0.225mmol、95%収率、Z:E=95:5)。IR(ニート):3368(br,s)、3004(m)、2925(s)、2856(s)、1676(s)、1604(s)、1494(m)、1443(s)、1361(m)、1201(s)、1181(s)、1131(s)、1035(m)、840(m)、800(m)、722(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.82 (1H, s), 5.46 (1H, dd, J = 14.8, 8.8 Hz), 5.26 (1H, dd, J = 16.0, 8.8 Hz), 4.80-4.37 (4H, m), 3.82-3.69 (3H, m), 3.29 (1H, s), 3.08 (1H, dt, J = 12.4, 3.6 Hz), 2.91 (1H, dd, J = 12.0, 4.0 Hz), 2.82-2.78 (1H, m), 2.62-2.46 (3H, m), 2.32 (1H, dd, J = 12.4, 9.6 Hz), 2.16-2.09 (2H, m), 2.00-1.88 (3H, m), 1.64-1.46 (2H, m), 1.30-1.25 (1H, m), 1.05-0.99 (1H, m), 0.06--0.05 (1H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ173.6, 161.7, 155.8, 130.4, 129.6, 128.7, 103.4, 71.7, 69.0, 63.7, 63.0, 46.8, 43.4, 41.1, 37.1, 28.8, 27.6, 26.4, 26.0, 25.3, 23.2;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
21H
29N
2O
3についての計算値:357.2178、測定値:357.2171;[α]
D20−78.41(c=0.700、CHCl
3)。
【0713】
アルコールNak−K。磁石棒が入っている4mLバイアルの中で、触媒量のDMF(1滴)を5−ヘキサン酸(40mg、0.351mmol)に添加し、0℃に冷却し;塩化オキサリル(53mg、0.421mmol)を注意深く添加し、その後、15分間、22℃で撹拌した。1mLジエチルエーテルを添加し、その混合物を綿栓に通して濾過し、窒素流で濃縮させて、粗製5−ヘキセニルクロリドを得た。別の50mL丸底フラスコの中で、アミノール(120mg、0.337mmol)およびトリエチルアミン(170mg、1.685mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解し、−20℃に冷却した。ジクロロメタン中の5−ヘキセニルクロリドの予冷溶液をシリンジによって添加した。その反応混合物を30分間放置してゆっくりと22℃に温め、3時間撹拌させた。その粗製混合物を真空により濃縮して黄色油を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン:酢酸エチルから9:1酢酸エチル:メタノール)によって精製して、第一級アルコールNak−Kを白色固体として得た(84mg、0.283mmol、84%収率、Z:E=95:5)。IR(ニート):3350(br,m)、2923(s)、2854(s)、1628(s)、1549(m)、1490(m)、1440(s)、1353(m)、1326(m)、1218(m)、1203(m)、1099(m)、1080(m)、911(m)、805(m)、750(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ6.04 (1H, d, J = 9.2 Hz), 5.87 (1H, s), 5.84-5.76 (1H, m), 5.46 (1H, dd, J = 18.4, 8.8 Hz), 5.26 (1H, dd, J = 18.0, 8.0 Hz), 5.07-4.95 (2H, m), 4.91 (1H, s), 4.45 (1H, dt, J = 12.8, 4.0 Hz), 4.26-4.19 (1H, m), 3.75-3.62 (2H, m), 3.32 (1H, t, J = 2.8 Hz), 3.11 (1H, dt, J = 12.0, 4.0 Hz), 2.93 (1H, dd, J = 12.4, 4.8 Hz), 2.78-2.67 (1H, m), 2.60-2.39 (5H, m), 2.30-2.11 (5H, m), 2.02-1.89 (3H, m), 1.81-1.43 (4H, m), 1.33-1.22 (1H, m), 1.05-0.95 (1H, m), -0.01--0.12 (1H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ174.8, 171.2, 161.1, 155.4, 138.2, 130.5, 130.5, 128.5, 115.2, 103.6, 68.9, 68.2, 66.6, 66.4, 46.8, 43.2, 39.2, 35.1, 34.5, 33.4, 28.7, 27.5, 26.5, 26.3, 25.4, 24.3, 22.3;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
27H
37N
2O
4についての計算値:453.2753、測定値:453.2739;[α]
