特許第6266579号(P6266579)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6266579通気調整接着シートおよびその製造方法並びに積層吸音材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6266579
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】通気調整接着シートおよびその製造方法並びに積層吸音材
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/24 20060101AFI20180115BHJP
   G10K 11/168 20060101ALI20180115BHJP
   B62D 25/20 20060101ALN20180115BHJP
   B60R 13/08 20060101ALN20180115BHJP
【FI】
   B32B5/24 101
   G10K11/168
   !B62D25/20 N
   !B60R13/08
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-214735(P2015-214735)
(22)【出願日】2015年10月30日
(65)【公開番号】特開2017-81103(P2017-81103A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2016年6月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】593161490
【氏名又は名称】太進工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592048431
【氏名又は名称】株式会社中外
(73)【特許権者】
【識別番号】500450613
【氏名又は名称】大榮産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100151127
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 勝雅
(74)【代理人】
【識別番号】100075476
【弁理士】
【氏名又は名称】宇佐見 忠男
(72)【発明者】
【氏名】石丸 卓
(72)【発明者】
【氏名】小坂井 明
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 明敏
【審査官】 岩田 行剛
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−130338(JP,A)
【文献】 特開2011−219673(JP,A)
【文献】 特開平06−262633(JP,A)
【文献】 特開2006−071959(JP,A)
【文献】 特開2005−201991(JP,A)
【文献】 特開2015−003445(JP,A)
【文献】 特開2004−027466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
C09J 7/00− 7/04
G10K11/00−13/00
B29C39/00−39/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の融点を有する熱可塑性樹脂繊維製のスパンボンド不織布からなる表層と、該表層の一面に積層された合成樹脂発泡体からなる通気調整層とを備える通気調整接着シートであって、 上記表層側の面を表面とし、上記通気調整層側の面を裏面として、該裏面は、上記合成樹脂発泡体中に配合された上記第1の融点よりも低い第2の融点を有する低融点熱可塑性樹脂からなるパウダーによって接着面とされているとともに、 上記通気調整層が積層されている上記表層の一面は、該表層に含浸された撥水剤によって撥水面とされており、 上記表層におけるスパンボンド不織布の単位面積当たりの質量が10〜50〔g/m〕であり、 上記通気調整層における合成樹脂発泡体の単位面積当たりの質量が20〜100〔g/m〕であることを特徴とする通気調整接着シート。
【請求項2】
第1の融点を有する熱可塑性樹脂繊維製のスパンボンド不織布からなる表層と、該表層の一面に積層された合成樹脂発泡体からなる通気調整層とを備える通気調整接着シートであって、 上記表層側の面を表面とし、上記通気調整層側の面を裏面として、該裏面は、上記通気調整層の一面に積層された上記第1の融点よりも低い第2の融点を有する低融点熱可塑性樹脂繊維製のスパンボンド不織布によって接着面とされているとともに、 上記通気調整層が積層されている上記表層の一面は、該表層に含浸された撥水剤によって撥水面とされていることを特徴とする通気調整接着シート。
【請求項3】
IS L 1096に規定の通気度が0.5〜50〔cc/(cm・sec)〕である請求項1又は請求項2に記載の通気調整接着シート。
【請求項4】
請求項1又は請求項3に記載の通気調整接着シートの製造方法であって、 第1の融点を有する熱可塑性樹脂繊維製のスパンボンド不織布に撥水剤を含浸させることにより、一面が撥水面とされた表層を得る工程と、 上記第1の融点よりも低い第2の融点を有する低融点熱可塑性樹脂からなるパウダーが配合された液状の合成樹脂を上記表層の撥水面上に塗布して未乾燥のフォーム状前駆層を形成し、加熱乾燥して、該フォーム状前駆層から通気調整層を得るとともに接着面を設ける工程と、を有することを特徴とする通気調整接着シートの製造方法。
【請求項5】
請求項2又は請求項3に記載の通気調整接着シートの製造方法であって、 第1の融点を有する熱可塑性樹脂繊維製のスパンボンド不織布に撥水剤を含浸させることにより、一面が撥水面とされた表層を得る工程と、 液状の合成樹脂を上記表層の撥水面上に塗布し、未乾燥のフォーム状前駆層を得る工程と、 上記第1の融点よりも低い第2の融点を有する低融点熱可塑性樹脂繊維製のスパンボンド不織布を、上記未乾燥のフォーム状前駆層の表面に重合し、加熱乾燥して、該フォーム状前駆層から通気調整層を得るとともに接着面を設ける工程と、を有することを特徴とする通気調整接着シートの製造方法。
【請求項6】
請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の通気調整接着シートが上記接着面を介して吸音材の表面に接着されてなることを特徴とする積層吸音材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として自動車のエンジンフード、エンジンアンダーカバー、ダッシュインシュレーター等に使用される吸音材料や吸音性内装材として用いる通気調整接着シートおよび積層吸音材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、種々の現場において、騒音を抑制するために吸音材や遮音材が使用されている。例えば、自動車等の車両用としては、比重が大きくて重量が嵩みやすい遮音材よりも、標的とする音に対して好適な性能を発揮するような、必要な吸音性能が得られるように調整された吸音材が一般的に使用されている。こうした車両用の吸音材としては、エンジンルームからの騒音を抑制するダッシュインシュレーターや、車外から侵入する騒音を抑制するフロアインシュレーターが挙げられる。そして、該吸音材の材料には、コストの安さから、フェルトやグラスウール等の繊維材料や、ウレタンフォーム等のような所定の形状に成形加工が可能な合成樹脂発泡体等といった多孔質材が採用されている。また、通常の吸音材については、材料である多孔質材の表面保護や外観品質の向上等といった目的で、不織布製シートを合成樹脂発泡体で裏打ちしてなる表皮材が、多孔質材の表面に貼着されている。
ところで、従来の車両用の吸音材においては、騒音抑制性能や吸音性の向上という要求に対し、該吸音材の厚みを厚くして必要な吸音性能を得ることで、こうした要求に応えていた。
しかしながら、車両にあっては、吸音材を取り付ける箇所の形状やスペースの大きさに制限があることから、吸音材についてもその形状や大きさを制限される傾向がある。更に、近時の車両にあっては、軽量化を強く要求される傾向があり、吸音材についても、騒音抑制性能や吸音性の維持あるいは向上を図りつつ、軽量化が要求されている。
上記要求に応えるには、従来のような、吸音材の厚みを安易に厚くして必要な吸音性能を得る手法は、該吸音材のサイズの肥大化や重量増を招くため、採用することができない。そこで、近時は、吸音材の通気度を所定の範囲内とすることで、必要な吸音性能を得る手法が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の自動車用吸音タイプ防音材にあっては、繊維材または発泡性合成樹脂材からなる第一吸音層と第二吸音層との間に、目付が10〜200g/mで通気度が3〜35cc/cm/secの不織布からなる中間層を設けた3層構造とすることが提案されている。
また特許文献2に記載の車輌用吸音材にあっては、多孔質材からなる吸音層に、熱可塑性合成樹脂からなる目付15〜200g/mの繊維性不織布または樹脂膜を熱融着して、通気度を1〜25cc/cm/secとした積層体を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−19930号公報