D20−48.67(c=0.260、CHCl
3)。
【0714】
トリエンNak−L。磁石棒が入っている50mL丸底フラスコの中で2−ヨードキシ安息香酸(413mg、1.473mmol)を20mLのDMSO中のアルコール(148mg、0.327mmol)の溶液に添加した。その反応混合物を24時間、22℃で撹拌させた。その後、混合物をNaHCO
3飽和水溶液(60mL)に注入し、ジエチルエーテル(4x60mL)で抽出した。併せた有機層を水(30mL)で洗浄し、乾燥させ、濃縮して粗製アルデヒドを黄色油として得、それを精製せずに次の段階に直接使用した。別の50mL丸底フラスコの中で、KOt−Bu(172mg、1.537mmol)をトルエン(10mL)中のMePPh
3Br(700mg、1.962mmol)に添加した。得られた混合物を、均質な明黄色溶液が形成されるまで、超音波処理浴内に置いた。その反応混合物を22℃で1時間半、撹拌した。その粗製アルデヒドをTHF(10mL)に溶解し、その溶液を、新たに調製したイリド溶液に迅速に添加した。15分後、その反応混合物を濃縮し;30mLの水および30mLの酢酸エチルを添加した。層を分配し、水性層を3回、酢酸エチル(30mL)で洗浄した。併せた有機層を乾燥させ、真空によって濃縮して無色油を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(3:2から2:3 ヘキサン:酢酸エチル)によって精製してトリエンNak−Lを白色フォームとして得た(122mg、0.272mmol、83%収率、Z:E=95:5)。IR(ニート):2934(s)、2863(s)、1633(s)、1488(m)、1440(s)、1406(s)、1355(s)、1287(s)、1206(s)、1168(m)、992(m)、953(m)、912(m)、732(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.96-5.68 (3H, m), 5.48 (1H, dd, J = 18.0, 9.2 Hz), 5.28 (1H, dd, J = 16.4, 8.8 Hz), 5.20-4.89 (5H, m), 4.67-4.44 (2H, m), 3.34 (1H, s), 3.21-3.12 (1H, m), 3.00-2.69 (2H, m), 2.59-2.32 (5H, m), 2.20-1.92 (7H, m), 1.79-1.43 (5H, m), 1.34-1.18 (1H, m), 1.06-0.98 (1H, m), 0.04--0.08 (1H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):回転異性体:δ173.1, 172.5, 171.5, 171.3, 160.6, 160.1, 157.6, 156.0, 140.3, 139.6, 138.6, 138.6, 130.5, 130.3, 129.9, 129.1, 128.6, 128.2, 115.5, 114.9, 114.9, 113.9, 103.5, 103.0, 70.4, 68.3, 67.6, 67.0, 63.5, 63.3, 46.9, 43.4, 39.9, 39.6, 39.1, 38.3, 34.5, 34.4, 33.4, 33.3, 28.8, 28.7, 27.5, 27.2, 26.6, 26.4, 26.2, 25.5, 25.3, 24.3, 24.2, 22.4, 22.2; HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
28H
37N
2O
3についての計算値:449.2804、測定値:449.2790;[α]
D20−76.61(c=0.110、CHCl
3)。
【0715】
ジアミン18。磁石棒が入っている25mL丸底フラスコの中で、DIBAL(159μL、0.893mmol)を0℃で5mLジエチルエーテル中のアミド(20mg、44.6μmol)の溶液に添加し、4時間撹拌させた。その後、二回目分のDIBAL(159μL、0.893mmol)を添加し、その反応混合物を放置して22℃に温め、2時間撹拌し、ロッシェル塩飽和水溶液(5mL)を−78℃で添加し、その混合物を22℃に温め、6時間撹拌させた。層を分配し、水性層を3回、ジエチルエーテル(10mL)で洗浄した。併せた有機層を乾燥させ、真空によって濃縮して、無色油を得、それを中性アルミナクロマトグラフィー(10:1から2:1 ヘキサン:ジエチルエーテル)によって精製してジアミン18を無色油として得た(14mg、33.3μmol、75%収率、Z:E=95:5)。IR(ニート):3075(m)、3003(m)、2921(s)、2856(s)、2974(s)、1641(s)、1556(m)、1445(s)、1385(m)、1359(m)、1342(m)、1172(s)、1129(s)、1100(m)、1084(m)、992(s)、910(s)、857(m)、793(m)、726(m);