【特許文献2】特開2005−263118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記のように通気度を所定の範囲内とするには、例えば不織布であれば目付ムラ等によって安定した通気度を維持しづらく、また繊維性不織布や樹脂膜を熱融着する場合には溶融した樹脂が通気のための孔を塞ぐことで安定した通気度を維持しづらいことから、通気調整のコントロールが難しいという問題があった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、所望とする吸音性能に最適な通気度を安定に維持し、通気調整のコントロールが容易な通気調整接着シートおよびその製造方法並びに積層吸音材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の通気調整接着シートの発明は、第1の融点を有する熱可塑性樹脂繊維製のスパンボンド不織布からなる表層と、該表層の一面に積層された合成樹脂発泡体からなる通気調整層とを備える通気調整接着シートであって、上記表層側の面を表面とし、上記通気調整層側の面を裏面として、該裏面は、上記合成樹脂発泡体中に配合された上記第1の融点よりも低い第2の融点を有する低融点熱可塑性樹脂からなるパウダーによって接着面とされているとともに、上記通気調整層が積層されている上記表層の一面は、該表層に含浸された撥水剤によって撥水面とされており、上記表層におけるスパンボンド不織布の単位面積当たりの質量が10〜50〔g/m〕であり、上記通気調整層における合成樹脂発泡体の単位面積当たりの質量が20〜100〔g/m〕であることを要旨とする。 請求項2に記載の通気調整接着シートの発明は、第1の融点を有する熱可塑性樹脂繊維製のスパンボンド不織布からなる表層と、該表層の一面に積層された合成樹脂発泡体からなる通気調整層とを備える通気調整接着シートであって、上記表層側の面を表面とし、上記通気調整層側の面を裏面として、該裏面は、上記通気調整層の一面に積層された上記第1の融点よりも低い第2の融点を有する低融点熱可塑性樹脂繊維製のスパンボンド不織布によって接着面とされているとともに、上記通気調整層が積層されている上記表層の一面は、該表層に含浸された撥水剤によって撥水面とされていることを要旨とする。 請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の通気調整接着シートの発明において、JIS L 1096に規定の通気度が0.5〜50〔cc/(cm・sec)〕であることを要旨とする。 請求項4に記載の通気調整接着シートの製造方法の発明は、請求項1又は請求項3に記載の通気調整接着シートの製造方法であって、第1の融点を有する熱可塑性樹脂繊維製のスパンボンド不織布に撥水剤を含浸させることにより、一面が撥水面とされた表層を得る工程と、上記第1の融点よりも低い第2の融点を有する低融点熱可塑性樹脂からなるパウダーが配合された液状の合成樹脂を上記表層の撥水面上に塗布して未乾燥のフォーム状前駆層を形成し、加熱乾燥して、該フォーム状前駆層から通気調整層を得るとともに接着面を設ける工程と、を有することを要旨とする。 請求項5に記載の通気調整接着シートの製造方法の発明は、請求項2又は請求項3に記載の通気調整接着シートの製造方法であって、第1の融点を有する熱可塑性樹脂繊維製のスパンボンド不織布に撥水剤を含浸させることにより、一面が撥水面とされた表層を得る工程と、液状の合成樹脂を上記表層の撥水面上に塗布し、未乾燥のフォーム状前駆層を得る工程と、上記第1の融点よりも低い第2の融点を有する低融点熱可塑性樹脂繊維製のスパンボンド不織布を、上記未乾燥のフォーム状前駆層の表面に重合し、加熱乾燥して、該フォーム状前駆層から通気調整層を得るとともに接着面を設ける工程と、を有することを要旨とする。 請求項6に記載の積層吸音材の発明は、請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の通気調整接着シートが上記接着面を介して吸音材の表面に接着されてなることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
〔作用〕
本発明の通気調整接着シートは、熱可塑性樹脂繊維製のスパンボンド不織布からなる表層と、合成樹脂発泡体からなる通気調整層とを備える二層構造の構成をなし、前記表層側の面を表面とし、前記通気調整層側の面を裏面として、該表面を騒音源等に向けて使用される。該通気調整接着シートは、裏面が接着面とされているため、該接着面を介して吸音材の表面に接着されることで、該吸音材とともに積層吸音材として使用することも可能である。
本発明の通気調整接着シートは、合成樹脂発泡体からなる通気調整層で通気調整のコントロールを行うことにより、該通気調整のコントロールの容易化を可能としている。即ち、本発明の通気調整接着シートにおける通気調整のコントロールは、前記通気調整層が合成樹脂発泡体によって構成されていることから、主には該合成樹脂発泡体の単位面積当たりの質量を調整し、該通気調整層の通気度を適宜調整することによって行われる。
更に、本発明の通気調整接着シートは、上記表層を構成するスパンボンド不織布に撥水剤を含浸させ、上記通気調整層が積層されている前記表層の一面を撥水面とすることにより、安定した通気度の維持を可能としている。即ち、本発明の通気調整接着シートにあっては、該撥水面によって液状の合成樹脂がスパンボンド不織布に含浸されてしまうことを抑制している。このため、該合成樹脂の含浸により、前記表層を構成する不織布の通気度が変わることを抑制することができるとともに、前記表層の通気度が前記通気調整層による通気調整のコントロールに影響を及ぼすことを抑制することができる。
従って、表層に設けられた撥水面によって不織布に対する合成樹脂の含浸を抑制し、通気調整層で通気調整のコントロールを行う本発明の通気調整接着シートは、所望とする吸音性能に最適な通気度を安定に維持することができるとともに、通気調整のコントロールを容易に行うことができる(請求項1又は請求項2)。
また、上記通気調整層における合成樹脂発泡体の単位面積当たりの質量を20〜100〔g/m〕に設定することで、本発明の通気調整接着シートは、JIS L 1096に規定の通気度を0.5〜50〔cc/(cm・sec)〕の範囲に安定的に維持することができる(請求項3)。
本発明の通気調整接着シートは、スパンボンド不織布に撥水剤を含浸させ、該スパンボンド不織布の一面上に、低融点熱可塑性樹脂からなるパウダーと発泡剤とが配合された液状の合成樹脂を塗布し、又は発泡剤が配合された液状の合成樹脂を塗布して未乾燥のフォーム状前駆層を得た後でその表面に低融点熱可塑性樹脂繊維製のスパンボンド不織布を重合し、加熱乾燥することで製造される。従って、本発明の通気調整接着シートの製造方法によれば、所望とする吸音性能に最適な通気度を安定に維持することができるとともに、通気調整のコントロールを容易に行うことができる通気調整接着シートを簡易に製造することができる(請求項4又は請求項5)。
本発明の積層吸音材は、上記通気調整接着シートを、その裏面の接着面を介して吸音材の表面に接着することで得られたものであり、所望とする吸音性能に最適な通気度を安定に維持することができるとともに、通気調整のコントロールを容易に行うことができる通気調整接着シートによる吸音性能と、吸音材が有する吸音性能との相乗効果により、優れた吸音性能を発揮することができる。
【0007】
〔効果〕
本発明の通気調整接着シートによれば、所望とする吸音性能に最適な通気度を安定に維持することができるとともに、通気調整のコントロールを容易に行うことができる。
本発明の通気調整接着シートの製造方法によれば、所望とする吸音性能に最適な通気度を安定に維持することができるとともに、通気調整のコントロールを容易に行うことができる通気調整接着シートを簡易に製造することができる。
本発明の積層吸音材によれば、所望とする吸音性能に最適な通気度を安定に維持することができるとともに、通気調整のコントロールを容易に行うことができる通気調整接着シートを吸音材の表面に接着するのみで、優れた吸音性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の通気調整接着シートを示す断面図。
図2】実施形態の積層吸音材を示す断面図。
図3】第1形態の通気調整接着シートの製造工程を示す説明図。
図4】第2形態の通気調整接着シートの製造工程を示す説明図。
図5】残響室法吸音率の測定結果を示すグラフ。
図6】残響室法吸音率の測定結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を具体化した一実施形態について、以下に詳細に説明する。
[通気調整接着シート]
〔概略構成〕
図1に示すように、通気調整接着シート1は、表層2と、該表層2の一面である裏面に積層された通気調整層3との二層構造で構成されている。
上記表層2の一面である裏面は、撥水面4となっている。従って、上記通気調整接着シート1において、上記表層2と、上記通気調整層3とは、該撥水面4を境界にして略明確に区分けすることが可能である。
上記通気調整層3の一面(裏面)は、接着面5とされている。
上記通気調整接着シート1は、上記表層2側の面を表面とし、上記通気調整層3側の面を裏面として、該表面を騒音源に向ける等、騒音が侵入する側に表面が向くようにして使用される。そして、該通気調整接着シート1は、騒音が上記表層2と上記通気調整層3とを通過する際に、該表層2と該通気調整層3とが該騒音に対して緩衝吸音作用を働かせることにより、吸音効果を発揮する。
【0010】
〔表層〕 上記通気調整接着シート1において、上記表層2は、上記通気調整層3とともに該通気調整接着シート1の全体の通気度を所望とする吸音性能に最適な範囲内に維持するために設けられたものである。加えて該表層2は、上記通気調整層3を保護する機能を有する。 上記表層2は、第1の融点を有する熱可塑性樹脂繊維からなるスパンボンド不織布によって構成されている。該スパンボンド不織布における第1の融点は、上記接着面5によって上記通気調整接着シート1を接着して使用する際に該スパンボンド不織布の変形や溶融を防止するという観点から、180〜260℃の範囲が好ましい。そして、このような融点を有する熱可塑性樹脂繊維としては、例えばポリエチレンテレフタレート (PET), ポリブチレンテレフタレート (PBT)等のポリエステルや、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン66等のポリアミド樹脂等といった、融点が180℃以上の高融点熱可塑性樹脂からなる繊維が例示される。 上記通気調整接着シート1の全体を所望の通気度にするべく上記表層2に所定の通気性能を付与するという観点から、上記スパンボンド不織布に使用される熱可塑性樹脂繊維の繊維径は、10〜30μmの範囲に設定されることが好ましい。また、同様の観点から、上記スパンボンド不織布の単位面積当たりの質量(以下、略して「単位質量」とも記載する)は、10〜50g/mに設定される。