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ5.94-5.83 (1H, m), 5.78 (1H, s), 5.69-5.60 (1H, m), 5.48 (1H, dd, J = 18.0, 8.0 Hz), 5.26 (1H, dd, J = 18.4, 7.6 Hz), 5.14-4.94 (4H, m), 4.16 (1H, s), 3.14-3.08 (1H, m), 3.00 (1H, d, J = 10.8 Hz), 2.78-2.70 (2H, m), 2.65-2.43 (4H, m), 2.41 (1H, dt, J = 11.6, 3.2 Hz), 2.32-2.09 (6H, m), 2.00-1.84 (3H, m), 1.77 (1H, ddd, J = 14.0, 7.2, 2.4 Hz), 1.70-1.53 (3H, m), 1.50-1.38 (2H, m), 1.36-1.25 (2H, m), 1.08-0.96 (2H, m), 0.94-0.78 (2H, m);
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ160.6, 156.2, 140.9, 139.5, 133.6, 131.7, 128.1, 116.8, 114.2, 103.3, 71.0, 66.8, 62.6, 59.6, 58.4, 49.9, 45.1, 42.7, 41.4, 33.8, 28.9, 28.3, 27.9, 27.7, 27.2, 26.5, 26.3, 22.3;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
28H
41N
2Oについての計算値:421.3219、測定値:421.3207;[α]
D20−30.14(c=0.067、MeOH)。
【0716】
ナカドマリンA。N
2充填グローブボックスにおいて、8mLバイアルの中でジアミン18(8.0mg、19.0μmol)をトルエン(3.8mL)に溶解し、W錯体12の保存溶液(93μL、0.95μmol、1mg/mL、0.05当量)で処理した。その後、3分間撹拌させ、そのバイアルに(針通し穴を有する)セプタムで蓋をし、真空アダプタによって1トル真空システムに取り付けた。22℃で8時間撹拌した後、その反応混合物をグローブボックスから外に出し、空気に曝露した。その粗製混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(19:1 ジエチルエーテル:水酸化アンモニウム)によって精製してナカドマリンAを白色フォームとして得た(4.2mg、10.7μmol、56%収率、Z:E=91:1)。物理的データおよびスペクトルデータは、以前に報告されたもの(Ono,K.;Nakagawa,M.;Nishida,A.「Angew.Chem.Int.Ed.」、2004、43、2020−2023;Jakubec,P.;Cockfield,D.M.;Dixon,D.J.「J.Am.Chem.Soc.」、2009、131、16632−16633;Nilson,M.G.;Funk,R.L.「Org.Lett.」、2010、12、4912−4915)と同一であった。IR(ニート):3005(m)、2923(s)、2856(s)、2790(s)、2742(s)、1444(s)、1357(m)、1330(m)、1309(m)、1276(m)、1238(m)、1196(m)、1132(s)、1080(m)、953(m)、937(s)、725(m);
1H NMR(400MHz,CD
3OD):δ5.86 (1H, s), 5.79 (1H, dd, J = 17.6, 9.4 Hz), 5.51-5.40 (2H, m), 5.28-5.21 (1H, m), 3.92 (1H, s), 3.74-3.69 (1H, m), 3.08-2.98 (1H, m), 3.03 (1H, d, J = 12.4 Hz), 2.83 (1H, br, s), 2.80-2.68 (2H, m), 2.64-2.57 (2H, m), 2.52-2.44 (1H, m), 2.40 (1H, dd, J = 11.6, 3.6 Hz), 2.34-2.26 (3H, m), 2.18-1.95 (4H, m), 1.90 (2H, dd, J = 12.4, 4.8 Hz), 1.81 (1H, ddd, J = 14.0, 7.2, 2.6 Hz), 1.74-1.56 (4H, m), 1.47 (1H, dd, J = 12.4, 10.0 Hz), 1.42-1.27 (2H, m), 1.11-1.00 (2H, m), 0.92-0.88 (1H, m);
13C NMR(100MHz,CD
3OD):δ162.3, 156.7, 135.1, 134.4, 132.2, 131.6, 129.3, 104.7, 74.7, 63.6, 60.7, 59.3, 58.2, 50.9, 46.1, 43.5, 43.1, 29.5, 29.2, 29.2, 28.8, 27.2, 27.1, 26.0, 26.0, 23.0;HRMS(ESI
+)[M+H]
+ C
26H
37N
2Oについての計算値:393.2906、測定値:293.2899;[α]
D20−73.59(c=0.040、メタノール)。
【0717】