【0011】
〔撥水面〕
上記通気調整接着シート1において、上記撥水面4は、上記通気調整層3を構成する合成樹脂が上記表層2を構成するスパンボンド不織布に含浸されて該表層2の通気が妨げられることを防止するために設けられたものである。加えて、該撥水面4は、上記表層2と上記通気調整層3とを各層の境界で明確に区分けすることにより、各層の通気性能を安定に維持する機能を有する。
上記撥水面4は、上記表層2を構成するスパンボンド不織布に撥水剤を含浸させることによって設けられている。該撥水剤は、上記表層2を構成するスパンボンド不織布に含浸可能なものであれば、特に限定されない。該撥水剤としては、フッ素樹脂、ワックス、ジルコニウム塩、脂肪アルキル基をもつウェルナ型Cr,Al錯塩化合物、脂肪酸アミドのメチロール化物、ポリオルガノシロキサン等が例示される。
上記撥水剤は、溶液または分散液としたうえで、上記表層2を構成するスパンボンド不織布に含浸させて使用される。例えば、撥水剤としてフッ素樹脂を用いる場合、該フッ素樹脂を0.5〜2質量%分散させた水分散液中に、上記表層2を構成するスパンボンド不織布を浸漬し、該スパンボンド不織布に対する該フッ素樹脂の付着量を0.1〜1g/mの範囲に設定することが望ましい。
【0012】
〔通気調整層〕 上記通気調整接着シート1において、上記通気調整層3は、上記通気調整接着シート1の全体における通気度を調整することで、通気調整のコントロールするために設けられたものである。即ち、上記通気調整接着シート1全体の通気度は、該通気調整層3の通気度によって決定される。 上記通気調整層3は、合成樹脂発泡体によって構成されている。該合成樹脂発泡体における合成樹脂としては、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリル−酢酸ビニル樹脂等が例示される。また、該合成樹脂には、上記接着面5によって上記通気調整接着シート1を接着して使用する際の変形や溶融を防止するという観点から、ガラス転移点(Tg)が−40℃〜+30℃の範囲のものを用いることが望ましい。 上記合成樹脂は、発泡体とするべく、水酸エマルジョンあるいは水性ディスパージョンの形態、つまり液状の合成樹脂として使用される。具体的に、合成樹脂発泡体による上記通気調整層3の形成は、上記合成樹脂の水性エマルジョンあるいは水性ディスパージョンを、(1)CMC、酸含有架橋型アクリル樹脂エマルジョン(例えばASE−60:商品名 ロームアンドハース社製)等の増粘剤で増粘して空気を吹込みつつ攪拌して空気を混合したうえで、あるいは、(2)増粘あるいは増粘することなく発泡剤を添加したうえで、ナイフコーターやロールコーター等を使用し、上記表層2を構成するスパンボンド不織布の一面(裏面)上に塗布して行う。 上記通気調整層3における合成樹脂発泡体の単位面積当たりの質量は、通気度を安定に維持することが可能であり、かつ上記通気調整層3による通気調整のコントロールを好適に行うことが可能であるという観点から、20〜100g/mの範囲とする。即ち、上記通気調整のコントロールは、該合成樹脂発泡体の発泡倍率を変えることによって行うが、合成樹脂発泡体の単位面積当たりの質量が20g/m未満の場合、発泡倍率の変更による通気度の変化が過剰に大きくなり、単位面積当たりの質量が100g/mを超える場合、発泡倍率の変更による通気度の変化が過剰に小さくなるため、通気調整のコントロールが困難になる。なお、該合成樹脂発泡体の単位面積当たりの質量は、スパンボンド不織布の一面(裏面)上における上記液状の合成樹脂の単位面積当たりの塗布量によって調整することが可能である。 また、上記通気調整層3は、所望に応じて難燃処理が施されてもよい。該難燃処理は、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水和物、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸化合物等の難燃化剤を上記液状の合成樹脂中に配合することによって行われる。
【0013】
〔接着面〕
上記通気調整接着シート1において、上記接着面5は、該通気調整接着シート1を、グラスウールやフェルト等の吸音材の表面に接着したり、あるいは車両のボディに接着したりするために設けられたものである。該接着面5は、上記通気調整層3の一面である裏面に接着性を付与することよって設けられたものである。