ナカドマリンA。還流冷却器を取り付けた、磁気撹拌棒が入っている火炎乾燥150mL丸底フラスコに、ジクロロメタン(10mL)中のジアミン18(10.0mg、23.8μmol)および(+)−樟脳スルホン酸(17mg、71.4μmol、3.0当量)の溶液を投入した。得られた混合物を10分間撹拌させ、その後、ジクロロメタン(73mL)で希釈した。第一世代グラブス触媒(5.9mg、7.6μmol、0.3当量)を計量し、ジクロロメタン(4mL)に溶解した。その後、その触媒の溶液をシリンジによって基質に添加した。得られた混合物を40℃で5時間撹拌させた。その後、別分のRuカルベン(1.9mg、1.9μmol、0.1当量)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、その後、反応系に添加した。その後、その反応系を40℃で3時間撹拌させ、1M HCl水溶液(10mL)の添加によってクエンチした。層を分配し、有機層を1M HCl水溶液(10mLx3)によって抽出した。水性抽出物を併せ、0℃に冷却し、NaOH飽和水溶液の添加によってpHを14に調整した。その水性混合物をジエチルエーテル(10mLx3)そしてジクロロメタン(10mLx3)で洗浄した。併せた有機抽出物を乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して無色油を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(19:1 ジエチルエーテル:水酸化アンモニウム)によって精製を行ってナカドマリンAを白色フォームとして得た(6.1mg、14.0μmol、66%収率、Z:E=93:7)。
【0718】
立体化学の証明。MoW触媒またはW触媒大環状RCMからの17および7の主異性体の同一性をX線結晶学によって確証した(
図4および5、表5および6)。
【0719】
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0720】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
立体選択的閉環メタセシス(RCM)反応によるZ−三置換アルケンの合成。エポチロンBおよびエポチロンDの全合成への応用。
【0721】
多くの生物活性大環状分子は、C−C二重結合を含有し、この二重結合によって様々な他の誘導体を調製できるだろう;アルケンまたは結果として生じた部分の立体化学的同一性は、かかる分子の有益な特性にとって重要であり得る。触媒閉環メタセシス(RCM)は、大きな不飽和環の合成に広く用いられているプロトコルである;しかし、概してアルケン立体選択性の制御なしに環化が進行する−この短所は、複雑な構造で長い変換順路後にRCMが果たされるとき、特に費用が嵩む。二置換またはそれより多く置換されているアルケンをもたらすRCM反応における高いZ選択性の達成の解決は、非常に望ましい。ここで、本発明者らは、三置換アルケンのZ選択的合成による大環状RCM反応を促進した触媒の新規クラスを導入する。
【0722】
触媒アルケン閉環メタセシス(RCM)は、環式構造の調製に不可欠であり(Hoveyda,A.H.;Zhugralin,A.R.「Nature」、2007、450、243−251);それは、様々な生物活性分子の合成に広範に用いられている(Deiters,A.;Martin,S.F.「Chem.Rev.」、2004、104、2199−2238;Nicolaou,K.C.;Bulger,P.G.;Sarlah,D.「Angew.Chem.Int.Ed.」、2005、44、4490−4527;Gradillas,A.;Perez−Castells,J.「Angew.Chem.,Int.Ed.」、2006、45、6086−6101;Gradillas,A.;Perez−Castells,J.「Metathesis in Natural Product Synthesis」(Cossy,J.;Arsenyadis,S.;Meyer,C.編集);Wiley−VCH、2010)。RCMは、大員環の入手に広く用いられている;これは、確実な立体選択性の異形体がないにもかかわらず、それらを入手できることが、この重要なクラスの反応の価値を実質的に向上させたということである。いずれの理論によっても制限されることを望まないが、立体化学的制御の不在は、(使用する触媒によって決定されるのに対して)生成物立体異性体のエネルギー属性に主として依存する触媒閉環の結果から生じ得る。小員環または中員環に関しては、Zアルケンが排他的に生成される;これは、大きな(sizeable)環には該当しない。なぜなら、多くの場合、2つの異性体アルケン間のエネルギー差は、熱力学的制御により高い立体選択性を達成するには不十分であるからであるか、または一方の異性体のエネルギーのほうが相当低い場合、触媒が容易な平衡を促進できないからである。かかる立体選択性欠如の例は、重要なクラスの重要な生物活性大環状分子、すなわちエポチロン、の全合成に向けて行われた非常に多数の試みに関して見つけることができる。上で開示したおよび本明細書に開示する発明より前の、RCMアプローチにより16員コアを調製するためのすべての試みは、アルケン異性体の実質的等量混合物を生じさせる結果となった(Meng,D.;Bertinato,P.;Balog,A.;Su,D.−S.;Kamenecka,T.;Sorensen,E.J.;Danishefsky,S.J.「J.Am.Chem.Soc.」、1997、119、10073−10092;Nicolaou,K.C.;He,Y.;Vourloumis,D.;Vallberg,H.;Roschangar,F.;Sarabia,F.;Ninkovic,S.;Yang,Z.;Trujillo,J.I.「J.Am.Chem.Soc.」、1997、119、7960−7973;Schinzer,D.;Limberg,A.;Bauer,A.;Bohm,O.M.;Cordes,M.「Angew.Chem.Int.Ed.」、1997、36、523−524;Sinha,S.C.;Sun,J.;Miller,G.P.;Wartmann,M.;Lerner,R.A.「Chem.Eur.J.」、2001、7、1691−1702)。
【0723】
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
2009年、本発明者らは、高Z−およびエナンチオ選択的オレフィンメタセシスプロセスの最初の例を報告した。具体的には、本発明者らは、Moがステレオジェニックであるアダマンチルイミド錯体によって触媒される、一連の比較的歪んだ二環式アルケンとの効率的開環/交差メタセシス反応を、様々なアリールオレフィンが受けることを実証した(Ibrahem,I.;Yu,M.;Schrock,R.R.;Hoveyda,A.H.「J.Am.Chem.Soc.」、2009、131、3844−3845)。より最近、本発明者らは、かかる変換をエノールエーテル交差パートナーと行うことができることを証明した(Yu,M.;Ibrahem,I.;Hasegawa,M.;Schrock,R.R.;Hoveyda,A.H.「J.Am.Chem.Soc.」、2012、134、DOI:10.1021/ja210946z)。加えて、本発明者らは、モノピロリドモノアリールオキシドMo錯体が、Z選択的ホモカップリング(Jiang,A.J.;Zhao,Y.;Schrock,R.R.;Hoveyda,A.H.「J.Am.Chem.Soc.」、2009、131、16630−16631;Marinescu,S.C.;Schrock,R.R.;Muller,P.;Takase,M.K.;Hoveyda,A.H.「Organometallics」、2011、30、1780−1782)および末端オレフィンの交差メタセシス(Meek,S.J.;O’Brien,R.V.;Llaveria,J.;Schrock,R.R.;Hoveyda,A.H.「Nature」、2011、471、461−466)反応を促進することを証明した。もう1つの重要な開発では、本発明者らは、対応するW系モノピロリドが、高効率はもちろん並外れたZ選択性での2つの末端アルケンが関与する大環状RCM反応の触媒反応に最も有効であることを見いだした;生物活性天然生成物エポチロンA、エポチロンCおよびナカドマリンAの全合成への応用がこの利点の有意性を強調した(Yu,M.;Wang,C.;Kyle,A.F.;Jakubec,P.;Dixon,D.J.;Schrock,R.R.;Hoveyda,A.H.「Nature」、2011、479、88−93)。これを背景に、本発明者らは、それぞれ、三置換アルケンを含有する、および三置換アルケンのエポキシ化から誘導される、エポチロンBおよびエポチロンDを、本発明者によるこれらの新たに開発した錯体の範囲拡大および最終的にはさらなる触媒の開発の助長を可能にし得る有望な標的として選択した。
【0724】
エポチロンは、最初に粘液細菌株Sorangium cellulosum 90から単離された、16員マクロライドのファミリーに属する(Hoefle,G.;Bedorf,N.;Steinmetz,H.;Schomburg,D.;Gerth,K.;Reichenbach,H.「Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.」、1996、35、1567−1569)。パクリタキセルのものに類似した作用メカニズムと結び付けられるそれらの抗癌活性がそれらの全合成および構造修飾に関する激しい競争に拍車をかけた(選択された総説については、(a)Nicolaou,K.C.;Roschangar,F.;Vourloumis,D.「Angew.Chem.Int.Ed.」、1998、37、2014−2045、(b)Rivkin,A.;Chou,T.-C.;Danishefsky,S.J.「Angew.Chem.Int.Ed.」、2005、44、2838−2850、(c)Altmann,K.H.;Pfeiffer,B.;Arsenyadis,S.;Pratt,B.A.;Nicolaou,K.C.「ChemMedChem」、2007、2、396−423を参照されたし)。大環状分子の形成の1つの魅力的な戦略は、Δ12,13アルケンでの閉環メタセシスである。実際、エポチロンの全合成成功の初期の例の幾つかは、大環状RCMアプローチに依存した(Yang,Z.;He,Y.;Vourloumis,D.;Vallberg,H.;Nicolaou,K.C.「Angew.Chem.Int.Ed.」、1997、36、166−168;Schinzer,D.;Limberg,A.;Bauer,A.;Bohm,O.M.;Cordes,M.「Angew.Chem.,Int.Ed.」、1997、36、523−524)。反応条件および基質中の保護基を最適化する甚大な努力にもかかわらず、所望のZ異性体に好適な選択性は本質的にない(Meng,D.;Bertinato,P.;Balog,A.;Su,D.−S.;Kamenecka,T.;Sorensen,E.J.;Danishefsky,S.J.「J.Am.Chem.Soc.」、1997、119、10073−10092;Nicolaou,K.C.;He,Y.;Vourloumis,D.;Vallberg,H.;Roschangar,F.;Sarabia,F.;Ninkovic,S.;Yang,Z.;Trujillo,J.I.「J.Am.Chem.Soc.」、1997、119、7960−7973)。その結果として、他の大環状化戦略、例えばマクロラクトン化および分子内アルドール反応(Meng,D.;Bertinato,P.;Balog,A.;Su,D.