上記接着面の構成については、次の2つの形態が挙げられる。即ち、第1形態の接着面5は、上記通気調整層3を構成する上記合成樹脂発泡体中に、上記第1の融点よりも低い第2の融点を有する低融点熱可塑性樹脂からなるパウダーが配合されることによって構成されている。また、第2形態の接着面5は、上記通気調整層3の一面である裏面に、上記第1の融点よりも低い第2の融点を有する低融点熱可塑性樹脂繊維製のスパンボンド不織布が積層されることによって構成されている。該接着面5の構成においては、第1形態と第2形態の何れの形態を用いてもよく、通常は所望に応じて使い分けされる。
上記接着面における第2の融点は、上記第1の融点よりも低い温度であり、該接着面5によって上記通気調整接着シート1を接着して使用する際に上記スパンボンド不織布や上記合成樹脂発泡体の変形や溶融を防止するという観点から、100〜150℃の範囲が好ましい。そして、このような第2の融点を有する低融点熱可塑性樹脂としては、低融点ポリエチレンテレフタレート (PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等が例示される。
また、上記接着面5は、上記通気調整接着シート1の全体の通気を妨げないという観点から、単位質量が15〜50g/mに設定されることが好ましい。第1形態の接着面5における単位質量の調整は、上記合成樹脂発泡体(液状の合成樹脂)に対するパウダーの配合量を調整することによって行われる。第1形態の接着面5における単位質量の調整は、使用するスパンボンド不織布の目付量(単位面積当たりの質量)を調整することによって行われる。
【0014】
〔通気度〕
上記通気調整接着シート1による吸音性能にとっては、通気度が重要な因子となる。上記通気調整接着シート1の構成要素の中で、とりわけ通気度に影響を及ぼすのは、上記通気調整層3である。
上記通気調整接着シート1の通気度は、主に上記した通気調整層3における合成樹脂発泡体の単位面積当たりの質量によって調整され、更に、上記通気調整層3を構成する合成樹脂発泡体の発泡倍率によって微調整が可能である。なお、合成樹脂発泡体の発泡倍率は、例えば発泡剤の添加量を調節、空気混合量の調節、加熱乾燥における加熱温度や乾燥時間の調節等によって調節が可能である。
上記通気度は、JIS L 1096に規定され、上記通気調整接着シート1の通気度は、0.5〔cc/(cm・sec)〕以上で、50〔cc/(cm・sec)〕以下の範囲に設定されることが好ましい。該通気度が50〔cc/(cm・sec)〕を超える場合、緩衝吸音作用を働かせることなく音を通過させてしまうので、好適な吸音性能を発揮することができないおそれがある。また、該通気度が0.5〔cc/(cm・sec)〕未満の場合、高周波音域(約3000Hz以上)で音を通過させずに反射する現象が生じるため、却って吸音性能が低下するおそれがある。
なお、上記通気調整接着シート1の通気度の上限値として、より好ましくは21〔cc/(cm・sec)〕以下、更に好ましくは18〔cc/(cm・sec)〕以下、なお更に好ましくは12.5〔cc/(cm・sec)〕以下である。
【0015】
[通気調整接着シートの製造方法]
〔第1形態〕
図3には、上記接着面5が第1形態である場合の製造工程を示す。
(工程A)
ロール2Aからは、第1の融点を有する熱可塑性樹脂繊維からなるスパンボンド不織布21が引き出され、該スパンボンド不織布21は、例えばフッ素樹脂20質量%水分散液である撥水剤を満たした撥水処理槽11に浸漬ロール11Aを介して導かれて、該スパンボンド不織布21に撥水剤が含浸される。
上記スパンボンド不織布21は、上記撥水処理槽11から引き出され、プレスロール12によってプレスされて、撥水剤の含浸量を調節された後、複数段の蒸気ドラム13に送通されて加熱乾燥される。
上記工程Aにより、上記通気調整接着シート1におけるスパンボンド不織布21からなる表層2と、該表層2の一面に設けられた撥水面4とが得られる。
(工程B)
上記工程Aの後、ナイフコーター14により、撥水剤が含浸された上記スパンボンド不織布21の一面(図3中で表面)に、低融点熱可塑性樹脂からなるパウダーが配合された液状の合成樹脂(発泡された合成樹脂エマルジョンあるいはディスパージョン、又は発泡剤が添加された合成樹脂エマルジョンあるいはディスパージョン)が塗布され、未乾燥のフォーム状前駆層31が形成される。
未乾燥の上記フォーム状前駆層31を上記スパンボンド不織布21の一面上に形成した後、乾燥機16に導入する。該乾燥機16内において、上記フォーム状前駆層31は、通常140℃〜200℃、望ましくは150℃〜170℃に加熱されることで、乾燥固化、あるいは発泡剤を発泡(膨張)させつつ乾燥固化される。
上記工程Bにおいて、上記フォーム状前駆層31が加熱乾燥されることにより、上記通気調整接着シート1における通気調整層3と、該通気調整層3の一面に設けられた接着面5とが得られる。
(最終工程)
上記工程で製造された原反シート1Bがカッター17によって所定寸法に切断され、通気調整接着シート1が製造される。
【0016】
〔第2形態〕