−S.;Kamenecka,T.;Sorensen,E.J.;Danishefsky,S.J.「J.Am.Chem.Soc.」、1997、119、10073−10092;Nicolaou,K.C.;Ninkovic,S.;Vourlomis,D.;He,Y.;Vallberg,H.;Finlay,M.R.V.;Yang,Z.「J.Am.Chem.Soc.」、1997、119、7974−7991;Balog,A.;Harris,C.;Savin,K.;Zhang,X−G.;Chou,T.C.;Danishefsky,S.J.「Angew.Chem.Int.Ed.」、1998、37、2675−2678、(c)Schinzer,D.;Bauer,A.「Chem.Eur.J.」、1999、5、2492−2500)を代案として活用した;しかし、かかる代替戦略は、触媒RCMを含む合成スキームと比較して有意に長い経路を必要とする。
【0725】
大環状Zアルケンを得るための1つの解決策がFuerstnerおよび共同研究者によって提示されており、触媒アルキンメタセシス、続いて、結果として得られた環式C−C三重結合の部分水素化を含む(Fuerstner,A.;Mathes,C.;Lehmann,C.W.「Chem.Eur.J.」、2001、7、5299−5317)。アルキンのヒドロシリル化によって組み込まれたシリル置換アルケンが立体選択的大環状RCMに関与し、その後のプロト脱シリル化によって所望のZ二置換オレフィンが得られる、もう1つの可能な解決法が最近導入された(Wang,Y.;Jimenez,M.;Hansen,A.S.;Raiber,E.−A.;Schreiber,S.L.;Young,D.W.「J.Am.Chem.Soc.」、2011、133、9196−9199)。両方のアプローチに付随する1つの固有の欠点は、アルキンを調製するための追加の段階を要する点である。さらに、そのアルキンメタセシス/水素化順路は、二置換アルキンの調製に限定されるので、エポチロンBおよびエポチロンDの合成を排徐する。後述のRCM戦略は、その有用性がまだ全合成設定で例証されておらず、大環状アルケンに第三の置換基を組み込むための追加の交差カップリング段階を要する。
【0726】
エポチロンの三置換アルケンへの効率的な一般的アプローチは、Z選択的RCMを含む。本明細書において、本発明者らは、この重要な問題のかかる解決策を提示する。
【0727】
本発明者らは、エポチロンDの三置換アルケンに至る大環状RCM(X1→X2、スキームX1)に関連して本発明者らの初期触媒スクリーニング研究の過程でZ選択度ばかりでなく活性の観察レベルに関して相当な困難に直面した。本発明者らは、十分に確立されたアキラルMoアルキリデンX3の使用が、比較的高い効率をもたらし、Z:Eオレフィン異性体の45:55混合物としてだが79%収率で大環状分子X2を生じさせることを発見した(Meng,D.;Bertinato,P.;Balog,A.;Su,D.−S.;Kamenecka,T.;Sorensen,E.J.;Danishefsky,S.J.「J.Am.Chem.Soc.」、1997、119、10073−10092;May,S.A.;Grieco,P.A.「Chem.Commun.」、1998、1597−1598)。Mo系モノアリールオキシド−モノピロリド錯体X4およびX5(スキームX1)で行った反応は、非効率的であり、立体選択性を殆ど伴わずに大環状分子を生じさせることが判明した;さらに、前記生成物混合物の主成分は、「ホモカップリング」生成物を生じさせるようなX1における一置換アルケンの交差メタセシスの結果として生ずる生成物から誘導されることが判明した。2つの一置換アルケンが関与し、二置換大環状アルケンに至る大環状RCM反応に最適な、その誘導されたW系錯体X6(スキームX1)を使用したとき、いずれの所望の生成物も検出できなかった。かかる活性欠如が遅い触媒開始の結果としてでないことを保証するために、その錯体を(活性メチリデンを生成するように)ジアリルエーテルで前処理した;かかる戦略は、無効であると判明した(大環状分子への転換率<2%)。Ru触媒も無効である;例えば、20mol%第二世代グラブス錯体との反応(40℃、24時間)はX2への65%転換に至り、X2がアルケン立体異性体の等量混合物として生成される。
【0728】
スキームX1.大環状RCMによる2の形成を促進するMoおよびW錯体の初期スクリーニング
【0729】
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
注記:別段の但し書きがない限り、20mol%錯体を用いて22℃で24時間行った反応。
nd=決定せず。
【0730】
エポチロンDのZ三置換アルケンをもたらす、より活性の高いRCM触媒を同定するために、本発明者らは、Mo系アルキリデン錯体のモジュラー構造の修飾を熟考した。上に記載したスクリーニングデータの大多数は、金属錯体上のイミド基の修飾を含んだ。そこで、本発明者らは、アリールオキシドのBrを、より小さくかつより電子求引性の大きいフルオリドに置き換えることを決めた。理論により拘束されることを意図しないが、遷移金属におけるルイス酸性度が高いほど、高度に置換されている(したがって、立体障害が大きい)アルケンと有効に配位することにつながるので、フルオリドの増加された電気陰性度は、触媒活性の増加につながると考えられた。さらに、理論により拘束されることを望まないが、本発明者らは、比較的小さいハロゲン(ClまたはBrに対してF)のほうが、アルキリデン錯体をより有効にヒンダード二置換アルケンに適応させることが可能であると推測した。