図4には、上記接着面5が第2形態である場合の製造工程を示す。なお、当該製造工程において、工程A及び最終工程は、上記接着面5が第1形態である場合の製造工程と同一であるから、省略する。
(工程B)
上記工程Aの後、ナイフコーター14により、撥水剤が含浸された上記スパンボンド不織布21の一面(図3中で表面)に、液状の合成樹脂(発泡された合成樹脂エマルジョンあるいはディスパージョン、又は発泡剤が添加された合成樹脂エマルジョンあるいはディスパージョン)が塗布され、未乾燥のフォーム状前駆層31が形成される。
(工程C)
上記未乾燥のフォーム状前駆層31の一面上に、ロール4Aから引き出した低融点熱可塑性樹脂繊維からなるスパンボンド不織布41を、圧着ロール15によって圧着する。このとき、未乾燥のフォーム状前駆層31がスパンボンド不織布41に若干滲透することにより、該フォーム状前駆層31と該スパンボンド不織布41とが一体化される。
その後、乾燥機16に導入され、通常140℃〜200℃、望ましくは150℃〜170℃に加熱されることで、上記フォーム状前駆層31は、乾燥固化、あるいは発泡剤を発泡(膨張)させつつ乾燥固化される。
上記工程Cにおいて、上記スパンボンド不織布41と一体化された上記フォーム状前駆層31が加熱乾燥されることにより、上記通気調整接着シート1における通気調整層3と、該通気調整層3の一面に設けられた接着面5とが得られる。
【0017】
[積層吸音材]
図2に示すように、積層吸音材1Aは、フェルト、ガラスマット等の繊維材料、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム等の合成樹脂発泡体等の従来から使用されている吸音材6の表面に、上記接着面5を介して上記通気調整接着シート1が熱接着されることにより、構成されている。
上記通気調整接着シート1は、それ自体を単独の吸音材として使用することが可能であるが、上記吸音材6と組み合わせて上記積層吸音材1Aとすることにより、従来から使用されている吸音材の吸音特性を改善するものとして使用することも可能である。
即ち、上記通気調整接着シート1を上記吸音材6の音源側の面(通常は表面)に接着することで、上記積層吸音材1Aの音源側の面における通気度は、実質的に該通気調整接着シート1の通気度と略同値である。従って、上記吸音材6の種類や該吸音材6が本来有する通気度に影響されることなく、上記通気調整接着シート1を上記吸音材6に接着して得られた積層吸音材1Aの通気度は、該通気調整接着シート1の通気度を変更しない限り、一定である。このため、所望する吸音特性が得られるように該通気調整接着シート1の通気度を調整しておくことで、該通気調整接着シート1を従来から使用されている吸音材6の表面に接着するのみで、所望の吸音特性を有する積層吸音材1Aを簡易に得ることができる。
また、上記通気調整接着シート1の上記吸音材6への接着については、上記接着面5を上記第2の融点以上に加熱し、低融点熱可塑性樹脂を軟化させ、該接着面5を該吸音材6に圧着するのみで行われ、非常に簡易である。更に上記合成樹脂発泡体に配合されたパウダー又は上記合成樹脂発泡体に積層されたスパンボンド不織布からなる接着面5は、通常の接着剤のように面状に接着箇所が拡がることで接着されるものではなく、接着箇所が点状に分散して接着されるものであることから、上記通気調整接着シート1や、該通気調整接着シート1を介した上記吸音材6の通気を妨げることはない。
上記積層吸音材1Aは、車両であれば、例えばダッシュインシュレーター、フロアインシュレーター、天井材、 ドアトリム等を通常の吸音材として、該吸音材の表面に上記通気調整接着シート1を接着することで構成することが可能である。他に、エンジンフード、エンジンアンダーカバー、ボディパネル等の表面に上記通気調整接着シート1を接着することで、該エンジンフード、エンジンアンダーカバー、ボディパネル等の外部の空気を吸音材として、上記積層吸音材1Aを構成することも可能である。更に、車両に限らず、家屋やビルの床や壁等に使用したり、あるいは上水や下水のパイプに使用したりしてもよい。
【実施例】
【0018】
[実施例1]
〔通気調整接着シート〕
表層:単位質量20g/mのPET製スパンボンド不織布を表層とした。
撥水面:上記PET製スパンボンド不織布にフッ素系撥水剤を付着量0.5g/mで含浸塗布して、上記表層の一面を撥水面とした。
通気調整層:上記撥水面上に液状のアクリル樹脂を単位質量40g/mで発泡塗布し、乾燥固化して通気調整層とした。
接着面:上記液状のアクリル樹脂にポリエステル製パウダーを単位質量20g/mで配合し、上記通気調整層の一面を接着面とした。
〔積層吸音材〕
吸音材(グラスウール製、単位質量500g/m、厚み10t(10mm))の表面に、上記通気調整接着シートを、上記接着面を介して接着し、積層吸音材とした。
【0019】
[実施例2]
〔通気調整接着シート〕
表層:単位質量20g/mのPET製スパンボンド不織布を表層とした。
撥水面:上記PET製スパンボンド不織布にフッ素系撥水剤を付着量0.5g/mで含浸塗布して、上記表層の一面を撥水面とした。