【0731】
したがって、上で叙述した非限定的原理に基づき、ある範囲のキラルMo系アルキリデンを調査することで、本発明者らは、スキームX2に示すようにF含有錯体X7が所望の生成物への転換率の有意な向上をもたらすことを確証するに至った(60%転換率)。イミド配位子に電子求引性フッ素を有する錯体X8およびX9の存在下での触媒RCMは、よりいっそう高い効率を生じさせた(86〜90%転換率;スキームX2)。重要なこととして、ビスピロリドとF含有アリールアルコールの混合物の
1H NMRスペクトルの分析により、本発明者らは、モノピロリドX7〜X9をin situで入手する本発明者らの試みが、様々な量の誘導ビスアリールオキシドを形成する結果となったと判定することができた。理論により拘束されることを望まないが、本発明者らは、ピロリドより実質的にかなり大きいにもかかわらず、第二のアリールオキシドがMo系触媒の電子活性化によって反応性の向上をもたらすことができると推測した。すなわち、理論により制限されることを意図しないが、本発明者らは、スキームX2に示す触媒活性の大部分が、ある場合には、ほんの少量(X7のケースでは<10%)でしか存在しないビスアリールオキシドに起因する可能性があることを実感した。
【0732】
スキームX2.様々なF置換基配位子を有するMo錯体の調査
【0733】
【化189】
[この文献は図面を表示できません]
注記:20mol%錯体を用いて22℃で24時間行った反応。in situで触媒調製=対応するビスピロリドの1当量のアリールアルコールでの処理。TBS=t−ブチルジメチルシリル。nd=決定せず。
【0734】
理論により拘束されることを望まないが、ビスアリールオキシド錯体が、実際に、観察されるZ選択性ばかりでなく触媒活性の引き上げの原因であり得る可能性を確認するために、キラル(しかしMoがステレオジェニックでない)錯体X10およびX11(スキーム3)を調製した;必要なアルキリデンを1当量の対応するビスピロリドと2当量のフェノールとの混合によって合成し、該アルキリデンは、検出可能な量のモノピロリド−モノアリールオキシドを一切含有しなかった[反応混合物の400MHz 1H NMRスペクトルの分析によって判定したとき;特定の事例では約2%のビスピロリド(不活性)が検出された]。かくて、本発明者らは、注目すべきことに、ビスアリールオキシドX10が、錯体X9の試料を調製する本発明者らの試みの中で生成されるモノピロリド−モノアリールオキシドとビスアリールオキシドの混合物より実質的に高い活性を呈示することを見出した(スキームX3参照)。かかる発見は、アダマンチルイミド基を含有するビスアリールオキシド錯体の反応性の明白な欠如に関する本発明者らの以前の観察(アリールイミド単位に対して、Ibrahem,I.;Yu,M.;Schrock,R.R.;Hoveyda,A.H.「J.Am.Chem.Soc.」、2009、131、3844−3845)とはきわめて対照的である。部分水素化アリールオキシドの対応する完全不飽和異形体(X11、スキームX3)での置換は、大環状RCMプロセスの促進にわずかにしか有効でない触媒をもたらした。Z選択性を向上させるために、本発明者らは、より大きいシリル基(対t−ブチルジメチルシリル;錯体X12およびX13、スキームX3)を有するアリールオキシド配位子を供給した;かかる構造修飾は、反応性の減少とともにZ−E比のわずかな増加をもたらした。より嵩高いトリフルオロメチルアリールイミド基をより小さいペンタフルオロアリールイミド基で置き換えることによって(錯体X14およびX15、スキームX3)、Z選択性のわずかな改善しか得られなかった。次に有意な向上は、(ビナフトールから誘導されるものに対して)ビフェノキシド配位子の使用から生じた:X16を使用したとき、注目すべき82%収率および86%Z選択性が得られた。高効率を達成する上でのMo錯体の電子的活性化の重要な有意性は、錯体X17によって提示される活性の著しい低下で明らかである。
【0735】
スキームX3.三置換アルケン大環状RCMのZ選択的合成:触媒スクリーニング
【0736】
【化190】
[この文献は図面を表示できません]
注記:20mol%錯体を用いて22℃で24時間行った反応。TBS=t−ブチルジメチルシリル;TIPS=トリ−(i−プロピル)シリル;TBDPS=t−ブチルジフェニルシリル。
【0737】
はっきりと認められる活性および同様のまたはより高いZ選択性をより低い触媒充填量で達成することができた。例えば、10mol%X10を使用すると、X2への転換率は76%であり、X2は、(92%転換率および70%Zに対して)76%Z選択性でみごとに形成される。本発明者らは、より低い触媒充填量が、特に、より大規模(例えば、マルチグラム)で行われる反応で、容易に実行可能であることを見出した(Meek,S.J.;O’Brien,R.V.;Llaveria,J.;Schrock,R.R.;Hoveyda,A.H.「Nature」、2011、471、461−466)。
【0738】
Mo系ビスアリールオキシドは、モノピロリド−モノアリールオキシド錯体を補足する:これら2つの系は、それぞれ、三置換および二置換大環状RCMのZ選択性RCMの促進に最適である;逆は真ではない。すなわち、モノピロリドは、三置換環式アルケン、新たなビスアリールオキシド、の効率的形成を開始させず、一方で、置換度の低い環式アルケンの迅速な形成を触媒し、これを立体選択性の制御なしに行う。例えば、エポチロンAおよびエポチロンCの前駆体を生じさせる、X1の置換度の低い類似体の大環状RCMは、10mol%ビスアリールオキシドX10(スキームX2)の存在下で1時間以内に>98%転換へと進行するが、その生成物は、Z:E異性体の37:63混合物として生成される。本発明者らは、W系モノピロリドX6(スキームX1)などの錯体が>90%Z選択性で二置換アルケンをもたらすことを既に報告している。
【0739】
本発明者らは、小さいかつ電子求引性のF原子をそれらのアリールオキシドおよびイミド単位に有するMo系ビスアリールオキシドが、三置換アルケンの形成につながる大環状RCM反応において高レベルの活性およびZ選択性を生じさせることができることを予期せず発見した。非常に多くの他の重要な潜在的用途(例えば、(a)Toro,A.;Deslongchamps,P.「J.Org.Chem.」、2003、68、6847−6852、(b)Xie,J.;Ma,Y.;Horne,D.A.「Chem.Commun.」、2010、46、4770−4772を参照されたし)が立体選択的な様式での三置換アルケンの合成を要するRCMの分野にはある;したがって、上で詳述した調査結果は、相当な数の生物活性分子の調製に相当なかつ広範な影響を及ぼすと予想される。
【0740】
代表的実験手順
N
2充填グローブボックスの中で、ベンゼン(5.6mL)中のジエンX1(4.2mg、5.6μmol)の溶液をMo錯体X16(C
6D
6中0.010M、0.11mL、1.1μmol)で処理した。エチレンガスの排気が可能になるように、その反応容器にゆるく蓋をした。その混合物を22℃で24時間撹拌させ、その後、湿潤ジエチルエーテルの添加により反応をクエンチし、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:Et
2O 100:1から20:1)による精製によって3.3mg(82%、Z:E=86:14)のX2(Meng,D.;Bertinato,P.;Balog,A.;Su,D.−S.;Kamenecka,T.;Sorensen,E.J.;Danishefsky,S.J.「J.Am.Chem.Soc.」、1997、119、10073−10092;Nicolaou,K.C.;Ninkovic,S.;Vourlomis,D.;He,Y.;Vallberg,H.;Finlay,M.R.V.;Yang,Z.「J.Am.Chem.Soc.」、1997、119、7974−7991)を無色固体として得た。E異性体とZ異性体両方の1H NMR、診断的シグナル(400MHz,CDCl3):δ6.56 (0.86 H, app d, J = 0.8 Hz, Z異性体), 6.53 (0.14 H, s, E異性体)。
【0741】
一部の実施形態では、Chen,Yu;Yekta,Shahla;Martyn,L.J.P.;Zheng,Juan;Yudin,A.K.「Org.Lett.」、2000、2、3433−3436;Yudin,A.K.;Martyl,L.J.P.;Pandiaraju,Subramanian;Zheng,Juan;Lough,Alan「Org.Lett.」、2000、2、41−44;およびMorrison,D.J.;Riegel,S.D.;Piers,W.E.;Parvez,Masood;McDonald,Robert「Chem.commun.」、2006、2875−2877に記載されているとおりに、特定の配位子を合成した。
【0742】
結果の一部を表7に提示する。
【0743】
【表7-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0744】
【表7-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0745】
【表7-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0746】
【表7-4】
[この文献は図面を表示できません]
本発明の幾つかの実施形態を本明細書に記載し、例証したが、本明細書に記載する機能を果たすための、および/または本明細書に記載する結果を得るための、および/または本明細書に記載する利点のうちの1つ以上を得るための、様々な他の手段および/または構造が当業者には容易に思う浮かぶことだろう。かかる変形および/または改変のそれぞれが本発明の範囲内であると考えられる。より一般的に、本明細書に記載するすべてのパラメータ、寸法、材料および立体配置が例示を意図したものであること、ならびに実際のパラメータ、寸法、材料および/または立体配置が、本発明の教示を用いる特定の用途(単数または複数)に依存することになることは、当業者には容易に理解されるであろう。常例的実験以上のものを用いることなく、本明細書に記載する本発明の特定の実施形態の多くの等価物が当業者には分かるであろう、またはそれらを突き止めることができるであろう。したがって、上述の実施形態は、単に例として提示するものであること、ならびに添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内で、本発明を、具体的に記載するおよび請求項に記載するもの以外の別の方法で実施することができることは理解されるはずである。本発明は、本明細書に記載する個々の特徴、系、物品、材料、キットおよび/または方法各々に関する。加えて、2つ以上のかかる特徴、系、物品、材料、キットおよび/または方法の任意の組み合わせは、かかる特徴、系、物品、材料、キットおよび/または方法が互いに矛盾しない場合、本発明の範囲に含まれる。