通気調整層:上記撥水面上に液状のアクリル樹脂を単位質量40g/mで発泡塗布し、乾燥固化して通気調整層とした。
接着面:上記液状のアクリル樹脂を発泡塗布後、その表面に単位質量20g/mのポリプロピレン製スパンボンド不織布を積層し、該アクリル樹脂を乾燥固化して、通気調整層の一面を接着面とした。
〔積層吸音材〕
吸音材(グラスウール製、単位質量500g/m、厚み10t(10mm))の表面に上記通気調整接着シートを、上記接着面を介して接着し、積層吸音材とした。
【0020】
[実施例3]
〔通気調整接着シート〕
上記実施例1の通気調整接着シートと同じ物を使用した。
〔積層吸音材〕
吸音材(グラスウール製、単位質量1000g/m、厚み20t(20mm))の表面に上記通気調整接着シートを、上記接着面を介して接着し、積層吸音材とした。
【0021】
[比較例1]
この比較例1以降の各比較例については、上記の各実施例の通気調整接着シートに代えて、通常の表皮材として各比較例に示す構成のものを使用した。
〔表皮材〕
表層:単位質量82g/mのPET製ニードルパンチ不織布を表層とした。
発泡樹脂層:上記PET製ニードルパンチ不織布に液状のアクリル樹脂を単位質量23g/mで発泡塗布し、乾燥固化して発泡樹脂層とした。
接着面:上記液状のアクリル樹脂を発泡塗布後、その表面に単位質量20g/mのポリプロピレン製スパンボンド不織布を積層し、該アクリル樹脂を乾燥固化して、発泡樹脂層の一面を接着面とした。
〔積層吸音材〕
吸音材(グラスウール製、単位質量500g/m、厚み10t(10mm))の表面に、上記表皮材を、上記接着面を介して接着し、積層吸音材とした。
【0022】
[比較例2]
〔表皮材〕
表層:単位質量82g/mのPET製ニードルパンチ不織布を表層とした。
発泡樹脂層:上記PET製ニードルパンチ不織布に液状のアクリル樹脂を単位質量23g/mで発泡塗布し、乾燥固化して発泡樹脂層とした。
接着面:上記液状のアクリル樹脂を発泡塗布後、その表面に単位質量20g/mのポリプロピレン製スパンボンド不織布を積層し、該アクリル樹脂を乾燥固化して、発泡樹脂層の一面を接着面とした。
〔積層吸音材〕
吸音材(グラスウール製、単位質量1000g/m、厚み20t(20mm))の表面に上記通気調整接着シートを、上記接着面を介して接着し、積層吸音材とした。
【0023】
[比較例3]
〔表皮材〕
表層:単位質量82g/mのPET製ニードルパンチ不織布を表層とした。
発泡樹脂層:上記PET製ニードルパンチ不織布に液状のアクリル樹脂を単位質量23g/mで発泡塗布し、乾燥固化して発泡樹脂層とした。
接着面:上記液状のアクリル樹脂を発泡塗布後、その表面に単位質量20g/mのポリプロピレン製スパンボンド不織布を積層し、該アクリル樹脂を乾燥固化して、発泡樹脂層の一面を接着面とした。
〔積層吸音材〕
吸音材(グラスウール製、単位質量1500g/m、厚み20t(20mm))の表面に上記通気調整接着シートを、上記接着面を介して接着し、積層吸音材とした。
【0024】
[性能評価1]
〔吸音率の測定1〕
実施例1と比較例1について、JIS A1409に規定される残響室法吸音率の測定方法に従い、吸音率を測定した。その結果を図5のグラフに示す。
図5のグラフに示されるように、測定した周波数の全域で、通気調整接着シートを使用した実施例1は、通常の表皮材を使用した比較例1よりも吸音率が高く、吸音性能に優れていることが示された。
〔性能比較〕
実施例1と実施例2について、吸音性能及び耐久性能を感応評価した。その結果、実施例2は実施例1と遜色ない性能を示した。
【0025】
[性能評価2]
実施例3と、比較例2,3について、JIS A1409に規定される残響室法吸音率の測定方法に従い、吸音率を測定した。その結果を図6のグラフに示す。
図6のグラフに示されるように、測定した周波数の全域で、通気調整接着シートを使用した実施例3は、通常の表皮材を使用した比較例2よりも吸音率が高く、吸音性能に優れていることが示された。
使用する吸音材の単位質量を比較例2のものより高めた比較例3は、測定した周波数の低域で実施例2よりも吸音率が低く、また測定した周波数の高域で実施例3よりも吸音率が極僅かに高いが、実施例3よりも重量が増していることを考慮すると、実施例3は比較例3よりも軽量で吸音性能に優れていることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、所望とする吸音性能に最適な通気度を安定に維持することができるとともに、通気調整のコントロールを容易に行うことができる通気調整接着シート及びその製造方法、更には該通気調整接着シートによって吸音特性が改善された積層吸音材を提供するものであるから、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 通気調整接着シート
1A 積層吸音材
2 表層
3 通気調整層
4 撥水面
5 接着面
6 吸音材
図1
図2
図3
図4
図5
図6